JP2007320388A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンと電動機との間の動力伝達を継断する動力継断手段を切断状態から接続状態に切り替えるときに、簡易な手法で、切り替え時のショックを適切に軽減する。
【解決手段】動力継断手段6を切断状態から接続状態に切り替える要求が発生したとき、動力継断手段6のエンジン側回転要素6aの回転速度を電動機側回転要素6bの回転速度に近づけるように、それらの間の回転速度差に応じてエンジン1の出力トルクを制御する。エンジン1の出力トルクは回転速度差の範囲に応じて段階的に変化させる。両回転要素6a,6bの回転速度がほぼ同じになったとき、動力継断手段6を切断状態から接続状態に切り替えるように油圧装置8から動力継断手段6への圧油の供給を開始する。その油圧が設定圧以上になって油圧スイッチ14がONになると、エンジン1および電動機2の出力トルクを車速を一定に維持するように制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンと電動機とを走行用の動力源として備えるハイブリッド車両の制御装置に関する。
従来、電動機とエンジンとを車両の走行用の動力源として備えるハイブリッド車両では、特許文献1に見られるように、電動機とエンジンとの間の動力伝達をクラッチによって、継断可能としたものが知られている。
この車両では、クラッチの切断状態では、電動機の出力トルクを車両の車輪に伝達して、該車両の走行を行なうと共に、エンジンの出力軸に接続されている発電機を該エンジンにより駆動する。そして、その発電機の発電電力を電動機の電源電池に充電する。このような運転状態では、ハイブリッド車両は、シリーズ型ハイブリッド車両として機能する。
また、クラッチの接続状態では、エンジンの出力トルクをクラッチを介して車両の車輪伝達し、該車両の走行を行なうと共に、車両の要求出力トルクに対するエンジンの出力トルクの過不足分を適宜、電動機もしくは発電機により補う。このような運転状態では、ハイブリッド車両は、パラレル型ハイブリッド車両として機能する。
この種のハイブリッド車両では、クラッチの切断状態から接続状態への切り替えに伴うショック(衝撃)の発生を軽減することが望ましい。
このため、前記特許文献1に見られる技術では、クラッチの切断状態から接続状態への切り替えを行なう際に、発電機の回転数を電動機の回転数にほぼ一致させるように(クラッチのエンジン側の回転要素の回転数と電動機側の回転要素の回転数とをほぼ一致させるように)発電機のトルクを制御する同期制御を行ない、両者の回転数がほぼ一致した後に、クラッチの接続を行なうようにしている。
また、特許文献2には、自動変速機のアップシフト時の変速ショックを軽減するように、クラッチ油圧とエンジンの出力トルク(自動変速機への入力トルク)を制御する技術が開示されている。この技術では、クラッチの油圧がイナーシャフェーズを開始し得る油圧まで上昇したときから、自動変速機への入力トルクの推定値に応じて設定された棚圧を初期値として、油圧装置のアキュムレータの背圧をクラッチに供給して、クラッチの油圧を上昇させる。そして、これと並行して、エンジンから自動変速機への入力回転数が、所定の目標低下率で低下していくように、エンジンの出力トルクを調整するようにしている。
特許第3052753号 特開2003−0139234
しかしながら、前記特許文献1に見られる技術では、発電機によって、クラッチの二つの回転要素の回転数を同期させるため、電源電池の残容量が少ない状態や、満充電に近い状態では、クラッチのエンジン側回転要素の回転数を電動機側回転要素の回転数に近づけるために必要なトルク(力行トルクまたは回生トルク)を発生することが困難となる場合がある。このため、車両を、パラレル型ハイブリッド車両として動作させ得る機会が制限を受けやすいという不都合がある。
また、前記特許文献2に見られる技術では、クラッチ油圧の複雑な制御が必要となるため、油圧装置の油路の構成が複雑なものとなる。さらに、クラッチ油圧がある程度上昇し、クラッチの動力伝達が可能となってから(すなわち、クラッチの接続を行ないながら)、エンジンのトルクを制御して、エンジンの出力軸など、自動変速機の入力側の回転要素のイナーシャを吸収するようにしているため、クラッチの発熱が生じやすく、該クラッチの耐久性を確保することが困難であった。
本発明は、かかる背景に鑑み、エンジンと電動機との間の動力伝達を継断する動力継断手段を切断状態から接続状態に切り替えるときに、電動機の電源たる蓄電器の残容量に依存せず、また、複雑な動力継断手段の複雑な動作制御を必要としない簡易な手法で、切り替え時のショックを適切に軽減することができるハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とする。加えて、動力継断手段の接続を行なうための油圧装置に備える油圧スイッチの故障の判断を容易に行なうことができるハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とする。
本発明のハイブリッド車両の制御装置は、かかる目的を達成するために、車両の走行用の出力トルクをそれぞれ発生するエンジンおよび電動機と、前記エンジンの出力軸および電動機のロータにそれぞれ連動して回転するエンジン側回転要素および電動機側回転要素を有し、両回転要素の摩擦係合により前記エンジンと電動機との間の動力伝達を可能とする接続状態と該摩擦係合の解除により前記エンジンと電動機との間の動力伝達を遮断する切断状態とに動作可能な動力継断手段と、該動力継断手段の接続状態で前記エンジンの出力トルクを車両の車輪に伝達し、該動力継断手段の切断状態で前記電動機の出力トルクを車両の車輪に伝達するように設けられた出力トルク伝達手段とを備えたハイブリッド車両の制御装置であって、前記動力継断手段のエンジン側回転要素入力側と電動機側回転要素との間の回転速度差を逐次検知する回転速度差検知手段と、前記動力継断手段を切断状態から接続状態に切り替えるとき、該動力継断手段の切断状態において前記回転速度差の絶対値が所定の閾値よりも小さくなるまで該絶対値を減少させるように、前記回転速度差検知手段により検知された回転速度差に応じて前記エンジンの出力トルクを変化させる第1制御手段と、前記検知された回転速度差の絶対値が前記所定の閾値よりも小さくなったとき、前記切断状態から接続状態に切り替えるように前記動力継断手段を動作させる第2制御手段とを備えたことを特徴とする(第1発明)。
この第1発明によれば、前記動力継断手段を切断状態から接続状態に切り替える要求が発生したとき、まず、前記第1制御手段の制御処理が実行される。すなわち、動力継断手段のエンジン側回転要素と電動機側回転要素との間の回転速度差の絶対値が、前記所定の閾値よりも小さくなるまで、換言すれば、該回転速度差の絶対値が十分に小さくなるまで、該絶対値を減少させるように、前記回転速度差検出手段により検出された回転速度差に応じて前記エンジンの出力トルクを変化させる。この場合、エンジンの出力トルクの操作(変化)によって、エンジン側回転要素の回転速度を電動機側回転要素の回転速度に近づける(両回転要素の回転速度を同期させる)こととなるので、その同期は、電動機の電源たる蓄電器の残容量に依存することなく行なうことができる。
次いで、前記第2制御手段の制御処理が実行される。すなわち、第1制御手段の制御処理によって、前記検出された回転速度差の絶対値が前記所定の閾値よりも小さくなったとき、前記切断状態から接続状態に切り替えるように前記動力継断手段を動作させる。この場合、前記エンジン側回転要素の回転速度と電動機側回転要素の回転速度とがほぼ同じになっている(同期している)ので、該動力継断手段が切断状態から接続状態に切り替っても、それに伴うショック(衝撃)の発生が軽減される。また、このとき、動力継断手段の接続は、該動力継断手段の両回転要素の回転速度がほぼ同じになっている状態で行なわれるので、動力継断手段の複雑な動作制御を必要とせずに、切り替え時のショックの発生を軽減できる。
よって、第1発明によれば、動力継断手段を切断状態から接続状態に切り替えるときに、電動機の電源たる蓄電器の残容量に依存せず、また、複雑な動力継断手段の複雑な動作制御を必要としない簡易な手法で、切り替え時のショックを適切に軽減することができる。
なお、第1発明では、エンジンにより駆動される発電機(より具体的には、エンジンの出力軸と連動して回転するロータを有する発電機)を備えることは必ずしも必要ではない。そして、該発電機を備える場合には、前記第1制御処理および第2制御処理において、該発電機の出力トルク(回生トルク)を、一定値(例えば該発電機の微小な発電を行い得る一定値)に維持することが望ましい。また、前記電動機の出力トルクは、少なくとも前記第1制御処理の実行中は、前記動力継断手段の切断状態から接続状態への切り替えの要求が発生する前の状況(動力継断手段が切断状態に維持されう状況)と同様に制御すればよい。例えば、車両の要求駆動力に応じて電動機の出力トルクを制御すればよい。
かかる第1発明では、前記第1制御手段は、前記検知された回転速度差が、あらかじめ定められた複数種類の範囲のうちのいずれの範囲に存するかに応じて、該回転速度差の絶対値を減少させるためのエンジン用トルク指令値を決定し、その決定したエンジン用トルク指令値により前記エンジンの出力トルクを制御する手段であり、前記回転速度差の複数種類の範囲にそれぞれ対応して決定されるエンジン用トルク指令値は、前記第1制御手段の制御処理の実行開始時におけるエンジンの出力トルクからの変化量が当該各種類の範囲毎に互いに相違するトルク指令値であることが好ましい(第2発明)。
この第2発明によれば、前記第1制御手段の制御処理では、前記回転速度差の各種類の範囲毎に、互いに相違するエンジン用トルク指令値が決定されるので、前記回転速度差検知手段により検知された回転速度差の絶対値が小さくなるに伴い、段階的にエンジン用トルク指令値が変化されることとなる。そして、このとき、前記検知された回転速度差が、各種類の範囲に存する状態では、エンジン用トルク指令値が一定に維持される。
このため、エンジン用トルク指令値に対してエンジンの実際の出力トルク(これは一般にエンジン用トルク指令値に対して応答遅れを生じやすい)の変化が滑らかになる。ひいては、動力継断手段のエンジン側回転要素の回転速度を電動機側回転要素の回転速度に滑らかに近づけていくことができる。
なお、第2発明では、動力継断手段のエンジン側回転要素の回転速度が、電動機側回転要素の回転速度よりも高い場合に決定されるエンジン用トルク指令値は、エンジン側回転要素の回転速度を低下させるトルク指令値であるから、前記第1制御手段の制御処理の実行開始時におけるエンジンの出力トルクよりも小さいトルク指令値となる。また、動力継断手段のエンジン側回転要素の回転速度が、電動機側回転要素の回転速度よりも低い場合に決定されるエンジン用トルク指令値は、エンジン側回転要素の回転速度を上昇させるトルク指令値であるから、前記第1制御手段の制御処理の実行開始時におけるエンジンの出力トルクよりも大きいトルク指令値となる。
この第2発明では、より好ましくは、前記エンジン用トルク指令値を決定するとき、前記回転速度差の絶対値が大きいほど、前記第1制御手段の制御処理の実行開始時におけるエンジンの出力トルクからの変化量が該回転速度差の絶対値を減少させる向きに大きくなるように、前記各種類の範囲毎に前記エンジン用トルク指令値を決定する(第3発明)。
この第3発明によれば、動力継断手段のエンジン側回転要素の回転速度が、電動機側回転要素の回転速度よりも高い場合には、第1制御手段の制御処理の開始直後に、エンジン用トルク指令値が、該制御処理の開始時の出力トルクから、比較的大きく減少され、その後、エンジン側回転要素の回転速度が電動機側回転要素の回転速度に向かって低下していくに伴い、エンジン用トルク指令値が、第1制御手段の制御処理の開始時の出力トルクよりも小さい範囲で、段階的に大きくなっていくこととなる。また、動力継断手段のエンジン側回転要素の回転速度が、電動機側回転要素の回転速度よりも低い場合には、第1制御手段の制御処理の開始直後に、エンジン用トルク指令値が、該制御処理の開始時の出力トルクから、比較的大きく増加され、その後、エンジン側回転要素の回転速度が電動機側回転要素の回転速度に向かって上昇していくに伴い、エンジン用トルク指令値が、第1制御手段の制御処理の開始時の出力トルクよりも大きい範囲で、段階的に小さくなっていくこととなる。このため、動力継断手段のエンジン側回転要素の回転速度が、電動機側回転要素の回転速度に対してオーバシュートやアンダーシュートを生じるのを抑制しつつ、該エンジン側回転要素の回転速度を迅速且つ滑らかに、電動機側回転要素の回転速度に近づけていくことができる。
前記第1〜第3発明では、前記動力継断手段が、前記ハイブリッド車両に備えた油圧装置から供給される圧油の圧力により前記切断状態から接続状態に切り替る動力継断手段である場合(すなわち、動力継断手段が油圧駆動式の動力継断手段である場合)には、前記第2制御手段は、前記検知された回転速度差の絶対値が前記所定の閾値よりも小さくなったとき、前記動力継断手段を切断状態から接続状態に切り替えるために、前記油圧装置から動力継断手段への圧油の供給を開始するように該油圧装置を制御する。
