JP2007320344A - 中空スタビライザ - Google Patents

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善広 早坂
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Abstract

【課題】中空スタビライザの管素材の中空内部に焼入れの際に焼入液を吸引しさらに排液してから良好に焼戻し処理をし、高品質な中空スタビライザを得る。
【解決手段】鋼製の管素材の両端部に、それぞれ偏平板形状の取付部5を形成し、取付部5に隣接する部分に、鋼製の管素材を相対向する両側から潰して断面扁平な環形の扁平環形構造部7を形成し、扁平環形構造部7における幅方向の略中央部に、焼入れの際に鋼製の管素材の中空内部へ焼入液を吸入し、焼戻しの前に鋼製の管素材の中空内部に滞留している焼入液を排液させるための、所定直径の円形貫通孔である液通し穴8を穿孔する。
【選択図】図1

Description

この発明は、自動車やトラック等の車両における左右の揺れ止めとして使用される、鋼製パイプを素材として中空構造に構成した中空スタビライザに関する。
一般に、自動車やトラック等の車両に用いるばね部品には、左右の車輪の独立した懸架装置を連結して左右の揺れ(ローリング)を防止するための大型の変形線状ばねであるスタビライザがある。
このスタビライザは、車体の下面に配置されているデフやプロペラシャフト等の各種部品との干渉を避ける形状に形成する。また、このスタビライザには、軽量化を図るために中空構造に構成した中空スタビライザがある。
この中空スタビライザには、例えば平面視略コ字型に形成し、その中央直線部をトーションバーばね(トーション部)として使用し、この中央部の両側にそれぞれ湾曲部を形成し、各湾曲部から延出する各アームの先端部にそれぞれ取付部を形成したものがある。
このような中空スタビライザでは、鋼製の管(パイプ)を所定の形状に曲げ加工し、中空スタビライザにおける両端のアーム先端部をプレスあるいは鍛造装置によって管の径方向に圧潰することにより、偏平形状の取付部を形成する。
この取付部には、厚み方向に貫通する貫通孔を設ける。さらに、中空スタビライザのアーム部には、管形状のままの中空部分から取付部に向かって厚さを減少させるように形成したテーパ部を設けて構成したものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このような中空スタビライザを製造する場合には、鋼製で所定長さの直線状の管をガス炉で高温に加熱し、熱間でプレス加工あるいは鍛造加工によって管の径方向に圧潰して平板状の取付部を形成し、熱間で所定の曲げ加工を行った後、塑性変形した中空スタビライザ素材を焼入液中に入れて焼き入れする。
さらに、焼入れされた中空スタビライザ素材は、焼き戻し処理されてから、ショットピーニング後、塗装処理して製品として完成する。
このような工程で中空スタビライザを製造する場合には、熱間で管素材の両端部を圧潰して取付部を形成してから焼入液中に入れた際の急激な温度変化によって管素材の中空内部の気圧が急激に低下し、一文字に潰れた管口の両端部にできるわずかな細孔(いわゆるエクボ)から焼入液が管素材の中空内部に強制吸引されて滞留する。
この中空スタビライザの管素材は、両端部を圧潰して取付部を形成したときに潰れた管口にできる細孔が小さいため管素材の中空内部に強制吸引された焼入液が自然に排出することが困難であるため管素材の中空内部に滞留した状態となってしまい、後の焼戻し工程作業及び製品品質に悪影響を及ぼすおそれがある。
特開2003−118346号公報
