JP2007315699A - 炉内加熱方法および炉内加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、炉内加熱方法および炉内加熱装置に係り、炉内全体の温度分布をほぼ均一にすることにある。
【解決手段】バーナ26を用いて熱せられた加熱空気を炉床12側から炉内空間18に向けて供給することにより、炉内を加熱して該炉内を搬送されるガラス板を加熱すべく、炉床12の上方の炉内空間18内に、上蓋34により蓋がされ、バーナ26による加熱空気が撹拌される撹拌空間32を設けると共に、その撹拌空間32の側壁14に面した側に開いた吹出口を設ける。また、バーナ26として、炉床12の面に対して平行な面内において旋回した燃焼ガス流を形成する旋回平面炎バーナを用いる。そして、バーナ26を用いて熱せられた撹拌空間32内の加熱空気を炉床12の面に沿って側壁14へ向けて送り出して対流させることで、炉内を加熱する。
【選択図】図2
【解決手段】バーナ26を用いて熱せられた加熱空気を炉床12側から炉内空間18に向けて供給することにより、炉内を加熱して該炉内を搬送されるガラス板を加熱すべく、炉床12の上方の炉内空間18内に、上蓋34により蓋がされ、バーナ26による加熱空気が撹拌される撹拌空間32を設けると共に、その撹拌空間32の側壁14に面した側に開いた吹出口を設ける。また、バーナ26として、炉床12の面に対して平行な面内において旋回した燃焼ガス流を形成する旋回平面炎バーナを用いる。そして、バーナ26を用いて熱せられた撹拌空間32内の加熱空気を炉床12の面に沿って側壁14へ向けて送り出して対流させることで、炉内を加熱する。
【選択図】図2
Description
本発明は、炉内加熱方法および炉内加熱装置に係り、特に強化ガラスを製造するための加熱炉や成形炉に用いられる炉内加熱方法および炉内加熱装置に関する。
従来から、加熱炉の床にガスバーナを備え、その加熱炉内をガスバーナに熱せられた加熱空気により加熱して、炉内を搬送されるガラス板を加熱軟化させる炉内加熱装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この炉内加熱装置は、ガスバーナと、炉床に対して水平方向に延びるように設けられガスバーナによる加熱空気が流通する流路と、流路から上方に向けて開口する吹出口と、を炉床に備えており、ガスバーナによる加熱空気が流路を通って吹出口から炉内に排出されることで、炉内を加熱空気の対流により加熱する。
米国特許第5,022,911号明細書
炉内を搬送されるガラス板を加熱する炉内加熱装置においては、ガラス板を保持するリング等を搬送するために、炉床の両側壁近傍に搬送方向に沿って一本ずつ計2本のスリットが設けられる。一般に、スリットは、炉床において側壁から内側に僅かに間隔をあけて設けられる。上記従来の炉内加熱装置では、ガラス板をリングに保持して搬送する加熱炉に適用する場合、炉床に配設されるガスバーナは、上記した炉床のスリットよりも内側に設けられると共に、そのノズルは水平方向に内側に向けて配設される。ガスバーナによる加熱空気の流路は、2本のスリット間に炉床に沿って形成されており、上方に開口する吹出口を備えている。
しかし、このように加熱空気の流路が2本のスリット間にのみ形成されると、スロットから側壁まで(特にその部分の炉床)が加熱空気により加熱されず、その部分が炉内の雰囲気温度よりも低温となり、炉内を均一に加熱することができないという問題がある。このため、上記従来の如き炉内加熱装置では、炉内の温度分布を制御することが困難であり、その結果、安定したガラス板の加熱ができない不都合が生じ得る。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、炉内全体の温度分布を均一にすることが可能な炉内加熱方法および炉内加熱装置を提供することを目的とする。
