JP2007315824A - 定電位電解式ガスセンサの電位安定化方法及び定電位電解式ガスセンサ - Google Patents

定電位電解式ガスセンサの電位安定化方法及び定電位電解式ガスセンサ Download PDF

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Abstract

【課題】定電位電解式ガスセンサの組み立て後の電位安定化時間を短縮することのできる定電位電解式ガスセンサの電位安定化方法及び定電位電解式ガスセンサを提供する。
【解決手段】電解液を収容する電解液収容部3内に複数の電極32A、32B、32Cを有し、電解液Sにより電気的に接続された電極間に流れる被検ガスの電解電流を検知する定電位電解式ガスセンサ100の電位安定化方法は、定電位電解式ガスセンサ100が備える複数の電極のうち少なくとも1つの電極は、高分子膜の表面に電極材料を付着させることによって形成された薄膜電極であり、定電位電解式ガスセンサ100の組み立て前に上記少なくとも1つの薄膜電極を純水に浸漬して加熱処理する構成とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、定電位電解式ガスセンサの電位安定化方法及び定電位電解式ガスセンサに関するものであり、より詳細には、高分子膜上に薄膜状に形成された電極を有する定電位電解式ガスセンサの電極の電位安定化時間を短縮することのできる定電位電解式ガスセンサの電位安定化方法、及びこの方法が適用された定電位電解式ガスセンサに関するものである。
従来、例えば、廃棄物焼却炉、ボイラー炉、エンジンなどの排ガス中の二酸化硫黄(SO2)、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)などの被検ガスを検知し、その量を測定するのに用いられる定電位電解式ガスセンサがある。
定電位電解式ガスセンサは、被検ガスを検出する作用極と、作用極との間で電流を流す対極と、作用極の電位を制御するための参照極とを有する。これら作用極、対極、参照極は、隔膜としての多孔性のガス透過性膜(ガス拡散膜)で仕切られた空間内に配置され、この空間には電解液が収容される。隔膜は、一般に、高分子膜、特に、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などのフッ素樹脂系の撥水性(疎水性)膜から成る。被検ガスは、隔膜を透過して電解液に溶解し、作用極に接触する。作用極は、被検ガスを電解するために、参照極に対して一定の電位に保たれており、隔膜を透過した被検ガスが作用極と電解液との界面で電解され、被検ガス濃度に対応した反応電流が作用極と対極との間に生じる。定電位電解式ガスセンサは、この反応電流が被検ガス濃度に比例するように構成されており、被検ガスに対する反応電流を計測することによって、被検ガスの濃度に換算することができる。
そして、従来、電解液と被検ガスとの接触面に設けられた隔膜の電解液側に作用極が薄膜状に形成された定電位電解式ガスセンサがある。この作用極は、隔膜上に、導電体(貴金属など)をスッパッタリング法や蒸着法により付着させる方法、或いは導電体(貴金属など)の微粒子(導電性微粒子)を膜形成材(樹脂など)で固める方法等の成膜方法により形成される。又、参照極及び対極についても、上記隔膜と同様の膜の上に薄膜状に形成されたものがある(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
本明細書では、作用極、参照極又は対極が表面に付着形成された膜を総称して「電極担持膜」という。又、作用極、参照極、対極が表面に付着形成された膜を、それぞれ「作用極担持膜」、「参照極担持膜」、「対極担持膜」という。又、薄膜状に形成された作用極、参照極、対極などの電極を総称して「薄膜電極」という。
例えば、上述のように高分子膜上に導電性微粒子を薄膜状に形成して成る作用極担持膜、参照極担持膜及び対極担持膜を有する定電位電解式ガスセンサとしては、これらの電極担持膜を、各電極に対するリード線及び電解液を十分に含んだ保水材を間に挟んで積層し、センサケース内に設けたものがある。又、この他、センサケースに設けられた複数の開口部のそれぞれを封止するように電極担持膜を配置したもの、或いはセンサケースの開口部を封止するように配置される1つの電極担持膜上に互いに電気的に絶縁された状態で作用極、参照極及び対極が薄膜状に形成されたものなども知られている。
特開平9−43195号公報 特開平11−190713号公報
しかしながら、従来の定電位電解式ガスセンサは、製膜や組み立てなどの製造は比較的短時間で終了するが、組み立て後にセンサの残余電流が減少してゼロ点が安定し、繰り返し性や直線性及び長期安定性が製品規格を満たすようになるまでに、一般に、2週間〜1ヶ月程度の熟成期間を要するという問題がある。
こうした現象を引き起こす主要な原因としては、次の2つが考えられる。
一つは、作用極、参照極又は対極の界面電位が安定化するまでに時間がかかることである。例えば、参照極の界面電位が安定しないと、作用極に印加される電圧も相対的に変化し、作用極の界面における電気二重層容量の変動による容量電流が生じてしまう。参照極の界面電位が安定しても、作用極自体の界面電位が安定するまでは、作用極の界面における電気二重層容量の変動に伴う容量電流が生じてしまう。そして、この界面電位を支配する主要因は、電極の界面の水和状態である。この電極の界面の水和状態が平衡に達して安定化するまでの時間は、電極の材質、電解液の種類又は温度などによって違ってくる。
もう一つは、各電極を製造した時に含まれる不純物が、作用極で反応電流として検出され、ゼロ点の安定性が悪化することである。例えば、薄膜電極の作製方法として、高分子膜上に電極材料を膜形成材で固める方法がある。この方法では、高分子膜に薄膜電極を形成するために、例えば高分子膜と同一材料の樹脂粒子などとされる膜形成材が使用される。この膜形成材には、一般に、ポリマー等の安定化剤や界面活性剤等の分散剤などが含まれている。斯かる方法では、薄膜電極の作製において、高分子膜に膜形成材と電極材料との混合物を塗布して加熱焼成を行うが、薄膜が例えばPTFEの場合はこれの融点が340℃程度であるため、加熱温度は320℃が限界であった。しかし、この加熱温度では膜形成材に含まれている安定化剤や分散剤を完全に除去することができずに、不純物として残留することがある。このような薄膜電極の不純物は、電解液で徐々に分解されたり、電解液に溶出したりする。そして、その過程で電極の界面電位が変動することになる。更に、作用極においては、残留物の電解による反応電流を生じることがある。その他の成膜方法により薄膜電極を形成する場合にも、電極に不純物、特に、電解液に溶出したり、電解液で分解されたりする不純物が存在する場合には、上記同様にして電極の電位安定化時間を延長する原因となる。
従って、本発明の目的は、定電位電解式ガスセンサの組み立て後の電位安定化時間を短縮することのできる定電位電解式ガスセンサの電位安定化方法及び定電位電解式ガスセンサを提供することである。
