JP2007315061A - 水洗便器 - Google Patents

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Abstract

【課題】水平面に対して多少傾いた状態で設置されたとしても通液路全体に液体が行き渡り、ボウル部を部位によらず略均一に洗浄可能な水洗便器の提供を目的とする。
【解決手段】水洗便器1は、ボウル部10を取り囲むように、断面形状「コ」字型のリム部12を有する。リム部12の底面22は、ボウル部10に対して外側から内側に向けて下方に傾斜している。また、底面22は、リム部12を流れる水の流れ方向上流側から中間部C1に至るまでの区間で上り勾配がついており、中間部C1から終端部分に至るまでの区間で下り勾配がついた構成とされている。
【選択図】図5

Description

本発明は、水洗便器に関するものである。
従来から、下記特許文献1に開示されているような水洗便器が提供されている。この種の水洗便器は、ボウル部を包囲するように通液路が設けられると共に、当該通液路がボウル部の内側に向けて周状に開放した形状とされている。従来技術の水洗便器は、通液路への通液に伴い、前記開放部からボウル部の略全周にわたって液体が落下し、この液体によってボウル部の内周面を洗浄可能な構成とされている。
特開2004−11414号公報
上記特許文献1に代表される従来技術の水洗便器では、通液路を通過する液体をボウル部側に落下させるべく、通液路の底面にボウル部に対して外側から内側に向かう下り勾配がつけられた構成とされたものが多い。しかし、従来技術の水洗便器では、通液路を構成する底面が通液路における液体の流れ方向の上流端から終端部分に至るまで、液体の流れ方向に略平坦な構成とされている。そのため、従来技術の水洗便器は、水平に設置された状態においては、通液路に水等を供給することにより、この水等をボウル部の全周にわたって落下させ、ボウル面を洗浄することができるものであった。
しかし、上記した水洗便器について本発明者らがさらに詳細に検討したところ、施工上の都合等により、水洗便器が水平に設置されていないような状況下では、水等の液体をボウル部の全周にわたって略均等に落下させることができず、ボウル部の洗浄が部位によって不十分となる可能性があることが判明した。
さらに具体的には、上記特許文献1に開示されている水洗便器では、通液路が略環状とされているため、流入口から導入された水等の流れ方向は、通液路の中間部において徐々に流入口における水等の導入方向に対して交差する方向や逆方向に切り替わって行く構成とされていた。そのため、従来技術の水洗便器は、通液路において液体の流れ方向が切り替わるような部分に相当する位置が低くなるように設置されると、当該部分に流入口から導入された液体が集中し、通液路を流れる液体の大部分がまとまってボウル部側に落下してしまい、これより下流側に液体が行き渡らず、ボウル部の洗浄ムラが発生する可能性があった。従って、従来技術の水洗便器は、水平に設置されていないと通液路からボウル部側に落下する液体の量等がばらついてしまい、ボウル部の洗浄性能が部位によって不均一になったり、大幅に低下する可能性があった。
そこで、かかる知見に基づき、水平面に対して多少傾いた状態で設置されたとしても通液路全体に液体が行き渡り、ボウル部を部位によらず略均一に洗浄可能な水洗便器の提供を目的とした。
上記した課題を解決すべく提供される請求項1に記載の発明は、鉢状のボウル部と、当該ボウル部の上端側の位置においてボウル部を囲むように設けられた周状の通液路と、当該通液路に対して液体を吐出可能な吐出部とを有し、前記通液路に、吐出部から吐出された液体が流入する流入口が設けられており、前記通液路の側方に、周状の開放部が設けられており、通液路を流れる液体を前記開放部からボウル部の内側に落下させることが可能な水洗便器であって、前記通液路の流入口から通液路の中間部に至る区間において、液体の流れ方向上流側から下流側に向けて通液路の底面が上昇していることを特徴とする水洗便器である。
