JP2007317271A - データ記憶装置及びそのリード処理におけるエラー処理方法 - Google Patents

データ記憶装置及びそのリード処理におけるエラー処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】データ・アドレス・マーク検出エラーに効果的に対応する。
【解決手段】本発明の一つの実施形態において、データ・セクタは複数のデータ・アドレス・マークを備えており、RWチャネル21は、その内の一部のデータ・アドレス・マークを使用してデータ・セクタの読み出しを行う。スプリット・セクタにおいて、各分離セクションが二つのデータ・アドレス・マークを有し、RWチャネル21はそのうちに一方を使用する。使用するデータ・アドレス・マークは、レジスタ221で指定される。データ・アドレス・マークの検出エラーが起きると、その位置が、レジスタ222に格納される。エラー回復処理部234は、そのエラー位置から、次のリトライ使用するデータ・アドレス・マークを、レジスタ221に格納する。
【選択図】図4

Description

本発明はデータ記憶装置及びそのリード処理におけるエラー処理方法に関し、特に、データ・セクタに複数のデータ・アドレス・マークを含むメディアからのリード処理に関する。
データ記憶装置として、光ディスク、磁気テープあるいは半導体回路などの様々な態様のメディアを使用する装置が知られているが、その中で、ハードディスク・ドライブ(HDD)は、コンピュータの記憶装置として広く普及し、現在のコンピュータ・システムにおいて欠かすことができない記憶装置の一つとなっている。さらに、コンピュータにとどまらず、動画像記録再生装置、カーナビゲーション・システム、携帯電話、あるいはデジタル・カメラなどで使用されるリムーバブルメモリなど、HDDの用途は、その優れた特性により益々拡大している。
HDDで使用される磁気ディスクは、同心円状に形成された複数のトラックを有している。各トラックには、アドレス情報を有する複数のサーボ・データとユーザ・データを含むデータ・セクタとが記録されている。ヘッド素子部がサーボ・データのアドレス情報に従って所望のデータ・セクタにアクセスすることによって、データ・セクタへのデータ書き込み及びデータ・セクタからのデータ読み出しを行うことができる。
データ・セクタは、そのユーザ・データの開始位置を示すデータ・アドレス・マークを有している。データ・アドレス・マークが検出できない場合、そのデータ・セクタのユーザ・データを読み出すことができないため、一つのデータ・セクタが複数のデータ・アドレス・マークを有するフォーマットが知られている(例えば、特許文献1を参照)。最初のデータ・アドレス・マークが検出できない場合、その後のデータ・アドレス・マークを使用して読み出すと共に、データ訂正処理を行うことによって、そのデータ・セクタのユーザ・データを読み出すことができる。
特開平10−255400号公報
一つのデータ・セクタがサーボ・データによって、2もしくはそれ以上のセクションに分離されることがある。このようなデータ・セクタは、一般にスプリット・セクタと呼ばれる。2つのデータ・アドレス・マークを使用するHDDは、スプリット・セクタの各セクションにおいて2つのデータ・アドレス・マークを有する。各セクションのユーザ・データ読み出しにおいて、そこに含まれる一方のデータ・アドレス・マークが使用される。
上記特許文献のように、チャネル回路が自動的に、エラーを起こしたデータ・アドレス・マークと異なるデータ・アドレス・マークを使用してデータの読み出し処理を続行する場合と異なり、予め指定されたデータ・アドレス・マークのみを使用してセクタのリード処理を行うチャネル回路が存在する。このように、指定されたデータ・アドレス・マークを使用するチャネル回路の場合、データ・アドレス・マークの検出エラーが起きると、そのデータ処理を停止する。コントローラは、次のリトライで使用するデータ・アドレス・マークをチャネル回路に指示することが必要となる。上述のように2セクションに分離されている場合、スプリット・セクタは4つのデータ・アドレス・マークを有する。データ・アドレス・マークの検出エラーが起きた場合、コントローラは、エラーが起きたデータ・アドレス・マークとは異なるデータ・アドレス・マークをチャネル回路に指示することが必要である。
しかし、コントローラがデータ・アドレス・マークの検出エラーという情報しか得られない場合、コントローラは、最大3回のリトライを行うことが必要とされる。具体例を説明する。スプリット・セクタの第1セクションが第1及び第2データ・アドレス・マークを有し、第2セクションが第3及び第4データ・アドレス・マークを有するとする。また、デフォルトとして、第1及び第3データ・アドレス・マークをチャネル回路が使用する。
データ・アドレス・マーク検出エラーが起きると、コントローラは、第1及び第4データ・アドレス・マーク、第2及び第4データ・アドレス・マーク、第2及び第3データ・アドレス・マークの3通りの組み合わせを順にリトライする。従って、ワースト・ケースにおいて、コントローラは、3回のリトライを行うことになる。
また、HDDの容量を向上させるため、1データ・セクタのデータ・サイズを増加することが提案されている。現在の1データ・セクタのサイズは512バイトであるが、これを拡張することによって、ユーザ・データ以外のデータ量を減少させ、より多くのユーザ・データを磁気ディスクが記憶することができる。具体的には、1データ・セクタのデータ・サイズを、4Kバイトにすることが提案されている。
このように、1データ・セクタのデータ・サイズが増大すると、1スプリット・セクタのセクション数が増加し、それに従ってデータ・アドレス・マークの数が増加する。データ・アドレス・マークの増加は、その検出エラーに対するリトライ処理におけるデータ・アドレス・マークの組み合わせの増加となり、リトライ処理遅延の原因となりうる。
本発明の第1の態様は、ユーザ・データが記録されているメディアから、ユーザ・データを読み出すデータ記憶装置である。データ記憶装置は、チャネル回路と、リード処理を制御するコントローラとを備える。チャネル回路は、データ・セクタのリード処理において、そのデータ・セクタ内に含まれる異なる位置のデータ・アドレス・マークの内の一部を使用してユーザ・データの開始位置を特定し、前記ユーザ・データのデータ処理を行う。コントローラは、前記リード処理において前記チャネル回路による前記一部のデータ・アドレス・マークの検出においてエラーが起きた場合に、検出エラーを起こしたことを特定されたデータ・アドレス・マークの位置に基づいたエラー処理を行う。検出エラーを起こしたデータ・アドレス・マークの位置が特定され、その位置に基づいてエラー処理を行うことで、より効果的なエラー処理を行うことができる。
前記チャネル回路は、前記一部のデータ・アドレス・マークの検出においてエラーが起きた場合に、その出エラーを起こしたデータ・アドレス・マークの位置を特定する。さらに、前記コントローラは、前記チャネル回路から、前記位置を示すデータを取得し、そのデータを使用して前記エラー処理を実行することができる。データ・アドレス・マークを使用するチャネルがエラーを起こしたデータ・アドレス・マーク位置を特定することで、効率的にそれを行うことができる。
