JP2007315836A - 過熱検知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な回路構成でもって、検出温度のばらつきを小さくすることが可能な過熱検知装置を提供する。
【解決手段】この過熱検知装置は、加熱検知回路1とゲート駆動回路2を備え、Pチャネル型パワーMOSFET3の過熱を検知する。過熱検知回路1は、P+ポリシリコン抵抗体で作製された第1の温度検出素子7とN+ポリシリコン抵抗体で作製された第2の温度検出素子8とを有する。このP+ポリシリコン抵抗体は正の温度係数を有し、N+ポリシリコン抵抗体は負の温度係数を有する。ポリシリコンの成膜条件がばらついた場合に第1,第2の温度検出素子7,8は抵抗値が同じように変化する。よって、第1のノードN1の電圧と第2のノードの電圧N2との差をとることで、上記成膜条件のばらつきの影響を回避することが可能となる。
【選択図】図1

Description

この発明は、過熱検知装置に関し、例えば、パワーデバイスの発熱による温度異常を検知する過熱検知装置に関する。
大電力を扱うパワートランジスタやパワーMOSFET(電界効果トランジスタ)は、これらパワーMOSFETの破壊を阻止する目的で過電流検出回路、過熱検知回路等の保護回路を具備している。過熱検知回路に使われる温度センサとしては、pn接合ダイオードの順方向電圧が持つ固有の負の温度係数を利用して温度を検出するのが従来からの一般的な方法である。
図9に、パワートランジスタと同一チップ上に保護回路を形成した一般的なパワーMOSチップ901の構成を模式的に示す。図9において、902はパワートランジスタ領域、903はパワートランジスタのソースボンディング領域である。パワートランジスタ領域902では大電流を流すので、ソースボンディング領域903には400μm径のAlワイヤで構成したソースボンディングワイヤ908を必要に応じて1〜2本程ボンディングする。このソースボンディングワイヤ908のボンディング本数は、パワーMOSチップ901のオン抵抗に依存する。例えば、10mΩ程度のオン抵抗を実現する場合、ソースボンディング領域903には400μm径のAlワイヤで構成したソースボンディングワイヤ908を2本ボンディングするのが一般的である。
そして、図9において、ゲートパッド904と保護回路905は過熱遮断回路を構成しており、この過熱遮断回路は、過熱またはドレインの短絡負荷等に対して、パワートランジスタ領域902を破壊から保護することを目的としている。
保護回路905には温度検出素子906が接続され、この温度検出素子906はパワートランジスタ領域902の過熱を検知する素子である。温度検出素子906は、図9に示すように、パワートランジスタ領域902のうちで温度上昇が最も顕著である中心部に配置されている。これにより、温度検出素子906は、パワートランジスタ領域902のジャンクション温度上昇に対し、遅延なく過熱遮断回路を動作させ、パワートランジスタ領域902の破壊を防ぐ。なお、過熱検出素子906としてはダイオードが一般的である。
次に、図6を参照して、第1の従来例としての特開平5−304450号公報(特許文献1)に記載の技術を説明する。この第1の従来例では、図6に示す過熱検知回路とパワーMOSFET(図示せず)とをワンチップ上に具備している。図6では、直列接続されたダイオード101〜104と抵抗110とが接続されたノードN101を有する定電圧回路と、このノードN101に接続された温度検知回路の部分を記載している。
この第1従来例の温度検知回路では、ソース電位に対し、ダイオード105〜108が4段直列に接続され、ダイオード105のアノード側と抵抗111とが接続されるノードN102を次段のNチャネルMOSトランジスタ121のゲートに接続している。ダイオード105〜108の順方向電圧VFは、負の温度依存性を持っているので、ノードN102の電位は高温下で低くなる。また、ダイオード105〜108の温度係数はプロセス条件に依存し、例えば、−1.5mV/℃程度の温度係数を持った場合、25℃での順方向電圧VF=0.6Vが175℃ではVF=0.375Vとなる。