上記の目的は、加熱手段を用いて熱せられた加熱空気を炉床側から炉内に向けて供給することにより炉内を加熱する炉内加熱方法であって、前記加熱手段による加熱空気を炉床の面に沿って側壁へ向けて送り出して該加熱空気を対流させることにより炉内を加熱する炉内加熱方法により達成される。
この態様の発明において、加熱手段を用いて熱せられた加熱空気は、炉床の面に沿って側壁へ向けて送り出される。この場合には、加熱空気が、炉床から側壁に達した後、その側壁の面に沿って上昇して天井に達し、天井を伝って中央へ向けて流れ、中央付近で反対側から流されてきた加熱空気と衝突して下方に流れるという対流が生まれる。このため、炉床から側壁に向けて加熱空気を送り出すことで、従来は加熱されていなかった炉床の側壁付近をも加熱することができ、炉内に温度の低い領域があることに起因する温度分布の乱れを改善し炉内をほぼ均一に加熱することができ、炉内の温度分布を制御し易くなる。
尚、上記した炉内加熱方法において、前記加熱手段により加熱空気を炉床の面に対して平行な面内において旋回させて噴出させることにより、該加熱空気を炉床の面内方向の温度分布をほぼ均一にしつつ炉床側から側壁へ向けて送り出すこととすれば、加熱手段から炉床の面内方向にほぼ均一に熱を伝えることができ、炉床付近をほぼ均一に加熱することができる。
また、上記した炉内加熱方法において、炉内に設けられた搬送手段によって搬送されるガラス板を前記加熱手段による加熱空気の対流によって加熱することとすれば、ガラス板をほぼ均一に加熱することができ、歪のないガラス板を成形することが可能となる。
更に、上記の目的は、炉床に配設された加熱手段と、該加熱手段を用いて熱せられた加熱空気が流通する流路と、該流路から炉内に向けて加熱空気を供給する吹出口と、を備える炉内加熱装置であって、前記吹出口は、前記流路から炉床の面に沿って側壁へ向けて開口している炉内加熱装置により達成される。
この態様の発明において、加熱手段を用いて熱せられた加熱空気は、流路から炉床の面に沿って側壁へ向けて開口する吹出口から側壁へ向けて送り出される。この場合には、加熱空気が、炉床から側壁に達した後、その側壁の面に沿って上昇して天井に達し、天井を伝って中央へ向けて流れ、中央付近で反対側から流れてきた加熱空気と衝突して下方に流れるという対流が生まれる。このため、炉床から側壁に向けて加熱空気を送り出すことで、従来は加熱されていなかった炉床の側壁付近をも加熱することができ、炉内に温度の比較的低い領域があることに起因する温度分布の乱れを改善し炉内をほぼ均一に加熱することができ、炉内の温度分布を制御し易くなる。
尚、上記した炉内加熱装置において、前記加熱手段は、炉床に配置され、炉床の面に対して平行な面内において旋回した燃焼ガス流を形成する旋回平面炎バーナであることとすれば、加熱手段から炉床の面内方向にほぼ均一に熱を伝えることができ、炉床を含む流路をほぼ均一に加熱することができる。
また、上記した炉内加熱装置において、前記流路は、炉内に設けられた搬送手段によって搬送されるガラス板の搬送方向に対して垂直に仕切板により複数に仕切られていると共に、前記加熱手段は、複数に仕切られた前記流路ごとに対応してそれぞれ設けられていることとすれば、仕切られた流路ごとの温度制御が可能となり、搬送中のガラス板の加熱温度を適切に制御することができる。
請求項1記載の発明によれば、加熱空気を炉床側から側壁へ向けて送り出すことにより、炉床の側壁付近をも加熱することができる。このため、炉内に温度の低い領域があることに起因する温度分布の乱れを改善することができる。更に、加熱空気は、側壁を伝わって天井に達し、天井を伝って中央付近に流れ、反対側から流れてきた加熱空気とぶつかって下方に流れる対流を作り出す。これにより、炉内を均一に加熱することができ、炉内の温度分布を制御し易くなる。
請求項2記載の発明によれば、加熱手段により加熱空気を炉床の面内において旋回させながら炉床に沿って噴出させることにより、加熱手段から炉床の面内方向に均一に熱を伝えることができ、炉床付近を均一に加熱することができる。
