JP2007321656A - 燃料ポンプ保護構造 - Google Patents

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洋 石黒
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Abstract

【課題】燃料ポンプの保護対象部を保護するプロテクタの支持剛性を向上させることができる燃料ポンプ保護構造を提供すること。
【解決手段】車両に搭載されたエンジン2に燃料ポンプ4が設けられ、車両衝突時に車体に対してエンジン2が相対移動するのに伴い前記燃料ポンプ4の燃料ポート44が移動する軌跡上にブレーキマスタシリンダ11が配置され、このブレーキマスタシリンダ11と燃料ポート44との当接を防止するプロテクタ47が、燃料ポンプ4に設けられているとともに、プロテクタ47は、燃料ポンプ4のプランジャを囲む筐体部に支持されていることを特徴とする燃料ポンプ保護構造とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンに設けられた燃料ポンプを保護する燃料ポンプ保護構造に関する。
従来、燃料タンクからエンジンに燃料を供給する燃料ポンプとして、エンジンに取り付けられ、エンジンのカムシャフトやクランクシャフトなどで駆動される機械式の燃料ポンプが知られている。
また、このようなエンジンに取り付けられた燃料ポンプを、車両衝突時に保護するエンジンのプロテクタが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−360581号公報
しかしながら、上述の従来技術にあっては、プロテクタが燃料ポンプの一般部に支持固定されているため、支持剛性が弱いという問題があった。
本発明は、上述の従来の課題に着目して成されたもので、プロテクタの支持剛性を向上させることのできる燃料ポンプ保護構造を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するため、本発明は、車載部品と前記保護対象部との当接を防止するプロテクタを、燃料ポンプに設けるとともに、前記プロテクタを、前記燃料ポンプのプランジャを囲む筐体部に支持した。
本発明の燃料ポンプ保護構造にあっては、プロテクタは、燃料ポンプの中でも特に高内圧となるため高強度に形成されたプランジャを収容した筐体部に支持されているために、この筐体部以外の部位に支持されるよりもプロテクタの支持強度を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
この実施の形態の燃料ポンプ保護構造は、車両に搭載されたエンジン(2)に燃料ポンプ(4)が設けられ、車両衝突時に車体に対してエンジン(2)が相対移動するのに伴い前記燃料ポンプ(4)の一部である保護対象部(42,44)が移動する軌跡上に車載部品(11,12)が配置され、この車載部品(11,12)と前記保護対象部(42,44)との当接を防止するプロテクタ(47)が、前記燃料ポンプ(4)に設けられているとともに、前記プロテクタ(47)は、前記燃料ポンプ(4)のプランジャを囲む筐体部(45)に支持されていることを特徴とする燃料ポンプ保護構造である。
図1〜図4に基づいて本発明の最良の実施の形態の実施例1の燃料ポンプ保護構造について説明する。
実施例1の燃料ポンプ保護構造は、図1に示す車両の前部に設けられたエンジンルームER内に適用されている。
エンジンルームERは、ダッシュパネル1の車両前方(矢印FR方向)に形成されており、このエンジンルームERにエンジン2が、車両の車幅方向中央線CEに跨り、クランク軸21を車幅方向に延在させたいわゆる横置き状態で搭載されている。なお、矢印LSが車両左側を、矢印RSが車両右側を示している。
ダッシュパネル1には、図外のブレーキ装置において、制動操作により油圧を発生させるブレーキマスタシリンダ(車載部品)11およびブレーキマスタバック(車載部品)12がその軸方向を車両前後方向に向けて設けられている。
エンジン2は、左右の支持点13(13a,13b)に設けられた図示を省略したマウント部材によって、エンジン2を含むパワープラント全体を振り子のように揺動可能に弾性支持されているとともに、この揺動とクランク軸21周りの揺動(回動)とを規制するための図示を省略したトルクロッドが、パワープラントの下端部と車体側とを連結するように設けられている。
燃料ポンプ4は、図示のように、エンジン2の車両左側の側面22において、車両後方側の端部に取り付けられており、ブレーキマスタシリンダ11およびブレーキマスタバック12と車両左右方向で重なって配置されている。