上述したように、ノードN102の電位は高温下で低くなり、特定の温度(温度センサーとしての動作をさせるべき設定温度)を境に、NチャネルMOSトランジスタ121のゲートの電位レベルがしきい値Vth以下になることによって、NチャネルMOSトランジスタ121に電流が流れなくなる。これにより、トランジスタ121のドレインに接続した出力ノードN103が抵抗112を通してプルアップされるので、チップが予め設定された温度以上に過熱した状態であることが検出される。この出力ノードN103からの信号によって、ゲート遮断回路(図示せず)が過熱を検知すると、このゲート遮断回路は、パワートランジスタ(図示せず)のゲート−ソース間を回路的にショートさせて、上記パワートランジスタを破壊から保護する。
次に、図7を参照して、第2の従来例としての特開平8−75564号公報(特許文献2)に記載された技術を説明する。図7は、この第2の従来例の過熱検知装置の回路構成を示している。この第2従来例では、電源電位点と基準電位点(グランド)の間に、インピーダンス201と定電流源211とを順に直列接続すると共に、定電流源212とインピーダンス202とを順に直列接続している。そして、インピーダンス201と定電流源211との接続点を入力抵抗203を介して比較手段をなす演算増幅器230の非反転入力端子に接続し、インピーダンス202と定電流源212との接続点を演算増幅器230の反転入力端子に接続している。この演算増幅器230は、入力抵抗203と帰還抵抗204との抵抗比により設定された所定の増幅率で、非反転入力端子と反転入力端子の電位差を増幅して温度検出信号として出力することができる。
図7において、インピーダンス201,202は同一タイプの抵抗であり、同じ温度特性を持つ。例えば、インピーダンス201と202が負の温度特性を持つ場合、温度上昇に伴いインピーダンス201と定電流源211との接続点の電位は高くなる一方、インピーダンス202と定電流源212との接続点の電位は低くなる。このように、温度上昇により、2つの接続点の電位がそれぞれ上昇と下降の逆方向に変化するので、両電位の上下関係が或る特定の温度で逆転するようにインピーダンス201,202の素子定数を設定し、両電位の逆転をコンパレータ230で検出することができる。
次に、図8を参照して、第3の従来例としての特開平8−88547号公報(特許文献3)に記載された従来の過熱検知回路を説明する。この第3従来例は、図8に示すように、所定の電圧を出力するドライブ回路309に温度依存性が異なるインピーダンス311と312を直列接続し、このインピーダンス311と312との分圧比でパワーMOSFET301をオン,オフ制御する構成である。例えば、ハイサイド側の抵抗311を拡散抵抗で構成し、ローサイド側の抵抗312をポリシリコン抵抗体で構成する。直列に接続された両抵抗311,312は、共に正の温度特性を有するが、その正の温度係数の値は抵抗311と312とで異なるという特性を利用して、過熱検知として使用できる。
ところで、前述の第1従来例の過熱検知回路では、温度検出用のNチャネルMOSトランジスタ121のしきい値Vthの特性が検出温度に大きく影響するという問題がある。すなわち、パワーMOSチップの保護回路で使用されるトランジスタは、耐圧等の問題に対処するためにゲート酸化膜の厚さが厚いので、しきい値Vthの特性のばらつきを小さい範囲に制御することは困難である。例えば、温度が25℃ → 175℃に上昇した場合に、直列4段のダイオード105〜108のトータルで、順方向電圧VFの変化量が0.9V程度とする。この場合に、温度検出用のNチャネルMOSトランジスタ121のしきい値Vthが目標値に対して、±0.3Vだけばらついたとすると、このしきい値Vthのばらつきは、ダイオードの順方向電圧VFの変化量に対して、3分の1の値となる。よって、検出温度が±50℃のばらつきを持つこととなる。ここで、保護対象となるパワーMOSトランジスタの過熱遮断仕様としては、175℃±25℃が一般的であることから、上記検出温度の±50℃のばらつきは許容範囲を超える。
