JP2007314777A - キノロノキノロン系顔料組成物及び着色プラスチック成形品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐熱性に優れた着色が出来るキノロノキノロン系顔料組成物及びこの顔料組成物を用いた着色プラスチック成形品の製造方法を提供する。
【解決手段】質量基準でキノロノキノロン系顔料(A)1部当たり、アルミニウム石鹸(B)を0.75〜10部を含有することを特徴とするキノロノキノロン系顔料組成物、及びキノロノキノロン系顔料(A)と、質量基準でキノロノキノロン系顔料(A)1部当たり0.75〜10部のアルミニウム石鹸(B)と、熱可塑性樹脂(C)とを混合し熱成形することを特徴とする着色プラスチック成形品の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】質量基準でキノロノキノロン系顔料(A)1部当たり、アルミニウム石鹸(B)を0.75〜10部を含有することを特徴とするキノロノキノロン系顔料組成物、及びキノロノキノロン系顔料(A)と、質量基準でキノロノキノロン系顔料(A)1部当たり0.75〜10部のアルミニウム石鹸(B)と、熱可塑性樹脂(C)とを混合し熱成形することを特徴とする着色プラスチック成形品の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、耐熱性に優れた着色が出来るキノロノキノロン系顔料組成物及びこの顔料組成物を用いた着色プラスチック成形品及びその製造方法に関する。
キノロノキノロン系顔料は、黄色から橙色を呈し、耐光性や耐溶剤性等の各種の耐久性に優れるので、微細化することで、印刷インキや静電荷像現像用トナー向けの黄色や橙色の着色剤として用いられたり、有機電解発光素子のような特殊な用途に用いることが提案されている(例えば、特許文献1等)。
しかしながら、これらのキノロノキノロン系顔料は、その挙動については不明なことが多い。文献2には、キノロノキノロンと金属塩との加熱を行うと、赤色のキノロノキノロン金属錯体が得られることが報告されている(例えば、非特許文献1)。また、特許文献1には、静電荷像現像用トナーの調製時において、ステアリン酸亜鉛やステアリン酸アルミニウムの様な脂肪酸金属塩を滑剤として併用することについて示唆はあるが、一般的に、この目的でトナーに外添される脂肪酸金属塩は極少量に過ぎない。しかも、具体的にそれを含有するトナーは調製されておらず、着色の耐熱性についての知見は何も提供していない。その他、ステアリン酸アルミニウム自体は、主に無機顔料の吸液量の測定に用いられたり、顔料の沈降防止剤として用いられているが、やはりキノロノキノロン系顔料との相互作用は解明されていない。
有機顔料には、それ本来の固有の色相で被着色媒体を着色出来ることが求められる。本発明者の知見によると、キノロノキノロン系顔料を含有する熱可塑性樹脂を熱成形することで得た着色成形品を観察した結果、その顔料が持つ固有の色が損なわれ、熱履歴により変色が見られる場合があった。熱履歴を受けても色相変化なく被着色媒体を着色出来れば、熱成形可能な熱可塑性樹脂の選択の幅も広がるし、熱成形の条件選択の幅も広がる。例えば、色相変化無く、より高温で熱成形を行うことが出来れば、熱可塑性樹脂の流動性を高めることが出来る結果、着色プラスチック成形品の生産性や精密加工性を高めることが可能となるが、キノロノキノロン系顔料を用いる場合、この課題は未だ解決されていない。
本発明が解決しようとする課題は、耐熱性に優れた着色が出来るキノロノキノロン系顔料組成物及びこの顔料組成物を用いた着色プラスチック成形品及び着色プラスチック成形品の製造方法を提供することにある。
本発明者等は、キノロノキノロン系顔料を用いて耐熱性に優れた着色を行うことを目的として、鋭意検討を行った結果、多くの金属石鹸のうち、特定の金属石鹸を選択し、それを従来より多い特定量を併用することで、特異的に耐熱性に優れた着色が可能なことを見い出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、質量基準でキノロノキノロン系顔料(A)1部当たり、アルミニウム石鹸(B)を0.75〜10部を含有することを特徴とするキノロノキノロン系顔料組成物を提供する。
キノロノキノロン系顔料(A)と、質量基準でキノロノキノロン系顔料(A)1部当たり0.75〜10部のアルミニウム石鹸(B)と、熱可塑性樹脂(C)とを混合し熱成形することを特徴とする着色プラスチック成形品の製造方法を提供する。
また本発明は、キノロノキノロン系顔料(A)と、質量基準でキノロノキノロン系顔料(A)1部当たり0.75〜10部のアルミニウム石鹸(B)と、分散用樹脂(D)とを含有するマスターバッチを熱可塑性樹脂(C)と混合した着色コンパウンドを熱成形することを特徴とする着色プラスチック成形品の製造方法を提供する。
