JP2007317849A - バックライト装置およびバックライト制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光源であるLEDの温度による輝度、色みの変化に対する補償を、簡易な構成で、かつ安定的に行なうことができるバックライト装置および制御方法を提供する。
【解決手段】バックライト装置は、所定の電流量で各LEDを駆動しその場合の赤色以外の各LEDによるカラーセンサ5の出力値と、それらのLEDによるカラーセンサ5の初期状態の出力値とを比較することで相対輝度を検出し、これらの相対輝度から赤色、緑色、青色の各LEDの制御目標値を設定する。また、これらの相対輝度と制御目標値の関係は予め測定しておく。制御装置17は、一旦、フィードバック制御を中断し、各種類の光源を予め設定している電流値で発光させて、カラーセンサ5により検出された各LEDのうちの少なくとも一種類のLEDの発光輝度に基づいて他の種類のLEDの輝度の制御目標値を設定した後、フィードバック制御を再開させる。
【選択図】図3
【解決手段】バックライト装置は、所定の電流量で各LEDを駆動しその場合の赤色以外の各LEDによるカラーセンサ5の出力値と、それらのLEDによるカラーセンサ5の初期状態の出力値とを比較することで相対輝度を検出し、これらの相対輝度から赤色、緑色、青色の各LEDの制御目標値を設定する。また、これらの相対輝度と制御目標値の関係は予め測定しておく。制御装置17は、一旦、フィードバック制御を中断し、各種類の光源を予め設定している電流値で発光させて、カラーセンサ5により検出された各LEDのうちの少なくとも一種類のLEDの発光輝度に基づいて他の種類のLEDの輝度の制御目標値を設定した後、フィードバック制御を再開させる。
【選択図】図3
Description
本発明は、非発光の透過型の表示部を用いた表示装置の背面側に設けられるバックライト装置およびその制御方法に関するものである。
液晶パネルのバックライト光源としてはCCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp)を用いるものが主流であるが、近年、CCFLに変わる光源として発光ダイオード(LED)が注目されている。その中でも赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各LEDを光学的に混色して、白色を実現する方式のバックライトを搭載した液晶パネルは、CCFL方式のバックライト搭載の液晶パネルに比較して色再現範囲が広いという特徴があり特に注目を集めている。
このように赤色、緑色、青色の各LEDをバックライトの光源に用いる場合、その色度(色み)および輝度の制御のために、各色のLEDの発光輝度を制御する必要がある。LEDの輝度を変化させる方法としては、印加する電流の波高値を変化させる方法と、印加電流の波高値は一定で印加する時間を変化させることで、等価的に電流値を変化させるいわゆるパルス幅変調(PWM)方式による方法が考えられる。しかしながら、前者の場合輝度の変化が電流の変化に対して比例関係にならない場合があることから、通常、LEDの輝度を変化させる方法としては、PWM方式が採用される。
ところで、一般的なLEDの特性として素子の温度が上昇すると発光効率が低下する。
図11は、一般的なLEDの素子温度と赤色LED(R)、緑色LED(G)、青色LED(B)の各色の相対輝度との関係を表す特性図である。
図11は、一般的なLEDの素子温度と赤色LED(R)、緑色LED(G)、青色LED(B)の各色の相対輝度との関係を表す特性図である。
図11においては素子温度が25℃の場合の輝度を100%とした場合の赤色R、緑色G、青色Bの各相対輝度を表している。図11に示すように赤色、緑色、青色の各色で輝度低下の割合が異なっており、特に赤色LEDの輝度低下は著しい。これらの輝度低下を補償するため、バックライト装置では各色の輝度検出が可能なカラーセンサで輝度を検出し、目標輝度になるようにフィードバック制御を行なうことが通常である。
ここで、赤色LEDは輝度低下を起こすだけではなく、素子の温度が変化すると波長が変動する特性を示すことが知られている。
図12は、赤色LEDにおける周囲温度とピーク波長との関係の測定結果である。
図12を参照して、赤色LEDは素子の周囲温度が上昇すると、発光のピーク波長が長波長側にシフトすることがわかる。一方、図示はしないが青色、および緑色LEDのピーク波長は周囲温度が上昇しても、赤色LEDのように、顕著には変動はしない。つまり周囲の温度が上昇した場合、赤色LEDのみ波長が変動することとなり、温度上昇の前後でバックライトの色みが変化することになる。これは液晶用のバックライト装置としては好ましくない。
図12を参照して、赤色LEDは素子の周囲温度が上昇すると、発光のピーク波長が長波長側にシフトすることがわかる。一方、図示はしないが青色、および緑色LEDのピーク波長は周囲温度が上昇しても、赤色LEDのように、顕著には変動はしない。つまり周囲の温度が上昇した場合、赤色LEDのみ波長が変動することとなり、温度上昇の前後でバックライトの色みが変化することになる。これは液晶用のバックライト装置としては好ましくない。
特開2005−331644号公報(特許文献1)に記載されたバックライト装置においては、上記の温度上昇による色み変化の対策として、LED近傍の温度を検出する温度センサと、画面の色みおよび輝度を検出可能なカラーセンサを設け、上記温度センサによる検出温度によって上記カラーセンサを用いた各LEDの輝度制御の制御目標量を変化させている。
特開2005−331644号公報
小谷,「LEDバックライトがテレビの色を変える」,日経エレクトロニクス,日経BP社,2004年12月20日,第889号,p.57−62
しかしながら、特開2005−331644号公報(特許文献1)に記載されたバックライト装置のように、LED近傍の温度を測定することで全体の制御量を調整する方式では、カラーセンサの他に温度センサを新たに設ける必要がありコストアップ要因となる。また、このバックライト装置ではLED近傍の温度を測定して制御量を変化させるとしている。このような構成では、測定した温度データとLEDの周囲温度との相関がとれていないと、正確な制御は行なえない。
