JP3172685U - 埋め栓 - Google Patents
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Abstract
【課題】コンクリートの型枠施工時に形成されるコン穴を塞ぐための埋め栓であって、コン穴への取り付けを容易にでき、且つ長期に亘って確実に美観を維持できるようにした埋め栓を提供する。
【解決手段】円錐台状に形成されたコンクリート打設面4の凹部5に合致可能な円錐台状をなす、熱可塑性エラストマー製の埋め栓本体8を備えている。埋め栓本体8は、凹部5の内周部10に弾性的に嵌合する円錐テーパ状の外周面9と、一端部12に開口してねじ軸3と弾性的に嵌合する有底のねじ無し孔11と、を含んでいる。他端部13には、埋め栓本体8の外周面9の傾斜角度を相対的に大きくすることにより形成された環状の鍔部18が形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】円錐台状に形成されたコンクリート打設面4の凹部5に合致可能な円錐台状をなす、熱可塑性エラストマー製の埋め栓本体8を備えている。埋め栓本体8は、凹部5の内周部10に弾性的に嵌合する円錐テーパ状の外周面9と、一端部12に開口してねじ軸3と弾性的に嵌合する有底のねじ無し孔11と、を含んでいる。他端部13には、埋め栓本体8の外周面9の傾斜角度を相対的に大きくすることにより形成された環状の鍔部18が形成されている。
【選択図】図1
Description
本考案は、コンクリート打設面に形成された凹部を塞ぐための埋め栓に関する。
通常、コンクリート構造物を施工する際には、対をなす型枠間に長尺のセパレータを配置して型枠間の間隔を規定しておき、型枠間に生コンクリートを流し込む。このとき、セパレータの端部には、木やプラスチック等で形成された円錐状のコンが取り付けられており、型枠の位置決めをしている。
コンクリートが固まって型枠が解体され、さらにコンが除去されると、コンクリート表面には円錐状のコン穴が残る。このコン穴は、モルタルを塗り固めて埋められる場合がある。また、予め固められたモルタル製のコン穴埋め部材を嵌めて埋められる場合がある(例えば、特許文献1参照)。穴埋め部材は、コン穴に露出するセパレータの端部に、ボンド等の接着剤またはモルタルに埋設された筒状の樹脂部材を介して嵌合し、コン穴内に固定される。これにより、コン穴を塞いで外観をよくしている。
コンクリートが固まって型枠が解体され、さらにコンが除去されると、コンクリート表面には円錐状のコン穴が残る。このコン穴は、モルタルを塗り固めて埋められる場合がある。また、予め固められたモルタル製のコン穴埋め部材を嵌めて埋められる場合がある(例えば、特許文献1参照)。穴埋め部材は、コン穴に露出するセパレータの端部に、ボンド等の接着剤またはモルタルに埋設された筒状の樹脂部材を介して嵌合し、コン穴内に固定される。これにより、コン穴を塞いで外観をよくしている。
しかしながら、穴埋め部材を用いる場合、コン穴への取り付けに接着剤を充填する等の作業が必要であり、また、円錐状のコン孔に残留した砂利等の突起物の除去が必要であり、手間がかかる。また、雨水や海水等に晒された状態等で長年使用していると、モルタル製の穴埋め部材が浸食されてひび割れや崩れを起こし、美観を損ねるおそれがある。コン孔をモルタルで塗り固める場合、高所、狭所での作業が困難である。
本考案は、かかる背景のもとでなされたもので、コン穴への取り付けを容易にでき、且つ長期に亘って確実に美観を維持できる埋め栓を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための請求項1記載の考案は、円錐台状に窪む凹部の底から凹部の中心軸線に沿ってねじ軸が突出しているコンクリート打設面において、上記凹部を塞ぐための埋め栓であって、上記円錐台状の凹部に合致可能な円錐台状をなす熱可塑性エラストマー製の埋め栓本体を備え、この埋め栓本体は、上記凹部の底部に対向する一端部と、この一端部の反対側に配置された他端部と、上記凹部の内周部に弾性的に嵌合し、凹部とは逆向きの円錐テーパ状をなす外周面と、上記一端部に開口し、上記ねじ軸と弾性的に嵌合する有底のねじ無し孔と、を含んでいることを特徴とする埋め栓である。
