JP2007317318A - 光ピックアップ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体レーザ光源の出射パワーの変動を抑制する。
【解決手段】半導体レーザ光源11からの出射パワーをモニタ用集光レンズ23を介して監視するモニタ用光検出器24と、半導体レーザ光源11と対物レンズ18との間で光軸に沿って移動自在に設けた一つ以上の球面収差補正用レンズ(コリメータレンズ)13とを有して、一つ以上の球面収差補正用レンズ13から偏光ビームスプリッタ(光路分岐用光学部材)14を介して対物レンズ18の前に設置した第1アパーチャ17までの空気換算光路長Air・Dと、一つ以上の球面収差補正用レンズ13から偏光ビームスプリッタ(光路分岐用光学部材)14を介してモニタ用集光レンズ23の前に設置した第2アパーチャ22までの空気換算光路長Air・Dとを略等しく設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体レーザ光源から出射したレーザ光により光記録媒体を記録又は再生するにあたって、半導体レーザ光源の出射パワーを検出するモニタ用集光レンズ及びモニタ用光検出器と、光記録媒体に対して球面収差を補正するために半導体レーザ光源と対物レンズとの間で光軸に沿って移動可能に設けられた一つ以上の球面収差補正用レンズとで光ピックアップ装置を構成して、この球面収差補正用レンズを移動した際に、半導体レーザ光源の出射パワーを常に適正に制御できる光ピックアップ装置に関するものである。
一般的に、円盤状の光ディスクやカード状の光カードなどの光記録媒体は、映像情報とか音声情報やコンピュータデータなどの情報信号を透明基板上で螺旋状又は同心円状に形成したトラックに高密度に記録し、且つ、記録済みのトラックを再生する際に所望のトラックを高速にアクセスできることから多用されている。
この種の光記録媒体となる光ディスクとして例えばCD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などは既に市販され、最近では、より一層高密度化を図った2種類の高密度光記録媒体が流通している。すなわち、BD(Blu−ray Disc)及びHD−DVD(High Definition DVD)である。
まず、上記したCDは、波長λが780nm前後のレーザ光を開口数(NA)が0.45程度の対物レンズで絞って得たレーザビームを照射して、レーザビーム入射面から基板厚さが1.2mm隔てた位置にある信号面に情報信号が記録され、記録済みの情報信号を再生している。
また、上記したDVDは、波長λが650nm前後のレーザ光を開口数(NA)が0.6から0.65程度の対物レンズで絞って得たレーザビームを照射して、レーザビーム入射面から基板厚さが0.6mm隔てた位置にある信号面に情報信号が記録され、記録済みの情報信号を再生している。この際、DVDの記録容量はCDよりも6〜8倍高めてディスク基板の直径が12cmの時に片面で4.7GB(ギガバイト)程度である。
また、上記したBDは、波長λが405nm前後のレーザ光を開口数(NA)が0.85程度の対物レンズで絞って得たレーザビームを照射して、レーザビーム入射面から基板厚さが0.1mm隔てた位置にある信号面に情報信号が記録され、記録済みの情報信号を再生している。この際、BDの記録容量はDVDよりも5倍程度高めてディスク基板の直径が12cmの時に片面で25GB(ギガバイト)程度である。
また、上記したHD−DVDは、波長λが405nm前後のレーザ光を開口数(NA)が0.65程度の対物レンズで絞って得たレーザビームを照射して、レーザビーム入射面から基板厚さが0.6mm隔てた位置にある信号面に情報信号が記録され、記録済みの情報信号を再生している。この際、HD−DVDの記録容量はDVDよりも3倍程度高めてディスク基板の直径が12cmの時に片面で15GB(ギガバイト)程度である。
ところで、上記したCD,DVD,BD,HD−DVDの各記録容量は単層に記録可能な信号面がある場合であり、基板厚さも単層のときを示している。
一方、上記したDVD,BD,HD−DVDには信号面が2層に積層されている光ディスク(2層光ディスク)が存在する。DVDは2層の標準層間が55μmであり、BDでは2層の標準層間が25μmであり、HD−DVDでは2層の標準層間が20μmである。そして、層間にはそれぞれの光ディスクによって3μmから15μmの誤差範囲が定められている。
例えば、標準的なDVDの2層光ディスクでは層間が55μmであるので、レーザビーム入射面から0.6mm隔てた位置を中心として±27.5μmの位置、即ち、レーザビーム入射面から0.5725mm隔てた位置と、レーザビーム入射面から0.6275mm隔てた位置にそれぞれ信号面がある。この際、DVDの基板厚さ0.6mmで最適化された開口数(NA)=0.65の対物レンズを用いてそれぞれの層の信号面を記録又は再生すると、40mλ程度の球面収差が発生する。この際に生じた球面収差は、DVDの各信号面を記録又は再生ができないレベルではないが、他の収差発生要因でのマージンを考えると、球面収差を補正することが望ましい。
また、標準的なBDの2層光ディスクでは層間が25μmであるので、レーザビーム入射面から0.0875mm隔てた位置を中心として±12.5μmの位置、即ち、レーザビーム入射面から0.075mm隔てた位置と、レーザビーム入射面から0.1mm隔てた位置にそれぞれ信号面がある。この際、BDの基板厚さ0.0875mmで最適化された開口数(NA)=0.85の対物レンズを用いてそれぞれの層の信号面を記録又は再生すると、100mλ以上の球面収差が発生する。この際に生じた球面収差は、マレシャルクライテリオン以上であり、BDの各信号面を記録又は再生ができないレベルなので、球面収差の補正が必須である。
また、標準的なHD−DVDの2層光ディスクでは層間が20μmであるので、レーザビーム入射面から0.6mm隔てた位置を中心として±10μmの位置、即ち、レーザビーム入射面から0.59mm隔てた位置と、レーザビーム入射面から0.61mm隔てた位置にそれぞれ信号面がある。この際、HD−DVDの基板厚さ0.6mmで最適化された開口数0.65の対物レンズを用いてそれぞれの層の信号面を記録又は再生すると、50mλ程度の球面収差が発生する。この際に生じた球面収差は、HD−DVDを記録又は再生ができないレベルではないが、他の収差発生要因でのマージンを考えると、球面収差を補正することが望ましい。
更に、上記した各例は標準的な層間の場合であって、層間誤差がある場合は、さらに球面収差が増大する場合がある。したがって、BDの2層光ディスクを記録又は再生する場合は勿論であるが、DVDやHD−DVDの2層光ディスクを記録又は再生する光ピックアップ装置であっても、球面収差を補正することが特に望ましい。
ところで、このレーザビーム入射面から信号面までの基板厚さが異なる光記録媒体の球面収差を補正する光ピックアップ装置がある(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−17023号公報(第6−7頁、図5,図6)
図13は従来例1の光ピックアップ装置の全体構成を示した図であり、(a)はDVDを記録又は再生する場合を示し、(b)はCDを記録又は再生する場合を示した図である。
図13(a),(b)に示した従来例1の光ピックアップ装置100は、上記した特許文献1(特開平9−17023号公報)に開示されているものであり、ここでは特許文献1を参照して簡略に説明する。
まず、図13(a)に示した状態は、従来例1の光ピックアップ装置100を用いて、DVD2を記録又は再生する場合を示している。ここで、半導体レーザ光源101から出射した波長λが635nmのレーザ光は、ホログラムビームスプリッタ102を通って、光軸に沿って移動可能で初期位置に至っている球面収差補正用レンズ103に入射して略平行光となり、絞り104で対物レンズ105への開口数(NA)が0.6相当に制限されたレーザ光が対物レンズ105に入射する。そして、対物レンズ105に入射したレーザ光は、DVD2のレーザビーム入射面2aから入射してここから0.6mm隔てた位置にある信号面2b上に集光される。
この後、DVD2の信号面2bで反射された反射光は、対物レンズ105,絞り104,球面収差補正用レンズ103を介してホログラムビームスプリッタ102に戻り、ここでレーザ光源101の光路から分離され、光受光部106へ入射する。この光受光部106で得られた光信号からDVD2のメインデータ信号,フォーカスエラー信号,トラッキングエラー信号を検出している。
