JP2007317374A - 積層型熱交換器とこれを有する固体電解質型電気化学装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な製法と品質管理で製造できる熱交換器を提供すること。
【解決手段】積層型熱交換器10は、流体通過空隙部(低温流体用)11a〜11eと流体通過空隙部(高温流体用)12a〜12eが略端部に各々配置されている略平板状の熱交換板13a〜13eで構成されている。これら流体通過空隙部は、お互いに連通して配置することにより、屈曲流路(低温流体用)14と屈曲流路(高温流体用)15が形成されている。この構成とすることで、高い熱交換効率と少ない圧力損失のコンパクト構造の積層型熱交換器となり、その製造を簡単な製法と品質管理で行なうことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、液体や空気の熱交換用途に用いる積層型熱交換器と、これを使用した燃料電池や酸素富加装置などの固体電解質型電気化学装置に関する。
水素イオン導電性または酸素イオン導電性固体電解質の両側電極に空気と水素を各々供給して発電を行う燃料電池が、省資源や環境保護の観点より最近注目されている。これら燃料電池システムは、酸素と水素を電気化学的に反応させてその化学エネルギーを電気エネルギーに変換させる固体電解質型電気化学装置であり、併設した空気熱交換器を介して、燃焼器などで加熱された高温流体で低温流体を予め温めて供給することで、発電効率を高めている。
このような熱交換器は、種々な構成があるが特に、複数枚の偏平板を積層した積層型熱交換器は、コンパクトな構造になり設置面積が小さくなる利点がある(例えば、特許文献1参照)。図5は、従来のこの積層型熱交換器の分解斜視図であり、積層された4枚の熱交換板1a、1b、1c、1dとセパレータ2で空気熱交換器3が構成されている。セパレータ2、第1熱交換板1a、第2熱交換板1b、第3熱交換板1c、第4熱交換板1dは、略同一の形状と寸法を有しており、それぞれの配置に対抗して開けられた連通する2個の燃料ガスが通過する孔と、連通する2個の空気が通過する孔を有する。この孔は、使用前の低温の燃料ガスが通過する給気孔5s、5a、5b、5c、5dと、使用後の高温の燃料ガスが通過する排気孔6s、6a、6b、6c、6dと、使用前の低温空気が通過する貫通孔7s、7a、7b、7c、7dと、使用後の高温空気を通過する貫通孔(II)8s、8a、8b、8c、8dである。
セパレータ2は、使用前の低温空気を導入する貫通孔7sと、使用後の高温空気が通過する貫通孔(II)8sを備えている。また、第1熱交換板1aは、使用前の低温空気を導入する貫通孔7aと、使用後の高温空気が通過する貫通孔(II)8aと、貫通孔7aから流入した低温空気を通すために表面に設けた凹み9aを備えている。さらに、第2熱交換板1bは、使用前の低温空気を導入する貫通孔7bと、使用後の高温空気が通過する貫通孔(II)8bと、流入した高温空気を通すための凹み9bを備えている。以下、第3熱交換板1cおよび第4熱交換板1dも同様に、貫通孔7c、7dと、貫通孔(II)8c、8dと、凹み9c、9dを備えている。
セパレータ2の貫通孔(II)8sは、第1熱交換板1aの貫通孔(II)8aと、第2熱交換板2bの表面上凹み9bの端部の配置に対抗して開けられており、使用後の高温空気が、貫通孔(II)8sから8aさらに凹み9bを経由する空気流れが形成されている。そして、この高温空気の流れは、貫通孔(II)8bから8cさらに凹み9dを経由して8dから流出する。第4熱交換板1dの貫通孔7dは、第3熱交換板1cの凹み9cの端部に位置する貫通孔7cに対抗して開けられており、使用前の低温空気が、貫通孔7dから7cさらに凹み9cを経由する空気流れが形成されている。そして、この低温空気の流れは、貫通孔7bから7aさらに凹み9aを経由して7sから流出する。この流れによって例えば、凹み9dを流れる低温空気と、凹み9cを流れる高温空気との熱交換が、第3熱交換板1cの下面との間で行われる。
また、これ以外の複数枚の板を積層した構造の熱交換器として、片面に1次側流体が流れる流路溝と貫通孔を有する1次側流路隔壁板と、これとほぼ同じ形状であり片面に2次側流体が流れる流路溝と貫通孔を有する2次側流路隔壁板とを1組として複数組積み上げ
た積層熱交換器がある(例えば、特許文献2参照)。さらに、1個以上の連通部と中空部とを備えた複数の熱公エレメントを所定間隔で対向させてその連通部を接合した積層型の熱交換器が有る(例えば、特許文献3参照)。
一方、熱交換器を、燃料電池システムの空気極への空気流路に配置して、燃焼器での発生熱を空気極に供給される室温空気に熱伝達して、応力を低減させ耐久信頼性を向上させる例が有る(例えば、特許文献4参照)。