さらに分散用樹脂(D)を含まずキノロノキノロン系顔料(A)と、質量基準でキノロノキノロン系顔料(A)1部当たり0.75〜10部のアルミニウム石鹸(B)と熱可塑性樹脂(D)、分散用樹脂(D)とを含有するマスターバッチを熱可塑性樹脂(C)とを混合した着色コンパウンドを熱成形することを特徴とする着色プラスチック成形品の製造方法を提供する。
本発明の顔料組成物は、キノロノキノロン系顔料に対して、特定量のアルミニウム石鹸を含有するので、耐熱性に優れた着色を行うことが出来るという格別顕著な効果を奏する。
本発明の着色プラスチック成形品の製造方法は、キノロノキノロン系顔料と、特定量のアルミニウム石鹸と、熱可塑性樹脂とを混合した着色コンパウンドを熱成形するので、熱成形可能な熱可塑性樹脂の選択の幅や、熱成形の条件選択の幅が広げられ、着色プラスチック成形品の生産性や精密加工性を高めることが出来るという格別顕著な効果を奏する。
本発明は、質量基準でキノロノキノロン系顔料(A)1部当たり、アルミニウム石鹸(B)を0.75〜10部含有することを特徴とするキノロノキノロン系顔料組成物である。
本発明の顔料組成物の一方の構成成分は、キノロノキノロン系顔料(A)である。
キノロノキノロン系顔料(A)とは、キノロノキノロン(またはエピンドリジオン)骨格を含有する有機顔料の総称であり、例えば、下記式で表される。骨格に含有される置換基の有無や置換基の種類により色相は相違するが、このキノロノキノロン系顔料(A)は、概ね、黄色〜橙色の色相を有する。
キノロノキノロン系顔料(A)とは、キノロノキノロン(またはエピンドリジオン)骨格を含有する有機顔料の総称であり、例えば、下記式で表される。骨格に含有される置換基の有無や置換基の種類により色相は相違するが、このキノロノキノロン系顔料(A)は、概ね、黄色〜橙色の色相を有する。
式中、R1a及びR1bは、同一でも異なっていても良い水素原子、低級アルキル基又はハロゲン原子である。低級アルキル基としては、例えば炭素原子数1〜3のアルキル基、ハロゲン原子としては、例えば塩素原子、臭素原子、沃素原子が挙げられる。
キノロノキノロン系顔料(A)としては、例えば、無置換キノロノキノロン、2,8−ジメチルキノロノキノロン、3,9−ジメチルキノロノキノロン、4,10−ジメチルキノロノキノロン、2,8−ジエチルキノロノキノロン、2,8−ジクロロキノロノキノロン、2,8−ジブロモキノロノキノロン等の対称キノロノキノロン系顔料、2−メチルキノロノキノロン、2−メチル−7−エチルキノロノキノロン、2−メチル−8−クロロキノロノキノロン等の非対称キノロノキノロン系顔料が挙げられる。
この様なキノロノキノロン系顔料(A)は、公知慣用の方法に従って製造することが出来る。具体的には、特開平10−17783号公報、特開平11−80576公報、特開平11−130972公報の様な公開特許公報や、Helv.Chim.Acta,31,716、J.Heterocyclic Chem,16,1651(1979)の様な文献を参照すれば良い。
粗製顔料は、大過剰の有機溶剤中で加熱攪拌する方法(所謂ソルベント法)、磨砕助剤と有機溶剤の存在下で混練する方法(所謂ソルベントソルトミリング法)により、充分な発色をする粒子径の顔料とすることが出来る。これらの方法で得られた顔料は、洗浄し乾燥し、必要に応じて粉砕分級等をすることで、ドライ顔料とすることが出来る。
このキノロノキノロン系顔料(A)は、後記する着色すべき被着色媒体に分散させた際に、充分に発色する程度の粒子径を有していることが好ましく、窒素吸着法によるBET比面積5〜80m2/gであることが好ましい。例えば、ジメチルキノロノキノロン顔料の場合は、窒素吸着法によるBET比面積10〜50m2/gであることが好ましい。
尚、本発明における窒素吸着法によるBET比面積とは、日本工業規格JIS Z8830の付属書2に規定する「1点法による気体吸着量の測定方法」に従って測定した顔料粉末の比表面積を意味する。
更に、このキノロノキノロン系顔料(A)は、後記するアルミニウム石鹸(B)との相互作用を充分に発揮させるために、界面活性剤等で表面被覆されていない無処理キノロノキノロン系顔料であることが好ましい。
本発明の顔料組成物のもう一方の構成成分は、アルミニウム石鹸(B)である。アルミニウム石鹸(B)とは、脂肪酸、樹脂酸またはナフテン酸のアルミニウム塩である。この様なアルミニウム石鹸(B)としては、例えば、炭素原子数9〜24の鎖長の飽和または不飽和脂肪酸のアルミニウム塩があり、例えばラウリン酸アルミニウム、パルミチン酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、オレイン酸アルミニウム、ベヘン酸アルミニウム等が挙げられる。