一方、小谷,「LEDバックライトがテレビの色を変える」,日経エレクトロニクス,日経BP社,2004年12月20日,第889号,p.57−62(非特許文献1)に示されるような、LEDを液晶パネルの直下に配置する直下型バックライト装置の場合、各LEDは液晶パネルの直下に広範囲に配置されるため、周囲の温度はそれぞれのLEDの配置されている場所によって大きく異なる。このため、測定した温度データと各LEDの周囲温度との相関を取ることは非常に困難である。
これらの相関を取るためにLEDの個数と同等程度の温度センサを配置することも理論上考えられるが、非常にコストがかかり、かつ制御量が膨大となるので現実的ではない。
また、仮にLEDの個数と同等程度の温度センサを用意したとしても配置上の問題がある。すなわち、赤色、緑色、青色の各LEDは混色のために、それぞれ近接して配置する。このため温度センサを、これらのLEDに近接した位置に配置するのはスペース的に難しく、各LEDから、ある程度離れた位置に設けざるを得ない。結果として、測定した温度データはLED周囲温度と相関を取ることは困難となる。
以上のように、温度センサにて検出される温度は、必ずしもLEDの周囲温度と相関が取れているとは限らない。このため、特許文献1記載のバックライト制御装置では、温度変化による色み、および輝度の変化を正確に補償できないという問題がある。
本発明の目的は、光源であるLEDの温度による輝度、色みの変化に対する補償を、簡易な構成で、かつ安定的に行なうことができるバックライト装置およびバックライト制御方法を提供することである。
この発明は、要約すると、バックライト装置であって、発光輝度の調整が可能な複数種類の光源と、複数種類の光源における各種類の光源の発光輝度を検出するセンサ手段と、センサ手段の出力値を記憶するセンサ値メモリ手段と、センサ手段の出力基準値を予め記憶しているセンサ基準値メモリ手段と、センサ手段の出力とセンサ値メモリ手段の出力とセンサ基準値メモリ手段の出力とを受けて複数種類の光源の発光輝度をフィードバック制御する制御手段とを備える。制御手段は、センサ値メモリ手段とセンサ基準値メモリ手段との出力に応じて、各種類の光源の輝度目標値の演算を行なう補正値演算部と、補正値演算部にて演算された輝度目標値とセンサ手段にて検出された発光輝度とを比較して各種類の光源の発光輝度を制御するための制御量を演算する制御量演算部とを含む。
好ましくは、制御手段は、補正値演算部において輝度目標値の演算を行なう場合、一旦、フィードバック制御を中断し、各種類の光源を予め設定している所定値で発光させる。センサ値メモリ手段は、センサ手段により検出された各種類の光源のうちの単一種類もしくは全てではない複数種類の光源の発光輝度を記憶する。補正値演算部は、センサ値メモリ手段の出力と、センサ基準値メモリ手段の出力とから、単一種類もしくは全てではない複数種類の光源の相対輝度を検出する。制御量演算部は、相対輝度に応じて全ての光源の輝度の制御目標値を演算し、その制御目標値を設定した後、制御手段のフィードバック制御を再開させる。
好ましくは、複数種類の光源は、赤、緑、青の3原色をそれぞれ発光波長とする発光ダイオードを含む。
好ましくは、制御手段は、複数種類の光源のうちの赤色以外の種類の光源に対応するセンサ手段の出力と赤色以外の種類の光源に対応するセンサ基準値メモリ手段の出力とを比較して、少なくとも赤色の光源の輝度目標値を設定する。
この発明の他の局面に従うと、バックライト装置であって、発光輝度の調整が可能な複数種類の光源と、複数種類の光源の積算発光時間を計測する積算時間計測手段と、複数種類の光源における各種類の光源の発光輝度を検出するセンサ手段と、センサ手段の出力値を記憶するセンサ値メモリ手段と、積算時間計測手段の計測値に対応したセンサ手段の出力基準値を予め記憶しているセンサ基準値メモリ手段と、センサ手段の出力とセンサ値メモリ手段の出力とセンサ基準値メモリ手段の出力とを受けて複数種類の光源の発光輝度をフィードバック制御する制御手段とを備える。制御手段は、センサ値メモリ手段とセンサ基準値メモリ手段との出力に応じて、各種類の光源の輝度目標値の演算を行なう補正値演算部と、補正値演算部にて演算された輝度目標値とセンサ手段にて検出された発光輝度とを比較して各種類の光源の発光輝度を制御するための制御量を演算する制御量演算部とを含む。
好ましくは、制御手段は、補正値演算部において輝度目標値の演算を行なう場合、一旦、フィードバック制御を中断し、各種類の光源を予め設定している所定値で発光させる。センサ値メモリ手段は、センサ手段により検出された各種類の光源のうちの単一種類もしくは全てではない複数種類の光源の発光輝度を記憶する。補正値演算部は、センサ値メモリ手段の出力と、センサ基準値メモリ手段の出力とから、単一種類もしくは全てではない複数種類の光源の相対輝度を検出する。制御量演算部は、相対輝度に応じて全ての光源の輝度の制御目標値を演算し、その制御目標値を設定した後、制御手段のフィードバック制御を再開させる。
好ましくは、複数種類の光源は、赤、緑、青の3原色をそれぞれ発光波長とする発光ダイオードを含む。
好ましくは、制御手段は、複数種類の光源のうちの赤色以外の種類の光源に対応するセンサ手段の出力と赤色以外の種類の光源に対応するセンサ基準値メモリ手段の出力とを比較して、少なくとも赤色の光源の輝度目標値を設定する。
好ましくは、センサ基準値は、積算時間計測手段の計測結果が大きくなるにつれて小さくなるように設定されている。
この発明のさらに他の局面に従うと、バックライト装置であって、発光輝度の調整が可能な複数種類の光源と、複数種類の光源における各種類の光源の発光輝度を検出するセンサ手段と、センサ手段の出力基準値を予め記憶しているセンサ基準値メモリ手段と、センサ手段の出力とセンサ基準値メモリ手段の出力とに応じて複数種類の光源の発光輝度をフィードバック制御する制御手段とを備える。制御手段は、一旦、フィードバック制御を中断し、各種類の光源を予め設定している電流値で発光させて、センサ手段により検出された各種類の光源のうちの少なくとも一種類の光源の発光輝度に基づいて他の種類の光源の輝度の制御目標値を設定した後、フィードバック制御を再開させる。