この場合、前記動力継断手段に供給される圧油の圧力が、前記動力継断手段の動力伝達が可能となる所定の設定圧以上であるときに、その旨を示すON信号を出力する油圧スイッチと、前記第2制御手段の制御処理の開始後、前記油圧スイッチの出力に基づき、前記動力継断手段の動力伝達を開始し得る動力伝達開始タイミングを認識し、該動力伝達開始タイミングから、前記電動機の出力トルクを0に向かって変化させると共に、前記エンジンの出力トルクを、前記動力継断手段の切断状態から接続状態への移行が完了した時に要求される出力トルクに向かって変化させる第3制御手段とを備えることが好ましい(第4発明)。
この第4発明によれば、動力継断手段が接続状態に切り替る過程で、該動力継断手段の実際の動力伝達が開始すると、前記第3制御手段の制御処理によって、前記電動機の出力トルクを0に低下させながら、エンジンの出力トルクを、前記動力継断手段の切断状態から接続状態への移行が完了した時に要求される出力トルク(これは例えば、車両の走行状態に応じて決定される)に向かって変化させる。このため、動力継断手段の接続動作中に、前記出力トルク伝達手段を介して前記車輪に伝達される駆動力の変動を抑制しながら、動力継断手段の接続動作(切断状態から接続状態への移行動作)を円滑に行なうことが可能となる。
この第4発明では、より具体的には、前記第3制御手段は、所定の制御処理周期毎に、前記電動機の出力トルクを所定量ずつ減少させるトルク指令値である電動機用フィードフォワード指令値を、前記ハイブリッド車両の車速を一定に維持するようにフィードバック制御則により決定した電動機用フィードバック補正量により補正してなる電動機用トルク指令値を逐次求める手段と、該電動機用トルク指令値により前記電動機の出力トルクを制御する手段と、前記所定の制御処理周期毎に、前記エンジンの出力トルクを所定量ずつ増加させるトルク指令値であるエンジン用フィードフォワード指令値を、前記回転速度差の絶対値が前記所定の閾値以下に収まるようにフィードバック制御則により決定したエンジン用フィードバック補正量により補正してなるエンジン用トルク指令値を逐次求める手段と、該エンジン用トルク指令値により前記エンジンの出力トルクを制御する手段とを備えることが好適である(第5発明)。
この第5発明によれば、車速を一定に維持するように、電動機の出力トルクを徐々に(制御処理周期毎に)に減少させる電動機用トルク指令値が逐次決定される共に、前記回転速度差の絶対値が前記所定の閾値以下に収まるように、前記動力継断手段の切断状態から接続状態への移行が完了した時に要求される出力トルクに向かってエンジンの出力トルクを徐々に増加させるエンジン用トルク指令値が逐次決定される。このため、ハイブリッド車両の車速や前記車輪に伝達される駆動力が変動しないように、動力継断手段の接続を行なうことを適切に行なうことができる。
また、前記第4発明または第5発明では、前記第3制御手段は、前記第2制御手段の制御処理が開始してから、第1所定時間が経過した後、前記油圧スイッチからON信号を出力された時を、前記動力伝達開始タイミングとして認識することが好ましい(第6発明)。
すなわち、油圧装置から動力継断手段への圧油の供給を開始した直後では、一時的なサージ圧が発生し、そのサージ圧により、油圧スイッチが一時的にON信号を出力することがある。そこで、第6発明では、前記第3制御手段は、第2制御手段の制御処理が開始してから、第1所定時間が経過した後、前記油圧スイッチからON信号を出力された時を、前記動力伝達開始タイミングとして認識する。これにより、前記一時的なサージ圧の発生時に、動力伝達開始タイミングが認識されるのを防止し、動力継断手段の実際の動力伝達が可能となる動力伝達開始タイミングを適切に認識することができる。
また、前記第4〜第6発明では、前記第1制御手段の制御処理の実行中に、前記油圧スイッチの出力と前記ハイブリッド車両の車速の変動状態とに基づき、該油圧スイッチの故障と該油圧スイッチ以外の機器の故障とを区別して検知する第1故障検知手段を備えるようにしてもよい(第7発明)。
ここで、前記第1制御手段の制御処理の実行中は、油圧装置から動力継断手段への圧油の供給を開始するように該油圧装置を制御する前記第2制御手段の制御処理がまだ開始されていないので、油圧スイッチはON信号を出力しないはずである。そして、第1制御手段の制御処理の実行中に油圧スイッチがON信号を出力する原因としは、該油圧スイッチの故障によって、該油圧スイッチが、前記所定の設定圧よりも小さい圧力域でON信号を出力してしまうような状況と、油圧装置に備えた機器など、油圧スイッチ以外の機器の故障によって、動力継断手段への圧油の供給が行なわれてしまっているような状況とが考えられる。この場合、後者の状況では、動力継断手段での動力伝達が行なわれて、車両の車速の変動を生じやすいものの、前者の状況では、このような車速の変動を生じ難い。従って、前記第7発明によれば、前記第1故障検知手段によって、第1制御手段の制御処理の実行中に、前記油圧スイッチの出力と前記ハイブリッド車両の車速の変動状態とに基づき、該油圧スイッチの故障と該油圧スイッチ以外の機器の故障とを区別して検知することができる。
さらに、前記第4〜第7発明では、前記第2制御手段の制御処理が開始してから、前記油圧スイッチがON信号を出力しない状態で第2所定時間が経過したとき、少なくとも前記回転速度差検知手段により検知される回転速度差とに基づいて、該油圧スイッチの故障と該油圧スイッチ以外の機器の故障とを区別して検知する第2故障検知手段を備えるようにしてもよい(第8発明)。
ここで、油圧装置および油圧スイッチが正常であれば、前記第2制御手段の制御処理が開始してから(油圧装置から動力継断手段への圧油の供給を開始してから)、該動力継断手段に供給される圧油の圧力(油圧)は、ある時間(前記第2所定時間)が経過するまでに、動力継断手段を接続状態に維持するのに必要十分な圧力まで上昇して、該動力継断手段の接続状態への移行が完了すると共に、その完了前に、油圧スイッチがON信号を出力するはずである。そして、前記第2制御手段の制御処理が開始してから、油圧スイッチがON信号を出力しない状態で前記第2所定時間が経過してしまうような場合には、その原因として、油圧スイッチの故障によって、油圧装置に備えた機器など、油圧スイッチ以外の機器の故障によって、該油圧スイッチがON信号を出力できないような状況と、油圧装置に備えた機器など、油圧スイッチ以外の機器の故障によって、前記動力継断手段に供給されるべき圧油の圧力が前記所定の設定圧まで上昇しないような状況とが考えられる。この場合、後者の状況では、前記第2所定時間が経過しても、前記回転速度差検知手段により検知される回転速度差が0にならないものの、前者の状況では、前記第2所定時間が経過したときに該回転速度差が0になる。従って、第8発明によれば、前記第2制御手段の制御処理が開始してから、前記油圧スイッチがON信号を出力しない状態で第2所定時間が経過した場合に、少なくとも前記回転速度差検知手段により検知される回転速度差とに基づいて、該油圧スイッチの故障と該油圧スイッチ以外の機器の故障とを区別して検知することができる。
なお、第8発明における前記第2所定時間は、前記第2制御手段の制御処理が開始してから、該動力継断手段に供給される圧油の圧力(油圧)が動力継断手段を接続状態に維持するのに必要十分な圧力まで上昇するのに要する時間が、該第2所定時間内に収まるように設定しておけばよい。また、第8発明を前記第6発明と組合わせる場合には、第2所定時間は、前記第1所定時間よりも長い時間となる。
本発明の一実施形態を図1〜図17を参照して説明する。
まず、図1および図2を参照して、本実施形態のハイブリッド車両の機構的な構成(動力系の構成)を説明する。図1は本実施形態のハイブリッド車両のシステム構成を示すブロック図、図2は該ハイブリッド車両の動力系を概略的に示すスケルトン図である。
図1を参照して、本実施形態のハイブリッド車両は、車両の走行用の動力源としてエンジン1と電動機2とを備えると共に、エンジン1により駆動させる発電機3と、エンジン1または電動機2の出力トルクを車両の車輪(駆動輪)4,4に伝達する出力トルク伝達手段としての減速機5と、エンジン1と電動機2との間の動力伝達を継断するクラッチ6とを備える。
クラッチ6は、入力側回転要素6a(図示の例では、いわゆるクラッチガイド)と出力側回転要素6b(図示の例では、いわゆるクラッチハブ)とを有し、これらの回転要素6a,6bを摩擦係合させる(摩擦力により係合させる)ことにより、両回転要素6a,6bの間の動力伝達を可能とする摩擦係合式の動力継断手段である。両回転要素6a,6bが、それらの摩擦係合により一体に回転し得る状態が、クラッチ6の接続状態(両回転要素6a,6bの間の動力伝達を可能とする状態)を意味し、その摩擦係合を解除した状態が、クラッチ6の切断状態(両回転要素6a,6bの間の動力伝達を遮断する状態)を意味する。なお、クラッチ6は、図示しないバネ等の付勢手段により、切断状態側に付勢されており、その付勢力に抗して両回転要素6a,6bを摩擦係合させることにより接続状態となる。また、クラッチ6の入力側回転要素6a、出力側回転要素6bは、それぞれ本発明におけるエンジン側回転要素、電動機側回転要素に相当する。
図2に示すように、エンジン1の出力軸1aは、発電機3のロータ3aを介してクラッチ6の入力側回転要素6aに連結されている。本実施形態では、出力軸1a、ロータ3aおよび入力側回転要素6aは同軸に連結され、互いに同一の回転速度で一体に回転可能とされている。従って、クラッチ6aの入力側回転要素6aは、エンジン1の出力軸1aに連動して回転するようになっている。
なお、エンジン1の出力軸1aと発電機3のロータ3aとの間、あるいは、ロータ3aとクラッチ6の入力側回転要素6aとの間に、所定の回転速度差を生ぜしめる減速機もしくは増速機を介在させてもよい。
クラッチ6の出力側回転要素6bと、電動機2のロータ2aとは、図2に示すように減速機5の入力側回転要素5a(入力軸)に同軸に連結され、該入力側回転要素5aと同一の回転速度で一体に回転可能とされている。従って、クラッチ6の出力側回転要素6bは、電動機2のロータ2aおよび減速機5の入力側回転要素5aと連動して回転するようになっている。そして、クラッチ6の接続状態では、エンジン1と電動機2との間の動力伝達が可能となると共に、エンジン1の出力トルクがクラッチ6を介して減速機5に入力されるようになっている。この状態では、電動機2の出力トルク、あるいは、発電機3の出力トルクも、減速機5に入力可能である。一方、クラッチ6の切断状態では、エンジン1と電動機2との間の動力伝達が遮断されると共に、電動機2の出力トルクだけが、減速機5に入力可能となっている。
なお、電動機2のロータ2aと減速機5の入力側回転要素5aとの間、あるいは、減速機5の入力側回転要素5aとクラッチ6の出力側回転要素6bとの間に、所定の回転速度差を生ぜしめる減速機もしくは増速機を介在させてもよい。
減速機5は、図2に示すように、その出力側回転要素5b(出力軸)が、差動歯車機構7を介して車両の駆動輪4,4に接続されている。これにより、減速機5は、エンジン1あるいは電動機2から入力されるトルクを駆動輪4,4に伝達可能としている。該減速機5は、本発明における出力トルク伝達手段に相当する。
なお、図2では、図示の便宜上、減速機5の入力側回転要素5aと出力側回転要素5bとをギヤで示したが、ギヤである必要はない。また、入力側回転要素5aと出力側回転要素5bとの間に、複数のギヤなどで構成される動力伝達系が備えられていてもよい。また、減速機5は、その減速比を変更可能な変速機であってもよい。その場合、減速機5が、CVTなどにより構成されていてもよい。また、前記クラッチ6は、減速機5に含まれるものであってもよい。
補足すると、本実施形態では、前記電動機2は、力行運転だけでなく、発電運転(回生運転)も可能である。同様に、前記発電機3は、発電運転だけでなく、力行運転も可能である。すなわち、電動機2および発電機3は、いずれも電動機および発電機としての運転が可能であり、力行トルクと回生トルクとを出力可能である。ただし、電動機2は、力行運転だけが可能なものであってもよく、発電機3は、発電運転だけが可能なものであってもよい。
以上が、本実施形態のハイブリッド車両の機構的な構成である。このように構成されたハイブリッド車両では、クラッチ6の接続状態では、エンジン1の出力トルクをクラッチ6および減速機5を介して駆動輪4,4に伝達して、車両の走行を行なうことができる。そして、この状態では、必要に応じて電動機2の出力トルク(あるいは発電機3の出力トルク)を付加的に駆動輪4,4に伝達することも可能である。従って、クラッチ6の接続状態では、パラレル型のハイブリッド走行(パラレル型のハイブリッド車両としての走行)が可能となる。
また、クラッチ6の切断状態では、エンジン1の出力トルクにより発電機3の発電を適宜行いながら(後述する蓄電器23の充電を行いながら)、電動機2の出力トルクを減速機5を介して駆動輪4,4に伝達して、車両の走行を行なうことができる。従って、この状態では、シリーズ型のハイブリッド走行(シリーズ型のハイブリッド車両としての走行)が可能となる。なお、このシリーズ型のハイブリッド走行では、エンジン1および発電機3の出力トルクの駆動輪4,4への伝達は、クラッチ6によって遮断される。
本実施形態では、前記クラッチ6を駆動する(切断状態から接続状態に駆動する)ために油圧を使用する。このため、本実施形態のハイブリッド車両は、図1に示す如く、前記クラッチ6を駆動する油圧装置8を備えている。