上記目的は本発明に係る定電位電解式ガスセンサにて達成される。要約すれば、第1の本発明は、電解液を収容する電解液収容部内に複数の電極を有し、電解液により電気的に接続された電極間に流れる被検ガスの電解電流を検知する定電位電解式ガスセンサの電位安定化方法であって、前記定電位電解式ガスセンサが備える前記複数の電極のうち少なくとも1つの電極は、高分子膜の表面に電極材料を付着させることによって形成された薄膜電極であり、前記定電位電解式ガスセンサの組み立て前に前記少なくとも1つの薄膜電極を純水に浸漬して加熱処理することを特徴とする定電位電解式ガスセンサの電位安定化方法である。本発明の一実施態様によると、前記定電位電解式ガスセンサが備える前記複数の電極としての作用極、参照極及び対極のうち少なくとも前記作用極は前記薄膜電極であり、前記定電位電解式ガスセンサの組み立て前に、少なくとも前記作用極を純水に浸漬して加熱処理することができる。又、本発明の他の実施例によると、前記定電位電解式ガスセンサが備える前記複数の電極としての作用極、参照極及び対極はそれぞれ前記薄膜電極であり、前記定電位電解式ガスセンサの組み立て前に、前記作用極、前記参照極及び前記対極のそれぞれを純水に浸漬して加熱処理することができる。
上記第1の本発明の一実施態様によると、定電位電解式ガスセンサの電位安定化方法は更に、前記定電位電解式ガスセンサの組み立て後であって、被検ガスの電解電流の検知を行う前に、前記少なくとも1つの薄膜電極の電位を所定の電位に制御して、該少なくとも1つの薄膜電極と他の1つの電極との間で電解電流を生じさせる。又、上記第1の本発明の一実施態様によると、定電位電解式ガスセンサの電位安定化方法は更に、前記定電位電解式ガスセンサの組み立て後であって、被検ガスの電解電流の検知を行う前に、前記作用極、前記参照極及び前記対極のうち少なくとも前記作用極の電位を所定の電位に制御して、該作用極と前記対極との間で電解電流を生じさせることができる。
第2の本発明によると、電解液を収容する電解液収容部内に複数の電極を有し、電解液により電気的に接続された電極間に流れる被検ガスの電解電流を検知する定電位電解式ガスセンサの電位安定化方法であって、前記定電位電解式ガスセンサが備える前記複数の電極のうち少なくとも1つの電極は、高分子膜の表面に電極材料を付着させて形成された薄膜電極であり、前記定電位電解式ガスセンサの組み立て後であって、被検ガスの電解電流の検知を行う前に、前記少なくとも1つの薄膜電極を所定の電位に制御して、該少なくとも1つの薄膜電極と他の1つの電極との間で電解電流を生じさせることを特徴とする定電位電解式ガスセンサの電位安定化方法が提供される。本発明の一実施態様によると、前記定電位電解式ガスセンサが備える前記複数の電極としての作用極、参照極及び対極のうち少なくとも前記作用極は前記薄膜電極であり、前記定電位電解式ガスセンサの組み立て後であって、被検ガスの電解電流の検知を行う前に、少なくとも前記作用極を所定の電位に制御して該作用極と前記対極との間で電解電流を生じさせることができる。
第3の本発明によると、電解液を収容する電解液収容部内に複数の電極を有し、電解液により電気的に接続された電極間に流れる被検ガスの電解電流を検知する定電位電解式ガスセンサにおいて、上記各本発明の定電位電解式ガスセンサの電位安定化方法が適用されていることを特徴とする定電位電解式ガスセンサが提供される。
本発明によれば、定電位電解式ガスセンサの組み立て後の電位安定化時間を短縮することができる。
以下、本発明に係る定電位電解式ガスセンサの電位安定化方法及び定電位電解式ガスセンサを図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
[定電位電解式ガスセンサ]
先ず、本発明を適用し得る定電位電解式ガスセンサの一実施例について説明する。本発明は、任意の構造を有する定電位電解式ガスセンサ、特に、薄膜電極を有する定電位電解式ガスセンサに適用することができる。
図1は、本実施例の定電位電解式ガスセンサ100の概略断面を示す。又、図2は、本実施例の定電位電解式ガスセンサ100の組立部分断面を示す。
本実施例の定電位電解式ガスセンサ100は、大別して電解セル部110と、フィルタ部120とを有する。電解セル部110は、被検ガスの測定を行う定電位電解式ガスセンサ本体を構成し、フィルタ部120は、被検ガスの測定に対する干渉ガスの除去を行う。
先ず、電解セル部110について説明する。本実施例では、電解セル部110は、概略、電解液Sを収容する電解液収容部を構成する凹部13を備えたケース本体1と、ケース本体1に配置される電極担持膜群3A、3B、3Cと、シール部材としての弾性部材であるOリング5と、シール部材5をケース本体1に押圧して取り付ける押さえ部材としてのワッシャー6及びケース蓋7とを有する。電解セル部110は更に、電極担持膜群3A〜3Cが備える電極から引き出される第1、第2、第3のリード21A、21B、21Cと、これら第1〜第3のリード21A〜21Cが接続されてケース本体1の外部との電気信号の授受を行うためのコンタクト部材としての第1、第2、第3のコンタクトピン22A、22B、22Cとを有する。そして、ケース本体1には、第1〜第3のリード21A、21B、21Cが挿通され、又第1〜第3のコンタクトピン22A〜22Cが取り付けられる通路としての第1、第2、第3の貫通孔15A、15B、15Cが形成されている。
尚、図3は本実施例の定電位電解式ガスセンサ100のケース本体1の上面を示す。
図1及び図2におけるケース本体1は、図3中のA−A線断面を示しており、図1及び図2には、第1〜第3の貫通孔15A〜15Cのうち第1の貫通孔15A、又第1〜第3のコンタクトピン22A〜22Cのうち第1のコンタクトピン22Aが示されている。
更に説明すると、電解セル部110のケース本体1は、図1及び図2において下側の大径部11と上側の小径部12とを有する。大径部11は概略円柱形状を有し、小径部12は大径部11と同心の概略円筒形状を有する。
ケース本体1の大径部11には、小径部12との会合面に開口部13aを有する凹部13が形成されている。凹部13は概略円柱状の穴として形成されている。凹部13の内径は、小径部12の中空部14の内径よりも小さい。従って、大径部11と小径部12との会合面には、凹部13の開口部13aを取り囲む概略円環状の台部19が形成されている。又、凹部13の底部の略中心には、圧力調整部として、凹部13の内径よりも小さい内径を有する空間16が更に形成されている。
図3に示すように、大径部11の台部19上には、凹部13の開口部13aの縁部に沿って、好ましくは等間隔に、第1〜第3の貫通孔15A〜15Cが開口している。第1〜第3の貫通孔15A〜15Cはそれぞれ、ケース本体1の大径部11を、軸方向に貫通している。第1〜第3の貫通孔15A〜15Cのそれぞれの、台部19とは反対側の端部を封止するように第1〜第3のコンタクトピン22A〜22Cが取り付けられる。そして、第1〜第2の貫通孔15A〜15C内で、第1〜第3のリード21A〜21Cのそれぞれの一方の端部が、第1〜第3のコンタクトピン22A〜22Cに電気的に接続される。