請求項3記載の発明によれば、ほぼ均一の温度分布を有する炉内でガラス板を加熱することにより、ガラス板をほぼ均一に加熱することができ、歪のないガラス板を成形することができる。
請求項4記載の発明によれば、加熱空気を炉床側から側壁へ向けて送り出すことができ、これにより、炉床の側壁付近をも加熱することができる。このため、炉内に温度の低い領域があることに起因する温度分布の乱れを改善し、炉内を均一に加熱することができ、炉内の温度分布を制御し易くなる。
請求項5記載の発明によれば、旋回平面炎バーナにより加熱空気を炉床の面内において旋回させながら炉床に沿って噴出させることができ、これにより、加熱手段から炉床の面内方向に均一に熱を伝えることができ、炉床を含む流路を均一に加熱することができる。
また、請求項6記載の発明によれば、仕切られた流路ごとに温度を制御することができ、搬送中のガラス板の加熱温度を適切に制御することができる。
以下、図面を用いて、本発明の具体的な実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施例である炉内加熱装置が設けられた炉10の側面図を示す。図2は、図1に示す炉10を直線III−IIIで切断した際の断面図を示す。図3は、図1に示す炉10を直線IV−IVで切断した際の断面図を示す。図4は、本実施例の炉10の床近傍の斜視図を示す。また、図5は、本実施例の炉内加熱装置が備える加熱手段を説明するための図を示す。尚、図5には、炉10をガラス板の搬送方向に沿って切断した際の要部断面図を示す。
本実施例の炉10は、例えば自動車の窓ガラスに使用される強化ガラスを製造するため、ガラス板を加熱軟化する加熱工程又はその加熱軟化されたガラス板を高温を保持しつつ曲げ成形する成形工程において用いられる加熱炉や成形炉である。
炉10は、耐火性・耐熱性に優れたセラミック製の床部である炉床12と側面部である側壁14と天井部である天井16とで囲まれた空間(炉内空間)18を有している。炉10には、炉内空間18を加熱する炉内加熱装置20が設けられている。炉内加熱装置20は、後に詳述する如く、炉内空間18に搬送されてきたガラス板を加熱する。炉10の炉内空間18は、複数のゾーン(本実施例では3つのゾーン)によって区分けされて構成されており、各ゾーンはそれぞれ独立して炉内加熱装置20により加熱温度を調整可能に構成されている。
炉床12には、ガラス板の搬送方向Xに平行に延びるシャトルスリット22が、側壁14から僅かに離れた位置で両側に一本ずつ設けられている。シャトルスリット22には、ガラス板を搬送するシャトル24の脚部24aがその搬送方向Xへ移動可能に嵌挿されている。炉10に搬送されてきたガラス板は、炉内空間18内にあるシャトル24の載置部24bに載置された状態で炉内空間18の各ゾーンに順に搬送される。
炉内加熱装置20は、炉床12に配置されたバーナ26を備えている。バーナ26は、ガスと空気とを混合して燃焼させることにより生ずる火炎や高温のガス(燃焼ガス)を炉床12側から上方へ放出する役割を有している。バーナ26は、燃焼ガスを上方に向けて放出するためのダクト28と、ダクト28の開口部近傍で火炎や燃焼ガスを炉床12の面に対して旋回させるための旋回ノズル30と、を有している。ダクト28は、ほぼ円筒形に形成されており、上方への開口部に近づくほどその径が大きくなるようになっている。バーナ26は、炉床12の面内において旋回した燃焼ガス流を形成する旋回平面炎バーナである。
バーナ26は、2つのシャトルスリット22の間の炉床12の中央近傍において、搬送方向Xに直交する直交方向Yに2つ並んで配設されていると共に、その搬送方向Xにも並んで配設されている。直交方向Yに並んで存在する2つのバーナ26は、その直交方向Y中心を挟んで所定距離だけ離れて互いに対称の位置に配置されており、それぞれ直近の側壁14からほぼ等距離にある中央近傍に設けられている。バーナ26は、各ゾーンごとにそれぞれ、要求される加熱温度に応じた数だけ設けられている。搬送方向Xに並んだバーナ26同士は、燃焼ガスの旋回方向を一致させており、また、直交方向Yに並んだバーナ26同士も、燃焼ガスの旋回方向を一致させている。すなわち、炉内加熱装置20の有するすべてのバーナ26は、互いに燃焼ガスの旋回方向が一致するように構成されている。