またさらに、酸素イオン導電性固体電解質を用いて酸素濃度を高めた酸素富加装置とした、固体電解質型電気化学装置の提案がある(例えば、特許文献5参照)。この装置は、酸素イオン導電性固体電解質の両面に形成した第1電極と第2電極に、直流電源により数Vの電圧を印加して、酸素分子を第1電極から酸素イオン導電性固体電解質を経由して第2電極に移動させ、第2電極の側に100%の酸素ガスを生成する電気化学素子を構成している。電気化学素子は、接着材料を介して取り付けられた区画手段により、第1電極の側の空間と第2電極の側の空間に区画されている。また、この酸素生成の電気化学反応を効果的におこなうため、電気化学素子の近くには、これを加熱するためのヒータが配置されており、通電により発熱して600℃前後まで昇温されている。電気化学素子と区画手段とヒータは、その周囲を通気性の断熱材で外包し、さらにその周囲を開口部を設けた筐体で外包して放熱低減を図り、ヒータの電力を低減させている。電気化学素子とヒータが、通気性の断熱材によって、直接に大気と接触しないようにしているので、ヒータによる電気化学素子への熱効率が向上し、電気化学素子の加熱に必要な消費電力を小さくすることができる。また、電気化学素子の保持も同時におこなう区画手段が、熱膨張係数が略同一の鉄―クロム合金の金属箔で構成されているため、電気化学素子は、弾力的に保持されており、断熱材との相乗効果と合せて均一な温度分布とすることができ、温度差を原因とするクラック破損が防止される。
特開平7−176316号公報 特開平9−292194号公報 特開2000−205768号公報 特開2005−166439号公報 特開2003−215094号公報
しかしながら、従来例1の熱交換器は、表面に凹みを形成した偏平な熱交換板を複数枚積層した構成であるため、表面への凹み形成に複雑な製法と厳密な品質管理を必要とする課題があった。また、従来例2の熱交換器は、片面に流体が流れる流路溝と貫通孔を有する流路隔壁板を複数枚積層した構成であるため、表面への溝形成に複雑な製法と厳密な品質管理を必要とする課題があった。さらに、従来例3の熱交換器は、1個以上の連通部と中空部とを備えた複数の熱公エレメントを所定間隔で対向させてその連通部を接合した構成であるため、複雑な製法と厳密な品質管理で製造しなければならない課題があった。
一方、従来例4の燃料電池システムとして用いる固体電解質型電気化学装置は、汎用構成の熱交換器を使用するため、装置が大型になる課題があった。
またさらに、従来5の酸素富加装置としての固体電解質型電気化学装置は、加熱に必要な電力を小さくするために、電気化学素子と区画手段とヒータの周囲を通気性の断熱材で外包して放熱低減を図る構成であるため、酸素発生能力が大型化すると、ヒータの消費電力が期待したほど低減しないという課題があった。これは、酸素発生能力が増大すると、多量の空気の供給補充を必要とし、この多量の空気供給補充を円滑にするには、断熱材の通気性を積極的に高める必要性が生じて断熱材の厚みを薄くしなければならないのだが、
このことは結果的に断熱性能の低下となり電気化学素子の温度低下を招いてしまうので、このことを防止する目的で、ヒータの電力量を増大して電気化学素子を所定温度に維持して対処するためである。つまり、従来の固体電解質型電気化学装置における電気化学素子とヒータは、通気性の断熱材によって直接に大気と接触しないようにされている構成であるため、酸素発生濃縮能力が小さいと少量の空気供給補充で済むのでこの構成で対応できるのだが、酸素発生濃縮能力が大きくなると多量の空気供給補充を必要とするので断熱材が空気の供給補充を妨げてしまう。このため、従来の断熱構成をそのまま使用して酸素発生能力を向上させると、断熱材の厚みを薄くするなどしてその通気性を積極的に高める必要があり、このことがヒータの消費電力増大を招いていたのである。
本発明は、前記課題を解決するものであり、簡単な製法と品質管理で製造できるコンパクトな積層型熱交換器の提供と、この熱交換器を使用することで、その容積を小さくし加熱体などの消費電力低減をはかった固体電解質型電気化学装置の提供を目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の積層型熱交換器は、少なくとも2つの流体通過空隙部を有する略平板状の熱交換板の複数枚を積層し、低温流体と高温流体が通過する2種類の屈曲流路を形成した構造体である積層型熱交換器とすることで、その内部に低温流体と高温流体が通過する2種類の屈曲流路を形成しているため、簡単な製法と品質管理で製造できる。また、積層型熱交換器が略平板状の熱交換板の積層構造体であるため、コンパクトな構造となりその容積が小さくなる。
本発明は、簡単な製法と品質管理で製造できる小型の熱交換器と、コンパクトでその容積が小さく加熱に要する消費電力を低減した固体電解質型電気化学装置を提供できる。
第1発明の積層型熱交換器は、少なくとも2つの流体通過空隙部を有する略平板状の熱交換板の複数枚を積層し、低温流体と高温流体が通過する2種類の屈曲流路を形成した構造体である積層型熱交換器であるとした。積層型熱交換器は、少なくとも2つの流体通過空隙部を有する略平板状の熱交換板を主な構成部材として用いて多数枚積層した構造体とすることで、その内部に低温流体と高温流体が通過する2種類の屈曲流路を形成しているため、簡単な製法と品質管理で製造できる。また、積層型熱交換器が略平板状の熱交換板の積層構造体であるため、コンパクトな構造となりその容積が小さくなる。