この燃料ポンプ4は、エンジン2の図示を省略したカムシャフトの回転により駆動される機械式のもので、燃料ポンプ4などを上方から視た平面図である図2に示すように、図外のカムシャフトにより回転される駆動軸41を備えている。
また、燃料ポンプ4は、その斜視図である図3にも示すように、図外の燃料タンクに接続された燃料チューブ42,42が接続された燃料ポート43,44が設けられている。すなわち、燃料ポート43,44には、筒状の接続ノズル43a,44aが突出され、各接続ノズル43a,44aに、燃料チューブ42,42が接続されている。なお、燃料ポート43,44としては、図外の燃料タンクから燃料が供給される供給ポートと、図外の燃料タンクへ余剰燃料を戻すリターンポートと、の2種類のポートが設けられている。
また、燃料ポンプ4には、駆動軸41の回転でストロークするプランジャ(図示省略)を収容した筐体部45が形成されている。この筐体部45は、燃料ポンプ4のポンプ本体46と一体の金属鋳造部分により形成され、ポンプ本体46の中でも高内圧が発生するため高強度な部分となっている。
この筐体部45と一方の燃料ポート(保護対象部)44およびこれに接続された燃料チューブ(保護対象部)42は、車幅方向に隣り合って配置されており、かつ、これら42,44,45は、ブレーキマスタシリンダ11およびブレーキマスタバック12と車両左右方向で重なって配置されている。
さらに、燃料ポンプ4の筐体部45には、プロテクタ47が一体に形成されている。このプロテクタ47は、図3に示すように、略円柱形状に形成され、かつ、図1および図2に示すように、その先端面47aが、車両前後方向で燃料ポート44よりもブレーキマスタシリンダ11に近い位置に配置されるように、その軸方向寸法が設定されている。
次に、実施例1の作用と共に、プロテクタ47を含む燃料ポンプ4とブレーキマスタシリンダ11およびブレーキマスタバック12との位置関係について説明する。
車両が前面衝突した場合、その入力が大きいと車体の変形に伴ってエンジン2が車両後方に移動する。
例えば、図1に示すように、車両前面の全面に障害物BAが衝突する全突時には、エンジン2は、図において二点鎖線で示すように、車両後方へ向かって略平行に移動する。この場合、燃料ポンプ4の燃料ポート44およびこれに接続された燃料チューブ42の移動軌跡が、ブレーキマスタシリンダ11およびブレーキマスタバック12に重なる。
そこで、プロテクタ47は、燃料ポート44および燃料チューブ42とブレーキマスタシリンダ11との干渉が生じる前の時点でブレーキマスタシリンダ11と干渉するように、車両後方に突出されている。そして、その突出量は、先端面47aが、燃料ポート44および燃料チューブ42の車両後方側の端部よりも車両後方に配置される突出量となっている。
さらに、プロテクタ47は、ブレーキマスタシリンダ11の車両右側部分と車両左右方向で重なる寸法に形成され、かつ、ブレーキマスタシリンダ11よりも高い強度に形成されている。これは、両者47,11が当たったときに、相対的にブレーキマスタシリンダ11の変形量の方を大きくし、かつ、ブレーキマスタシリンダ11が、その前端部の車両右側部分に入力を受けて、図中二点鎖線で示すように、燃料ポート44の移動軌跡よりも車両左方向の外へ折曲させるためである。
したがって、全突時には、プロテクタ47により、ブレーキマスタシリンダ11が、燃料ポート44およびこれに接続された燃料チューブ42の移動軌跡の外まで折曲されて、燃料ポート44および燃料チューブ42がブレーキマスタシリンダ11と干渉するのを防止することができる。なお、図示のエンジン2の移動量では、燃料ポート44および燃料チューブ42は、ブレーキマスタバック12の位置まで達しないが、ブレーキマスタバッグ12まで達するような場合でも、プロテクタ47が先にブレーキマスタバック12の位置に達して、燃料ポート44および燃料チューブ42を保護することができる。
また、図4において矢印ODBに示すように、障害物BA(図4では図示省略)が車幅方向中央線CEよりも車両左側に衝突するオフセット衝突の場合、エンジン2は、図において二点鎖線で示すように支持点13(13a)を中心に車両後方へ回動する。
この場合、エンジン2の側面22側の移動量が大きく、燃料ポンプ4の燃料ポート44の移動軌跡上に、ブレーキマスタシリンダ11およびブレーキマスタバック12が重なっている。