尚、本実施例の構成において、バーナ26から出力される燃焼ガスの旋回方向は、上記したゾーンごとに定めることとすればよく、ゾーン間で同じあっても異なるようにしてもよい。また、バーナ26の数や出力も、ゾーンごとに最適な加熱温度が実現されるように定めることとすればよい。
炉床12の上方の炉内空間18内には、バーナ26から出力される燃焼ガスと炉内の空気とが混合して撹拌される撹拌空間32が設けられている。撹拌空間32は、下方に設けられた炉床12と、上方に設けられたセラミック製の板状の上蓋34と、ガラス板の搬送方向Xに設けられたセラミック製の板状の仕切板36と、により囲まれた空間である。上蓋34は、その上方をシャトル24の載置部24bが通過する位置に設けられている。すなわち、炉内を搬送されるガラス板は、上蓋34の上方をシャトル24に載置されて移動する。
仕切板36は、直交方向Y両側の2つのシャトルスリット22間の炉床12上の、隣り合うゾーン同士の境界位置に設けられており、直交方向Yに向けて延び、その2つのシャトルスリット22の離間距離分の長さを有している。また、仕切板36は、隣り合うゾーン同士の撹拌空間32が互いの加熱温度の影響を受け難くなるように搬送方向Xに所定の厚さを有している。更に、上蓋34は、2つのシャトルスリット22間の炉床12に仕切板36を介して対面するように設けられており、直交方向Yにその2つのシャトルスリット22の離間距離分の長さ(幅)を有しかつガラス板の搬送方向Xにその炉内空間18分の長さを有している。また、上蓋34は、仕切板36の上端部に接するように取り付けられている。従って、撹拌空間32は、その上部が上蓋34により閉じられる一方、側壁14に面した側が吹出口として開放されたものとなっていると共に、ガラス板の搬送方向Xにおいて仕切板36により上記のゾーンごとに仕切られている。
次に、本実施例の炉内加熱装置20による炉内ひいてはガラス板の加熱手順および加熱動作について説明する。図6は、本実施例の炉内加熱装置20による加熱動作を説明するための図を示す。
炉内での加熱対象であるガラス板は、炉外からシャトル24の載置部24bに載置された状態で炉10の炉内空間18に搬入される。炉内空間18は、後に詳述する如く、炉内加熱装置20により加熱されている。ガラス板は、炉内空間18に搬入されると、撹拌空間32の上部にある上蓋34の上方の炉内をX方向に移動しつつ、その炉内で所望の温度に加熱される。
ガラス板は、加熱工程において軟化点温度近傍(例えば650℃〜700℃)まで加熱されると軟化し、曲げ成形が可能になる。そして、成形工程において高温に加熱保持されているとき、その状態で所望の形状に曲げ成形される。ガラス板は、曲げ成形され、成形炉から搬出された後、冷却工程において冷却エアを吹き付けられて急冷される。かかる手順によれば、板状のガラス板から、所望の形状を有する強度が増強された強化ガラスを生成することが可能である。
また、炉内加熱装置20において、バーナ26は、上記の如く、炉床12の面内において旋回した燃焼ガス流を形成する旋回平面炎バーナである。このため、バーナ26から噴出される火炎や燃焼ガスは、図5及び図6に示す如く、炉床12のダクト28開口部近傍で炉床12の面内において旋回する。
かかる状態が実現されると、バーナ26からの火炎が炉床12のダクト28開口部近傍の面内に広がるため、その炉床12のダクト28開口部近傍が加熱され、その輻射熱が上方へ向けて放出される。また、炉床12の上方には上記した撹拌空間32が形成されていると共に、その撹拌空間32の上方は上蓋34により閉じられている。このため、バーナ26からの火炎や燃焼ガスが上記の如く炉床12の面内において旋回する燃焼ガス流が形成されると、その燃焼ガスが撹拌空間32内の空気と混合して撹拌されることとなり、その結果、撹拌空間32内がほぼ均一な温度の加熱空気で充たされるものとなる。