本考案によれば、ねじ無し孔がねじ軸と弾性的に嵌合することにより、埋め栓本体をねじ軸から外れないように確実に保持しておくことができる。ねじ軸への取り付けのために接着剤を充填する作業等が必要なく、取り付け作業が容易である。また、熱可塑性エラストマーで埋め栓本体を形成していることにより、埋め栓本体が雨水や海水等の水分により浸食されることを防止でき、ひび割れや崩れを起こすことを防止できる。長期に亘って確実に美観を維持することができる。埋め栓本体の肉が弾性変形して凹部の突起物をよけるので、凹部を均す作業が必要ない。
請求項2記載の考案は、請求項1において、上記埋め栓本体の一端部には、ねじ無し孔の開口を取り囲む状態で凹部の底部に弾性的に当接する環状のシール部が形成されていることを特徴とする埋め栓である。本考案によれば、凹部の底部のうちねじ軸の周囲をシールでき、雨水や海水等の水分がねじ軸に到達しないようにできる。これにより、ねじ軸が鉄製の場合でも、ねじ軸に錆が生じることを防止できる。
請求項3記載の考案は、請求項1または2において、上記埋め栓本体の他端部の外周面に、環状の凸部が形成されていることを特徴とする埋め栓である。本考案によれば、環状の凸部が凹部の内周部と全周に亘って接触してシールできる。凹部への水分の浸入を確実に防止できる。
請求項4記載の考案は、請求項3において、上記環状の凸部は、上記埋め栓本体の他端部において埋め栓本体の外周面の傾斜角度を相対的に大きくすることにより形成された環状の鍔部を含み、この鍔部は、上記凹部の入口の内周部に弾性的に嵌合されることを特徴とする埋め栓である。本考案によれば、鍔部が凹部の入口の内周部を全周に亘ってシールできる。これにより、凹部への水分の浸入をより確実に防止できる。
請求項4記載の考案は、請求項3において、上記環状の凸部は、上記埋め栓本体の他端部において埋め栓本体の外周面の傾斜角度を相対的に大きくすることにより形成された環状の鍔部を含み、この鍔部は、上記凹部の入口の内周部に弾性的に嵌合されることを特徴とする埋め栓である。本考案によれば、鍔部が凹部の入口の内周部を全周に亘ってシールできる。これにより、凹部への水分の浸入をより確実に防止できる。
請求項5記載の考案は、請求項1〜4の何れか1項において、上記埋め栓本体の外周面には、埋め栓本体の一端部から他端部に向けて延び、一端部と他端部との間の中途部に達する複数の縦溝が形成されており、これらの縦溝は、埋め栓本体の周方向に間隔を隔てて配置されていることを特徴とする埋め栓である。
通常、凹部の表面は、コンクリートの成分としての砂利等の突起物が突出した粗い面になっている。本考案によれば、縦溝が形成されていることにより、埋め栓本体の外周面が凹部の突起物に接触する箇所を少なくできる。また、突起物に接触して弾性変形した部分の肉を縦溝側に逃がすことができる。これにより、埋め栓本体が突起物に引っかかってそれ以上押し込むことが出来ない事態を回避でき、凹部の奥まで確実に押し込むことができる。埋め栓本体の取り付け前に、凹部の表面を均す作業が必要ない。
通常、凹部の表面は、コンクリートの成分としての砂利等の突起物が突出した粗い面になっている。本考案によれば、縦溝が形成されていることにより、埋め栓本体の外周面が凹部の突起物に接触する箇所を少なくできる。また、突起物に接触して弾性変形した部分の肉を縦溝側に逃がすことができる。これにより、埋め栓本体が突起物に引っかかってそれ以上押し込むことが出来ない事態を回避でき、凹部の奥まで確実に押し込むことができる。埋め栓本体の取り付け前に、凹部の表面を均す作業が必要ない。