カルボキシル基を一つのみしか有さない脂肪酸とアルミニウムとの塩としては、脂肪酸3モルとアルミニウム1モルとからなる正塩の他、脂肪酸2モルとアルミニウム1モルとからなる水酸基を1つ含有する塩基性塩や、脂肪酸1モルとアルミニウム1モルとからなる水酸基を2つ含有する塩基性塩の3種が知られている。本発明ではこれらいずれの塩も用いることが出来る。
上記したステアリン酸アルミニウムの正塩と塩基性塩としては、例えば堺化学(株)製SA−1000、同SA−1500及び同SA−2000の市販品がある。
キノロノキノロン系顔料(A)は、黄色〜橙色の色相を有するため、それより濃色のアルミニウム石鹸(B)と併用すると、色濁りが発生しやすい。黄色〜橙色の顔料は、マゼンタ色やシアン色とは異なり、色濃度が低いために、わずかな色濁りでも極めてそれが目立ち易い。従って、本発明の顔料組成物の調製に当たっては、それ自体が無色であるか淡色であるアルミニウム石鹸(B)を用いるのが好ましい。また、常態において無色であるか淡色であっても、後記する様な熱履歴を経ると変色し濃色に変化するアルミニウム石鹸(B)は、やはり本発明の顔料組成物の調製に用いることは好ましくない。
従ってアルミニウム石鹸(B)としては、常態において無色であるか淡色であり、分子内二重結合の酸化によって変色しない、炭素原子数12〜20の鎖長であり、カルボキシル基を一つのみしか有さない飽和脂肪酸のアルミニウム塩が好ましい。
またアルミニウム石鹸(B)は、キノロノキノロン系顔料(A)との相互作用を充分に発揮させるために、粉体であることが好ましい。また、極力吸湿していない乾燥した粉体であることが好ましい。
本発明の顔料組成物は、質量基準でキノロノキノロン系顔料(A)1部当たり、アルミニウム石鹸(B)を0.75〜10部、好ましくは0.75〜5部、より好ましくは1〜3部となる様に含有させることで調製することが出来る。この含有割合は、キノロノキノロン系顔料(A)とアルミニウム石鹸(B)との相互作用を確実とするのに必要であり、少なすぎれば、耐熱性は改良出来ないし、多すぎれば、経済的ではないし元来の着色力が損なわれやすくなる。
本発明の顔料組成物は、両者を混合攪拌することで容易に調製することが出来る。具体的には、乾燥した両者を、各種ミキサーで均一となるまで混合攪拌すれば良い。
類似する色相のアゾ系顔料等に比べて、キノロノキノロン系顔料(A)は、それ自体でかなり着色の耐熱性は優れたものではあるが、このアルミニウム石鹸(B)との併用で、更に飛躍的に着色の耐熱性を向上させることが出来る。また、キノロノキノロン系顔料(A)が、塩素原子を含有するキノロノキノロン系顔料である場合でも、その分解温度を高めて、塩素を発生し難くすることが可能となる。
本発明の顔料組成物の調製に当たっては、必要であれば、例えばマグネシウム石鹸、コバルト石鹸の様なアルミニウム石鹸(B)以外の金属石鹸や、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料の様なキノロノキノロン系顔料(A)以外の黄色又は橙色の有機顔料や、シリカ、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム等の無機顔料等を併用することが出来る。
本発明の顔料組成物は、目的や必要に応じて液媒体や添加剤と共に、被着色媒体である熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂に含有させることで、着色された印刷インキ、塗料、プラスチック成形品等を得ることが出来る。
本発明の顔料組成物は、例えば、印刷インキ、塗料、プラスチック成形品等の着色という前記した様な公知慣用の用途で用いることが出来るが、中でも、焼付塗料、熱成形品、ヒートロール定着を行う静電荷像現像用トナー等の強い熱履歴を経る用途において、常態と同等ないしは略同等の色相を維持することが出来る、優れた耐熱性の改良効果を発揮する。
本発明で熱硬化性樹脂としては、例えばアクリル/メラミン、アクリル/イソシアネート、エポキシ/ポリアミド等の組合せが挙げられるし、熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレンの様なポリオレフィン、エチレングリコール/アジピン酸からなる線状ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートの様なポリエステル、硬質ポリ塩化ビニル、ポリウレタン等が挙げられる。本発明の顔料組成物は、高温でないと流動せず、極性もない熱可塑性樹脂であるポリオレフィンの着色に適用することが好ましい。