次に、図13(b)に示した状態は、従来例1の光ピックアップ装置100を用いて、CD3を記録又は再生する場合を示している。半導体レーザ光源101から出射した波長λが635nmのレーザ光は、ホログラムビームスプリッタ102を通って、光軸に沿って移動可能な球面収差補正用レンズ103に入射する。この際、図13(a)で説明したDVD2と、CD3とで基板厚さが異なることによって生じる球面収差を補正するために、球面収差補正用レンズ103はDVD2の信号面2b{図13(a)}を記録又は再生する場合から、半導体レーザ光源101の方向(矢印方向)に光軸に沿って移動させて発散光が出射されるようにして球面収差を補正する。
上記した球面収差補正用レンズ103を出射した発散光は、絞り104で対物レンズ105への開口数(NA)が0.45相当に制限され、対物レンズ105に入射する。そして、対物レンズ105に入射したレーザ光は、CD3のレーザビーム入射面3aから入射してここから1.2mm隔てた位置にある信号面3b上に集光される。
この後、CD3の信号面3bで反射された反射光は、対物レンズ105,絞り104,球面収差補正用レンズ103を介してホログラムビームスプリッタ102に戻り、ここで半導体レーザ光源101の光路から分離され、光受光部106へ入射する。この光受光部106で得られた光信号からCD3のメインデータ信号,フォーカスエラー信号,トラッキングエラー信号を検出している。
上記したように、従来例1では、DVD2又はCD3を選択的に記録又は再生する際に、球面収差補正用レンズ103を光軸に沿って移動させて光束の発散度を変えて球面収差を補正する旨が記載されている。
また、2枚以上の球面収差補正用レンズ群の間隔を変えるもの、液晶素子によりパワーや波面変化を与えるものが球面収差を補正する別の方法として既知である。
一方、光記録媒体を記録又は再生する光ピックアップ装置では、記録時又は再生時の対物レンズ後の出射パワーを適正にするため、半導体レーザ光源を出射するパワーを調整するためのモニタ用光検出器が設けられることが多い。しかし、球面収差補正用レンズを移動させて、光記録媒体に対して球面収差を補正すると、対物レンズとの結合効率の関係が変わり、モニタ用光検出器で受光したパワーが同じであっても球面収差補正量(レンズ位置)によって、対物レンズ後の出射パワーが変化することになる。
尚、上記した結合効率は、半導体レーザ光源の出射光量に対する対物レンズの入射光量(光記録媒体上に集光する光量)の比率である。
また、液晶素子を用いて発散度または収束度を変えて球面収差を補正する場合には、液晶素子の位置が同じであっても、発散度又は収束度によって対物レンズ後の出射パワーが変化することになる。
そこで、半導体レーザ光源と対物レンズとの間で光軸に沿って移動可能に設けられた一つ以上の球面収差補正用レンズを用いて光記録媒体への球面収差を補正し、且つ、対物レンズの出射パワーを球面収差補正量によらず常に適正値に設定できる光ピックアップ装置がある(例えば特許文献2参照)。
特開2003−132573号公報(第6−8頁、図1)
図14は従来例2の光ピックアップ装置の全体構成を示した図である。
図14に示した従来例2の光ピックアップ装置200は、上記した特許文献2(特開2003−132573号公報)に開示されているものであり、ここでは特許文献2を参照して簡略に説明する。
図14に示した如く、従来例2の光ピックアップ装置200も、光ディスク(光記録媒体)D4を記録又は再生するものである。ここで、半導体レーザ光源201は、波長λが405nmのレーザ光を出射し、このレーザ光をコリメータレンズ202に入射すると、直線偏光光の平行光となる。そして、コリメータレンズ202を出射した後、1/2波長板203で偏光方向が回転して、偏光ビームスプリッタ204に入射される。
上記した偏光ビームスプリッタ204は、1/2波長板203から出射されたレーザ光のうちp偏光成分のみを透過させ、s偏光成分は反射させるものであり、p偏光成分のみが球面収差補正機構205に入射する。
上記した球面収差補正機構205は、偏光ビームスプリッタ204から出射されたp偏光光のレーザ光が対物レンズ208によって集光される際に集光点で発生する球面収差を補正するものであり、正レンズ群205aと、負レンズ群205bと、球面収差補正用アクチュエータ205cとを備えている。この際、球面収差補正機構205の球面収差補正用アクチュエータ205cを使って、負レンズ群205bを光軸に沿って図示Y方向に移動させて、正レンズ群205aと負レンズ群205bとの間の間隔を変えることで、対物レンズ208への入射光の発散度を変えて、光ディスクD4の基板厚さ誤差で発生する球面収差量を補正することができる。
そして、球面収差補正機構205から出射されたp偏光光を1/4波長板206により円偏光光に変換し、更に、アパーチャ207で対物レンズ208への開口数(NA)が0.85相当の光束径に変換する。対物レンズ208で絞られた光束は光ディスクD4のレーザビーム入射面4aから入射してここから所定距離隔てた位置にある信号面4b上に集光する。
この後、光ディスクD4の信号面4bで反射された戻り光は、再び対物レンズ208及びアパーチャ207を通過し、1/4波長板206により円偏光光から往路と反対方向の直線偏光光とされ、偏光ビームスプリッタ204で反射される。その反射光は集光レンズ209,シリンドリカルレンズ210を順に通って信号検出用光検出器211上に集光され、この信号検出用光検出器211で受光して光信号を検出する。その光信号から光ディスクD4のメインデータ信号,フォーカスエラー信号,トラッキングエラー信号を得ている。
次に、半導体レーザ光源201の出射パワーの検出について説明する。半導体レーザ光源201から出射したS偏光光が偏光ビームスプリッタ204で反射され、モニタ用集光レンズ212によって集光された光を、モニタ用光検出器213で受光する。パワーモニタ回路214は、このモニタ用光検出器213の受光量に応じて出力される信号i1を光電変換(IV変換)し、信号v1として光源パワー制御回路215に入力する。
また、球面収差補正用レンズ位置検出回路216は、球面収差補正機構205の球面収差補正用アクチュエータ205cの制御信号c1から球面収差の補正量を検出する。その後、オフセット電圧分を引き、定数倍に増幅した信号v2を出力して、光源パワー制御回路215に入力する。この際、定数は負レンズ群205bの変位量に対する対物レンズ208からの出射パワーの変化量から定められる。
また、光源パワー制御回路215は、パワーモニタ回路214からの信号v1と、球面収差補正用レンズ位置検出回路216からの信号v2との差の電圧を増幅し、信号v3としてレーザ駆動回路217に入力する。レーザ駆動回路217は、光源パワー制御回路215からの信号v3と、半導体レーザ光源201からの適正な記録、再生パワーに相当する目標電圧と比較し、その差が小さくなるように半導体レーザ光源201を制御している。
これにより、対物レンズ208の出射パワーが適正値になるように制御しているので、光ディスクD4のレーザビーム入射面4aと信号面4bとの間の基板厚さに対して厚さ誤差を有している、あるいは信号面4bが2層以上ある場合にも、光ディスクD4の信号面4b上の照射パワーを常に一定にできるものである。
そして、球面収差補正機構205の負レンズ群205bの位置変化量と球面収差補正量の変化量との間には線形近似が成り立つとして、負レンズ群205bを移動させる球面収差補正用アクチュエータ205cから負レンズ群205bの位置を検出して、正レンズ群205aと負レンズ群205bとのレンズ群間隔を算出し、このレンズ群間隔から球面収差補正量の信号c1を生成する。そして、この球面収差補正量と結合効率との関係については、光学シミュレーション又は実際の光学系の測定を行うことにより、一定の線形な関係を求めておく。この一定の線形な関係を使って、球面収差補正量の信号v2とパワーモニタ回路214からの信号c1により、レーザ光源201の出射パワーを制御するものである。
また、球面収差補正機構205がレンズ群ではなく、液晶素子の場合は、電極への印加電圧と球面収差補正量との関係を線形近似ではなく、予めテーブル化しておくことによる旨が開示されている。