図3はこの油圧装置8の構成を示す油圧回路図である。この油圧装置8は、クラッチ6の入力側回転要素6aと出力側回転要素6bを摩擦係合させるための圧油を、図3に示すように、油圧ポンプ10から第1開閉弁11、第2開閉弁12を介してクラッチ6に供給するように構成されている。第1開閉弁11は、車両に備えたシフトレバー(図示省略)の人為的操作によって開閉する手動弁であり、シフトレバーを車両の走行用の操作位置(いわゆる「D」レンジ)に操作することで開弁する。また、第2開閉弁12は、常閉型の電磁開閉弁であり、そのソレノイドへの通電により開弁する。
この場合、油圧装置8では、油圧ポンプ10の吐出圧油の圧力を、該油圧ポンプ10の吐出ポートに接続されたレギュレータ弁13により一定の圧力に維持するようにしている。さらに、第2開閉弁12からクラッチ6に至る油路には、アキュムレータ13が接続されると共に、油圧スイッチ14が接続されている。油圧スイッチ14は、クラッチ6に供給される圧油の圧力(以下、クラッチ油圧という)が所定の設定圧以上に上昇したときに、その旨を示すON信号(電気信号)を出力するものである。なお、上記設定圧(以下、油圧ON設定圧という)は、クラッチ6の両回転要素6a,6bの実際の摩擦係合が開始するときの圧力値(両回転要素6a,6bの間の実際の動力伝達が可能となる圧力値)にほぼ等しい値に設定されている。従って、クラッチ油圧が油圧ON設定圧よりも小さい場合には、クラッチ6は実質的に切断状態であり、クラッチ油圧が油圧ON設定圧よりも高くなると、クラッチ6の実質的な接続が開始する。
本実施形態のハイブリッド車両は、前記エンジン1、電動機2、発電機3、および油圧装置8の動作を制御するために、次のような電子機器を備えている。
すなわち、図1を参照して、該ハイブリッド車両は、電動機2および発電機3のそれぞれの動作制御用のインバータ21,22と、蓄電器23と、インバータ駆動ユニット24と、エンジン制御器25と、統括制御器26とを備える。
インバータ駆動ユニット24は、統括制御器26で決定される電動機2および発電機3のそれぞれのトルク指令TQMOT,TQGEN(出力トルクの指令値)が入力され、それらのトルク指令TQMOT,TQGENに応じて、電動機2と蓄電器23との間の電力授受、並びに、発電機3と蓄電器23との間の電力授受をそれぞれインバータ21,22を介して制御する。具体的には、インバータ駆動ユニット24は、電動機2に対するトルク指令TQMOTが力行トルク(本実施形態では正のトルク)であるときには、蓄電器23からインバータ21を介して電動機2に電力が供給されるようにインバータ21を動作させ、電動機2の力行運転を行なわせる。また、電動機2に対するトルク指令TQMOTが回生トルク(本実施形態では負のトルク)であるときには、電動機2からインバータ21を介して蓄電器23に電力が供給される(蓄電器23の充電を行なう)ようにインバータ21を動作させ、電動機2の回生運転(発電運転)を行なわせる。そして、インバータ駆動ユニット24は、電動機2の力行運転および回生運転のいずれの場合でも、電動機2の出力トルクをトルク指令TQMOTに従わせるように、電動機2の電機子(図示せず)に流す電流をインバータ21を介して制御する。
同様に、インバータ駆動ユニット24は、発電機3に対するトルク指令TQGENが力行トルク(正のトルク)であるときには、蓄電器23からインバータ22を介して発電機3に電力が供給されるようにインバータ22を動作させ、発電機3の力行運転を行なわせる。また、発電機3に対するトルク指令TQGENが回生トルク(負のトルク)であるときには、発電機3からインバータ22を介して蓄電器23に電力が供給される(蓄電器23の充電を行なう)ようにインバータ22を動作させ、発電機3の回生運転(発電運転)を行なわせる。そして、インバータ駆動ユニット24は、発電機3の力行運転および回生運転のいずれの場合でも、発電機3の出力トルクをトルク指令TQGENに従わせるように、発電機3に流す電流をインバータ22を介して制御する。
なお、蓄電器23は、1つ以上の2次電池、あるいは、1つ以上の電気二重層コンデンサなどのコンデンサにより構成される。
エンジン制御器25は、CPU、RAM、ROM、入出力回路などを含む電子制御ユニットである。このエンジン制御器25は、統括制御器26で決定されるエンジン1のトルク指令TQENGが入力され、その入力されたトルク指令TQENG(出力トルクの指令値)に応じて、エンジン1のスロットル弁(図示しない)の開度、燃料噴射量、点火時期などを制御する。これにより、エンジン制御器25は、エンジン1の出力トルクをトルク指令TQENGに従わせるように制御する。この場合、エンジンの出力トルクの増減は、基本的には、スロットル弁の開度をアクチュエータ(図示しない)を介して操作することで行なわれる。
なお、エンジン1の出力トルクを減少させるときには、点火時期の操作(点火時期の遅角側への操作)によってエンジン1の出力トルクを制御するようにしてもよい。あるいは、いわゆるフュエルカットを行なうようにしてもよい。さらに、エンジン1の出力トルクを制御するために、スロットル弁の開度の操作、点火時期の操作、およびフュエルカットを併用してもよい。
統括制御器26は、CPU、RAM、ROM、入出力回路などを含む電子制御ユニットである。この統括制御器26は、主要な機能として、エンジン1、電動機2および発電機3のそれぞれのトルク指令TQENG,TQMOT,TQGENを決定し、それらを前記エンジン制御器25やインバータ駆動ユニット24に出力する機能(ひいてはエンジン1、電動機2および発電機3の出力トルクを制御する機能)と、前記油圧装置8の動作を制御する(詳しくは油圧装置8の前記第2開閉弁12を制御する)機能とを有する。さらに、統括制御器26は、前記油圧スイッチ14の故障の有無を検知する機能も有する。
この統括制御器26の制御処理に使用する車両の状態量の検出手段として、本実施形態では、前記油圧スイッチ14のほか、蓄電器23の残容量を検出するための残容量検出用センサ27と、発電機3の回転速度Naを検出する回転速度センサ28と、電動機2の回転速度Nbを検出する回転速度センサ29と、車両の走行状態を検出するための走行状態検出手段30とを備える。これらの検出手段の出力(検出データ)が統括制御器26に入力される。この場合、残容量検出用センサ27は、蓄電器23の発生電圧Vbを検出する電圧センサや蓄電器23の放電・充電電流Ibを電流センサなどから構成される。また、走行状態検出手段30は、車両の走行速度(車速)を検出する速度センサと、車両のアクセルペダル(図示しない)の操作量(以下、アクセル操作量という)を検出するセンサとを含む。
なお、本実施形態では、発電機3の回転速度Naは、エンジン1の出力軸1aおよびクラッチ6の入力側回転要素6aの回転速度と同じである。従って、回転速度センサ28が検出する回転速度Naは、発電機3の回転速度の検出値としての意味をもつだけでなく、エンジン1の出力軸1aの回転速度の検出値、あるいは、クラッチ6の入力側回転要素6aの回転速度の検出値としての意味を持つ。また、電動機2の回転速度Nbは、クラッチ6の出力側回転要素6bの回転速度と同じである。従って、回転速度センサ29が検出する回転速度Nbは、電動機2の回転速度の検出値としての意味をもつだけでなく、クラッチ6の出力側回転要素6bの回転速度の検出値としての意味を持つ。
補足すると、本実施形態で説明する制御を行なうためには、回転速度センサ28は、一般的には、クラッチ6の入力側回転要素6aの回転速度、または、それと一定の関係(比例関係など)を有する回転要素の回転速度を検出し得るように備えられていればよい。同様に、回転速度センサ29は、クラッチ6の出力側回転要素6bの回転速度、または、それと一定の関係(比例関係など)を有する回転要素の回転速度を検出し得るように備えられていればよい。
統括制御器26は、上記の各センサや油圧スイッチ14の出力を基に、エンジン1、電動機2および発電機3のそれぞれのトルク指令TQENG,TQMOT,TQGENを決定する処理や、油圧装置8の動作を制御する処理などを実行する。
この統括制御器26の全体的な処理を概略的に説明すると、残容量検出用センサ27の出力に基づき、蓄電器23の残容量の推定値が求められる。また、走行状態検出手段30の出力(車速およびアクセル操作量の検出データ)を基に、駆動輪4,4に伝達すべき目標駆動力(減速機5から出力すべき目標駆動力。以下、車両目標駆動力という)が決定される。また、車両目標駆動力と車速とを基に、車両の走行モードが決定される。この場合、決定される走行モードとしては、パラレル型のハイブリッド走行を行なうモード(以下、エンジン走行モードという)と、シリーズ型のハイブリッド走行を行なうモード(以下、電動走行モードという)とがある。
そして、統括制御器26は、クラッチ6の定常的な接続状態または切断状態では、前記蓄電器23の残容量の推定値と車両目標駆動力と走行モードとを基に、エンジン1、電動機2および発電機3のそれぞれのトルク指令TQENG,TQMOT,TQGENを決定する。この場合、例えば、蓄電器23の残容量が所定の範囲内に保たれる、エンジン1の運転を高効率の動作点で行なう、車両目標駆動力を駆動輪4,4に伝達する、というような要件ができるだけ満たされるように、トルク指令TQENG,TQMOT,TQGENが決定される。なお、パラレル型のハイブリッド走行あるいはシリーズ型のハイブリッド走行におけるエンジン1、電動機2および発電機3の制御の形態は、種々様々の形態が公知となっており、そのいずれの手法を採用してもよい。従って、本明細書では、詳細な説明を省略する。
一方、本実施形態では、走行モードを電動走行モードからエンジン走行モードに切り替える際に、統括制御器26は、本実施形態に特徴的な制御処理(以下、この制御処理をモード切替制御処理という)によって、エンジン1、電動機2および発電機3のそれぞれのトルク指令TQENG,TQMOT,TQGENを決定する。そして、そのトルク指令TQENG,TQMOT,TQGENにより、それぞれ、エンジン1、電動機2および発電機3の動作を制御する。また、モード切替制御処理では、統括制御器26は、クラッチ6を切断状態から接続状態にするための前記油圧装置8の動作を制御する。併せて、油圧スイッチ14の故障の有無も検知する。
なお、統括制御器26は、それが実行されるモード切替制御処理によって、本発明における第1制御手段、第2制御手段、第3制御手段、第1故障検知手段、第2故障検知手段としての機能を実現している。
以下に、前記モード切替制御処理の詳細を図4〜図17を参照して説明する。図4〜図17は、モード切替制御処理を示すフローチャート、図16は、モード切替制御処理の開始時におけるクラッチ6の入力側回転要素6aの回転速度(以下、入力側回転速度という)が出力側回転要素6bの回転速度(以下、出力側回転速度という)よりも高い場合におけるトルク指令TQENG,TQMOT,TQGENなどの経時変化を例示するタイミングチャート、図17は、モード切替制御処理の開始時におけるクラッチ6の入力側回転速度が出力側回転速度よりも低い場合におけるトルク指令TQENG,TQMOT,TQGENなどの経時変化を例示するタイミングチャートである。なお、図16および図17のタイミングチャートは、モード切替制御処理の前後で、車両のアクセル操作量が一定に維持されている状況での例である。
なお、図16および図17において、「SH」は、車両の走行モードを示す走行モード変数、「NE」は、エンジン1の出力軸1aの回転速度である。また、「TQMOT」,「TQGEN」,「TQENG」は、それぞれ前述の通り、電動機2、エンジン1、発電機3のトルク指令、「NM」は、クラッチ6の入力側回転速度、「NRPMHUB」は、クラッチ6の出力側回転速度、「DNRPM」は、NMとNRPMHUBとの差(=NM−NRPMHUB)、「QON」は、油圧装置8によりクラッチ6に供給する圧油の圧力(油圧)の指令値(油圧指令値)である。図16および図17には、「SH」、「NE」、「TQMOT」、「TQGEN」、「TQENG」、「DNRPM」、「QON」の経時変化のグラフが、それぞれ上段側から順に例示されている。
ここで、モード切替制御処理を詳細に説明する前に、図16および図17のタイミングチャートを参照してモード切替制御処理の概略を説明しておく。モード切替制御処理のシーケンスは、3つのフェーズ(段階)A,B,Cを有する。フェーズA(図16および図17の時刻t1からt4までの期間)は、クラッチ6の切断状態(クラッチ6に油圧を付与していない状態)において、クラッチ6の入力側回転速度NMを、出力側回転速度NRPMHUBに近づけるようにエンジン1の出力トルクを変化させる(トルク指令TQENGを操作する)フェーズである。このフェーズAでは、エンジン1のトルク指令TQENGが、クラッチ6の入力側回転要素6aの回転速度NMと、出力側回転要素6bの回転速度NRPMHUBとの差DNRPM(=NM−NRPMHUB)に応じて可変的(本実施形態では段階的に)に決定される。このフェーズAでのエンジン1のトルク指令TQENGの決定の仕方(エンジン1の出力トルクの制御の仕方)は、クラッチ6の入力側回転速度NMと、出力側回転速度NRPMHUBとのうちのいずれが高いかによって(NM>NRPMHUBであるか、NM<NRPMHUBであるかによって)相違する。NM>NRPMHUBである場合には、入力側回転要素6aの回転速度NMを低下させていくために、フェーズAでのトルク指令TQENGは、フェーズAの開始時のエンジン1のトルク指令TQENGSよりも小さい値に決定される。逆に、NM<NRPMHUBである場合には、入力側回転要素6aの回転速度NMを上昇させていくために、フェーズAでのトルク指令TQENGは、フェーズAの開始時のエンジン1のトルク指令TQENGSよりも大きい値に決定される。なお、フェーズAでは、エンジン1の出力トルクを、駆動輪4,4に伝達できないので(クラッチ6が切断状態であるので)、電動機2の出力トルクを駆動輪4,4に伝達して車両の走行が行なわれる。