本発明の水洗便器では、通液路の流入口から通液路の中間部に至る区間において、液体の流れ方向上流側から下流側に向けて通液路の底面が上昇している。そのため、本発明の水洗便器は、水平面に対して多少傾いた姿勢で設置されたとしても、流入口から通液路に流入した液体が一度にまとまって前記中間部近傍に集まったり、通液路を流れる液体の流れが流入口から通液路の中間部に至る区間において加速するといったような現象が起こりにくい。そのため、本発明の水洗便器は、仮に水平面に対してある程度傾いた状態で設置されたとしても、通液路に供給された液体を通液路全体に略均等に行き渡らせ、ボウル部の全周に渡って液体を落下させることができる。従って、本発明によれば、設置状態等によらずボウル部の全周にわたって略均等に洗浄可能な水洗便器を提供することができる。
ここで、上記したように通液路の流入口から中間部に至る区間において通液路の底面が上昇する構成とした場合、流入口から通液路に対して導入された液体の勢いが中間部に至るまでに弱まるものと想定される。そのため、流入口から導入される際の液体の勢い如何によっては、液体の勢いが通液路の途中で減衰してしまい、液体が所定の勢いで通液路の終端位置に到達できなくなるおそれがある。通液路を通過する液体の勢いが途中で大幅に減衰してしまうと、通液路からボウル部に落下する液体の落下量の分布や落下の勢い等のバラツキが発生したり、勢いを失った液体が通液路の終端部分に至るまでにボウル部側に落下してしまうといったような不具合が起こり、ボウル部の洗浄不良が発生する可能性がある。
また、上記した構成とした場合は、仮に通液路の中間部から通液路の終端位置に至る区間において、通液路の底面が液体の流れ方向上流側から下流側に向けて平坦であったとしても、水洗便器が設置されている姿勢によっては通液路の中間部から通液路の終端位置に至る区間において水平面に対して上り勾配となってしまい、当該部位において水がうまく流れなくなる可能性もある。
そこで、かかる知見に基づいて提供される請求項2に記載の発明は、通液路の中間部から通液路の終端位置に至る区間において、液体の流れ方向上流側から下流側に向けて通液路の底面が下降していることを特徴とする請求項1に記載の水洗便器である。
本発明の水洗便器では、上記した中間部から終端位置に至る区間において通液路の底面が液体の流れ方向上流側から下流側に向けて下降した構成とされている。そのため、本発明の水洗便器では、通液路の中間部に至るまでの間に通液路を通る液体の勢いが減衰する可能性が低い。また、本発明の水洗便器は、仮に水平面に対して傾いて設置されていたとしても、通液路の中間部から終端位置に至る区間において通液路の底面が水平あるいは下方に傾斜した状態となる。そのため、本発明の水洗便器は、仮に水平面に対して傾斜した状態で設置されても、通液路に供給された液体を通液路の上流側の部分だけでなく、中間部から終端部分に至る下流側の領域まで勢いをほとんど低下させることなくスムーズに到達させることができる。従って、本発明によれば、液体を通液路の終端位置まで所定の勢いを維持した状態で供給することができ、液体をボウル面全体に略均等に落下させ洗浄することが可能な水洗便器を提供できる。
ここで、上記請求項1または2のいずれか1項に記載の水洗便器は、通液路が、流入口から離反する方向に液体が流れる上流部と、当該上流部に連続し、上流部を流れる液体の流れ方向に対して交差する方向に液体が流れる中流部と、当該中流部に連続し、前記上流部における液体の流れ方向に対して逆方向に液体が流れる下流部とを有し、前記上流部および中流部において、通液路の底面が、液体の流れ方向上流側から下流側に向けて上昇していることを特徴とするものであってもよい(請求項3)。