好ましくは、バックライト装置は、複数種類の光源の積算発光時間を計測する積算時間計測手段をさらに備える。センサ基準値メモリ手段は、積算時間計測手段の計測値に対応したセンサ手段の出力基準値を予め記憶する。
好ましくは、出力基準値は、各種類の光源の積算発光時間が大きくなるにつれて、小さくなるように設定される。
この発明のさらに他の局面に従うと、発光輝度の調整が可能な複数種類の光源と、各種類の光源の発光輝度を検出するセンサ手段とを用いて各種類の光源の発光輝度をフィードバック制御するバックライト制御方法であって、各種類の光源の発光輝度の制御目標値設定のため、一旦、フィードバック制御を中断するステップと、各種類の光源を予め設定している所定値で発光させ、各種類の光源のうちの単一種類、もしくは全種類ではない複数種類の光源の発光状態をセンサ手段により検出するステップと、センサ手段によって検出した検出値と、予め記憶しているセンサ手段の出力基準値とを比較して、各種類の光源のうちの単一種類、もしくは全種類ではない複数種類の光源の出力基準値に対する相対輝度を検出し、相対輝度に応じて全種類の光源の発光輝度の制御目標値を演算するステップと、制御目標値を設定した後、フィードバック制御を再開するステップとを備える。
好ましくは、複数種類の光源は赤、緑、青の3原色をそれぞれ発光波長とする発光ダイオードを含む。
好ましくは、制御目標値を演算するステップは、複数種類の光源のうちの赤色以外の種類の光源に対応するセンサ手段の出力と、赤色以外の種類の光源に対応する出力基準値とを比較して全光源の輝度の制御目標値を設定する。
好ましくは、バックライト制御方法は、各種類の光源の積算発光時間を計測するステップをさらに備える。予め記憶しているセンサ手段の出力基準値は、各種類の光源の積算発光時間が大きくなるにつれて、小さくなるように設定される。
本願のバックライト制御装置によれば、温度センサ等を用いることなく周囲温度と相関のある赤色以外のLEDの相対輝度をカラーセンサで検出することで赤色LEDの波長変動の様子を推測するため、適切な輝度目標値を設定することができる。このため、温度変化に起因する赤色LEDの波長変動に対しても、何ら影響を受けないバックライト装置を、温度センサを新たに設けることなく実現することができる。さらに、青色、および緑色LEDは、赤色LEDの近傍に配置することが通常であるため、これらの周囲の温度が赤色LEDとほぼ同一である。その青色、および緑色LEDの相対輝度から赤色LEDの波長変動を推測し輝度目標値を変更する構成のため、非常に精度よくかつ安定にバックライト装置の色みを制御することが可能である。
また本願の他のバックライト制御装置によれば、バックライト装置の積算点灯時間を計測して、その計測時間に応じて赤色LED以外のLEDの相対輝度を検出する基準値を変化させるため、LEDの経時変化による輝度低下が起こっても、相対輝度の検出には影響を及ぼさない。このため、常に、赤色LEDの波長の変動を検知することが可能であるので、LEDの経時変化が生じても安定して各LEDの制御目標値を設定でき、色みの変動がない安定したバックライト制御装置を得ることが可能である。
さらに本願のバックライト制御方法によれば、温度センサ等を用いることなく、周囲温度と相関のある赤色以外のLEDの相対輝度をカラーセンサで検出することで、赤色LEDの波長変動の様子を推測するため、適切な輝度目標値を設定することができる。このため、温度変化に起因する赤色LEDの波長変動に対しても、何ら影響を受けないバックライト装置を、温度センサを新たに設けることなく実現することができる。さらに、赤色LEDの近傍に配置することが通常であるため、周囲の温度が赤色LEDとほぼ同一の青色、緑色のLEDの相対輝度から赤色LEDの波長変動を推測し輝度目標値を変更する構成のため、非常に精度よくかつ安定にバックライトの色みを制御することが可能である。
さらに、本願の他のバックライト制御方法によれば、各光源の積算点灯時間を計測して、その計測時間に応じて、赤色LED以外のLEDの相対輝度を検出する基準値を変化させる。このため、LEDの経時変化による輝度低下が起こっても、相対輝度の検出には影響を及ぼさない。この結果、常に、赤色LEDの波長の変動を検知することが可能であるので、LEDの経時変化が生じても安定して各LEDの制御目標値を設定でき、非常に安定してバックライトの色みの変動を制御することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
〔実施の形態1〕
図1は、赤色、緑色、青色のLEDを長時間点灯させて、LEDの周囲温度が点灯直後に比較して約30℃上昇した場合の、LEDの輝度および波長を、分光放射輝度計にて測定したデータの一例である。図1(a)は青色LEDの点灯直後と温度上昇後、図1(b)は緑色LEDの点灯直後と温度上昇後、図1(c)は赤色LEDの点灯直後と温度上昇後の分光データをそれぞれ示している。
図1は、赤色、緑色、青色のLEDを長時間点灯させて、LEDの周囲温度が点灯直後に比較して約30℃上昇した場合の、LEDの輝度および波長を、分光放射輝度計にて測定したデータの一例である。図1(a)は青色LEDの点灯直後と温度上昇後、図1(b)は緑色LEDの点灯直後と温度上昇後、図1(c)は赤色LEDの点灯直後と温度上昇後の分光データをそれぞれ示している。
図1(a)、(b)より青色および緑色LEDは、温度上昇による効率の低下に起因する輝度低下が生じているが、ピーク波長は温度上昇の前後でほとんど変化していない。一方、図1(c)に示される赤色LEDは、輝度低下と同時にピーク波長が長波長側(635nm→639nm)に変動している。
上記のような特性を有するLEDを用いて、液晶用のバックライトを構成した場合、周囲温度の上昇に起因する輝度の低下を補償するため、各色の輝度検出が可能なカラーセンサで輝度を検出し、目標の輝度になるようにフィードバック制御を行なう。
しかしながら、図1(c)に示すように、赤色LEDの波長は長波長側に変動するため、上記のようなフィードバック制御を施しても、赤色、緑色、青色を混色して実現した色みは一定にはならない。色みの変動を補償するには赤色LEDの波長変動を検出して、各色の輝度目標値を変動前の目標値と変更する必要がある。