ところで、図13(a),(b)を用いて説明した従来例1の光ピックアップ装置100によれば、DVD2とCD3とを選択的に記録又は再生する際に、CD3に対して球面収差を補正する方法が開示されているものの、半導体レーザ光源101の出射パワーを検出する手段がなく、半導体レーザ光源101の出射パワーを調整する方法が不明であった。
一方、図14を用いて説明した従来例2の光ピックアップ装置200によれば、球面収差補正機構205を用いて球面収差を補正するとき、結合効率が変化して光ディスクD4への照射パワーに変動が生じるのを防止するため、パワーモニタ回路214からの信号v1と球面収差補正用レンズ位置検出回路216からの信号v2とを用いなければならず、更に、信号v1と信号v2との差をとって増幅する光源パワー制御回路215を必要とすると共に、予め球面収差補正量と光ディスクD4への照射パワーの関係を線形近似する、あるいはテーブル化する必要があるなどにより、半導体レーザ光源201の出射パワーを適正値に設定する処理が複雑なために問題になっている。
そこで、半導体レーザ光源から出射したレーザ光により光記録媒体を記録又は再生するにあたって、半導体レーザ光源の出射パワーを検出するモニタ用集光レンズ及びモニタ用光検出器と、光記録媒体に対して球面収差を補正するために半導体レーザ光源と対物レンズとの間で光軸に沿って移動可能に設けられた一つ以上の球面収差補正用レンズとを有して光ピックアップ装置を構成した際に、半導体レーザ光源の出射パワーを煩雑な処理なく適正値に設定することで、球面収差補正量によらず、半導体レーザ光源の出射パワーによって対物レンズの出射パワーを常に適正値に設定でき、光記録媒体への照射パワーを略一定にすることができる光ピックアップ装置が望まれている。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、請求項1記載の発明は、光記録媒体を記録又は再生する光ピックアップ装置において、
レーザ光を出射するレーザ光源と、
前記レーザ光源から出射した前記レーザ光の光軸に沿って移動可能に設けられ、且つ、前記光記録媒体に対して球面収差を補正する一つ以上の球面収差補正用レンズと、
前記一つ以上の球面収差補正用レンズを通過した前記レーザ光を一方と他方とに分岐する光路分岐用光学部材と、
前記光路分岐用光学部材で分岐した一方のレーザ光に対して光束径を制限する第1アパーチャと、
前記第1アパーチャを通過した前記一方のレーザ光を絞り込んで前記光記録媒体の信号面上に集光する対物レンズと、
前記光路分岐用光学部材で分岐した他方のレーザ光に対して光束径を制限する第2アパーチャと、
前記第2アパーチャを通過した前記他方のレーザ光を絞り込んで、前記レーザ光源の出射パワーを検出するためのモニタ用光検出器上に集光するモニタ用集光レンズと、
を備え、
前記一つ以上の球面収差補正用レンズから前記光路分岐用光学部材を介して前記第1アパーチャまでの空気換算光路長と、前記一つ以上の球面収差補正用レンズから前記光路分岐用光学部材を介して前記第2アパーチャまでの空気換算光路長とを略等しく設定したことを特徴とする光ピックアップ装置である。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の光ピックアップ装置において、
前記第1アパーチャへの入射光量Eと、前記第2アパーチャへの入射光量Eとの比K=E/Eが略一定となることを特徴とする光ピックアップ装置である。
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の光ピックアップ装置において、
前記光路分岐用光学部材は、前記レーザ光源から出射した前記レーザ光の一部を反射させると共に前記レーザ光の一部の残りを透過させる機能を備えた偏光ビームスプリッタ又はミラーであることを特徴とする光ピックアップ装置である。
更に、請求項4記載の発明は、請求項1〜請求項3のうちいずれか1項記載の光ピックアップ装置において、
前記対物レンズ及び前記モニタ用集光レンズの少なくとも一方に、前記レーザ光源から出射した前記レーザ光の光束径を制限するアパーチャ部を一体化したことを特徴とする光ピックアップ装置である。
請求項1記載の光ピックアップ装置によると、とくに、一つ以上の球面収差補正用レンズから光路分岐用光学部材を介して第1アパーチャまでの空気換算光路長と、一つ以上の球面収差補正用レンズから光路分岐用光学部材を介して第2アパーチャまでの空気換算光路長とを略等しく設定したため、球面収差補正量によらず、半導体レーザ光源の出射パワーによって対物レンズの出射パワーを常に適正値に設定でき、光記録媒体への照射パワーを略一定にすることができる。
また、請求項2記載の光ピックアップ装置によると、第1アパーチャへの入射光量Eと、第2アパーチャへの入射光量Eとの比K=E/Eが略一定となるので、請求項1記載と同様に、球面収差補正量によらず、半導体レーザ光源の出射パワーによって対物レンズの出射パワーを常に適正値に設定でき、光記録媒体への照射パワーを略一定にすることができる。
また、請求項3記載の光ピックアップ装置によると、光路分岐用光学部材として一般的な偏光ビームスプリッタ又はミラーを適用できるので、光ピックアップ装置を安価に提供できる。
更に、請求項4記載の光ピックアップ装置によると、対物レンズ及びモニタ用集光レンズの少なくとも一方に、レーザ光源から出射したレーザ光の光束径を制限するアパーチャ部を一体化することで、部品点数の削減に寄与できる。
以下に本発明に係る光ピックアップ装置の一実施例について図1〜図12を参照して、実施例1,実施例2の順に詳細に説明する。
図1は本発明に係る実施例1の光ピックアップ装置の全体構成を示した図、
図2(a),(b)は実施例1の光ピックアップ装置を用いてBDの第1信号面を記録又は再生した場合のコリメータレンズの移動前後での球面収差を示した図、
図3(a),(b)は実施例1の光ピックアップ装置を用いてBDの第2信号面を記録又は再生した場合のコリメータレンズの移動前後での球面収差を示した図である。
図1に示した如く、本発明に係る実施例1の光ピックアップ装置10は、レーザビーム入射面1aから基板厚さが0.075mm隔てた位置にある第1信号面1bと、レーザビーム入射面1aから基板厚さが0.1mm隔てた位置にある第2信号面1bとを有する2層の光記録媒体(以下、BDと記す)1を波長λが405nmのレーザ光Lにより情報信号を記録又は再生するものである。
尚、ここでは円盤状のBD(Blu−ray Disc)1の2層光記録媒体における基板厚さ誤差によって生じる球面収差を補正する場合について述べるものの、光記録媒体はDVDやHD−DVDなどでも良く、2層光記録媒体に限らず、単に光ピックアップ装置で生じる球面収差を補正するものであっても良く、複数の光記録媒体を記録又は再生するものであっても良く、カード状の光記録媒体であっても良い。
ここで、上記した光記録媒体となるBD1は、レーザビーム入射面1aと第1信号面1bとの間の基板厚さが0.075mm、レーザビーム入射面1aと第2信号面1bとの間の基板厚さが0.1mmに設定されて、この上に補強板1cを貼り合せて合計厚さが略1.2mmに形成されている。
まず、BD1の第1信号面1bを記録又は再生する場合について説明する。半導体レーザ光源11から出射した波長λが405nmのレーザ光Lは直線偏光光(p偏光光)の発散光であり、グレーティング12を通って、トラッキング信号を検出するために3ビームに所定の分岐比で分割される。
ここでは、メインデータ信号を得るためのメインビームについてのみ説明する。グレーティング12を通って得られるメインビーム(レーザ光L)は、BD1に対する球面収差補正用として不図示のアクチュエータを介して光軸に沿って移動可能に設けられた球面収差補正用レンズ(以下、コリメータレンズと記す)13で僅かな収束光となり、レーザ光Lの収束光が偏光ビームスプリッタ14の偏光選択性誘電体多層膜14a(p偏光光:95%透過、5%反射、s偏光光:反射)で略95%透過して往路のレーザ光Lとなる一方、偏光ビームスプリッタ14の偏光選択性誘電体多層膜14aで略5%反射されて後述するモニタ用のレーザ光Lとなる。
この際、偏光ビームスプリッタ14は、半導体レーザ光源11から出射したレーザ光Lの一部(略95%)を後述する対物レンズ18側に出射する往路のレーザ光L(一方のレーザ光)と、レーザ光Lの一部の残り(略5%)を後述するモニタ用光検出器24側に出射するモニタ用のレーザ光L(他方のレーザ光)とに光路を分岐する光路分岐用光学部材として機能している。
更に、偏光ビームスプリッタ14の偏光選択性誘電体多層膜14aを透過した波長λ=405nmの往路のレーザ光Lは、1/4波長板15を透過して円偏光光となると共に、この1/4波長板15でλ/4の位相差が与えられる。