本発明でポリオレフィンの分子量は、構成される単量体の種類により異なるが、通常500〜1000000であればよく、粉状、粒状等の形状や共重合比には一切制限なく用いることができる。又これら樹脂に後処理により分子中にアクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のα,β−不飽和カルボン酸又はその無水物の酸基を導入させても本発明では何等さしつかえがない。
本発明の顔料組成物は、熱可塑性樹脂(C)とを混合し、着色された熱可塑性樹脂を熱成形する着色プラスチック成形品の製造方法への適用に好適である。具体的には、例えば、キノロノキノロン系顔料(A)と、質量基準で、キノロノキノロン系顔料(A)1部当たり0.75〜10部のアルミニウム石鹸(B)と、熱可塑性樹脂(C)とを混合し熱成形することで、着色プラスチック成形品を容易に製造することが出来る。
着色プラスチック成形品において、樹脂中に顔料組成物やフィラーを分散させた粉体状、粒状またはペレット状物の混合物の、成形前の状態を着色コンパウンドと称する。
キノロノキノロン系顔料(A)とアルミニウム石鹸(B)と熱可塑性樹脂(C)とを含有する成形前の着色コンパウンドを、熱可塑性樹脂(C)の流動開始温度以上かつ前記コンパウンド成分の分解温度未満の温度にて、所望の形状となる様に熱成形することが出来る。
この熱成形としては、例えば、着色コンパウンドを必要な形状の加熱された金型に充填し型絞めする従来の熱圧成形の他、溶融した着色コンパウンドを、室温や冷却された金型にゆっくり押し出す押出成形や、瞬時に押し出す射出成形等を採用することが出来る。
また成形機としては、押出機のほか射出成形機や、インフレーションフィルム成形機、ブロー成形機、ヤーン成形機、紡糸機等が利用できる。
また成形機としては、押出機のほか射出成形機や、インフレーションフィルム成形機、ブロー成形機、ヤーン成形機、紡糸機等が利用できる。
本発明の顔料組成物を含有する着色コンパウンドは、金型内で長時間熱が加わっても、或いは、金型に入れる前に溶融状態で長時間滞留されても、アルミニウム石鹸(B)が所定量含有されているために、キノロノキノロン系顔料(A)の持つ本来の色相を損なうことがない。従って、この様に強い熱履歴が加わった後に得られる着色プラスチック成形品の着色の色相は、熱履歴が加わる前のキノロノキノロン系顔料(A)本来の色相と同等または略同等のままに保持される。
着色コンパウンドの熱成形温度は、用いる熱可塑性樹脂(C)により適宜調整する必要があるが、例えば、ポリプロピレンの場合には、通常、温度220〜300℃、流動性や型再現性を考慮して、中でも225〜285℃の範囲で選択することが好ましい。金型内での熱が加わる時間、或いは、金型に入れる前の溶融状態での滞留時間は、色相保持の観点からは短いほど良いが、本発明の顔料組成物を含有する着色コンパウンドの場合は、3〜15分の間で選択することが出来る。同じ熱成形温度であれば、より長時間熱履歴が加わっても、本来の色相と同等または略同等のままに、着色プラスチック成形品の色相を保持出来る。精密な着色プラスチック成形品を得る場合は、緻密な金型を用いシヨートショット(短絡)にならない様に、着色コンパウンドがより高温で滞留された後に射出成形が行われることが多い。この様な場合であっても、本発明の顔料組成物を含有する着色コンパウンドは色相変化の様な不都合が生じ難い。
本発明の顔料組成物は、熱履歴を受けても色相変化なく被着色媒体を着色出来るので、キノロノキノロン系顔料を用いた場合における、熱成形可能な熱可塑性樹脂の選択の幅も広がり、熱成形の条件選択の幅も広がった。例えば、色相変化無く、より高温で熱成形を行うことが出来るため、熱可塑性樹脂の流動性を高めることが出来る結果、キノロノキノロン系顔料を用いた着色プラスチック成形品の生産性や精密加工性を高めることが可能となった。
高濃度の顔料を分散用樹脂に含有し液体状や、粒状やペレット状、微粉末状といった固形状にした高濃度顔料分散樹脂を本発明ではマスターバッチと称するが、本発明の着色プラスチック成形品の製造方法は、本マスターバッチを被着色媒体である樹脂中に混合希釈して所望の濃度の着色コンパウンドを調製し熱成形することができる。また本発明の着色プラスチック成形品の製造方法としては、被着色媒体たる樹脂中に最終濃度の顔料やフィラーを混合分散した低濃度顔料分散樹脂も着色コンパウンドとして、そのまま熱成形することができる。
前者には、分散剤で顔料を表面処理し微粉末状としたドライカラー、糊状の担体に分散させたペーストカラー、液体状の担体に分散させたリキッドカラー、顔料やフィラーを、樹脂やワックスといった固形状の担体中に溶融混練して分散させたマスターパウダー、又は顔料やフィラーを樹脂中に溶融混練して分散してペレット状にした、いわゆる業界公知のマスターバッチ等が挙げられる。