ここで、図11に示すように緑色、青色LEDの相対輝度と各LEDの周囲温度との間には相関がある。また、図12に示すようにLEDの周囲温度と赤色LEDの波長変動量にも相関がある。つまり、青色LEDおよび緑色LEDの相対輝度の変動量と赤色LEDの波長変動量には相関がある。以上より、青色および緑色LEDの相対輝度の変動量を検出することで、赤色LEDの波長変動量は推測できる。
このため、本実施の形態のバックライト装置およびその制御方法では、青色および緑色LEDの相対輝度から、各LEDの輝度目標値を変更することで、赤色LEDの波長変動による色みの変化を補償しようとするものである。
続いて、図2、3、4、5を用いて本発明の実施の形態1におけるバックライト制御装置の具体的な構成を説明する。
図2は、本発明の実施の形態1におけるバックライト制御装置で用いられる、LEDバックライト部分を示す概略模式図である。図2には液晶パネルと光学シート類を外した状態の液晶表示装置を前面から見た模式図が示されている。
LEDバックライト部1は、LEDを液晶パネルの直下に配置して液晶パネルを照らす、いわゆる直下型のバックライトである。LED群300は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各LEDから構成される。このLED群は液晶パネルの直下に複数個、均等に配置され液晶パネルを照らしている。カラーセンサ5は、液晶パネルからの反射光を受光することで赤、緑、青の各LEDの発光輝度を検出するものである。
図2に示すように赤、緑、青の各色のLEDは混色が必要なため、各色は互いに近接して配置される。このため、各色LEDの周囲の温度は、ほぼ同一と見なしてよい。図2に示されるように、LEDバックライト部1は、LED群300とカラーセンサ5および後述するドライバ9を含むが、温度センサは設けられていない。
図3は、実施の形態1におけるバックライト制御装置の具体的な構成を示した構成図である。図2でその概略的な構成を示したLEDバックライト部1は、発光輝度の調整が可能な赤色LED部2、緑色LED部3、青色LED部4と、各LEDの発光輝度を検出するカラーセンサ5と、カラーセンサ5の出力基準値を予め記憶しているセンサ基準値メモリ15と、カラーセンサ5の出力とセンサ基準値メモリ15の出力とに応じてLEDの発光輝度をフィードバック制御する制御装置17と、ドライバ9とを備える。制御装置17は、一旦、フィードバック制御を中断し、各種類の光源を予め設定している電流値で発光させて、カラーセンサ5により検出された各LEDのうちの少なくとも一種類のLEDの発光輝度に基づいて他の種類のLEDの輝度の制御目標値を設定した後、フィードバック制御を再開させる。
カラーセンサ5は、赤色用センサ部6、緑色センサ部7、青色用センサ部8を含む。赤色用センサ部6は、赤色の波長領域のみを透過するフィルタと、受光部、および受光部からの電流出力を電圧変換するI/V変換部とを含む。緑色センサ部7は、緑色の波長領域のみを透過するフィルタと、受光部および受光部からの電流出力を電圧変換するI/V変換部とを含む。青色用センサ部8は、青色の波長領域のみを透過するフィルタと、受光部、および受光部からの電流出力を電圧変換するI/V変換部とを含む。
ドライバ9は、赤色LEDを駆動する赤色用ドライバ部10、緑色LEDを駆動する緑色用ドライバ部11、青色LEDを駆動する青色用ドライバ部12を含む。これらの各ドライバ部10、11、および12は後述する制御装置17から演算、送信されるPWMデータに応じて、赤色、緑色、青色の各LEDをそれぞれPWM駆動するものである。
A/D変換部13は、カラーセンサ5にて検出される各LEDのセンサ出力(輝度情報)をデジタルデータに変換する。センサ値メモリ14は、A/D変換部13にてデジタルデータに変換されたセンサ出力(輝度情報)を記憶するものである。センサ基準値メモリ15は、各色のカラーセンサの出力基準値を格納するものである。
各色のカラーセンサの出力基準値とは、出荷時等の初期状態において、予め設定している電流値(PWM値)を各LEDに印加した場合のカラーセンサの出力のことである。このセンサ基準値メモリ15に記憶されているデータは更新されるものではない。初期値メモリ16は、電源投入時や、相対輝度の検出時に各LEDを駆動する電流値(PWM値)を記憶しておくものである。なお、この初期値メモリ16の記憶内容も出荷時等の初期状態に設定されるものであり、更新されるものではない。
制御装置17は、通常CPU等のプロセッサにより構成される。この制御装置17は全体制御部18、補正値演算部19、制御量演算部20を含む。全体制御部18はバックライトの点灯、消灯、カラーセンサ5の出力に基づいた輝度制御のON、OFF等、バックライト装置の全体動作を制御するものである。補正値演算部19は、各LEDの温度上昇に応じて制御目標値を変更して制御量演算部20に出力するものである。制御量演算部20は、補正値演算部19にて演算された各LEDの輝度目標値と、A/D変換部13からの入力である各LEDの輝度検出結果との誤差を算出し、その誤差がなくなるように各色のLEDのPWM値を変更する、いわゆる輝度フィードバックを行なうものである。
図4は、制御装置17における補正値演算部19の具体的な構成を示す構成図である。 図4を参照して、補正値演算部19は、規格化処理部191,192と、目標値テーブル193とを含む。規格化処理部191、192は、センサ値メモリより読み出した緑色および青色用センサ部の出力を、センサ基準値メモリ15の基準出力値で規格化するものであり、緑色、および青色LEDの相対輝度を演算する。
目標値テーブル193は、相対輝度に応じて赤色、緑色、青色の各LEDの輝度制御目標値を制御量演算部20に出力するものである。この目標値テーブル193に格納されているデータは、出荷時等の初期状態において予め格納されているものである。
目標値の設定方法としては、基準状態と比較した青色LED、緑色LEDの相対輝度と赤色LEDの波長変動量との関係を外部の測定器を用いて測定しておき、さらに赤色LEDの波長が変動した場合でも、所望の白色が得られるような各色の輝度を算出しておく。そして、この算出した目標値と相対輝度との関係をテーブル化して、目標値テーブル193に格納しておく。