フェーズAにおいて、クラッチ6の入力側回転要素6aの回転速度NMと、出力側回転要素6bの回転速度NRPMHUBとの差DNRPM(=NM−NRPMHUB)の絶対値が十分に小さくなると(図16および図17の時刻t4)、モード切替制御処理のフェーズは、フェーズAからフェーズBに移行する。このフェーズB(図16および図17の時刻t4からt6までの期間)は、エンジン1の出力トルクをフェーズAの終了時のトルクに維持しながら、クラッチ6への圧油の供給(クラッチ6の接続)を開始させるように油圧装置8の動作を制御する(油圧指令値QONを立ち上げて、クラッチ油圧を上昇させる)フェーズである。このフェーズBでは、実際のクラッチ油圧の上昇の遅れ(油圧指令値QONに対する遅れ)により、クラッチ6の動作状態は、実質的に切断状態(クラッチ6の両回転要素6a,6b間の動力伝達の容量がほぼ0である状態)である。なお、フェーズBでは、フェーズAと同様に、エンジン1の出力トルクを駆動輪4,4に伝達できないので、電動機2の出力トルクを駆動輪4,4に伝達して車両の走行が行なわれる。
フェーズBにおいて、実際のクラッチ油圧が、油圧スイッチ14がON信号を出力するようになる前記油圧ON設定圧まで上昇すると(図16および図17の時刻t6)、モード切替制御処理のフェーズは、フェーズBからフェーズCに移行する。このフェーズC(図16および図17の時刻t6からt7までの期間)は、クラッチ油圧によって、クラッチ6の動作状態を実質的に切断状態から接続状態に移行させながら、車両の駆動輪4,4に動力伝達を行なう動力源を、電動機2側からエンジン1側に徐々に移行させるフェーズである。このフェーズCでは、エンジン1の出力トルクと電動機2の出力トルクとが協調的に制御される(トルク指令TQENG,TQMOTが協調的に操作される)。具体的には、クラッチ6の動作状態の移行中に、車両の走行速度(車速)が一定に維持され、且つ、クラッチ6の入力側回転速度NMと出力側回転速度NRPMHUBとがほぼ同じ回転速度に維持されるように、電動機2のトルク指令TQMOTが減少される(0に近づけられる)と共に、エンジン1のトルク指令TQMOTが、エンジン走行モードで要求されるトルクに向かって増加される。
そして、フェーズCは、電動機2のトルク指令TQMOTが0に十分に近い値#TQMOTLまで低下し、または、エンジン1のトルク指令TQENGがエンジン走行モードで要求されるトルクに十分に近い値#TQENGHまで増加したときに(図16および図17の時刻t7)終了する。これにより、モード切替制御処理が終了する。
なお、本実施形態では、モード切替制御処理の各フェーズA,B,Cにおける発電機3のトルク指令TQGENは、一定の回生トルク(<0)に維持される。この回生トルクは、本実施形態では、発電機4が最低限の発電を行い得る回生トルク(微小な回生トルク)である。
以上が、モード切替制御処理の概略である。以下に、このモード切替制御処理の詳細を具体的に説明する。
図4は、モード切替制御処理のメインルーチン処理を示すフローチャートである。このメインルーチン処理が、統括制御器26により所定の制御処理周期で逐次実行される。なお、実質的なモード切替制御処理(フェーズA,B,Cの処理)は、図4のSTEP3〜13の処理であり、他の処理は、モード切替制御処理の実行可否の判断などの付加的な処理である。
図4を参照して、統括制御器26は、まず、現在の(今回の)制御処理周期での車両の状態が、走行モードをエンジン走行モードとすべき状態であるエンジン走行領域であるか否かを判断する(STEP1)。
この判断は、例えば次のように行なわれる。すなわち、各走行モード(エンジン走行モードおよび電動走行モード)におけるエンジン1の必要燃料消費量が、走行状態検出手段30の出力(車速とアクセル操作量の検出データ)を基に決定された車両目標駆動力(駆動輪4,4に伝達すべき目標駆動力)と、車速とから、あらかじめ設定されたマップに基づいて求められる。そして、本実施形態では、その求めた必要燃料消費量がより小さい方の走行モードでの車両の走行を行なう。従って、前記STEP1の判断では、上記の如く求めた必要燃料消費量が、電動走行モードよりもエンジン走行モードの方が小さい場合に、車両の状態がエンジン走行領域であると判断される。逆に、該必要燃料消費量が、エンジン走行モードよりも電動走行モードの方が小さい場合には、車両の状態はエンジン走行領域ではないと判断される。
STEP1の判断結果が否定的である場合(現在の車両の状態がエンジン走行領域でない場合)には、統括制御器26は、走行モードを示す走行モード変数SHの値を0に設定する(STEP14)。走行モード変数SHは、その値が「1」であるとき、走行モードがエンジン走行モードであることを示し、値が「0」であるとき、走行モードが電動走行モードであることを示す。
さらに、統括制御器26は、モード切換制御処理のフェーズ(段階)を示すフェーズ変数SFTMONの値を0に初期化し(STEP15)、今回の制御処理周期での図4の処理を終了する。ここで、SFTMON=0は、モード切替制御処理の終了後など、実質的なモード切替制御処理を実行する必要のない状態(前記フェーズA,B,Cのいずれでもない状態)を意味する。
一方、前記STEP1の判断結果が肯定的である場合(現在の車両の状態がエンジン走行領域である場合)には、統括制御器26は、走行モード変数SHの値(現在値)が「1」で、且つ、フェーズ変数SFTMONの値(現在値)が「0」であるか否かを判断する(STEP2)。すなわち、走行モードがエンジン走行モードであり、且つ、モード切換切替制御処理を実行する必要のない状態であるか否かを判断する。
このとき、STEP2の判断結果が肯定的である場合には、前記STEP15を経て、今回の制御処理周期の処理を終了する。なお、この場合、STEP2で、SFTMON=0となっているので、STEP15の処理を省略し、直ちに今回の制御処理周期の処理を終了してもよい。
STEP2の判断結果が否定的である場合には、クラッチ6を切断状態から接続状態に切り替える要求が発生した状況である。この場合には、統括制御器26は、実質的なモード切替制御処理を実行する。まず、統括制御器26は、現在の制御処理周期が、走行モードの切替開始時(実質的なモード切替制御処理の開始時)の制御処理周期であるか否かを判断する(STEP3)。この場合、前回の制御処理周期での走行モードがエンジン走行モードでない場合(走行モード変数SHの前回値が「1」でない場合)には、走行モードの切替開始時であると判断される。
そして、STEP3の判断結果が肯定的である場合には、統括制御器26は、走行モード変数SHの値として「1」を設定する(STEP4)。また、このSTEP4では、油圧装置8によるクラッチ6への圧油の供給を行なうための該油圧装置8の制御を開始してから(前記フェーズBの開始時から)、クラッチ6の実際の接続が開始する(クラッチ油圧が前記油圧ON設定圧まで上昇する)までの時間の予測値#TMDB2Cが、クラッチ応答時間TMDB2Cとして設定される。
本実施形態では、上記予測値#TMDB2Cは、クラッチ6に供給する圧油の油温と、クラッチ6の入力側回転速度NMとから、あらかじめ設定されたマップに基づき決定される。このようにクラッチ応答時間TMDB2Cの予測値#TMDB2Cを、油温とクラッチ6の入力側回転速度NMとに応じて決定することで、圧油の粘性や、クラッチ6の入力側回転要素6aの回転に伴う遠心油圧などの影響を補償し、予測値#TMDB2Cの信頼性を高めることができる。なお、圧油の油温は、図示しない温度センサを介して検出される。また、クラッチ6の入力側回転速度NMは、前記回転速度センサ28により検出される(NM=Na)。
さらに、STEP4では、フェーズBの開始時からの経過時間を経時するためのタイマカウンタTMPSW(カウントアップタイマ)の値が0に初期化される。
さらに、STEP4では、エンジン1のトルク指令TQENGの現在値が、モード切替制御処理の開始時のトルク指令としての初期トルク指令TQENGSとして記憶保持される。
STEP3の判断結果が否定的である場合(実質的なモード切換制御処理がすでに開始している場合)、あるいは、STEP4の処理の実行後に、統括制御器26は、クラッチ6の入力側回転速度NMと出力側回転速度NRPMHUBとの差DNRPM(以下、クラッチ差回転DNRPMという)を計算する処理を実行する(STEP5)。
図5は、このSTEP5のサブルーチン処理を示すフローチャートである。
図示の如く、STEP5では、統括制御器26は、まず、前記回転速度センサ29による回転速度Nbの検出値(現在値)をクラッチ6の出力側回転速度NRPMHUBとして設定すると共に、前記回転速度センサ28による回転速度Naの検出値(現在値)をクラッチ6の入力側回転速度NMとして設定する(STEP5−1)。
補足すると、回転速度センサ28による回転速度Naの検出値が、クラッチ6の入力側回転速度NMと一定の関係を有する場合には、該関係に従って、回転速度Naの検出値から入力側回転速度NMを求めるようにすればよい。同様に、回転速度センサ29による回転速度Nbの検出値が、クラッチ6の出力側回転速度NRPMHUBと一定の関係を有する場合には、該関係に従って、回転速度Nbの検出値から出力側回転速度NRPMHUBを求めるようにすればよい。
次いで、統括制御器26は、クラッチ6の入力側回転速度NMと出力側回転速度NRPMHUBとから、クラッチ差回転DNRPM(=NM−NRPMHUB)を算出する(STEP5−2)。これらのSTEP5−1,5−2の処理により、本発明における回転速度差検知手段が構成される。
次いで、統括制御器26は、クラッチ差回転DNRPMの絶対値が、所定値#DDNRPMよりも小さいか否かを判断する(STEP5−3)。この判断処理は、換言すれば、クラッチ差回転DNRPMが0であるか、もしくは、ほぼ0であるか否かを判断する処理であり、所定値#DDNRPMは0に近い正の値に設定されている。
STEP5−3の判断結果が肯定的である場合には、クラッチ6の入力側回転要素6aと出力側回転要素6bとがほぼ同一の回転速度で同期回転しており、それらの回転速度差が十分に小さい。この場合には、クラッチ6を接続しても、それに伴うショック(衝撃)を十分に軽減できる。そこで、この場合には、統括制御器26は、モード切替制御処理のフェーズを進行させる(フェーズBに移行させる)ために、前記フェーズ変数SFTMONの値を「31」に設定し(STEP5−7)、図5の処理を終了する。
ここで、フェーズ変数SFTMONの値は、モード切替制御処理のフェーズが、前記フェーズAであるときには、「11」,「12」,「13」,「21」,「22」,「23」のいずれかであり、フェーズBであるときには「31」であり、前記フェーズCであるときには「41」である。モード切替制御処理の進行に伴い、フェーズ変数SFTMONの値がより大きな値に設定される。また、SFTMONの値としての「11」〜「13」は、クラッチ6の入力側回転速度NMが出力側回転速度NRPMHUBよりも高い場合におけるフェーズAでの部分フェーズを意味する。同様に、SFTMONの値としての「21」〜「23」は、クラッチ6の入力側回転速度NMが出力側回転速度NRPMHUBよりも低い場合におけるフェーズAでの部分フェーズを意味する。
前記STEP5−3の判断結果が否定的である場合には、統括制御器26は、さらに、クラッチ差回転DNRPMが正であるか否かを判断する(STEP5−4)。
この判断結果が肯定的である場合には、クラッチ6の入力側回転速度NM(=エンジン1の回転速度NE)が、出力側回転速度NRPMHUBに対して過大になっている(NM>>NRPMHUBとなっている)。そして、この場合には、本実施形態では、クラッチ6の接続時のショックを軽減するために、エンジン1の出力軸1aや発電機3のロータ3a、クラッチ6の入力側回転要素6aの回転に伴う慣性力を吸収するようにエンジン1の出力トルクを制御する。この制御は、NM>>NRPMHUBである場合における前記フェーズAでの制御であり、以下、イナーシャ吸収制御という。このイナーシャ吸収制御を前記フェーズAにおいて行なうために、統括制御器26は、エンジン1の出力トルクの制御形態を表すフラグF_MODEの値を「1」に設定し(STEP5−5)、図5のサブルーチン処理を終了する。F_MODE=1は、モード切替制御処理のフェーズAにおいて、前記イナーシャ吸収制御を行なうことを意味する。