本発明は、上述した点に鑑み、中空スタビライザの管素材の中空内部に焼入れの際に焼入液を吸引し、さらに焼入液を排液してから良好に焼戻し処理をすることにより、高品質に製造可能な中空スタビライザを新たに提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の中空スタビライザは、鋼製の管素材を所定形状に塑性加工し、焼入れ処理と焼戻し処理を行って製造する中空スタビライザにおいて、
鋼製の管素材の両端部を、それぞれ管の径方向に圧潰して偏平板形状に形成した取付部と、
取付部に隣接する部分を、鋼製の管素材における断面円環形の形状を相対向する両側から潰すように変形させて、断面扁平な環形に形成した扁平環形構造部と、
扁平環形構造部における幅方向の略中央部に、加熱された鋼製の管素材を焼入液に浸漬した際に鋼製の管素材の中空内部へ焼入液を吸入すると共に、鋼製の管素材の中空内部に滞留している焼入液を排液させられるよう設けた、所定直径の円形貫通孔である液通し穴と、を有することを特徴とする。
上述のように構成することにより、この扁平環形構造部の部分では、その両側端辺部近くに比較的大きな応力が発生し、扁平な中央部分に小さな応力が発生する。
そこで、この扁平環形構造部の部分における扁平な中央部分に液通し穴を配置することにより、液通し穴のまわりに小さな応力しか発生しないようにして液通し穴の周囲に応力が集中して破断することを防止できる。
また鋼製の管素材を焼入れする際には、液通し穴から鋼製の管素材の中空内部へ強制的に吸入された焼入液が、鋼製の管素材の中空内部へ行き渡って急速に冷却する。
このため、焼入液中に入れられた鋼製の管素材は、その外表面側から焼入液によって冷却されると同時に、その中空内部の内面側から冷却される。
よって、液通し穴を設けた場合には、焼入れで硬化される外表面側の硬度と中空内面側の硬度とが略同様になるように焼入れできるので、強度を向上して中空スタビライザの品質、性能を向上できる。
また、鋼製の管素材の中空内部から液通し穴を通じて焼入液を自然に排液する場合には、焼戻しの処理で鋼製の管素材の中空内部が乾燥するので、錆び発生による強度低下が発生することを防止できる。
本発明の請求項2に記載の中空スタビライザは、所定長さの直線状に形成された鋼製の管素材における両端部を、管の径方向に圧潰して偏平板形状の取付部を形成し、
取付部に隣接する鋼製の管素材部分を、鋼製の管素材における断面円環形の形状を相対向する両側から潰すように変形させて、断面扁平な環形の扁平環形構造部を形成し、
扁平環形構造部における幅方向の略中央部に所定直径の円形貫通孔である液通し穴を設け、
鋼製の管素材を、熱間で、パイプ加工装置により曲げ加工し、
曲げ加工された鋼製の管素材を焼入液に浸漬し、液通し穴から焼入液を鋼製の管素材の中空内部に吸入させて焼入れ処理をし、
鋼製の管素材の中空内部に滞留している焼入液を液通し穴から排液してから、鋼製の管素材を焼戻しする処理を行うというプロセスを利用して製造したことを特徴とする。
上述のように構成することにより、この扁平環形構造部の部分では、その両側端辺部近くに比較的大きな応力が発生し、扁平な中央部分に小さな応力が発生する。
そこで、この扁平環形構造部の部分における扁平な中央部分に液通し穴を配置することにより、液通し穴のまわりに小さな応力しか発生しないようにして液通し穴の周囲に応力が集中して破断することを防止できる。
また鋼製の管素材を焼入れする際には、液通し穴から鋼製の管素材の中空内部へ強制的に吸入された焼入液が、鋼製の管素材の中空内部へ行き渡って急速に冷却する。
このため、焼入液中に入れられた鋼製の管素材は、その外表面側から焼入液によって冷却されると同時に、その中空内部の内面側から冷却される。
よって、液通し穴を設けた場合には、焼入れで硬化される外表面側の硬度と中空内面側の硬度とが略同様になるように焼入れできるので、強度を向上して中空スタビライザの品質、性能を向上できる。
また、鋼製の管素材の中空内部から液通し穴を通じて焼入液を自然に排液する場合には、焼戻しの処理で鋼製の管素材の中空内部が乾燥するので、錆び発生による強度低下が発生することを防止できる。