図5は、図3における制御量演算部20の具体的な構成を示す構成図である。
図5を参照して、制御量演算部20は、差動増幅器201〜203と、ゲイン付加部204〜206と、積分器207〜209と、切替スイッチ210〜212と、PMW変換部213〜215とを含む。
図5を参照して、制御量演算部20は、差動増幅器201〜203と、ゲイン付加部204〜206と、積分器207〜209と、切替スイッチ210〜212と、PMW変換部213〜215とを含む。
差動増幅器201、202、203は、赤色、緑色、青色の各センサ出力(デジタルデータ)と補正値演算部19にて演算された赤色、緑色、青色の各LEDの輝度目標値との誤差を演算するものである。
ゲイン付加部204、205、206は、差動増幅器の出力である各色の輝度目標値と、センサにより検出した現在輝度との誤差を所定ゲイン倍するものである。このゲイン付加部204、205、206によって、輝度を制御するフィードバック制御系の制御帯域を設定することができる。
積分器207、208、209は、ゲイン付加部204、205、206にてゲイン倍された各色の輝度誤差を積分することで、これらの誤差がなくなるように制御する。積分器207は赤色用、積分器208は緑色用、積分器209は青色用の誤差を、それぞれ積分する積分器である。
切替スイッチ210、211、212は、全体制御部18からの指示に応じて、それぞれ上記の積分器207、208、209の出力と初期値メモリ16の出力とを切り替えるものである。
PWM変換部213、214、215は、切替スイッチ210、211、212の出力である制御量を、PWM値に変換するものであり、切替スイッチ210、211、212の出力に応じてドライバ9に出力するPWMのパルス幅を決定するものである。各色のLEDは、このPWM変換部213、214、215の各出力のPWM値に応じて駆動される。
上記のようにして、バックライト制御装置は構成される。続いて本発明のバックライト制御方法および装置の具体的な動作を、図6および図7を用いて詳細に説明する。
図6は、本発明の実施の形態1におけるバックライト装置およびその制御方法の具体的な動作を説明するフローチャートである。
図6、図7を参照して、まず電源が投入される(ステップS100)と、制御装置17は切替スイッチ210、211、212が初期値メモリ16からの入力を選択するように設定する。つまり、初期値メモリ16に記憶されている所定のPWM値で各色のLEDは駆動される(ステップS101)。
そして、予め設定されている所定のPWM値で各色のLEDを駆動している場合のカラーセンサ5の各色のセンサ出力(デジタルデータ)を、センサ値メモリ14に記憶し(ステップS102)、センサ基準値メモリ15の出力と比較して相対輝度を検出する(ステップS103)。検出した相対輝度にしたがって目標値テーブル193から目標値を出力し(ステップS104)、制御目標値として設定する(ステップS105)。
制御目標値が設定された時点で制御装置17は切替スイッチ210、211、212がA/D変換部13からの入力を選択するように設定する。このことで、カラーセンサ5にて検出される各色の輝度が、制御目標値に一致するようにフィードバック制御が開始される(ステップS106)。
所定時間が経過するまでフィードバック制御をONの状態のまま、つまり目標値は一定のままで駆動が行われる(ステップS107)。ここでいう所定時間は、赤色LEDの波長が変動する時間を予め測定しておいた上で、その波長が変動することにより全体の色みが変わる時間よりも十分に短い間隔に設定しておく必要がある。
この所定時間が経過した場合、フィードバック制御をOFFするために、切替スイッチ210、211、212が初期値メモリ16からの入力を選択するように設定する(ステップS108)。そして、再び各色のLEDの相対輝度を検出し、目標値を演算、設定し、フィードバック制御をON(ステップS101〜S107)する。本発明におけるバックライト制御装置は、装置に電源が投入されている間、継続して本ステップに則って制御を行なう。
図7は、図6のステップS105において設定される赤色のLEDの輝度目標値の設定例を示した図である。
図7において、時刻t0に電源が投入されたとする。電源投入直後からLEDの周囲温度は上昇するため、赤色LEDの波長は、長波長側に変動する。赤色LEDの波長は通常635nm近辺であるため、この波長が長波長側に変動すると等色関数/x(λ) (エックス・バー・ラムダ)の感度が、元の波長に比較して小さくなる。(なお、ここでは「/]はxに付される上付きラインの代わりに用いるものとする。)このため、等色関数と輝度との乗算結果である刺激値xの値は小さくなる。つまり、波長変動の影響で全体の色みが変化する(x値が低下する)。
この状態において、赤色LEDの輝度が高くなるように設定すると、刺激値xの値を大きくすることができる。結果として、赤色LEDの波長変動に起因する色みの変化を補償することができる。図7では、時刻t1、t2、t3、t4の各時刻にて、赤色LEDの目標輝度を少しずつ高くすることで、赤色LEDの波長変動による色みの変化の補償を行っている。
上記のような手順で、各色のLEDの輝度制御目標値を設定することにより、赤色LEDの波長が変動しても、各色のLEDを混色して実現する白色にはなんら影響を及ぼさないバックライト制御装置を実現することができる。
上記のようにして本発明のバックライト制御方法および装置は、各色のLEDの輝度を制御する。本発明の実施の形態1におけるバックライト装置によれば、赤色LEDの周囲温度と相関のある、赤色以外のLEDの相対輝度をカラーセンサで検出する。そして、この相対輝度から、赤色LEDの波長変動の様子を推測し、輝度目標値を設定する。
このため、温度センサ等の外部センサを新たに設けることなく、赤色LEDの波長が変動しても何ら影響を受けないバックライト制御装置を実現することができる。さらに、赤、緑、青の各色LEDはそれぞれ近傍に配置されるため、各LEDの周囲の温度は同一であると考えることができる。このため、温度センサで温度を検出する場合とは異なり、非常に精度よくかつ安定にバックライト装置の色みを制御することができる。