また、STEP5−4の判断結果が否定的である場合には、クラッチ6の出力側回転速度NRPMHUBが、入力側回転速度NMに対して過大になっている(NM<<NRPMHUBとなっている)。そして、この場合には、本実施形態では、クラッチ6の接続時のショックを軽減するために、エンジン1の出力軸1a、発電機3のロータ3aおよびクラッチ6の入力側回転速度NMを増速して、出力側回転速度NRPMHUBに近づけるようにエンジン1の出力トルクを制御する。この制御は、NM<<NRPMHUBである場合における前記フェーズAでの制御であり、以下、回転同期制御という。この回転同期制御を行なうために、統括制御器26は、前記フラグF_MODEの値を「0」に設定し(STEP5−6)、図5の処理を終了する。F_MODE=0は、モード切替制御処理のフェーズAにおいて、前記回転同期制御を行なうことを意味する。
以上が、STEP5の処理の詳細である。
図4の説明に戻って、上記の如くSTEP5の処理を実行した後、統括制御器26は、次に、油圧スイッチ14(以下、油圧SW14ということがある)の動作(ひいてはクラッチ油圧の状態)を判断する処理を実行する(STEP6)。なお、このSTEP6の処理の詳細については、本実施形態の理解の便宜上、後述する。
補足すると、モード切替制御処理では、いずれのフェーズA,B,Cでも、STEP5,6の処理は、制御処理周期毎に実行される。
次いで、統括制御器26は、前記フェーズ変数SFTMONの値(現在値)が「31」以上であるか否か、換言すれば、モード切替制御処理の現在のフェーズが前記フェーズAよりも後のフェーズ(フェーズBまたはC)であるか否かを判断する(STEP7)。
このSTEP7の判断結果が否定的である場合は、モード切替制御処理のフェーズは、前記フェーズAである。この場合には、統括制御器26は、以下に説明する制御処理(フェーズAの制御処理)を、各制御処理周期で実行する。
すなわち、統括制御器26は、まず、前記フラグF_MODEの値が「1」であるか否かを判断する(STEP8)。換言すれば、フェーズAで前記イナーシャ吸収制御を行なうべきか、前記回転同期制御を行なうべきかが判断される。
このSTEP8の判断結果が肯定的である場合には、イナーシャ吸収制御を行なうべき状態であるので、統括制御器26は、STEP9でイナーシャ吸収制御の処理を実行し、今回の制御処理周期での図4の処理を終了する。また、STEP8の判断結果が否定的である場合には、回転同期制御を行なうべき状態であるので、統括制御器26は、STEP10で回転同期制御の処理を実行し、今回の制御処理周期での図4の処理を終了する。
図10は、STEP9のイナーシャ吸収制御のサブルーチン処理を示すフローチャート、図11はSTEP10の回転同期制御のサブルーチン処理を示すフローチャートである。これらの図10、図11を参照して、STEP9,10の処理をさらに詳説する。
図10に示す如く、STEP9のイナーシャ吸収制御の処理では、統括制御器26はまず、クラッチ差回転DNRPMの絶対値が、第1所定値#DNRPM1よりも大きいか否かを判断する(STEP9−1)。そして、この判断結果が肯定的である場合には、今回の制御処理周期で出力すべきエンジン1のトルク指令TQENGとして、前記STEP4でモード切替制御処理の開始時に記憶保持したエンジン1の初期トルク指令TQENGSから第1所定量#TQENG1(>0)を減じてなる値を設定する(STEP9−5)。また、このSTEP9−5では、フェーズ変数SFTMONの値が、イナーシャ吸収制御の処理における第1番目の部分フェーズの値としての「11」が設定される。
また、STEP9−1の判断結果が否定的である場合には、統括制御器26は、次に、クラッチ差回転DNRPMの絶対値が、第2所定値#DNRPM2よりも大きいか否かを判断する(STEP9−2)。ここで、#DNRPM2<#DNRPM1である。そして、この判断結果が肯定的である場合には、今回の制御処理周期で出力すべきエンジン1のトルク指令TQENGとして、前記初期トルク指令TQENGSから第2所定量#TQENG2(>0)を減じてなる値を設定する(STEP9−4)。また、このSTEP9−4では、フェーズ変数SFTMONの値が、イナーシャ吸収制御の処理における第2番目の部分フェーズの値としての「12」が設定される。
また、STEP9−2の判断結果が否定的である場合には、統括制御器26は、今回の制御処理周期で出力すべきエンジン1のトルク指令TQENGとして、前記初期トルク指令TQENGSから第3所定量#TQENG3(>0)を減じてなる値を設定する(STEP9−3)。また、このSTEP9−3では、フェーズ変数SFTMONの値が、イナーシャ吸収制御の処理における第3番目の部分フェーズの値としての「13」が設定される。
ここで、本実施形態では、前記第1所定量#TQENG1、第2所定量#TQENG2、および、第3所定量#TQENG3の大小関係は、#TQENG1>#TQENG2>#TQENG3である。これらの値は、あらかじめ定められている。従って、イナーシャ吸収制御の処理では、クラッチ差回転DNRPM(現在値)が、|DNRPM|>#DNRPM1となる範囲と、#DNRPM1≧|DNRPM|>#DNRPM2となる範囲と、|DNRPM|≦#DNRPM2となる範囲とのいずれに存するかによって、トルク指令値TQENGの前記初期トルク指令TQENGSからの変化量(減少量)が互いに異なるように、該トルク指令値TQENGが決定される。この場合、クラッチ差回転DNRPMの絶対値が大きいほど、トルク指令値TQENGは、前記初期トルク指令TQENGSから大きく減少するように決定されることとなる。また、クラッチ差回転DNRPMの絶対値が小さくなるに伴い、トルク指令値TQENGは、初期トルク指令TQENGSからの減少量が小さくなるように決定されることとなる。
前記STEP9−3または9−4または9−5の処理の後、統括制御器26は、クラッチ差回転DNRPMの絶対値が、第3所定値#DDNRPMよりも小さいか否かを判断する(STEP9−6)。この第3所定値#DDNRPMは、前記第1所定値#DNRPM1および第2所定値#DNRPM2よりも小さい0近傍の値に定められている。従って、STEP9−6の判断結果が肯定的となるとなるということは、クラッチ差回転DNRPMが十分に0に近いこと、換言すれば、クラッチ6の入力側回転速度NMと出力側回転速度NRPMHUBとがほぼ同じになっていることを意味する。
そこで、統括制御器26は、STPE9−6の判断結果が肯定的である場合には、モード切替制御処理のフェーズをフェーズAからフェーズBに移行させるために、フェーズ変数SFTMONの値を「31」に設定し(STEP9−7)、図10の処理を終了する。
また、STEP9−6の判断結果が否定的である場合には、フェーズ変数SFTMONの値を現状に維持したまま、図10の処理を終了する。なお、統括制御器26の制御処理周期毎にSTEP9で最終的に決定されたエンジン1のトルク指令TQENGは、統括制御器26からエンジン制御器25に出力される。これにより、エンジン1の出力トルクは、トルク指令TQENGに従って制御される。
以上が、STEP9のイナーシャ吸収制御の処理の詳細である。この処理により、図16に示す如く、モード切替制御処理の開始時(フェーズAの開始時)におけるクラッチ6の入力側回転速度NMが出力側回転速度NRPMHUBに対して高く、且つ、それらの差の絶対値が比較的大きい場合には、フェーズAでのトルク指令TQENGは、初期トルク指令TQENGSよりも低い値で3段階に切り替えられる。この場合、クラッチ差回転DNRPMの絶対値が大きいほど、初期トルク指令TQENGSからの下降量が大きくなるように、トルク指令TQENGがクラッチ差回転DNRPMに応じて段階的に切り替えられる。これにより、クラッチ6の入力側回転速度NMが、出力側回転速度NRPMHUBに対してオーバーシュートやアンダーシュートを生じることなく、迅速且つ円滑に出力側回転速度NRPMHUBに近づいていくこととなる。また、この場合、トルク指令値TQENGの初期トルク指令TQENGSからの減少量である前記第1〜第3所定量#TQENG1,#TQENG2,#TQENG3が固定値であると共に、それぞれの減少量が選択されるクラッチ差回転DNRPMは、幅を有する。このため、トルク指令TQENGに対するエンジン1の実際の出力トルクの応答遅れを生じても、安定に、入力側回転速度NMを出力側回転速度NRPMHUBに近づけていくことができる。
一方、前記STEP10の回転同期制御の処理では、図11に示す如く、統括制御器26は、まず、STEP10−1において、前記STEP9−1と同じ判断処理を実行する。そして、この判断結果が肯定的である場合には、今回の制御処理周期で出力すべきエンジン1のトルク指令TQENGとして、前記初期トルク指令TQENGSに前記第1所定量#TQENG1を加えてなる値を設定する(STEP10−5)。また、このSTEP10−5では、フェーズ変数SFTMONの値が、回転同期制御の処理における第1番目の部分フェーズの値としての「21」が設定される。
また、STEP10−1の判断結果が否定的である場合には、統括制御器26は、STEP10−2において、前記STEP9−2と同じ判断処理を実行する。そして、この判断結果が肯定的である場合には、今回の制御処理周期で出力すべきエンジン1のトルク指令TQENGとして、前記初期トルク指令TQENGSに前記第2所定量#TQENG2を加えてなる値を設定する(STEP10−4)。また、このSTEP10−4では、フェーズ変数SFTMONの値が、回転同期制御の処理における第2番目の部分フェーズの値としての「22」が設定される。
また、STEP10−2の判断結果が否定的である場合には、統括制御器26は、今回の制御処理周期で出力すべきエンジン1のトルク指令TQENGとして、前記初期トルク指令TQENGSに前記第3所定量#TQENG3を加えてなる値を設定する(STEP10−3)。また、このSTEP10−3では、フェーズ変数SFTMONの値が、回転同期制御の処理における第3番目の部分フェーズの値としての「23」が設定される。
これらの処理により、同期回転制御の処理では、クラッチ差回転DNRPM(現在値)が、|DNRPM|>#DNRPM1となる範囲と、#DNRPM1≧|DNRPM|>#DNRPM2となる範囲と、|DNRPM|≦#DNRPM2となる範囲とのいずれに存するかによって、トルク指令値TQENGの前記初期トルク指令TQENGSからの変化量(増加量)が互いに異なるように、該トルク指令値TQENGが決定される。この場合、クラッチ差回転DNRPMの絶対値が大きいほど、トルク指令値TQENGは、前記初期トルク指令TQENGSから大きく増加するように決定されることとなる。また、クラッチ差回転DNRPMの絶対値が小さくなるに伴い、トルク指令値TQENGは、初期トルク指令TQENGSからの増加量が小さくなるように決定されることとなる。
前記STEP10−3または10−4または10−5の処理の後、統括制御器26は、STEP10−6において、前記STEP9−6と同じ判断処理を実行する。そして、統括制御器26は、STPE10−6の判断結果が肯定的である場合には、モード切替制御処理のフェーズをフェーズAからフェーズBに移行させるために、フェーズ変数SFTMONの値を「31」に設定し(STEP10−7)、図11の処理を終了する。
また、STEP10−6の判断結果が否定的である場合には、フェーズ変数SFTMONの値を現状に維持したまま、図11の処理を終了する。なお、統括制御器26の制御処理周期毎にSTEP10で最終的に決定されたエンジン1のトルク指令TQENGは、統括制御器26からエンジン制御器25に出力される。これにより、エンジン1の出力トルクは、トルク指令TQENGに従って制御される。
以上が、STEP10の回転同期制御の処理の詳細である。この処理により、図17に示す如く、モード切替制御処理の開始時(フェーズAの開始時)におけるクラッチ6の入力側回転速度NMが出力側回転速度NRPMHUBに対して低く、且つ、それらの差の絶対値が比較的大きい場合には、フェーズAでのトルク指令TQENGは、初期トルク指令TQENGSよりも高い値で3段階に切り替えられる。この場合、クラッチ差回転DNRPMの絶対値が大きいほど、初期トルク指令TQENGSからの増加量が大きくなるように、トルク指令TQENGがクラッチ差回転DNRPMに応じて段階的に切り替えられる。これにより、クラッチ6の入力側回転速度NMが、出力側回転速度NRPMHUBに対してオーバーシュートやアンダーシュートを生じることなく、迅速且つ円滑に出力側回転速度NRPMHUBに近づいていくこととなる。また、この場合、トルク指令TQENGの初期トルク指令TQENGSからの増加量である前記第1〜第3所定量#TQENG1,#TQENG2,#TQENG3が固定値であると共に、それぞれの増加量が選択されるクラッチ差回転DNRPMに幅を有する。このため、トルク指令TQENGに対するエンジン1の実際の出力トルクの応答遅れが生じても、安定に、入力側回転速度NMを出力側回転速度NRPMHUBに近づけていくことができる。
以上説明したように、フェーズAでは(SFTMON<31である場合)、統括制御器26の制御処理周期毎に、STEP5,6,9の処理、またはSTEP5,6,10の処理が逐次実行される。これにより、クラッチ6の入力側回転速度NMを出力側回転速度NRPMHUBに近づけるように、クラッチ差回転DNRPMに応じてエンジン1のトルク指令TQENGが操作される。この場合、エンジン1の出力トルクの操作によって、クラッチ6の入力側回転速度NMを出力側回転速度NRPMHUBに近づけるので、蓄電器23の残容量の依存することなく、入力側回転速度NMを確実に出力側回転速度NRPMHUBに近づけることができる。