請求項6記載の考案は、請求項1〜5の何れか1項において、上記埋め栓本体の他端部に取り付けられ、上記凹部の入口を覆う覆い部材を備えていることを特徴とする埋め栓である。本考案によれば、覆い部材で凹部を隠して凹部の周囲を装飾でき、美観をより向上することができる。
請求項7記載の考案は、請求項6において、上記覆い部材は、埋め栓本体の他端部に固定されたベースと、ベースから延設され、上記凹部の入口の周縁部に接触する延設部と、を含むことを特徴とする埋め栓である。
請求項7記載の考案は、請求項6において、上記覆い部材は、埋め栓本体の他端部に固定されたベースと、ベースから延設され、上記凹部の入口の周縁部に接触する延設部と、を含むことを特徴とする埋め栓である。
請求項8記載の考案は、請求項6または7において、上記覆い部材を貫通して埋め栓本体の他端部に差し込まれて固定された一端部と覆い部材から外部へ露出して鉤状をなす他端部とを含む凸状部材を備えることを特徴とする埋め栓である。
以下には、図面を参照して、本考案の実施形態について具体的に説明する。
図1は、本考案の一実施の形態にかかる埋め栓およびこの埋め栓が取り付けられたコンクリート体の要部の概略構成を示す断面図である。図2は、図1のII−II線に沿う断面図である。図3は、埋め栓の一部を断面で示した側面図である。
図1を参照して、コンクリート体1は、例えば、港の岸壁や、ビルの梁として用いられるものである。このコンクリート体1は、対をなす型枠(図示せず)間にセパレータ2を配置して型枠間の間隔を規定しておき、型枠間に生コンクリートを流し込む(打設する)ことで形成されたものである。打設時、セパレータ2の一端部2aのねじ軸3には、木やプラスチック等で形成された円錐状のコン(図示せず)が取り付けられており、型枠の位置決めをしている。
図1は、本考案の一実施の形態にかかる埋め栓およびこの埋め栓が取り付けられたコンクリート体の要部の概略構成を示す断面図である。図2は、図1のII−II線に沿う断面図である。図3は、埋め栓の一部を断面で示した側面図である。
図1を参照して、コンクリート体1は、例えば、港の岸壁や、ビルの梁として用いられるものである。このコンクリート体1は、対をなす型枠(図示せず)間にセパレータ2を配置して型枠間の間隔を規定しておき、型枠間に生コンクリートを流し込む(打設する)ことで形成されたものである。打設時、セパレータ2の一端部2aのねじ軸3には、木やプラスチック等で形成された円錐状のコン(図示せず)が取り付けられており、型枠の位置決めをしている。
コンクリート体1の一側面としての打設面4には、凹部5が複数形成されている(図1において、1つの凹部5のみを図示)。凹部5は、コンが除去されてなるものであり、円錐台状に窪んでいる。凹部5の表面は、生コンクリートの凝結に起因して、コンクリートの成分としての砂利等の突起物6が突出した比較的粗い(平滑でない)面となっている。コンクリート体1には、上記セパレータ2が埋設されており、セパレータ2の一端部2aのねじ軸3が、凹部5の底部7から凹部5の中心軸線に沿って凹部5内に突出している。凹部5の円錐台形状は、ねじ軸3を中心とした形状となっている。
凹部5には、当該凹部5に合致可能な円錐台状をなす埋め栓としての埋め栓本体8が埋め込まれている。埋め栓本体8は、凹部5を塞いで凹部5内への雨水や海水等の水分の浸入を防止するためのものであり、熱可塑性エラストマーを用いて形成されている。
この熱可塑性エラストマーとして、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマーを例示することができる。ポリウレタン系エラストマーとしては、ポリエーテル系エラストマー、ポリエステル系エラストマーを例示することができる。