なお、本実施の形態1においては赤色以外の緑色、青色の両方の相対輝度検出結果から制御目標値を算出する構成としているが、青色のみ、あるいは緑色のみの相対輝度にて制御目標値を算出する構成としても、同様の効果が得られる。
また、同様に本実施の形態1におけるバックライト装置では、説明の便宜上、赤色LEDの輝度目標値のみを変更する構成としているが、各色全てのLEDの輝度目標値を適切に変更する構成としてもよい。さらに本実施の形態1において、バックライトの光源としては赤色、緑色、青色の3種類のLEDの場合について説明を行ったが、上記の3種類だけではなく、他の色のLEDを追加して構成しても同様の効果が得られる。
また、図1(b)に示す緑色の相対輝度の低下の度合いは、図1(a)に示す青色の相対輝度の低下の度合いに比較して小さくなっている。これは用いるLEDチップ固有のものである。本実施の形態1におけるバックライト制御方法および装置においては、出荷時等の初期状態で、各色のLEDの特性を測定、記憶するため、各色のLEDの温度特性がいかなる特性を取るものであっても、動作への影響はない。
さらに、本実施の形態1においては、各色のLEDの発光輝度検出のために、カラーセンサを用いる構成としているが、カラーセンサ以外のセンサを用いても良い。例えば、カラーフィルタを持たない、受光素子のみからなるセンサを用いても発光輝度の検出は可能である。
このようなセンサを用いる場合、赤、緑、青の各LEDの点灯タイミングをそれぞれ異ならせて、各LEDのうちの一色のみが点灯しているタイミングを設ける。そして、そのタイミングで各LEDの輝度を検出することで、カラーフィルタを用いた場合と同様の効果を得ることができる。
〔実施の形態2〕
本発明のさらに別の実施形態について、図面に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施の形態1で用いたものと同じ機能を有する部材には同じ符号を付して説明は繰返さない。
本発明のさらに別の実施形態について、図面に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施の形態1で用いたものと同じ機能を有する部材には同じ符号を付して説明は繰返さない。
図8は、本発明における実施の形態2による、バックライト制御装置の具体的な構成を示した構成図である。
図8においてセンサ基準値メモリ15Aは、実施の形態1におけるセンサ基準値メモリ15と同等の目的をなすものであり、緑色および青色LEDの相対輝度を検出する際の基準となる輝度を予め記憶しているものである。積算時間計測部21は、本バックライト装置において、光源が点灯している総積算時間を計測するものである。
ところで、センサ基準値メモリ15Aは、実施の形態1におけるセンサ基準値メモリ15とは異なり、積算時間計測部21の計測結果に応じてセンサ基準値の出力を変更する。LEDは、点灯している時間が経過すると共に、同じ電流値を投入しても発光輝度が小さくなっていく特性を有しているが、センサ基準値の出力の変更によりこの特性の変化による影響を補償する。
また、赤色、青色、緑色のLEDは、それぞれの組成が異なることから、長時間点灯による輝度の低下の度合いもそれぞれ異なる。つまり、初期状態にて、ある所定の電流量により各色のLEDを駆動した場合と、長時間点灯後に、所定の電流量で各色のLEDを駆動した場合とで、カラーセンサ5にて検出される各色の輝度検出値は異なった値となる。
このため、センサ基準値メモリ15Aから出力されるセンサの基準値は、点灯した経過時間に応じて変更することが望ましい。そして、その基準値は予め使用する各色のLEDの点灯時間と、輝度との関係の代表特性値とすることが望ましい。
センサ基準値メモリ15Aでは、積算時間計測部21にて計測した総点灯時間と、そのときの輝度に基づいた基準値をテーブル形式で有しており、積算時間計測部21の出力に応じて、その基準値を制御装置17内の補正値演算部19に出力する構成としている。このことにより、本発明の実施の形態2におけるバックライト制御方法および装置では、LEDの経時変化に起因する輝度の低下が生じても、影響を受けることなく、安定した色の制御を行なうことができる。
続いて、本実施の形態2におけるバックライト制御方法および装置の具体的な動作を、図9および図10を用いて説明を行なう。
図9は、実施の形態2におけるバックライト制御方法および装置の具体的な動作を説明するフローチャートである。
まず電源が投入される(ステップS200)と、制御装置17は、切替スイッチ210、211、212が初期値メモリ16からの入力を選択するように切替スイッチ210、211、212に対する設定を行なう。このことで、初期値メモリ16に記憶されている予め設定しているPWM値で各色のLEDが駆動されることになる(ステップS201)。そして予め設定されたPWM値で各色のLEDを駆動している場合の、カラーセンサ5の各色のセンサ出力(デジタルデータ)が、センサ値メモリ14に記憶される(ステップS202)。
ここで、積算時間計測部21の計測結果が確認される(ステップS203)。そして、積算時間計測部21の計測時間に応じて、センサ基準値メモリ15Aが出力するセンサ値の基準値の設定が行なわれる(ステップS204)。
上述のように、積算時間と共に各色のLEDの輝度はそれぞれ低下するため、積算時間計測部21の計測結果に応じて、センサ基準値メモリ15A内に有している緑色用および青色用センサ部の基準出力値が、制御装置17内の補正値演算部19に出力される。
補正値演算部19は、このセンサ基準値メモリ15Aからの入力と、センサ値メモリ14の出力を比較し(ステップS205)、赤色、緑色、青色のLEDの制御目標値を演算し(ステップS206)、各色の制御目標値として設定する(ステップS207)。そして、制御目標値が設定された時点で制御装置17は、切替スイッチ210、211、212がA/D変換部13からの入力を選択するように、切替スイッチ210、211、212に対する設定を行なう。このことで、カラーセンサ5にて検出される各色の輝度が、制御目標値に一致するようにフィードバック制御が開始される(ステップS208)。