また、前述の第2従来例の過熱検知装置の場合は、定電流源211と212とがそれぞれ電源電位点と基準電位点に接続される。このため、定電流源211,212を構成する素子が個別のばらつきを持つ場合、検出温度がばらつく問題がある。また、インピーダンス201と202の抵抗値自体のばらつきが検出温度に影響を与えることも考えられる。
さらに、前述の第3従来例の過熱検知回路では、簡単な構成でパワーMOSFET301を保護できる利点があるが、パワーMOSFET301のしきい値Vthが変動した場合、検出温度がばらつくという問題がある。また、温度特性の異なる検出用抵抗311,312は、例えば、拡散抵抗とポリシリコン抵抗体で構成されるが、拡散抵抗とポリシリコン抵抗体はそれぞれ固有の半導体プロセスに起因するばらつき要素を持つ。このことは、検出温度に影響を与えることとなる。
特開平5−304450号公報 特開平8−075564号公報 特開平8−088547号公報
そこで、この発明の課題は、簡単な回路構成でもって、検出温度のばらつきを小さくすることが可能な過熱検知装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の過熱検知装置は、第1導電型のポリシリコン抵抗体で作製された第1の温度検出素子と、
第2導電型のポリシリコン抵抗体で作製された第2の温度検出素子と、
上記第1の温度検出素子に定電流を流す第1の定電流源と、
上記第2の温度検出素子に定電流を流す第2の定電流源と、
上記第1の温度検出素子に接続された第1のノードと、
上記第2の温度検出素子に接続された第2のノードと、
上記第1のノードの電圧と上記第2のノードの電圧とに基づいて、過熱検知信号を出力する検知部とを備えることを特徴としている。
この発明の過熱検知装置によれば、第1,第2の温度検出素子を、それぞれ、互いに温度特性が異なる第1,第2導電型のポリシリコン抵抗体で作製したので、温度上昇に対する第1の温度検出素子の抵抗値変化と第2の温度検出素子の抵抗値変化の差を大きくとることができる。よって、温度変化を高感度で検出可能となる。
また、この発明によれば、第1および第2の温度検出素子の両方をポリシリコン抵抗体で作製したので、ポリシリコンの成膜条件がばらついた場合に、各ポリシリコン抵抗体の抵抗値は同じように変化する。よって、第1のノードの電圧と第2のノードの電圧との差をとることで、上記成膜条件のばらつきの影響を回避することが可能となる。すなわち、ポリシリコンの成膜条件のばらつきに大きく依存しない温度検出精度が得られる。
また、一実施形態の過熱検知装置は、上記第1導電型のポリシリコン抵抗体と第2導電型のポリシリコン抵抗体のうちの一方の抵抗値は正の温度係数を有すると共に他方の抵抗値は負の温度係数を有する。
この実施形態の過熱検知装置によれば、第1の温度検出素子と第2の温度検出素子は抵抗値の温度係数が互いに逆符号となる。よって、温度上昇に対する第1の温度検出素子の抵抗値変化と第2の温度検出素子の抵抗値変化の差を特に大きくとることができる。よって、温度変化を特に高感度で検出可能となる。
また、一実施形態の過熱検知装置は、上記第1および第2の温度検出素子はパワーMOSFETの温度を検出するように配置されており、さらに、上記過熱検知信号に基づいて上記パワーMOSFETのゲート電圧を制御するゲート駆動回路を有する。
この実施形態の過熱検知装置によれば、検知部はパワーMOSFETの過熱を検知して過熱検知信号をゲート駆動回路に入力し、ゲート駆動回路は上記検知信号に基づいてパワーMOSFETのゲート電圧を制御することによって、パワーMOSFETのドレイン-ソース間の導通状態を制御してパワーMOSFETの過熱を回避可能となる。
また、一実施形態の過熱検知装置は、上記第1導電型のポリシリコン抵抗体と第2導電型のポリシリコン抵抗体は、上記パワーMOSFETと同一チップ内に配置されている。
この実施形態の過熱検知装置によれば、パワーMOSFETの温度をより高い精度で検出できると共に小型化を図れる。
また、一実施形態の過熱検知装置は、上記第1および第2の定電流源はトランジスタで構成されている。
この実施形態の過熱検知装置によれば、第1,第2の定電流源の回路構成が簡単になる。