図4は、ケース本体1に対する電極担持膜群3A〜3Cの積層構成をより詳しく示す。本実施例では、電極担持膜群3A〜3Cは、第1の電極担持膜としての作用極担持膜3Aと、第2の電極担持膜としての参照極担持膜3Bと、第3の電極担持膜としての対極担持膜3Cとを、凹部13の外側から底部に向けてこの順序で有する。作用極担持膜3A、参照極担持膜3B、対極担持膜3Cはそれぞれ、多孔性のガス透過性膜(第1、第2、第3のガス透過性膜)31A、31B、31C上に、導電性材料を備えた薄膜電極である作用極32A、参照極32B、対極32Cが形成されて構成される。
又、作用極担持膜3Aと参照極担持膜3Bとの間には第1の電解液保持部材としての第1の保水シート4Aが配置され、参照極担持膜3Bと対極担持膜3Cとの間には第2の電解液保持部材としての第2の保水シート4Bが配置される。
作用極担持膜3Aは、ケース本体1における被検ガスと電解液Sとの界面に、電解液Sの収容部たる凹部13の開口部13aを覆うように配置されて隔膜を構成する。そして、作用極32Aは、第1のガス透過性膜31Aの凹部13側、即ち、第1の保水シート4Aに接触する側の面に形成されている。又、参照極32Bは、第2のガス透過性膜31Bの第1の保水シート4Aに接触する側の面に形成されている。更に、対極32Cは、第3のガス透過性膜31Cの第2の保水シート4Bに接触する側の面に形成されている。
尚、本実施例では、定電位電解式ガスセンサ100は一酸化炭素(CO)センサとして構成されている。そして、本実施例では、第1〜第3のガス透過性膜31A〜31CとしてPTFE製の薄膜を用いた。ガス透過性膜としては、シリコーン膜などのその他の多孔性高分子膜を使用することもできる。本実施例では、作用極32A、参照極32B、対極32Cとしては白金の薄膜を用いた。又、本実施例では、この作用極32A、参照極32B、対極32Cは、高分子膜に膜形成材と電極材料(導電性微粒子)との混合物を塗布して加熱焼成することによって形成される。即ち、本実施例では、作用極32A、参照極32B、対極32Cは、高分子膜としての第1〜第3のガス透過性膜(PTFE膜)上に、導電性微粒子としての白金粉末を、膜形成材としてのPTFE樹脂粉末を用いて薄膜状に固める方法により形成した。作用極32A、参照極32B、対極32の薄膜は、蒸着、スパッタリングなどのその他の製膜方法を用いて形成することもできる。又、作用極32Aとしては、通常、白金が使用されるが、パラジウム、金、銀などの貴金属、或いはカーボンも使用することができる。参照極32Bとしては、白金、金、パラジウムなどの貴金属、銀又は塩化銀メッキした銀、或いはカーボンなどを使用することができる。又、対極32Cとしては、通常、白金が使用されるが、パラジウム、金、銀などの貴金属も使用することができる。又、本実施例では、電解液Sとしては5M(=mol/L)の硫酸(H2SO4)を用いた。電解液Sとしては、燐酸H2PO4などのその他の酸、又はアルカリ溶液を使用することもできる。電解液Sの濃度は、通常、1〜10Mとされる。更に、本実施例では、第1、第2の電解液保持部材4A、4Bとしては、ポリエステル繊維から成る不織布のシートを用いた。第1、第2の電解液保持部材4A、4Bとしては、スポンジ、濾紙などを用いることもできる。
作用極32Aと第1の保水シート4Aとの間に第1のリード21Aの一方の端部が配置される。又、第1の保水シート4Aと参照極32Bとの間に第2のリード21Bの一方の端部が配置される。更に、第2の保水シート4Bと対極32Cとの間に第3のリード21Cの一方の端部が配置される。層間から引き出された第1〜第3のリード21A〜21Cはそれぞれ、所望により凹部13の内壁に沿って折り返されて、ケース本体1の台部19上に開口した第1〜第3の貫通孔15A〜15C内に導入される。そして、第1〜第3の貫通孔15A〜15Cの台部19とは反対側の端部に取り付けられた第1〜第3のコンタクトピン22A〜22Bに至る。尚、本実施例では、第1〜第3のリード21A〜21Cとしては、作用極32A、参照極32B、対極32Cと同一材料である白金から成る平坦リードを使用した。又、第1〜第3のコンタクトピンとしては、金メッキした真鍮製のものを使用した。
ここで、作用極32A、参照極32B、対極32Cはそれぞれ概略円盤状に形成されており、その径は凹部13の内径と同等又はそれよりも小さい。又、第2のガス透過性膜31B、第3のガス透過性膜31C、第1の保水シート4A、第2の保水シート4Bもそれぞれ概略円盤状に形成されており、その径は凹部13の内径と同等又はそれよりも小さい。本実施例では、作用極32A、参照極32B、対極32Cの径は、第2、第3のガス透過性膜31B、31Cの径よりも小さくされており、又第1、第2の保水シート4A、4Bの径は第2、第3のガス透過性膜31B、31Cの径とほぼ同じである。一方、第1のガス透過性膜31Aは、凹部13の内径よりも大きく、且つ、小径部12の中空部14の内径と同等又はそれよりも小さい径を有する概略円盤形状に形成されている。そして、これらの円盤状部の各部材は、互いに略同心的に、又凹部13と略同心的に配置される。
これにより、作用極32A、参照極担持膜3B(即ち、第2のガス透過性膜31B及び参照極32B)、対極担持膜3C(即ち、第3のガス透過性膜31C及び対極32C)、第1の保水シート4A及び第2の保水シート4Bは凹部13内に収容されるが、第1のガス透過性膜31Aは凹部13内には配置されず、この第1のガス透過性膜31Aの外縁部より内側の所定範囲がケース本体1の台部19上に配置される。
電極担持膜群3A〜3C及び第1、第2の保水シート4A、4Bをケース本体1に配置した状態で、Oリング5が取り付けられたワッシャー6がケース本体1上に配置される。そして、ケース蓋7が、ワッシャー6をケース本体1に押圧するようにして、ケース本体1に取り付けられる。
即ち、ワッシャー6は、概略円柱状の中心穴部61を有するリング状部材であり、ケース本体1側の外縁部が切り欠かれてシール部材保持部(段部)62が形成されている。ワッシャー6の中心穴部61の内径は、ケース本体1の凹部13の内径と同等又はそれよりも大きい。一方、ワッシャー6の最大外径は、ケース本体1の小径部12の中空部14及びその開口部14aの内径と同等又はそれよい小さい。そして、このワッシャー6は、Oリング5が設けられた側から、ケース本体1の小径部12の中空部14内に配置される。
これにより、Oリング5が、台部19上に配置された作用極担持膜3Aの外縁部近傍に配置される。本実施例では、第1〜第3の貫通孔15A〜15Cは、台部19上において、凹部13の縁部よりに開口している。従って、作用極担持膜3Aの第1のガス透過性膜31Aは、台部19の全周にわたって、直接Oリング5と台部19との間に狭持される。又、Oリング5は、ケース本体1の小径部12の中空部14の内壁に圧接する。尚、Oリング5の他にゴムパッキンなどのその他の弾性部材をシール部材として用いてもよい。