この後、1/4波長板15を透過した往路のレーザ光Lは、レンズホルダ16内の下方部位に収納した第1アパーチャ17に入射して、この第1アパーチャ17で対物レンズ18への開口数(NA)が0.85相当になるよう光束径を制限された後、レンズホルダ16内の上方部位に収納した対物レンズ18で絞って得たレーザビームをBD1のレーザビーム入射面1aから入射させて第1信号面1b上に集光して、再生、記録又は消去が行われる。なお、この対物レンズ18は、基準設計時の仮想基板厚さ0.0875mmのとき、無限共役で最適化されている。
この際、光軸に沿って移動自在なコリメータレンズ13の初期位置Sは、上記した仮想基板厚さ0.0875mmに対応させたときに、このコリメータレンズ13により平行光を出射する位置にあるものとする。
ここで、図2は実施例1の光ピックアップ装置10(図1)を用いて、BD1のレーザビーム入射面1aから基板厚さが0.075mm隔てた位置にある第1信号面1bを記録又は再生した場合に、(a)はコリメータレンズ13が初期位置Sに至っている時の球面収差を示し、(b)はコリメータレンズ13が半導体レーザ光源11側に移動した時の球面収差を示している。
この際、BD1の第1信号面1bの基板厚さが対物レンズ18の基準設計時の仮想基板厚さよりも0.0125mm薄くなることによって、図2(a)に示したようにアンダーの球面収差が生じる。これを補正するために、コリメータレンズ13を半導体レーザ光源11側(図1の矢印B方向)に移動させてオーバーの球面収差を生じさせると、図2(b)に示したようにBD1の第1信号面1bに対して球面収差を良好に補正できる。
図1に戻り、この後、BD1の第1信号面1bで反射された復路の戻り光Lは往路と反対回りの円偏光光となって対物レンズ18に再入射し、この対物レンズ18により僅かな収束光となり、第1アパーチャ17を通過した後に、1/4波長板15を透過して往路とは偏光方向が直交した直線偏光光(s偏光光)となる。その後、復路の戻り光Lは偏光ビームスプリッタ14の偏光選択性誘電体多層膜14aで反射され、検出レンズ19で集光され、シリンドリカルレンズ20で非点収差が与えられ、信号検出用光検出器21で受光する。そして、信号検出用光検出器21でBD1の第1信号面1bを再生した時のメインデータ信号を検出している。尚、信号検出用光検出器21でBD1へのフォーカスエラー信号,トラッキングエラー信号も検出しているが、前述したようにメインビームの動作のみ説明しているので、説明を省略する。
次に、図3は実施例1の光ピックアップ装置10(図1)を用いて、BD1のレーザビーム入射面1aから基板厚さが0.1mm隔てた位置にある第2信号面1bを記録又は再生した場合に、(a)はコリメータレンズ13が初期位置Sに至っている時の球面収差を示し、(b)はコリメータレンズ13が対物レンズ18側に移動した時の球面収差を示している。
尚、BD1の第2信号面1bを記録又は再生する場合に、半導体レーザ光源11から信号検出用光検出器21までの流れはBD1の第1信号面1bを記録又は再生するときと同じであるので、異なる点のみ説明する。
この際、BD1の第2信号面1bの基板厚さが対物レンズ18の基準設計時の仮想基板厚さよりも0.0125mm厚くなることによって、図3(a)に示したようにオーバーの球面収差が生じる。これを補正するために、コリメータレンズ13を対物レンズ18側(図1の矢印F方向)に移動させてアンダーの球面収差を生じさせると、図3(b)に示したようにBD1の第2信号面1bに対して球面収差を良好に補正できる。
再び図1に戻り、半導体レーザ光源11の出射パワーを検出する光路について説明する。
前述したように、半導体レーザ光源11から出射したレーザ光Lは直線偏光光(p偏光光)の発散光であり、グレーティング12を通って、偏光ビームスプリッタ14の偏光選択性誘電体多層膜14a(p偏光光:95%透過、5%反射、s偏光光:反射)で透過及び反射されて、反射されたモニタ用のレーザ光Lが第2アパーチャ22でモニタ用集光レンズ23に対して所定の光束径に制限されて、モニタ用集光レンズ23で集光され、モニタ用光検出器24で受光している。
そして、モニタ用光検出器24で受光した光信号に応じた電気信号Xが、出射パワーモニタ部25に入力される。この後、出射パワーモニタ部25で信号Xに定数Kを乗じたものが信号Xとしてレーザ光源駆動部26に入力される。このレーザ光源駆動部26では、信号Xに応じて半導体レーザ光源11を駆動するために生成した信号Xを半導体レーザ光源11に入力し、半導体レーザ光源11の出射パワーを制御している。
この際、上記した定数Kは、BD1の第1,第2信号面1b,1bを選択的に記録又は再生する前に、出射パワーモニタ部25に予め格納されている。これは、光ピックアップ装置10の組立調整時に、モニタ用集光レンズ23の前に設置した第2アパーチャ22の偏光ビームスプリッタ14側の一方の面22aに入射する入射光量Eと、対物レンズ18の前に設置した第1アパーチャ17の1/4波長板15側の一方の面17aに入射する入射光量Eとを測定しておき、定数K=E/Eとして出射パワーモニタ部25に予め格納される。尚、光学シミュレーションにより定数Kを求めておくことも可能である。
ところで、上記説明したように、BD1の第1信号面1bと第2信号面1bとを選択的に切り替えて記録又は再生する場合に、コリメータレンズ13を光軸に沿って初期位置Sから半導体レーザ光源11側(矢印B方向)又は対物レンズ18側(矢印F方向)に移動させる必要がある。また、BD1の第1信号面1bと第2信号面1bとの各基板厚さ誤差や、対物レンズ18の厚さ、半導体レーザ光源11の波長誤差がある場合にもコリメータレンズ13を移動させて球面収差を最小に調整することもできる。
ここで、球面収差補正用のコリメータレンズ13が移動したときに、第2アパーチャ22の入射光量Eに対する第1アパーチャ17の入射光量Eの比である定数K=E/Eが変わってしまう場合は、先に特許文献2で述べたように定数Kを求めるのが煩雑になるので、定数Kを常に略一定にするための条件について、図4及び図5を用いて説明する。
図4は実施例1の光ピックアップ装置において、コリメータレンズが初期位置から移動したときに、第1アパーチャの一方の面の光束半径の関係を模式的に示した図、
図5は実施例1の光ピックアップ装置において、コリメータレンズが初期位置から移動したときに、第2アパーチャの一方の面の光束半径の関係を模式的に示した図である。
尚、図4及び図5ではコリメータレンズ13と第1アパーチャ17との間に設置した偏光ビームスプリッタ14及び1/4波長板15の図示を省略して図示している。
図4において、コリメータレンズ13が初期位置Sにあるときは平行光を出射する。この際、Fはコリメータレンズ13の焦点距離、Zはコリメータレンズ13が初期位置Sから移動した移動量、Dは初期位置Sから移動したコリメータレンズ13と対物レンズ18(図1)の前に設置した第1アパーチャ17の一方の面17aとの間の距離、をそれぞれ表している。尚、コリメータレンズ13が対物レンズ18(図1)側に移動するか、半導体レーザ光源11(図1)側に移動するかによって、Zの値を初期位置Sを中心にして正又は負にすれば良いものである。
また、初期位置Sにいるコリメータレンズ13から平行光が出射された時に対物レンズ18(図1)の前に設置した第1アパーチャ17の一方の面17aに平行に入射する平行光の光束半径をR、初期位置Sで平行光の光束半径がRであるコリメータレンズ13が移動した後のコリメータレンズ13での収束光の光束半径をRとする。
また、図5においても、コリメータレンズ13が初期位置Sにあるときは平行光を出射する。この際、Fはコリメータレンズ13の焦点距離、Zはコリメータレンズ13が初期位置Sから移動した移動量、Dは初期位置Sから移動したコリメータレンズ13とモニタ用集光レンズ23の前に設置した第2アパーチャ22の一方の面22aとの間の距離、をそれぞれ表している。
また、初期位置Sにいるコリメータレンズ13から平行光が出射された時にモニタ用集光レンズ23の前に設置した第2アパーチャ22の一方の面22aに平行に入射する平行光の光束半径をR、初期位置Sで平行光の光束半径がRであるコリメータレンズ13が移動した後のコリメータレンズ13での収束光の光束半径をRとする。
図4及び図5において、一般的なレンズの公式から下記の(式1)が成立する。
Figure 2007317318