また、一実施形態の過熱検知装置では、上記検知部は、上記第1のノードの電圧と上記第2のノードの電圧とを差動入力とする差動増幅器である。
この実施形態の過熱検知装置によれば、検知部をなす差動増幅器は、第1のノードの電圧と第2のノードの電圧との差をとることで、第1,第2導電型のポリシリコン抵抗体の成膜条件のばらつきの影響を回避することが可能となる。すなわち、ポリシリコンの成膜条件のばらつきに大きく依存しない温度検出精度が得られる。
この発明の過熱検知装置によれば、第1,第2の温度検出素子を、それぞれ、互いに温度特性が異なる第1,第2導電型のポリシリコン抵抗体で作製したので、温度上昇に対する第1の温度検出素子の抵抗値変化と第2の温度検出素子の抵抗値変化の差を大きくとることができる。よって、温度変化を高感度で検出可能となる。
また、この発明によれば、第1および第2の温度検出素子の両方をポリシリコン抵抗体で作製したので、ポリシリコンの成膜条件がばらついた場合に、各ポリシリコン抵抗体の抵抗値は同じように変化する。よって、第1のノードの電圧と第2のノードの電圧との差をとることで、上記成膜条件のばらつきの影響を回避することが可能となる。すなわち、ポリシリコンの成膜条件のばらつきに大きく依存しない温度検出精度が得られる。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1にこの発明の実施形態を示す。この実施形態の過熱検知装置は、過熱検知回路1とゲート駆動回路2を備える。また、Pチャネル型パワーMOSFET3は、この実施形態によって過熱を検知する対象である。このPチャネル型パワーMOSFET3と過熱検知回路1とゲート駆動回路2は、同一の半導体基板上に形成されている。この実施形態は、この過熱検知対象としてのPチャネル型パワーMOSFET3は大電流による発熱によって温度が異常に上昇することを防いで素子破壊を回避するものである。なお、このパワーMOSFET3は一例として縦型チャネル構造が採用される。
Pチャネル型パワーMOSFET3はソース端子Sが電源に接続される一方、ドレイン端子Dが外部負荷Lに接続されて、外部負荷Lに応じた負荷電流ILを供給するものである。
このPチャネル型パワーMOSFET3のゲートには、ゲート駆動回路2が接続されている。このゲート駆動回路2はPチャネル型MOSFET5と抵抗6を有する。Pチャネル型MOSFET5のドレインはPチャネル型パワーMOSFET3のソース端子Sに接続されている。抵抗6は、Pチャネル型MOSFET5のドレインとPチャネル型パワーMOSFET3のゲート端子Gとの間に接続されている。また、抵抗6とPチャネル型MOSFET5のドレインとの接続点は、Pチャネル型パワーMOSFET3のゲートに接続されている。
また、過熱検知回路1は、P+ポリシリコン抵抗体で作製された第1の温度検出素子7とN+ポリシリコン抵抗体で作製された第2の温度検出素子8とを有する。このP+ポリシリコン抵抗体は正の温度係数を有し、N+ポリシリコン抵抗体は負の温度係数を有する。また、この過熱検知回路1は、第1の定電流源11と第2の定電流源12を有する。第1の定電流源11は、Pチャネル型パワーMOSFET3のソース端子Sと第1の温度検出素子7との間に接続されている。また、第2の定電流源12は、Pチャネル型パワーMOSFET3のソース端子Sと第2の温度検出素子8との間に接続されている。
第1の定電流源11と第1の温度検出素子7との接続点が第1のノードN1を構成し、第2の定電流源12と第2の温度検出素子8との接続点が第2のノードN2を構成している。また、第1の温度検出素子7および第2の温度検出素子8は、上記ゲート端子Gに接続されている。
第1,第2の定電流源11,12は、例えば、中耐圧のPチャネルトランジスタを飽和領域で動作させることで実現される。なお、ここで、中耐圧とは、具体的一例として、25V〜35V程度の耐圧、代表例として30V程度である。
第1のノードN1は差動増幅器であるコンパレータ14の反転入力端子に接続され、第2のノードN2はコンパレータ14の非反転入力端子に接続されている。このコンパレータ14は検知部をなし、その出力端子はゲート駆動回路2のPチャネル型MOSFET5のゲートに接続されている。なお、コンパレータ14は、例えば中耐圧Pチャネルトランジスタと抵抗で構成できる。また、コンパレータ14のゲインが小さい場合は、コンパレータを2段接続して出力振幅を稼げばよい。