マスターバッチは被着色媒体たる樹脂と混合希釈し着色コンパウンドとすることができ、さらにこれを熱成形することで着色プラスチック成形品を製造することができる。
前記マスターバッチを被着色媒体で希釈した着色コンパウンドを熱成形する着色プラスチック成形品の製造方法は、計量性や混練物の流動性、均一拡散性に優れる点で、色ムラのない樹脂を再現性良く成形できる点で好ましい。
例えば着色プラスチック成形品のためのマスターバッチは、少なくともキノロノキノロン系顔料(A)とアルミニウム石鹸(B)を含有する顔料組成物と分散用樹脂(D)を含有させて調製することができる。
このマスターバッチは、より高い顔料濃度の着色剤であるから、キノロノキノロン系顔料(A)とアルミニウム石鹸(B)との合計量は、分散性樹脂(D)に対して、目的とする着色プラスチック成形品における含有濃度よりも高濃度に含有するよう適宜調整すれば良いが、質量基準で、分散性樹脂(D)100部当たり、キノロノキノロン系顔料(A)とアルミニウム石鹸(B)との合計が、例えば2部〜1000部の範囲で調製できる。
このマスターバッチ調製のための分散用樹脂(D)としては、キノロノキノロン系顔料(A)と熱可塑性樹脂(C)との両方に対して相溶性を有する樹脂が良く、例えばポリエチレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合体、プロピレン/ブテン−1共重合体、エチレン/プロピレン/エチリデンノルボ−ネン三元共重合体、ポリ4メチルペンテン1、スチレン/エチレン/ブテン/スチレン共重合体(SEBS)、水添スチレン/ブテンゴム(HSBR)等のオレフィン/スチレン系共重合体、EEA、EVA等のエチレン/α,β−不飽和カルボン酸共重合体等を挙げることができる。
なかでも分子量が300〜10000程度の低分子量樹脂で、軟化点が常温〜150℃の範囲にあって、溶融粘度が低いワックスが好適に利用でき、例えばポリエチレンワックスやポリプロピレンワックス等ポリオレフィンのワックスは被着色媒体たる熱可塑性樹脂と顔料及び無機化合物との親和性が良好であるため好ましい。
このマスターバッチは調製後、適当な被着色媒体たる熱可塑性樹脂(C)に分散させるようにして、所望の顔料濃度とすることが出来る。
もちろんこのマスターバッチには少量の熱可塑性樹脂(C)やその他添加剤をあらかじめ混合しておくこともできるし、熱可塑性樹脂(C)の添加量を段階的に増量することもできる。こうすることにより、分散時等の物性変化等の影響をより抑制でき、本発明の着色プラスチック成形品の製造方法に好適である。
このマスターバッチはキノロノキノロン系顔料(A)とアルミニウム石鹸(B)と分散用樹脂(D)を高速ミキサー、粉砕機で混合し微粉砕した上で、バンバリーミキサーやニーダーで混練した後、加熱2本ロールや3本ロールにて微細に磨砕処理された上で、短軸スクリュや2軸スクリュ押出機等の混錬機で熱可塑性樹脂やその他成分と共に混練することによって、又はこれら成分すべてを一度に混合して溶融混練することによって得ることができる。
このマスターバッチは、着色コンパウンドと同様に前記マスターバッチの各成分及び熱可塑性樹脂(C)の分解温度未満の温度において、所望の形状となる様に熱成形することが出来る。
着色コンパウンドとしては、前者のマスターバッチを経由して得られるものの他、前者のマスターバッチに混合する高濃度顔料を分散するための分散用樹脂(D)を含有せずに、被着色媒体たる樹脂中に最終濃度の顔料やフィラーを混合分散し、そのまま熱成形する低濃度着色樹脂混合物がある。
この様な着色コンパウンドを調製する際は、予めキノロノキノロン系顔料(A)とアルミニウム石鹸(B)とを混合して本発明の顔料組成物を調製しておき、これと熱可塑性樹脂(C)とを混合する様にしても良いし、キノロノキノロン系顔料(A)とアルミニウム石鹸(B)と熱可塑性樹脂(C)とを同時に混合する様にしても良く、温度条件及び保持時間については前述の着色コンパウンドの製造条件と同様にして適宜調整して利用することができる。
低濃度着色樹脂混合物における、キノロノキノロン系顔料(A)、及びアルミニウム石鹸(B)は、両者が前記顔料組成物で規定した割合にあれば、所望の着色の耐熱性を損なわずに製造することができる。
低濃度着色樹脂混合物においては、熱可塑性樹脂(C)に含有させる、キノロノキノロン系顔料(A)とアルミニウム石鹸(B)との合計量は、目的とする着色濃度により適宜調整すれば良いが、質量基準で、熱可塑性樹脂(C)100部当たり、キノロノキノロン系顔料(A)とアルミニウム石鹸(B)との合計が、例えば0.05〜5.0部、好ましくは0.05〜3.0部、より好ましくは0.1〜1.0部である。