なお、フェーズAにおいては、電動機2のトルク指令TQMOTは、電動走行モードでの車両の走行時と同様に決定される。すなわち、電動機2の出力トルクが、前記車両目標駆動力を駆動輪4,4にで伝達し得るトルク(これは車両目標駆動力と、減速機5の減速比とから定まる)となるようにトルク指令TQMOTが決定される。また、本実施形態では、前記第1〜第3所定量#TQENG1,#TQENG2,#TQENG3や、前記第1および第2所定値#DNRPM1,#DNRPM2をイナーシャ吸収制御の処理と回転同期制御の処理とで同じにしたが、両者の処理で互いに異なる値にしてもよい。また、本実施形態では、#TQENG1>#TQENG2>#TQENG3としたが、必ずしもこの大小関係に限定せずともよい。さらに、初期トルク指令TQRPMSからの変化量は、3種類である必要はなく、2種類でもよく、もしくは、4種類以上であってもよい。
補足すると、フェーズAで、統括制御器26の制御処理周期毎に逐次実行される前記STEP9または10の処理によって、本発明における第1制御手段が構成されることとなる。
以上説明したフェーズAでのエンジン1の出力トルクの制御処理(イナーシャ吸収制御または回転同期制御)は、前記STEP5−7、STEP9−7、STEP10−7のいずれかで、フェーズ変数SFTMONの値が、「31」に設定されるまで(すなわち、|DNRPM|<#DDNRPMとなるまで)実行される。
なお、モード切替制御処理の開始時に、既に、|DNRPM|<#DDNRPMとなっている場合(前記STEP5−3の判断結果が肯定的となる場合)もある。その場合には、STEP5−7で、フェーズ変数SFTMONの値が「31」に設定されて、STEP7の判断結果が肯定的となる。このため、STEP8〜10の処理は実行されない。従って、この場合には、モード切替制御処理は、実質的にフェーズBから開始することとなる。
図4の説明に戻って、前記STEP7の判断結果が肯定的である場合には、モード切替制御処理の現在のフェーズは、前記フェーズBまたはフェーズCである。この場合には、統括制御器26は、次にフェーズ変数SFTMONの値が「31」であるか否か、すなわち、モード切替制御処理の現在のフェーズが、フェーズBであるか否かを判断する(STEP11)。
このSTEP11の判断結果が肯定的である場合には、統括制御器26は、モード切替制御処理のフェーズBでの処理として、STEP12の油圧切替制御の処理を実行し、今回の制御処理周期での図4の処理を終了する。STEP12の油圧切替制御の処理は、クラッチ6への圧油の供給を開始するように(換言すれば、クラッチ6を切断状態から接続状態に切り替えるように)クラッチ油圧の油圧指令値QONを決定する(より具体的には、前記油圧装置8の第2開閉弁12のソレノイドへの電流指示値を決定する)処理である。
図12は、STEP12のサブルーチン処理を示すフローチャートである。図示の如く、STEP12の処理では、油圧指令値QONとして、所定の最大値MAXが設定される(STEP12−1)。これにより、図12のサブルーチン処理が終了する。前記最大値MAXは、クラッチ6を切断状態から接続状態に移行させ、且つ該接続状態を維持するのに必要十分な油圧指令値である。そして、QON=MAXは、油圧装置8の第2開閉弁12のソレノイドに最大電流を通電することを意味する。
なお、統括制御器12は、STEP12で決定した油圧指令値QONに従って、油圧装置8の第2開閉弁12のソレノイドに通電し、該第2開閉弁12を開弁させる。これにより、クラッチ6への圧油の供給が開始する。また、モード切替制御処理のフェーズがフェーズBに移行した後は、油圧指令値QONは、MAXに維持される。
以上説明したように、フェーズBでは(SFTMON=「31」である場合)、統括制御器26の制御処理周期毎に、STEP5,6,12の処理が逐次実行される。このとき、STEP12の処理により、クラッチ6への圧油の供給が開始される。この場合、実際のクラッチ油圧は、油圧指令値QONに対して遅れを生じる。例えば、図16および図17のQONに関するグラフで細線で示す如く、実際のクラッチ油圧は、最終的には、油圧指令値QONの値に達するものの、油圧指令値QONの立ち上がりの直後においては、油圧指令値QONに対して応答遅れを生じる。そして、クラッチ6は、実際のクラッチ油圧が前記油圧ON設定圧まで上昇するまでは、実質的に切断状態に維持される。
なお、フェーズBにおけるエンジン1のトルク指令TQENGおよび電動機2のトルク指令TQMOTは、STEP7の判断結果が肯定的となる直前の制御処理周期(1周期前の制御処理周期)で決定された値(モード切替制御処理のフェーズがフェーズAからフェーズBに移行する直前の制御処理周期で決定された値)に維持される。そして、それらのトルク指令TQENG,TQMOTに従って、それぞれエンジン1の出力トルク、電動機2の出力トルクが制御される。
補足すると、フェーズBでは、STEP5の処理を省略してもよい。また、統括制御器26の制御処理周期毎に実行されるSTEP12の処理によって、本発明における第2制御手段が構成されることとなる。
図4の説明に戻って、前記したフェーズBの処理は、前記STEP6の油圧SW動作判断の処理(詳細は後述)によって、基本的には、実際のクラッチ油圧が前記油圧ON設定圧以上の値に上昇した状態になるまで継続する。そして、そのような状況になった時から、詳細を後述するSTEP6の処理によって、フェーズ変数SFTMONの値が「41」に設定される。
このようにフェーズ変数SFTMONの値が「41」に設定されると、STEP11の判断結果が否定的となり、モード切替制御処理のフェーズが前記フェーズCとなる。
この場合には統括制御器26は、フェーズCの処理として、STEP13の油圧ON制御の処理を実行し、今回の制御処理周期における図4の処理を終了する。
STEP13の処理は、車両の駆動輪4,4に動力伝達を行なう動力源を、電動機2側からエンジン1側に徐々に移行させる処理である。このとき、電動機2のトルク指令TQMOTを0に向かって徐々に変化させる。併せて、エンジン1のトルク指令TQENGを、クラッチ6の切断状態から接続状態への移行の完了時(モード切替制御処理の終了時)にエンジン1の出力トルクにより車両を走行させるために要求されるトルクに向かって徐々に増加させる。
図13はSTEP13のサブルーチン処理を示すフローチャートである。図示の如く、STEP13の処理では、統括制御器26は、まず、油圧ON制御の開始時(フェーズCの開始時)であるか否かを判断する(STEP13−1)。この場合、前回の制御処理周期でのフェーズ変数SFTMONの値が「31」であった場合には、油圧ON制御の開始時であると判断される。
STEP13の判断結果が肯定的である場合には、統括制御器26は、クラッチ6の出力側回転速度NRPMHUB(現在値)を、F/B制御開始時回転速度NRPMFBの値として記憶保持する(STEP13−2)。
そして、統括制御器26は、STEP13の判断結果が否定的である場合、あるいは、STEP13−2の処理の実行後に、電動機2の出力トルクをフィードバック制御する処理を実行する(STEP13−3)。
図14は、このSTEP13−3のサブルーチン処理を示すフローチャートである。図示の如く、STEP13−3の処理では、まず、電動機2の出力トルクの目標値である目標TQMOTが求められる(STEP13−3−1)。この目標TQMOTは、クラッチ6の出力側回転速度NRPMHUBを前記STEP13−2で記憶保持したF/B制御開始時回転速度NRPMFBに維持するようにしつつ、換言すれば、車速をフェーズCの開始時の車速に維持するようにしつつ、電動機2の回転速度を徐々に減少させていくように決定される。
具体的には、目標TQMOTは、次式(1)に示す如く、電動機2のトルク指令TQMOTの現在値TQMOT(n)(前回の制御処理周期で最終的に決定された値)に、制御処理周期毎の(単位時間当たりの)トルク指令TQMOTの減少量であるトルク減少量#DTQMOT(<0)と、F/B制御開始時回転速度NRPMFBとクラッチ6の出力側回転速度NRPMHUB(現在値)との偏差(NRPMFB−NRPMHUB)に応じたF/B補正量(フィードバック補正量)とを加えることにより決定される。

目標TQMOT=TQMOT(n)+#DTQMOT+F/B補正量 ……(1)

なお、トルク減少量#DTQMOT(<0)はあらかじめ定められた所定値である。また、F/B補正量は、例えば、偏差(NRPMFB−NRPMHUB)にフィードバックゲインKMOTを乗じることにより決定される。この場合、フィードバックゲインKMOTは、例えば、クラッチ6に供給される圧油の油温(これは図示しない温度センサにより検出される)と、F/B制御開始時回転速度NRPMFBとから、あらかじめ設定されたマップに基づいて可変的に決定される。該マップは、クラッチ6の出力側回転速度NRPMHUBが、F/B制御開始時回転速度NRPMFBに対して過剰のオーバーシュートもしくはアンダーシュートを生じるのを抑制し、偏差(NRPMFB−NRPMHUB)の絶対値が、所定値以下に収まるように設定されている。
補足すると、前記式(1)の右辺の第1項と第2項との和が本発明における電動機用フィードフォワード指令値に相当し、第3項(F/B補正量)が本発明における電動機用フィードバック補正量に相当する。この場合、F/B補正量は、本実施形態では、フィードバック制御則としての比例則により求められる。F/B補正量を求めるために、PID則などの他のフィードバック制御則を使用してもよい。
上記のように、目標TQMOTを決定した後、統括制御器26は、該目標TQMOTが所定の下限値#TQMOTLよりも小さいか否か、換言すれば、目標TQMOTが十分に0に近い値まで低下したか否かを判断する(STEP13−3−2)。下限値#TQMOTLは、フェーズCの処理の終了タイミングを規定するために、あらかじめ定められた所定値である。
この判断結果が否定的である場合には、統括制御器26は、目標TQMOTを電動機2のトルク指令TQMOTとして決定し(STEP13−3−3)、図14の処理を終了する。
また、STEP13−3−2の判断結果が肯定的である場合には、統括制御器26は、フェーズCの処理(ひいてはモード切替制御処理)を終了するために、前記フェーズ変数SFTMONの値を0に設定する(STEP13−3−4)。さらに、統括制御器26は、電動機2のトルク指令TQMOTを「0」に設定し(STEP13−3−5)、図14の処理を終了する。
以上が、STEP13−3の処理の詳細である。
図13の説明に戻って、前記した如くSTEP13−3の処理を実行した後、統括制御器26は、次に、モード切替制御処理の終了直後のエンジン走行モードでのエンジン1の出力トルクの要求値であるエンジン走行時要求トルクTQENGLCを求める(STEP13−4)。このエンジン走行時要求トルクTQENGLCは、車両のアクセル操作量(現在値)と車速(現在値)とに応じて決定される前記車両目標駆動力を、エンジン1から駆動輪4,4に伝達するために要求されるエンジン1の出力トルクである。換言すれば、エンジン走行時要求トルクTQENGLCは、クラッチ6の切断状態から接続状態への移行が完了したときに、エンジン1の出力トルクにより車両の走行(現状と同等の走行)を行なうために要求される該エンジン1の出力トルクの要求値である。
該エンジン走行時要求トルクTQENGLCは、車両目標駆動力と発電機3のトルク指令TQGEN(回生トルク)とに応じて決定される。例えば、エンジン走行時要求トルクTQENGLCに発電機3のトルク指令TQGEN(<0)を加えたトルクによって、減速機5を介して駆動輪4,4に伝達される駆動力が上記車両目標駆動力になるようにエンジン走行時要求トルクTQENGLCが決定される。なお、車両目標駆動力は、定常的なエンジン走行モードでの車両の走行時と同様に決定される。
次いで、統括制御器26は、エンジン1の上限トルクTQENGHを求める(STEP13−5)。この上限トルクTQENGHは、フェーズCの終了タイミングを規定するためのものである。該上限トルクTQENGHは、前記エンジン走行時要求トルクTQENGLCに、所定の係数#KTQLCを乗じることにより求められる。なお、係数#KTQLCは、「1」よりも若干小さい正の値であり、あらかじめ定められている。
次いで、統括制御器26は、エンジン1の出力トルクをフィードバック制御する処理を実行し(STEP13−6)、図13の処理を終了する。
図15は、このSTEP13−6のサブルーチン処理を示すフローチャートである。図示の如く、STEP13−6の処理では、まず、エンジン1の出力トルクの目標値である目標TQENGが求められる。(STEP13−6−1)。この目標TQENGは、クラッチ差回転DNRPMを0近傍に維持するようにしつつ、エンジン1の回転速度NE(=NM)を徐々に上昇させていくように決定される。具体的には、目標TQENGは、次式(2)に示す如く、エンジン1のトルク指令TQENGの現在値TQENG(n)(前回の制御処理周期で決定された値)に、制御処理周期毎の(単位時間当たりの)トルク指令TQENGの増加量であるトルク増加量#DTQENG(>0)と、クラッチ差回転DNRPM(今回値)に応じたF/B補正量(フィードバック補正量)とを加えることにより決定される。