さらに、扁平環形構造部を塑性変形させる加工後に液通し穴を設けるため、中空スタビライザの完成後まで液通し穴の穴形状を円形に保つことができるので、液通し穴の形状が楕円又は長円等に変形して応力の集中を招いて破断することを防止できる。
本発明の中空スタビライザによれば、中空スタビライザの管素材の中空内部に焼入液を吸引させて良好に焼入れし、焼入液を排液した後に良好に焼戻し処理をすることにより、高品質な中空スタビライザを製造できるという効果がある。
以下、本発明の中空スタビライザに係わる実施の形態について、図1乃至図5を参照しながら説明する。
図1は、本実施の形態に係わる中空スタビライザの全体を示す部分断面平面図であり、図で1は、鋼(ばね鋼等)製の管(パイプ)素材を加工して構成した中空スタビライザである。
この中空スタビライザ1には、その両端部に車両(図示せず)に装着された状態で車両の前後方向へ延出する一対のアーム部2を設け、その中間部に車両に装着された状態で車両の幅方向に延在するトーション部3を設ける。
また、この中空スタビライザ1には、トーション部3の両端部と各々対応するアーム部2との間に、単数又は複数(図1では単数)の湾曲部4を設ける。
図1に例示するものでは、車両に装着された状態で、車両の幅方向に延在するトーション部3と、このトーション部3の左右両端部からそれぞれ車両の前後方向へ延出する一対のアーム部2とを設け、これらトーション部3と一対のアーム部2との間にそれぞれ円弧状に形成された一対の湾曲部4を設けて構成する。
なお、実際に車両に装着する中空スタビライザ1では、車体の下部構造及び懸架装置との干渉を避けつつ、これらにより形成される狭い間隙を縫って車両へ装着する必要があるので、トーション部3と一対のアーム部2とを含む全体を複数箇所で湾曲した複雑な形状に構成しても良い。
この中空スタビライザの一対のアーム部2では、鋼製の管(パイプ)素材両端部をプレスあるいは鍛造装置によって管の径方向に圧潰して偏平板形状の取付部5を形成する。この取付部5の略中央部には、厚み方向に貫通し、取付部5が相対向する側面に向けて径が広がるテーパ穴である取付穴6を設ける。
また、図1乃至図3に示すように、中空スタビライザの一対のアーム部2の取付部5に隣接する部分には、それぞれ湾曲部4の取付部5側で管素材が断面円環形から相対向する両側から潰されて管素材の断面が扁平な環形に変形を開始する位置から、取付部5の端部となる管素材の内周面が一文字の状態(図5に示す状態)に潰れて当接する位置まで滑らかに連なって接続する、断面が扁平環形となる扁平環形構造部7を構成する。
この中空スタビライザ1では、取付部5の一方の平面に連なる扁平環形構造部7における扁平形状における略中央部(幅方向の略中央部)に、図4に示すような所定直径の円形貫通孔である液通し穴(液抜き穴)8を設ける。
この図示する中空スタビライザ1では、一対のアーム部2が相対向する斜状の内側面の幅方向中央部に液通し穴8を設ける。
このように一対のアーム部2が相対向する斜状の内側面に液通し穴8を設けた場合には、中空スタビライザ1を車体に装着した際に、液通し穴8の部分が車体外部から隠れるので、中空スタビライザ1の見栄えを良くすることができる。
なお、この中空スタビライザ1では、一対のアーム部2が相対向するのとは反対側となる斜状の外側面の幅方向中央部に、液通し穴8を設けても良い。
また、中空スタビライザ1の液通し穴8にはゴム製のプラグ9を嵌合して中空スタビライザ1の中空内部を気密状態に保つことにより、中空スタビライザ1の中空内周面に錆びが出ることを防止し、見栄えを良くする。
このように構成した中空スタビライザ1は、例えば、その中央直線部となるトーション部3を、図示しないラバーブッシュを介して車体側に回転自在に取り付ける。さらに、この中空スタビライザ1は、両端の取付部5を、図示しないリンクロッドを介して車輪の懸架アーム等に取り付けて車体に装着する。