第2発明の積層型熱交換器は、第1の発明に用いる熱交換器の熱交換板を、筐体の内部空間に配置した構造体であるとした。この構成にすると、少なくとも2つの流体通過空隙部を有する複数枚の熱交換板を、筐体の内部空間に圧入したりバネ材で支持したりして固定できるので、熱交換効率の高いコンパクト構造の熱交換器が、一層簡単な製法と品質管理で製造できる。
第3発明の積層型熱交換器は、第2の発明に用いる熱交換器の入口と出口が、筐体もしくは最外部の熱交換板に略垂直に配置された構造体であるとした。この構成にすると、少なくとも2つの流体通過空隙部が熱交換にとって効果的な配置となり、高い熱交換効率が得られる。また、さらにコンパクト構造の熱交換器が、簡単な製法と品質管理で製造できる。
第4発明の積層型熱交換器は、第1の発明に用いる熱交換器が、水分通過性フィルムを設けた伝熱性の熱交換板を介して、高温流体の温水から低温流体の空気に向かって、水分が加湿される構造体とした。この構成にすると、温水の高温水分が低温流体に効果的に伝
達される。
第5発明の固体電解質型電気化学装置は、第4の発明に用いる積層型熱交換器を、水素イオン導電性固体電解質に形成した空気極に通じる空間に配置して、加湿温された空気を前記カソード電極に供給する固体電解質型電気化学装置とした。この構成にすると、水分を多く含む空気が空気極に供給されるため、その耐久信頼性が向上する。
第6発明の固体電解質型電気化学装置は、第1〜4の発明のいずれかに用いる積層型熱交換器を使用しており、イオン導電性固体電解質の両面に形成したカソード電極とアノード電極を有する電気化学素子と、前記電気化学素子のカソード側空間とアノード側空間を区画する区画手段と、前記電気化学素子の加熱をおこなう加熱体と、前記カソード側空間の内部空間内またはこれに通じる併接空間に配置して前記カソード側空間への流入空気を高温流体で加熱するための前述の熱交換器を備えるとした。
熱交換器が略平板状の熱交換板の積層構造体であるため、これを使用した固体電解質型電気化学装置は、コンパクトな構造となりその容積が小さくなる。さらに、熱交換器は、カソード側空間の内部空間内またはこれに通じる併接空間に配置して、カソード側空間への流入空気を高温流体で加熱するため、固体電解質などの電気化学素子を加熱する加熱体などの消費電力低減がはかれる。
第7の発明の固体電解質型電気化学装置は、第6の発明に用いる熱交換器の最外側部の熱交換板に設けられた2つの流体通過空隙部が、カソード側空間に対峙して配置されているとした。この構成にすると、カソード側空間から流出する高温の排出ガス熱が、この空間に流入する室温空気に効果的に熱を伝達できるため、固体電解質型電気化学装置は、熱交換器が高い熱交換効率を有する利点が生じて、熱交換器のない従来品と比較して加熱体の消費電力を一層低減する効果が生じる。
第8の発明の固体電解質型電気化学装置は、第7の発明に用いる熱交換器の2つの流体通過空隙部が、最外側部の熱交換板の略端部に設けられているとした。この構成にすると、カソード側空間から流出する高温の排出ガス熱が、この空間に流入する室温空気にさらに効果的に熱を伝達できるため、固体電解質型電気化学装置は、熱交換器がさらに高い熱交換効率を有する利点が生じて、熱交換器のない従来品と比較して加熱体の消費電力をさらに一層低減する効果が生じる。
第9の発明の固体電解質型電気化学装置は、第7の発明に用いる熱交換器の最外側部の熱交換板に設けられた2つの流体通過空隙部が、カソード側空間に配置された加熱体の略端部と対峙して配置されているとした。この構成にすると、カソード側空間から流出する高温の排出ガス熱が、この空間に流入する室温空気にさらに効果的に熱を伝達できるため、固体電解質型電気化学装置は、熱交換器がさらに高い熱交換効率を有する利点が生じて、熱交換器のない従来品と比較して加熱体の消費電力をさらに一層低減する効果が生じる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、本発明の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
実施の形態1は、本発明の積層型熱交換器の構成について検討した内容であり、その実施の形態を図1に示す。積層型熱交換器10は、流体通過空隙部(低温流体用)11bと流体通過空隙部(高温流体用)12bを有する略平板状のフェライト系ステンレスなどの熱交換板13bが、13a、13c、13d、13eとともに複数枚積層させた構造体を
主な構成部材としている。各々の熱交換板13a〜13eは、銅ロウなどの接合材で接着されており、流体通過空隙部(低温流体用)11a〜11eと流体通過空隙部(高温流体用)12a〜12eが、略端部に各々配置されている。そして、流体通過空隙部(低温流体用)11a〜11eを連通して配置することにより、屈曲流路(低温流体用)14が形成されている。また、流体通過空隙部(高温流体用)12a〜12eを連通して配置することにより、屈曲流路(高温流体用)15が形成されている。
また、最外側の熱交換板13aには低温流体の入口16xと高温流体の出口17yが、他の最外側の熱交換板13eには高温流体の入口16yと低温流体の出口17xが、平板方向に対して略垂直に配置されている。