前記コントローラは、前記エラー処理において、前記エラーを起こしたデータ・アドレス・マークと異なる位置のデータ・アドレス・マークを、前記ユーザ・データの開始位置の特定に使用するデータ・アドレス・マークとして指定し、前記チャネル回路は、前記コントローラが指定した位置のデータ・アドレス・マークを使用して前記データ・セクタの読み出しを再度行うことができる。これによって、リトライ処理を効率化することができる。
前記データ・セクタは1もしくは複数のサーボ・データによって複数のセクションに分離され、前記各分離されたセクションが、そのセクション内に複数のデータ・アドレス・マークを含み、前記チャネル回路は、前記各セクションにおいてその複数のデータ・アドレス・マークの内の一部のデータ・アドレス・マークを使用してユーザ・データの開始位置を特定してそのユーザ・データのデータ処理を行うことができる。スプリット・セクタにおいてデータ・アドレス・マークの検出エラーが起きた場合に、効果的に対応することができる。さらに、前記コントローラは、前記エラー処理において、エラーを起こしたデータ・アドレス・マークと同一セクションにおける異なる位置のデータ・アドレス・マークを、そのセクションにおける前記ユーザ・データの開始位置の特定に使用するデータ・アドレス・マークとして指定する。さらに、前記チャネル回路は、前記コントローラが指定した位置のデータ・アドレス・マークを使用して前記データ・セクタの読み出しを再度実行することができる。これによって、リトライ処理を効率化することができる。
あるいは、前記コントローラから前記チャネル回路に出力され、セクション毎に変化するリード制御信号の1データ・セクタ内における前記変化の回数に基づいて、前記検出エラーを起こしたデータ・アドレス・マークの位置を特定することができる。これによって簡便な構成によって、データ・アドレス・マークのエラー位置を特定することができる。さらに、前記チャネル回路は、前記リード制御信号の前記変化の回数をカウントするカウンタを備え、そのカウント数に従って前記検出エラーを起こしたデータ・アドレス・マーク位置を特定し、前記コントローラは、前記チャネル回路から、前記データ・アドレス・マークの位置を示すデータを取得し、そのデータを使用して前記エラー処理を実行することができる。これによって簡便な構成によって、データ・アドレス・マークのエラー位置を特定することができる。
前記コントローラは、前記検出エラーを起こしたデータ・アドレス・マークの位置に基づいて、前記ユーザ・データのエラー訂正処理を実行することができる。これによって、エラー訂正能力を上げ、効率的なエラー訂正処理を行うことができる。
前記チャネル回路は、さらに、前記検出エラーを起こしたデータ・アドレス・マークと異なるデータ・アドレス・マークの検出エラーの有無をサーチすることが好ましい。これによって、検出エラーを起こすデータ・アドレス・マークの特定を効率的に行うことができる。さらに、前記チャネル回路は、前記検出エラーを起こしたデータ・アドレス・マークを含むデータ・セクタの読み出しを再度実行して、前記検出エラーを起こしたデータ・アドレス・マークと異なるデータ・アドレス・マークの検出エラーの有無をサーチすることが好ましい。これによって、通常のリード処理と検出エラーを起こすデータ・アドレス・マークの特定処理とに適した制御を行うことができる。
本発明の他の態様は、ユーザ・データが記録されているメディアからのデータ・リードにおけるエラー処理方法である。その方法は、データ・セクタのリード処理において、そのデータ・セクタ内に含まれる異なる位置のデータ・アドレス・マークの内の一部を使用してユーザ・データの開始位置を特定し、読み出した前記ユーザ・データのデータ処理を行う。前記リード処理において、前記一部のデータ・アドレス・マークにおける検出エラーが起きた場合に、そのエラーを起こしたデータ・アドレス・マークの位置を特定する。そして、前記特定されたデータ・アドレス・マークと異なる位置のデータ・アドレス・マークを使用して、前記データ・セクタ読み出しのリトライを行う。特定されたデータ・アドレス・マークと異なる位置のデータ・アドレス・マークを使用して、前記データ・セクタ読み出しのリトライを行うことによって、リトライ処理を効率化することができる。
本発明によれば、データ・セクタのリード処理において、データ・アドレス・マーク検出エラーに対応した効果的なエラー処理を行うことができる。
以下に、本発明を適用可能な実施の形態を説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略及び簡略化がなされている。又、各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略されている。
本実施形態は、ユーザ・データの記録単位であるデータ・セクタにおいて、ユーザ・データ位置を特定するデータ・アドレス・マークの検出に関する。データ・セクタは、複数のデータ・アドレス・マークを備えており、その内の一部のデータ・アドレス・マークを使用してデータ・セクタの読み出しを行う。データ・アドレス・マークの検出ができない場合、その検出できないデータ・アドレス・マーク位置を特定し、そのエラー位置の情報を使用してエラー処理を行う。
以下においては、データ記憶装置の一例であるハードディスク・ドライブ(HDD)を例として、本発明の実施形態を説明する。本実施形態の特徴点の理解を容易とするため、最初に、HDDの全体構成を説明する。図1は、本実施の形態に係るHDD1の全体構成を模式的に示すブロック図である。図1に示すように、HDD1は、エンクロージャ10内に、メディア(記録媒体)の一例である磁気ディスク11、ヘッド素子部12、アーム電子回路(アームエレクトロニクス:AE)13、スピンドル・モータ(SPM)14、ボイス・コイル・モータ(VCM)15、そしてアクチュエータ16を備えている。
HDD1は、エンクロージャ10の外側に固定された回路基板20を備えている。回路基板20上には、リード・ライト・チャネル(RWチャネル)21、モータ・ドライバ・ユニット22、ハードディスク・コントローラ(HDC)とMPUの集積回路(以下、HDC/MPU)23及び半導体メモリの一例であるRAM24などの各ICを備えている。尚、各回路構成は一つのICに集積すること、あるいは、複数のICに分けて実装することができる。
SPM14は、そこに固定されている磁気ディスク11を、所定の角速度で回転する。HDC/MPU23からの制御データに従って、モータ・ドライバ・ユニット22がSPM14を駆動する。本例の磁気ディスク11は、データを記録する記録面を両面に備え、各記録面に対応するヘッド素子部12が設けられている。
各ヘッド素子部12はスライダ(不図示)に固定されている。また、スライダはアクチュエータ16に固定されている。アクチュエータ16はVCM15に連結され、回動軸を中心に回動することによって、ヘッド素子部12(及びスライダ)を磁気ディスク11上において半径方向に移動する。モータ・ドライバ・ユニット22は、HDC/MPU23からの制御データに従ってVCM15を駆動する。ヘッド素子部12には、典型的には、ライト・データに応じて電気信号を磁界に変換するライト素子及び磁気ディスク11からの磁界を電気信号に変換するリード素子を備えている。なお、磁気ディスク11は、1枚以上あればよく、記録面は磁気ディスク11の片面あるいは両面に形成することができる。また、本発明をリード素子のみを備えるデータ記憶装置に適用することができる。
