JP2007317295A - 光情報記録再生装置用光学素子、光情報記録再生装置および光情報記録再生装置用光学素子の設計方法 - Google Patents

光情報記録再生装置用光学素子、光情報記録再生装置および光情報記録再生装置用光学素子の設計方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007317295A
JP2007317295A JP2006145220A JP2006145220A JP2007317295A JP 2007317295 A JP2007317295 A JP 2007317295A JP 2006145220 A JP2006145220 A JP 2006145220A JP 2006145220 A JP2006145220 A JP 2006145220A JP 2007317295 A JP2007317295 A JP 2007317295A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical
recording
wavelength
information recording
reproducing apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2006145220A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiyuki Tashiro
佳之 田代
Daisuke Koreeda
大輔 是枝
Koichi Maruyama
晃一 丸山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pentax Corp
Original Assignee
Pentax Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pentax Corp filed Critical Pentax Corp
Priority to JP2006145220A priority Critical patent/JP2007317295A/ja
Priority to US11/752,386 priority patent/US7872958B2/en
Publication of JP2007317295A publication Critical patent/JP2007317295A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/12Heads, e.g. forming of the optical beam spot or modulation of the optical beam
    • G11B7/135Means for guiding the beam from the source to the record carrier or from the record carrier to the detector
    • G11B7/1372Lenses
    • G11B7/1374Objective lenses
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/12Heads, e.g. forming of the optical beam spot or modulation of the optical beam
    • G11B7/125Optical beam sources therefor, e.g. laser control circuitry specially adapted for optical storage devices; Modulators, e.g. means for controlling the size or intensity of optical spots or optical traces
    • G11B7/127Lasers; Multiple laser arrays
    • G11B7/1275Two or more lasers having different wavelengths
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/12Heads, e.g. forming of the optical beam spot or modulation of the optical beam
    • G11B7/135Means for guiding the beam from the source to the record carrier or from the record carrier to the detector
    • G11B7/1353Diffractive elements, e.g. holograms or gratings
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/12Heads, e.g. forming of the optical beam spot or modulation of the optical beam
    • G11B7/135Means for guiding the beam from the source to the record carrier or from the record carrier to the detector
    • G11B7/1392Means for controlling the beam wavefront, e.g. for correction of aberration
    • G11B7/13922Means for controlling the beam wavefront, e.g. for correction of aberration passive
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B2007/0003Recording, reproducing or erasing systems characterised by the structure or type of the carrier
    • G11B2007/0006Recording, reproducing or erasing systems characterised by the structure or type of the carrier adapted for scanning different types of carrier, e.g. CD & DVD

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Optical Head (AREA)
  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Lenses (AREA)

Abstract

【課題】規格の異なる複数の光ディスクに対して互換性を持つ対物レンズであって、かつ製造が容易でありながら高い性能を有する光情報記録再生装置用の光学素子を提供すること。
【解決手段】記録密度が高い順に三種類の光ディスクに対して、短波長側から順に三種類の略平行光束を使い分けることにより、各光ディスクに対する情報の記録等を行う光情報記録再生装置用光学素子であって、同心状の複数の屈折面と、互いに隣り合う屈折面間に形成される段差とを有する段差構造を有し、該構造は、所定の光ディスクを記録再生するために必要な開口数を得るために、所定の光束の収束に寄与する領域を有し、該領域は、互いに異なる光路長変化量を付与する二つの段差を有し、隣接する各段差間の輪帯幅が第一の波長の10倍より小さいとき、少なくとも一方の段差をコントロールすることで、輪帯幅を略0にした特殊段差を少なくとも一つ有する構成にした。
【選択図】図1

