JP2007314009A - 車両の減速制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロックアップクラッチをスリップ制御することなく解放ショックを緩和できる車両の減速制御装置を提供する。
【解決手段】ロックアップクラッチの解放指令からロックアップクラッチの差圧がほぼ零となるまでの応答時間Aを求め、燃料カット装置に燃料供給の再開を指令した後、エンジンの出力トルクがほぼ零に上昇するまでの応答時間Bを求める。応答時間A,Bを用いて、ロックアップクラッチの差圧がほぼ零となるタイミングと、エンジンの出力トルクがほぼ零まで上昇するタイミングとが一致するように、ロックアップクラッチの解放指令と燃料カット装置の燃料供給の再開指令との間に相対的な遅延時間Cを設ける。
【選択図】 図6

Description

本発明はロックアップクラッチ付きトルクコンバータと燃料カット装置とを備えた車両の減速制御装置に関する。
従来より、車両の燃費を向上させる対策として、減速時の燃料カット制御やトルクコンバータのロックアップ制御が広く行われている。燃料カット制御は、車両の減速走行時にエンジンへの燃料供給を強制的に停止させるもので、例えばアクセル開度が全閉(エンジン無負荷状態)であって、エンジン回転数が所定値以上の時に燃料供給を停止させ、エンジン回転数が所定値以下に低下した時に燃料供給を再開する。一方、ロックアップ制御は、トルクコンバータ内のロックアップクラッチを締結することにより、トルクコンバータの入力要素と出力要素とを機械的に連結させるものであり、一般には車速(及びアクセル開度)によってロックアップクラッチの締結域と解放域とが設定されている。
減速時にロックアップが行われると、車輪側から逆トルクがエンジンに伝達され、エンジン回転数がロックアップしない場合に比べて高く保たれるので、燃料供給を停止する時間を長くすることができ、燃費向上効果を高めることができる。
ところで、ロックアップクラッチを締結状態のまま車両が停止すると、エンジンがストールしてしまうので、停止前にはロックアップクラッチを解放させる必要がある。この場合、減速時の燃料カットしている状態でロックアップクラッチを解放させなければならないが、ロックアップクラッチをゆっくり解放すると、エンジンストールの懸念があり、急速に解放すると、解放ショックが発生する懸念がある。このような解放ショックが発生する原因は、燃料供給を停止した状態でロックアップクラッチを解放すると、車輪側からの逆トルクが抜けることにより、駆動系のねじり成分が負から0に急速に戻ろうとするからであると推測される。
図8は、アクセル全閉状態での車両の減速走行時における、燃料カット指令信号、エンジン出力トルク、ロックアップ指令信号、ロックアップ制御油圧、車両加速度、エンジン回転数およびタービン回転数の各時間変化を示す。
時刻t1でロックアップOFF(解放)の指令信号が出力されると、ロックアップ制御バルブが作動し、ロックアップクラッチの締結圧(アプライ油圧)が低下し、解放圧(リリース油圧)が上昇する。時刻t2で、両方の油圧差(以下、差圧と呼ぶ)がほぼ0となり、解放状態となる。ロックアップクラッチが解放されると、車輪側からの逆トルクが抜けるので、エンジン回転数が急速に低下し、時刻t3でエンジン回転数が限界回転数Neを下回り、燃料供給が再開される。燃料供給が再開された後、時刻t4でエンジン出力トルクが負の状態から正の状態へと上昇する。そのため、エンジン回転数は限界回転数Neより高くなり、エンジンストールが回避される。
上記のようにロックアップクラッチの締結状態では、車輪側からの逆トルクによってエンジン回転数は比較的高く維持されるので、燃料カット状態が続くことになる。つまり、一種のエンジンブレーキが効いた状態が続く。しかし、時刻t2でロックアップクラッチが解放されると、エンジンブレーキがなくなるので、駆動系のねじり成分が負から0に急速に戻ろうとし(車両加速度が急上昇し)、解放ショックが発生すると考えられる。