低濃度着色樹脂混合物は、前記マスターバッチの調製における分散用樹脂(D)を含有しない以外は前記着色コンパウンドと同様の温度範囲、製造時間及び成形方法によって製造することができる。
次に本発明を実施例等により詳細に説明する。以下、特に断りがない限り、部及び%はいずれも質量基準である。
(マスターバッチからの着色プラスチック成形品サンプルの製造)
顔料無処理2,8−ジメチルキノロノキノロン顔料(BET比表面積20m2/g。以下QQTと略記する)と、日本ポリプロ(株)製ノバデック(登録商標)(ポリプロピレンパウダー。以下PPと略記する)と、堺化学(株)製SA−1000(ステアリン酸アルミニウムの乾燥粉体)と、三洋化成(株)製サンワックス131−P(ポリエチレンパウダー。以下PEと略記する)を、表1の通り、サンプル袋に秤量して混合し、(株)井上製作所製 スチーム3本ロールの蒸気圧を2Kgとし、スチーム温度を奥120℃中央100℃、手前80℃未満に調整した。このスチーム3本ロールにサンプルを3回パスした。ポリエチレン顔料ベースを放冷しジューサーによって各10秒間で2回粉砕しポリエチレン顔料ベースを得た(以下、PEOベースと略記する。)。尚、表1中の数字はg数を表す。
顔料無処理2,8−ジメチルキノロノキノロン顔料(BET比表面積20m2/g。以下QQTと略記する)と、日本ポリプロ(株)製ノバデック(登録商標)(ポリプロピレンパウダー。以下PPと略記する)と、堺化学(株)製SA−1000(ステアリン酸アルミニウムの乾燥粉体)と、三洋化成(株)製サンワックス131−P(ポリエチレンパウダー。以下PEと略記する)を、表1の通り、サンプル袋に秤量して混合し、(株)井上製作所製 スチーム3本ロールの蒸気圧を2Kgとし、スチーム温度を奥120℃中央100℃、手前80℃未満に調整した。このスチーム3本ロールにサンプルを3回パスした。ポリエチレン顔料ベースを放冷しジューサーによって各10秒間で2回粉砕しポリエチレン顔料ベースを得た(以下、PEOベースと略記する。)。尚、表1中の数字はg数を表す。
表1
前記各PEOベースと、PPを表2の通り、サンプル袋に秤量し3回各30秒間振り混ぜた。池貝鉄工製 押出機PCM30の、スクリューモーターを100rpm、フィーダを14rpmとして、押出成形を行い、切断してペレットを得た。このペレットを80℃にて90分乾燥し、さらに放冷して着色マスターバッチを得た。表2中のPEOベース及びPP欄に記載の数字はg数を表す。
表2
前記マスターバッチとPPとを表3の通り、サンプル袋に秤量し、よく振り混ぜてから、日精樹脂工業(株)製 射出成形機PS60E9Aのホッパーに充填し、射出成形を行い、実施例1の原色成形品サンプルを調製した。尚、表3中の数字はg数を表す。
石原産業(株)製R−680(酸化チタン。以下チタン白と略記する)を併用した以外は実施例1と同様にして、表3の通り、実施例2の淡色成形品サンプルを調製した。表3中のマスターバッチ、PP、及びチタン白の各欄の数字はg数を表す。
表3
(耐熱性試験方法)
日精樹脂工業(株)製射出成形機PS60E9Aで、所定の温度かつ所定の滞留時間の下記の保持条件1〜4の下、着色コンパウンドを保持した後、射出成形を行い成形品サンプルを得た。保持条件は数字が大きくなるほど、熱履歴が大きくなる。
日精樹脂工業(株)製射出成形機PS60E9Aで、所定の温度かつ所定の滞留時間の下記の保持条件1〜4の下、着色コンパウンドを保持した後、射出成形を行い成形品サンプルを得た。保持条件は数字が大きくなるほど、熱履歴が大きくなる。
得られた成形品サンプルを、スペクトロフォトメータ(測色計)Datacolor international社製 Spectraflash(登録商標)SF−600にて測色し、保持条件1の測定結果を標準として、色差ΔEを求めた。この色差ΔEを、各々表4に示した。表4中の数字は、いずれもΔEを示す。表中の保持条件は右に行くほど、熱履歴が強くなる。色差ΔEは大きい値をとるほど、あるべき色相から異なった色相への変色が著しく、着色の耐熱性が不充分であることを意味する。
保持条件1:230℃× 0分
保持条件2:230℃×10分
保持条件3:260℃× 0分
保持条件4:260℃×10分
保持条件1:230℃× 0分
保持条件2:230℃×10分
保持条件3:260℃× 0分
保持条件4:260℃×10分
表4
マスターバッチから製造した着色プラスチック成形品サンプルの実施例1と実施例2からわかる様に、色差ΔEの値≦3.0であり色相変化が顕著に少なく、着色の耐熱性に優れることが明らかである。すなわち原色でも淡色でも、キノロノキノロン系顔料(A)とアルミニウム石鹸(B)とを含有する本発明の顔料組成物から製造された着色プラスチック成形品は、熱履歴を経ても色相変化がないことから、着色の耐熱性に著しく優れることが明らかである。