Description

この発明は、例えば、記録密度や保護層の厚みが異なる複数種類の光ディスクに対する情報の記録または再生を行う光情報記録再生装置、該装置に搭載される光学素子および該光学素子の設計方法に関する。
光ディスクには、従来、CDやDVDといった記録密度や保護層の厚みが異なる複数の規格が存在する。また近年、情報記録のさらなる高容量化を実現すべく、DVDよりも更に記録密度の高い新規格の光ディスクが実用化されつつある。該新規格の光ディスクとしては、例えばHD DVDやBD(Blu-ray Disc)等がある。このような新規格の光ディスクは、DVDの保護層厚と同等もしくはそれ以下の保護層厚を有する。このように規格の異なる複数の光ディスクが存在するためユーザの利便性に鑑み、近年、光情報記録再生装置、より厳密には装置内に設けられる対物光学系は、上記のうち少なくとも二種類、より好ましくは三種類の光ディスクに対して互換性を持つことが要求される。なお、本文において、光情報記録再生装置と記した場合には、情報の記録専用装置、情報の再生専用装置、情報の記録および再生兼用装置、の全てを含むものとする。また、互換性を持つとは、使用する光ディスクを切り替えたとしても部品を交換したりすることなく情報の記録または再生が保証されることをいう。
装置が規格の異なる複数の光ディスクに対して互換性を持つためには、まず、規格が異なる光ディスクの切り替え時に、保護層の厚みによって変化してしまう球面収差を補正しつつ、情報の記録または再生に使用する対物レンズの開口数(NA)を変化させて記録密度の違いに対応したビームスポットが得られるような構成にする。一般にスポット径は波長が短いほど小さい。そこで従来、記録密度に応じて、光情報記録再生装置では、複数の波長のレーザー光が使用される。例えば、DVD使用時には、CD使用時に用いられる約790nmより短い約660nmの波長のレーザー光が用いられる。また、該新規格の光ディスク使用時には、その記録密度の高さからDVDに対する情報の記録または再生時に用いられる波長よりもさらに短波長な光(例えば408nmあたりのいわゆる青色レーザー光)が用いられる。
また、各々の光ディスクに対して、使用光束を良好な状態で各光ディスクの記録面位置に収束させる一つの手段として、対物光学系を構成する1または複数の光学素子(例えば対物レンズ)における任意の面に輪帯状の微細な段差を有する輪帯構造を設けることが知られている。該輪帯構造の作用によって、異なる波長の光を各々対応する光ディスクの記録面において良好に収束させることができる。
上記のように、互いに記録密度が異なる二種類の光ディスクに対して互換性を持つ光ピックアップ装置としては、例えば以下の特許文献1、および非特許文献1に提案される。
特開2005−203043号公報 Yoshiaki komma、他2名、「compatible Objective Lens for Blu-ray Disc and DVD using Diffractive Optical Element and Phase-step Element which Corrects both Chromatic and Spherical Aberration (ISOM 2003予稿(We−F−20))」、Matsushita Electric Co., Ltd
また、上記のように、互いに記録密度が異なる三種類の光ディスクに対して互換性を持つ光ピックアップ装置としては、例えば以下の特許文献2に提案される。
特開2001−195769
上記特許文献1に記載の光ピックアップ装置は、一面に同心円状に配設された輪帯状の微細な段差を有する輪帯構造を有する光学素子を配設することにより、二種類の光ディスクの保護層厚の差によって生じる相対的な球面収差を補正している。
上記非特許文献1では、対物レンズ光学系において二つのレンズ面にそれぞれ作用の異なる回折構造を設けている。これにより、DVDとBDのいずれを使用した場合にも対応するレーザー光を良好に各光ディスクの記録面に収束させると同時に、波長ずれに起因する球面収差の変化も補正することができる。
また、上記特許文献2では、対物レンズの両面に回折構造を設けている。これにより、HD DVD、DVDとCDのいずれを使用した場合にも対応するレーザー光を良好に各光ディスクの記録面に収束させることができる。
しかし、上記提案のように回折構造を二つのレンズ面に形成すると、ディセンター等の製造誤差による性能の劣化が起こりやすくなる。また、特許文献2に記載の光ピックアップ装置のように、構成部材の点数削減およびコストダウンを目的として対物レンズ光学系を単レンズで構成した場合、一方の回折構造がディスクトレイを介して外部に露出することになる。そのため、レンズクリーナー使用時などに該回折構造が破壊されうる機会が高くなる。
本発明は上記の事情に鑑み、規格の異なる複数の光ディスクに対して互換性を持ち、かつ製造が容易でありながら高い性能を有する光情報記録再生装置用の光学素子および該光学素子を搭載した光情報記録再生装置、さらには該光学素子の設計方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の光情報記録再生装置用光学素子は、記録密度の異なる複数の光ディスクに対して第一から第三の波長を持つ三種類の略平行光束を使い分けることにより、各光ディスクに対する情報の記録または再生を行う光情報記録再生装置に用いられる光学素子であって、
第一から第三の波長を、それぞれλ1、λ2、λ3、とすると、
λ1<λ2<λ3
であり、
少なくとも一方の面に、同心状の複数の屈折面と、互いに隣り合う屈折面間に形成される段差と、を有する段差構造を有しており、該段差は、互いに異なる光路長変化量を付与する第一の段差、第二の段差、および第一の段差と第二の段差で付与される各光路長変化量の和または差で求められる光路長変化量を付与する特殊段差であり、特殊段差と該特殊段差に隣接する段差との間の輪帯幅が、第一の波長の10倍以上であることを特徴とする。
請求項1に記載の光情報記録再生装置用光学素子によれば、幅狭輪帯を効果的に除去することができ、高い性能を維持しつつも製造が容易な光学素子が提供される。なお本文において、幅狭輪帯とは、所定の光束の波長の10倍より小さいという狭い輪帯幅の輪帯を示す。輪帯幅とは、段差構造が施された面における光軸に直交する面での断面形状において、互いに隣接する二つの段差間の距離をいう。
より詳しくは、第一の段差は、第一の波長の光束に対して光路長変化量L1を付与し、第二の段差は、第一の波長の光束に対して光路長変化量L2(ただし、|L1|<|L2|)を付与する。このとき、特殊段差は、光路長変化量の符号に応じて、第一の波長の光束に対して絶対値が以下の二式のいずれかにより求まる光路長変化量を付与する。
|L2|−|L1|(請求項2)
|L2|+|L1|(請求項3)
上記のような光学素子は、光情報記録再生装置における対物レンズに好適に使用される(請求項4)。
また、本発明にかかる光情報記録再生装置は、記録密度の異なる複数の光ディスクに対して第一から第三の波長を持つ三種類の光束を使い分けることにより、各光ディスクに対する情報の記録または再生を行う光情報記録再生装置において、