AE13は、複数のヘッド素子部12の中からデータ・アクセスが行われる1つのヘッド素子部12を選択し、選択されたヘッド素子部12により再生される再生信号を一定のゲインで増幅(プリアンプ)し、RWチャネル21に送る。また、RWチャネル21からの記録信号を選択されたヘッド素子部12に送る。
チャネル回路の一例であるRWチャネル21は、ライト処理において、HDC/MPU23から供給されたライト・データをコード変調し、更にコード変調されたライト・データをライト信号に変換してAE13に供給する。リード処理において、RWチャネル21はAE13から供給されたリード信号を一定の振幅となるように増幅し、取得したリード信号からデータを抽出し、デコード処理を行う。読み出されるデータは、ユーザ・データとサーボ・データを含む。デコード処理されたリード・データは、HDC/MPU23に供給される。本形態のRWチャネル21は、リード処理における、データ・セクタ内のデータ・アドレス・マークの使用にその特徴点を有する。この点については、後に詳述する。
HDC/MPU23において、MPUはRAM24にロードされたマイクロ・コードに従って動作する。HDD1の起動に伴い、RAM24には、MPU上で動作するマイクロ・コードの他、制御及びデータ処理に必要とされるデータが磁気ディスク11あるいはROM(不図示)からロードされる。HDCはロジック回路として構成され、MPUと一体的に様々な処理を実行する。例えば、HDC/MPU23は、コマンド実行順序の管理、ヘッド素子部12のポジショニング制御、インターフェース制御、ディフェクト管理などのデータ処理に関する必要な処理の他、HDD1の全体制御を実行する。本形態のHDC/MPU23は、リード処理におけるデータ・アドレス・マーク検出エラーが起きた場合に、それに対応したエラー処理にその特徴を有する。その点については後に詳述する。
HDC/MPU23は、RWチャネル21から取得した磁気ディスク11からのリード・データを、ホスト51に転送する。磁気ディスク11からのリード・データは、RAM24内のリード・バッファに一旦格納された後、HDC/MPU23を介してホスト51に転送される。また、ホスト51からのライト・データは、HDC/MPU23を介して、RAM24内のライト・バッファに一旦格納され、その後、所定のタイミングでHDC/MPU23を介して磁気ディスク11に転送される。
図2を参照して、磁気ディスク11上の記録データについて説明する。図2は、磁気ディスク11の記録面の記録データの状態を模式的に示している。磁気ディスク11の記録面には、磁気ディスク11の中心から半径方向に放射状に延び、所定の角度毎に形成された複数のサーボ領域111と、隣り合う2つのサーボ領域111の間にデータ領域112が形成されている。サーボ領域111とデータ領域112は、所定の角度で交互に設けられている。各サーボ領域111には、ヘッド素子部12の位置決め制御を行うためのサーボ・データが記録される。各データ領域112には、ユーザ・データが記録される。
磁気ディスク11の記録面には、半径方向の所定幅を有し、同心円状に形成された複数本のデータ・トラック113が形成されている。ユーザ・データは、データ・トラック113に沿って記録される。また、磁気ディスク11の記録面上には、同心円状に形成された複数のサーボ・トラックが形成されており、各サーボ・トラックは同一半径位置の各サーボ領域111によって構成されている。サーボ・トラック・ピッチとデータ・トラック・ピッチとは、同一もしくは異なる。
各データ・トラック113において、ユーザ・データは、データ・セクタ単位で記録されている。データ・セクタのデータ・フォーマットについては、後に詳述する。また、データ・トラック113は、磁気ディスク11の半径方向の位置に従って、複数のゾーン114a−114cにグループ化されている。1つのデータ・トラック113に含まれるセクタの数は、ゾーンのそれぞれに設定される。
図3はデータ・トラック記録されているデータの物理フォーマットを模式的に示す図である。本例において、データ・トラック113は、複数のデータ・セクタ(SECTOR)を備え、図3においては、4つのデータ・セクタ131a−131dが例示されている。また、各データ・セクタもしくは一つのデータ・セクタを分離するように、一定の間隔サーボ・データ(SRV)132が配置されている。図3においては、2つのサーボ・データ132a、132bが例示されている。
データ・トラック113におけるデータ・セクタ131は、二つのタイプに分類することができる。一つは、サーボ・データ132によって分離されているスプリット・セクタ、もう一つは、分離されていない通常のデータ・セクタ(非スプリット・セクタ)である。図3の例においては、データ・セクタ131a−131cは、サーボ・データ132に分離されておらず、通常のデータ・セクタである。一方、データ・セクタ113dは、サーボ・データ132bによって分離されており、スプリット・セクタである。
図3に示すように、非スプリット・セクタとスプリット・セクタとは、異なるデータ・フォーマットを持つ。図3は、非スプリット・セクタとして、データ・セクタ131bのデータ・フォーマットを示している。本例のデータ・セクタ131bは、二つのデータ・アドレス・マーク(Data Address Mark:DAM)を備えている。以下、データ・アドレス・マークをDAMと記載する。1データ・セクタが複数のDAMを有するので、一つのDAMにて検出エラーを起こしても、他のDAMを使用することで、ユーザ・データを読み出すことができる。
データ・セクタ131bは、具合的には、シンク(SYNC)311a、第1DAM312a、第1ユーザ・データ・セクション313a、第2DAM312b、第2ユーザ・データ・セクション313b、CRCC(Cyclic Redundancy Check Code)314及びECCコード(ECC:Error Correction Code)315を備えている。シンク311は一定周波数の信号であって、RWチャネル21のPLL回路は、それに同期するように働く。また、RWチャネル21のVGA(Variable Gain Amplifier)は、シンク311を入力とするその出力振幅が期待値になるように、そのゲインを調整する。
誤り訂正のために付加されるコードは、図3の例において、CRCC314、ECC315である。CRCC314及びECC315は、磁気ディスク11へのデータの記録における誤り訂正のために付加される。HDC/MPU23は、ECC315を使用して、読み出したデータのエラー訂正処理を実行する。また、HDC/MPU23は、ECCコード315からまれな確率で起こる誤検出を防止するため、CRCC314を誤り訂正の検証に使用する。ECC315及びCRCC314の生成のため、典型的には、リードソロモン符号が使用される。ユーザ・データのECC処理については、後に説明する。
上述のように、データ・セクタ131bは、複数のDAMを備えている。データ・セクタ131bは、第1ユーザ・データ・セクション313aの前に第1DAM312aを有する。さらに、第2ユーザ・データ・セクション313bの前に第2DAM312bを有する。第1及び第2ユーザ・データ・セクション313a、313bは、ホスト51から転送されたデータである。