この構成にすると、熱交換板13cは伝熱体の役割となり、それ以外の熱交換板13a、13b、13d、13eは、屈曲流路(低温流体用)14と屈曲流路(高温流体用)15を形成する枠体の役割となる。そのため、高温流体と低温流体は、熱交換板13cを介して伝熱が行なわれ、屈曲流路(高温流体用)15から屈曲流路(低温流体用)14に向かって熱移動が行なわれる。また、流体通過空隙部(低温流体用)11a〜11eと流体通過空隙部(高温流体用)12a〜12eを、各々の熱交換板13a〜13eの略端部に各々配置することができるため、屈曲流路(低温流体用)14と屈曲流路(高温流体用)15が熱交換にとって効果的な配置となり、高い熱交換効率と少ない圧力損失が得られる。さらに、略平板状の熱交換板13a〜13eを複数枚積層した構造体が主な構成部材であるため、コンパクト構造の積層型熱交換器となり、その製造を簡単な製法と品質管理で行なうことができる。
なお、熱交換板13a〜13eに形成される流体通過空隙部(低温流体用)11a〜11eと流体通過空隙部(高温流体用)12a〜12eおよび、これに形成される屈曲流路(低温流体用)14と屈曲流路(高温流体用)15の数は、2つに限定する必要はなく用途に応じて2以上の多数としてもよい。また、熱交換板13a〜13eの枚数は、水などの液体や空気などの気体の用途に応じた限定のない多数枚である。
(実施の形態2)
実施の形態2は、積層型熱交換器の構成についてさらに検討した内容であり、その構成を図2示す。実施の形態1である図1との相違は、筐体18の内部空間19に、流体通過空隙部11b〜11e(低温流体用)と12b〜12e(高温流体用)が予め形成されてある熱交換板13b〜13eを配置した構造体の積層型熱交換器10bとした点である。この構成にすると、熱交換板13b〜13eが、筐体18の内部空間19に圧入されたりバネ材で支持されたりして固定できるので、その固定を簡素化できる利点が生じる。なお、これ以外の実施例として、最外側の熱交換板13eを、他の熱交換板13b、13c、13dより大きい寸法として、筐体18の外側枠体と嵌合する構成としてよい。
(実施の形態3)
実施の形態3は、積層型熱交換器の構成についてさらに検討した内容であり、その構成を図2示す。実施の形態2との相違は、筐体18の底に、低温流体の入口16xと高温流体の出口17yが略垂直に配置されている構成とした点である。この構成にすると、屈曲流路(低温流体用)14と屈曲流路(高温流体用)15の主な流れ向きと、入口16xと出口17yの流れ向きが一致して、低温流体と高温流体が円滑に流れるため、圧力損失が小さい熱交換器となる。また、筐体18の内部空間19を成型する向きと、入口16xと出口17yの成型向きが一致するため、その製造を簡単な製法と品質管理で行なうことができる。なお、これ以外の実施例として、最外側の熱交換板13eを、筐体18の外側枠体と嵌合する形状に成型しその底に、高温流体の入口部16yと低温流体の出口部17xを略垂直に配置する構成としてよい。
(実施の形態4)
実施の形態4は、積層型熱交換器の構成についてさらに検討した内容であり、その構成を図3に示す。図1および図2との相違は、フッ素高分子をスルホン化した材料組成である水分通過性フィルム20o、20p、20q、20rを中央部分に設けた伝熱性の熱交換板を、非水分通過性であり枠体の役割をはたす熱交換板13i、13j、13k、13l、13mの間に配置した点である。そして例えば、室温空気の屈曲流路(低温流体の空気用)21に、水分通過性フィルム20oを介して、温水の屈曲流路(高温流体の温水用)22から温水が加湿されるように、積層型熱交換器10cを構成している。
熱交換板13i〜13mは、例えば、熱交換板13iに流体通過空隙部(低温流体の空気用)11iを配置して屈曲流路(低温流体の空気用)21が形成され、熱交換板13jに流体通過空隙部12j(高温流体の温水用)を配置して屈曲流路(高温流体の温水用)22が形成されているように、各々に流体通過空隙部(番号付与せず)を配置してこの2種類の屈曲流路が形成されている。
室温空気は、入口16xから流入し例えば、屈曲流路(低温流体の空気用)21を経由して、水分通過性フィルム20oと接触する。一方、温水は、入口16yから流入し例えば、屈曲流路(高温流体の温水用)22を経由して、水分通過性フィルム20oと接触する。そして例えば、水分通過性フィルム20oを介して、温水から空気に向かって、熱移動と水分加湿が行なわれて、空気は加湿温風となる。この熱移動と水分加湿は、他の水分通過性フィルム20p〜20rを介しても行なわれ、加湿温風となった空気が出口17xから、冷えた水が出口17yから各々流出する。