このように車両に装着された中空スタビライザ1は、車両が旋回走行する際など、各アーム部2側の取付部5に左右逆相の入力があった際、各アーム部2を介してトーション部3がねじられることにより、車体のローリングを抑制する。
次に、上述のように構成する中空スタビライザ1の製造プロセスについて説明する。
この中空スタビライザ1の製造プロセスでは、所定長さの直線状に形成された鋼製の管(パイプ)素材両端部を加熱し、熱間でプレスあるいは鍛造装置によって管の径方向に圧潰してアーム部2の扁平環形構造部7と偏平板形状の取付部5とを形成する。
次に、両端部に扁平環形構造部7と偏平板形状の取付部5とが形成された鋼製の管素材を冷却してから、扁平環形構造部7における取付部5近くの幅方向中央の所定位置に、液通し穴8をドリルであける。
この中空スタビライザ1では、アーム部2における取付穴6の部分に外力が入力するので、取付部5及び扁平環形構造部7の部分における扁平部分の両端辺部近くに大きな応力が発生し、取付部5及び扁平環形構造部7の部分における扁平となった中央部分に小さな応力が発生することになる。
よって、この中空スタビライザ1では、扁平環形構造部7の部分における扁平中央部分に液通し穴8を配置することにより、液通し穴8のまわりに小さな応力しか働かないようにして液通し穴8の周囲に応力が集中して破断することを防止できる。
また、この中空スタビライザ1では、扁平環形構造部7を塑性変形させる加工後に液通し穴8を設けるので、中空スタビライザ1の完成後まで液通し穴8の穴形状を円形に保つことができる。
よって、この中空スタビライザ1では、扁平環形構造部7に設けた液通し穴8の形状が楕円又は長円等に変形して応力の集中を招いて破断することを防止できる。
次に、この中空スタビライザ1の製造プロセスでは、鋼製の管素材の全体を加熱して、熱間で、一般に用いられているパイプ加工装置であるパイプベンダにより曲げ加工(塑性加工)する。
図示しないが、例えば、このパイプベンダは、鋼製の管素材のパイプ径、湾曲部の曲げ半径等に応じた形状を有するロール型の外周側にクランプ型及び加圧型が配置されている。
このようなパイプベンダでは、ロール型がパイプベンダの本体部により回転可能に支持されている。このロール型の外周面には、所定の湾曲形状の成形溝が形成されている。
このパイプベンダで鋼製の管素材を加工する場合には、鋼製の管素材における湾曲するように塑性加工する部位である被曲げ部の一端部を成形溝内に挿入する。
このとき、この被曲げ部の一端部は、クランプ型によりロール型側へ加圧されることで拘束される。
この状態で、このパイプベンダでは、ロール型を被曲げ部へ巻き取るような方向へ回転させ、これと同時に、加圧型により被曲げ部をロール型の接線方向に沿って成形溝内へ送り込む方向へ加圧する。
これにより、鋼製の管素材は、被曲げ部が成形溝に倣うように湾曲して湾曲部が成形されて所定の3次元形状に塑性加工される。
次に、鋼製の管素材は、両端部が潰されて取付部5が形成され、熱間で所定の3次元形状に塑性加工された鋼製の管素材は、熱間加工直後の所要温度の状態(冷えていない状態)において、焼入れ工程である焼入れの熱処理を行う。
この焼入れ工程では、図示しないが、焼入れ槽に貯留した例えば焼入れオイル(焼入れ油)又は焼入れ用薬剤を添加した水性の焼入液等の焼入液中に、加熱されている中空スタビライザ1の鋼製の管素材を入れる。
すると、加熱され両端部が潰されて取付部5が形成され熱間で所定の3次元形状に塑性加工された鋼製の管素材は、焼入液中で急激に冷却されるため、鋼製の管素材の中空内部の気圧が急激に低下した状態となり、その両端部の液通し穴8から鋼製の管素材の中空内部に急速に焼入液が吸入される。
このとき、鋼製の管素材の中空内部では、液通し穴8から強制吸入された焼入液が、液通し穴8の近くにある湾曲部4の内周面部に吹き付けられて、この部分を急速に冷却し、さらにトーション部3内部の内周面部へ流れ鋼製の管素材の中空内部の全体に行き渡って、急速に冷却する。