第一の波長の光束を用いて情報の記録または再生が行われる第一の光ディスクの保護層厚をt1、第二の波長の光束を用いて情報の記録または再生が行われる第二の光ディスクの保護層厚をt2、第三の波長の光束を用いて情報の記録または再生が行われる第三の光ディスクの保護層厚をt3、とすると、t1≦t2<t3であり、
第一の光ディスクに対する情報の記録または再生に必要な対物レンズの開口数をNA1、第二の光ディスクに対する情報の記録または再生に必要な対物レンズの開口数をNA2、第三の光ディスクに対する情報の記録または再生に必要な対物レンズの開口数をNA3、とすると、NA1>NA3、かつNA2>NA3であり、
上述した特徴を持つ請求項1から請求項4のいずれかに記載の光学素子を有することを特徴とする。(請求項5)
請求項6に記載の光情報記録再生装置によれば、上記段差構造は、第三の波長の光束を第三の光ディスクの記録面上に収束させる、光軸を含む第一の領域と、該第一の領域の外側に、第一の波長の光束、および第二の波長の光束を、それぞれ第一の光ディスクおよび第二の光ディスクの記録面上に収束させ、かつ第三の波長の光束の収束には寄与しない第二の領域を有する。
さらに、第一の光ディスクに対する情報の記録または再生時における焦点距離をf1、第二の光ディスクに対する情報の記録または再生時における焦点距離をf2、とすると、
f1×NA1>f2×NA2
の関係を満たす場合、段差構造は、第二の領域の外側に、第一の波長の光束のみを第一の光ディスクの記録面上に収束させる第三の領域を有する(請求項7)。
さらに、第一の光ディスクに対する情報の記録または再生時における焦点距離をf1、第二の光ディスクに対する情報の記録または再生時における焦点距離をf2、とすると、
f1×NA1<f2×NA2
の関係を満たす場合、段差構造は、第二の領域の外側に、第二の波長の光束のみを第二の光ディスクの記録面上に収束させる第三の領域を有する(請求項8)。
請求項9に記載の光情報記録再生装置によれば、上記の段差構造を有する光学素子に入射する第一から第三の波長の各光束はいずれも略平行光束であることが望ましい。これにより、トラッキングシフト時において軸外の収差の発生を効果的に抑えることができる。
また別の観点から、本発明にかかる光情報記録再生装置用光学素子の設計手法は、記録密度の異なる複数の光ディスクに対して第一から第三の波長を持つ三種類の光束を使い分けることにより、各光ディスクに対する情報の記録または再生を行う光情報記録再生装置に用いられる光学素子の設計方法であって、第一から第三の波長を、それぞれλ1、λ2、λ3、とすると、λ1<λ2<λ3であり、
少なくとも一方の面に、同心状の複数の屈折面と、互いに隣り合う屈折面間に形成される段差と、を有する段差構造を有し、該段差構造の設計工程は、段差構造を少なくとも二種類の光路差関数で定義する工程と、各光路差関数に基づき算出された複数の段差のうち、互いに隣接する二つの段差の組であって、各段差の位置差が第一の波長の10倍より小さい組の少なくとも一つについて、該組の少なくとも一方の段差の位置をコントロールすることにより、上記位置差を略0にして特殊段差を設定する工程と、を含むことを特徴とする。
より具体的には、請求項11に記載の光情報記録再生用光学素子の設計方法によれば、上記の段差の設計工程は、各段差で付与される光路長変化量の符号が異なる組について適用されることが望ましい。
以上のように、本発明によれば、少なくとも一面に配設される段差構造において、二種類の段差を適切にコントロールすることによって特殊段差を形成することにより、いわゆる幅狭輪帯が存在しない光学素子が提供される。このような本発明に係る光学素子によれば、幅狭輪帯が存在しないため、透過光量の低下を抑えつつ、高い光学性能を維持することができる。
また、本発明に係る光情報記録再生装置によれば、上記の光学素子を採用することにより、記録密度が異なる三種類の光ディスクのいずれに対しても高精度な情報の記録または再生を実現することができる。
以下、本発明の実施形態の光学素子としての対物レンズについて説明する。本実施形態の対物レンズは、光情報記録再生装置に搭載され、保護層厚、記録密度等といった規格がそれぞれ異なる三種類の光ディスクについて互換性を有している。
以下では説明の便宜上、上記三種類の光ディスクのうち、記録密度が最も高い光ディスク(例えばHD DVDやBD等の新規格の光ディスク)を第一の光ディスクD1、第一の光ディスクD1に比べて相対的に記録密度が低い(例えばDVDやDVD−R等)を第二の光ディスクD2、記録密度が最も低い光ディスク(例えばCDやCD−R等)を第三の光ディスクD3、と記す。
各光ディスクD1〜D3の保護層厚をそれぞれt1〜t3とすると、各保護層厚には、以下のような関係がある。
t1≦t2<t3
また、各光ディスクD1〜D3のそれぞれに対して情報の記録または再生を行う場合、記録密度の違いに対応したビームスポットが得られるように、必要とされるNAの値を変化させる必要がある。ここで、各光ディスクD1〜D3に対する情報の記録または再生時に必要とされる最適な設計開口数を、それぞれNA1、NA2、NA3とすると、各NAには以下のような関係がある。
NA1>NA3かつNA2>NA3
つまり、記録密度の高い第一の光ディスクD1および第二の光ディスクD2に対する情報の記録または再生時には、より小径なスポットの形成が要求されるため、必要なNAが高くなる。これに対し、最も記録密度の低い第三の光ディスクD3に対する情報の記録または再生時には、必要とされるNAは比較的小さい。なお、どの光ディスクも、情報の記録または再生時には、図示しないターンテーブル上に載置され回転駆動される。
上記のように記録密度が異なる各光ディスクD1〜D3を使用する場合、各記録密度に対応したビームスポットが得られるように、光情報記録再生装置内において、それぞれ異なる波長のレーザー光が用いられる。具体的には、第一の光ディスクD1に対して情報の記録または再生を行う際には、最も小径のビームスポットを第一の光ディスクD1の記録面上において形成するために、最も短波長(第一の波長)であるレーザー光(以下、第一のレーザー光という)を光源から照射する。また、第三の光ディスクD3に対して情報の記録または再生を行う際には、最も大きな径のビームスポットを第三の光ディスクD3の記録面上において形成するために、最も長波長(第三の波長)であるレーザー光(以下、第三のレーザー光という)を光源から照射する。そして第二の光ディスクD2に対して情報の記録または再生を行う際には、第二の光ディスクD2の記録面上において比較的小径のスポットを形成するために、第一のレーザー光よりは長波長であってかつ第三のレーザー光よりは短波長(第二の波長)であるレーザー光(以下、第二のレーザー光という)を光源から照射する。なお、第一の波長をλ1、第三の波長をλ3とすると、両者には、
1.9<λ3/λ1<2.1
という関係がある。