目標TQENG=TQENG(n)+#DTQENG+F/B補正量 ……(2)

なお、トルク増加量#DTQENG(>0)はあらかじめ定められた値である。また、F/B補正量は、例えば、クラッチ差回転DNRPMにフィードバックゲインKENGを乗じることにより決定される。この場合、フィードバックゲインKENGは、例えば、クラッチ6に供給される圧油の油温(これは図示しない温度センサにより検出される)と、クラッチ6の入力側回転速度NM(現在値)とからあらかじめ設定されたマップに基づいて可変的に決定される。該マップは、クラッチ差回転DNRPMの絶対値が、所定値以下に収まるように設定されている。
補足すると、前記式(2)の右辺の第1項と第2項との和が本発明におけるエンジン用フィードフォワード指令値に相当し、第3項(F/B補正量)が本発明におけるエンジン用フィードバック補正量に相当する。この場合、F/B補正量は、本実施形態では、フィードバック制御則としての比例則により求められる。F/B補正量を求めるために、PID則などの他のフィードバック制御則を使用してもよい。
上記のように、目標TQENGを決定した後、統括制御器26は、該目標TQENGが前記STEP13−5で決定された上限トルクTQENGHよりも大きいか否か、換言すれば、目標TQENGが十分に、前記エンジン走行時要求トルクTQENGLC(現在値)に近い値まで増加したか否かを判断する(STEP13−6−2)。
この判断結果が否定的である場合には、統括制御器26は、目標TQENGをエンジン1のトルク指令TQENGとして決定し(STEP13−6−3)、図15の処理を終了する。
また、STEP13−6−2の判断結果が肯定的である場合には、統括制御器26は、フェーズCの処理(ひいてはモード切替制御処理)を終了するために、前記フェーズ変数SFTMONの値を「0」に設定する(STEP13−6−4)。さらに、統括制御器26は、前記エンジン走行時要求トルクTQENGLC(現在値)を、エンジン1のトルク指令TQENGとして決定する(STEP13−6−5)。さらに、統括制御器26は、電動機2のトルク指令TQMOTを「0」に設定し(STEP13−6−6)、図15の処理を終了する。
以上が、STEP13−6の処理の詳細である。
以上のようにしてSTEP13で最終的に決定された電動機2のトルク指令TQMOTと、エンジン1のトルク指令TQENGとは、それぞれ、統括制御器26からインバータ駆動ユニット24、エンジン制御器25に出力される。これにより、電動機2の出力トルクとエンジン1の出力トルクとは、それぞれ、トルク指令TQMOT,TQENGに従って制御される。
以上説明したように、フェーズCでは(SFTMON=「41」である場合)、統括制御器26の制御処理周期毎に、STEP5,6,13の処理が逐次実行される。このとき、図16または図17のTQMOTに関するグラフで示す如く、STEP13の処理によって、車速をフェーズCの開始時の車速に維持するように、電動機2のトルク指令TQENGが徐々に減少される。併せて、図16または図17のTQENGに関するグラフで示す如く、クラッチ差回転DNRPMを0近傍に維持するように、エンジン1のトルク指令TQENGが徐々に増加される。これにより、駆動輪4,4に駆動力を伝達する動力源が、電動機2からエンジン2に徐々に切り替えられる。そして、このとき、クラッチ6の接続動作は、車速の変動が生じず、且つ、その接続動作時のショックが生じないように行なわれる。
なお、フェーズCの処理、ひいては、モード切替制御処理は、電動機2の目標TQMOTが十分に0に近い値(=#TQMOTL)まで低下し、または、エンジン1の目標TQENGがエンジン走行時要求トルクTQENGLCに十分に近い値(=#TQENGH)まで増加するまで(図16および図17の時刻t7)、継続する。そして、その後は、前記フェーズ変数SFMONの値が「0」となるので、前記STEP2の判断結果が肯定的となる。ひいては、STEP3〜13の処理は行なわれないこととなり、モード切替制御処理が終了する。
補足すると、統括制御器26の制御処理周期毎に実行されるSTEP13の処理によって、本発明における第3制御手段が構成されることとなる。
次に、説明を後回しにした前記STEP6の処理(油圧SW動作判断の処理)を説明する。図6は、STEP6のサブルーチン処理を示すフローチャートである。
図示の如く、STEP6の処理では、統括制御器26は、まず、フェーズ変数SFTMONの値(現在値)が「31」よりも小さいか否か、換言すれば、モード切替制御処理のフェーズが前記フェーズBよりも前のフェーズAであるか否かを判断する(STEP6−1)。
このSTEP6−1の判断結果が肯定的である場合には、統括制御器26は、次に、油圧スイッチ14がONとなっているか否かを判断する(STEP6−2)。この判断処理では、油圧スイッチ14からON信号が出力されているときに、油圧スイッチ14がONとなっていると判断される。そして、油圧スイッチ14からON信号が出力されていないときには、油圧スイッチ14がONになっていないと判断される。
油圧スイッチ14が正常であれば、STEP6−2の判断結果が肯定的となる状態は、クラッチ油圧が前記油圧ON設定圧を超えている状態を意味する。しかるに、今現在のフェーズは、前記フェーズAであるから、油圧装置8によるクラッチ8への圧油の供給は未だ開始されていない。そこで、STEP6−2の判断結果が肯定的となる場合には、統括制御器26は、油圧スイッチ14のON故障(前記油圧ON設定圧に満たない油圧で油圧スイッチ14がON信号を出力する故障)の有無を判断する(STEP6−3)。
図7は、このSTEP6−3のサブルーチン処理を示すフローチャートである。図示の如く、STEP6−3では、まず、車速(走行状態検出手段30から得られる検出値)が急激に変化しているか否かが判断される(STEP6−3−1)。このSTEP6−3−1の判断結果が肯定的となる状況は、油圧装置8の弁の故障などにより、クラッチ6に実際に圧油が供給されてしまっている状況が考えられる。すなわち、このような状況では、クラッチ6が接続状態もしくはそれに近い状態となって、エンジン1や発電機3の出力トルクの一部がクラッチ6を介して駆動輪4,4に伝達されてしまう。このとき、エンジン1や発電機3の出力トルクの変動によって、車速の急減な変動を生じる。
そこで、STEP6−3−1の判断結果が肯定的である場合には、統括制御器26は、油圧スイッチ14以外の機器の故障による誤作動が生じていると判断し(STEP6−3−3)、図7の処理を終了する。
また、STEP6−3−1の判断結果が否定的である場合には、統括制御器26は、油圧スイッチ14のON故障が発生していると判断し(STEP6−3−2)、図7の処理を終了する。
以上が、STEP6−3の処理の詳細である。このようにして、フェーズAでは、STEP6−2,6−3の処理によって、油圧スイッチ14のON故障と、油圧スイッチ14以外の機器の故障とを区別して検知することができる。補足すると、フェーズAにおいて統括制御器26の制御処理周期毎に実行されるSTEP6−2,6−3の処理によって、本発明における第1故障検知手段が構成される。
図6の説明に戻って、前記STEP6−1の判断結果が否定的である場合、すなわち、モード切替制御処理のフェーズが、フェーズBまたはCである場合には、統括制御器26は、前記タイマカウンタTMPSW(モード切替制御処理の開始時にSTEP4で初期化されたタイマカウンタTMPSW)の現在値が、所定値#TMUTSWG(これは本発明における第1所定時間に相当する)よりも小さいか否かを判断する(STEP6−4)。ここで、フェーズBの開始直後、すなわち、油圧指令値QONの立ち上がりの直後では、クラッチ油圧に一時的なサージ圧が発生する場合がある(図16および図17で、実際の油圧の変化を示す細線のグラフを参照)。そして、そのサージ圧は、前記油圧ON設定圧を一時的に超える場合がある。このような場合には、油圧スイッチ14が、該サージ圧により一時的にONとなるものの、クラッチ6の実際の接続は開始しない。
そこで、本実施形態では、フェーズBの開始時からの経過時間が、前記所定値#TMUTSWGに達するまでの期間(図16および図17の時刻t4から時刻t5までの期間)を不感帯期間とし、この不感帯期間では、油圧スイッチ14がONになっても、フェーズBからフェーズCへの移行を行なわない(フェーズBを継続する)。
具体的には、STEP6−4の判断結果が肯定的であるとき、すなわち、フェーズBの開始時からの経過時間が所定値#TMUTSWGに達していない場合には、統括制御器26は、油圧SWがONになっているか否かを判断する(STEP6−5)。この判断は、前記STEP6−2と同様に行なわれる。
STEP6−5の判断結果が肯定的である場合には、統括制御器26は、サージ圧による油圧スイッチ14の誤作動が生じたと判断する(STEP6−6)。なお、油圧スイッチ14のON故障が発生している場合にも、STEP6−5の判断結果が肯定的となるので、STEP6−6の処理が実行される。
そして、統括制御器26は、このSTEP6−6の処理の実行後、あるいは、STEP6−5の判断結果が否定的である場合には、次に、タイマカウンタTMPSWの値を、所定値ΔTUPだけ増加させ(STEP6−7)、図6のサブルーチン処理を終了する。所定値ΔTUPは、統括制御器26の1制御処理周期分の時間である。STEP6−7の処理により、フェーズBの開始時からの経過時間が計時されることとなる。
以上のように、フェーズBの開始後、タイマカウンタTMPSWの値が所定値#TMUTSWGに達するまでの不感帯期間では、油圧スイッチ14の出力によらずに、モード切替制御処理のフェーズが、フェーズBに維持される。
なお、STEP6−5および6−6の処理は必ずしも必要ではなく、省略してもよい。すなわち、上記不感帯期間では、油圧スイッチ14の出力を監視せずに、単に、制御処理周期毎に、タイマカウンタTMPSWの値を所定値ΔTUPずつ、増加させていく(フェーズBの経過時間の計時だけを行う)ようにしてもよい。また、該不感帯期間に係わる前記所定値#TMUTSWGは、本発明における第1所定時間に相当するものである。
前記STEP6−4の判断結果が否定的である場合は、フェーズBの開始時からの経過時間が所定値#TMUTSWG以上になっている(不感帯期間を過ぎている)。この場合には、統括制御器26は、次に、タイマカウンタTMPSWの現在値が、前記STEP4で決定された前記クラッチ応答時間TMDB2C(=予測値#TMDB2C)に所定値#TMUTSWHを加えた値(=TMDB2C+#TMUTSWH)よりも小さいか否かを判断する(STEP6−8)。ここで、TMDB2C+#TMUTSWH(図16および図17の時刻t4から時刻t8までの時間)は、フェーズBの開始時からモード切替制御処理の終了時(フェーズCの終了時)までの上限時間を意味する。油圧スイッチ14などが正常である場合には、クラッチ6の切断状態から接続状態への移行は、基本的にはタイマカウンタTMPSWの値が上記上限時間に達する前に完了する(こうなるように上限時間が設定されている)。そこで、本実施形態では、TMPSW≧TMDB2C+#TMUTSWHとなったときに、モード切替制御処理を強制的に終了するするために、STEP6−8の判断処理を実行する。なお、TMDB2C+#TMUTSWHは、本発明における第2所定時間に相当する。
STEP6−8の判断結果が肯定的である場合には、フェーズBの開始時からの経過時間は、前記上限時間に達していない。この場合には、統括制御器26は、油圧スイッチ14のON故障が確定しているか否かを判断する(STEP6−9)。この判断では、前記STEP6−3のON故障判断の処理で、油圧スイッチ14のON故障が発生していると判断された場合には、STEP6−9の判断結果が肯定的となり、そうでない場合には、STEP6−9の判断結果が否定的となる。
STEP6−9の判断結果が否定的である場合には、統括制御器26は、油圧スイッチ14がONになっているか否かを判断する(STEP6−10)。この判断は、STEP6−2と同様に行なわれる。このとき、STEP6−10の判断結果が肯定的である場合には、統括制御器26は、フェーズ変数SFTMONの値を「41」に設定し(STEP6−11)、図6の処理を終了する。これにより、油圧スイッチ14が正常である場合には、タイマカウンタTMPSWの値が前記所定値#TMUTSWGに達した後、油圧スイッチ14がONになった時(クラッチ油圧が前記油圧ON設定圧に達した時)に、モード切替制御処理のフェーズがフェーズBからフェーズCに移行する。そして、以後は、モード切替制御処理が終了するまで(前記STEP13の処理でフェーズ変数SFTMONの値が「0」に設定されるまで)、前述したフェーズCの処理(STEP13の処理)が継続する。
なお、STEP6−10の判断結果が肯定的となる状況では、タイマカウンタTMPSWの値の更新は行なわれない。すなわち、タイマカウンタTMPSWによる計時は中止される。従って、油圧スイッチ14が正常であれば、STEP6−8の判断結果が否定的となることはない。