特許文献1には、アクセル全閉の減速時に、エンジンの燃料カットと共にロックアップクラッチをスリップ制御することで、燃費低減を図る技術が開示されている。スリップ制御を中止すると共に燃料供給を再開すると、ロックアップクラッチにおける伝達トルクの急減によりロックアップクラッチが急係合し、ショックが発生するので、ロックアップクラッチの解放指令を出した後、実際にロックアップクラッチが解放されたことを確認し、その上で燃料供給を再開している。このようにロックアップクラッチをスリップ制御する場合には、解放ショックをスリップ制御により吸収できるが、スリップ制御の終了検出の判断後に燃料供給を再開させるため、ロックアップクラッチを完全に解放するまでのタイムラグが避けられず、エンジンストールの懸念がある。
特許文献2は、アクセル全閉の減速時に、エンジンの燃料カットとロックアップ制御とを並行して実施し、エンジン回転数が限界回転数を下回る前に、ロックアップクラッチを半クラッチ状態(スリップ状態)に移行させ、半クラッチ状態で燃料供給の再開を行うものである。この場合も、有段変速式の自動変速機を用いた減速制御装置であり、ロックアップクラッチを解放する前にスリップ制御に移行するので、解放ショックは回避できるが、スリップ制御に伴う問題が発生する。また、燃料供給の再開後にロックアップクラッチの解放を行うため、ショックが発生する懸念がある。
特開平5−133468号公報 実開平5−27249号公報
本発明の目的は、ロックアップクラッチをスリップ制御することなく解放ショックを緩和できる車両の減速制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、エンジンの出力トルクをトルクコンバータを介して自動変速機に伝達する一方、上記トルクコンバータ内に差圧制御により入出力要素を締結又は解放するロックアップクラッチを設け、上記エンジンへの燃料供給を強制的に停止または再開させる燃料カット装置を設けた車両の減速制御装置であって、上記エンジンの無負荷状態での減速走行時に、上記燃料カット装置が燃料供給を停止させるとともに、上記ロックアップクラッチを締結し、所定の条件を満足した時、上記ロックアップクラッチを解放するとともに上記燃料カット装置が燃料供給を再開する減速制御装置において、上記ロックアップクラッチの解放指令からロックアップクラッチの差圧がほぼ零となるまでの応答時間Aを求める手段と、上記燃料カット装置に燃料供給の再開を指令した後、エンジンの出力トルクがほぼ零に上昇するまでの応答時間Bを求める手段と、上記応答時間A,Bを用いて、上記ロックアップクラッチの差圧がほぼ零となるタイミングと、上記エンジンの出力トルクがほぼ零まで上昇するタイミングとが一致するように、上記ロックアップクラッチの解放指令と上記燃料カット装置の燃料供給の再開指令との間に相対的な遅延時間Cを設ける手段と、を備えたことを特徴とする減速制御装置を提供する。
エンジンの無負荷状態での減速走行時には、燃料カット装置が燃料供給を停止させ、ロックアップクラッチを締結することで、燃料消費を抑制することができる。一方、所定の条件を満足した時(例えば、車速が所定車速以下になり、エンジン回転数が所定回転数以下に低下した時)、ロックアップクラッチを解放するとともに燃料カット装置が燃料供給を再開する。ところが、減速時の燃料カットしている状態で、ロックアップクラッチをゆっくり解放すると、エンジンストールの懸念があり、急速に解放すると、解放ショックが発生する懸念がある。このようなロックアップクラッチの解放ショックを解消するためには、ロックアップクラッチが解放する時に、エンジンがある程度の出力トルクを持っていることが必要である。厳密には、エンジンの出力トルクが正と負との間、即ち0近傍であることが理想的である。これを実現するため、ロックアップクラッチの差圧がほぼ0になるタイミングと、エンジンの出力トルクがほぼ0になるタイミングとが一致するように、ロックアップクラッチの解放指令と燃料カット装置の燃料供給の再開指令との間に相対的な遅延時間Cを設けている。