ケース蓋7は袋ナット状部材であり、内周面に、ケース本体1の小径部12の外周に形成されたネジ部18に噛合するネジ部73が形成されている。ケース蓋7は、中心開口部71を有する。この中心開口部71は、ワッシャー6の中心穴部61と略同径で、ケース蓋7をケース本体1に取り付けた状態でワッシャー6の中心穴部61と同心に配置される。ワッシャー6をケース本体1に配置した後に、ケース蓋7をケース本体1の小径部12に螺合することにより、ケース蓋7の中心開口部71を取り巻くフランジ部72により、ワッシャー6をケース本体1に押圧することができる。
このように、本実施例の定電位電解式ガスセンサ100では、作用極担持膜3Aは、ケース本体1の凹部13の開口部13aを取り囲む台部19に、ワッシャー6及びケース蓋7を用いてOリング5で押圧される。そして、図中作用極担持膜3Aより下層に積層されて凹部13内に配置された第1の保水シート4A、参照極担持膜3B、第2の保水シート4B及び対極担持膜3Cは、凹部13内で作用極担持膜3Aにより押圧される。これにより、凹部13は液密的に封止され、且つ、凹部13内に積層状態で配置された作用極32A、参照極32B、対極32Cと、第1、第2、第3のリード21A、21B、21Cとのそれぞれは互いに圧接される。
更に、第1〜第3の貫通孔15A〜15Cにおいて台部19上の開口部から第1〜第3のコンタクトピン22A〜22Cまでの間のそれぞれの少なくとも一部、本実施例では全部を、液密的に封止するように、充填材23A、23B、23Cを充填することができる。充填材23A〜23Cとしては、電解液Sに対して十分な耐性を有するものを用いる。又、充填材23A〜23Cは、第1〜第3のリード21A〜21Cと接触しても望ましくない電流を発生することがないように絶縁性の材料であることが好ましい。充填材23A〜23Cとしては、電解液Sとして用いられる硫酸に対して十分な耐性を有する耐薬品性の樹脂、例えば、接着剤を好適に用いることができる。例えば、充填材23A〜23Cとしてエポキシ樹脂接着剤を用いることができる。
次に、フィルタ部120について説明する。本実施例では、フィルタ部120は、フィルタ取り付け具8と、干渉ガス除去フィルタ9とを有する。ケース本体1に取り付けられたフィルタ取り付け具8に干渉ガス除去フィルタ9を装着することにより、干渉ガス除去フィルタ9はケース本体1に対して着脱自在に取り付けられる。
更に説明すると、取り付け具8は、中空部81を有する円筒状部材であり、その軸線方向一方の端部(図中下側)の内周面には、ケース本体1の大径部11の外周に形成されたネジ部17に噛合するネジ部82が形成されている。取り付け具8は、ケース蓋7を取り付けた後のケース本体1のケース蓋7側から被せて、大径部11に螺合する。
そして、取り付け具8の軸線方向他方の端部(図中上側)に、干渉ガス除去フィルタ9が取り付けられる。干渉ガス除去フィルタ9はフィルタ本体91と、このフィルタ本体91の外周に取り付けられたフィルタシール部材92とを有する。フィルタシール部92を、上記取り付け具8の端部の内周面に対して圧入嵌合することによって、干渉ガス除去フィルタ9は、しっかりと取り付け具8に取り付けられる。フィルタ本体91は通気性を有し、定電位電解式ガスセンサ100の雰囲気ガスを電解セル部110に向けて通過させ、又電解セル部110からのガスを定電位電解式ガスセンサ100の外部に向けて通過させるが、その通気経路に、電解セル部110における測定に影響を及ぼす干渉ガスを吸収する吸収剤が設けられている。本実施例では、定電位電解式ガスセンサ100はCOセンサとして構成されているので、フィルタ本体91には、干渉ガスであるNO2を吸収して除去する吸収剤が設けられている。
尚、本実施例では、ケース本体1、ワッシャー6、ケース蓋7、取り付け具8はプラスチックによって成型されている。
[安定化処理]
次に、本実施例にて最も特徴的な、電極の電位安定化方法について説明する。
本実施例では、定電位電解式ガスセンサ100の組み立て前に、作用極32A、参照極32B及び対極32Cのそれぞれを純水中で加熱処理する。これにより、詳しくは実験例を参照して後述するが、定電位電解式ガスセンサ100の組み立て後の電位安定化時間を著しく短縮することができる。
本発明は如何なる理論によっても束縛されるものではないが、これは、第1には、作用極32A、参照極32B及び対極32Cのそれぞれの表面に強制的に水酸基を導入することができたためであると考えられる。又、第2には、作用極32A、参照極32B及び対極32Cのそれぞれの不純物を強制的に溶出させることができたためであると考えられる。
上記第1の理由について更に説明する。定電位電解式ガスセンサでは、作用極での被検ガスの酸化又は還元による、酸化電流又は還元電流を検出している。例えば、本実施例のようにCOセンサであれば、作用極でのCOの二酸化炭素(CO2)への酸化反応による酸化電流を測定する。この時、作用極の界面は、電圧に対応した電荷分布状態にあり、これを中和するように電解液中の極性成分が配向して電気二重層を形成している。そして、作用極の界面電位が安定するまでは、電気二重層容量の変動に伴う容量電流が生じる。
ここで、例えば作用極の電極材料が白金であり、電解液として硫酸水溶液が用いられる場合を例として説明すると、定電位電解式ガスセンサでは、使用状態において、作用極の表面は安定した水和状態にあるものと考えられている。即ち、図6に示すように、作用極の表面には水酸基が導入された状態になっている。そして、この電極の界面の水和状態が、作用極の界面電位を支配する主要因となる。即ち、この水和状態が平衡に達して安定化するまでは、作用極の界面における電気二重層容量の変動に伴う容量電流が生じることになる。
尚、ここでは、作用極を例として説明したが、参照極、対極についても同様のことが言える。
これに対して、本実施例では、定電位電解式ガスセンサ100の組み立て前に作用極32A、参照極32B及び対極32Cを高温の純水に浸漬して、各電極の表面の水和層の形成を加速することで、定電位電解式ガスセンサ100の組み立て後の電位安定化時間を短縮することができるものと考えられる。つまり、作用極32A、参照極32B及び対極32Cのそれぞれの界面電位を決定している水和状態が平衡に達するまでの時間を短縮することで、定電位電解式ガスセンサ100のゼロ点が安定化するまでの時間を短縮する。
次に、上記第2の理由について更に説明する。図7(a)は、高分子膜31上に薄膜電極32が形成された電極担持膜3を模式的に示す。前述したように、電極担持膜3は、例えば、高分子膜31に電極材料32aと膜形成材32bとの混合物を塗布して加熱焼成することによって形成される。図7(b)は、この方法により高分子膜31上に形成された薄膜電極32の模式的拡大図である。図7(b)に示すように、電極材料32aが、膜形成材32bによって高分子膜31上に固定されて、薄膜電極32が形成されている。
