JP2007315084A - 埋め栓 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】円錐台状に形成されたコンクリート打設面4の凹部5に合致可能な円錐台状をなす、熱可塑性エラストマー製の埋め栓本体8を備えている。埋め栓本体8は、凹部5の内周部10に弾性的に嵌合する円錐テーパ状の外周面9と、一端部12に開口してねじ軸3と弾性的に嵌合する有底のねじ無し孔11と、を含んでいる。他端部13には、埋め栓本体8の外周面9の傾斜角度を相対的に大きくすることにより形成された環状の鍔部18が形成されている。
【選択図】図1
Description
コンクリートが固まって型枠が解体され、さらにコンが除去されると、コンクリート表面には円錐状のコン穴が残る。このコン穴は、モルタルを塗り固めて埋められる場合がある。また、予め固められたモルタル製のコン穴埋め部材を嵌めて埋められる場合がある(例えば、特許文献1参照)。穴埋め部材は、コン穴に露出するセパレータの端部に、ボンド等の接着剤またはモルタルに埋設された筒状の樹脂部材を介して嵌合し、コン穴内に固定される。これにより、コン穴を塞いで外観をよくしている。
請求項4記載の発明は、請求項3において、上記環状の凸部は、上記埋め栓本体の他端部において埋め栓本体の外周面の傾斜角度を相対的に大きくすることにより形成された環状の鍔部を含み、この鍔部は、上記凹部の入口の内周部に弾性的に嵌合されることを特徴とする埋め栓である。本発明によれば、鍔部が凹部の入口の内周部を全周に亘ってシールできる。これにより、凹部への水分の浸入をより確実に防止できる。
通常、凹部の表面は、コンクリートの成分としての砂利等の突起物が突出した粗い面になっている。本発明によれば、縦溝が形成されていることにより、埋め栓本体の外周面が凹部の突起物に接触する箇所を少なくできる。また、突起物に接触して弾性変形した部分の肉を縦溝側に逃がすことができる。これにより、埋め栓本体が突起物に引っかかってそれ以上押し込むことが出来ない事態を回避でき、凹部の奥まで確実に押し込むことができる。埋め栓本体の取り付け前に、凹部の表面を均す作業が必要ない。
図1は、本発明の一実施の形態にかかる埋め栓およびこの埋め栓が取り付けられたコンクリート体の要部の概略構成を示す断面図である。図2は、図1のII−II線に沿う断面図である。図3は、埋め栓の一部を断面で示した側面図である。
図1を参照して、コンクリート体1は、例えば、港の岸壁や、ビルの梁として用いられるものである。このコンクリート体1は、対をなす型枠(図示せず)間にセパレータ2を配置して型枠間の間隔を規定しておき、型枠間に生コンクリートを流し込む(打設する)ことで形成されたものである。打設時、セパレータ2の一端部2aのねじ軸3には、木やプラスチック等で形成された円錐状のコン(図示せず)が取り付けられており、型枠の位置決めをしている。
この熱可塑性エラストマーとして、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマーを例示することができる。ポリウレタン系エラストマーとしては、ポリエーテル系エラストマー、ポリエステル系エラストマーを例示することができる。
なお、上記熱可塑性エラストマーに、白色等の所定の色のマスターバッチ(着色剤)を配合することで、埋め栓本体8を所望の色にしてもよい。また、埋め栓本体8のうち、外側に露呈する他端面13aのみを所望の色に着色して美観を向上させてもよい。
軸方向Sに関する埋め栓本体8の一端部12(以下、単に一端部12ともいう)に、ねじ無し孔11が開口されている。軸方向Sに関する埋め栓本体8の一端部12と反対側に配置された他端部13(以下、単に他端部13ともいう)には、ねじ無し孔11は開口されていない。すなわち、ねじ無し孔11は有底の孔とされている。ねじ軸3が挿通されていない状態において、ねじ無し孔11は、ねじ孔を有さない平坦な面に形成されている。
ねじ軸3がねじ無し孔11に係合したとき、ねじ無し孔11の内周面が弾性変形してねじ軸3のねじ山に螺合するねじ孔14が形成される。これにより、ねじ無し孔11の周面とねじ軸3の外周面との間が液密的にシールされる。
一端部12は、取り付け状態において凹部5の底部7と相対向している。自由状態(埋め栓本体8が凹部5に埋め込まれる前の状態)において、埋め栓本体8の一端面12aの内径部16は、環状の平坦な面に形成されており、ねじ無し孔11の開口11aを取り囲んでいる。
一端面12aの外径部17は、面取りが施されており、取り付け状態において凹部5の底部7に接触しないようにされている。弾性変形した埋め栓本体8の肉は、外径部17と底部7との間に逃げることができる。
環状の鍔部18の外周面9は、自由状態においては平坦な面に形成されており、取り付け状態においては、凹部5の入口5aの内周部10に弾性的且つ液密的に嵌合して、当該内周部10に沿う形状に弾性変形している。