この熱可塑性エラストマーとして、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマーを例示することができる。ポリウレタン系エラストマーとしては、ポリエーテル系エラストマー、ポリエステル系エラストマーを例示することができる。
上記例示した熱可塑性エラストマーのうち、オレフィン系エラストマーを用いることが好ましい。オレフィン系エラストマーは、密度が比較的小さいことにより埋め栓本体8を軽量にでき、また、材料費も比較的安価なためである。
なお、上記熱可塑性エラストマーに、白色等の所定の色のマスターバッチ(着色剤)を配合することで、埋め栓本体8を所望の色にしてもよい。また、埋め栓本体8のうち、外側に露呈する他端面13aのみを所望の色に着色して美観を向上させてもよい。
なお、上記熱可塑性エラストマーに、白色等の所定の色のマスターバッチ(着色剤)を配合することで、埋め栓本体8を所望の色にしてもよい。また、埋め栓本体8のうち、外側に露呈する他端面13aのみを所望の色に着色して美観を向上させてもよい。
図1および図3を参照して、埋め栓本体8は、所定の軸線Aを有しており、この軸線Aを中心とする円錐台状をなしている。埋め栓本体8の外周面9の形状は、埋め栓本体8に外力が加えられていない状態において、凹部5の内周部10(内周面)の形状と同じ程度に大きく形成されており、埋め栓本体8を凹部5に押し込むことにより、外周面9が弾性変形して凹部5の内周部10に液密的に接触する。
埋め栓本体8の外周面9は、凹部5とは逆向きの円錐テーパ状をなしている。すなわち、取り付け状態において、外周面9は、コンクリート体1の内側を向いており、凹部5は、コンクリート体1の外側を向いている。この外周面9は、取り付け状態(埋め栓本体8が凹部5に埋め込まれた状態)において、凹部5の内周部10に弾性的且つ液密的に嵌合している。
埋め栓本体8には、ねじ無し孔11が形成されている。このねじ無し孔11の軸線は、埋め栓本体8の軸線Aと一致しており、埋め栓本体8の軸方向S(以下、単に軸方向Sともいう)に長手に延びている。
軸方向Sに関する埋め栓本体8の一端部12(以下、単に一端部12ともいう)に、ねじ無し孔11が開口されている。軸方向Sに関する埋め栓本体8の一端部12と反対側に配置された他端部13(以下、単に他端部13ともいう)には、ねじ無し孔11は開口されていない。すなわち、ねじ無し孔11は有底の孔とされている。ねじ軸3が挿通されていない状態において、ねじ無し孔11は、ねじ孔を有さない平坦な面に形成されている。
軸方向Sに関する埋め栓本体8の一端部12(以下、単に一端部12ともいう)に、ねじ無し孔11が開口されている。軸方向Sに関する埋め栓本体8の一端部12と反対側に配置された他端部13(以下、単に他端部13ともいう)には、ねじ無し孔11は開口されていない。すなわち、ねじ無し孔11は有底の孔とされている。ねじ軸3が挿通されていない状態において、ねじ無し孔11は、ねじ孔を有さない平坦な面に形成されている。
ねじ軸3が挿通されていない状態において、ねじ無し孔11の内径Bは、ねじ軸3の山径よりも小さく、且つ谷径よりも大きくされている。これにより、ねじ無し孔11に挿通されたねじ軸3の外周面が、ねじ無し孔11の周面に弾性的に係合でき、且つねじ無し孔11の周面を損傷することを防止できる。
ねじ軸3がねじ無し孔11に係合したとき、ねじ無し孔11の内周面が弾性変形してねじ軸3のねじ山に螺合するねじ孔14が形成される。これにより、ねじ無し孔11の周面とねじ軸3の外周面との間が液密的にシールされる。
ねじ軸3がねじ無し孔11に係合したとき、ねじ無し孔11の内周面が弾性変形してねじ軸3のねじ山に螺合するねじ孔14が形成される。これにより、ねじ無し孔11の周面とねじ軸3の外周面との間が液密的にシールされる。
ねじ無し孔11の周面のうち、ねじ無し孔11の開口11aの近傍は、面取り部15が形成されて内径が大きくされており、ねじ無し孔11を導入し易くなっている。