上記したように通液路を上流部、中流部、並びに、下流部に分類した場合、通液路の上流部や中流部を流れる液流の勢いは比較的高いと想定される。そのため、水洗便器の設置姿勢の影響を受けて上流部や中流部に液体が集中的に流入すると、当該部位において通液路を流れる液体の大部分が行き場を失ってボウル部側に落下してしまい、下流側に液体が十分行き渡らない可能性がある。そこで、かかる知見に基づき、本発明の水洗便器では、通液路の上流部および中流部に相当する部分の底面を液体の流れ方向上流側から下流側に向けて上方に傾斜する構成としている。そのため、本発明の水洗便器は、水洗便器の設置姿勢によらず通液路の上流部や中流部に液体が集中的に流れるといったような不具合が起こりにくい。従って、本発明によれば、設置姿勢が水平面に対して多少傾いていたとしても通液路の全体にわたって略均一に液体を行き渡らせ、ボウル部全体を略均一に洗浄可能な水洗便器を提供することができる。
上記請求項3において、中間部は、上流部と中流部との境界部分であることが望ましい(請求項4)。
ここで、上記請求項1〜4のいずれか1項に記載の水洗便器は、通液路の流入口から通液路の中間部に至る区間において液体の流れ方向上流側から下流側に向けて上方に傾斜した構成とされているが、この傾斜が極端に高いと、流入口から通液路に導入された液体の勢いが極端に減衰してボウル部側に落下してしまい、中間部よりも下流側に到達できる液体の量が極端に減ってしまうおそれがある。
そこで、かかる知見に基づいて提供される請求項5に記載の発明は、通液路の流入口から通液路の中間部に至る区間における通液路の底面の傾きが、水平面に対して1〜5度の範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の水洗便器である。
かかる構成によれば、中間部よりも液体の流れ方向上流側において液体の流れを適度に減衰させることができ、ボウル部の洗浄に適した量の液体を通液路の中間部から終端部分に至る区間にも到達させることができる。従って、本発明によれば、中間部よりも上流側の区間だけでなく下流側の区間にも液体を十分行き渡らせ、ボウル部全体を略均一に洗浄可能な水洗便器を提供できる。
ここで、上記請求項1〜5に記載の水洗便器では、通液路の流入口から中間部に至る区間において底面に上り勾配がつけられており、通液路の中間部に至るまでに液流がある程度減衰する。そのため、通液路全体にわたって液体を十分行き渡らせるためには、中間部よりも下流側において、通液路の底面に下り勾配がつけられていることが望ましいが、この下り勾配が極端にきついと通液路を通る液体がうまくボウル部側に落下しなかったり、落下状態にムラが発生する可能性がある。
そこで、かかる知見に基づいて提供される請求項6に記載の発明は、通液路の中間部から通液路の終端位置に至る区間における通液路の底面の傾きが、水平面に対して1〜5度の範囲で下降していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の水洗便器である。
かかる構成によれば、通液路の中間部よりも下流側における液体の流れをボウル部をムラなく洗浄できるよう、最適化することができる。
ここで、上記請求項1〜6に記載の水洗便器において、通液路を通る液体の勢いは、流入口から遠ざかり、下流側に向かうほど低下するものと想定される。また、上記請求項1〜6に記載の水洗便器では、中間部よりも上流側において通液路を流れる液体の流れ方向下流側に向かうに従って通液路の底面が上昇する構成とされている。そのため、上記請求項1〜6に記載の水洗便器では、中間部よりも下流側に至る区間における液流の勢いが中間部よりも上流側の区間における液流の勢いよりも低くなり、その分ボウル部の洗浄能力にムラが生じる可能性もある。
そこで、かかる可能性が懸念される場合、上記請求項1〜6のいずれか1項に記載の水洗便器は、通液路の終端部分の底面が、流入口の底面よりも下方に存在することを特徴とするものとすることが好ましい(請求項7)。
かかる構成とした場合、通液路の中間部よりも下流側の領域においても液流の勢いを高く維持することができる。そのため、本発明によれば、ボウル部を部位によらずムラなく洗浄可能な水洗便器を提供できる。
本発明によれば、設置状態等によるボウル部の洗浄性能の低下を最小限に抑制可能な水洗便器を提供できる。