この薄膜電極32を形成する際の焼き込み処理における加熱で、通常、膜形成材32bに含まれる安定化剤や分散剤は除去される。しかし、この薄膜電極32の形成時の加熱処理では加熱温度が低い等の理由により、膜形成材32bに含まれる安定化剤や分散剤を完全に除去することはできず、残渣(不純物)Iとして電極材料32aの表面などに残る。この不純物は、主に有機物から成り、水溶性であることが多い。そのため、定電位電解式ガスセンサの使用状態において、この不純物が電解液に溶出したり、電解液によって分解されたりする。そして、その過程で、電極の界面電位が変動する。更に、作用極においては、不純物の電解による反応電流が生じることがある。
尚、ここでは、薄膜電極の作製方法として、高分子膜に電極材料と膜形成材との混合物を塗布した後焼成することで電極薄膜を形成する場合を例として説明したが、その他の成膜技術を用いる場合にも、電極薄膜に不純物が含まれていると、上記同様に、その不純物が電解液に溶出したり、電解液によって分解されたりする過程で、電極の界面電位が変動したり、更に作用極においては不純物の電解による反応電流が生じたりすることがある。
これに対して、本実施例では、定電位電解式ガスセンサ100の組み立て前に作用極32A、参照極32B及び対極32Cのそれぞれを高温の純水に浸漬して、各電極の不純物を溶出させることで、定電位電解式ガスセンサ100の組み立て後の電位安定化時間を短縮することができるものと考えられる。
ここで、本実施例の処理に使用する純水としては、一般的なイオン交換水を好適に使用することができる。好ましくは、本実施例の処理に使用する純水は、電気伝導率が0.01mS/m(25℃)以下のイオン交換水である。電気伝導率が0.01mS/mを越える純水であると、イオン等の電解質が、上述の加熱処理中に作用極32A他各電極に付着する虞がある。
又、本実施例の処理における純水の温度は、好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以上である。純水の温度が80℃未満であると、一般に、定電位電解式ガスセンサ100の組み立て後の電位安定化時間の短縮効果が顕著ではなくなる。沸騰状態の純水を用いることがより好ましい。一方、加圧条件下では、処理に用いる純水を100℃以上の高温にすることができるが、設備上の問題、操作性等を考慮すれば、本実施例の処理における純水の温度は、好ましくは150℃以下、より好ましくは130℃以下である。即ち、本実施例の処理における純水の温度は、好ましくは80℃以上150℃以下、より好ましくは100℃以上130℃以下である。
又、本実施例の処理における処理時間、即ち、電極を高温の純水に浸漬する時間は臨界的なものではなく、所望の電位安定化時間の短縮効果、電極の種類などに応じて適宜決定することができる。電極の種類には、薄膜電極の電極材料、膜形成材の材料、高分子膜(ガス透過性膜)の材料、薄膜電極自体及び/又は電極担持膜全体の寸法の違いなどが含まれる。但し、本発明者らの検討によれば、処理時間は、好ましくは3時間以上、より好ましくは5時間以上である。処理時間が3時間未満であると、一般に、定電位電解式ガスセンサ100の組み立て後の電位安定化時間の短縮効果が顕著ではなくなる。一方、生産性等の問題、或いは必要以上に処理時間を長くしてもそれ以上の効果を得ることは難しいことなどを考慮すれば、本実施例の処理における処理時間は、好ましくは10時間以下、より好ましくは8時間以下である。即ち、処理時間は、好ましくは3時間以上10時間以下、より好ましくは5時間以上8時間以下である。
電極担持膜を高温の純水に浸漬する操作自体は、特に制限されるものではなく、当業者が通常行う程度の工夫によって、任意に適当な方法を採用することができる。典型的には、適当な容器内で沸騰している純水に、表面に薄膜電極が形成された電極担持膜を所定時間浸漬することができる。或いは、適当な容器内の純水に、表面に薄膜電極が形成された電極担持膜を浸漬し、これをオートクレーブ内に配置して、所定温度で所定時間だけ加熱処理してもよい。電極担持膜は個々に分割された状態で処理してもよいし、その後切断されることで個々の電極担持膜とされる複数の電極担持膜が形成された一続きの状態、即ち、1枚の高分子膜(ガス透過性膜)上に複数の電極薄膜が形成された状態で処理してもよい。
尚、例えば本実施例のように作用極担持膜3A、参照極担持膜3B及び対極担持膜3Cを用いる定電位電解式ガスセンサ100においては、作用極32A、参照極32B及び対極32Cのうち少なくとも1つに対して本実施例の方法を適用することによって、従来に比べて定電位電解式ガスセンサ100の組み立て後の電位安定化時間は短縮される。但し、好ましくは、少なくとも作用極32A、最も好ましくは、作用極32A、参照極32B及び対極32Cの全てに対して本実施例の方法を適用することによって、従来に比べて定電位電解式ガスセンサ100の組み立て後の電位安定化時間をより顕著に短縮することができる。又、作用極、参照極及び対極のうちいずれか1つ又は2つが薄膜電極とされている場合は、その薄膜電極のうち少なくとも1つ又は全てについて本実施例の方法を適用することができる。
本実施例の効果を実証するために以下の実験を行った。
(実験例1)
上述の構成の定電位電解式ガスセンサ(COセンサ)100において、作用極担持膜3A、参照極担持膜3B及び対極担持膜3Cのそれぞれを高温(100℃)の純水に8時間浸漬した後に組み立てたもの(本実施例)と、いずれの電極担持膜も高温の純水に浸漬せずにそのまま組み立てたもの(比較例1)とを用意した。
尚、本実験例で使用した定電位電解式センサ100は、上述の通り、作用極32A、参照極32B及び対極32Cの電極材料は白金であり、又各電極はPTFE膜上に白金粒子とPTFE粒子との混合物を塗布して焼成する方法によって形成されている。
そして、定電位電解式ガスセンサ100をポテンショスタット回路に接続して、ゼロガス(CO濃度0ppmの空気)に対する電流(残余電流)が減少してゼロ点(ゼロ出力)が安定化するまでの時間を比較した。結果を表1及び図5に示す。尚、表1及び図5中、残余電流はCO濃度に換算した値で示している。
Figure 2007315824
表1及び図5に示すように、本実施例の処理を行わない場合は、ゼロ点が安定化するまでに400時間ほど要した。これに対して、本実施例の処理を行った場合は、数時間でゼロ点が安定化した。
尚、作用極担持膜3A、参照極担持膜3B、対極担持膜3Cのうちいずれかについて本実施例の処理を行わずにそのまま組み立てたものも用意して上記同様の実験を行った。その結果、いずれか1つの電極担持膜について本実施例の処理を行えば、全く行わない場合よりも有意に組み立て後の電位安定化時間が短縮された。しかし、作用極担持膜3A、参照極担持膜3B、対極担持膜3Cの全てについて本実施例の処理を行った場合に、組み立て後の電位安定化時間の短縮効果が最も顕著であった。
以上説明したように、本実施例によれば、定電位電解式ガスセンサ100の組み立て後の電位安定化時間を短縮することができる。
実施例2
次に、本発明に係る他の実施例について説明する。本実施例においても、本発明を実施例1にて説明したものと同じ構造を有する定電位電解式ガスセンサに適用する。従って、実施例1にて説明した定電位電解式ガスセンサと同一又はそれに相当する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