一端部12は、取り付け状態において凹部5の底部7と相対向している。自由状態(埋め栓本体8が凹部5に埋め込まれる前の状態)において、埋め栓本体8の一端面12aの内径部16は、環状の平坦な面に形成されており、ねじ無し孔11の開口11aを取り囲んでいる。
一端部12は、取り付け状態において凹部5の底部7と相対向している。自由状態(埋め栓本体8が凹部5に埋め込まれる前の状態)において、埋め栓本体8の一端面12aの内径部16は、環状の平坦な面に形成されており、ねじ無し孔11の開口11aを取り囲んでいる。
取り付け状態において、一端面12aの内径部16は、全周に亘って凹部5の底部7に弾性的且つ液密的に当接しており、ねじ軸3と底部7との間に水分が浸入することを防止している。すなわち、内径部16は、環状のシール部として機能している。この内径部16は、底部7の凹凸形状に対応する形状に弾性変形する。
一端面12aの外径部17は、面取りが施されており、取り付け状態において凹部5の底部7に接触しないようにされている。弾性変形した埋め栓本体8の肉は、外径部17と底部7との間に逃げることができる。
一端面12aの外径部17は、面取りが施されており、取り付け状態において凹部5の底部7に接触しないようにされている。弾性変形した埋め栓本体8の肉は、外径部17と底部7との間に逃げることができる。
他端部13は、取り付け状態において、凹部5の入口5aの近傍に位置している。他端部13の外周面9には、環状の凸部としての環状の鍔部18が形成されている。環状の鍔部18は、埋め栓本体8の外周面9の傾斜角度を相対的に大きくすることにより形成されている。具体的には、埋め栓本体8の一端部12から一端部12と他端部13との間の中途部19にかけての外周面9の傾斜角度E1に対して、環状の鍔部18の外周面9の傾斜角度E2が、より大きく(E1<E2)されている。
なお、凹部5の傾斜角E3は、E1≦E3<E2とされている。E1≦E3とすることにより、凹部5に埋め栓本体8を埋め込むことができ、E3<E2とすることにより、環状の鍔部18を凹部5の入口5aに確実に当接させることができる。
環状の鍔部18の外周面9は、自由状態においては平坦な面に形成されており、取り付け状態においては、凹部5の入口5aの内周部10に弾性的且つ液密的に嵌合して、当該内周部10に沿う形状に弾性変形している。
環状の鍔部18の外周面9は、自由状態においては平坦な面に形成されており、取り付け状態においては、凹部5の入口5aの内周部10に弾性的且つ液密的に嵌合して、当該内周部10に沿う形状に弾性変形している。
取り付け状態において、埋め栓本体8の他端面13aは、少なくとも一部がコンクリート打設面4に対して窪んでおり、環状の鍔部18は、内周部10に受けられて凹部5の入口5a側に若干捲られている。これにより、環状の鍔部18が全周に亘って確実に内周部10と接触する。他端面13aは、取り付け状態において、外周縁を除く大部分が打設面4と平行である。
図2および図3を参照して、外周面9には、埋め栓本体8の周方向Lに略等しい間隔を隔てて配置された複数の縦溝20が形成されている。本実施の形態において、縦溝20は、例えば8箇所に形成されている。
各縦溝20は、外周面9の弾性変形時における埋め栓本体8の肉を逃がすとともに、凹部5の内周部10の突起物6と接触する箇所を少なくするためのものである。各縦溝20は、一端部12から他端部13に向けて延び、中途部19に達している。軸線Aに直交する断面(図2に示す断面)において、各縦溝20は、扇状に区画されている。
各縦溝20は、外周面9の弾性変形時における埋め栓本体8の肉を逃がすとともに、凹部5の内周部10の突起物6と接触する箇所を少なくするためのものである。各縦溝20は、一端部12から他端部13に向けて延び、中途部19に達している。軸線Aに直交する断面(図2に示す断面)において、各縦溝20は、扇状に区画されている。