フィードバック制御が開始されると、所定時間が経過するまでは制御目標値は更新されない。つまり、フィードバック制御をONの状態でかつ目標値は一定のままで駆動が行われる(ステップS209)。ここで所定時間は、先の実施の形態1でも説明を行ったように、赤色LEDの波長が変動する時間を予め測定しておいた上で、その波長が変動することで、全体の色みが変わる時間よりも十分に短い間隔に設定しておく。
この所定時間が経過した時点で、制御装置17は、フィードバック制御をOFFするために、切替スイッチ210、211、212が初期値メモリ16からの入力を選択するように切替スイッチ210、211、212に対して設定を行なう(ステップS210)。そして、積算時間計測部21にて計測した積算時間に応じたセンサ基準値を設定し、このセンサ基準値に応じた各色のLEDの相対輝度を検出する。この相対輝度から、各色の制御目標値を演算、設定し、再び、フィードバック制御をON(ステップS201〜S208)する。
本発明におけるバックライト制御装置は装置に電源が投入されている間、継続してステップS201〜S210に則って制御を行なう。
図10は、センサ基準値メモリ15Aにて設定される、各色のセンサ基準値とLED点灯積算時間との概念的な関係を示すグラフである。図10(a)、(b)は、それぞれ緑色および青色のセンサ基準値を示している。図10のようにセンサ基準値メモリ15Aは、積算時間と共に、制御装置17内の補正値演算部に出力するセンサ基準値を低下させていく。そして、このセンサ基準値は緑色と青色とでそれぞれ異なったプロファイルとなっている。これは、緑色と青色のLEDのそれぞれの経時変化の度合いが異なることに起因し、そのプロファイルは、それぞれ使用するLEDチップの代表的な経時変化特性に一致するものとする。
上記のように本発明の実施の形態2におけるバックライト制御方法および装置では、バックライト装置の積算点灯時間を計測して、その計測時間に応じて赤色LED以外のLEDの相対輝度を算出するための基準値を変化させるため、LEDの経時変化による輝度低下が起こっても相対輝度の検出には影響を及ぼさない。
このため、常に赤色LEDの波長の変動を検知することが可能であるので、LEDの経時変化が生じても安定して各LEDの制御目標値を設定でき、ひいては色みの変動がない安定したバックライト装置を得ることができる。
なお、本実施の形態2においては、赤色以外の緑色、青色の両方の相対輝度検出結果から制御目標値を算出する構成としているが、青色のみ、あるいは緑色のみの相対輝度にて制御目標値を算出する構成としても同様の効果が得られる。
また、同様に、本実施の形態2におけるバックライト制御方法および装置では、説明の便宜上赤色LEDの輝度目標値のみを変更する構成としているが、各色全てのLEDの輝度目標値を変更する構成としてもよい。さらに本実施の形態において、バックライトの光源としては赤色、緑色、青色の3種類のLEDの場合について説明を行ったが、上記の3種類だけではなく、他の色のLEDを追加した構成のバックライト装置に対しても、同様の効果が得られる。
さらに、本実施の形態2においては、先の実施の形態1の場合と同様、各色のLEDの発光輝度検出のためにカラーセンサを用いる構成としているが、カラーセンサ以外のセンサを用いてもよい。例えば、カラーフィルタを持たない受光素子のみからなるセンサを用いても、発光輝度の検出は可能である。
このようなセンサを用いる場合、赤、緑、青の各LEDの点灯タイミングをそれぞれ異ならせて、各LEDのうちの一色のみが点灯しているタイミングを設ける。そして、そのタイミングで各LEDの輝度を検出することで、カラーフィルタを用いた場合と同様の効果を得ることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明に係るバックライト装置およびその制御方法は、非発光の透過型の表示部を用いた表示装置の背面側に設けられるバックライトに関するものである。従って、非発光の透過型表示装置である液晶表示装置のバックライト装置に適用できる。
1 バックライト部、2 赤色LED部、3 緑色LED部、4 青色LED部、5 カラーセンサ、6 赤色用センサ部、7 緑色センサ部、8 青色用センサ部、9 ドライバ、10 赤色用ドライバ部、11 緑色用ドライバ部、12 青色用ドライバ部、13 A/D変換部、14 センサ値メモリ、15,15A センサ基準値メモリ、16 初期値メモリ、17 制御装置、18 全体制御部、19 補正値演算部、20 制御量演算部、21 積算時間計測部、191,192 規格化処理部、193 目標値テーブル、201〜203 差動増幅器、204〜206 ゲイン付加部、207〜209 積分器、210〜212 切替スイッチ、213〜215 PWM変換部、300 LED群。
Claims (16)
- 発光輝度の調整が可能な複数種類の光源と、
前記複数種類の光源における各種類の光源の発光輝度を検出するセンサ手段と、
前記センサ手段の出力値を記憶するセンサ値メモリ手段と、
前記センサ手段の出力基準値を予め記憶しているセンサ基準値メモリ手段と、
前記センサ手段の出力と前記センサ値メモリ手段の出力と前記センサ基準値メモリ手段の出力とを受けて前記複数種類の光源の発光輝度をフィードバック制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、
前記センサ値メモリ手段の出力と前記センサ基準値メモリ手段の出力とに応じて、前記各種類の光源の輝度目標値の演算を行なう補正値演算部と、
前記補正値演算部にて演算された輝度目標値と前記センサ手段にて検出された発光輝度とを比較して前記各種類の光源の発光輝度を制御するための制御量を演算する制御量演算部とを含む、バックライト装置。 - 前記制御手段は、前記補正値演算部において輝度目標値の演算を行なう場合、一旦、フィードバック制御を中断し、前記各種類の光源を予め設定している所定値で発光させ、
前記センサ値メモリ手段は、前記センサ手段により検出された前記各種類の光源のうちの単一種類もしくは全てではない複数種類の光源の発光輝度を記憶し、
前記補正値演算部は、前記センサ値メモリ手段の出力と、前記センサ基準値メモリ手段の出力とから、前記単一種類もしくは全てではない複数種類の光源の相対輝度を検出し、