このため、焼入液中に入れた鋼製の管素材は、その外表面側から焼入液によって冷却されると同時に、その中空内表面側から冷却される。
すなわち、焼入液中に入れた鋼製の管素材は、その肉厚方向の両側から同時に冷却されることになり、焼入れにより硬化される外表面側の硬度と中空内表面側の硬度とが略同様になるように焼入れ処理できる。
特に、この中空スタビライザ1では、アーム部2の扁平環形構造部7に液通し穴8を設けるので、その近くに配設される湾曲部4の中空の内面部をいち早く冷却し焼入れ効果を促進して硬度を高くするように熱処理できるので、中空スタビライザ1で最も強度が必要とされる部分の強度を向上して中空スタビライザ1の品質、性能を向上できる。
ここで、鋼製の管素材の中空内部に焼入液が浸入しないようにして鋼製の管素材の外表面側からのみ冷却されるようにした場合と比較すると、鋼製の管素材の外表面側からのみ冷却される場合には、焼入液中に入れた鋼製の管素材の表面側からのみ熱が奪われて肉厚方向に温度勾配をもって冷却されるので、鋼製の管素材の中空の内面部の温度が徐々に下がり焼入れの効果が薄れて、焼入れにより硬化される外表面側の硬度より中空の内面側の硬度が低下してしまう。
次に、焼入れ工程を終えた鋼製の管素材は、焼戻し工程で焼戻しの熱処理を行う。この焼戻し工程では、焼入れ工程で焼入液から引き出した鋼製の管素材の中空内部から焼入液を、液通し穴8を通じて排液してから所定の焼戻し温度まで加熱炉等で加熱し、徐々に冷却して焼戻し処理を行う。
このように鋼製の管素材の中空内部から液通し穴8を通じて焼入液を自然に排液する場合には、焼戻し工程で鋼製の管素材の中空内部が乾燥するので、錆び発生による強度低下が発生することを防止することができる。
次に、焼戻し工程を終えた鋼製の管素材は、その両端部の取付部5に、ドリル等でテーパ穴である取付穴6を穿設する。
次に、形状が整えられた鋼製の管素材は、その液通し穴8部分をマスキングして塞いだ状態としてから、ショットピーニングによる表面処理、防錆処理及び仕上げ塗装を行う。
次に、仕上げ塗装された鋼製の管素材は、その液通し穴8のマスキングを外し、ゴム製のプラグ9を、接着剤を用いて液通し穴8の部分に貼着して液通し穴8を、気密を保つように閉塞する。
さらに、仕上げ塗装された鋼製の管素材は、図5に示すように、取付部5の端面部にあるいわゆるエクボと呼ばれる細い隙間10等を塞ぐようにシール材を塗布して、中空スタビライザ1を完成させる。
次に、上述した中空スタビライザ1の製造プロセスによって、鋼製の管素材の両端部に取付部5を形成して閉じ、液通し穴8を設けてから焼入液中に入れる焼入れ処理をし、鋼製の管素材の中空内部に浸入した焼入液を液通し穴8から排液した後、焼戻し処理をするときの製造工程を良好に行えるようにするための構成例について説明する。
上述した中空スタビライザ1の製造プロセスによってトラックやバスなどの大型車等に装備する、大型で大荷重に耐え得る強度を持つ中空スタビライザ1を製造する場合には、液通し穴8の形状を円形の貫通穴に形成し、液通し穴8を適切な大きさにすると、高品質の中空スタビライザ1を製造できる。
この効果を確認するため実際に、大型車等に装備する大荷重に耐え得る強度を持つ中空スタビライザ1を製造して評価する実験をしたところ、次のような結果が得られた。
この実験では、大型車用の鋼製の管素材として、外径が大きく、肉厚が厚い鋼製の管素材を用いて中空スタビライザ1を製造した。
この実験では、大型車用の中空スタビライザ1に設ける液通し穴8の直径(穴径)を10mmとしたものと、大型車用の中空スタビライザ1に設ける液通し穴8の直径(穴径)を12mmとしたものとを対象とした。
この実験では、大型車用の鋼製の管素材の両端部をつぶして扁平に加工して取付部5を形成し、この取付部5に隣接する断面が扁平な環形となった扁平環形構造部7に、直径10mmの液通し穴8又は直径12mmの液通し穴8を設け、焼入れ工程と焼戻し工程とを経て中空スタビライザ1を製作した。