そして、上記した(式1)を変形すると、下記の(式2)が成立する。
Figure 2007317318
また、図示から下記の(式3)も成立する。
Figure 2007317318
ここで、図4に示した如く、初期位置Sにいるコリメータレンズ13から平行光が出射された時に対物レンズ18(図1)の前に設置した第1アパーチャ17の一方の面17aに平行に入射する光量を基準として、コリメータレンズ13が初期位置Sから移動した後の第1相対光量比Nは、前記した光束半径R,Rと、幾何学的な三角形の相似との関係から下記の(式4)が成立する。
Figure 2007317318
一方、図5に示した如く、初期位置Sにいるコリメータレンズ13から平行光が出射された時にモニタ用集光レンズ23の前に設置した第2アパーチャ22の一方の面22aに平行に入射する光量を基準として、コリメータレンズ13が初期位置Sから移動した後の第2相対光量比Mは、前記した光束半径R,Rと、幾何学的な三角形の相似との関係から下記の(式5)が成立する。
Figure 2007317318
従って、(式4)から得られた第1相対光量比Nと、(式5)から得られた第2相対光量比Mとにより、第1/第2相対光量比の比K’=N/Mを求めると、下記の(式6)が得られる。そして、ここで得られた第1/第2相対光量比の比K’=N/Mは、先に説明した定数K=E/Eと対応関係にある。
Figure 2007317318
そして、(式6)において、距離D=距離Dとなるときに、先に説明した定数K=E/Eと対応関係にある第1/第2相対光量比の比K’が一定の値となり、このときに第1/第2相対光量比の比K’=1となる。これにより、定数Kが略一定となるので、対物レンズ18(図1)によるBD1への照射パワーとモニタ用光検出器24(図1)での受光パワーとの相対関係が略一定となる。
この際、距離Dと距離Dは共に光学部品を含まない値であり、図1に示したように、コリメータレンズ13と第1アパーチャ17の一方の面17aとの間、あるいは、コリメータレンズ13と第2アパーチャ22の一方の面22aとの間には、偏光ビームスプリッタ14とか1/4波長板15などの光学部品が入るので、距離Dと距離Dとに対応した実寸法から空気換算光路長に変換したものをそれぞれAir・D,Air・Dとする。
尚、上記した空気換算光路長とは、実寸法から光学部品の屈折率によるシフト分をひいたものである。
一般的には、コリメータレンズ13から第1アパーチャ17の一方の面17aまでの各光学部品及び光学部品の間の距離をDi(i=1〜i)、光学部品及び光学部品の間の屈折率をNi(i=1〜i)とするとき、コリメータレンズ13から第1アパーチャ17の一方の面17aまでの空気換算光路長Air・Dは下記の(式7)のように表される。
Figure 2007317318
同様に、コリメータレンズ13から第2アパーチャ22の一方の面22aまでの各光学部品及び光学部品の間の距離をDj(j=1〜j)、光学部品及び光学部品の間の屈折率をNj(j=1〜j)とするとき、コリメータレンズ13から第2アパーチャ22の一方の面22aまでの空気換算光路長Air・Dは下記の(式8)のように表される。
Figure 2007317318
従って、コリメータレンズ13から第1アパーチャ17の一方の面17aまでの空気換算光路長Air・Dと、コリメータレンズ13から第2アパーチャ22の一方の面22aまでの空気換算光路長Air・Dとを略等しく設定することで、球面収差補正量によらず、半導体レーザ光源11の出射パワーによって対物レンズ18の出射パワーを常に適正値に設定でき、BD(光記録媒体)1への照射パワーを略一定にすることができる。
尚、実施例1において、球面収差補正用のレンズは2枚以上からなるレンズ群に置き換え、このレンズ群のうちで少なくとも一つ以上のレンズの位置を変えてアンダー、あるいはオーバーの球面収差を出すものであっても同様である。また、球面収差補正用のコリメータレンズ又は球面収差補正用のレンズ群に変えて液晶素子で球面収差を補正する場合には、液晶素子自体が移動することはないが、液晶素子と対物レンズの前に設置した第1アパーチャとの間の空気換算光路長と、液晶素子とモニタ用集光レンズの前に設置した第2アパーチャとの間の空気換算光路長とを略等しく設定すれば良い。
また、空気換算光路長Air・Dと空気換算光路長Air・Dとが異なっているときに、半導体レーザ光源11の出射パワー変動が±1%以内であれば、半導体レーザ光源11の出射パワー変動は再生、記録及び消去が可能であり、特に±0.5%以内の出射パワー変動であれば、再生、記録及び消去が良好に行える。
この場合の条件について説明する。半導体レーザ光源11の出射パワーの変動量は、先に示した(式6)に含まれるB,D,Dによって決まる。また、Bは先に示した(式2)に含まれるAとFで決まる量であり、且つ、Aは先に示した(式3)に含まれるFとZで決まる量であるから、半導体レーザ光源11の出射パワーの変動量はF,Z,D,Dで決まることになる。
ところで、コリメータレンズ13の移動量Zとコリメータレンズ13の焦点距離Fとの間には下記に示した(式9)のような関係がある。
Figure 2007317318
ここで、先に説明した(式2)中のAに先に説明した(式3)を代入し、ここで得られた式中のZに上記した(式9)を代入して展開すると、
=A*F/(A−F
=(F+Z)*F/(F+Z−F
=(F+Z)*F/Z
=(F+mF )*F/mF
=(1+mF)/m
となる。この際、上記したmは概ね、レーザ光の波長とBD1の信号面までの基板厚さで決まるものであり、0.001〜0.0015の定数である。そして、Fは10mmから25mm程度であり、mF<<1(mFは0.01から0.04程度)であるので、Bは下記の(式10)となる。
Figure 2007317318
そして、先に説明した(式6)中のBに上記した(式10)を代入すると、最終的に下記の(式11)が得られる。
Figure 2007317318
上記した(式11)より、半導体レーザ光源11の出射パワーの変動量(第1/第2相対光量比の比K’)は距離D及び距離Dの絶対量やコリメータレンズ13の焦点距離Fの影響はほとんどなく、距離Dと距離Dの差とmで決まる。上記mの範囲(0.001〜0.0015)であるとき、距離Dと距離Dとの絶対値差|D―D|が±2mm以内であれば、出射パワー変動を±1%以内とすることができる。さらに望ましくは、距離Dと距離Dとの絶対値差|D―D|が±1mm以内であれば、出射パワー変動を±0.5%以内とすることができる。
また、距離Dと距離Dとの絶対値差|D―D|は、空気換算光路長Air・Dと空気換算光路長Air・Dとの絶対値差|Air・D―Air・D|と等価である。
また、上記した(式11)より、第1,第2アパーチャ17,22の大きさも出射パワーの変動に影響を与えない。
以上説明したように、実施例1の光ピックアップ装置10では、半導体レーザ光源11からの出射パワーを監視するモニタ用集光レンズ23及びモニタ用光検出器24と、半導体レーザ光源11と対物レンズ18との間で光軸に沿って移動自在に設けた一つ以上の球面収差補正用レンズ(コリメータレンズ)13とを有して、一つ以上の球面収差補正用レンズ13から偏光ビームスプリッタ(光路分岐用光学部材)14を介して対物レンズ18の前に設置した第1アパーチャ17までの空気換算光路長Air・Dと、一つ以上の球面収差補正用レンズ13から偏光ビームスプリッタ(光路分岐用光学部材)14を介してモニタ用集光レンズ23の前に設置した第2アパーチャ22までの空気換算光路長Air・Dとを略等しく設定することにより、球面収差補正量によらず、半導体レーザ光源11の出射パワーによって対物レンズ18の出射パワーを常に適正値に設定でき、BD(光記録媒体)1への照射パワーを略一定にすることができる。
図6は本発明に係る実施例2の光ピックアップ装置の全体構成を示した図、
図7(a),(b)は実施例2の光ピックアップ装置を用いてBDの第1信号面を記録又は再生した場合のコリメータレンズの移動前後での球面収差を示した図、
図8(a),(b)は実施例2の光ピックアップ装置を用いてBDの第2信号面を記録又は再生した場合のコリメータレンズの移動前後での球面収差を示した図、
図9は実施例2の光ピックアップ装置において、コリメータレンズが初期位置から移動したときに、第1アパーチャの一方の面の光束半径の関係を模式的に示した図、
図10は実施例2の光ピックアップ装置において、コリメータレンズが初期位置から移動したときに、第2アパーチャの一方の面の光束半径の関係を模式的に示した図、