ロックアップクラッチの差圧がほぼ0になるタイミングは、ロックアップクラッチの解放指令からロックアップクラッチの差圧がほぼ零となるまでの応答時間Aを求めることで、知ることができる。応答時間Aは主として油温によって変動するので、例えば油温に応じた応答時間Aのマップを予め設定しておけばよい。一方、エンジンの出力トルクがほぼ0になるタイミングは、燃料カット装置に燃料供給の再開を指令した後、エンジンの出力トルクがほぼ零に上昇するまでの応答時間Bを求めることで、知ることができる。応答時間Bは、車両の減速度によって変わるので、減速度に応じたマップを予め設定しておけばよい。一般に、減速度が大きくなるに従い、応答時間Bは短く設定されている。
好ましい実施形態によれば、ロックアップクラッチの解放指令からロックアップクラッチの差圧がほぼ零となるまでの応答時間Aを所定値に制御してもよい。
応答時間Aは、主として油温によって変動する。しかし、油温によって応答時間Aが変動すると、燃料カット装置に燃料供給の再開を指令するタイミング、つまり遅延時間Cも油温によって変動することになる。そこで、この実施形態では、油温に関係なく応答時間Aをほぼ一定に制御している。この場合には、油温に応じた応答時間Aのマップを予め設定しておく必要はない。制御方法としては、例えばロックアップクラッチの解放を指令するソレノイド弁への指令信号をONからOFFへ段階的に変化させ、途中に保持時間を設けることで、応答時間をほぼ一定に制御する。低温時には保持時間を0または短くし、高温時には保持時間を長くすればよい。また、指令信号をONからOFFへスイープさせてもよい。このような保持時間またはスイープ時間は、油温による応答ばらつきを低減するためであり、一般的なスリップ制御とは異なり、極短時間の制御である。
一般に、ロックアップクラッチの応答時間Aは百数十ms、エンジンの応答時間Bは数十ms程度であり、遅延時間Cは約百ms程度である。ロックアップクラッチの差圧が0になるタイミングと、エンジン出力トルクが0になるタイミングとを厳密に一致させる必要はなく、多少(十〜数十ms程度)の時間ずれがあっても、解放ショックが実質的に乗員に感じさせない程度まで低減できればよい。
一般には、ロックアップクラッチの解放指令が出てから、遅延時間C後に燃料カット装置の燃料供給の再開指令が出る場合が多いと考えられるが、燃料カット装置の燃料供給の再開指令が出てからエンジンの出力トルクがほぼ零に上昇するまでの応答時間Bが長い場合には、燃料カット装置の燃料供給の再開指令が出てから、遅延時間C後にロックアップクラッチの解放指令を出すこともある。
以上のように、本発明の好ましい実施形態によれば、ロックアップクラッチの解放指令からロックアップクラッチの差圧がほぼ零となるまでの応答時間Aと、燃料カット装置に燃料供給の再開を指令した後エンジンの出力トルクがほぼ零に上昇するまでの応答時間Bとを求め、ロックアップクラッチの差圧がほぼ零となるタイミングとエンジンの出力トルクがほぼ零まで上昇するタイミングとが一致するように、ロックアップクラッチの解放指令と燃料カット装置の燃料供給の再開指令との間に相対的な遅延時間Cを設けるようにしたので、ロックアップクラッチが解放されるタイミングとエンジンの出力トルクがほぼ零にまで復帰するタイミングとが同期し、ロックアップクラッチの解放ショックを改善することができる。また、ロックアップクラッチをスリップ制御することなく、解放タイミングを遅らせる必要がないので、エンジンストールを確実に防止することができる。さらに、オイルの劣化やクラッチフェーシング材の磨耗といったロックアップクラッチのスリップ制御に伴う問題点を解消できる。
また、本発明の他の好ましい実施形態によれば、ロックアップクラッチの解放指令からロックアップクラッチの差圧がほぼ零となるまでの応答時間Aを略一定に制御するようにしたので、応答時間Aが油温等によって変動することがなく、油温に応じた応答時間Aのマップを予め設定しておく必要がない。そのため、ロックアップクラッチが解放されるタイミングとエンジンの出力トルクがほぼ零にまで復帰するタイミングとを簡単に同期させることができる。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、実施例を参照して説明する。