ダクト28開口部近傍から輻射熱が撹拌空間32内を上方へ向けて放出され、撹拌空間32内が加熱空気で充たされると、その輻射熱や加熱空気により撹拌空間32を構成する上蓋34がその下面で加熱される。上蓋34が加熱されると、その上蓋34から上方の炉内空間18へ向けて輻射熱が放出される。
このように、本実施例の炉内加熱装置20においては、バーナ26による加熱空気やダクト28開口部近傍からの輻射熱により撹拌空間32上方の上蓋34を加熱して、その上蓋34の輻射作用でその上方の炉内空間18を加熱することができる。尚、この際、上蓋34は、バーナ26の火炎により直接に加熱される訳ではなく、主に撹拌空間32内の旋回する燃焼ガス流の形成に伴って空気と撹拌されたほぼ均一な温度の加熱空気により加熱されるため、上蓋34自体に極端に大きな加熱むらが生ずるのは回避されることとなる。
また、撹拌空間32は、直交方向Yにおいて2つのシャトルスリット22の離間距離分の幅を有する上蓋34によりその上部が閉じられる一方、側壁14に面した側が吹出口として開放されており、直交方向Yの側壁14寄りの両側において炉内空間18のうちガラス板が搬送される空間に連通している。このため、撹拌空間32内の加熱空気は、その撹拌空間32内を吹出口へ向けて流れ、炉床12の中央側(2つのシャトルスリット22の間の炉床12)からその炉床12の面(水平面)に沿って両側の側壁14へ向けて押し出されるように送り出されることとなる。
この場合、加熱空気は、炉床12面に沿って進行して側壁14に到達し、側壁14に当たった後は、その側壁14の面(垂直面)に沿って上昇する。そして、側壁14の面に沿って上昇しつつ、徐々にその一部が炉内空間18の中央側(Y方向)へ拡散される。また、側壁14の面に沿って上昇して天井に達した加熱空気は、天井16を伝って炉内空間18の直交方向Y中央へ向けて流れ、その中央付近で反対側から流れてきた加熱空気と衝突して、その炉内空間18の中央付近から下降する。
このように、本実施例の炉内加熱装置20においては、バーナ26による加熱空気を、撹拌空間32内でほぼ均一な温度となるように撹拌した後、図2に示す如く、撹拌空間32から炉床12の面に沿って直交方向Yへ送り出すことができる。かかる加熱空気の流れが生ずると、2つのシャトルスリット22の間の炉床12だけでなく、シャトルスリット22から側壁14までの炉床12をも加熱することができる。
また、バーナ26による加熱空気を撹拌空間32から直交方向Yへ送り出すことにより、その加熱空気を側壁14の面に沿って上昇させ、天井16の面に沿って移動させ、中央付近で下方に流すという対流を発生させることができる。かかる対流が生ずると、炉内全域に加熱空気が拡散されるので、特に炉床12と側壁14との境界付近(図2における炉内の右下角や左下角)を含む炉内が加熱空気により加熱されると共に、炉内全域(具体的には、ガラス板の搬送方向Xに垂直な平面内)がその対流加熱によりほぼ均一に伝熱されることとなる。
従って、本実施例の炉内加熱装置20によれば、炉10の同一ゾーン(具体的には、ガラス板の搬送方向Xに垂直な平面内)について、炉内に温度の比較的低い領域が存在することに起因する温度分布の乱れを改善し、ほぼ均一な温度分布を実現することが可能となっている。このため、炉内をほぼ均一に加熱することができ、炉内の温度分布を制御し易いものとすることが可能となっている。
尚、上蓋34上方の炉内空間18は、ゾーンごとに仕切られている訳ではないが、各ゾーンごとにそれぞれ最適な加熱温度に保たれるように、仕切板36により撹拌空間32が仕切られ、かつ、その各撹拌空間32においてそれぞれバーナ26による加熱空気の温度調整がなされている。この場合には、ゾーンごとに加熱空気の温度が調整されることとなり、従って、ゾーンごとに炉内が上記した対流による加熱によりほぼ均一に伝熱されることとなる。従って、本実施例の炉内加熱装置20によれば、ゾーンごとにほぼ均一な温度分布を保つことが可能となっている。