続いて、本発明の一実施形態にかかる水洗便器について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明では、特に断りがない限り、水洗便器の上下左右や前後、手前、奥等の位置関係に関する文言ついては、一般的な使用状態において便座への着座前に水洗便器対して対向した状態を基準として説明する。
図1は、本実施形態の水洗便器1を示す側面図である。水洗便器1は、いわゆる洋式便器であり、従来公知のものと同様に便器本体2に対して便座3や覆蓋5を取り付けた構成とされている。
便器本体2は、図1に示すように、ボウル部10と排出部11とリム部12(通液路)とを有する。ボウル部10は、図2に示すように上端側が開口した鉢状のものである。ボウル部10の底部には、ボウル部10から水(液体)やボウル部10に溜まった汚物を排出するための排出口として機能する開口15が設けられている。開口15には、排出部11が配管を介して接続されている。
図1に示すように、排出部11は、排出口16に加えて、可動部17や電磁弁18を有する。排出口16は、下水道等につながる配管が接続される部分であり、便器本体2の底面において開口している。また、可動部17は、水や汚物を通過させることが可能な筒状の部位であり、図示しないモータ等からなる動力源(図示せず)の作動に伴ってボウル部10との連通状態を維持したまま上方側あるいは下方側に向けて傾斜状態を切り替え可能な構成とされている。
可動部17は、常時は図1(a)に示すように末端部分が上方に向くように傾斜している。一方、ボウル部10に溜まっている水や汚物を排出する際に図示しないリモコンのスイッチを押圧するなどすると、図1(b)に示すように動力源(図示せず)が作動して可動部17が下方に傾斜すると共に、電磁弁18が開く。これにより、ボウル部10に溜まっている水や汚物を排出口16に向けて排出することができる。
リム部12は、本実施形態の水洗便器1において特徴的な構成を有する部分である。リム部12は、図2や図5、図6に示すようにボウル部10の全周を取り囲むように設けられている。リム部12は、図3や図4に示すようにボウル部10の上端部分に位置しており、断面形状が略「コ」字状の溝によって構成されている。リム部12は、便器本体2の左奥側に設けられた流入口14に取り付けられた吐出部であるノズル13(図2、図5、図6参照)に接続された給水源から供給される水が流れる流路(通液路)を構成するものである。
さらに具体的には、リム部12は、図3(b)や図4(b)に示すように、天面20、外周面21および底面22の3面によって囲まれており、外周面21に対して対向する部分にボウル部10の内側に向けて開口した開放部23を持つ構成とされている。リム部12の天面21は、上記した便座3の底面と接触する部分である。また、外周面21は、便器本体2の外周に沿って形成された面である。
底面22は、本実施形態の水洗便器1において最も特徴的な構成とされている部分である。さらに詳細には、底面22は、上記した天面21に対向する位置にあり、図2や図5(a)等に示すようにボウル部10の略全周を取り囲むように設けられている。底面22は、図3(b)や図4(b)に示すように、ボウル部10の内側に向けて下り勾配がついた構成とされている。そのため、図5(a)に矢印で示すように、ノズル13から噴出した水をリム部12に通すと、この水は底面22に沿ってボウル部10の略全周にわたって流れると共に、リム部12を通過する際に少しずつボウル部10側に落下する。これにより、ボウル部10の内側に水の旋回流が発生し、ボウル部10の内面が洗浄される。
また、底面22は、ノズル13から導入される水の流れ方向上流側から下流側にかけて勾配が変化している。さらに具体的には、図5(a),(b)に示すようにボウル部10の中心を通り互いに直交する2本の直線L1,L2を想定し、底面22を直線L1,L2で区画される4つの領域を、水の流れ方向上流側から領域A〜Dに分割すると共に、領域Aをノズル13に対して水の流れ方向下流側に位置し、底面22を流れる水の流れ方向最上流側に位置する領域A1と、領域Dに対して水の流れ方向下流側に位置し、底面22を流れる水の流れ方向最下流側に位置する領域A2とに分割した場合、底面22の勾配は、図7に示すように変化している。