DAMは、ユーザ・データの始まりを示し、その後に続くユーザ・データを読み出すための同期データである。RWチャネル21は、DAMの検出を条件として、その後のユーザ・データの読み出しを行う。具体的には、RWチャネル21は、第1DAM312aと第2DAM312bの内の一方を使用して、データ・セクタ131bの読み出し処理を行う。RWチャネル21における第1DAM312a及び第2DAM312bの使用方法については、後に詳述する。
スプリット・セクタ131dは、サーボ・データ132bによって二つのセクタ・セクション131e、131fに分離されている。サーボ・データ132bの直前に第1セクタ・セクション131eが、サーボ・データ132bの直後に第2セクタ・セクション131fが存在する。第1及び第2セクタ・セクション131e、131fのそれぞれが、シンク、二つDAM及びユーザ・データ・セクションを有し、スプリット・セクタ131dは4つのDAM及びユーザ・データ・セクションを有する。
具体的には、第1セクタ・セクション131eは、シンク311a、第1DAM312a、第1ユーザ・データ・セクション313a、第2DAM312b、第2ユーザ・データ・セクション313bを有する。第2セクタ・セクション131fも同様に、シンク311b、第1DAM316a、第1ユーザ・データ・セクション317a、第2DAM316b、第2ユーザ・データ・セクション317bを有する。第2セクタ・セクション131fは、さらに、CRCC314、ECC315を有する。
第1セクタ・セクション131eの読み出しにおいて、そこに含まれる第1及び第2DAM312a、312bの一方が使用される。また、第2セクタ・セクション131fの読み出しにおいて、そこに含まれる第1及び第2DAM316a、316bの一方が使用される。エラー訂正処理は、スプリット・セクタ131d全体として行われ、最後のセクタ・セクションである第2セクタ・セクション131fのみが、ECC315及びCRCC314を有している。
図4は、本形態におけるHDD1において、リード処理に関連する論理構成を模式的に示すブロック図である。図4に示すように、RWチャネル21は、磁気ディスク11からのデータ読み出し処理を実行するデータ処理部210と、データ処理部210のデータ読み出し処理及びRWチャネル21の全体を制御するチャネル制御部220とを有している。
図5は、データ処理部210におけるデータ・セクタのリード処理に関連する構成を模式的に示している。データ処理部210は、可変ゲイン・アンプ(VGA)211、波形等化フィルタ212、ADコンバータ213、FIRフィルタ214、ビタビ復号器215、復調器216及びシリアル−パラレル変換器217などを有している。AE13からのリード信号は、AGC(Auto Gain Control)を構成する可変ゲイン・アンプ(VGA)211を介して、波形等化フィルタ212に入力される。波形等化フィルタ212は、入力アナログ信号からのノイズ除去及び信号波形をスリミングする波形等化処理を行う。波形等化された信号は、ADコンバータ213によるサンプリング及び量子化によってデジタル信号に変換され、FIRフィルタ214に入力される。
FIRフィルタ214は、デジタル信号のトランスバーサル等化処理を行う。具体的には、FIRフィルタ214は正確にデータを復元するために入力波形を整形し、入力波形を目標波形に等化する。ビタビ復号器215は、FIRフィルタ214で等化された波形をPRML(Partial Response Maximum Likelihood)処理回路で処理し、RLL(Run Length Limited)信号を出力する。ビタビ復号器215は、所定のアルゴリズムに従って、入力されたデータ列における前後関係から、最も確からしいデータ列を決定する。復調器216は、ビタビ復号器215が復号したRLL信号を元信号に復調する。復調されたシリアルデータは、シリアル−パラレル変換器217によってパラレルデータに変換され、HDC/MPU23に転送される。
本形態のHDD1は、DAMを使用したユーザ・データのリード処理制御にその特徴を有している。図3及び図4を参照して、データ・セクタ131bの通常リード処理について説明する。コマンド実行部231は、ホスト51からのリード・コマンドに従って、リード処理を制御する。具体的には、コマンド実行部231はチャネル制御部220にリード制御信号READ_GATEを出力し、それをアクティブにすることで、RWチャネル21をリード・モードにセットする。そしてコマンド実行部231がデータ・セクタの読み出しを指示する。つまり、リード制御信号READ_GATEがアクティブの場合、データ処理部210は、AE13からの読み出し信号を取り込み、所定の信号処理及び符号処理を実行する。
データ処理部210は、レジスタ221に格納されているデータを参照し、それが特定するDAMをリード・データ処理のために使用する。本例は、第1DAM312aを、予め使用する設定とする。データ処理部210は、第1DAM312aを検出すると、それによって第1ユーザ・データ・セクション313aの開始位置を特定し、第1及び第2ユーザ・データ・セクション313a、313b及びのデータ処理を実行する。
データ処理部210は処理したリード・データを、HDC/MPU23に転送する。HDC/MPU23は、コマンド実行部231、エラー訂正部232、ホスト・インターフェース・コントローラ(HIC)233及びエラー回復処理部234として機能する。各ブロックは機能ブロックであって、ハード・ウェア及び/もしくはマイクロ・コードに従って動作するMPUが、各機能ブロックとして働く。
データ処理部210が処理したリード・データにおけるECC315及びCRCC314を使用して、エラー訂正部232が、ユーザ・データ313a、313bのエラー訂正処理を実行する。エラー訂正されたユーザ・データ313a、313bは、一旦RAM24内のバッファ241に格納された後、HIC233を介して、ホスト51へ転送される。
次に、第1DAM312aを検出できない場合のHDC/MPU23によるエラー処理について説明する。つまり、HDC/MPU23は、DAMの検出においてエラーが起きた場合に、そのエラーに対応する処理を行うコントローラとして働く。第1DAM312aを検出できない場合、データ処理部210はその結果をチャネル制御部220に通知し、データ処理を停止する。チャネル制御部220は、第1DAM312aの検出エラーをHDC/MPU23に通知する。チャネル制御部220は、さらに、レジスタ222に検出エラーを起こしたDAMの位置を特定するデータを格納する。本例では、第1DAM312aを示すデータを格納する。
通知を受けたエラー回復処理部234は、第1DAM312aに代えて第2DAM312bを使用することをRWチャネル21に指示する。具体的には、エラー回復処理部234は、レジスタ221に、第2DAM312bを特定するデータを格納する。エラー回復処理部234は、さらに、コマンド実行部231にデータ読み出しの処理実行を指示する。