ここで、図2を参照して、P+ポリシリコン抵抗体で作製された第1の温度検出素子7とN+ポリシリコン抵抗体で作製された第2の温度検出素子8の温度特性を説明する。図2の特性図では、横軸は温度検出素子の温度Tjであり、縦軸は各温度での温度検出素子の抵抗値Rを温度Tjが25℃であるときの素子の抵抗値R(Tj=25℃)で除算した値(抵抗比)である。
図2に示すように、第1の温度検出素子7の温度特性K1は傾きが正の値であり、抵抗値の温度係数が正の値である。一方、第2の温度検出素子8の温度特性K2は傾きが負の値であり、抵抗値の温度係数が負の値である。図2の特性では、温度検出素子の温度Tjが175℃であるときに、第1の温度検出素子7の抵抗比と第2の温度検出素子8の抵抗比とが等しくなっている。この温度Tj=175℃が検出温度となる。図2に示すように、第1の温度検出素子(P+ポリシリコン抵抗体)7の温度係数と、第2の温度検出素子(N+ポリシリコン抵抗体)8の温度係数とは逆符号である。また、第1の温度検出素子7の温度係数の絶対値は、第2の温度検出素子8の温度係数の絶対値よりも数%だけ大きい程度である。
なお、温度特性K1と温度特性K2との交点を変更することで検出温度を変更できる。つまり、第1の温度検出素子7または第2の温度検出素子8の抵抗値を変更することで上記交点を変更して検出温度を変更できる。たとえば、この抵抗値の変更はポリシリコン抵抗体の長さを変更することで簡単に変更できる。すなわち、半導体基板の表面部に温度検出素子としてポリシリコン抵抗体を形成した場合、パワーMOSFET3を含む半導体デバイスを完成させた後に、例えば、レーザー加工機等で上記ポリシリコン抵抗の長さを変更して抵抗値を簡単に変更できる。このことは、ユーザー側でも、この半導体デバイスの使用目的に応じて、過熱検知温度の設定を容易に変更可能ということであり、特に有用となる。
また、第1の温度検出素子7を構成するP+ポリシリコン抵抗のシート抵抗値(Ω/□)と、第2の温度検出素子8を構成するN+ポリシリコン抵抗のシート抵抗値(Ω/□)とはほぼ同じ値である。これにより、第1の温度検出素子7と第2の温度検出素子8とはレイアウト上の類似性を高くできることとなり、温度検出の観点から有利になる。
ここで、図3に、上記P+ポリシリコン抵抗体(第1の温度検出素子7)のシート抵抗値(Ω/□)の温度依存特性K11と、上記N+ポリシリコン抵抗体(第2の温度検出素子8)のシート抵抗値(Ω/□)の温度依存特性K12を示す。温度依存特性K11の傾きは正値であり、温度依存特性K12の傾きは負値である。すなわち、図3に示すように、P+ポリシリコン抵抗体のシート抵抗値とN+ポリシリコン抵抗体のシート抵抗値とは、温度係数が正負の逆であり、25℃において、2つのシート抵抗値は105Ω/□でほぼ一致している。
なお、図3の特性図の温度依存特性K11,K12の傾きが表している抵抗値の温度係数の値は、一例であって、ポリシリコンの注入すべき不純物の種類や絶対量、熱処理条件、等の様々な条件によって、大きく変わり得るのは勿論である。
上記構成の温度検知装置によれば、過熱検知対象であるPチャネル型パワーMOSFET3の温度が上昇すると、第1の温度検出素子7のP+ポリシリコン抵抗の抵抗値が高くなるので、第1のノードN1の電位が高くなる。一方、第2の温度検出素子8のN+ポリシリコン抵抗の抵抗値が低くなるので、第2のノードN2の電位が低くなる。
ここで、パワートランジスタのチャネル温度は+150℃を絶対最大定格とする仕様が一般的である。そして、たとえば、Pチャネル型パワーMOSFET3のチャネル温度が、+175℃を超えて、第1,第2の温度検出素子7,8の温度が+175℃を超えると、第1の温度検出素子7の抵抗値が第2の温度検出素子8の抵抗値よりも高くなる。これにより、過熱検知がなされ、第1のノードN1の電位が第2のノードN2の電位よりも高くなって、コンパレータ14は2つの入力電圧の差を増幅した検出信号をゲート駆動回路2のNチャネルMOSFET5のゲートに出力する。