図1は本発明にかかる減速制御装置を備えた車両の駆動系の概略図である。
この車両は、エンジン1と、ロックアップクラッチ3を有するトルクコンバータ2と、前後進切替装置4と、無段変速装置5と、デファレンシャル装置6とを備える。エンジン出力軸11はトルクコンバータ2のポンプインペラ21に連結され、タービンランナ22は入力軸40に連結されている。ステータ23はワンウエイクラッチ24を介してケースなどの固定部材に連結されている。入力軸40とポンプインペラ21との間にロックアップクラッチ3が設けられている。トルクコンバータ2の入力要素とはエンジン出力軸11またはポンプインペラ21のことであり、出力要素とは入力軸40またはタービンランナ22のことである。ロックアップクラッチ3はこれら入出力要素を機械的に締結する。
前後進切替装置4は、遊星歯車機構と逆転ブレーキB1と直結クラッチC1とで構成されている。遊星歯車機構のサンギヤ41は入力軸40に連結され、リングギヤ42は駆動軸50に連結されている。遊星歯車機構はシングルピニオン方式であり、逆転ブレーキB1はピニオンギヤ43を支えるキャリア44とケース45との間に設けられ、直結クラッチC1はキャリア44と入力軸40との間に設けられている。直結クラッチC1を解放して逆転ブレーキB1を締結すると、入力軸40の回転が逆転され、かつ減速されて駆動軸50へ伝えられるため、前進走行状態となる。一方、逆転ブレーキB1を解放して直結クラッチC1を締結すると、遊星歯車機構のキャリア44とサンギヤ41とが一体に回転するので、入力軸40と駆動軸50とが直結され、後進走行状態となる。
無段変速装置5は、駆動軸50上に設けられた駆動プーリ51と、従動軸52上に設けられた従動プーリ53と、両プーリ間に巻き掛けられたVベルト54とを備えており、駆動プーリ51および従動プーリ53にはそれぞれ作動油室51a,53aが設けられている。駆動プーリ51の作動油室51aへの油圧を制御することにより変速制御を実施するとともに、従動プーリ53の作動油室53aへの油圧を制御することによりベルト挟圧力制御を実施できる。
従動軸52の一端部はエンジン側に向かって延び、この一端部に出力ギヤ55が設けられている。出力ギヤ55はデファレンシャル装置6のリングギヤ61に噛み合っており、デファレンシャル装置6から左右に延びる出力軸62に動力が伝達され、車輪が駆動される。
無段変速機の制御用コントローラ7には、駆動プーリ51の回転数を検出する入力側回転数センサ71、従動プーリ53の回転数を検出する出力側回転数センサ72、車速センサ73、油温センサ74などが接続されている。この実施例では、タービン回転数を検出するセンサは設けられていないが、タービン回転数センサを別に設けてもよい。コントローラ7には、これらセンサ71〜74からそれぞれ入力回転数、出力回転数、車速、油温が入力されている。なお、上記以外の車両の運転信号(例えばシフトポジション信号、ブレーキ信号など)をコントローラ7に入力してもよい。コントローラ7は、上記入力信号と予め設定されたデータおよびプログラムとに基づいてソレノイドバルブ76〜78を制御している。ここでは最も簡単な例として、変速制御用ソレノイドバルブ76、ベルト挟圧制御用ソレノイドバルブ77、ロックアップ制御用ソレノイドバルブ78の3個のソレノイドバルブを示したが、この他に別の機能を持つソレノイドバルブを追加してもよいことは勿論である。