図1は、本実施形態の対物レンズ10を有する光情報記録再生装置100の概略構成を表す模式図である。光情報記録再生装置100は、第一のレーザー光を照射する光源1A、第二のレーザー光を照射する光源1B、第三のレーザー光を照射する光源1C、回折格子2A、2B、2C、カップリングレンズ3A、3B、3C、ビームスプリッタ41、42、ハーフミラー5A、5B、5C、受光部6A、6B、6Cを有する。なお、光情報記録再生装置100では、上記の各光ディスク使用時に必要とされるNAが各々異なることに対応する必要がある。そのため、光情報記録再生装置100では、図示しないが、光源1C〜対物レンズ10間に第三のレーザー光の光束径を規定する開口制限素子が配設されていてもよい。
図1に示すように、各光源1A〜1Cから照射された第一〜第三の各レーザー光束は、各回折格子2A〜2Cを介した後、各ハーフミラー5A〜5Cによって偏向され各カップリングレンズ3A〜3Cに入射する。各カップリングレンズ3A〜3Cは、入射する光束を平行光束に変換する。つまり本実施形態では、各カップリングレンズ3A〜3Cは、コリメートレンズとして機能する。各カップリングレンズ3A〜3Cを透過した各レーザー光束は、ビームスプリッタ41、42によって共通の光路に導かれ、対物レンズ10に入射する。対物レンズ10を透過した各光束は、情報の記録または再生の対象となる各光ディスクD1〜D3の記録面近傍に収束する。記録面で反射した各レーザー光は、ハーフミラー5A〜5Cを透過し、受光部6A〜6Cにより検出される。
上記のように、対物レンズ10に入射する各レーザー光を平行光束にすることにより、対物レンズ10をトラッキング時におけるコマ収差等の収差の発生を抑えることができる。
なお、厳密には、各光源1A〜1Cの個体差や設置位置、さらには光情報記録再生装置100のおかれた環境の変化等の理由によって、各カップリングレンズ3A〜3Cから射出される光束は必ずしも平行光束にはならない場合もある。しかし、上記の理由による光束の発散角は、非常に小さいため、トラッキングシフト時に生じる収差も小さい。よって、実使用上問題ないと言える。
図2(A)〜図2(C)は、対物レンズ10および各光ディスクD1〜D3を各光ディスク使用時における光路ごとに分けて示した図である。図2(A)〜(C)において、光情報記録再生装置100の基準軸AXは、図中一点鎖線で表示されている。図2(A)〜(C)に示す状態では、対物レンズの光軸は光学系の基準軸AXと一致しているが、トラッキング動作などにより対物レンズの光軸が光学系の基準軸AXから外れる状態もある。
対物レンズ10は、光源側から順に第一面11と第二面12を有する。対物レンズ10は、図2(A)〜(C)に示すように各面11、12とも非球面である両凸のプラスチック製単レンズである。非球面の形状は光軸からの高さがhとなる非球面上の座標点の該非球面の光軸上での接平面からの距離(サグ量)をX(h)、非球面の光軸上での曲率(1/r)をC、円錐係数をK、四次、六次、八次、十次、十二次…の非球面係数をA2i(但し、iは2以上の整数)として、以下の式で表される。
Figure 2007317295
また各光ディスクD1〜D3は、それぞれ保護層21、記録面22を有する。なお、実際の光ディスクD1〜D3において、記録面22は、保護層21と図示しないレーベル層によって挟持されている。
光情報記録再生装置100のように、各光ディスクD1〜D3使用時には異なる波長のレーザー光を用いる場合、各光ディスク使用時によって、対物レンズの屈折率の変化や、各光ディスクD1〜D3の保護層21の厚さの違いに起因して、球面収差が変化する。
従って、三種類の光ディスクD1〜D3をそれぞれ使用する時に発生する球面収差を補正して各光ディスクD1〜D3に対する互換性を持たせるために、本実施形態の対物レンズ10には、三種類の光束に影響を与える回折作用を持つ段差構造が第一面11に設けられている。第一面11に設けられた段差構造は、光軸AXを中心とした同心円状の複数の屈折面と各屈折面間に形成される複数の微小な段差からなる。なお、段差構造が形成される面を光ディスクと対向しない第一面11にすることにより、レンズクリーナーによって段差が破壊されるおそれがなくなり、性能劣化を有効に回避することができる。
図3は、本発明適用前の段差構造、つまり幅狭輪帯に対する補償を行わない段差構造を仮に施した第一面11の拡大図である。図3において、jは、段差構造における光軸AXからj番目の屈折面を示す。また、図3中二点鎖線Hは第j屈折面と第(j−1)屈折面間に形成された段差sの位置、換言すれば第j屈折面と第(j−1)屈折面の境界位置を示す。ここで、光路長変化量とは、図3に示すように、第(j−1)屈折面の形状を光軸から離れる方向に延長させた仮想上の延長面(A−A’面)の境界位置Hで屈折した場合に得られる像面までで評価した時の光路長と、第j屈折面の形状を光軸に向かう方向に延長させた仮想上の延長面(B−B’面)の境界位置Hで屈折した場合に得られる像面までで評価した時の光路長の差を意味する。また図3において、輪帯幅は、隣接する段差s間の距離W1、W2、W3…として表れる。
なお、図3に示すように、実際の段差構造は、形成時に各屈折面の境界位置近傍(エッジ)がだれて丸みを帯びることがある。しかし、このようなエッジの形状の変化は、実使用上何ら問題はない。
本実施形態の段差構造は、第一から第三の各レーザー光で使用波長の違いによる球面収差をそれぞれ略0になるようにコントロールする回折作用を持つ。該回折作用は、対物レンズ10を透過した各レーザー光が、対応する光ディスクの記録面22上において、球面収差が良好に抑えられ、情報の記録または再生に好適なスポットを形成できるような回折作用、つまり三波長互換作用といえる。
以上のような段差構造を持つ対物レンズ10は、以下のように設計される。すなわち、まず第一から第三の各レーザー光束における回折効率が最大となる回折次数の比率が互いに異なる二種類の光路差関数(第一の光路差関数と第二の光路差関数)を算出する。
ここで、上述した比率が異なる、とは、使用する光束のうち少なくとも一つの光束における回折効率が最大となる回折次数が異なっていれば足りる。従って、例えば、使用する光束が三種類ある場合に、第一の光路差関数における比率が3:2:2、第二の光路差関数における比率が3:2:1であれば比率が異なるといえる。また、各光路差関数における次数の組み合わせは異なるものの回折次数の比率が同一であるケース、例えば第一の光路差関数における比率が2:1:1、第二の光路差関数における比率が4:2:2である場合、各光路差関数により付与される回折作用は同一である。従って、本発明においては、次数の組み合わせが異なることではなく、回折次数の比率が異なることを各光路差関数を定める要件としている。
なお、各光路差関数は、対物レンズ10の回折レンズとしての機能を光軸からの高さhにおける光路長付加量の形で表現される。光路差関数をφ(h)とすると、該φ(h)は、以下の式によって表される。
Figure 2007317295
光路差関数φ(h)において、P2i(但し、iは1以上の整数)はそれぞれ二次、四次、六次、…の係数である。mは使用するレーザー光の回折効率が最大となる回折次数を、λは使用するレーザー光の設計波長を、それぞれ表す。