図11は実施例2の光ピックアップ装置において、立上ミラーに対する光軸上での光束入射角と光束との関係を示した図、
図12は実施例2の光ピックアップ装置において、モニタ用集光レンズと第2アパーチャとを一体化した図である。
尚、図9及び図10ではコリメータレンズ34と第1アパーチャ38との間に設置した立上ミラー35及び1/4波長板36の図示を省略して図示している。
図6に示した如く、本発明に係る実施例2の光ピックアップ装置30も、2層の第1,第2信号面1b,1bを有する光記録媒体(以下、BDと記す)1に情報信号を記録又は再生するものである。
尚、ここでも円盤状のBD(Blu−ray Disc)1の2層光ディスクにおける基板厚さ誤差によって生じる球面収差を補正する場合について述べるものの、光記録媒体はDVDやHD−DVDなどでも良く、2層光ディスク対応に限らず、単に光ピックアップ装置で生じる球面収差を補正するものであっても良く、複数の光記録媒体を記録又は再生するものであっても良く、カード状の光記録媒体であっても良い。
ここで、上記した光記録媒体となるBD1は、レーザビーム入射面1aと第1信号面1bとの間の基板厚さが0.075mm、レーザビーム入射面1aと第2信号面1bとの間の基板厚さが0.1mmに設定されて、この上に補強板1cを貼り合せて合計厚さが略1.2mmに形成されている。
まず、BD1の第1信号面1bを記録又は再生する場合について説明する。半導体レーザ光源31から出射した波長λが405nmのレーザ光Lは直線偏光光(p偏光光)の発散光であり、グレーティング32を通って、トラッキング信号を検出するために3ビームに所定の分岐比で分割される。
ここでは、メインデータ信号を得るためのメインビームについてのみ説明する。グレーティング32を通って得られるメインビーム(レーザ光L)は偏光ビームスプリッタ33の偏光選択性誘電体多層膜33(p偏光光:95%透過、5%反射、s偏光光:反射)で略95%が透過して往路のレーザ光Lとなり、この往路のレーザ光LはBD1に対する球面収差補正用として不図示のアクチュエータを介して光軸に沿って移動可能に設けられた球面収差補正用レンズ(以下、コリメータレンズと記す)34で僅かな収束光となり、この収束光が立上ミラー35で略90%反射されて90°方向を転じて往路のレーザ光Lとなる一方、上記した収束光を立上ミラー35で略10%透過して後述するモニタ用のレーザ光Lとなっている。
この際、立上ミラー35は、半導体レーザ光源31から出射したレーザ光Lの一部(略90%)を後述する対物レンズ39側に出射する往路のレーザ光L(一方のレーザ光)と、レーザ光Lの一部の残り(略10%)を後述するモニタ用光検出器44側に出射するモニタ用のレーザ光L(他方のレーザ光)とに光路を分岐する光路分岐用光学部材として機能している。
更に、立上ミラー35で反射された波長λ=405nmの往路のレーザ光Lは、1/4波長板36を透過して円偏光光となると共に、この1/4波長板36でλ/4の位相差が与えられる。
この後、1/4波長板36を透過した往路のレーザ光Lは、レンズホルダ37内の下方部位に収納した第1アパーチャ38で対物レンズ39への開口数(NA)が0.85相当になるよう光束径を制限された後、レンズホルダ37内の上方部位に収納した対物レンズ39で絞って得たレーザビームをBD1のレーザビーム入射面1aから入射させて第1信号面1b上に集光して、再生、記録又は消去が行われる。なお、この対物レンズ39は、基準設計時の仮想基板厚さ0.0875mmのとき、無限共役で最適化されている。
この際、光軸に沿って移動自在なコリメータレンズ34の初期位置Sは、上記した仮想基板厚さ0.0875mmに対応させたときにこのコリメータレンズ34により平行光を出射する位置にあるものとする。
ここで、図7は実施例2の光ピックアップ装置30(図6)を用いて、BD1のレーザビーム入射面1aから基板厚さが0.075mm隔てた位置にある第1信号面1bを記録又は再生した場合に、(a)はコリメータレンズ34が初期位置Sに至っている時の球面収差を示し、(b)はコリメータレンズ34が半導体レーザ光源11側に移動した時の球面収差を示している。
この際、BD1の第1信号面1bの基板厚さが対物レンズ39の基準設計時の仮想基板厚さよりも0.0125mm薄くなることによって、図7(a)に示したようにアンダーの球面収差が生じる。これを補正するために、コリメータレンズ34を半導体レーザ光源31側(図6の矢印B方向)に移動させてオーバーの球面収差を生じさせると、図7(b)に示したようにBD1の第1信号面1bに対して球面収差を良好に補正できる。
図6に戻り、この後、BD1の第1信号面1bで反射された復路の戻り光Lは往路と反対回りの円偏光光となって対物レンズ39に再入射し、この対物レンズ39により僅かな収束光となり、第1アパーチャ38を通過した後に、1/4波長板36を透過して往路とは偏光方向が直交した直線偏光光(s偏光光)となる。その後、立上ミラー35で90°光線方向を転じ、コリメータレンズ34を透過して、偏光ビームスプリッタ33の偏光選択性誘電体多層膜33aで反射し、球面40aとシリンドリカル面40bからなる検出レンズ40で集光され、この検出レンズ40のシリンドリカル面40bで非点収差が与えられ、信号検出用光検出器41に入射する。そして、信号検出用光検出器41でBD1の第1信号面1bを再生した時のメインデータ信号を検出している。尚、信号検出用光検出器41でBD1へのフォーカスエラー信号,トラッキングエラー信号も検出しているが、前述したようにメインビームの動作のみ説明しているので、説明を省略する。
次に、図8は実施例2の光ピックアップ装置30(図6)を用いて、BD1のレーザビーム入射面1aから基板厚さが0.1mm隔てた位置にある第2信号面1bを記録又は再生した場合に、(a)はコリメータレンズ34が初期位置Sに至っている時の球面収差を示し、(b)はコリメータレンズ34が対物レンズ18側に移動した時の球面収差を示している。
尚、BD1の第2信号面1bを記録又は再生する場合に、半導体レーザ光源31から信号検出用光検出器41までの流れはBD1の第1信号面1bを記録又は再生するときと同じであるので、異なる点のみ説明する。
この際、BD1の第2信号面1bの基板厚さが対物レンズ39の基準設計時の仮想基板厚さよりも0.0125mm厚くなることによって、図8(a)に示したようにオーバーの球面収差が生じる。これを補正するために、コリメータレンズ34を対物レンズ39側(図6の矢印F方向)に移動させてアンダーの球面収差を生じさせると、図8(b)に示したようにBD1の第2信号面1bに対して球面収差を良好に補正できる。
再び図6に戻り、半導体レーザ光源31の出射パワーを検出する光路について説明する。
前述したように、半導体レーザ光源31から出射したレーザ光Lは直線偏光光(p偏光光)の発散光であり、グレーティング32を通って、偏光ビームスプリッタ33の偏光選択性誘電体多層膜33aで略95%が透過した往路のレーザ光Lは、コリメータレンズ34で収束光となり、収束した往路のレーザ光Lを立上ミラー35で略10%透過したモニタ用のレーザ光Lは立上ミラー35の一方の面35a及び他方の面35bで2回屈折し、このモニタ用のレーザ光Lが第2アパーチャ42でモニタ用集光レンズ43に対して所定の光束径に制限されて、モニタ用集光レンズ43で集光され、モニタ用光検出器44で受光している。
そして、モニタ用光検出器44で受光した光信号に応じた電気信号Xが、出射パワーモニタ部45に入力される。この後、出射パワーモニタ部45で信号Xに定数Kを乗じたものが信号Xとしてレーザ光源駆動部46に入力される。このレーザ光源駆動部46では、信号Xに応じて半導体レーザ光源31を駆動するために生成した信号Xを半導体レーザ光源31に入力し、半導体レーザ光源31の出射パワーを制御している。
この際、上記した定数Kは、BD1の第1,第2信号面1b,1bを選択的に記録又は再生する前に、出射パワーモニタ部45に予め格納されている。これは、光ピックアップ装置30の組立調整時に、モニタ用集光レンズ43の前に設置した第2アパーチャ42の立上ミラー35側の一方の面42aに入射する入射光量Eと、対物レンズ39の前に設置した第1アパーチャ38の1/4波長板36側の一方の面38aに入射する入射光量Eとを測定しておき、定数K=E/Eとして出射パワーモニタ部45に予め格納される。尚、光学シミュレーションにより定数Kを求めておくことも可能である。