コマンド実行部231は、ヘッド素子部12がデータ・セクタ131bの上に着いたタイミングで、リード制御信号READ_GATEをアクティブにする。そしてチャネル制御部220からの指示に従って、データ処理部210は読み出したデータ・セクタ131bのデータ処理を行う。先の工程と異なり、データ処理部210は、第2DAM312bを使用して読み出したデータの処理を行う。具体的には、データ処理部210は、第2DAM312bを検出すると、それを基準として第2ユーザ・データ・セクション313b、CRCC313及びECC314の信号処理を行う。
データ処理部210は、読み出すことができなかった第1ユーザ・データ・セクション313aに相当する部分は、予め定められた特定のデータを埋め込む。データ処理部210で処理されたリード・データは、エラー訂正部232に転送される。エラー訂正部232は、特定のデータが埋め込まれた部分を含むデータについて、エラー訂正処理を実行する。エラー訂正されたデータは、その後、上述のようにRAM24のバッファ241を経由してホスト51に転送される。
続いて、スプリット・セクタ131dのリード処理について説明する。スプリット・セクタ131dの通常リード処理は、基本的には、上記データ・セクタ131bの通常リード処理を2回繰り返す。つまり、データ処理部210は、第1セクタ・セクション113eのデータ処理のために予め第1DAM312aを使用するように設定している。また、データ処理部210は、第2セクタ・セクション113fのデータ処理のためにその第1DAM316aを使用する。他の処理は、上記データ・セクタ131bの処理と実質的に同様であり、説明を省略する。
次に、スプリット・セクタ131dにおいて、DAM検出エラーが発生した場合のエラー回復処理について説明する。エラー回復処理部234は、DAM検出エラーに対するエラー処理の一例である、リトライ処理を実行する。
上述のように、RWチャネル21は、予め指定されたDAMを使用して、リード・データの処理を実行する。上記例のように、一つのデータ・セクタが二つのDAM312a、312bしか有しない場合、DAM312aの検出エラーが発生しても、エラー回復処理部234が次に指定すべきは他のDAM312bの一つであるので、1回のリトライ処理でデータを読み出すことができる。
しかし、スプリット・セクタ131dは、4つのDAM312a、312b、316a、316bを有し、最初の処理で使用するデフォルトDAMは、DAM312a、316aの二つが存在する。この内のいずれが検出エラーを起こしたかわからない場合、エラー回復処理部234は、次のリトライ処理で使用するDAMを一意に決定することができない。つまり、次のリトライで使用するDAMとして、エラー回復処理部234は、(DAM312a、DAM316b)、(DAM312b、DAM316a)、(DAM312b、DAM316b)の三つから選択する。従って、最大3回のリトライ・ステップが必要となる。
スプリット・セクタのスプリット数(セクタ・セクション数)が増加するにつれて、さらに最大リトライ・ステップ数は増加する。例えば、一つのデータ・セクタが、2つのサーボ・データによって3つのセクションにスプリットされる場合、DAMエラー後の次の選択組み合わせとして、7つの組み合わせが考えられる。一般に、サーボ・データに割り込まれる回数をNとすると、2×N−1の組み合わせが考えられる。このように、複数DAMのうちに一部の複数DAMを使用してデータ・セクタを読み出す場合、検出エラーを起こしたDAM位置が特定されないと、多数回のリトライが必要とされる。
上述のRWチャネル21は、DAMエラーを検出すると、そのエラーを起こしたDAMを特定する。HDC/MPU23は、RWチャネル21から検出エラーを起こしたDAMを特定するデータを取得し、それを使用して次のリトライ・ステップで使用するDAMを決定する。検出エラーを起こしたDAMの情報を取得しているため、HDC/MPU23が選択すべきDAMの組み合わせの幅を小さくすることができる。
図3、4及び図6のフローチャートを参照して、スプリット・セクタ113dのDAMエラー回復処理について、具体的に説明する。一例として、第2セクタ・セクション131fの第1DAM316aの検出エラーが起きたケースを説明する。コマンド実行部231からのリード制御信号READ_GATEに従って、データ処理部210は、読み出したスプリット・セクタ113dのデータ処理を行う(S11)。具体的には、チャネル制御部220が、リード制御信号READ_GATEに従ってデータ処理部210に処理の実行を指示する。データ処理部210は、データ処理に際し、レジスタ221に格納されているデータが特定するDAMを使用する。最初の工程においては、第1DAM312a及び第1DAM316aを使用する。
データ処理部210は、第2セクタ・セクション131fの第1DAM316aのエラーを検出すると(S12)、その処理を停止し、さらに、エラーの発生とエラーが起きたDAM位置とをチャネル制御部220に知らせる。例えば、データ処理部210はDAMの検出回数をカウントするカウンタを備えており、それによって、エラーを起こしたDAM位置を特定することができる。
チャネル制御部220は、HDC/MPU23にDAMエラー発生の事実を通知すると共に、レジスタ222にエラーを起こしたDAM位置を示すデータを格納する(S13)。DAMエラーが発生すると、RWチャネル21はデータ・セクタ131dのデータ処理を停止する(S14)。エラー回復処理部234は、レジスタ222からエラーDAM位置を示すデータを取得し、それに従って、リトライ処理で使用するDAMをレジスタ221に格納する(S15)。
本例においては、レジスタ222のデータは、第2セクタ・セクション131fの第1DAM316aを示している。エラー回復処理部234は、第1セクタ・セクション131eにおいて第1DAM312aを使用し、第2セクタ・セクション131fにおいて第2DAM316bを使用することを示すデータをレジスタ221に格納する。リトライ処理において、データ処理部210は、レジスタ221を参照して、そこで指定されている第1DAM312a及び第2DAM316bを使用して、リード・データのデータ処理を行う(S16)。
なお上述の例においては、データ処理部210がエラーを起こしたDAM位置を特定するが、チャネル制御部220がそのDAM位置を特定してもよい。例えば、チャネル制御部220はタイマを備え、データ・セクタ131dの読み出しの開始からの時間を測定する。読み出し開始からデータ処理部210からのDAMエラーの通知までの時間から、いずれのDAM位置においてエラーが発生したか、特定することができる。
また、上述の例においては、DAMエラーに応答して、RWチャネル21はユーザ・データの処理を停止する。しかし、これに代えて、DAMエラーが発生してもデータ処理部210は読み出し処理を続行し、エラーを起こしたDAMよりも後ろに位置する各DAMを検出することができるかを確認してもよい。データ処理部210には、リード制御信号READ_GATEを基準として、予め設定された各DAMの検出タイミング(検出すべきタイミング)を有している。各設定タイミングは、ある程度の幅を有し、このタイミングをウィンドウと呼ぶ。データ処理部210には、各検出ウィンドウにおけるDAM検出の有無を確認することで、各DAMの検出の有無を確認することができる。