これにより、PチャネルMOSFET5がオンするので、Pチャネル型パワーMOSFET3のソースは、ゲート駆動回路2のPチャネルMOSFET5を経由して、Pチャネル型パワーMOSFET3のゲートに導通する。よって、Pチャネル型パワーMOSFET3のソースとゲートをほぼ同じ電位とし、Pチャネル型パワーMOSFET3のドレインとソース間に流れる電流をストップさせることで、パワーMOSFET3の極度の過熱を回避して、パワーMOSFET3を破壊から阻止する。
なお、上記過熱検知によって、ゲート駆動回路2のPチャネルMOSFET5がオン状態となったときに、抵抗6を通して、パワーMOSFET3のソース端子Sとゲート端子Gとの間にDC(直流)電流が流れる。この抵抗6の抵抗値は例えば10kΩであり、保護回路をなすゲート駆動回路2を10Vで駆動する場合、上記直流電流として約1mAの電流が流れる。
次に、図5を参照して、上記実施形態の比較例を説明する。この比較例では、第1の温度検出素子7をP+拡散抵抗体で作製したと共に、第2の温度検出素子8をN+ポリシリコン抵抗体で作製した。なお、図5は、図2と同じく、横軸は温度検出素子の温度Tjであり、縦軸は各温度での温度検出素子の抵抗値Rを温度Tjが25℃であるときの素子の抵抗値R(Tj=25℃)で除算した値(抵抗比)である。
図5に示す温度特性K51は、抵抗値が所定の設計値であるP+拡散抵抗体からなる第1の温度検出素子7の温度特性である。また、図5に示す温度特性K52は、抵抗値が所定の設計値であるN+ポリシリコン抵抗体からなる第2の温度検出素子8の温度特性である。この温度特性K51とK52は、温度が175℃で交差している。この交差の温度170℃が検出温度となる。
ここで、上記P+拡散抵抗体とN+ポリシリコン抵抗体はそれぞれ固有のプロセスばらつき要因を有する。例えば、上記N+ポリシリコン抵抗体のポリシリコン膜厚と、上記P+拡散抵抗体の拡散線幅には何の関連性もなく、それぞれ独立したばらつき要因と考えてよい。
したがって、上記プロセスばらつき要因により、P+拡散抵抗体とN+ポリシリコン抵抗体の2つの異なる抵抗の絶対値が逆方向にばらついた場合、設計値における温度特性K51とK52は、破線で描いた温度特性K51VとK52Vのように、縦軸に関して逆方向にシフトする。この場合、温度特性K51VとK52Vは温度が120℃で交差し、この交差の温度120℃が検出温度となるので、検出温度が大きくずれることになる。
すなわち、この比較例では、第1の温度検出素子の抵抗値と第2の温度検出素子の抵抗値は、プロセスばらつきに対して独立に変化するので、検出温度がずれ易くなる。
これに対して、本実施形態では、第1の温度検出素子7をP+ポリシリコン抵抗体で作製し、第2の温度検出素子8をN+ポリシリコン抵抗体で作製した。つまり、第1,第2の温度検出素子7,8を両方ともポリシリコン抵抗体で作製した。よって、プロセスばらつきに対して、両方のポリシリコンは膜厚,線幅が同じ様に変化するから、第1,第2の温度検出素子7,8は抵抗値の絶対値が同じ方向に変化する。例えば、図4に示すように、所定の設計値での第1,第2の温度検出素子7,8の温度特性K1,K2は、プロセスばらつきに対して、縦軸(抵抗比)に関して同じ方向に変化するから、温度検出ポイントは安定する。
ところで、パワーデバイスとしての電界効果トランジスタは、ゲート-ソース間電圧VGSが固定ではなく、目的とするパワートランジスタのオン抵抗RONにより変化する。例えば、Pチャネル型パワーMOSFETを前提として考えた場合、このオン抵抗RONの小さい領域では、ゲート・ソース間電圧VGS=−10V程度で駆動するのが一般的である。これよりも低いゲート−ソース間電圧VGSで、Pチャネル型パワーMOSFETを駆動しても、オン抵抗RONの特性は大きく変わらず、ゲート駆動損失が増える場合もある。また、Pチャネル型パワーMOSFETを高周波で駆動することを考えた場合、ゲート-ソース間電圧VGSが高い方がトータルの損失が小さいこともあり、パワーデバイスを含むシステム、あるいは使用目的に応じて、ゲート-ソース間電圧VGS電圧を適宜最適化する。ここで、本実施形態のように過熱検知回路1を含む過熱検知装置では、ゲート-ソース間電圧VGSが変化した場合でも安定して目的の過熱検知機能を実現する必要がある。そして、本実施形態のように温度検出素子7,8として抵抗を用いた場合、定電流源11,12を用いることによって、ゲート-ソース間電圧VGSの変化に対して温度検出素子7,8の両端の電圧ばらつきの影響を排除できる。よって、特性変動の少ない過熱検知回路1が得られる。