この流体流れを円滑におこなうため、水分通過性フィルム20o〜20rを設けた伝熱性の熱交換板と、非水分通過性の熱交換板13i〜13mには、室温空気が流れる2個の流体通過空隙部(1個は記載し、他1個は記載せず)と、温水が流れる2個の流体通過空隙部(1個は記載し、他1個は記載せず)を各々の板に形成した。各々のこれら2個の流体通過空隙部は、開口部とこれに連通する分岐路で構成されている。またさらに、各々の熱交換板は、ゴムおよびエラストマの凸状外周シール材23(代表例は番号記載し、他は番号記載せず)を挟んで積層し、入口16xと出口17yを有する熱交換板13hと、入口16yと出口17xを有する熱交換板13nを両側に配置し、最後は締結材(記載せず)で締結して加圧保持した。このことで、室温空気が流れる屈曲流路は、水分通過性フィルムを介して熱移動と水分加湿をおこなう21のような流路と、種々の熱交換板を通過して空気の流出入をおこなう21xの流路が形成されている。また同様に、温水が流れる屈曲流路は、水分通過性フィルムを介して熱移動と水分加湿をおこなう22のような流路と、種々の熱交換板を通過して温水の流出入をおこなう22xのような流路が形成されている。これらのことで、小型の積層型熱交換器10cが、簡単な製法と品質管理で製造できるようにした。なお、水分通過性フィルム20o、20p、20q、20rは、フッ素高分子をスルホン化した材料組成物を使用したが、この材料は水素イオン導電性固体電解質でもあるので、このような水素イオン導電性固体電解質を使用しても良い。
(実施の形態5)
実施の形態5は、実施の形態4の積層型熱交換器10cを効果的に使用するために、水素イオン導電性固体電解質を使用した燃料電池などの固体電解質型電気化学装置への応用を検討した内容であり、その構成を図3に示す。積層型熱交換器10cは、高温の水分を多く含む加温された空気が、水素イオン導電性固体電解質24の空気極25に供給される様に、空気極25の前流側に配置した。この固体電解質型電気化学装置は、水素イオン導電性固体電解質24としてスルホン化したフッ素高分子を使用しており、その両面に空気極(カソード電極とも称す)25と燃料極(アノード電極とも称す)26を形成した構成
である。そして、燃料極26から水素イオン導電性固体電解質24を経由して空気極25に移動する水素と、空気極25に供給される空気中の酸素が反応して得られる化学エネルギーを電気エネルギーとして活用する装置である。空気極25で行なわれるこの水素と酸素の化学反応は、発熱をともなうためこの発熱によって、空気極25を劣化し易くしがちである。実施の形態5は、空気極25に供給される空気が積層型熱交換器10cによって加湿される構成としているため、加湿空気が空気極25の劣化を抑制し、その耐久信頼性を向上させる利点がある。
なお、積層型熱交換器10cの屈曲流路(高温流体の温水用)22や22xを流れる温水は、燃料極26と水素イオン導電性固体電解質24と空気極25からなる電気化学素子30が発電する際の熱を、水を貯めている槽である加熱体31に貯温して得ている。加熱体31は、電気化学素子30に併設して配置されており、このことで効果的に電気化学素子30からの受熱と加温ができるようにした。そして、貯温層である加熱体31と、屈曲流路(高温流体の温水用)22とを接続し、ポンプ(記載せず)により温水が循環する構成とした。
(実施の形態6)
実施の形態5は、実施の形態1〜4の積層型熱交換器を効果的に使用するために、固体電解質型電気化学装置への応用を検討した内容である。図4は、本発明の実施の形態6である固体電解質型電気化学装置の構成図であり、酸素濃度を高める酸素富加装置として使用している。この酸素富加装置は、イオン導電性固体電解質27として、酸素分子を酸素イオンの形態で導電させる酸素イオン導電性固体電解質を使用している。このイオン導電性電解質27の両面にカソード電極28とアノード電極29が形成されると、酸素分子がその内部を酸素イオンとなって移動する電気化学素子30となる。電気化学素子30は、その片側の電極の近くに対向して配置されたヒータなどの加熱体31により500〜900℃前後まで加熱され、直流電源(記載せず)により数Vの電圧を印加されると、空気中の酸素分子がカソード電極28から酸素のイオン導電性固体電解質27を経由してアノード電極29に移動し、アノード電極29の側に100%の酸素ガスを生成する。また、電気化学素子30は、区画手段32により、カソード電極28の側の空間(以下、カソード側空間と称す)33と、アノード電極29の側の空間(以下、アノード側空間と称す)34に区画されており、生成した100%の酸素ガスが空気と混合されることなく高純度で得られるようにしている。
カソード側空間33もしくはアノード側空間34は、その片側もしくは両方の内部空間またはこれら空間に併接した空間に加熱体31を配置しており、これらの周りを断熱材35で外包している。区画手段32は、イオン導電性固体電解質27と熱膨張係数が略同一(±20%以内で同一)の金属やセラミックで構成された部材であり、その一部に配置される電気絶縁性の接合材36を介してイオン導電性固体電解質27を保持している。
積層型熱交換器37は、カソード側空間33の内部空間内またはこれに併接した空間に配置されており、少なくとも流体通過空隙部38(流入空気用)と39(高温流体用)を有する略平板状の熱交換板40を主な構成部材として用いて積層して、流入空気が通過する屈曲流路(流入空気用)43とその排出ガスが通過する屈曲流路(高温流体用)44を形成した構造体である。空気は、積層型熱交換器37の入口41から流入して屈曲流路(流入空気用)43を経由して、カソード側空間33に流入して加熱された電気化学素子30や加熱体31の熱を受熱しその後、屈曲流路(高温流体用)44を経由して出口42から排出される。その際に、屈曲流路(流入空気用)43と屈曲流路(高温流体用)44において、その排出ガス熱を入口41からの流入空気に熱伝達して、加熱体31の消費電力を低減させる。