第一、第二の光路差関数が算出されると、各光路差関数を足し合わせることにより規定される段差構造を対物レンズ10Aの第一面11に形成する。第一、第二の光路差関数を足し合わせた光路差関数、換言すれば第一面11に形成される回折構造を直接規定する光路差関数(以下、参考光路差関数という)を図示すると、図4(a)のようになる。図4(a)に示すグラフは、縦軸が使用される波長のうち最も短い波長(本実施形態では第一のレーザー光)を基準とした光路長変化量、横軸が光軸からの高さ(入射高さ)を表す。以下に示す各光路差関数に関するグラフも同様である。図4(a)に示す参考光路差関数は、第一の光路差関数と第二の光路差関数が重ね合わさった軌跡を描く。
上記のように、互いに異なる二つの光路差関数に基づき求められた段差構造に形成される段差は、第一のレーザー光に対して光路長変化量の絶対値が異なる二種類の光路長変化をもたらす。なお、光路長変化量の絶対値が異なる、と記載したのは、互いに隣り合う2つの輪帯において、内側の輪帯を透過した光よりも外側の輪帯を透過した光の方が光路長が短くなる場合を正、長くなる場合を負と定義した場合、正負の符号の不一致を光路長変化量が異なるとは言わないことを明確にしたものである。
ちなみに、段差構造に三波長互換作用を付与するためには、二種類の光路長変化量のいずれか一方の光路長変化量を奇数値に設定する。これにより、第一のレーザー光の光利用効率を高く維持しつつも、第三のレーザー光使用時に発生する球面収差を良好に補正することができる。そして、他方の光路長変化量を偶数値にすることにより、特に第一のレーザー光と第三のレーザー光の光利用効率を共に高めることが可能になる。これにより、対物レンズ10は、各光ディスクD1〜D3に対応する設計波長の平行光束が入射すると、各光ディスクD1〜D3の記録面22上において球面収差を抑えて情報の記録または再生に好適なビームスポットを形成することができる。
上記の三波長互換作用は、第一の光路差関数と第二の光路差関数が相互に作用し合って得られるものであり、例えば、一方の光路差関数が各レーザー光に関する互換作用を与えるというものではない。
ここで、二つの光路差関数を重ね合わせることにより規定される段差構造では、各光路差関数により規定される段差が隣接することにより図3に示すような幅狭輪帯11xが生じる可能性がある。幅狭輪帯が存在すると、成型時に生じる面ダレなどの理由から、透過光量の低下等、性能劣化の原因となるおそれがあるため適切に除去するとともに、該幅狭輪帯で与えられる光路長付加量を補償する必要がある。なお本実施形態では、幅狭輪帯を輪帯幅が第一のレーザー光の波長(最も短波長である第一の波長)の10倍より小さい輪帯と定義する。第一の波長の10倍より小さいと定義したのは、これより輪帯幅が狭くなると回折効率が急激に低下するからである。参考光路差関数において幅狭輪帯に対応する箇所は、図4(a)中、P1〜P5に表れる。
本実施形態では、参考光路差関数において幅狭輪帯に対応する箇所P1〜P5を消滅させることにより、対物レンズ10Aの第一面11に実際に施される段差構造が幅狭輪帯11xを有しないようにしている。具体的には、参考光路差関数における幅狭輪帯に対応する位置P1〜P5において、段差を形成する位置を調整して、幅狭輪帯と該幅狭輪帯に隣接する輪帯とにより形成される2つの段差の入射高さ位置が略同じになるような補正演算を行う。これにより、2つの段差が付与する光路長変化量の和もしくは差を付与する1つの段差を形成することができる。補正演算後の参考光路差関数を図4(b)に示す。図4(b)に示すように、図4(a)における位置P1〜P5に対応する位置Q1〜Q5には、第一と第二の光路差関数により得られる各光路長変化量の和もしくは差で計算される光路長変化量を付与する段差が形成されていることが分かる。
上記補正演算により、幅狭輪帯11xと隣り合う輪帯のいずれか一方もしくは両方の段差の位置が、幅狭輪帯11xの輪帯幅が略0となるようにコントロールされる。コントロールした結果、幅狭輪帯があった場所には、参考光路差関数のみでは規定されない特殊段差が発生する。該特殊段差は、絶対値が上述した各光路長変化量の和もしくは差である光路長変化量を付与する。
図5は、幅狭輪帯に対する補償を行った段差構造が施された対物レンズ10の第一面11の一部を拡大して示す図である。図5に示すように、本実施形態の対物レンズ10の第一面11は、図3に示す幅狭輪帯11xが消滅しており、該幅狭輪帯11xが存在していた位置に他の段差sとは異なる特殊段差s’が形成されている。
なお、第一の光路差関数により規定される段差(第一の段差)によって付与される光路長変化量をL1、第二の光路差関数により規定される段差(第二の段差)によって付与される光路長変化量をL2とする(ただし、|L1|<|L2|とする)と、特殊段差s’により付与される光路長変化量の絶対値は、L1とL2の符号関係により、以下の2パターンのいずれかを採る。
|L2|−|L1|
|L2|+|L1|
なお本実施形態の対物レンズ10は、情報の記録または再生に必要なNAを確保するための有効光束径の違いから、第一面11を、異なる段差構造が付与された複数の領域に分けることができる。詳しくは、光軸を含む最も内側の領域であってかつ第三のレーザー光の収束に寄与する領域つまりいずれのレーザー光の収束にも寄与する領域(以下、第一領域という)、第一領域の外側に位置する第二領域、場合によっては第二領域の外側にさらに第三領域を設けることができる。
第二領域の段差構造は、一般に第三のレーザー光よりも有効光束径が大きいとされる第一および第二のレーザー光を、対応する光ディスクD1、D2の記録面22に良好に収束させるための二波長互換作用を持つ。また、第二領域の段差構造は、必要に応じて第一のレーザー光と第二のレーザー光に対する波長ずれ補償作用も持つ。第二領域の段差構造に該波長ずれ補償作用も付与する場合には、上記第一領域と同様に二種類の光路差関数を算出して各々を重ね合わせることにより、段差構造を形成する。
第二領域の段差構造は、第三のレーザー光の収束に寄与しないような段差を有する。つまり、第二領域の段差における光路長変化量のうち少なくとも一種類は、第一領域における少なくとも一種類の光路長変化量とは異なる。
なお、以上説明した段差構造は、必ずしも第一面11の全域に設ける必要はなく、第一領域のみ、あるいは第二領域のみに設けられていてもよい。
第二領域のさらに外側に位置する第三領域は、対物レンズ10の第一面11における第一のレーザー光の入射光束径と、第二のレーザー光の有効光束径が異なる場合に設けられる。
まず、第一の光ディスクD1使用時の焦点距離をf1、第二の光ディスクD2使用時の焦点距離をf2としたとき、以下の条件(1)、
f1×NA1>f2×NA2 ・・・(1)
が成立する場合、つまり、第一のレーザー光が入射する場合の対物レンズ10の入射面での有効光束径が、第二のレーザー光が入射する場合の対物レンズ10の入射面での有効光束径より大きい場合、第一のレーザー光が第一の光ディスクD1の記録面上において略無収差で良好に収束するような段差構造を有する第三領域が第一面11に形成される。上記条件(1)が成立する場合に形成される第三領域は、第二領域とは異なり、第二のレーザー光の収束には寄与しない。つまり、条件(1)が成立するときに形成される第三領域は、第二のレーザー光に対する開口制限機能を有する。そのため、該段差構造は、第一のレーザー光について互いに隣り合う屈折面の境界において付与される光路長変化量が、第二領域における第一のレーザー光についての光路長変化量とは異なるように設計される。該設計時には、第三領域は、第一のレーザー光に対する回折効率が最大となるようにブレーズ化される。