すなわち、ノズル13から噴出する水の流れ方向最上流側に位置する領域A1から領域Bを通過し、領域Cの中間部分にある中間部C1に至るまでの区間は、底面22がなだらかに上方に向けてK1度(本実施形態では約3度)程度の傾きでなだらかに傾斜している。ここで、中間部C1は、便器本体2の左奥側に設けられたノズル13から手前側に向けて噴出してきた水が便器本体2の手前側を横方向に通過した後、奥側に戻る方向に向きを変えようとする部分である。
さらに詳細には、図6に示すように、底面22をノズル13から噴出する水が、ノズル13から離れる方向に略直進する部分を上流部X、上流部Xを流れてきた水がノズル13における水の噴出方向に対して交差する方向に進む部分を中流部Y、中流部Yを流れてきた水がさらに進行方向を変え、上流部Xにおける水流の方向に対して逆方向に流れて上流部X側に戻る部分を下流部Zとした場合、中間部C1は、中流部Yと下流部Zとの境界部分に相当する部分である。
また、図6(a)に示すように底面22をノズル13から噴出した水が手前側(ノズル13から遠ざかる方向)に流れる部分を往部G1とし、水が奥側(ノズル13に近づく方向)に向けて流れる部分を復部G2とした場合、中間部C1は、往部G1と復部G2との境界に相当する部分である。本実施形態では、底面22の全長の略中央に相当する位置に中間部C1が設けられている。
底面22は、上記した中間部C1よりもリム部12を流れる水の流れ方向下流側の領域から領域Dを経て領域A2に至る部分、すなわち上記した下流部Zや復部G2相当する領域において下方に向けてK2度(本実施形態では約3度)の傾きでなだらかに傾斜している。すなわち、底面22は、図5(b)や図6(b)に模式的に示すように、上流部Xおよび中流部Y(往部G1)において水の流れ方向上流側から下流側に向けて上り勾配がついており、下流部Z(復部G2)において下り勾配がついた構成とされている。
図5(b)に示すように、リム部12の底面22が所定の平面P上に形成されていると想定した場合、この平面Pは、水平面Qに対して平行ではない。そして、領域Aに相当する部分が水平面Qに対して最も低い位置にあり、領域Aに対してはすかい(領域Aに対してボウル部10を挟んで右斜め手前側)の位置にある領域Cが水平面Qに対して最も高い位置にある。領域Aに対して水の流れ方向下流側に隣接する領域Bに相当する部分の高さは、領域Aよりも高く領域Cよりも低い。また、領域Cに対して水の流れ方向下流側に隣接する領域Dの高さは、領域Cよりも低い。
続いて、本実施形態の水洗便器1においてボウル部10の洗浄する際の動作および水の流れについて説明する。水洗便器1は、リモコン(図示せず)等を操作することにより、給水源からノズル13に対してボウル10の洗浄用の水が供給されると共に、排出部11の可動部17が図1(a)のように上方に向いた姿勢から図1(b)のように下方に向いた姿勢に切り替わる。またこの際、排出部11の電磁弁18が開いた状態になる。
上記したようにして、給水源からノズル13に水が供給されると、この水はノズル13の噴出口からリム部12内に噴出される。リム部12内に噴出した水は、図5(a),(b)や図6(a),(b)に矢印で示すように領域A1(上流部X)内を勢いよく流れる。
ここで、上記したように、リム部12の底面22は、図3(b)や図4(b)に示すようにボウル部10の外側から内側に向けて下り勾配がついた形状とされている。そのため、領域A1を流れる水の大部分は、領域A1に対して下流側に隣接する領域B側に向けて流れるが、一部はリム部12を進むに従って少しずつボウル部10の内側に向けて落下する。ボウル部10の内側に落下した水は、ボウル部10の内周面に沿って流れ、内周面を洗浄する。ボウル部10の内周面を伝ってボウル部10の底に至った水は、開口15およびこれに配管接続された排出部11の可動部17を通って排出口16から排出される。