尚、上記実施形態では、過熱を検知する対象をPチャネル型パワーMOSFETとしたが、過熱の検知対象はNチャネル型パワーMOSFETでもよく、また、バイポーラトランジスタであってもよく、ダイオード等のその他の半導体デバイスであってもよいのは勿論である。
この発明の過熱検知装置の実施形態を示す回路図である。 上記実施形態の第1,第2の温度検出素子の抵抗比の温度特性を示す特性図である。 上記第1,第2の温度検出素子として使用するP+,N+ポリシリコン抵抗体のシート抵抗値の温度特性を示す特性図である。 上記実施形態の第1,第2の温度検出素子の抵抗比の温度特性がプロセスばらつきにより変化する様子を示す特性図である。 上記実施形態の比較例での第1,第2の温度検出素子の抵抗比の温度特性がプロセスばらつきにより変化する様子を示す特性図である。 パワートランジスタの保護回路を構成する過熱検知装置の第1の従来例を示す図である。 パワートランジスタの保護回路を構成する過熱検知装置の第2の従来例を示す図である。 パワートランジスタの保護回路を構成する過熱検知装置の第3の従来例を示す図である。 一般的なパワーMOSチップ構成を示す模式図である。
符号の説明
1 過熱検知回路
2 ゲート駆動回路
3 Pチャネル型パワーMOSFET
5 Pチャネル型MOSFET
6 抵抗
7 第1の温度検出素子
8 第2の温度検出素子
11 第1の定電流源
12 第2の定電流源
14 コンパレータ
N1 第1のノード
N2 第2のノード
S ソース端子
D ドレイン端子
G ゲート端子
L 外部負荷

Claims (6)

  1. 第1導電型のポリシリコン抵抗体で作製された第1の温度検出素子と、
    第2導電型のポリシリコン抵抗体で作製された第2の温度検出素子と、
    上記第1の温度検出素子に定電流を流す第1の定電流源と、
    上記第2の温度検出素子に定電流を流す第2の定電流源と、
    上記第1の温度検出素子に接続された第1のノードと、
    上記第2の温度検出素子に接続された第2のノードと、
    上記第1のノードの電圧と上記第2のノードの電圧とに基づいて、過熱検知信号を出力する検知部とを備えることを特徴とする過熱検知装置。
  2. 請求項1に記載の過熱検知装置において、
    上記第1導電型のポリシリコン抵抗体と第2導電型のポリシリコン抵抗体のうちの一方の抵抗値は正の温度係数を有すると共に他方の抵抗値は負の温度係数を有することを特徴とする過熱検知装置。
  3. 請求項1または2に記載の過熱検知装置において、
    上記第1および第2の温度検出素子はパワーMOSFETの温度を検出するように配置されており、
    さらに、上記加熱検知信号に基づいて上記パワーMOSFETのゲート電圧を制御するゲート駆動回路を有することを特徴とする過熱検知装置。
  4. 請求項3に記載の過熱検知装置において、
    上記第1導電型のポリシリコン抵抗体と第2導電型のポリシリコン抵抗体は、上記パワーMOSFETと同一チップ内に配置されていることを特徴とする過熱検知装置。
  5. 請求項1に記載の過熱検知装置において、
    上記第1および第2の定電流源はトランジスタで構成されていることを特徴とする過熱検知装置。
  6. 請求項1に記載の過熱検知装置において、
    上記検知部は、
    上記第1のノードの電圧と上記第2のノードの電圧とを差動入力とする差動増幅器であることを特徴とする過熱検知装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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