酸素イオン導電性固体電解質を用いて酸素濃度を高めた酸素富加装置とした場合の使用材料と構成について説明する。酸素イオンを伝導するセラミックであるイオン導電性固体電解質体27は、ZrOの97〜85モル%にYやCaOなどを3〜15モル%固溶させたジルコニア系複合金属酸化物、(La0.8Sr0.2)(Ga0.8Mg0.15Co0.05)O3− δやLaGaO等のランタンガレード系複合金属酸化物、(Ba、Sr、La)(In1−xYx)の欠陥ペロブスカイト型複合酸化物を使用する。これらは、熱膨張係数が9〜11×10−6/℃の材料であるが、ランタンガレード系複合金属酸化物は、酸素イオン導電性に優れており、色が黒色であるため、加熱体31から発する赤外線を吸収する特性に優れる利点が有る。
カソード電極28およびアノード電極29は、酸素欠陥性構造もしくはペロブスカイト構造または両方の金属酸化物を主成分とする金属酸化物系電極または、貴金属を主成分とする貴金属電極または、これら金属酸化物系電極の上にさらに貴金属電極を積層した積層電極のいずれかである。酸素欠陥性構造金属酸化物は、化学量論的にみて酸素分子の枚数が不足した化学式で表現される金属酸化物であり、ペロブスカイト構造金属酸化物は、A金属とB金属と酸素とからなりその化学式がABOと表現される複合金属酸化物である。金属酸化物系電極は、具体的には、LaCo、SmSrCox、(La0.6Sr0.4)(Co0.2Fe0.8)O、(Sr0.10Ce0.01)Zr0.89、(La0.6Sr0.4)MnO3―δ、(La1−xSrx)CoO3―δを使用する。貴金属電極は、白金、パラジウム、金、銀、銀、ロジウム、イリジウム、ルテニウムの単独成分もしくはこれらの複数成分であり、必要により酸化ビスマスを1〜6wt%さらに混合してもよい。金属酸化物系電極は、酸素分子の良好な吸脱着性を有する金属酸化物であり、酸素イオン導電性固体電解質体13との密着性を高めてその酸素イオン導電性を高める。また、電気導電性を向上させる目的で金属酸化物系電極の上にさらに貴金属電極を積層した積層電極にすると、さらに酸素イオン導電性が高まる利点があり電気化学の用途に最適となる。
加熱体31は、鉄―ニッケル合金やニッケルークロム合金を使用した電気ヒータであり、赤外線を多く発する。加熱体31は、電気化学素子30の近くに対向して配置して、発せられる熱や赤外線をできるだけ多く電気化学素子30が受熱できるようにすることが望ましいのだが、電気絶縁性確保のためやむを得ず両者の中間位置に電気絶縁膜を配置する場合は、その膜厚をできるだけ薄くして、加熱体31から発せられる熱や赤外線を多く電気化学素子30が受熱できるように工夫した。加熱体31は、カソード側空間33に配置されると、酸素濃度が大気と同等もしくはそれ以下のガスに曝されるため、酸素による材料劣化が低減されてその耐久信頼性が向上する効果が生じて、安価な汎用材料で充分対応できる利点がある。一方、加熱体31をアノード側空間34に配置すると、大気より高酸素濃度の環境に曝されるため、酸素による材料劣化を防止する観点より耐酸化性に優れて高価な材料を使用する必要性が生じた。
断熱材35は、シリカやアルミナの単独もしくは複合物を主成分とした材料であり、電気化学素子30と加熱体31を外包するカソード側空間33、さらにはアノード側空間34を外包する構成としたため、放熱抑制性を有するようにしている。
区画手段32は、通気性が全くない金属やセラミックであり、これら材料でカソード電極28およびアノード電極29の周囲を囲むことで、カソード側空間33とアノード側空間34との区画をおこなう。区画手段32の一部は、電気化学素子30を構成するイオン導電性固体電解質27を、ガラスやセラミックの電気絶縁性の接合材36を介して保持する。そのため、区画手段32は、イオン導電性固体電解質27と熱膨張係数が略同一(±20%以内で同一)である金属材料の板や箔を使用する。具体的には、酸素イオン導電性固体電解質27の熱膨張係数が9〜11×10−6/℃であることより、接合材36は、
これより±20%以内の熱膨張係数を有する鉄―クロム系合金であるフェライト系ステンレス、ニッケルを主成分とするニッケル系合金である。特に、鉄―クロム系合金は、鉄を主成分としてクロムを18wt%含有したSUS430を例に挙げると熱膨張係数が10.4×10−6/℃とイオン導電性固体電解質27とほぼ同じであり、高温焼成によりその表面に酸化クロムや酸化鉄の超微薄膜が生成して赤外線吸収性が増す利点があるので最適であった。電気絶縁性の接合材36は、イオン導電性固体電解質27を電気絶縁しながら区画手段32に接合する役割があるので、熱膨張係数がこれらと略同一(±20%以内で同一)であるガラスや結晶化ガラスさらにはセラミックを使用した。これら材料の電気絶縁性の接合材36は、区画手段32に予め設けた貫通穴の周辺部に塗布し、その上部に電気化学素子30の端部周辺を積層して高温で焼成して、接合性と電気絶縁性を確保している。また、電気化学素子30は小面積を有する小型素子を多数使用し、一枚の大面積の金属箔からなる区画手段32に配置して保持する構成とすることで、酸素分子の移動能力向上と耐久信頼性の向上をはかった。