マスターバッチは秤量性が良く、均一な着色プラスチック成形品を得ることができるため、より簡便に着色プラスチック成形品を得られるため極めて有用である。
(低濃度着色樹脂混合物からの着色プラスチック成形品サンプルの製造)
顔料QQT(BET比表面積20m2/g。以下QQTと略記する)と、PPと、SA−1000と共に、堺化学(株)製SM−1000(ステアリン酸マグネシウムの乾燥粉体)を、表5の通り、サンプル袋に秤量し、30秒で3回振り混ぜて、原色の着色コンパウンドを得た。尚、表5中の数字はg数を表す。
顔料QQT(BET比表面積20m2/g。以下QQTと略記する)と、PPと、SA−1000と共に、堺化学(株)製SM−1000(ステアリン酸マグネシウムの乾燥粉体)を、表5の通り、サンプル袋に秤量し、30秒で3回振り混ぜて、原色の着色コンパウンドを得た。尚、表5中の数字はg数を表す。
比較例1
堺化学(株)製SA−1000を用いない以外は、実施例3と同様にして、原色の着色コンパウンドを得た。
堺化学(株)製SA−1000を用いない以外は、実施例3と同様にして、原色の着色コンパウンドを得た。
表5
(耐熱性試験方法)
日精樹脂工業(株)製射出成形機PS60E9Aで、所定の温度かつ所定の滞留時間の下記の保持条件7〜9の下、着色コンパウンドを保持した後、射出成形を行い着色プラスチック成形品サンプルを得た。
保持条件7:220℃× 0分
保持条件8:220℃×10分
保持条件9:250℃× 0分
得られた成形品サンプルを、スペクトロフォトメータ(測色計)Datacolor international社製 Spectraflash(登録商標)SF−600にて測色し、保持条件7の測定結果を標準として、色差ΔEを求めた。この色差ΔEを、各々表2に示した。表6中の数字は、いずれもΔEを示す。表中の保持条件は右に行くほど、熱履歴が強くなる。色差ΔEは大きい値をとるほど、あるべき色相から異なった色相への変色が著しく、着色の耐熱性が不充分であることを意味する。
日精樹脂工業(株)製射出成形機PS60E9Aで、所定の温度かつ所定の滞留時間の下記の保持条件7〜9の下、着色コンパウンドを保持した後、射出成形を行い着色プラスチック成形品サンプルを得た。
保持条件7:220℃× 0分
保持条件8:220℃×10分
保持条件9:250℃× 0分
得られた成形品サンプルを、スペクトロフォトメータ(測色計)Datacolor international社製 Spectraflash(登録商標)SF−600にて測色し、保持条件7の測定結果を標準として、色差ΔEを求めた。この色差ΔEを、各々表2に示した。表6中の数字は、いずれもΔEを示す。表中の保持条件は右に行くほど、熱履歴が強くなる。色差ΔEは大きい値をとるほど、あるべき色相から異なった色相への変色が著しく、着色の耐熱性が不充分であることを意味する。
表6
実施例3と比較例1との対比からわかる様に、キノロノキノロン系顔料(A)とアルミニウム石鹸(B)とを含有する本発明の顔料組成物で着色された成形品サンプルは、キノロノキノロン系顔料(A)を含有する従来の顔料組成物で着色された成形品サンプルに比べて、+30℃の高温の熱履歴を経ても、色差ΔEの値≦1.5であり、色相変化はなく、着色の耐熱性に著しく優れることが明らかである。
酸化チタン(チタン白)を併用する以外は、実施例3と同様にして、表7の通り、淡色の着色成形品サンプルを得た。尚、表7中の数字はg数を表す。
比較例2
堺化学(株)製SA−1000を用いない以外は、実施例4と同様にして、淡色の着色成形品サンプルを得た。尚、表7中の数字はg数を表す。
堺化学(株)製SA−1000を用いない以外は、実施例4と同様にして、淡色の着色成形品サンプルを得た。尚、表7中の数字はg数を表す。
表7
上記した耐熱性試験方法に従って、得られた成形品サンプルを同様に測色し、実施例3と同様に保持条件7〜9で着色プラスチック成形品を製造し、保持条件7の測定結果を標準として、色差ΔEを求めた。この色差ΔEを、各々表8に示した。
表8
実施例4と比較例2との対比からわかる様に、原色における実施例3と比較例1との対比と同様な効果が、淡色においても確認された。
堺化学(株)製SM−1000(ステアリン酸マグネシウムの乾燥粉体)を用いない以外は、実施例3と同様にして、表9の通り、原色の着色コンパウンドを得た。
尚、表9中の数字はg数を表す。
尚、表9中の数字はg数を表す。
実施例5と同様にして、表9の通り、淡色の着色コンパウンドを得た。
表9
(耐熱性試験方法)
射出成形は各シリンダを所定の温度かつ所定の滞留時間の下記の保持条件1〜4の下行い成形品サンプルを得た。