そこで、本実施例1では、このようにエンジン2が、支持点13(13a)を中心に回動した場合も、プロテクタ47が、燃料ポート44とブレーキマスタシリンダ11との干渉が生じる前の時点でブレーキマスタシリンダ11の前端部の車両右側部分に当たり、ブレーキマスタシリンダ11を図中二点鎖線で示すように、燃料ポート44の移動軌跡の車両左方向の外へ折曲させるよう、その強度、突出方向寸法、外径寸法が設定されている。
さらに、このオフセット衝突の際には、全突時よりもエンジン2の車両左側の端部の移動量が大きくなり、図示のように、燃料ポート44がブレーキマスタバック12の位置まで達する可能性があるが、このブレーキマスタバック12に対しても、プロテクタ47が先に接触するように、その配置および寸法が設定されている。
なお、車幅方向中央線CEよりも車両右側に衝突するオフセット衝突の場合は、燃料ポンプ4などの移動方向は、全突時と同様となるので、説明を省略する。
以上説明したように、実施例1の燃料ポンプ保護構造では、プロテクタ47は、燃料ポンプ4の中でも高強度な部分であるプランジャを収容した筐体部45に形成されているため、筐体部45以外の部位に形成するよりもプロテクタ47の支持剛性を向上させることができる。また、燃料ポンプ4に一体的に突設したプロテクタ47により、車両衝突時に燃料ポンプ4の燃料ポート44および燃料チューブ42が、その車両後方に配置されたブレーキマスタシリンダ11およびブレーキマスタバック12に衝突するのを防止することができる。
このために、本実施例1では、従来のように保護カバーを設ける構造と比較して、保護構造に必要なスペースが小さくて済み、保護カバーの設置スペースの確保が困難なエンジンルームERでも燃料ポンプ4の保護が可能になった。
また、ブレーキマスタシリンダ11は、軸状を成し、ダッシュパネル1に強固に固定されているため、保護対象部としての燃料ポート44よりも強度が高く形成されており、両者の干渉を回避上で上記保護がより有効である。
しかも、実施例1では、プロテクタ47を、金属の柱状に形成したため、小さなスペースで高強度に形成することができ、設置に必要なスペースを、より小さくすることができる
また、上述のようにプロテクタ47の強度および寸法を設定して、ブレーキマスタシリンダ11に当たった時には、ブレーキマスタシリンダ11を、燃料ポート44および燃料チューブ42の移動軌跡の外に折曲させるようにした。このため、ブレーキマスタシリンダ11を単に変形させるのに比べて、燃料ポート44および燃料チューブ42とブレーキマスタシリンダ11とが干渉するのを、より確実に防止でき、保護性能を高めることができる。
さらに、プロテクタ47は、燃料ポンプ4のポンプ本体46と一体の筐体部45に一体に形成したため、ポンプ本体46と別体のものを用いるのと比較して、プロテクタ47の製造、組付作業、強度確保が容易である。
加えて、プロテクタ47がブレーキマスタシリンダ11に当たったときに、プロテクタ47への入力が、ポンプ本体46の高強度の筐体部45に入力されることから、ポンプ本体46が変形してプロテクタ47と燃料ポート44との相対位置が変化するのを抑制でき、これによっても保護性能を向上させることができる。特に、図4に示すオフセット衝突時には、両者47,44が、ブレーキマスタバック12に対して斜めに当たり、この斜め当たり状態では両者47,44の車両前後方向の寸法差が小さくなることから、両者の相対変位を抑えることが有効である。
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態および実施例1を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態および実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
すなわち、実施例1では、燃料ポンプ4の保護対象部として、燃料ポート44およびこれに接続される燃料チューブ42を示したが、燃料ポンプ4において衝突時の移動軌跡が車載部品と干渉する部分であれば、他の部位を保護対象部としてもよい。
また、プロテクタ47は、燃料ポンプ4のポンプ本体46と一体に形成した例を示したが、これに限定されず、燃料ポンプ4とは別体のプロテクタを用いてもよい。この場合、この別体のプロテクタを、燃料ポンプ4にボルトなどの締結手段や溶接により結合させてもよい。
また、実施例1では、プロテクタ47が、車載部品としてのブレーキマスタシリンダ11に当たったときにブレーキマスタシリンダ11を車両左方向に変形させる例を示した。しかし、プロテクタは、車載部品を、保護対象部の移動軌跡の外方向へ移動させることができるのならば、その方向は、実施例1で示した車両左方向に限らず、上下方向や車両後方などの他の方向に変形させるようにしてもよい。