また、上記したように、リム部12の底面22は、領域A1において水の流れ方向下流側に向かうに従って上昇している。そのため、ノズル13から噴出した水は、その勢いをやや緩めながら下流側(領域B側)に向けて流れる。
上記したようにして領域A1を通過し、領域Bに至った水は、リム部12の湾曲に沿って流れる。すなわち、領域Bを流れる水は、領域A1を通過する水の流れ方向に対して交差する方向(右方)に徐々に向きを変えながら流れる。
領域Bにおけるリム部12の底面22は、上記した領域A1から連続してさらに水の流れ方向下流側に向かって上昇している。そのため、領域Bを流れる水の勢い(流速)は、さらに低下する。
領域Bを通過する水についても、図5(a)や図6(a)に示すように一部がボウル部10の内側に向けて落下してボウル部10の内周面に沿って流れ、内周面を洗浄する。一方、領域Bを通過する水の残部は、さらに下流側(領域C側)に流れる。
リム部12の領域Bを通過し、領域Cに流入した水は、リム部12の湾曲に沿ってさらに進行方向を変化させながら下流側に流れる。すなわち、領域Cに流入した水は、徐々にその流れ方向を奥側に変化させながら下流側に流れていく。領域Cを通過する水についても、一部がボウル部10の内側に落下し、残部がさらに下流側(領域D)側に向けて流れる。
ここで、上記したように、本実施形態の水洗便器1において、リム部12の底面22は、水の流れ方向上流側から中間部C1に至るまでの領域において、水の流れ方向下流側に向かうに従って上昇するが、中間部C1よりも下流側の領域において水の流れ方向下流側に向かうに従って下降する構成とされている。換言すれば、水洗便器1では、領域Cにおいて水の流れ方向が奥側に変化する変曲点に相当する部分あるいはこの近傍に中間部C1が存在し、この中間部C1あるいはこの近傍を頂点として底面22の傾斜が変化する構成とされている。そのため、リム部12の領域Cを通過する水は、中間部C1に至るまで徐々に勢い(流速)を緩めながら流れ、その後中間部C1を通過すると下流側に向けて徐々に勢い(流速)を回復しながら流れることとなる。
上記したようにしてリム部12の領域Cを通過してきた水は、下流側に隣接する領域D内に流入する。リム部12の底面22は、領域Dにおいてもボウル部10の外側から内側に向けて下り勾配がついた構成とされている。そのため、リム部12を通過する水は、領域Dにおいても、流れ方向下流側に向かうに従って少しずつボウル部10の内側に落下し、ボウル部10の内周面を満遍なく洗浄する。
また、リム部12の底面22は、領域Dにおいて領域Cに引き続いて水の流れ方向下流側に向かうに従って徐々に下降する傾向にある。そのため、リム部12の領域Dに流入した水についても、十分な勢い(流速)を維持した状態で下流側に流れる。
リム部12の領域Dを通過してきた水は、さらに下流側の領域A2に到達する。領域A2に到達した水は、大部分がボウル部10の内側に向け、ボウル部10の内周面に沿って落下し、内周面を洗浄する。また、領域A2の末端部分、すなわちリム部12の終端部分に至った水は、領域A1に戻る。
上記したようにして、リム部12の全周からボウル部10の内周面に沿って落下した水は、ボウル部10の内周面に沿って流れる旋回流となって内周面全体を洗浄する。そして、ボウル部10を洗浄した水は、ボウル部10の底に至ると開口15を通って排出部11の可動部17を構成する筒に至り、便器本体2の底面に設けられた排出口16から下水道などに排出される。
上記したようにして、ボウル部10の洗浄開始後、所定量の水がノズル13から噴出された時点、あるいは、ボウル部10の洗浄開始後、所定時間が経過した時点で、排出部11の可動部17を構成する筒が図1(b)に示すように下方に傾いた状態から図1(a)に示すように上方に傾いた姿勢に切り替わる。またこの際、可動部17に設けられた電磁弁18が閉止される。その後、所定時間が経過するまで、あるいは、ノズル13を介して所定量の水が供給されるまで、図示しない給水源からノズル13およびリム部12を介してボウル部10内に水が供給される。これにより、ボウル部10に水が所定量だけ溜まった状態となり、ボウル部10の洗浄に関する一連の動作が完了する。