本実施例では、実施例1にて説明した方法によって、定電位電解式ガスセンサ100の組み立て後の電位安定化時間の短縮が難しい場合などに、実施例1にて説明した方法に代えて、又は加えて実施することのできる電位安定化方法について説明する。
本実施例では、定電位電解式ガスセンサ100の組み立て後に、対象の電極に一定時間電圧を印加する。特に、本実施例では、定電位電解式ガスセンサ100の組み立て後に、作用極32Aに一定時間電圧を印加する。詳しくは後述するが、この処理を行う時、対象の電極は、通常、被検ガスが実質的に存在しない環境下に置かれる。又、印加される電圧は、対象の電極において酸化反応が起きるように選択される。これにより、詳しくは実験例を参照して後述するが、定電位電解式ガスセンサ100の電位安定化時間を著しく短縮することができる。
本発明は如何なる理論によっても束縛されるものではないが、これは、第1には、一定時間電解を行わせることで、対象の電極の表面状態を安定化させることができたためであると考えられる。又、第2には、一定時間電解を行わせることで、対象の電極の不純物を分解し、除去することができたためであると考えられる。不純物は、上記電解処理により、電極の界面電位に影響を与えないものへ変化するなどして、電解液中に存在したとしても電極の電位を変動させることはないものと考えられる。
上記第1の理由について更に説明する。ここでは、電解による安定化処理の対象は作用極であるものとする。実施例1にて説明したように、定電位電解式ガスセンサでは、使用状態において、作用極の表面は水酸基が導入されて安定した水和状態にあるものと考えられている。そして、この水和状態が平衡に達して安定化するまでは、電極の界面電位に応じた電気二重層容量の変動に伴う容量電流が生じることになる。
これに対して、本実施例では、定電位電解式ガスセンサ100の組み立て後に、陽極酸化による水酸基導入による水和層の形成により、定電位電解式ガスセンサ100の電位安定化時間を短縮することができるものと考えられる。つまり、電極の界面電位を決定している水和状態が平衡に達するまでの時間を短縮することで、定電位電解式ガスセンサ100のゼロ点が安定化するまでの時間を短縮する。従って、本実施例の処理は、例えば、実施例1にて説明した高温の純水による処理だけでは水和が難しい電極について、その高温の純水による処理に代えて又は加えて実施することができる。
次に、上記第2の理由について更に説明する。実施例1にて説明したように、薄膜電極の形成時の残渣(不純物)が電解液に溶出したり、電解液によって分解されたりする過程で、電極の界面電位が変動する。更に、作用極においては、不純物の電解による反応電流が生じることがある。
これに対して、本実施例では、定電位電解式ガスセンサ100の組み立て後に、電解により電極の不純物を除去することで、定電位電解式ガスセンサ100の電位安定化時間を短縮することができるものと考えられる。従って、本実施例の処理は、実施例1にて説明した高温の純水による処理だけでは不純物の除去が難しい電極について、その高温の純水による処理に代えて又は加えて実施することができる。
ここで、本実施例の処理において対象の電極に印加する電圧、即ち、被検ガスの電解電流の検知を行う前に対象の電極を所定の電位に制御して、該対象の電極と他の1つの電極との間で電解電流を生じさせる際の該対象の電極の所定の電位は、該対象の電極で陽極酸化が起こるような電位であれば、所望の電位安定化時間の短縮効果、電極の種類などに応じて適宜決定することができる。但し、本発明者らの検討によれば、印加電圧は、好ましくは100mV以上1500mV以下、より好ましくは500mV以上1000mV以下である。印加電圧が100mVよりも小さいと、一般に、電解による電位安定化効果が顕著ではなくなるか、又はその効果を得るために相当長時間処理する必要が生じる。一方、印加電圧が1500mVを超えると、水の電気分解や水素の発生などの問題が起こることがある。
例えば、電解処理による電位安定化処理の対象の電極が作用極である場合、通常、この電解処理時における作用極の参照極に対する電位は、被検ガスの電解電流の検知時における作用極の参照極に対する電位とは異なる。ここで、表2及び表3に、実施例1にて説明した構成を有し、本発明を適用し得る定電位電解式ガスセンサ100における各種設定の一例を示す。表2には、定電位電解式ガスセンサ100を、本実施例のようにCOセンサとして構成した場合に加えて、参考としてSO2センサ、NOセンサ、NO2センサとして構成した場合における測定レンジ、設定電解電位(印加電圧)、測定電流の一例を示す。又、表3は、表2に示す各定電位電解式ガスセンサ100にて用いることのできる電解液、作用極、参照極及び対極の一例を示す。表2、3中の各設定は本発明を例示するための一例であって、本発明をこれに限定する意図はないことを理解されたい。
Figure 2007315824
Figure 2007315824
例えば、表2に示すように、SO2センサでは、設定電解電位0mVにおいて、作用極でのSO2のH2SO4への酸化による酸化電流を測定する。NOセンサでは、設定電解電位+300mVにおいて、作用極でのNOの硝酸(HNO3)への酸化による酸化電流を測定する。NO2センサでは、設定電解電位0mVにおいて、作用極でのNO2のNOへの還元反応による還元電流を測定する。又、COセンサでは、設定電解電位0mVにおいて、作用極でのCOの二酸化炭素(CO2)への酸化反応による酸化電流を測定する。
そして、例えば、表2、表3に示すような定電位電解式ガスセンサ100において、電解による電位安定化処理の対象が作用極である場合には、電解処理時に作用極の参照極に対する電位は、好ましくは100mV以上1500mV以下、より好ましくは500mV以上1000mV以下に制御する。
又、本実施例の処理における処理時間、即ち、電圧を印加する時間(電解時間)は臨界的なものではなく、所望の電位安定化時間の短縮効果、電極の種類などに応じて適宜決定することができる。電解電流に応じて適宜処理時間を決定することが好ましい。本発明者らの検討によれば、電位安定化時間の短縮効果において、上記第1の理由、即ち、陽極酸化による水酸基導入による水和層の形成による電位安定化が支配的である場合には、残余電流の状態に応じて、電解処理時間は、10分〜40分程度で十分である場合が多い。一方、上記第2の理由、即ち、電解により電極の不純物を除去することによる電位安定化が支配的である場合には、電解電流が残余電流程度(一般に、0〜0.1μA)に低下するまで適宜の時間だけ電解処理を行うことが好ましい。実施例1の純水での加熱処理を適用していない電極についてはより長い電解処理時間が必要であり、一方実施例1の純水での加熱処理を適用した電極についてはその処理による電極の安定化度合がより高ければより短い電解処理時間で十分である。このように、電解電流が残余電流程度に低下するまでの時間は、電解処理の開始時の電極における不純物の含有程度によって様々であるが、一般には、30分〜3時間であり、最も典型的には1時間程度である。
