JP2007312334A - 位相同期ループ回路、半導体集積回路、および、受信装置 - Google Patents

位相同期ループ回路、半導体集積回路、および、受信装置 Download PDF

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Abstract

【課題】使用する電圧制御発振器の選択、および、その発振周波数範囲の設定をより効率的に行うことができる位相同期ループ回路を実現する。
【解決手段】位相同期ループ回路100の制御部103は、位相同期ループ回路100に接続する電圧制御発振器として、複数の電圧制御発振器VCO1〜VCOnのうちから、選局周波数を含む主発振周波数範囲をもつ電圧制御発振器を選択し、その後、選択された電圧制御発振器の発振周波数範囲を、選局周波数を含む副発振周波数範囲に設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、位相同期ループ回路に関するものであり、特に、複数の電圧制御発振器を備えた位相同期ループ回路に関するものである。
一般に、放送受信用チューナにおいては、広い周波数範囲をカバーすることができる局部発振装置が必要とされる。例えば、衛星放送受信用チューナの入力周波数は950MHz〜2150MHzであり、ダイレクトコンバージョン方式のチューナの場合、上記入力周波数と同じ周波数範囲で発振し得る局部発振装置が必要となる。
放送受信用チューナーに用いられる局部発振装置としては、電圧制御発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator)を含む位相同期ループ(PLL:Phase Locked Loop)回路が広く用いられている。放送受信に必要な広帯域の周波数範囲で発振する位相同期ループ回路を半導体集積回路上に構成する場合、1つの電圧制御発振器のみでは必要な発振周波数範囲をカバーすることができないため、発振周波数範囲の異なる複数の電圧制御発振器を搭載することにより、必要な発振周波数範囲をカバーする方法が取られている。
複数の電圧制御発振器を含む従来の位相同期ループ回路について、図21を参照しながら説明する。図21(a)は、複数の電圧制御発振器を含む従来の位相同期ループ回路PLL10の回路構成を示す回路ブロック図である。図21(b)は、位相同期ループ回路PLL10に含まれる電圧制御発振器に関し、印加される周波数制御電圧Vctrlと発振周波数fvcoとの関係を示すグラフである。図21(c)は、位相同期ループ回路PLL10に含まれる電圧制御発振器の回路構成を示す回路ブロック図である。
図21(a)に示したように、位相同期ループ回路400は、概略的に言って、VCO部401と、PLL部402と、制御回路403とを含んで構成されている。
VCO部401は、互いに並列に接続されたn個の電圧制御発振器VCO1〜VCOn、および、該n個の電圧制御発振器のそれぞれに直列に接続されたn個のスイッチSW1〜SWnを備えている。VCO部401に含まれるn個の電圧制御発振器VCO1〜VCOnは、互いに異なる発振周波数範囲をもつ電圧制御発振器であり、どの電圧制御発振器の出力信号がミキサ405に供給されるかは、スイッチSW1〜SWnにより切り替えられる。
図21(b)に示したように、発振周波数範囲は、VCO部401に要求される全発振周波数範囲をカバーするように設定されている。従って、要求される発振周波数範囲に属する任意の周波数は、電圧制御発振器VCO1〜VCOnのうち、少なくとも1つの電圧制御発振器の発振周波数範囲に含まれる。
なお、図21(b)に示したとおり、電圧制御発振器VCO1〜VCOnの発振周波数範囲は、通常、隣接する発振周波数範囲の間である程度のオーバーラップをもつように(すなわち、隣接する発振周波数範囲が共通部分をもつように)設定される。これは、半導体集積回路にばらつきがある場合でも、該半導体集積回路上に形成された電圧制御発振器VCO1〜VCOnの発振周波数範囲により、確実に要求される発振周波数範囲をカバーできるようにするためである。
図21(a)に示したPLL部402は、位相比較器とループ・フィルタと分周器と(いずれも不図示)を含むブロックであり、VCO部401に含まれる何れか1つの電圧制御発振器とともに位相同期ループを構成する。PLL部402は、位相同期ループを構成する電圧制御発振器の発振周波数を、選局周波数に固定する。PLL部402が電圧制御発振器の発振周波数を選局周波数に一致させることを、電圧制御発振器の発振周波数を選局周波数にロックするとも言う。PLL部402によりロックされた発振周波数をもつ出力信号は、局部発振信号としてミキサ405に供給される。なお、VCO部401の出力信号をミキサ405に供給するために、バッファ回路を使用する構成が用いられる場合も多い。