また以下の条件(2)、
f1×NA1<f2×NA2 ・・・(2)
が成立する場合、つまり、第二のレーザー光が入射する場合の対物レンズ10の入射面での有効光束径が、第一のレーザー光が入射する場合の対物レンズ10の入射面での有効光束径より大きい場合、第二のレーザー光が第二の光ディスクD2の記録面上において略無収差で良好に収束するような段差構造を有する第三領域が第一面11に形成される。条件(2)が成立する場合に形成される第三領域は、第二領域とは異なり、第一のレーザー光の収束には寄与しない。つまり、条件(2)が成立するときに形成される第三領域は、第一のレーザー光に対する開口制限機能を有する。そのため、該構造は、第一のレーザー光について互いに隣り合う屈折面の境界において付与される光路長変化量が、第二領域における第二のレーザー光についての光路長変化量とは異なるように設計される。該設計時には、第三領域は、第二のレーザー光に対する回折効率が最大となるようにブレーズ化される。
以上説明した第一実施形態の対物レンズ10を用いた光情報記録再生装置100の具体的な実施例を1例示す。実施例1の対物レンズ10を搭載する光情報記録再生装置100は、図1、および図2(A)〜(C)に示される。
また実施例において使用される光ディスクは、保護層厚0.6mmの最も記録密度の高い第一の光ディスクD1、保護層厚0.6mmであり第一の光ディスクD1よりは記録密度の低い第二の光ディスクD2、保護層厚1.2mmの最も記録密度の低い第三の光ディスクD3を想定する。
実施例1の対物レンズ10は、上述したような三波長互換作用を持つ段差構造を第一面11に有している。実施例1の対物レンズ10の具体的な仕様は、表1に示されている。
Figure 2007317295
表1において、設計波長とは、各光ディスクD1〜D3に対する情報の記録または再生に最適とされる各レーザー光の波長を意味する。表1中、倍率の値が示すように、実施例1では、いずれの光ディスクD1〜D3使用時であっても、レーザー光は平行光束として対物レンズ10に入射する。表1に示す対物レンズ10を備える光情報記録再生装置100の各光ディスクD1〜D3使用時における具体的数値構成は、表2〜表4に示される。但し、表2〜表4では、説明の便宜上、各光源と対物レンズ10の間に配設される部材に関する数値構成を省略している。以下に示す各実施例の具体的数値構成においても同様である。
Figure 2007317295
Figure 2007317295
Figure 2007317295
表2〜表4中、面番号0は光源1A〜3A、面番号1は対物レンズ10の第一面11、面番号2は対物レンズ10の第二面12、面番号3と4はそれぞれ各光ディスクD1〜D3における保護層21と記録面22、をそれぞれ表す。rはレンズ各面の曲率半径(単位:mm)、dは情報の記録または再生時におけるレンズ厚またはレンズ間隔(単位:mm)、n(Xnm)は波長Xnmでの屈折率である。後述する実施例2および実施例3における各表においても同様である。
対物レンズ10の両面11、12(面番号1、2)は、非球面である。各面11、12の各非球面の形状を規定する円錐係数と非球面係数は、表5に示される。なお各表における表記Eは、10を基数、Eの右の数字を指数とする累乗を表している。
Figure 2007317295
また実施例1の対物レンズ10の第一面11に形成されることになる段差構造を規定するための第一の光路差関数および第二の光路差関数における係数P2iは表6に示される。また、各レーザー光の回折効率が最大になる回折次数mは表7に示される。表7に示すように、第一のレーザー光の回折効率が最大になる回折次数と、他の各レーザー光の回折効率が最大になる回折次数は異なる。
Figure 2007317295
Figure 2007317295
実施例1の対物レンズ10の第一面11に形成される段差構造は具体的には表8に示される。表8は、実施例1の対物レンズ10の第一面11に形成される各輪帯(上記の屈折面に相当)の範囲と、各輪帯幅と、第一のレーザー光が各輪帯を透過することにより与えられる光路長変化量および該変化量に対応する段差構成と、を示した表である。各輪帯の範囲は、光軸AXからの高さhmin〜hmaxで表している。また、該段差構造を規定する参考光路差関数に関し、幅狭輪帯に関する補正演算前の参考光路差関数を図4(a)に、該補正演算後の参考光路差関数を図4(b)に示す。
Figure 2007317295
表8に示すように、第一のレーザー光が各輪帯間の段差により付与される光路長変化量は、主として−3または−2波長分であることがわかる。すなわち実施例1の段差構造は、付与する光路長変化量の絶対値|L1|が2である第一の段差と、同絶対値|L2|が3である第二の段差とが非周期的に配設されている。ただし、段差番号7、9、16、20、22、26、28の各段差は、−5波長分の光路長変化量を付与する。つまり、これらの各段差は、光路長変化量の絶対値が|L2|+|L1|(=5)で求まる特殊段差である。図4(a)と図4(b)を比較すると、該特殊段差を設けることにより、幅狭輪帯が効果的に除去されていることが分かる。なお、肉眼では認識困難であるが図4(a)において、図4(b)における段差番号16、22に対応する部位にも、極めて微小な幅狭輪帯が存在している。よって、上記の通り、段差番号16、22の各段差を特殊段差として構成している。
以上が本発明に係る設計方法により設計された対物レンズの具体的実施例である。なお、上記の各実施例はあくまでも本発明に係る対物レンズの一例である。つまり本発明に係る対物レンズは、各実施例の具体的数値構成に限定されるものではない。例えば、光情報記録再生装置の対物光学系を構成するレンズ等の光学素子の数は複数であっても良い。また、本発明に係る光学素子は、片側一面のみならず両面に段差構造を設けることができる。
また、三波長互換作用で調整される球面収差の値は、0でなくてもよく、設計者が任意に設定することが可能である。同様に波長ずれ補償作用でも波長ずれに起因して変化する球面収差を必ずしも打ち消す作用を与える必要はなく、球面収差の変化の度合いは設計者が任意に設定することができる。
本発明の実施形態の光情報記録再生装置の概略構成を表す模式図である。 本発明の実施形態の光情報記録再生装置を各光ディスク使用時における光路ごとに分けて示す図である。 従来の対物レンズの一面に設けられた段差構造の拡大図である。 図4(a)は、実施例1の対物レンズにおいて、幅狭輪帯に対する補償を行う前の参考光路差関数を示す。図4(b)は、該対物レンズの第一面に実際に施される段差構造を規定する参考光路差関数を示す。 実施形態の、幅狭輪帯に対する補償を行った段差構造が施された対物レンズの第一面の一部を拡大して示す図である。
符号の説明
1A、1B、1C 光源
10 対物レンズ
D1〜D3 光ディスク
100 光情報記録再生装置