データ処理部210は、検出エラーを起こしたDAMを含むデータ・セクタもしくはセクタ・セクションの全てのDAMの検出の有無を確認する。そのデータ・セクタもしくはセクタ・セクションにおける最後のDAMの検出の有無を確認すると、データ処理を停止し、エラーの発生とエラーが起きた全てのDAM位置とをチャネル制御部220に知らせる。これによって、一回の読み出し処理において、エラーを起こすDAMを全て特定することができる。
この他、HDD1は、通常のリード処理と異なり、エラーDAMを検出するためのリードを行ってもよい。具体的には、DAMエラーが起こると、HDC/MPU23は、そのエラーを起こしたセクタもしくはセクタ・セクションについて、エラーDAMサーチのためのリードを行う。
HDC/MPU23は、エラーDAMサーチにおいて、サーボ・データのタイミングに合わせてリード制御信号READ_GATEを変化させる。これによって、各DAMの検出有無を確認するためのウィンドウの幅によって、リード制御信号READ_GATEがサーボ・データの領域に重なることを確実に避けることができる。データ処理部210は、リード制御信号READ_GATEで指定された時間内において、予め設定されたウィンドウにおける各DAMの検出の有無を確認する。
次に、検出エラーを起こしたDAM位置の特定に関する他の好ましい態様を説明する。本態用のチャネル制御部220は、検出したDAMをカウントするカウンタを備え、コマンド実行部231からのリード制御信号READ_GATEの変化に従ってカウントする。そのカウンタの値が、エラーDAM位置を特定する。チャネル制御部220は、カウント値をレジスタ222に格納する。あるいは、カウンタ自体がレジスタ222として機能する。
図7に示した例について、具体的に説明する。本例においては、一つのデータ・セクタ400が3つのサーボ・データ421a−421cによって、4つのセクタ・セクション401a−401dに分離されている。各セクタ・セクション401a−401dは、それぞれシンク411a−411d、第1及び第2DAM412a−412h、第1及び第2ユーザ・データ・セクション413a−413hを有している。また、最後のセクタ・セクション401dは、CRCC414及びECC415を有している。
まず、DAMエラーが発生せずにデータ・セクタ400のリード処理が終了する通常リード処理について説明する。データ処理部は、デフォルトとして、各セクタ・セクション401a−401dの第1DAMを使用する。通常リード処理のカウンタ値及びリード制御信号は、それぞれGOOD COUNTER及びGOOD READ_GATEで示されている。カウンタは、リード制御信号READ_GATEの立ち上がりに応答してカウントする。つまり、リード制御信号READ_GATEがアクティブになる度にカウントする。
図7に示すように、通常リード処理におけるリード制御信号GOOD READ_GATEは、各セクタ・セクション401a−401dの開始でアクティブとなり、その終了においてインアクティブとなる。セクタ・セクション401aの開始において、リード制御信号GOOD READ_GATEがアクティブとなり、カウンタGOOD COUNTERが1を示す。さらに、その後の各セクタ・セクション401b−401dの開始においてリード制御信号GOOD READ_GATEがアクティブとなり、カウンタGOOD COUNTERが2、3及び4とカウント・アップする。このデータ・セクタのリード処理におけるカウンタ値は4であり、DAMエラーが起きなかったことを示す。
一方、第2セクタ・セクション401bの第1DAM412cにおいて、検出エラーが発生した場合のカウンタ値及びリード制御信号は、それぞれDAM ERR COUNTER及びDAM ERR READ_GATEで示されている。リード制御信号DAM ERR READ_GATEは、最初の第1セクタ・セクション401aの開始でアサートされ、その終了においてネゲートされる。リード制御信号の制御は、そのデータ・セクタの直前のサーボ・データ内における特定のデータを検出したタイミングを基準に行われる。RWチャネル21は、直前のサーボ・データ内における特定データを検出したタイミングからの時間をカウントし、予め定められた時間が経過したタイミングでリード制御信号をアサートする。
さらに、リード制御信号DAM ERR READ_GATEは第2セクタ・セクション401bの開始でアサートされ、その第1DAM412cのエラーに応答してネゲートされる。カウンタ値DAM ERR COUNTERは、リード制御信号DAM ERR READ_GATEの立ち上がり毎に増加するので、本ケースでは、2の値を示す。チャネル制御部220が、このカウント値をレジスタ222に格納する。カウンタ値DAM ERR COUNTERが2ということは、第2セクタ・セクション401bでDAMエラーが発生したことを示し、上記例では、エラーDAM位置として第1DAM412cを示すことになる。このように、リード制御信号を使用したカウンタを設けることによって、データ・セクタにおけるDAMエラー位置を簡便な構成で特定することができる。
上述においては、HDC/MPU23のDAMエラーのエラー処理の一例として、リトライ工程におけるDAM選択について説明した。他の好ましい態様において、HDC/MPU23は、他のDAMエラー処理として、DAMエラー位置のデータを使用したユーザ・データのエラー訂正処理を行うことができる。図8は、DAMエラー位置を使用したエラー訂正処理に関連する構成を模式的に示すブロック図である。
エラー訂正部232は、オンライン訂正処理であるOn The Flyモード(OTFモード)とオフライン訂正処理である消失訂正処理モードの二つのモードを備える。初期設定として、エラー訂正部232はOTFモードにあり、OTFエラー訂正が不可能な場合に消失訂正モードに切り換わる。具体的には、OTF/消失訂正処理部322がエラー訂正の実体処理を行い、その処理モードの制御をモード制御部321が行う。
OTFモードは、データ・セクタの符号語を連続的に読み込み、誤り訂正をしながらユーザ・データをホスト51に連続的に転送する。消失訂正処理モードは、OTFモードでの誤り訂正が不可能な符号語が読み込まれたときに、符号語の読み込み及びユーザ・データの転送を一時的に停止し、符号語の誤りを訂正する。訂正完了後に、符号語の読み込み及びユーザ・データの転送を再開する。上記のエラーを起こしたDAM位置の情報は、消失訂正処理モードにおいて使用することができる。
OTFモードと消失訂正処理モードの処理方法は異なり、消失訂正処理モードの誤り訂正は、OTFモードの2倍の誤りを訂正することが可能である。OTFモード及び消失訂正処理モード共に、RWチャネル21から転送されたCRCC及びECCを使用してエラー訂正処理を実行する。ECCおよびCRCCには、例えば、ガロア拡大体GF(28)上での演算が可能なリードソロモン符号を用いることができる。
OTFモードにおいて、OTF/消失訂正処理部322は、データ処理部210から転送されたリード・データの符号語のみをもとに誤り位置及び誤りパターンからなる誤りデータを計算する。さらに、OTF/消失訂正処理部322は、この読み込み符号語及び誤りデータを使用してCRCシンドロームを計算し、CRCシンドロームをもとに誤りデータが全て正しいか否かを判別する。誤りデータが全て正しければ、誤りデータに従って読み込み符号語を訂正する。