図21(a)に示した制御回路403は、上述したスイッチSW1〜SWnを切り替え制御する。具体的には、上記スイッチ群SW1〜SW10nのうち選局周波数を含む発振周波数範囲をもつ電圧制御発振器VCOiを選択し、選択された電圧制御発振器VCOiに接続されたスイッチSWiを導通状態に、その他のスイッチを遮断状態に制御するためのVCO選択信号をVCO部401に供給する。
VCO部401に含まれる電圧制御発振器VCO1〜VCOnは、すべて同一の回路構成を有する電圧制御発振器である。図21(c)は、これらの電圧制御発振器を代表する電圧制御発振器VCO400の回路構成を示す回路ブロック図である。
電圧制御発振器VCO400は、それぞれ1対のインダクタL400a・bと1対の可変容量素子C400a・bとを含む共振回路を備えている。この可変容量素子C400a・bは、周波数制御電圧入力端子T400に接続されており、該端子T400を介して外部から印加される周波数制御電圧Vctrlに応じて容量値が変化する。周知のように、当該共振回路の共振周波数(すなわち当該電圧制御発振器の発振周波数)は、インダクタL400a・bのインダクタンスと、可変容量素子C400a・bの容量値に寄生容量の容量値を加えた全容量値との積の−1/2乗に比例する。従って、周波数制御電圧Vctrlを制御電圧入力端子T400に印加することにより、当該電圧制御発振器VCO400の発振周波数を外部から制御することができる。
図21(c)に示した電圧制御発振器VCO400は、さらに、コンデンサC400c・d、トランジスタTr400a・b、ベースバイアス回路BB400、および、抵抗R400を備えている。ここで、コンデンサC400c・dは、トランジスタTr400a・bのベースバイアスをコレクタとは別に与えるために、DCを分離するコンデンサである。また、ベースバイアス回路BB400は、トランジスタTr400a・bに供給するベースバイアスを発生するための回路である。なお、図21(c)に示したVCCは、上記共振回路に印加される電源電圧を示すものであるが、当該電圧制御発振器を含むシステムの電源電圧に限定されるものではなく、当該電圧制御発振器を動作させることができる一定の電圧であればよい。
以上ような複数の電圧制御発振器を含む位相同期ループ回路を半導体集積回路上に実装する場合、図21(b)に示したように、複数の電圧制御発振器により要求される発振周波数範囲をカバーすることはできるものの、各電圧制御発振器の発振周波数範囲は、製造ばらつきによって大きく変動し得る。このため、選局周波数から予め定められた関係に基づいて使用する電圧制御発振器を一意的に決定しまうと、最適な電圧制御発振器を選択することができない場合が生じ得る。そこで、特定のフローに則って、最適な電圧制御発振器を動的に選択する技術が特許文献1に開示されている。
位相同期ループ回路に含まれる複数の電圧制御発振器のなかから最適な電圧制御発振器を動的に選択する、特許文献1に記載の方法について、以下、図22を参照しながら説明する。
図22(a)は、使用する電圧制御発振器を動的に選択する方法を示したフローチャートである。図22(a)のフローチャートは、互いに隣接する発振周波数範囲をもつ3つの電圧制御発振器VCOn-1、VCOn、およびVCOn+1のなかから、最適な電圧制御発振器を選択する方法を示したものである。当該フローチャートの特徴は、予め各電圧制御発振器の発振周波数範囲の下限を持ち上げて発振周波数範囲を狭めた(ステップT1)後、電圧制御発振器の選択を実行する(ステップT2〜T10)点にある。ここで、ステップT2〜T10における電圧制御発振器の選択は、当該位相同期ループ回路が所定の選局周波数で発振周波数を一定時間内にロックすることができるか否かを、高周波側をカバーする電圧制御発振器から順に判定(ステップT4、T8)していくことにより行われる。
図22(a)に示したフローチャートに則って電圧制御発振器を選択する利点について、図22(b)に基づいて説明する。図22(b)は、上記3つの電圧制御発振器VCOn-1、VCOn、およびVCOn+1について、周波数制御電圧Vctrlに対する発振周波数fvcoの変化を示すグラフである。なお、実線で示したグラフ501n-1、501n、および501n+1は、それぞれ、初期状態における電圧制御発振器VCOn-1、VCOn、およびVCOn+1の発振周波数の制御電圧依存性を示すものである。一方、点線で示したグラフ502n-1、502n、および502n+1は、それぞれ、発振周波数範囲の下限が引き上げられた状態における、電圧制御発振器VCOn-1、VCOn、およびVCOn+1の発振周波数の制御電圧依存性を示すものである。
図22(b)において、与えられた選局周波数が図示したf0であるものとすると、当該選局周波数f0は電圧制御発振器VCOn-1によってのみロック可能である。従って、図22(a)に示したフローチャートに則って電圧制御発振器を選択すると、VCOn-1が最適電圧制御発振器として選択される。このとき、選局周波数f0は、選択された電圧制御発振器VCOn-1の発振周波数範囲の中心付近に含まれている。