各縦溝20は、外周面9の弾性変形時における埋め栓本体8の肉を逃がすとともに、凹部5の内周部10の突起物6と接触する箇所を少なくするためのものである。各縦溝20は、一端部12から他端部13に向けて延び、中途部19に達している。軸線Aに直交する断面(図2に示す断面)において、各縦溝20は、扇状に区画されている。
縦溝20が一端部12に開放されていることにより、埋め栓本体8を凹部5に埋め込む際に、一端部12の外周部21の肉を弾性変形させ易くしており、凹部5への埋め込み作業が容易である。また、縦溝20が中途部19で途切れて他端部13に達していないことにより、図1に示すように他端部13の外周部22の肉が不用意に弾性変形することを防止でき、凹部5の入口5aに隙間が出来てしまうことを防止できる。
また、熱可塑性エラストマーで埋め栓本体8を形成していることにより、埋め栓本体8が雨水や海水等の水分により浸食されることを防止でき、ひび割れや崩れを起こすことを防止できる。長期に亘って確実に美観を維持することができる。埋め栓本体8の肉が弾性変形して突起物6をよけるので、凹部5を均す必要がない。
また、埋め栓本体8の他端部13に鍔部18を形成していることにより、鍔部18が凹部5の入口5aの内周部10と全周に亘って接触してシールできる。凹部5への水分の浸入を確実に防止できる。
例えば、図4に示すように、埋め栓本体8に覆い部材23を取り付けて埋め栓を構成してもよい。覆い部材23は、凹部5の入口5aを覆って装飾するためのものであり、埋め栓本体8と別体に形成されている。覆い部材23の材料として、アルミニウム合金等の金属や、合成樹脂を例示することができる。
覆い部材23は、所定の色をなしており、埋め栓本体8の他端部13に接続されるベース24と、ベース24から延設されて入口5aの周縁部(打設面4)に接触する延設部25とを含んでいる。ベース24は、他端面13aの外周部を避けて他端面13aと接触しており、環状の鍔部18の弾性変形を阻害しないようにされている。ベース24は、例えば、ベース24に突設された1ないし複数の小片26が他端部13に差し込まれることで、他端部13に固定されている。この固定作業は、埋め栓本体8を凹部5に取り付けた後に行ってもよいし、凹部5に取り付ける前に予め行ってもよい。
この場合、覆い部材23で凹部5を隠して凹部5の周囲を装飾でき、美観をより向上することができる。例えば、凹部5の入口5aの周囲に欠けが生じていても、この欠けを容易に隠すことができる。
さらに、図6に示す覆い部材23Aを用いてもよい。覆い部材23Aが前述の覆い部材23(図4参照)と異なるのは、図6に示すように、延設部25Aが凹部5内に収容されている点にある。延設部25Aは、外表面29がコンクリート体1の打設面4と略面一にされ、外周面30が凹部5の内周部10と対向しており、凹部5を覆っている。
4 打設面
5 凹部
5a (凹部の)入口
7 底部
8 埋め栓本体(埋め栓)
9 (埋め栓本体の)外周面
10 (凹部の)内周部
11 ねじ無し孔
11a (ねじ無し孔の)開口
12 (埋め栓本体の)一端部
13 (埋め栓本体の)他端部
16 内径部(環状のシール部)
18 環状の鍔部(環状の凸部)
19 中途部
20 縦溝
23,23A 覆い部材
E1,E2 傾斜角度
L 周方向
Claims (6)
- 円錐台状に窪む凹部の底から凹部の中心軸線に沿ってねじ軸が突出しているコンクリート打設面において、上記凹部を塞ぐための埋め栓であって、
上記円錐台状の凹部に合致可能な円錐台状をなす熱可塑性エラストマー製の埋め栓本体を備え、
この埋め栓本体は、
上記凹部の底部に対向する一端部と、
この一端部の反対側に配置された他端部と、
上記凹部の内周部に弾性的に嵌合し、凹部とは逆向きの円錐テーパ状をなす外周面と、
上記一端部に開口し、上記ねじ軸と弾性的に嵌合する有底のねじ無し孔と、
を含んでいることを特徴とする埋め栓。 - 請求項1において、上記埋め栓本体の一端部には、ねじ無し孔の開口を取り囲む状態で凹部の底部に弾性的に当接する環状のシール部が形成されていることを特徴とする埋め栓。
- 請求項1または2において、上記埋め栓本体の他端部の外周面に、環状の凸部が形成されていることを特徴とする埋め栓。
- 請求項3において、上記環状の凸部は、上記埋め栓本体の他端部において埋め栓本体の外周面の傾斜角度を相対的に大きくすることにより形成された環状の鍔部を含み、この鍔部は、上記凹部の入口の内周部に弾性的に嵌合されることを特徴とする埋め栓。
- 請求項1〜4の何れか1項において、上記埋め栓本体の外周面には、埋め栓本体の一端部から他端部に向けて延び、一端部と他端部との間の中途部に達する複数の縦溝が形成されており、これらの縦溝は、埋め栓本体の周方向に間隔を隔てて配置されていることを特徴とする埋め栓。
- 請求項1〜5の何れか1項において、上記埋め栓本体の他端部に取り付けられ、上記凹部の入口を覆う覆い部材を備えていることを特徴とする埋め栓。
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