更に、本実施例の処理は、好ましくは、組み立てられた定電位電解式ガスセンサが、そのセンサの被検ガスが実質的に存在しない環境下に置かれた状態で行われる。即ち、本実施例の処理は、定電位電解式ガスセンサが被検ガスを含まない状態で行うことが好ましい。典型的には、本実施例の処理は、定電位電解式ガスセンサ(例えば、COセンサ、SO2センサ、NOセンサ、NO2センサ)の被検ガスを実質的に含まない、通常の空気環境下で電解処理が行われる。
電解処理操作自体は、特に制限されるものではなく、当業者が通常行う程度の工夫によって、任意に適当な方法を採用することができる。例えば、本実施例のように電解による安定化処理対象が作用極である場合、典型的には、図8に示すように、組み立てられた定電位電解式ガスセンサ(電解液を収容している。)をポテンショスタット回路に接続して、参照極に対して作用極に上述の如き所定の電圧を印加して、作用極と対極との間で上記の如き所定時間の間電解電流を流すことができる。この時、電解電流をモニターして、電解電流が予め設定された値(残余電流程度)に低下した時点で自動的に電解処理を終了するなどしてもよい。
ところで、上述のように、本実施例の処理は、実施例1にて説明した純水での加熱処理によって電極表面の水和層形成を加速させるか、或いは電極の不純物を溶出させるだけでは、定電位電解式ガスセンサ100の組み立て後の電位安定化時間を十分に短縮することができない場合などに好適に適用することができる。本発明者らの検討によれば、実施例1の純水での加熱処理によって十分に安定化された電極については、更に本実施例の電解処理を行っても、実質的に更に安定化時間を短縮する効果はあまり期待できない。但し、純水での加熱処理と電解処理との両方を行うことによる相乗効果によって、全体の処理時間が短縮する傾向が見られる。又、定電位電解式ガスセンサ100の製造工程上の都合などにより、実施例1の純水での加熱処理に代えて、又は加えて本実施例の電解処理を適用することが好ましい場合もあるだろう。例えば、定電位電解式ガスセンサの組み立て前に、実施例1の純水による加熱処理によりある程度電極を安定化しておき、定電位電解式ガスセンサの組み立て後に一定時間本実施例の電解処理を行うことで、最終的に所望のレベルまで電位を安定化することができる。或いは、実施例1の純水での加熱処理を適用して作製された定電位電解式ガスセンサを検査して、残余電流が所定値より高いものについて、本実施例の電解処理を行うことができる。
ここで、電極の表面の水和状態の安定化に関して、実施例1の純水での加熱処理による安定化は、電極の表面が水和されやすい白金を材料とした電極に対して特に有効である。一方、本実施例の電解による安定化は、白金、金などの金属、或いはカーボンなどを材料とした広範な電極に対して概ね同様に有効である。又、電極の不純物の除去に関して、白金や金などの金属を材料とした電極については、電極が化学的に安定であるので、本実施例の電解による方法によって、好適に電極の不純物を分解し、除去することができる。しかし、カーボンなどのように電解処理で自身が電解されてしまう材料による電極については、本実施例の電解による方法は適していない場合がある。このような電解処理で自身が電解されてしまう材料については、実施例1の純水での加熱処理がより適している。
本実施例の効果を実証するために以下の実験を行った。
(実験例2)
実施例1にて説明した構成の定電位電解式ガスセンサ(COセンサ)100において、作用極32Aに関し、実施例1における純水での加熱処理及び本実施例における電解処理の両方を行う場合(サンプル1)と、本実施例における電解処理のみを行う場合(サンプル2)とについて、組み立て後の残余電流について検討した。
尚、本実験例では、いずれの場合においても、参照極32B及び対極32Cに対して実施例1における純水での加熱処理を行った。具体的には、参照極32B及び対極32Cのそれぞれに対して純水による加熱処理を5時間行った。これにより、参照極32B及び対極32Cのそれぞれの表面の水和状態の平衡化、及び/又は参照極32B及び対極32Cのそれぞれからの不純物の除去はほぼ完了されているものと考えられる。
先ず、サンプル1として、組み立て前に作用極32Aに対して実施例1の純水での加熱処理を実施して、組み立て後の定電位電解式ガスセンサ100のゼロガス(CO濃度0ppmの空気)に対する電流(残余電流)が1μA(CO濃度33ppmに相当)となる定電位電解式ガスセンサ100を用意した。具体的には、作用極32Aに対する純水での加熱処理時間を3時間とした。これにより、作用極32Aの表面の水和状態の平衡化及び/又は作用極32Aからの不純物の除去は、純水での加熱処理では完了しなかったものと考えられる。
又、サンプル2として、組み立て前に作用極32Aに対して実施例1の純水での加熱処理を実施せず、電極担持膜として電極が焼成されたままのものを用意した。このセンサの組み立て後の定電位電解式ガスセンサ100のゼロガス(CO濃度0ppmの空気)に対する電流(残余電流)は3μA(CO濃度100ppmに相当)であった。
尚、本実施例で使用した定電位電解式ガスセンサ100は、実施例1にて説明した通り、作用極32A、参照極32B及び対極32Cの電極材料は白金であり、又各電極はPTFE膜上に白金粒子とPTFE粒子との混合物を塗布して焼成する方法によって形成されている。
そして、組み立てられたサンプル1、2のセンサをポテンショスタット回路にそれぞれ接続して、参照極32Bに対して作用極32Aに電圧を印加して、作用極32Aと対極32Cとの間に電解電流を流した。参照極32Bに対する作用極32Aの設定電位は、サンプル1、2のいずれの場合も電解液が酸性であるので、水の電気分解が生じない範囲の電位である500mVとした。
その結果、作用極32Aに対して純水での加熱処理を施してあるサンプル1のセンサについては、30分の処理時間(電解時間)で十分に、ゼロガスに対して1μAであった残余電流が、電解処理後には0.1μAとなった。
このように、本実施例によれば、実施例1の純水での加熱処理により電極の表面の水和状態の安定化、又は電極からの不純物の除去が完全に行われていない状態であっても、電解処理により短時間で電極の表面の水和状態の安定化、又は電極からの不純物の除去を行うことができる。又、純水での加熱処理と電解処理との相乗効果により、いずれの処理についても処理時間を短縮することができ、全体的な処理時間を短縮できる傾向がある。
又、作用極32Aに対して純水での加熱処理が施されていないサンプル2のセンサについては、1時間の処理時間で、ゼロガスに対して3μAであった残余電流は、電解処理後には0.1μAとなった。
このように、本実施例によれば、実施例1の純水での加熱処理の代わりに電解処理を行うことによって、比較的短時間で電極の表面の水和状態の安定化、又は電極からの不純物の除去を行うことができる。
尚、本実験例では、代表例として、参照極32B、対極32Cに関してはセンサの組み立て前に実施例1にて説明した純水での加熱処理を行った場合について説明した。本実験例と同様にして、参照極32B及び/又は対極32Cに対して純水による加熱処理を行わない場合についても検討した結果、従来に比べてセンサの電位安定化時間を著しく短縮する効果があった。