ところで、上記説明したように、BD1の第1信号面1bと第2信号面1bとを切り替えて記録又は再生する場合に、コリメータレンズ34を光軸に沿って初期位置Sから半導体レーザ光源31側(矢印B方向)又は対物レンズ39側(矢印F方向)に移動させる必要がある。また、BD1の第1信号面1bと第2信号面1bとの各基板厚さ誤差や、対物レンズ39の厚さ、半導体レーザ光源31の波長誤差がある場合にもコリメータレンズ34を移動させて球面収差を最小に調整することもできる。
ここで、球面収差補正用のコリメータレンズ34が移動したときに、第2アパーチャ42の入射光量Eに対する第1アパーチャ38の入射光量Eの比である定数K=E/E変わってしまう場合は、先に特許文献2で述べたように定数Kを求めるのが煩雑になるので、定数Kを常に略一定にするための条件について、図9及び図10を用いて説明する。
図9において、コリメータレンズ34が初期位置Sにあるときは平行光を出射する。この際、Fはコリメータレンズ34の焦点距離、Zはコリメータレンズ34が初期位置Sから移動した移動量、Dは初期位置Sから移動したコリメータレンズ34と対物レンズ39(図6)の前に設置した第1アパーチャ38の一方の面38aとの間の距離、をそれぞれ表している。尚、コリメータレンズ34が対物レンズ39(図6)側に移動するか、半導体レーザ光源31(図6)側に移動するかによって、Zの値を初期位置Sを中心にして正又は負にすれば良いものである。
また、初期位置Sにいるコリメータレンズ34から平行光が出射された時に対物レンズ39(図6)の前に設置した第1アパーチャ38の一方の面38aに平行に入射する平行光の光束半径をR、初期位置Sで平行光の光束半径がRであるコリメータレンズ34が移動した後のコリメータレンズ34での収束光の光束半径をRとする。
また、図10においても、コリメータレンズ34が初期位置Sにあるときは平行光を出射する。この際、Fはコリメータレンズ34の焦点距離、Zはコリメータレンズ34が初期位置Sから移動した移動量、Dは初期位置Sから移動したコリメータレンズ34とモニタ用集光レンズ43の前に設置した第2アパーチャ42の一方の面42aとの間の距離、をそれぞれ表している。
また、初期位置Sにいるコリメータレンズ34から平行光が出射された時にモニタ用集光レンズ43の前に設置した第2アパーチャ42の一方の面42aに平行に入射する平行光の光束半径をR、初期位置Sで平行光の光束半径がRであるコリメータレンズ34が移動した後のコリメータレンズ34での収束光の光束半径をRとする。
そして、図9及び図10においても、先に実施例1で図4及び図5を用いて説明した状態と同じであるので、先に説明した(式1)〜(式6)が成立することは明らかである。
そして、先に説明した(式6)において、距離D=距離Dとなるときに、先に説明したと同様に、定数K=E/Eと対応関係にある第1/第2相対光量比の比K’が一定の値となり、このときに第1/第2相対光量比の比K’=1となる。これにより、定数Kが略一定となるので、対物レンズ39(図6)によるBD1への照射パワーとモニタ用光検出器44(図6)での受光パワーとの相対関係が略一定となる。
この際、距離Dと距離Dは共に光学部品を含まない値であり、この実施例2でも図6に示したように、コリメータレンズ34と第1アパーチャ38の一方の面38aとの間、あるいは、コリメータレンズ34と第2アパーチャ42の一方の面42aとの間には、立上ミラー35とか1/4波長板36などの光学部品が入る。そのため、距離Dと距離Dとに対応した実寸法から空気換算光路長に変換したものをそれぞれ求める時に、立上ミラー35の板厚Tが無視できる程度に薄ければ距離Dと対応してコリメータレンズ34から第1アパーチャ38の一方の面38aまでの空気換算光路長Air・Dを先に説明した(式7)より求め、且つ、距離Dと対応してコリメータレンズ34から第2アパーチャ42の一方の面42aまでの空気換算光路長Air・Dを先に説明した(式8)より求めることができる。
しかしながら、立上ミラー35の板厚Tが厚い場合には、往路のレーザ光L1が立上ミラー35の一方の面35aに対して斜めに入射してこの立上ミラー35の他方の面35bを透過したモニタ用のレーザ光Lが第2アパーチャ42に入射するためにモニタ用の空気換算光路長のみが上記した空気換算光路長Air・Dとは異なって後述する空気換算光路長Air・D’となる。
即ち、図11に拡大して示した如く、θは往路のレーザ光L1が立上ミラー35の一方の面35aの光軸中心35a1から入射して他方の面35bの光軸中心35b1から出射する時の立上ミラー35に対する光軸上での光束入射角、Tは立上ミラー35の厚さ、T(=T/sinθ)は立上ミラー35を透過したモニタ用のレーザ光Lが立上ミラー35の光軸中を伝播する距離、Nは立上ミラー35の屈折率、それ以外の各光学部品寸法及び光学部品間の距離をDj(但し、j=2〜j)、光学部品及び光学部品間の屈折率をNj(但し、j=2〜j)とするとき、立上ミラー35の板厚Tが厚い場合におけるコリメータレンズ34から第2アパーチャ42の一方の面42aまでの空気換算光路長Air・D’は下記の(式12)のように表される。
Figure 2007317318
また、上記したTは下記の(式13)のように表される。
Figure 2007317318
従って、コリメータレンズ34から第1アパーチャ38の一方の面38aまでの空気換算光路長Air・Dと、コリメータレンズ34から第2アパーチャ42の一方の面42aまでの空気換算光路長Air・D又はAir・D’とを略等しく設定することで、球面収差補正量によらず、半導体レーザ光源31の出射パワーによって対物レンズ18の出射パワーを常に適正値に設定でき、BD(光記録媒体)1への照射パワーを略一定にすることができる。
この際、光学部品の硝子や樹脂はBK7,B270,ZEONEX340R等、概ね屈折率1.5前後で、光学部品自体薄いものであるから、屈折率は1.5とした概算でも差し支えない。また、立上ミラー35の板厚Tが厚い場合に上記したT自体は測長が難しいものの、上記した(式13)より簡便に求められるものであるから、Air・D=Air・D’となるように第2アパーチャ42を配置することは容易である。
また、空気換算光路長Air・Dと空気換算光路長Air・D又はAir・D’とが異なっているときに、半導体レーザ光源31の出射パワー変動が±1%以内であれば、実施例1と同様に半導体レーザ光源31の出射パワー変動は再生、記録及び消去が可能であり、特に±0.5%以内の出射パワー変動であれば、再生、記録及び消去が良好に行える。
この場合の条件についても、実施例1と同様であり、先に説明した(式9)〜(式11)が成立するので、先に説明した(式11)より、半導体レーザ光源31の出射パワーの変動量(第1/第2相対光量比の比K’)は距離D及び距離Dの絶対量やコリメータレンズ34の焦点距離Fの影響はほとんどなく、距離Dと距離Dの差とmで決まる。また、mの範囲が前述したよう0.001〜0.0015であるとき、距離Dと距離Dとの絶対値差|D―D|が±2mm以内であれば、出射パワー変動を±1%以内とすることができる。さらに望ましくは、距離Dと距離Dとの絶対値差|D―D|が±1mm以内であれば、出射パワー変動を±0.5%以内とすることができる。
また、距離Dと距離Dとの絶対値差|D―D|は、空気換算光路長Air・Dと空気換算光路長Air・Dとの絶対値差|Air・D―Air・D|又は空気換算光路長Air・Dと空気換算光路長Air・D’との絶対値差|Air・D―Air・D’|と等価である。
また、先に説明した(式11)より、第1,第2アパーチャ38,42の大きさも出射パワーの変動に影響を与えない。
尚、実施例2において、球面収差補正用のレンズは2枚以上からなるレンズ群に置き換え、このレンズ群のうちで少なくとも一つ以上のレンズの位置を変えてアンダー、あるいはオーバーの球面収差を出すものであっても同様である。また、球面収差補正用のコリメータレンズ又は球面収差補正用のレンズ群に変えて液晶素子で球面収差を補正する場合には、液晶素子自体が移動することはないが、液晶素子と対物レンズの前に設置した第1アパーチャとの間の空気換算光路長と、液晶素子とモニタ用集光レンズの前に設置した第2アパーチャとの間の空気換算光路長とを略等しく設定すれば良い。
更に、第1アパーチャ38、第2アパーチャ42はそれぞれ対物レンズ39、モニタ用集光レンズ43と一体化することも可能であり、一体化することによりアパーチャ部品の部品点数を削減することが可能となる。