保持条件1: 230℃× 0分
保持条件2: 230℃×10分
保持条件3: 260℃× 0分
保持条件4: 260℃×10分
得られた成形品サンプルを同様に測色し、保持条件1の測定結果を標準として、色差ΔEを求めた。この色差ΔEを、各々表10に示した。
射出成形は各シリンダを所定の温度かつ所定の滞留時間の下記の保持条件1〜4の下行い成形品サンプルを得た。
保持条件1: 230℃× 0分
保持条件2: 230℃×10分
保持条件3: 260℃× 0分
保持条件4: 260℃×10分
得られた成形品サンプルを同様に測色し、保持条件1の測定結果を標準として、色差ΔEを求めた。この色差ΔEを、各々表10に示した。
表10
実施例5,6と実施例3,4の対比からわかる様に、キノロノキノロン系顔料(A)とアルミニウム石鹸(B)とを含有する本発明の顔料組成物で着色された成形品サンプルは、ステアリン酸マグネシウムを含有しない場合でも、260℃まで高温の熱履歴を経ても、色差ΔEの値≦3.0であり、色相変化はなく、着色の耐熱性に優れることが明らかである。
アルミニウム石鹸(B)の含有量を変えた以外は実施例3と同様にして、表11の通り、原色の着色コンパウンドを得た。
尚、表11中の数字はg数を表す。
尚、表11中の数字はg数を表す。
アルミニウム石鹸(B)の含有量を変えた以外は実施例3と同様にして、表11の通り、淡色の着色コンパウンドを得た。射出成形は下記の保持条件1〜4の下で行い着色プラスチック成形品サンプルを得た。得られた着色プラスチック成形品サンプルを同様に測色し、保持条件1の測定結果を標準として、色差ΔEを求めた。この色差ΔEは、各々表11に示した。
保持条件1: 230℃× 0分
保持条件2: 230℃×10分
保持条件3: 260℃× 0分
保持条件4: 260℃×10分
保持条件5: 280℃× 0分
保持条件6: 280℃×10分
保持条件1: 230℃× 0分
保持条件2: 230℃×10分
保持条件3: 260℃× 0分
保持条件4: 260℃×10分
保持条件5: 280℃× 0分
保持条件6: 280℃×10分
表11
表12
実施例7,8からわかる様に、分散用樹脂(D)を含有させずに、最終顔料濃度に混合したキノロノキノロン系顔料(A)とアルミニウム石鹸(B)と熱可塑性樹脂(C)を含有する低濃度着色樹脂混合物からなる着色コンパウンドを熱成形した着色プラスチック成形品サンプルでも同様に、色相変化はなく、さらに280℃まで高温の熱履歴を経ても、色差ΔEの値≦3.0であることから、着色の耐熱性に著しく優れていることを示している。
本発明の顔料組成物によれば、より高温で熱成形を行うことも出来るため、着色コンパウンド及びマスターバッチと熱可塑性樹脂との混合物の流動性を高めることが出来る結果、キノロノキノロン系顔料を用いた着色プラスチック成形品の生産性や精密加工性を高めることが可能であることが明白である。
Claims (8)
- 質量基準でキノロノキノロン系顔料(A)1部当たり、アルミニウム石鹸(B)を0.75〜10部を含有することを特徴とするキノロノキノロン系顔料組成物。
- キノロノキノロン系顔料(A)が、ジメチルキノロノキノロン顔料である請求項1記載のキノロノキノロン系顔料組成物。
- アルミニウム石鹸(B)が、ステアリン酸アルミニウムである請求項1記載のキノロノキノロン系顔料組成物。
- キノロノキノロン系顔料(A)が、窒素吸着法によるBET比面積10〜50m2/gのジメチルキノロノキノロン顔料である請求項1記載のキノロノキノロン系顔料組成物。
- キノロノキノロン系顔料(A)と、質量基準でキノロノキノロン系顔料(A)1部当たり0.75〜10部のアルミニウム石鹸(B)と、熱可塑性樹脂(C)とを混合し熱成形することを特徴とする着色プラスチック成形品の製造方法。
- キノロノキノロン系顔料(A)と、質量基準でキノロノキノロン系顔料(A)1部当たり0.75〜10部のアルミニウム石鹸(B)と、分散用樹脂(D)とを含有するマスターバッチを、熱可塑性樹脂(C)と混合した着色コンパウンドを熱成形することを特徴とする請求項5記載の着色プラスチック成形品の製造方法。
- 分散用樹脂(D)を含ませず、キノロノキノロン系顔料(A)と、質量基準でキノロノキノロン系顔料(A)1部当たり0.75〜10部のアルミニウム石鹸(B)と熱可塑性樹脂(C)とを混合した着色コンパウンドを熱成形することを特徴とする請求項5記載の着色プラスチック成形品の製造方法。
- 熱可塑性樹脂(C)が、ポリオレフィンである請求項5〜7のいずれか一項に記載の着色プラスチック成形品の製造方法。
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