また、本実施例の炉内加熱装置20においては、撹拌空間32で均一温度の加熱空気を生成するのに、炉床12の面内において旋回した燃焼ガス流を形成するバーナ26が用いられている。この点、本実施例の炉内加熱装置20によれば、撹拌空間32を撹拌するうえでバーナ26以外に専用の撹拌装置を設けることは不要であるので、炉内全体をほぼ均一な温度分布に保つのを簡素な構成で実現することが可能となっている。
上記の如く、炉内を搬送されるガラス板は、上蓋34の上方を搬送方向Xに向けて移動する。この点、本実施例において、炉内を搬送されるガラス板は、その下面をバーナ26による対流作用および主としては上蓋34の輻射作用で加熱されると共に、その上面をバーナ26による対流作用で加熱されることとなる。上記の如く、ガラス板が搬送される炉内空間18は、ゾーンごとにほぼ均一な温度分布に保たれる。従って、本実施例によれば、炉内において搬送されるガラス板をゾーンごとにほぼ均一に加熱することが可能となっており、その加熱を実施するうえでガラス板の一部が局所的に加熱される加熱むらが生ずるのを防止することが可能となっている。このため、本実施例の炉内加熱装置20によれば、炉内のガラス板を加熱工程において適切に加熱軟化することが可能となり、また、成形工程において歪のないガラス板を成形することができ、ガラス板を適切に所望の形状に保つことが可能となっている。
尚、上記の実施例においては、バーナ26が特許請求の範囲に記載した「加熱手段」に、炉内空間18が特許請求の範囲に記載した「炉内」に、撹拌空間32が特許請求の範囲に記載した「流路」に、撹拌空間32の側壁14に面した側の吹出口が特許請求の範囲に記載した「吹出口」に、それぞれ相当している。
ところで、上記の実施例においては、炉内加熱装置20の備えるバーナ26を、ガラス板の搬送方向Xに並べると共に、その搬送方向Xに直交する直交方向Yに2つ並べることとしたが、直交方向Yについてはその中央に一つだけ設けることとしてもよい。
また、上記の実施例においては、炉内加熱装置20の備えるバーナ26として、炉床12の面内において旋回した燃焼ガス流を形成する旋回平面炎バーナを用いることとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、炉床12の面内直交方向Yに沿って中央から側壁14に向けて燃焼ガスを放出するバーナを用いることとしてもよい。
図7は、かかる変形例の炉内加熱装置100による加熱動作を説明するための図を示す。図7に示す如く、この炉内加熱装置100において、バーナ102は、炉床12に配置されており、ガスと空気とを混合して燃焼させることにより生ずる火炎や高温の燃焼ガスを炉床12側から上方へ放出する役割を有している。バーナ102は、炉床12から炉内に突出すると共に側壁14へ向けて屈曲したダクト104を有している。バーナ102は、2つのシャトルスリット22の間の炉床12の中央近傍において、搬送方向Xに直交する直交方向Yに2つ並んで配設されている。直交方向Yに並んだ2つのバーナ100は、その直交方向Y中心を挟んで所定距離だけ離れて互いに対称の位置に配置されており、それぞれ互いにダクト104の先端が逆方向に直近の側壁14へ向けて延びるように構成されている。尚、バーナ102も、上記実施例のバーナ26と同様に、各ゾーンごとにその出力燃焼ガスの旋回方向や出力,数を最適な温度が実現されるように定めることとすればよい。