軸方向Sに関する縦溝20の長さF1は、例えば、埋め栓本体8の全長Gの半分以上(本実施の形態において、約3/4)とされている。また、縦溝20の深さF2および幅F3は、凹部5の内周部10の突起物6と極力接触しないように、十分な値(例えば、数mm程度)とされている。
縦溝20が一端部12に開放されていることにより、埋め栓本体8を凹部5に埋め込む際に、一端部12の外周部21の肉を弾性変形させ易くしており、凹部5への埋め込み作業が容易である。また、縦溝20が中途部19で途切れて他端部13に達していないことにより、図1に示すように他端部13の外周部22の肉が不用意に弾性変形することを防止でき、凹部5の入口5aに隙間が出来てしまうことを防止できる。
縦溝20が一端部12に開放されていることにより、埋め栓本体8を凹部5に埋め込む際に、一端部12の外周部21の肉を弾性変形させ易くしており、凹部5への埋め込み作業が容易である。また、縦溝20が中途部19で途切れて他端部13に達していないことにより、図1に示すように他端部13の外周部22の肉が不用意に弾性変形することを防止でき、凹部5の入口5aに隙間が出来てしまうことを防止できる。
以上の概略構成を有する埋め栓本体8は、以下のようにして凹部5に取り付けられる。すなわち、まず、自由状態の一端部12を凹部5に対向させた状態で凹部5に押し込み、ねじ無し孔11にねじ軸3を挿通する。そして、プラスチックハンマー等を用いて埋め栓本体8を凹部5に押し込む。これにより、ねじ無し孔11とねじ軸3とを弾性的に嵌合させるとともに一端面12aを凹部5の底部7に弾性的に接触させ、且つ、環状の鍔部18を凹部5の入口5aの内周部10に弾性的に接触させる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。すなわち、ねじ無し孔11がねじ軸3と弾性的に嵌合することにより、埋め栓本体8をねじ軸3から外れないように確実に保持しておくことができる。ねじ軸3への取り付けのために接着剤を充填する作業等が必要なく、取り付け作業が容易である。
また、熱可塑性エラストマーで埋め栓本体8を形成していることにより、埋め栓本体8が雨水や海水等の水分により浸食されることを防止でき、ひび割れや崩れを起こすことを防止できる。長期に亘って確実に美観を維持することができる。埋め栓本体8の肉が弾性変形して突起物6をよけるので、凹部5を均す必要がない。
また、熱可塑性エラストマーで埋め栓本体8を形成していることにより、埋め栓本体8が雨水や海水等の水分により浸食されることを防止でき、ひび割れや崩れを起こすことを防止できる。長期に亘って確実に美観を維持することができる。埋め栓本体8の肉が弾性変形して突起物6をよけるので、凹部5を均す必要がない。
さらに、埋め栓本体8の一端面12aの内径部16によって、凹部5の底部7のうちねじ軸3の周囲をシールでき、雨水や海水等の水分がねじ軸3に到達しないようにできる。これにより、ねじ軸3が鉄製の場合でも、ねじ軸3に錆が生じることを防止できる。
また、埋め栓本体8の他端部13に鍔部18を形成していることにより、鍔部18が凹部5の入口5aの内周部10と全周に亘って接触してシールできる。凹部5への水分の浸入を確実に防止できる。
また、埋め栓本体8の他端部13に鍔部18を形成していることにより、鍔部18が凹部5の入口5aの内周部10と全周に亘って接触してシールできる。凹部5への水分の浸入を確実に防止できる。
さらに、埋め栓本体8の外周面9に複数の縦溝20が形成されていることにより、埋め栓本体8の外周面9が凹部5の突起物6に接触する箇所を少なくできる。また、突起物6に接触して弾性変形した部分の肉を縦溝20側に逃がすことができる。これにより、埋め栓本体8が突起物6に引っかかってそれ以上押し込むことが出来ない事態を回避でき、凹部5の奥まで確実に押し込むことができる。埋め栓本体8の取り付け前に、凹部5の表面を均す作業が必要ない。