上記したように、本実施形態の水洗便器1において、リム部12の底面22は、便器本体2の奥側に設置されているノズル13側から中間部C1に至るまでの区間(往部)において上り勾配がついた構成とされている。そのため、本実施形態の水洗便器1では、仮に便器本体2が施工上の都合等で手前側にある程度(K1程度以下)の範囲で傾斜した、いわゆる前傾姿勢で設置されていたとしても、ノズル13から噴出された水がまとまって便器本体2の手前側の部分に到達したり、水勢を強めた状態で便器本体2の手前側の部分に到達するといったような現象が起こらない。
さらに、本実施形態の水洗便器1では、周状に延伸したリム部12の全長の略中央に相当する中間部C1よりも水の流れ方向下流側において、底面22が水の流れ方向下流側に向けて下り勾配がつけられた構成である。そのため、水洗便器1では、ノズル13から噴出された水の勢いが中間部C1に至るまでに減衰されたとしても、リム部12を通過する水は、中間部C1から下流側に向かう間に勢いを取り戻し、終端部分である領域A2にまで到達することができる。また、水洗便器1は、手前側よりも奥側が低くなるように設置されたとしても、その傾斜がK2度(本実施形態では約3度)程度以下であれば中間部C1よりも下流側においても水をスムーズに流すことができる。そのため、本実施形態の水洗便器1によれば、設置姿勢等の影響を受けることなく、ボウル部10全周をくまなく洗浄することができる。
また、上記実施形態では、中間部C1よりも上流側の領域(上流部X、中流部Y)における底面22の勾配がK1度(約3度)とされており、水の流れ方向上流側から下流側に向かって緩やかに上昇する構成とされている。そのため、水洗便器1では、ノズル13から噴出された水の勢い(流速)を適度に減衰させることができ、中間部C1よりも上流側の領域においてボウル部10の洗浄に適した量の水をボウル部10の内側に落下させることができると共に、中間部C1よりも下流側の領域にもボウル部10の洗浄に必要とされる量の水を供給することができる。従って、上記した構成よれば、リム部12において、中間部C1よりも上流側の区間だけでなく下流側の区間にも水を十分行き渡らせ、ボウル部10全体を満遍なく洗浄することができる。
また、上記したように、本実施形態では、中間部C1よりも下流側の領域(下流部Z)における底面22がK2度(約3度)の傾きで、水の流れ方向上流側から下流側に向かって下降する構成とされている。そのため、中間部C1に到達した時点でリム部12を流れる水流の勢い(流速)がある程度減衰していても、下流部Zにおいて水流の勢いが回復し、リム部12の末端部分にまで水を到達させることができる。従って、上記した構成によれば、中間部C1よりも下流側においてもリム部12内を流れる水が終端部分まで満遍なく行き渡り、ボウル部10をムラなく洗浄することができる。
上記実施形態では、リム部12の底面22の傾斜K1,K2度を共に3度程度としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば傾斜K1と傾斜K2とで角度を変更する等、適宜設定することが可能である。なお、リム部12を流れる水流の勢い(流速)を最適化するためには、傾斜K1,K2は共に1度〜5度の範囲であることが望ましい。
また、上記実施形態では、図2や図5に示すように、リム部12の底面22が平面視で略環状であり、底面22の高さが水流の最上流側に位置する領域A1と、水流の最下流側(終端部分)に相当する領域A2とで同程度の高さであったが、本発明はこれに限定されるものではない。さらに具体的には、例えば図8に示すように、リム部12は、水流の最下流部分(終端部分)における底面22の高さが、リム部12における水流の始点部分(ノズル13の取付部近傍)よりも低くなっていてもよい。
また、上記実施形態では、リム部12の底面22が下流部Zにおいて、リム部12を流れる水の流れ方向上流側から下流側に向かって下降する形状であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、下流部Zにおいて底面22が平坦(水平面Qと平行)であってもよい。