この炉内加熱装置100は、バーナ102から、2つのシャトルスリット22の間の炉床12の中央近傍から側壁14へ向けて火炎や燃焼ガスを放出する。この場合には、撹拌空間32内の加熱空気が、炉床12の中央側(2つのシャトルスリット22の間の炉床12)からその炉床12の面に沿って両側の側壁14へ向けて送り出され、その側壁14の面に沿って上昇し、天井16の面に沿って移動し、中央付近で下方に流れるという対流が発生する。従って、炉内加熱装置100においても、炉10の同一ゾーンについて、炉内に温度の比較的低い領域が存在することに起因する温度分布の乱れを改善し、ほぼ均一な温度分布を実現することが可能となっている。このため、炉内をほぼ均一に加熱することができ、炉内の温度分布を制御し易いものとすることが可能となっている。
尚、かかる炉内加熱装置100においては、バーナ102のダクト104の先端近傍の空気を撹拌する撹拌装置を設けることとしてもよい。この場合には、撹拌空間32からほぼ均一な温度の加熱空気が炉内へ向けて放出されることとなる。
また、上記の実施例においては、加熱空気を炉内に向けて供給する手法として、炉内(具体的には撹拌空間32)或いはその開口部近傍で高温の加熱空気を生成するバーナ26を用いることとしたが、炉外で高温の加熱空気を作り出したうえで、その加熱空気を炉内に連結する配管を通じて炉内に向けて供給するものとしてもよい。
また、上記の実施例においては、炉内加熱装置20が、炉内を加熱する手段として、炉床12に配置されたバーナ26を備えているが、そのバーナ26以外に、側壁14や天井16に配置された輻射式の電気ヒータを備えることが好ましい。これは、かかる構成によれば、バーナ26単体を備える構成に比べてより効果的に炉内を加熱してガラス板を加熱することが可能となるからである。
更に、上記の実施例においては、炉10の内部で加熱する対象としてガラス板を用いることとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、その全体をほぼ均一に加熱することを望むものであれば何れを対象としてもよい。
10 炉
12 炉床
14 側壁
16 天井
18 炉内空間
20,100 炉内加熱装置
26,102 バーナ
32 撹拌空間
34 上蓋
36 仕切板
12 炉床
14 側壁
16 天井
18 炉内空間
20,100 炉内加熱装置
26,102 バーナ
32 撹拌空間
34 上蓋
36 仕切板
Claims (6)
- 加熱手段を用いて熱せられた加熱空気を炉床側から炉内に向けて供給することにより炉内を加熱する炉内加熱方法であって、
前記加熱手段による加熱空気を炉床の面に沿って側壁へ向けて送り出して該加熱空気を対流させることにより炉内を加熱することを特徴とする炉内加熱方法。 - 前記加熱手段により加熱空気を炉床の面に対して平行な面内において旋回させて噴出させることにより、該加熱空気を炉床の面内方向の温度分布をほぼ均一にしつつ炉床側から側壁へ向けて送り出す請求項1記載の炉内加熱方法。
- 炉内に設けられた搬送手段によって搬送されるガラス板を前記加熱手段による加熱空気の対流によって加熱する請求項1又は2記載の炉内加熱方法。
- 炉床に配設された加熱手段と、該加熱手段を用いて熱せられた加熱空気が流通する流路と、該流路から炉内に向けて加熱空気を供給する吹出口と、を備える炉内加熱装置であって、
前記吹出口は、前記流路から炉床の面に沿って側壁へ向けて開口していることを特徴とする炉内加熱装置。 - 前記加熱手段は、炉床に配置され、炉床の面に対して平行な面内において旋回した燃焼ガス流を形成する旋回平面炎バーナである請求項4記載の炉内加熱装置。
- 前記流路は、炉内に設けられた搬送手段によって搬送されるガラス板の搬送方向に対して垂直に仕切板により複数に仕切られていると共に、
前記加熱手段は、複数に仕切られた前記流路ごとに対応してそれぞれ設けられている請求項4又は5記載の炉内加熱装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006146726A JP2007315699A (ja) | 2006-05-26 | 2006-05-26 | 炉内加熱方法および炉内加熱装置 |
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