この実験では、上述のように製作した直径10mmの液通し穴8を設けた中空スタビライザ1と、直径12mmの液通し穴8を設けた中空スタビライザ1とに対して、それぞれ耐久試験を行って評価した。
この耐久試験は、中空スタビライザ1を試験台上に取り付け、中空スタビライザ1の両端の各取付部5に、試験荷重を負荷して所定のロール角で弾性変形させる動作を、所定の要求回数だけ繰り返すことによって行った。
この耐久試験では、繰り返し荷重を加える回数を、大型車用の中空スタビライザ1に求められている所定の要求回数に設定している。
この耐久試験の結果では、直径10mmの液通し穴8を設けた中空スタビライザ1と、直径12mmの液通し穴8を設けた中空スタビライザ1とが、共に良好な耐久性があることを実証できた。
また、この耐久試験の結果では、直径10mmの液通し穴8を設けた中空スタビライザ1と、直径12mmの液通し穴8を設けた中空スタビライザ1とが、共にその液通し穴8部分に損傷が発生しないことが確認できた。
よって、この耐久試験の結果より、大型車用の中空スタビライザ1では、少なくとも液通し穴8の直径を10mmから12mmの範囲に設定した場合に、高品質の中空スタビライザ1を製造できることが確認できた。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、その他種々の構成を取り得ることは勿論である。
本発明の実施の形態に係わる、中空スタビライザを示す部分断面平面図である。 本発明の実施の形態に係わる中空スタビライザを示す斜視図である。 図1のIII−III線による断面図である。 本発明の実施の形態に係わる中空スタビライザに穿設する液通し穴部分を示す拡大断面図である。 本発明の実施の形態に係わる中空スタビライザにおける取付部の自由端部を示す正面拡大図である。
符号の説明
1 中空スタビライザ
2 アーム部
3 トーション部
4 湾曲部
5 取付部
7 扁平環形構造部
8 液通し穴

Claims (2)

  1. 鋼製の管素材を所定形状に塑性加工し、焼入れ処理と焼戻し処理を行って製造する中空スタビライザにおいて、
    前記鋼製の管素材の両端部を、それぞれ管の径方向に圧潰して偏平板形状に形成した取付部と、
    前記取付部に隣接する部分を、前記鋼製の管素材における断面円環形の形状を相対向する両側から潰すように変形させて、断面扁平な環形に形成した扁平環形構造部と、
    前記扁平環形構造部における幅方向の略中央部に、加熱された前記鋼製の管素材を焼入液に浸漬した際に前記鋼製の管素材の中空内部へ前記焼入液を吸入すると共に前記鋼製の管素材の中空内部に滞留している前記焼入液を排液させられるよう設けた、所定直径の円形透孔である液通し穴と、
    を有することを特徴とする中空スタビライザ。
  2. 所定長さに形成された鋼製の管素材における両端部を、管の径方向に圧潰して偏平板形状の取付部を形成し、
    前記取付部に隣接する前記鋼製の管素材部分を、前記鋼製の管素材における断面円環形の形状を相対向する両側から潰すように変形させて、断面扁平な環形の扁平環形構造部を形成し、
    前記扁平環形構造部における幅方向の略中央部に所定直径の円形貫通孔である液通し穴を設け、
    前記鋼製の管素材を、熱間で、パイプ加工装置により曲げ加工し、
    曲げ加工された前記鋼製の管素材を焼入液に浸漬し、前記液通し穴から前記焼入液を前記鋼製の管素材の中空内部に吸入させて焼入れ処理をし、
    前記鋼製の管素材の中空内部に滞留している焼入液を前記液通し穴から排液してから、前記鋼製の管素材を焼戻しする処理を行うというプロセスを利用して製造したことを特徴とする中空スタビライザ。
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