上記実施形態では、ノズル13に給水源から水が供給される場合を例に挙げたが、本発明はこれに限定されるものではなく、水に洗浄液等を混ぜた液体等がノズル13に供給される構成であってもよい。
本発明の一実施形態にかかる水洗便器を示す側面図であり、(a)は当該水洗便器の第1の作動状態、(b)は当該水洗便器の第2の作動状態を示すものである。 図1に示す水洗便器において採用されている便器本体の要部を破断した状態を示す斜視図である。 (a)は図1に示す水洗便器におけるボウル部および排出部の右方側面図であり、(b)はボウル部の断面を右方から観察した状態を示す断面図である。 (a)は図1に示す水洗便器におけるボウル部および排出部を手前側から観察した状態を示す側面図であり、(b)はボウル部の断面を手前側から観察した状態を示す断面図である。 (a)はリム部の構造を示す断面図であり、(b)はリム部の構成を模式的に示す説明図である。 (a)はリム部の構造を示す断面図であり、(b)はリム部の構成を模式的に示す説明図である。 リム部の底面の傾斜の変化を示すグラフである。 図2の変形例にかかる便器本体の要部を破断した状態を示す斜視図である。
符号の説明
1 水洗便器
2 便器本体
10 ボウル部
12 リム部(通液路)
13 ノズル(吐出部)
14 流入口
22 底面
23 開放部
K1,K2 傾斜
C1 中間部
X 上流部
Y 中流部
Z 下流部

Claims (7)

  1. 鉢状のボウル部と、当該ボウル部の上端側の位置においてボウル部を囲むように設けられた周状の通液路と、当該通液路に対して液体を吐出可能な吐出部とを有し、前記通液路に、吐出部から吐出された液体が流入可能な流入口が設けられており、前記通液路の側方に、周状の開放部が設けられており、通液路を流れる液体を前記開放部からボウル部の内側に落下させることが可能な水洗便器であって、前記通液路の流入口から通液路の中間部に至る区間において、液体の流れ方向上流側から下流側に向けて通液路の底面が上昇していることを特徴とする水洗便器。
  2. 通液路の中間部から通液路の終端位置に至る区間において、液体の流れ方向上流側から下流側に向けて通液路の底面が下降していることを特徴とする請求項1に記載の水洗便器。
  3. 通液路が、流入口から離反する方向に液体が流れる上流部と、当該上流部に連続し、上流部を流れる液体の流れ方向に対して交差する方向に液体が流れる中流部と、当該中流部に連続し、前記上流部における液体の流れ方向に対して逆方向に液体が流れる下流部とを有し、前記上流部および中流部において、通液路の底面が、液体の流れ方向上流側から下流側に向けて上昇していることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の水洗便器。
  4. 中間部が、上流部と中流部との境界部分であることを特徴とする請求項3に記載の水洗便器。
  5. 通液路の流入口から通液路の中間部に至る区間における通液路の底面の傾きが、水平面に対して1〜5度の範囲で上昇していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の水洗便器。
  6. 通液路の中間部から通液路の終端位置に至る区間における通液路の底面の傾きが、水平面に対して1〜5度の範囲で下降していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の水洗便器。
  7. 通液路の終端部分の底面が、流入口の底面よりも下方に存在することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の水洗便器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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