積層型熱交換器37は、流体通過空隙部38(流入空気用)、39(高温流体用)を予め形成してあるフェライト系ステンレス板などの複数枚の熱交換板40が主な構成材料である。そして、この複数枚の熱交換板40を積層して、低温流体が通過する屈曲流路(流入空気用)43と排出ガスが通過する屈曲流路(高温流体用)44が形成された積層物の構成品としている。カソード側空間33の内部空間に併接して配置されており、入口41と出口42の途中に設けた屈曲流路(流入空気用)43と屈曲流路(高温流体用)44において熱交換して、加熱された電気化学素子30や加熱体31からの排出ガス熱を、低温流体に熱伝達する。
この固体電解質型電気化学装置を試作して効果の確認をおこなった。電気化学素子30は、(La0.8Sr0.2)(Ga0.8Mg0.15Co0.05)O3− δのランタンガレード系複合金属酸化物からなる酸素のイオン導電性固体電解質体27の両面に、(La1−xSrx)CoO3―δの金属酸化物系電極の上部に金の貴金属電極を積層した積層電極のカソード電極28とアノード電極29を形成した構成である。区画手段32は、フェライト系ステンレスの箔であり、多数の貫通穴が設けられている。区画手段32に設けられた貫通穴の周辺部は、ガラスからなる電気絶縁性の接合材36が厚膜印刷法を用いて塗布されておりその上部に、小面積の電気化学素子30の端部周辺を各々積層し900℃で焼成して、両者の接合性と電気絶縁性を確保した。多数の電気化学素子30を保持する区画手段32の近くには、電気ヒータの加熱体31が近接して配置されている。そして、これらの廻りは、シリカやアルミナの複合物を主成分とした断熱材35で外包されている。
積層型熱交換器37は、ガスが通過するための流体通過空隙部38(流入空気用)と39(高温流体用)を有するフェライト系ステンレス製の略平板状の熱交換板40を複数枚積層した部材を主な構成部材とした物であり、このことで、低温流体と排出ガスが通過する2つの屈曲流路、すなわち屈曲流路(流入空気用)43と屈曲流路(高温流体用)44を形成している。そのため、簡単な製法と簡素な品質管理で製造できた。また、積層型熱交換器37が略平板状の熱交換板40を積層した構造体であるため、これを使用した固体電解質型電気化学装置は、コンパクトな構造となりその容積が小さくなった。またさらに、加熱された電気化学素子30や加熱体31からの排出ガス熱が、低温流体に熱伝達されるため、加熱体31の消費電力が、熱交換器のない従来品と比較して、1.5割低減できた。
この固体電解質型電気化学装置は、酸素濃縮装置の用途以外に、酸素イオン導電性固体電解質を用いた燃料電池として使用することもできる。その場合、カソード電極28は、空気極となるので、酸素欠陥性構造もしくはペロブスカイト構造または両方の金属酸化物
を主成分とする金属酸化物系電極の単独電極もしくは、この上に積層した貴金属を主成分とする貴金属電極との積層電極を用いて対応した。また、アノード電極29は、燃料極となるので、酸素イオン導電性固体電解質と、酸化ニッケルもしくはニッケルの混合電極を用いて対応した。また、加熱体31は、燃焼排ガスがその内部空間を通過するステンレスの金属製筒の構成体として、カソード側空間33やアノード側空間34、またはこれら空間に併設した空間に配置した。積層型熱交換器37は、ステンレスなどの金属で熱交換板40を構成し、カソード電極28に流入する室温空気をカソード電極28から排出する高温ガスで熱交換して加熱する用途、カソード電極28に流入する室温空気を燃焼排ガスから排出する高温ガスで熱交換して加熱する用途に利用した。
また、水素イオン導電性固体電解質を用いた燃料電池として使用することもできる。その場合、カソード電極28やアノード電極29は、白金などの貴金属を用いて対応した。また、加熱体31は、温水がその内部空間を通過するステンレスなどの金属製筒の構成体として、カソード側空間33やアノード側空間34またはこれら空間に併設した空間に配置した。積層型熱交換器37は、樹脂やステンレスなどの金属で熱交換板40を構成し、カソード電極28に流入する室温空気を温水流体で熱交換して加熱もしくは加熱加湿する用途、カソード電極28に流入する室温空気を燃焼排ガスから排出する高温ガスで熱交換して加熱する用途、などに利用した。
(実施の形態7)
実施の形態7は、固体電解質型電気化学装置に積層型熱交換器37を高い熱交換効率で配置するための構成を検討した内容である。図4に示すように、積層型熱交換器37は、その最外側部の熱交換板40に設けられた2つの流体通過空隙部38(流入空気用)、39(高温流体用)が、固体電解質型電気化学装置のカソード側空間33に対峙して設けられていると、カソード側空間33から流出する高温の排出ガス熱が、流入する室温空気に効果的に熱を伝達できる。そのため、この構成とした固体電解質型電気化学装置は、積層型熱交換器37が高い熱交換効率を有する利点が生じて、熱交換器ない従来品と比較して、加熱体31の消費電力を2割低減する効果が生じた。
(実施の形態8)