本考案は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば、図4に示すように、埋め栓本体8に覆い部材23を取り付けて埋め栓を構成してもよい。覆い部材23は、凹部5の入口5aを覆って装飾するためのものであり、埋め栓本体8と別体に形成されている。覆い部材23の材料として、アルミニウム合金等の金属や、合成樹脂を例示することができる。
例えば、図4に示すように、埋め栓本体8に覆い部材23を取り付けて埋め栓を構成してもよい。覆い部材23は、凹部5の入口5aを覆って装飾するためのものであり、埋め栓本体8と別体に形成されている。覆い部材23の材料として、アルミニウム合金等の金属や、合成樹脂を例示することができる。
合成樹脂として、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene )樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネイト、フェノール樹脂、およびポリアミド樹脂(例えば、ナイロン6−6)を例示することができる。なお、覆い部材23を埋め栓本体8と同じ材料で形成してもよい。この場合、覆い部材23を、埋め栓本体8と単一の材料で一体に形成してもよい。
覆い部材23は、所定の色をなしており、埋め栓本体8の他端部13に接続されるベース24と、ベース24から延設されて入口5aの周縁部(打設面4)に接触する延設部25とを含んでいる。ベース24は、他端面13aの外周部を避けて他端面13aと接触しており、環状の鍔部18の弾性変形を阻害しないようにされている。ベース24は、例えば、ベース24に突設された1ないし複数の小片26が他端部13に差し込まれることで、他端部13に固定されている。この固定作業は、埋め栓本体8を凹部5に取り付けた後に行ってもよいし、凹部5に取り付ける前に予め行ってもよい。
延設部25は、凹部5の入口5aよりも大径に形成されており、入口5aおよび入口5aの周縁部を覆っている。軸方向Sに沿って見て、延設部25は、円板状をなしていてもよいし、多角形形状をなしていてもよいし、所定の装飾形状(例えば、花の形状)をなしていてもよい。
この場合、覆い部材23で凹部5を隠して凹部5の周囲を装飾でき、美観をより向上することができる。例えば、凹部5の入口5aの周囲に欠けが生じていても、この欠けを容易に隠すことができる。
この場合、覆い部材23で凹部5を隠して凹部5の周囲を装飾でき、美観をより向上することができる。例えば、凹部5の入口5aの周囲に欠けが生じていても、この欠けを容易に隠すことができる。
また、図5に示すように、覆い部材23にフック等の凸状部材27をさらに設けてもよい。凸状部材27の一端部27aが、埋め栓本体8の他端部13に差し込まれて固定され、中間部27bが、ベース24および延設部25を貫通する貫通孔28に挿通され、他端部27cが延設部25から突出して鉤状をなしている。
さらに、図6に示す覆い部材23Aを用いてもよい。覆い部材23Aが前述の覆い部材23(図4参照)と異なるのは、図6に示すように、延設部25Aが凹部5内に収容されている点にある。延設部25Aは、外表面29がコンクリート体1の打設面4と略面一にされ、外周面30が凹部5の内周部10と対向しており、凹部5を覆っている。
さらに、図6に示す覆い部材23Aを用いてもよい。覆い部材23Aが前述の覆い部材23(図4参照)と異なるのは、図6に示すように、延設部25Aが凹部5内に収容されている点にある。延設部25Aは、外表面29がコンクリート体1の打設面4と略面一にされ、外周面30が凹部5の内周部10と対向しており、凹部5を覆っている。
また、上記各実施の形態において、埋め栓本体8の縦溝20を廃止してもよい。