前記制御量演算部は、前記相対輝度に応じて全ての光源の輝度の制御目標値を演算し、その制御目標値を設定した後、前記制御手段のフィードバック制御を再開させる、請求項1に記載のバックライト装置。 - 前記複数種類の光源は、赤、緑、青の3原色をそれぞれ発光波長とする発光ダイオードを含む、請求項1または2に記載のバックライト装置。
- 前記制御手段は、前記複数種類の光源のうちの赤色以外の種類の光源に対応する前記センサ手段の出力と赤色以外の前記種類の光源に対応する前記センサ基準値メモリ手段の出力とを比較して、少なくとも前記赤色の光源の輝度目標値を設定する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のバックライト装置。
- 発光輝度の調整が可能な複数種類の光源と、
前記複数種類の光源の積算発光時間を計測する積算時間計測手段と、
前記複数種類の光源における各種類の光源の発光輝度を検出するセンサ手段と、
前記センサ手段の出力値を記憶するセンサ値メモリ手段と、
前記積算時間計測手段の計測値に対応した前記センサ手段の出力基準値を予め記憶しているセンサ基準値メモリ手段と、
前記センサ手段の出力と前記センサ値メモリ手段の出力と前記センサ基準値メモリ手段の出力とを受けて前記複数種類の光源の発光輝度をフィードバック制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、
前記センサ値メモリ手段の出力と前記センサ基準値メモリ手段の出力とに応じて、前記各種類の光源の輝度目標値の演算を行なう補正値演算部と、
前記補正値演算部にて演算された輝度目標値と前記センサ手段にて検出された発光輝度とを比較して前記各種類の光源の発光輝度を制御するための制御量を演算する制御量演算部とを含む、バックライト装置。 - 前記制御手段は、前記補正値演算部において輝度目標値の演算を行なう場合、一旦、フィードバック制御を中断し、前記各種類の光源を予め設定している所定値で発光させ、
前記センサ値メモリ手段は、前記センサ手段により検出された前記各種類の光源のうちの単一種類もしくは全てではない複数種類の光源の発光輝度を記憶し、
前記補正値演算部は、前記センサ値メモリ手段の出力と、前記センサ基準値メモリ手段の出力とから、前記単一種類もしくは全てではない複数種類の光源の相対輝度を検出し、
前記制御量演算部は、前記相対輝度に応じて全ての光源の輝度の制御目標値を演算し、その制御目標値を設定した後、前記制御手段のフィードバック制御を再開させる、請求項5に記載のバックライト装置。 - 前記複数種類の光源は、赤、緑、青の3原色をそれぞれ発光波長とする発光ダイオードを含む、請求項5または6に記載のバックライト装置。
- 前記制御手段は、前記複数種類の光源のうちの赤色以外の種類の光源に対応する前記センサ手段の出力と赤色以外の前記種類の光源に対応する前記センサ基準値メモリ手段の出力とを比較して、少なくとも前記赤色の光源の輝度目標値を設定する、請求項5〜7のいずれか1項に記載のバックライト装置。
- 前記センサ基準値は、前記積算時間計測手段の計測結果が大きくなるにつれて小さくなるように設定されている請求項5〜8のいずれか1項に記載のバックライト装置。
- 発光輝度の調整が可能な複数種類の光源と、
前記複数種類の光源における各種類の光源の発光輝度を検出するセンサ手段と、
前記センサ手段の出力基準値を予め記憶しているセンサ基準値メモリ手段と、
前記センサ手段の出力と前記センサ基準値メモリ手段の出力とに応じて前記複数種類の光源の発光輝度をフィードバック制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、一旦、フィードバック制御を中断し、前記各種類の光源を予め設定している電流値で発光させて、前記センサ手段により検出された前記各種類の光源のうちの少なくとも一種類の光源の発光輝度に基づいて他の種類の光源の輝度の制御目標値を設定した後、前記フィードバック制御を再開させる、バックライト装置。 - 前記複数種類の光源の積算発光時間を計測する積算時間計測手段をさらに備え、
前記センサ基準値メモリ手段は、前記積算時間計測手段の計測値に対応した前記センサ手段の前記出力基準値を予め記憶する、請求項10に記載のバックライト装置。 - 前記出力基準値は、前記各種類の光源の積算発光時間が大きくなるにつれて、小さくなるように設定される、請求項11に記載のバックライト装置。
- 発光輝度の調整が可能な複数種類の光源と、各種類の光源の発光輝度を検出するセンサ手段とを用いて前記各種類の光源の発光輝度をフィードバック制御するバックライト制御方法であって、
前記各種類の光源の発光輝度の制御目標値設定のため、一旦、フィードバック制御を中断するステップと、
前記各種類の光源を予め設定している所定値で発光させ、前記各種類の光源のうちの単一種類、もしくは全種類ではない複数種類の光源の発光状態を前記センサ手段により検出するステップと、
前記センサ手段によって検出した検出値と、予め記憶している前記センサ手段の出力基準値とを比較して、前記各種類の光源のうちの単一種類、もしくは全種類ではない複数種類の光源の前記出力基準値に対する相対輝度を検出し、前記相対輝度に応じて全種類の光源の発光輝度の制御目標値を演算するステップと、
前記制御目標値を設定した後、フィードバック制御を再開するステップとを備える、バックライト制御方法。 - 前記複数種類の光源は赤、緑、青の3原色をそれぞれ発光波長とする発光ダイオードを含む、請求項13に記載のバックライト制御方法。
- 前記制御目標値を演算するステップは、前記複数種類の光源のうちの赤色以外の種類の光源に対応する前記センサ手段の出力と、前記赤色以外の種類の光源に対応する前記出力基準値とを比較して全光源の輝度の制御目標値を設定する、請求項13または14に記載のバックライト制御方法。
- 前記各種類の光源の積算発光時間を計測するステップをさらに備え、
予め記憶している前記センサ手段の前記出力基準値は、前記各種類の光源の積算発光時間が大きくなるにつれて、小さくなるように設定される、請求項13〜15のいずれか1項に記載のバックライト制御方法。
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20110802 |