一方、STEP6−9の判断結果が肯定的である場合は、油圧スイッチ14のON故障が発生している状況である。また、STEP6−10の判断結果が否定的となる場合は、フェーズBにおいて(ただし、前記不感帯期間は除く)、クラッチ油圧が、まだ、前記油圧ON設定圧まで上昇していないか、または、実際のクラッチ油圧が前記油圧ON設定圧まで上昇しているにもかかわらず、油圧スイッチ14の故障により、該油圧スイッチ14からON信号が出力されない状況である。これらの状況では、統括制御器26は、タイマカウンタTMPSWの値を前記所定値ΔTUPだけ増加させ(STEP6−12)、図6の処理を終了する。なお、この場合には、フェーズ変数SFTMONの値は、変更されない。
STEP6−12におけるタイマカウンタTMPSWの値の更新が継続すると、その値が前記上限時間(=TMDB2C+#TMUTSWH)に達して、STEP6−8の判断結果が否定的となる。
この場合には、統括制御器26は、まず、油圧スイッチ14のON故障が確定しているか否かを判断する(STEP6−13)。この判断処理は、前記STEP6−9と同様に行なわれる。
このSTEP6−13の判断結果が否定的である場合は、フェーズBの開始時から、油圧スイッチ14がONにならない状態で、前記上限時間(=TMDB2C+#TMUTSWH)を経過した状況である。この場合には、統括制御器26は、油圧スイッチ14のOFF故障(実際のクラッチ油圧が前記油圧ON設定圧以上に上昇していても、油圧スイッチ14がON信号を出力しない故障)の有無を判断する(STEP6−14)。
図8は、このSTEP6−14のサブルーチン処理を示すフローチャートである。図示の如く、STEP6−14では、統括制御器26はまず、エンジン1のトルク指令TQENGが正の値であるか否かを判断する(STEP6−14−1)。そして、この判断結果が肯定的である場合には、統括制御器26はさらに、前記クラッチ差回転DNRPM(今回値)の絶対値が、正の値であるか否かを判断する(STEP6−14−2)。この判断結果が否定的である場合は、クラッチ差回転DNRPM=0であり、クラッチ油圧によって、クラッチ6が接続状態となっている状況である。従って、この場合には、油圧装置8は正常に動作しているはずであるので、統括制御器8は、油圧スイッチ14のOFF故障が発生していると判断し(STEP6−14−3)、図8の処理を終了する。
一方、STEP6−14−1の判断結果が否定的であるとき、または、STEP6−14−2の判断結果が肯定的である場合には、統括制御器26は、油圧スイッチ14以外の機器の故障(油圧装置8の弁などの故障)によって、クラッチ油圧が不足して誤作動(油圧スイッチ14がON信号を出力しない誤作動)が発生した判断し(STEP6−14−4)、図8の処理を終了する。
以上説明したSTEP6−14の処理によって、フェーズBの開始時から、油圧スイッチ14がONにならない状態で、前記上限時間TMDB2C+#TMUTSWHが経過した時に、油圧スイッチ14のOFF故障と、該油圧スイッチ14以外の機器の故障とを区別して検知することができる。補足すると、STEP6−14の処理によって、本発明における第2故障検知手段が構成されることとなる。
図6の説明に戻って、統括制御器26は、前記STEP6−13の判断結果が肯定的である場合、あるいは、STEP6−14の処理の実行後に、モード切替制御処理を強制的に終了するための切替終了制御の処理を実行し(STEP6−15)、図6の処理を終了する。
図9は、STEP6−15のサブルーチン処理を示すフローチャートである。図示の如く、STEP6−15では、統括制御器26は、フェーズ変数SFTMONの値を「0」に設定する(STEP6−15−1)。さらに、統括制御器26は、エンジン走行モードでの車両の走行を行なうために、電動機2のトルク指令TQMOTを0に設定する(STEP6−15−2)。さらに、統括制御器26は、前記エンジン走行要求トルクTQENGLCを前記図13のSTEP13−4の処理と同様に求める(STEP6−15−3)。そして、統括制御器26は、このTQENGLCをエンジン1のトルク指令TQENGとして設定し(STEP6−15−4)、図9の処理を終了する。
以上がSTEP6−15の処理の詳細である。なお、このSTEP6−15で決定されたトルク指令TQMOT,TQENGはそれぞれ、統括制御器26からインバータ駆動ユニット24、エンジン制御器25に出力される。これにより、電動機2の出力トルクとエンジン1の出力トルクとは、それぞれ、トルク指令TQMOT,TQENGに従って制御される。これにより、エンジン走行モードでの車両の走行が開始される。
以上説明したように、本実施形態によれば、エンジン1の出力トルクの操作により、クラッチ6の入力側回転速度NMを出力側回転速度NRPMHUBに近づけた上で、クラッチ6を切断状態から接続状態に切り替えるように油圧装置8を制御するので、その切り替え時のショックの発生を軽減できる。そして、クラッチ6が実際の動力伝達が可能な状態になると、車速を一定に維持し、且つ、クラッチ6の入力側回転速度NMと出力側回転速度NRPMHUBとがほぼ同一速度に保たれるように、電動機2の出力トルクとエンジン1の出力トルクとを変化させ、車両の動力源を電動機2からエンジン1に切り替えるので、車両の車速や駆動力の変動を生じることなく、円滑に、電動走行モードからエンジン走行モードへの切り替えを行なうことができる。
なお、以上説明した実施形態では、1つの電動機2を備えたが、例えば各駆動輪4,4l毎に、電動機を備えるようにしてもよい。
本発明の一実施形態におけるハイブリッド車両のシステム構成を示すブロック図。 図1のハイブリッド車両の動力系を概略的に示すスケルトン図。 図1のハイブリッド車両に備えた油圧装置の構成を示す油圧回路図。 図1のハイブリッド車両に備えた統括制御器によるモード切替制御処理のメインルーチン処理を示すフローチャート。 図4のSTEP5のサブルーチン処理を示すフローチャート。 図4のSTEP6のサブルーチン処理を示すフローチャート。 図6のSTEP6−3のサブルーチン処理を示すフローチャート。 図6のSTEP6−14のサブルーチン処理を示すフローチャート。 図6のSTEP6−15のサブルーチン処理を示すフローチャート。 図4のSTEP9のサブルーチン処理を示すフローチャート。 図4のSTEP10のサブルーチン処理を示すフローチャート。 図4のSTEP12のサブルーチン処理を示すフローチャート。 図4のSTEP13のサブルーチン処理を示すフローチャート。 図13のSTEP13−3のサブルーチン処理を示すフローチャート。 図13のSTEP13−6のサブルーチン処理を示すフローチャート。 モード切替制御処理におけるトルク指令などの経時変化の一例を例示するタイミングチャート。 モード切替制御処理におけるトルク指令などの経時変化の他の例を例示するタイミングチャート。
符号の説明
1…エンジン、1a…エンジンの出力軸、2…電動機、2a…電動機のロータ、4…駆動輪(車輪)、5…減速機(出力トルク伝達手段)、6…クラッチ(動力継断手段)、6a…入力側回転要素(エンジン側回転要素)、6b…出力側回転要素(電動機側回転要素)、8…油圧装置、14…油圧スイッチ、26…統括制御器(第1制御手段、第2制御手段、第3制御手段、第1故障検知手段、第2故障検知手段)、STEP5−1,5−2…回転速度差検知手段、STEP9,10…第1制御手段、STEP12…第2制御手段、STEP13…第3制御手段、STEP6−2,6−3…第1故障検知手段、STEP6−14…第2故障検知手段。

Claims (8)

  1. 車両の走行用の出力トルクをそれぞれ発生するエンジンおよび電動機と、
    前記エンジンの出力軸および電動機のロータにそれぞれ連動して回転するエンジン側回転要素および電動機側回転要素を有し、両回転要素の摩擦係合により前記エンジンと電動機との間の動力伝達を可能とする接続状態と該摩擦係合の解除により前記エンジンと電動機との間の動力伝達を遮断する切断状態とに動作可能な動力継断手段と、
    該動力継断手段の接続状態で前記エンジンの出力トルクを車両の車輪に伝達し、該動力継断手段の切断状態で前記電動機の出力トルクを車両の車輪に伝達するように設けられた出力トルク伝達手段とを備えたハイブリッド車両の制御装置であって、
    前記動力継断手段のエンジン側回転要素入力側と電動機側回転要素との間の回転速度差を逐次検知する回転速度差検知手段と、
    前記動力継断手段を切断状態から接続状態に切り替えるべき要求が発生したとき、該動力継断手段の切断状態において前記回転速度差の絶対値が所定の閾値よりも小さくなるまで該絶対値を減少させるように、前記回転速度差検知手段により検知された回転速度差に応じて前記エンジンの出力トルクを変化させる第1制御手段と、
    前記検知された回転速度差の絶対値が前記所定の閾値よりも小さくなったとき、前記切断状態から接続状態に切り替えるように前記動力継断手段を動作させる第2制御手段とを備えたことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  2. 前記第1制御手段は、前記検知された回転速度差が、あらかじめ定められた複数種類の範囲のうちのいずれの範囲に存するかに応じて、該回転速度差の絶対値を減少させるためのエンジン用トルク指令値を決定し、その決定したエンジン用トルク指令値により前記エンジンの出力トルクを制御する手段であり、前記回転速度差の複数種類の範囲にそれぞれ対応して決定されるエンジン用トルク指令値は、前記第1制御手段の制御処理の実行開始時におけるエンジンの出力トルクからの変化量が当該各種類の範囲毎に互いに相違するトルク指令値であることを特徴とする請求項1記載のハイブリッド車両の制御装置。
  3. 前記第1制御手段は、前記エンジン用トルク指令値を決定するとき、前記回転速度差の絶対値が大きいほど、前記第1制御手段の制御処理の実行開始時におけるエンジンの出力トルクからの変化量が該回転速度差の絶対値を減少させる向きに大きくなるように、前記各種類の範囲毎に前記エンジン用トルク指令値を決定することを特徴とする請求項2記載のハイブリッド車両の制御装置。
  4. 前記動力継断手段は、前記ハイブリッド車両に備えた油圧装置から供給される圧油の圧力により前記切断状態から接続状態に切り替る動力継断手段であると共に、前記第2制御手段は、前記検知された回転速度差の絶対値が前記所定の閾値よりも小さくなったとき、前記動力継断手段を切断状態から接続状態に切り替えるために、前記油圧装置から動力継断手段への圧油の供給を開始するように該油圧装置を制御する手段であり、
    前記動力継断手段に供給される圧油の圧力が、前記動力継断手段の動力伝達が可能となる所定の設定圧以上であるときに、その旨を示すON信号を出力する油圧スイッチと、
    前記第2制御手段の制御処理の開始後、前記油圧スイッチの出力に基づき、前記動力継断手段の動力伝達を開始し得る動力伝達開始タイミングを認識し、該動力伝達開始タイミングから、前記電動機の出力トルクを0に向かって変化させると共に、前記エンジンの出力トルクを、前記動力継断手段の切断状態から接続状態への移行が完了した時に要求される出力トルクに向かって変化させる第3制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  5. 前記第3制御手段は、所定の制御処理周期毎に、前記電動機の出力トルクを所定量ずつ減少させるトルク指令値である電動機用フィードフォワード指令値を、前記ハイブリッド車両の車速を一定に維持するようにフィードバック制御則により決定した電動機用フィードバック補正量により補正してなる電動機用トルク指令値を逐次求める手段と、該電動機用トルク指令値により前記電動機の出力トルクを制御する手段と、前記所定の制御処理周期毎に、前記エンジンの出力トルクを所定量ずつ増加させるトルク指令値であるエンジン用フィードフォワード指令値を、前記回転速度差の絶対値が前記所定の閾値以下に収まるようにフィードバック制御則により決定したエンジン用フィードバック補正量により補正してなるエンジン用トルク指令値を逐次求める手段と、該エンジン用トルク指令値により前記エンジンの出力トルクを制御する手段とを備えることを特徴とする請求項4記載のハイブリッド車両の制御装置。
  6. 前記第3制御手段は、前記第2制御手段の制御処理が開始してから、第1所定時間が経過した後、前記油圧スイッチからON信号を出力された時を、前記動力伝達開始タイミングとして認識することを特徴とする請求項4または5記載のハイブリッド車両の制御装置。
  7. 前記第1制御手段の制御処理の実行中に、前記油圧スイッチの出力と前記ハイブリッド車両の車速の変動状態とに基づき、該油圧スイッチの故障と該油圧スイッチ以外の機器の故障とを区別して検知する第1故障検知手段を備えたことを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  8. 前記第2制御手段の制御処理が開始してから、前記油圧スイッチがON信号を出力しない状態で第2所定時間が経過したとき、少なくとも前記回転速度差検知手段により検知される回転速度差に基づいて、該油圧スイッチの故障と該油圧スイッチ以外の機器の故障とを区別して検知する第2故障検知手段を備たことを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載のハイブリッド車両の制御装置。
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