誤りデータが正しくない場合、OTF/消失訂正処理部322はその結果をモード制御部321に通知する。モード制御部321は、その通知から、OTF/消失訂正処理部322のモードを消失訂正処理モードに変更する。消失とは、誤りパターンが判れば訂正できる誤りのことである。消失訂正処理は、誤りである可能性の高い位置を消失位置として推定し、この消失位置をもとに誤りデータを計算する。
上述のように、複数のDAMから選択したDAMをRWチャネル21が使用する場合、リード・データのデータ処理に使用したDAMよりも前の位置にあるユーザ・データは、正確に読み出されない。そこで、例えば、RWチャネル21は、検出したDAM位置以前のユーザ・データ位置に、予め定められた規定のデータを埋め込む。従って、エラーを起こしたDAM位置が特定されている場合、ユーザ・データにおける消失位置を特定することができる。
具体的には、消失訂正処理モードでは、OTF/消失訂正処理部322はエラーを起こしたDAM位置を使用して、誤りの可能性が高い位置のデータである消失位置データを生成する。さらに、OTF/消失訂正処理部322はデータ処理部210から取得した符号語及び計算した消失位置データをもとに誤りデータを計算する。計算した誤りデータ及び符号語から、CRCシンドロームを計算する。このCRCシンドロームを使用して、OTF/消失訂正処理部322は誤りデータが全て正しいか否かを判別することができる。OTF/消失訂正処理部322は、誤りデータが全て正しければ、誤りデータに従って符号語を訂正し、誤りデータのいずれかが正しくなければ、新たに消失位置データを生成し直し、消失訂正を再度実施する。消失訂正が不可能である場合、エラーとなる。
図8及び図9を参照して、エラー訂正処理における各機能部の処理手順を説明する。HDC/MPU23は、エラーを起こしたDAM位置を表すデータを、レジスタ222からが取得し、RAM24に保存する(S21)。データ処理部210はユーザ・データ、CRCC及びECCをバッファ241に格納するとともに、OTF/消失訂正処理部322に転送する。OTF/消失訂正処理部322は、OTFモードに設定されており、入力された符号語のOTFエラー訂正処理を実行する(S22)。OTF/消失訂正処理部322は、バッファ241に格納されているユーザ・データを正確なデータに訂正する。
OTFエラー訂正処理でエラー訂正処理が正常に完了すると(S23におけるYES)、バッファ241のデータがホスト51に転送される(S24)(図8において不図示)。正常にエラー訂正することができない場合(S23におけるNO)、モード制御部321はOTF/消失訂正処理部322を消失訂正処理モードに設定する(S25)。
消失訂正処理モードにおいて、OTF/消失訂正処理部322は、エラーを起こしたDAM位置を使用して、誤りの可能性が高い位置を示す消失位置データを生成する(S26)。さらに、OTF/消失訂正処理部322は、RWチャネル21から取得した符号語及び計算した消失位置データを使用して誤りデータを計算する(S27)。そして、OTF/消失訂正処理部322は、誤りデータが正しいかを判定し、正しい場合(S28におけるYES)はバッファ241に格納されているユーザ・データを訂正する(S29)。データが正しくない場合(S28におけるNO)、OTF/消失訂正処理部322は消失位置データを生成し直し、消失訂正を再実行する(S30)。消失訂正が不可能な場合、訂正処理を終了する。
他のDAMエラー処理の例として、HDC/MPU23は、検出エラーを起こしたDAM位置の情報を使用して、欠陥テーブルへの欠陥登録及びそれを使用した欠陥管理を行うことができる。HDC/MPU23は、DAMエラーを起こし、正確にデータを読み出すことができないデータ・セクタを欠陥セクタとして欠陥テーブルに登録する。さらに、そのエラーを起こしたデータ・セクタに加えて、他のトラックのデータ・セクタを欠陥セクタとして登録する。このように欠陥登録されたセクタは、その後使用されず(不使用セクタ)、対応アドレスに対してリアサインされた別のスペア・セクタに、そのデータが記録される。
一つのDAM領域上の欠陥は、隣接するセクタのDAM領域まで広がっている可能性が高い。さらに、この欠陥は経時的に成長し、現在、修復可能なエラーであるソフトエラーとして検出されるものも、将来においてデータ読み出し不能なハードエラーと変化する可能性が高い。従って、DAMが検出不能のために交替処理するデータ・セクタに加え、欠陥が広がっている可能性が高いセクタも合わせて欠陥セクタとして交替処理することによって、他のセクタにおけるソフトエラー及びハードエラーの発生を未然に防止する。
HDC/MPU23は、例えば、エラーを起こしたデータ・セクタ及び半径方向に隣接するデータ・トラックにおける所定範囲のデータ・セクタを欠陥セクタとして登録する。このとき、HDDは、検出エラーを起こしたDAM位置を使用して、欠陥セクタとして登録するデータ・セクタを決定することができる。例えば、HDC/MPU23は、エラーを起こしたデータ・セクタに半径方向において隣接する両側のデータ・セクタを欠陥登録する。さらに、エラーを起こしたDAM位置に近いデータ・セクタをあわせて欠陥セクタとして登録することができる。例えば、後ろ側にあるDAM位置においてエラーが起きている場合、隣接データ・セクタの一つ後ろのデータ・セクタを欠陥セクタとして登録することができる。
以上、本発明を好ましい実施形態を例として説明したが、本発明が上記の実施形態に限定されるものではない。当業者であれば、上記の実施形態の各要素を、本発明の範囲において容易に変更、追加、変換することが可能である。例えば、本発明は磁気ディスク装置に限らず、他のタイプのメディアを使用するデータ記憶装置に適用することができる。
上記例において、1データ・セクタもしくは1セクタ・セクションは二つのDAMを有するが、3以上のDAMを有する場合にも、本発明を適用することがきる。また、スプリット・セクタに限らず、3以上のDAMを有するデータ・セクタに本発明を適用することができる。DAM検出のエラーに対応したエラー処理として、HDDは、上述の例をあわせて使用すること、あるいは、個別に使用することができる。上述においては、RWチャネルがエラー位置を特定するが、HDC/MPUがエラー位置を特定し、それを使用してエラーに対応したエラー処理を行うことができる。
本実施形態にかかるHDDの全体構成を模式的に示すブロック図である。 本実施形態にかかる磁気ディスク上に記録されているデータの物理フォーマットを模式的に示す図である。 本実施形態にかかる磁気ディスクにおいて、トラックに記録されているデータの物理フォーマットを模式的に示す図である。 本実施形態において、DAM検出エラーに対応する処理を実行する各論理構成要素を模式的に示すブロック図である。 本実施形態において、RWチャネルのデータ処理部におけるデータ・セクタのリード処理に関連する構成を模式的に示している。 本実施形態において、DAMエラー位置を特定してリード・リトライ処理を示すフローチャートである。 本実施形態において、スプリット・セクタのデータ・フォーマット及びカウンタを使用したエラーDAM位置の特定方法を模式的に示している。 他の実施形態において、DAM検出エラー位置を使用したエラー訂正処理に関連する各論理構成要素を模式的に示すブロック図である。 他の実施形態において、DAM検出エラー位置を使用したエラー訂正処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1 ハードディスク・ドライブ、10 エンクロージャ、11 磁気ディスク