図12は、例えば、モニタ用集光レンズ43’を第2アパーチャ42と一体化したものを示している。モニタ用集光レンズ43’の有効径部43aは直径がφDからなる凸状の球面に形成され、有効径部43aの外周部43bを平面に形成してこの外周部43bをモニタ用のレーザLの光束径を制限するアパーチャ部として一体化している。
この際、モニタ用集光レンズ43’の外周部43bは、特に樹脂成型の場合に容易に成形でき、この外周部43bを通る光線は集光に寄与しないので、アパーチャとしての機能を備えることになる。また、モニタ用集光レンズ43’の外周部43bをさらに梨地状にしても良い。
また、ここでの図示を省略するものの、対物レンズ39をモニタ用集光レンズ43’と略同様に、有効径部の外周部を平面に形成してこの外周部を往路のレーザLの光束径を制限するアパーチャ部として一体化しても良いものである。
更にまた、第2アパーチャ42の光束を制限する領域が狭い場合には、モニタ用集光レンズ43又はモニタ用集光レンズ43’を設けないことも可能である。
以上説明したように、実施例2の光ピックアップ装置30では、半導体レーザ光源31からの出射パワーを監視するモニタ用集光レンズ43及びモニタ用光検出器44と、半導体レーザ光源31と対物レンズ39との間で光軸に沿って移動自在に設けた一つ以上の球面収差補正用レンズ(コリメータレンズ)34とを有して、一つ以上の球面収差補正用レンズ34から立上ミラー(光路分岐用光学部材)35を介して対物レンズ39の前に設置した第1アパーチャ38までの空気換算光路長Air・Dと、一つ以上の球面収差補正用レンズ34から立上ミラー(光路分岐用光学部材)35を介してモニタ用集光レンズ43の前に設置した第2アパーチャ42までの空気換算光路長Air・D又はAir・D’とを略等しく設定することにより、球面収差補正量によらず、半導体レーザ光源31の出射パワーによって対物レンズ18の出射パワーを常に適正値に設定でき、BD(光記録媒体)1への照射パワーを略一定にすることができる。
本発明に係る実施例1の光ピックアップ装置の全体構成を示した図である。 (a),(b)は実施例1の光ピックアップ装置を用いてBDの第1信号面を記録又は再生した場合のコリメータレンズの移動前後での球面収差を示した図である。 (a),(b)は実施例1の光ピックアップ装置を用いてBDの第2信号面を記録又は再生した場合のコリメータレンズの移動前後での球面収差を示した図である。 実施例1の光ピックアップ装置において、コリメータレンズが初期位置から移動したときに、第1アパーチャの一方の面の光束半径の関係を模式的に示した図である。 実施例1の光ピックアップ装置において、コリメータレンズが初期位置から移動したときに、第2アパーチャの一方の面の光束半径の関係を模式的に示した図である。 本発明に係る実施例2の光ピックアップ装置の全体構成を示した図である。 (a),(b)は実施例2の光ピックアップ装置を用いてBDの第1信号面を記録又は再生した場合のコリメータレンズの移動前後での球面収差を示した図である。 (a),(b)は実施例2の光ピックアップ装置を用いてBDの第2信号面を記録又は再生した場合のコリメータレンズの移動前後での球面収差を示した図である。 実施例2の光ピックアップ装置において、コリメータレンズが初期位置から移動したときに、第1アパーチャの一方の面の光束半径の関係を模式的に示した図である。 実施例2の光ピックアップ装置において、コリメータレンズが初期位置から移動したときに、第2アパーチャの一方の面の光束半径の関係を模式的に示した図である。 実施例2の光ピックアップ装置において、立上ミラーに対する光軸上での光束入射角と光束との関係を示した図である。 実施例2の光ピックアップ装置において、モニタ用集光レンズと第2アパーチャとを一体化した図である。 従来例1の光ピックアップ装置の全体構成を示した図であり、(a)はDVDを記録又は再生する場合を示し、(b)はCDを記録又は再生する場合を示した図である。 従来例2の光ピックアップ装置の全体構成を示した図である。
符号の説明
1…光記録媒体(BD)、
1a…レーザビーム入射面、1b…第1信号面、1b…第2信号面、1c…補強板、
10…実施例1の光ピックアップ装置、
11…半導体レーザ光源、12…グレーティング、
13…球面収差補正用レンズ(コリメータレンズ)、
14…偏光ビームスプリッタ(光路分岐用光学部材)、15…1/4波長板、
16…レンズホルダ、17…第1アパーチャ、17a…一方の面、18…対物レンズ、
19…検出レンズ、20…シリンドリカルレンズ、21…信号検出用光検出器、
22…第2アパーチャ、22a…一方の面、
23…モニタ用集光レンズ、24…モニタ用光検出器、
25…出射パワーモニタ部、26…レーザ光源駆動部、
30…実施例2の光ピックアップ装置、
31…半導体レーザ光源、32…グレーティング、33…偏光ビームスプリッタ、
34…球面収差補正用レンズ(コリメータレンズ)、
35…立上ミラー、35a…一方の面、35b…他方の面、
35a…立上ミラーの一方の面側の光軸中心点、
35b…立上ミラーの他方の面側の光軸中心点、
36…1/4波長板、37…レンズホルダ、
38…第1アパーチャ、38a…一方の面、39…対物レンズ、
40…検出レンズ、41…信号検出用光検出器
42…第2アパーチャ、42a…一方の面、
43,43’…モニタ用集光レンズ、44…モニタ用光検出器、
43a…有効径部、43b…アパーチャ部(外周部)、
45…出射パワーモニタ部、46…レーザ光源駆動部、
L…レーザ光、L…往路のレーザ光、L…モニタ用のレーザ光、L…復路の戻り光、
…コリメータレンズ13(又は34)の焦点距離、
…コリメータレンズ13(又は34)の移動量、
…初期位置Sから移動したコリメータレンズ13(又は34)から第1アパーチャ17(又は38)までの距離、
…初期位置Sから移動したコリメータレンズ13(又は34)から第2アパーチャ22(又は42)までの距離、
S…コリメータレンズ13(又は43)の初期位置。
Air・D,Air・D,Air・D’…空気換算光路長。

Claims (4)

  1. 光記録媒体を記録又は再生する光ピックアップ装置において、
    レーザ光を出射するレーザ光源と、
    前記レーザ光源から出射した前記レーザ光の光軸に沿って移動可能に設けられ、且つ、前記光記録媒体に対して球面収差を補正する一つ以上の球面収差補正用レンズと、
    前記一つ以上の球面収差補正用レンズを通過した前記レーザ光を一方と他方とに分岐する光路分岐用光学部材と、
    前記光路分岐用光学部材で分岐した一方のレーザ光に対して光束径を制限する第1アパーチャと、
    前記第1アパーチャを通過した前記一方のレーザ光を絞り込んで前記光記録媒体の信号面上に集光する対物レンズと、
    前記光路分岐用光学部材で分岐した他方のレーザ光に対して光束径を制限する第2アパーチャと、
    前記第2アパーチャを通過した前記他方のレーザ光を絞り込んで、前記レーザ光源の出射パワーを検出するためのモニタ用光検出器上に集光するモニタ用集光レンズと、
    を備え、
    前記一つ以上の球面収差補正用レンズから前記光路分岐用光学部材を介して前記第1アパーチャまでの空気換算光路長と、前記一つ以上の球面収差補正用レンズから前記光路分岐用光学部材を介して前記第2アパーチャまでの空気換算光路長とを略等しく設定したことを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 前記第1アパーチャへの入射光量Eと、前記第2アパーチャへの入射光量Eとの比K=E/Eが略一定となることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置。
  3. 前記光路分岐用光学部材は、前記レーザ光源から出射した前記レーザ光の一部を反射させると共に前記レーザ光の一部の残りを透過させる機能を備えた偏光ビームスプリッタ又はミラーであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の光ピックアップ装置。
  4. 前記対物レンズ及び前記モニタ用集光レンズの少なくとも一方に、前記レーザ光源から出射した前記レーザ光の光束径を制限するアパーチャ部を一体化したことを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか1項記載の光ピックアップ装置。

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