エンジン制御用コントローラ8には、エンジン回転数センサ81からエンジン出力軸11の回転数が入力され、アクセル開度センサ82からアクセル開度(スロットル開度)が入力されている。なお、コントローラ8にはエンジン回転数,アクセル開度以外の信号(例えば吸入空気量,吸気管圧力,エンジン水温など)が入力されてもよいことは勿論である。コントローラ8は、上記入力信号と予め設定されたデータおよびプログラムとに基づいて、エンジン1の燃料噴射制御、点火時期制御、アイドル回転数制御などのほか、減速時の燃料カット制御を実施している。燃料カット制御は、アクセル開度が全閉で、かつエンジン回転数が所定回転数以上のとき、エンジン1への燃料供給を強制的に停止させ、エンジン回転数が所定回転数以下に低下すると、燃料供給を再開するものである。上記燃料噴射制御、点火時期制御、アイドル回転数制御、燃料カット制御などはコントローラ8に予めプログラムとして設定されている。
無段変速機制御用コントローラ7とエンジン制御用コントローラ8とは信号バス9によって相互に接続されており、このバス9を介して入力信号を共用するとともに、互いの制御信号のやり取りをすることができる。
図2は、無段変速機制御用コントローラ7に設定されているロックアップクラッチ3のON/OFF判定マップの一例である。この判定マップは、車速とアクセル開度(スロットル開度)とに基づいて、ロックアップON(締結)領域とOFF(解放)領域とが設定され、ロックアップON領域が斜線で示されている。
図2では、低アクセル開度のロックアップON領域が低車速側に広がった特性を示したが、これに限るものではなく、車速のみでON/OFF領域を規定してもよい。
図3は、ロックアップ制御バルブにOFF(解放)を指令した後のロックアップクラッチ3の差圧の時間変化を示す。
トルクコンバータの油温が常温以上であれば、差圧は実線で示すように時間A1でほぼ0になるが、油温が低い時には、油圧応答が遅れるため、差圧がほぼ0になるまでの時間A2が常温以上に比べて長くなる。コントローラ7には、OFF指令後、差圧が0になるまでの応答時間Aが油温に応じてマップデータとして設定されている。
図4は、燃料カット制御の一例を示し、燃料供給の再開時の車両の減速度とエンジン出力トルクとの関係を示す。
燃料カットした状態で、時刻t0 で燃料供給の再開指令が出た場合、減速度が大きい場合には時間B1でエンジン出力トルクが0以上に復帰するように制御し、減速度が小さい場合には時間B2でエンジン出力トルクが0以上に復帰するように制御している。ここで、B1<B2である。このように減速度に応じてエンジン出力トルクの上昇勾配を変化させることで、エンジンストールを防止するとともに、燃料供給再開時のショックの発生を抑制することができる。
次に、上記車両における減速制御の一例を図5を参照して説明する。
スタートすると、まず減速制御中であるかどうかを判定する(ステップS1)。減速制御中とは、アクセル全閉での走行状態であって、燃料カットを実施し、かつロックアップクラッチを締結した状態のことである。減速制御中でなければリターンし、減速制御中であれば、エンジン回転数を限界回転数Neと比較する(ステップS2)。限界回転数Neは、燃料供給を再開する必要のある最低限のエンジン回転数のことであり、エンジン回転数が限界回転数Ne未満であれば、後述するステップS7のようにエンジンストールを防止するために燃料供給の再開を指令する。エンジン回転数が限界回転数Ne以上の場合には、その時の走行状態がロックアップOFF領域にあるかどうかを判定する(ステップS3)。この判定は、図2に示すロックアップクラッチ3のON/OFF判定マップによって判定できる。ロックアップON領域であれば、減速制御を継続するため、以下の制御を行うことなくリターンする。
ロックアップOFF領域であれば、続いてロックアップOFF指令を出力し(ステップS4)、時間Cを計算する(ステップS5)。この時間Cは次のようにして計算される。
C=A−B
ここで、AとはロックアップOFF指令からロックアップクラッチ3の差圧がほぼ零となるまでの応答時間であり、Bとは燃料カット装置に燃料供給の再開を指令した後、エンジン出力トルクがほぼ零に上昇するまでの応答時間である。応答時間Aは油温によって求めることができ、応答時間Bは減速度によって求めることができる。そして、ロックアップOFF指令からの経過時間を時間Cと比較し(ステップS6)、時間<Cであれば時間待ちを行い、時間≧Cになれば、燃料カット装置に燃料供給の再開を指令する(ステップS7)。