12 ヘッド素子部、14 スピンドル・モータ、15 ボイス・コイル・モータ
16 アクチュエータ、20 回路基板、21 リード・ライト・チャネル
22 モータ・ドライバ・ユニット、23 ハードディスク・コントローラ/MPU
51 ホスト、111 サーボ領域、112 データ領域、113 トラック
131 データ・セクタ、132 サーボ・データ、210 データ処理部
220 チャネル制御部、221、222 レジスタ、231 コマンド実行部
232 エラー訂正部、233 ホスト・インターフェース・コントローラ
234 エラー回復処理部、241 バッファ、311 シンク
312 データ・アドレス・マーク、313 ユーザ・データ・セクション
314 CRCC、315 ECCコード、316 データ・アドレス・マーク
317 ユーザ・データ・セクション、321 モード制御部
322 OTF/消失訂正処理部、401 セクタ・セクション
421 サーボ・データ、411 シンク、412 データ・アドレス・マーク
413 ユーザ・データ・セクション

Claims (13)

  1. ユーザ・データが記録されているメディアから、ユーザ・データを読み出すデータ記憶装置であって、
    データ・セクタのリード処理において、そのデータ・セクタ内に含まれる異なる位置のデータ・アドレス・マークの内の一部を使用してユーザ・データの開始位置を特定し、前記ユーザ・データのデータ処理を行うチャネル回路と、
    前記リード処理において前記チャネル回路による前記一部のデータ・アドレス・マークの検出においてエラーが起きた場合に、検出エラーを起こしたことを特定されたデータ・アドレス・マークの位置に基づいたエラー処理を行う、前記リード処理を制御するコントローラと、
    を備えるデータ記憶装置。
  2. 前記チャネル回路は、前記一部のデータ・アドレス・マークの検出においてエラーが起きた場合に、そのエラーを起こしたデータ・アドレス・マークの位置を特定し、
    前記コントローラは、前記チャネル回路から、前記位置を示すデータを取得し、そのデータを使用して前記エラー処理を実行する、
    請求項1に記載のデータ記憶装置。
  3. 前記コントローラは、前記エラー処理において、前記エラーを起こしたデータ・アドレス・マークと異なる位置のデータ・アドレス・マークを、前記ユーザ・データの開始位置の特定に使用するデータ・アドレス・マークとして指定し、
    前記チャネル回路は、前記コントローラが指定した位置のデータ・アドレス・マークを使用して前記データ・セクタの読み出しを再度行う、
    請求項1に記載のデータ記憶装置。
  4. 前記データ・セクタは1もしくは複数のサーボ・データによって複数のセクションに分離され、
    前記各分離されたセクションが、そのセクション内に複数のデータ・アドレス・マークを含み、
    前記チャネル回路は、前記各セクションにおいてその複数のデータ・アドレス・マークの内の一部のデータ・アドレス・マークを使用してユーザ・データの開始位置を特定してそのユーザ・データのデータ処理を行う、
    請求項1に記載のデータ記憶装置。
  5. 前記コントローラは、前記エラー処理において、エラーを起こしたデータ・アドレス・マークと同一セクションにおける異なる位置のデータ・アドレス・マークを、そのセクションにおける前記ユーザ・データの開始位置の特定に使用するデータ・アドレス・マークとして指定し、
    前記チャネル回路は、前記コントローラが指定した位置のデータ・アドレス・マークを使用して前記データ・セクタの読み出しを再度実行する、
    請求項4に記載のデータ記憶装置。
  6. 前記コントローラから前記チャネル回路に出力され、セクション毎に変化するリード制御信号の1データ・セクタ内における前記変化の回数に基づいて、前記検出エラーを起こしたデータ・アドレス・マークの位置を特定する、
    請求項4に記載のデータ記憶装置。
  7. 前記チャネル回路は、前記リード制御信号の前記変化の回数をカウントするカウンタを備え、そのカウント数に従って前記検出エラーを起こしたデータ・アドレス・マークの位置を特定し、
    前記コントローラは、前記チャネル回路から、前記検出エラーを起こしたデータ・アドレス・マークの位置を示すデータを取得し、そのデータを使用して前記エラー処理を実行する、
    請求項6に記載のデータ記憶装置。
  8. 前記コントローラは、前記検出エラーを起こしたデータ・アドレス・マークの位置に基づいて、前記ユーザ・データのエラー訂正処理を実行する、
    請求項1に記載のデータ記憶装置。
  9. 前記チャネル回路は、さらに、前記検出エラーを起こしたデータ・アドレス・マークと異なるデータ・アドレス・マークの検出エラーの有無をサーチする、
    請求項1に記載のデータ記憶装置。
  10. 前記チャネル回路は、前記検出エラーを起こしたデータ・アドレス・マークを含むデータ・セクタの読み出しを再度実行して、前記検出エラーを起こしたデータ・アドレス・マークと異なるデータ・アドレス・マークの検出エラーの有無をサーチする、
    請求項9に記載のデータ記憶装置。
  11. ユーザ・データが記録されているメディアからのデータ・リードにおけるエラー処理方法であって、
    データ・セクタのリード処理において、そのデータ・セクタ内に含まれる異なる位置のデータ・アドレス・マークの内の一部を使用してユーザ・データの開始位置を特定し、読み出した前記ユーザ・データのデータ処理を行い、
    前記リード処理において、前記一部のデータ・アドレス・マークにおける検出エラーが起きた場合に、そのエラーを起こしたデータ・アドレス・マーク位置を特定し、
    前記特定されたデータ・アドレス・マークと異なる位置のデータ・アドレス・マークを使用して、前記データ・セクタ読み出しのリトライを行う、方法。
  12. 前記データ・セクタは1もしくは複数のサーボ・データによって複数のセクションに分離され、各分離されたセクションが異なる位置にデータ・アドレス・マークを含み、
    前記各セクションにおいてその一部のデータ・アドレス・マークを使用してユーザ・データの開始位置を特定してそのユーザ・データのデータ処理を行い、
    一つのセクションにおいて前記データ・アドレス・マークの検出においてエラーが発生した場合にその検出エラーを起こしたデータ・アドレス・マークを特定し、前記リトライにおけるそのセクションの読み出し時に、前記特定されたデータ・アドレス・マークと異なるデータ・アドレス・マークを使用する、
    請求項11に記載の方法。
  13. 前記セクション毎に変化するリード制御信号の1データ・セクタ内における前記変化の回数をカウントし、そのカウント数に従って前記検出エラーを起こしたデータ・アドレス・マーク位置を特定する、
    請求項12に記載の方法。
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