さらに、実施例では、プロテクタ47がブレーキマスタシリンダ11を、保護対象部としての燃料ポート44および燃料チューブ42の移動軌跡の外に移動させるようにした例を示したが、必ずしも移動軌跡の外まで移動させなくてもよい。すなわち、プロテクタは、車載部品をある程度移動させるのであれば、それが保護対象部の移動軌跡上に存在していても保護対象部との距離が広がり、保護効果を得ることができる。
また、実施例1では、プロテクタ47を車両後方に突出させた例を示したが、衝突に伴うエンジン2の移動時に、保護対象部よりも先にプロテクタ47が、車載部品に当たるのであれば、その突出方向は、実施例で示した方向に限られるものではなく、上方や下方あるいは斜めなどの実施例とは異なる方向に突出させてもよい。
また、実施例1では、車載部品として、ブレーキマスタシリンダ11およびブレーキマスタバック12を示したが、他の車載部品からの保護にも適用することができる。
また、図5に示すように、プロテクタ247と車載部品211との少なくとも一方に、両者が当たったときに、車載部品211の変形方向をあらかじめ設定した方向へガイドするガイド面247a,211aを形成してもよい。
また、プロテクタ47は、円柱形状に形成したが、四角柱や三角柱などの他の柱状や、円錐、角錐などの形状に形成してもよいし、あるいは、図6に示すように、複数の板状の片300により形成してもよい。
また、実施例1では、車両前部に搭載したエンジン2に適用した例を示したが、車両後部に搭載したエンジンに適用することもできる。さらに、実施例1では、横置き搭載のエンジン2に適用した例を示したが、縦置きのエンジンに適用することもできる。
本発明の実施の形態の実施例1の燃料ポンプ保護構造の構成の概略および全面衝突時の作用を示す車両上方から視た構成説明図である。 本発明の実施の形態の実施例1の燃料ポンプ保護構造の要部を示す平面図である。 本発明の実施の形態の実施例1の燃料ポンプ保護構造に用いた燃料ポンプを示す斜視図である。 本発明の実施の形態の実施例1の燃料ポンプ保護構造の構成の概略およびオフセット衝突時の作用を示す車両上方から視た構成説明図である。 本発明の実施の形態の他例の要部を示す平面図である。 本発明の実施の形態の他例の要部を示す斜視図である。
符号の説明
1 ダッシュパネル(車体)
2 エンジン
4 燃料ポンプ
11 ブレーキマスタシリンダ(車載部品)
12 ブレーキマスタバック(車載部品)
42 燃料チューブ(保護対象部)
44 燃料ポート(保護対象部)
45 筐体部
47 プロテクタ

Claims (4)

  1. 車両に搭載されたエンジンに燃料ポンプが設けられ、
    車両衝突時に車体に対してエンジンが相対移動するのに伴い前記燃料ポンプの一部である保護対象部が移動する軌跡上に車載部品が配置され、
    この車載部品と前記保護対象部との当接を防止するプロテクタが、前記燃料ポンプに設けられているとともに、
    前記プロテクタは、前記燃料ポンプのプランジャを囲む筐体部に支持されていることを特徴とする燃料ポンプ保護構造。
  2. 前記プロテクタは、前記車載部品よりも高強度に形成され、前記車両衝突によるエンジンの相対移動時に、前記保護対象部よりも先に前記車載部品に当たり、前記車載部品における少なくとも前記移動軌跡上の部分を移動させることを特徴とする請求項1に記載の燃料ポンプ保護構造。
  3. 前記保護対象部が、前記燃料ポンプにおいて燃料が供給あるいは送出される燃料ポートおよびこの燃料ポートに接続された燃料チューブであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料ポンプ保護装置。
  4. 前記プロテクタが、金属により柱状に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料ポンプ保護装置。
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US10871135B2 (en) 2018-04-26 2020-12-22 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Internal combustion engine and method for manufacturing internal combustion engine

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