3 ねじ軸
4 打設面
5 凹部
5a (凹部の)入口
7 底部
8 埋め栓本体(埋め栓)
9 (埋め栓本体の)外周面
10 (凹部の)内周部
11 ねじ無し孔
11a (ねじ無し孔の)開口
12 (埋め栓本体の)一端部
13 (埋め栓本体の)他端部
16 内径部(環状のシール部)
18 環状の鍔部(環状の凸部)
19 中途部
20 縦溝
23,23A 覆い部材
E1,E2 傾斜角度
L 周方向
4 打設面
5 凹部
5a (凹部の)入口
7 底部
8 埋め栓本体(埋め栓)
9 (埋め栓本体の)外周面
10 (凹部の)内周部
11 ねじ無し孔
11a (ねじ無し孔の)開口
12 (埋め栓本体の)一端部
13 (埋め栓本体の)他端部
16 内径部(環状のシール部)
18 環状の鍔部(環状の凸部)
19 中途部
20 縦溝
23,23A 覆い部材
E1,E2 傾斜角度
L 周方向
Claims (8)
- 円錐台状に窪む凹部の底から凹部の中心軸線に沿ってねじ軸が突出しているコンクリート打設面において、上記凹部を塞ぐための埋め栓であって、
上記円錐台状の凹部に合致可能な円錐台状をなす熱可塑性エラストマー製の埋め栓本体を備え、
この埋め栓本体は、
上記凹部の底部に対向する一端部と、
この一端部の反対側に配置された他端部と、
上記凹部の内周部に弾性的に嵌合し、凹部とは逆向きの円錐テーパ状をなす外周面と、
上記一端部に開口し、上記ねじ軸と弾性的に嵌合する有底のねじ無し孔と、
を含んでいることを特徴とする埋め栓。 - 請求項1において、上記埋め栓本体の一端部には、ねじ無し孔の開口を取り囲む状態で凹部の底部に弾性的に当接する環状のシール部が形成されていることを特徴とする埋め栓。
- 請求項1または2において、上記埋め栓本体の他端部の外周面に、環状の凸部が形成されていることを特徴とする埋め栓。
- 請求項3において、上記環状の凸部は、上記埋め栓本体の他端部において埋め栓本体の外周面の傾斜角度を相対的に大きくすることにより形成された環状の鍔部を含み、この鍔部は、上記凹部の入口の内周部に弾性的に嵌合されることを特徴とする埋め栓。
- 請求項1〜4の何れか1項において、上記埋め栓本体の外周面には、埋め栓本体の一端部から他端部に向けて延び、一端部と他端部との間の中途部に達する複数の縦溝が形成されており、これらの縦溝は、埋め栓本体の周方向に間隔を隔てて配置されていることを特徴とする埋め栓。
- 請求項1〜5の何れか1項において、上記埋め栓本体の他端部に取り付けられ、上記凹部の入口を覆う覆い部材を備えていることを特徴とする埋め栓。
- 請求項6において、上記覆い部材は、埋め栓本体の他端部に固定されたベースと、ベースから延設され、上記凹部の入口の周縁部に接触する延設部と、を含むことを特徴とする埋め栓。
- 請求項6または7において、上記覆い部材を貫通して埋め栓本体の他端部に差し込まれて固定された一端と、覆い部材から外部へ露出して鉤状をなす他端とを含む凸状部材を備えることを特徴とする埋め栓。
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JP2011006085U JP3172685U (ja) | 2011-10-18 | 2011-10-18 | 埋め栓 |
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JP2016153590A (ja) * | 2015-02-16 | 2016-08-25 | 有限会社 丸幸レジン | パッキン及び密閉部材 |
-
2011
- 2011-10-18 JP JP2011006085U patent/JP3172685U/ja not_active Expired - Lifetime
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