上記のようにロックアップOFF指令からの経過時間が時間Cと等しくなる時間で燃料カット装置に燃料供給の再開を指令すれば、ロックアップクラッチ3の差圧がほぼ零となるタイミングと、エンジン出力トルクがほぼ零まで上昇するタイミングとが一致するので、ロックアップクラッチ3の解放ショックを解消することができる。
図6は、本発明にかかる制御を実施した場合に、アクセル全閉状態での車両の減速走行時における、燃料カット指令信号、エンジン出力トルク、ロックアップ指令信号、ロックアップ制御油圧、車両加速度、エンジン回転数およびタービン回転数、燃料カットディレイ要求信号の各時間変化を示す。
時刻t1でロックアップOFF(解放)の指令信号が出力されると、ロックアップ制御バルブが作動し、ロックアップクラッチの締結圧が低下し、解放圧が上昇する。時刻t6で差圧がほぼ0となり、ロックアップクラッチは解放状態となる。一方、ロックアップOFF指令からディレイ時間Cが経過した時刻t5で、燃料供給の再開が指令される。この燃料供給の再開は、エンジン回転数が限界回転数Ne以下になったからではなく、ディレイ時間Cによって決定される。時刻t5で燃料供給の再開が指令されると、時間Bの後の時刻t6でエンジン出力トルクが0まで復帰する。この時刻t6は、ロックアップクラッチの差圧がほぼ0になった時と一致する。そのため、ロックアップクラッチが解放されると車輪側からの逆トルクが抜けるが、それと同時にエンジンの出力トルクが正になるので、解放ショックは発生しない。
図7は、ロックアップ制御バルブにOFF(解放)を指令する際に、図3のように一気にON→OFFとするのではなく、油温に応じて段階的に変化またはスイープさせる例を示す。
図7の(a)では、時刻t7でロックアップを解放すべき状態になると、コントローラはロックアップ制御バルブをONとOFFの中間段階に保持時間Δtだけ保持し、時刻t8でOFF状態とする。中間段階とは、ロックアップ制御バルブがリニアソレノイドバルブの場合、最大指令電流と最低指令電流(=0)との中間電流のことである。保持時間Δtは、油温によって可変される時間であり、例えば低温時には保持時間Δt=0とし、常温以上であれば保持時間Δtを長くする。このように保持時間Δtを油温によって可変することで、応答時間Aが油温に関係なくほぼ一定となる。
その結果、ディレイ時間Cを求めるために、油温に応じた応答時間Aのマップデータを設定しておく必要がなく、ディレイ時間Cの演算が容易になる。なお、保持時間Δtは応答時間Aに比べて十分に短い時間であり、従来のスリップ制御のように長時間制御するものではない。
図7の(a)ではON→OFFへ段階的に変化させる例を示したが、図7の(b)のようにON→OFFへスイープさせてもよい。つまり、ON状態からOFF状態へ連続的に変化させ、そのスイープ時間Δtを油温に応じて可変させることで、図7の(a)と同様の効果を得ることができる。
図6では、ロックアップクラッチの解放指令が出た後に、燃料カット装置の燃料供給の再開指令が出る例について説明したが、これとは逆に、燃料カット装置の燃料供給の再開指令が出た後で、ロックアップクラッチの解放指令を出してもよい。
上記実施例では、自動変速機として無段変速機を用いた例について説明したが、有段式の自動変速機においても、エンジンの無負荷状態での減速走行時に同様の減速制御が可能であることは言うまでもない。
有段変速式の自動変速機の場合、通常走行時には振動防止対策としてロックアップクラッチのスリップ制御を実施することが多いが、エンジン無負荷状態での減速走行時のみスリップ制御を実施せずに、本発明のようにロックアップ締結〜開放という減速制御を実施することも可能である。