以上説明したように、本実施例によれば、定電位電解式ガスセンサ100の組み立て後の電位安定化時間を短縮することができる。
以上、本発明を具体的な実施例に則して説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではないことを理解されたい。
例えば、上述の実施例では、定電位電解式ガスセンサはCOセンサであるものとして説明したが、当業者には周知のように、定電位電解式ガスセンサは、二酸化硫黄(SO2)、二酸化窒素(NO2)、一酸化窒素(NO)などのその他のガスの測定のためにも用いられる。本発明は、このようなCOガス以外の他のガスを検出対象とする定電位電解式ガスセンサに対しても等しく適用することができ、上述したものと同じ効果を得ることができる。
本発明を適用し得る定電位電解式ガスセンサの一実施例の断面図である。 本発明を適用し得る定電位電解式ガスセンサの一実施例の組立部分断面図である。 図1及び図2に示す定電位電解式ガスセンサが備えるケース本体の上面図である。 図1及び図2に示す定電位電解式ガスセンサにおける電極担持膜群及び電解液保持部材の積層構成を説明するための模式図である。 本発明の効果を説明するためのグラフ図である。 電極の表面の水和状態を説明するための模式図である。 薄膜電極の構造を説明するための模式図である。 定電位電解式ガスセンサの使用態様を示す概略ブロック図である。
符号の説明
1 ケース本体
3A 作用極担持膜(第1の電極担持膜)
3B 参照極担持膜(第2の電極担持膜)
3C 対極担持膜(第3の電極担持膜)
4A、4B 保水シート(電解液保持部材)
31A、31B、31C ガス透過性膜
32A 作用極
32B 参照極
32C 対極

Claims (15)

  1. 電解液を収容する電解液収容部内に複数の電極を有し、電解液により電気的に接続された電極間に流れる被検ガスの電解電流を検知する定電位電解式ガスセンサの電位安定化方法であって、
    前記定電位電解式ガスセンサが備える前記複数の電極のうち少なくとも1つの電極は、高分子膜の表面に電極材料を付着させることによって形成された薄膜電極であり、前記定電位電解式ガスセンサの組み立て前に前記少なくとも1つの薄膜電極を純水に浸漬して加熱処理することを特徴とする定電位電解式ガスセンサの電位安定化方法。
  2. 前記定電位電解式ガスセンサが備える前記複数の電極としての作用極、参照極及び対極のうち少なくとも前記作用極は前記薄膜電極であり、前記定電位電解式ガスセンサの組み立て前に、少なくとも前記作用極を純水に浸漬して加熱処理することを特徴とする請求項1に記載の定電位電解式ガスセンサの電位安定化方法。
  3. 前記定電位電解式ガスセンサが備える前記複数の電極としての作用極、参照極及び対極はそれぞれ前記薄膜電極であり、前記定電位電解式ガスセンサの組み立て前に、前記作用極、前記参照極及び前記対極のそれぞれを純水に浸漬して加熱処理することを特徴とする請求項1に記載の定電位電解式ガスセンサの電位安定化方法。
  4. 前記純水の温度は、100℃以上130℃以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載の定電位電解式ガスセンサの電位安定化方法。
  5. 更に、前記定電位電解式ガスセンサの組み立て後であって、被検ガスの電解電流の検知を行う前に、前記少なくとも1つの薄膜電極の電位を所定の電位に制御して、該少なくとも1つの薄膜電極と他の1つの電極との間で電解電流を生じさせることを特徴とする請求項1に記載の定電位電解式ガスセンサの電位安定化方法。
  6. 更に、前記定電位電解式ガスセンサの組み立て後であって、被検ガスの電解電流の検知を行う前に、前記作用極、前記参照極及び前記対極のうち少なくとも前記作用極の電位を所定の電位に制御して、該作用極と前記対極との間で電解電流を生じさせることを特徴とする請求項2又は3に記載の定電位電解式ガスセンサの電位安定化方法。
  7. 前記所定の電位は、被検ガスの電解電流の検知時における前記作用極の電位とは異なることを特徴とする請求項6に記載の定電位電解式ガスセンサの電位安定化方法。
  8. 前記所定の電位は、500mV以上1000mV以下であることを特徴とする請求項5〜7のいずれかの項に記載の定電位電解式ガスセンサの電位安定化方法。
  9. 前記定電位電解式ガスセンサの組み立て後であって、被検ガスの電解電流の検知を行う前に前記電解電流を生じさせる処理は、前記定電位電解式ガスセンサが被検ガスを含まない状態で行うことを特徴とする請求項5〜8のいずれかの項に記載の定電位電解式ガスセンサの電位安定化方法。
  10. 電解液を収容する電解液収容部内に複数の電極を有し、電解液により電気的に接続された電極間に流れる被検ガスの電解電流を検知する定電位電解式ガスセンサの電位安定化方法であって、
    前記定電位電解式ガスセンサが備える前記複数の電極のうち少なくとも1つの電極は、高分子膜の表面に電極材料を付着させて形成された薄膜電極であり、前記定電位電解式ガスセンサの組み立て後であって、被検ガスの電解電流の検知を行う前に、前記少なくとも1つの薄膜電極を所定の電位に制御して、該少なくとも1つの薄膜電極と他の1つの電極との間で電解電流を生じさせることを特徴とする定電位電解式ガスセンサの電位安定化方法。
  11. 前記定電位電解式ガスセンサが備える前記複数の電極としての作用極、参照極及び対極のうち少なくとも前記作用極は前記薄膜電極であり、前記定電位電解式ガスセンサの組み立て後であって、被検ガスの電解電流の検知を行う前に、少なくとも前記作用極を所定の電位に制御して該作用極と前記対極との間で電解電流を生じさせることを特徴とする請求項10に記載の定電位電解式ガスセンサの電位安定化方法。
  12. 前記所定の電位は、被検ガスの電解電流の検知時における前記作用極の電位とは異なることを特徴とする請求項11に記載の定電位電解式ガスセンサの電位安定化方法。
  13. 前記所定の電位は、500mV以上1000mV以下であることを特徴とする請求項10〜12のいずれかの項に記載の定電位電解式ガスセンサの電位安定化方法。
  14. 前記定電位電解式ガスセンサの組み立て後であって、被検ガスの電解電流の検知を行う前に前記電解電流を生じさせる処理は、前記定電位電解式ガスセンサが被検ガスを含まない状態で行うことを特徴とする請求項10〜13のいずれかの項に記載の定電位電解式ガスセンサの電位安定化方法。
  15. 電解液を収容する電解液収容部内に複数の電極を有し、電解液により電気的に接続された電極間に流れる被検ガスの電解電流を検知する定電位電解式ガスセンサにおいて、請求項1〜14のいずれかの項に記載の定電位電解式ガスセンサの電位安定化方法が適用されていることを特徴とする定電位電解式ガスセンサ。
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