実施の形態8は、固体電解質型電気化学装置に積層型熱交換器37を高い熱交換効率で配置するための構成を検討した内容である。図4に示すように、積層型熱交換器37は、その最外側部の熱交換板40に設けられた2つの流体通過空隙部38(流入空気用)、39(高温流体用)が、その最外側部の熱交換板40の略端部に配置されしかも固体電解質型電気化学装置のカソード側空間33に対峙して設けられていると、カソード側空間33から流出する高温の排出ガス熱が、流入する室温空気にさらに効果的に熱を伝達できる。そのため、この構成とした固体電解質型電気化学装置は、積層型熱交換器37がさらに高い熱交換効率を有する利点が生じて、熱交換器のない従来品と比較して、加熱体31の消費電力を2.5割低減する効果が生じた。
(実施の形態9)
実施の形態9は、固体電解質型電気化学装置に積層型熱交換器37を高い熱交換効率で配置するための構成を検討した内容である。図4に示すように、カソード側空間33に配置された加熱体31の略端部が、積層型熱交換器37の最外側部の熱交換板40に設けられた流体通過空隙部38(流入空気用)および39(高温流体用)と、対峙して設けられていると、加熱体31から流出する高温の排出ガス熱が、流入する室温空気に効果的に熱を伝達できる。そのため、この構成とした積層型熱交換器37は、さらに一層高い熱交換効率を有する利点が生じる。この構成とした固体電解質型電気化学装置は、積層型熱交換器37が高い熱交換効率を有する利点が生じて、熱交換器のない従来品と比較して、加熱体31の消費電力を3割低減する効果が生じた。
本発明のポンプ装置は、水素イオンや酸素イオン導電性固体電解質を用いた燃料電池システムや酸素濃縮装置などの用途に応用できる。
本発明の実施の形態1の積層型固熱交換器の分解斜視図 本発明の実施の形態2、3の積層型固熱交換器の分解斜視図 本発明の実施の形態4の積層型固熱交換器の断面図、及び実施の形態5の固体電解質型電気化学装置の部分的断面図 本発明の実施の形態6〜9の固体電解質型電気化学装置の断面図 従来の積層型固熱交換器の分解斜視図
符号の説明
10、10b、10c 積層型熱交換器
11a、11b、11c、11d、11e、流体通過空隙部(低温流体用)
11j 流体通過空隙部(低温流体の空気用)
12a、12b、12c、12d、12e、流体通過空隙部(高温流体用)
12j 流体通過空隙部(高温流体の温水用)
13a、13b、13c、13d、13e 熱交換板
13h、13i、13j、13k、13l、13m、13n 熱交換板
14 屈曲流路(低温流体用)
15 屈曲流路(高温流体用)
16x 入口(低温流体用)
16y 入口(高温流体用)
17x 出口(低温流体用)
17y 出口(高温流体用)
18 筐体
19 内部空間
20o、20p、20q、20r 水分通過性フィルム
21 屈曲流路(低温流体の空気用)
22 屈曲流路(高温流体の温水用)
23 凸状外周シール材
24 水素イオン導電性固体電解質
25 空気極(カソード電極とも称す)
26 燃料極(アノード電極とも称す)
27 イオン導電性固体電解質
28 カソード電極
29 アノード電極
30 電気化学素子
31 加熱体
32 区画手段
33 カソード側空間
34 アノード側空間
35 断熱材
36 接合材
37 積層型熱交換器
38 流体通過空隙部(流入空気用)
39 流体通過空隙部(高温流体用)
40 熱交換板
41 入口
42 出口
43 屈曲流路(流入空気用)
44 屈曲流路(高温流体用)

Claims (9)

  1. 少なくとも2つの流体通過空隙部を有する略平板状の熱交換板の複数枚を積層し、低温流体と高温流体が通過する2種類の屈曲流路を形成した構造体である積層型熱交換器。
  2. 熱交換板を、筐体の内部空間に配置した構造体である請求項1記載の積層型熱交換器。
  3. 入口と出口が、筐体もしくは最外部の熱交換板に略垂直に配置された請求項2記載の積層型熱交換器。
  4. 高温流体の温水から低温流体の空気に向かって温水を加湿する水分通過性フィルムを、設けた伝熱性の熱交換板を配置した構造体の請求項1記載の積層型熱交換器。
  5. 請求項4記載の積層型熱交換器を、水素イオン導電性固体電解質に形成した空気極に通じる空間に配置して、加湿温された空気を前記空気極に供給する固体電解質型電気化学装置。
  6. イオン導電性固体電解質の両面に形成したカソード電極とアノード電極を有する電気化学素子と、前記電気化学素子のカソード側空間とアノード側空間を区画する区画手段と、前記電気化学素子の加熱をおこなう加熱体と、前記カソード側空間の内部空間内またはこれに通じる併接空間に配置して前記カソード側空間への流入空気を高温流体で加熱するための請求項1〜4のいずれか1記載の積層型熱交換器を有する固体電解質型電気化学装置。
  7. 積層型熱交換器は、カソード側空間に対峙して、その最外側部の熱交換板に設けられた流入空気とその高温ガスが各々通過する流体通過空隙部が配置されている請求項6記載の積層型熱交換器を有する固体電解質型電気化学装置。
  8. 2つの流体通過空隙部が、最外側部の熱交換板の略端部に設けられている請求項7記載の積層型熱交換器を有する固体電解質型電気化学装置。
  9. 2つの流体通過空隙部が、カソード側空間に配置された加熱体の略端部と対峙して配置されている請求項7記載の積層型熱交換器を有する固体電解質型電気化学装置。
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