一方、無段変速機においては、有段式の自動変速機とは異なり、変速比を連続的に変化させることで振動の共振点をずらすことができるので、スリップ制御を実施することなく不快な振動を容易に低減できる利点がある。一般に、スリップ制御はオイルの劣化を招き、クラッチフェーシング材の磨耗などの問題が発生しやすく、差圧制御も複雑になる。このようなスリップ制御を利用しなければ、上述の問題を解消できるとともに、減速時にロックアップクラッチを短時間で解放でき、エンジンストールを確実に回避することができる。
本発明にかかる無段変速機を含む車両の駆動系の概略図である。 ロックアップクラッチのON/OFF判定マップを示す図である。 ロックアップクラッチの解放時の指令信号と差圧の時間変化を示す図である。 燃料供給の指令信号とエンジン出力トルクとの時間変化を示す図である。 本発明にかかる減速制御の一例のフローチャート図である。 本発明にかかる減速制御の一例のタイムチャート図である。 本発明におけるロックアップ指令信号の他の例のタイムチャート図である。 従来における減速制御の一例のタイムチャート図である。
符号の説明
1 エンジン
2 トルクコンバータ
3 ロックアップクラッチ
5 無段変速装置
7 CVT制御用コントローラ
71 駆動プーリ回転数センサ
72 従動プーリ回転数センサ
73 車速センサ
74 油温センサ
8 エンジン制御用コントローラ
81 エンジン回転数センサ
82 アクセル開度センサ

Claims (2)

  1. エンジンの出力トルクをトルクコンバータを介して自動変速機に伝達する一方、上記トルクコンバータ内に差圧制御により入出力要素を締結又は解放するロックアップクラッチを設け、上記エンジンへの燃料供給を強制的に停止または再開させる燃料カット装置を設けた車両の減速制御装置であって、
    上記エンジンの無負荷状態での減速走行時に、上記燃料カット装置が燃料供給を停止させるとともに、上記ロックアップクラッチを締結し、所定の条件を満足した時、上記ロックアップクラッチを解放するとともに上記燃料カット装置が燃料供給を再開する減速制御装置において、
    上記ロックアップクラッチの解放指令からロックアップクラッチの差圧がほぼ零となるまでの応答時間Aを求める手段と、
    上記燃料カット装置に燃料供給の再開を指令した後、エンジンの出力トルクがほぼ零に上昇するまでの応答時間Bを求める手段と、
    上記応答時間A,Bを用いて、上記ロックアップクラッチの差圧がほぼ零となるタイミングと、上記エンジンの出力トルクがほぼ零まで上昇するタイミングとが一致するように、上記ロックアップクラッチの解放指令と上記燃料カット装置の燃料供給の再開指令との間に相対的な遅延時間Cを設ける手段と、を備えたことを特徴とする減速制御装置。
  2. エンジンの出力トルクをトルクコンバータを介して自動変速機に伝達する一方、上記トルクコンバータ内に差圧制御により入出力要素を締結又は解放するロックアップクラッチを設け、上記エンジンへの燃料供給を強制的に停止または再開させる燃料カット装置を設けた車両の減速制御装置であって、
    上記エンジンの無負荷状態での減速走行時に、上記燃料カット装置が燃料供給を停止させるとともに、上記ロックアップクラッチを締結し、所定の条件を満足した時、上記ロックアップクラッチを解放するとともに上記燃料カット装置が燃料供給を再開する減速制御装置において、
    上記ロックアップクラッチの解放指令からロックアップクラッチの差圧がほぼ零となるまでの応答時間Aを所定値に制御する手段と、
    上記燃料カット装置に燃料供給の再開を指令した後、エンジンの出力トルクがほぼ零に上昇するまでの応答時間Bを求める手段と、
    上記応答時間A,Bを用いて、上記ロックアップクラッチの差圧がほぼ零となるタイミングと、上記エンジンの出力トルクがほぼ零まで上昇するタイミングとが一致するように、上記ロックアップクラッチの解放指令と上記燃料カット装置の燃料供給の再開指令との間に相対的な遅延時間Cを設ける手段と、を備えたことを特徴とする減速制御装置。
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