Claims (11)

  1. 記録密度の異なる複数の光ディスクに対して第一から第三の波長を持つ三種類の光束を使い分けることにより、各光ディスクに対する情報の記録または再生を行う光情報記録再生装置に用いられる光学素子であって、
    前記第一から第三の波長を、それぞれλ1、λ2、λ3、とすると、
    λ1<λ2<λ3
    であり、
    少なくとも一方の面に、同心状の複数の屈折面と、互いに隣り合う前記屈折面間に形成される段差と、を有する段差構造を有しており、
    前記段差は、互いに異なる光路長変化量を付与する第一の段差、第二の段差および、前記第一の段差と前記第二の段差で付与される各光路長変化量の和または差で求められる光路長変化量を付与する特殊段差であり、
    前記特殊段差と前記特殊段差に隣接する段差との間の輪帯幅が、前記第一の波長の10倍以上であることを特徴とする光情報記録再生装置用光学素子。
  2. 請求項1に記載の光情報記録再生装置用光学素子において、
    前記第一の段差は、前記第一の波長の光束に対して光路長変化量L1を付与し、
    前記第二の段差は、前記第一の波長の光束に対して光路長変化量L2(ただし、|L1|<|L2|)を付与し、
    前記第一の段差と前記第二の段差が、以下の条件、
    L1×L2<0
    を満たす場合、前記特殊段差は、前記第一の波長の光束に対して、絶対値が|L2|−|L1|で求められる光路長変化量を付与することを特徴とする光情報記録再生装置用光学素子。
  3. 請求項1に記載の光情報記録再生装置用光学素子において、
    前記第一の段差は、前記第一の波長の光束に対して光路長変化量L1を付与し、
    前記第二の段差は、前記第一の波長の光束に対して光路長変化量L2(ただし、|L1|<|L2|)を付与し、
    前記第一の段差と前記第二の段差が、以下の条件、
    L1×L2>0
    を満たす場合、前記特殊段差は、前記第一の波長の光束に対して、絶対値が|L2|+|L1|で求められる光路長変化量を付与することを特徴とする光情報記録再生装置用光学素子。
  4. 前記光学素子は、前記光情報記録再生装置の対物レンズであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の光情報記録再生装置用光学素子。
  5. 記録密度の異なる複数の光ディスクに対して、それぞれ第一、第二、第三の波長を持つ三種類の光束を使い分けることにより、各光ディスクに対する情報の記録または再生を行う光情報記録再生装置において、
    前記第一の波長の光束を用いて情報の記録または再生が行われる第一の光ディスクの保護層厚をt1、前記第二の波長の光束を用いて情報の記録または再生が行われる第二の光ディスクの保護層厚をt2、前記第三の波長の光束を用いて情報の記録または再生が行われる第三の光ディスクの保護層厚をt3、とすると、
    t1≦t2<t3
    であり、
    前記第一の光ディスクに対する情報の記録または再生に必要な対物レンズの開口数をNA1、前記第二の光ディスクに対する情報の記録または再生に必要な対物レンズの開口数をNA2、前記第三の光ディスクに対する情報の記録または再生に必要な対物レンズの開口数をNA3、とすると、
    NA1>NA3、かつNA2>NA3
    であり、
    請求項1から請求項4のいずれかに記載の光学素子を有することを特徴とする光情報記録再生装置。
  6. 請求項5に記載の光情報記録再生装置において、
    前記段差構造は、前記第三の波長の光束を前記第三の光ディスクの記録面上に収束させる、光軸を含む第一の領域と、前記第一の領域の外側に、前記第一の波長の光束、および前記第二の波長の光束を、それぞれ前記第一の光ディスクおよび前記第二の光ディスクの記録面上に収束させ、かつ前記第三の波長の光束の収束には寄与しない第二の領域を有することを特徴とする光情報記録再生装置。
  7. 請求項6に記載の光情報記録再生装置において、
    前記第一の光ディスクに対する情報の記録または再生時における焦点距離をf1、前記第二の光ディスクに対する情報の記録または再生時における焦点距離をf2、とすると、
    f1×NA1>f2×NA2
    の関係を満たし、
    かつ、前記段差構造は、前記第二の領域の外側に、前記第一の波長の光束のみを前記第一の光ディスクの記録面上に収束させ、かつ前記第二の波長の光束の収束には寄与しない第三の領域を有することを特徴とする光情報記録再生装置。
  8. 請求項6に記載の光情報記録再生装置において、
    前記第一の光ディスクに対する情報の記録または再生時における焦点距離をf1、前記第二の光ディスクに対する情報の記録または再生時における焦点距離をf2、とすると、
    f1×NA1<f2×NA2
    の関係を満し、
    かつ、前記段差構造は、前記第二の領域の外側に、前記第二の波長の光束のみを前記第二の光ディスクの記録面上に収束させ、かつ前記第一の波長の光束の収束には寄与しない第三の領域を有することを特徴とする光情報記録再生装置。
  9. 請求項5から請求項8のいずれかに記載の光情報記録再生装置において、
    前記段差構造を有する光学素子に入射する前記第一から第三の波長の光束が、全て略平行光束であることを特徴とする光情報記録再生装置。
  10. 記録密度の異なる複数の光ディスクに対して第一から第三の波長を持つ三種類の光束を使い分けることにより、各光ディスクに対する情報の記録または再生を行う光情報記録再生装置に用いられる光学素子の設計方法であって、
    前記第一から第三の波長を、それぞれλ1、λ2、λ3、とすると、
    λ1<λ2<λ3
    であり、
    少なくとも一方の面に、同心状の複数の屈折面と、互いに隣り合う屈折面間に形成される段差と、を有する段差構造を有し、
    前記段差構造の設計工程は、前記段差構造を少なくとも二種類の光路差関数で定義する工程と、各光路差関数に基づき算出された複数の段差のうち、互いに隣接する二つの段差の組であって、各段差の位置差が前記第一の波長の10倍より小さい組の少なくとも一つについて、該組の少なくとも一方の段差の位置をコントロールすることにより、前記位置差を略0にして特殊段差を設定する工程と、を含むことを特徴とする光情報記録再生装置用光学素子の設計手法。
  11. 請求項10に記載の光情報記録再生用光学素子の設計方法において、
    前記段差構造の前記設計工程は、各段差で付与される光路長変化量の符号が異なる前記組について適用されることを特徴とする光情報記録再生装置用光学素子の設計方法。
JP2006145220A 2006-05-25 2006-05-25 光情報記録再生装置用光学素子、光情報記録再生装置および光情報記録再生装置用光学素子の設計方法 Withdrawn JP2007317295A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006145220A JP2007317295A (ja) 2006-05-25 2006-05-25 光情報記録再生装置用光学素子、光情報記録再生装置および光情報記録再生装置用光学素子の設計方法
US11/752,386 US7872958B2 (en) 2006-05-25 2007-05-23 Optical information recording/reproducing device, optical element for the same, and design method of the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006145220A JP2007317295A (ja) 2006-05-25 2006-05-25 光情報記録再生装置用光学素子、光情報記録再生装置および光情報記録再生装置用光学素子の設計方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007317295A true JP2007317295A (ja) 2007-12-06

Family

ID=38749363

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006145220A Withdrawn JP2007317295A (ja) 2006-05-25 2006-05-25 光情報記録再生装置用光学素子、光情報記録再生装置および光情報記録再生装置用光学素子の設計方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US7872958B2 (ja)
JP (1) JP2007317295A (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110633775B (zh) * 2016-11-19 2023-02-03 哈尔滨理工大学 信息编码内层装置

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005032411A (ja) * 2003-06-17 2005-02-03 Pentax Corp 光ピックアップ用対物レンズおよび光ピックアップ装置
WO2006040902A1 (ja) * 2004-10-08 2006-04-20 Pioneer Corporation 回折光学素子、対物レンズモジュール、光ピックアップ及び光情報記録再生装置

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3794229B2 (ja) 1999-01-22 2006-07-05 コニカミノルタホールディングス株式会社 光ピックアップ装置、この光ピックアップ装置を備えた記録再生装置、情報の記録再生方法、及び光ピックアップ装置用対物レンズ
US6771435B2 (en) * 2000-10-02 2004-08-03 Konica Corporation Optical element, metal die, and cutting tool
US7206276B2 (en) * 2001-10-12 2007-04-17 Konica Corporation Objective lens, optical element, optical pick-up apparatus and optical information recording and/or reproducing apparatus equipped therewith
ATE450601T1 (de) * 2003-09-19 2009-12-15 Univ Keio Zusammensetzung für die beschichtung eines trägers zur herstellung einer zellage, träger zur herstellung einer zellage und verfahren zur herstellung einer zellage
JP4254549B2 (ja) 2004-01-16 2009-04-15 日本ビクター株式会社 光ピックアップ装置及び回折光学素子
US7821906B2 (en) 2004-06-21 2010-10-26 Hoya Corporation Objective lens for optical pick-up
US7839751B2 (en) * 2005-02-14 2010-11-23 Hoya Corporation Objective lens and optical system for optical pick-up
CN101685647B (zh) * 2005-03-08 2012-05-23 柯尼卡美能达精密光学株式会社 物镜
US7742370B2 (en) * 2005-05-23 2010-06-22 Hoya Corporation Objective lens and optical information read/write device

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005032411A (ja) * 2003-06-17 2005-02-03 Pentax Corp 光ピックアップ用対物レンズおよび光ピックアップ装置
WO2006040902A1 (ja) * 2004-10-08 2006-04-20 Pioneer Corporation 回折光学素子、対物レンズモジュール、光ピックアップ及び光情報記録再生装置

Also Published As

Publication number Publication date
US20070274190A1 (en) 2007-11-29
US7872958B2 (en) 2011-01-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4562645B2 (ja) 光学素子の設計方法および光情報記録再生装置
JP4465200B2 (ja) 光ピックアップ装置および光ピックアップ用対物レンズ
JP4850013B2 (ja) 光情報記録再生装置および光情報記録再生装置用対物レンズ
US8699312B2 (en) Optical information recording/reproducing apparatus and objective optical system for the same
JP2009146484A (ja) 光情報記録再生装置用対物レンズおよび光情報記録再生装置
JP2007334952A (ja) 光情報記録再生装置用対物レンズ
JP4828303B2 (ja) 光情報記録再生装置用対物レンズおよび光情報記録再生装置
JP2009252309A (ja) 光情報記録再生装置用対物レンズ、および光情報記録再生装置
JP4170231B2 (ja) 光ディスク用対物レンズ
JP2009199707A (ja) 光情報記録再生装置用対物光学系、および光情報記録再生装置
JP4274429B2 (ja) 光ピックアップ用対物レンズおよび光ピックアップ装置
JP2009093782A (ja) 光情報記録再生装置用対物光学系および光情報記録再生装置
JP4328562B2 (ja) 光ピックアップ用対物レンズおよび光ピックアップ装置
JP4849979B2 (ja) 光情報記録再生装置用対物レンズおよび光情報記録再生装置
JP4443501B2 (ja) 光情報記録再生装置用対物レンズ
JP2009070545A (ja) 光ピックアップ装置
JP2009070547A (ja) 光情報記録再生装置用対物光学系および光情報記録再生装置
JP4981560B2 (ja) 光ピックアップ装置
JP2007317295A (ja) 光情報記録再生装置用光学素子、光情報記録再生装置および光情報記録再生装置用光学素子の設計方法
JP4384555B2 (ja) 光ピックアップ用対物レンズおよび光ピックアップ装置
JP2006147126A (ja) 位相補償板つきピックアップレンズ及びそれを用いた光ピックアップ装置
JP4504875B2 (ja) 光ピックアップ用対物レンズおよび光ピックアップ装置
JP4443368B2 (ja) 対物レンズ
JP5097353B2 (ja) 光ピックアップレンズ及び光ピックアップ装置
JP5149461B1 (ja) ピックアップレンズ及びこれを含むユニット

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20080424

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090413

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101227

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20110209