一方、発振周波数範囲の下限を引き上げることなく電圧制御発振器を選択すると、VCOnが選択されてしまうことになる。このとき、選局周波数f0は、選択された電圧制御発振器VCOnの発振周波数の下限近傍に含まれる。この場合、図22(b)からも分かるように、VCOゲイン(周波数制御電圧Vctrlに対する発振周波数fvcoの変化率、以下記号Kvを用いる)が非常に低くなる。このため、電圧制御発振器の発振周波数周辺部に比べてPLLのループ特性に大きな差異が発生し、発振周波数をロックするために要するロック時間や、ロックの安定性、さらには、電圧制御発振器の出力信号の位相雑音等に大きな影響を与えることになる。これに対し、位相同期ループ回路に含まれる各電圧御発振器の発振周波数範囲の下限を一時的に引き上げてVCOを選択する上述の方法によれば、これらの問題を回避することができる。
また、図22(b)において、与えられた選局周波数が図示したf1であるとすると、電圧制御発振器VCOn+1が選択される。これは、ロック判定が高周波側をカバーする電圧制御発振器から順に(すなち、VCOn+1、VCOn、VCOn-1の順に)行われるので、当該選局周波数f1を最初にロックし得る電圧制御発振器がVCOn+1となるためである。下限が持ち上げられた状態の発振周波数範囲について見れば、選択された電圧制御発振器VCOn+1の発振周波数範囲は、選局周波数f1を下限ぎりぎりに含むものである。しかしながら、電圧制御発振器VCOn+1の発振周波数範囲は、電圧制御発振器の選択終了後に初期状態に戻される(図22(a)工程T11)ので、実使用時にはVCOゲインKvを比較的高い値に保つことができる。
発振周波数範囲の下限を変化させる量を予め適切に設計しておけば、図22(a)に示したフローを用いて、以上のように最適な電圧制御発振器を選択することができる。
特開2003−110425号公報(公開日:平成15年4月11日)
ところで、位相同期ループ回路に要求される発振周波数範囲が大きくなるにつれ、該発振周波数範囲をカバーするために必要な電圧制御発振器の個数は増加する。従って、位相同期ループ回路を半導体集積回路上に実装する場合、チップサイズの増大、および、コストの上昇という問題を招来する。特に、電圧制御発振器を集積回路上に実現するために必要なオンチップインダクタは、その構造上、非常に大きな面積を必要とする。したがって、チップサイズを増大を抑制し、コストアップを避けるためには、個々の電圧制御発振器の発振周波数範囲をできるだけ広くして、搭載する電圧制御発振器の個数をできるだけ少なくする必要がある。
しかしながら、個々の電圧制御発振器の発振周波数範囲を広くすると、各電圧制御発振器におけるVCOゲインを大きく設定する必要が生じる。そうすると今度は、制御電圧に加わった雑音が高い効率で局部発振信号に変換されてしまい、位相雑音特性を悪化させるという問題を生じる。特に、デジタル放送を受信する受信装置においては、位相雑音特性の良好な局部発振信号が必要とされるので、このような位相同期ループ回路をデジタル放送受信用途に利用することが困難になるという問題を生じる。
以上のような問題を解決するために、特願2005−289424(出願日:平成17年9月30日)において、出願人は図23(a)に示す電圧制御発振器VCO10´を提案した。
図23(a)に示した電圧制御発振器VCO400´における、図21(c)に示した従来の電圧制御発振器VCO400との相違点は、共振周波数特性を変化させるための可変容量素子C400e・fとスイッチSW400が追加されている点である。その他の構成要素については、図21(c)に示した電圧制御発振器VCO10と同様のであるので、対応するブロックを同一の符号で示すことにより、その説明を省略する。
図23(a)に示したように、電圧制御発振器VCO400´において追加された可変容量素子C400eと可変容量素子C400fとは直列に繋がれている。この直列に繋がれた可変容量素子対C400e・fは、他の可変容量素子対C400a・bに対して並列に接続されており、可変容量素子C400eと可変容量素子C400fとの接続点には、スイッチSW400が接続されている。このスイッチSW400により、(1)可変容量素子C400e・fに周波数制御電圧Vctrlを印加するか、(2)可変容量素子C400e・fに電源電圧Vccを印加するか、または(3)可変容量素子C400e・fを接地するかを切り替えることができるようになっている。
図23(b)は、電圧制御発振器VCO400´における、発振周波数fvcoの周波数制御電圧Vctrl依存性(発振周波数特性)を示すグラフである。特に、図23(b)に点線で示したグラフ601は、上記可変容量素子C400e・fに周波数制御電圧Vctrlを印加した場合の発振周波数特性を示すものである。また、図23(b)に実線で示したグラフ602は、上記可変容量素子C400e・fに電源電圧Vccを印加した場合の発振周波数特性を示すものである。また、図23(b)に実線で示したグラフ603は、可変容量素子C400e・fを接地した場合の発振周波数特性を示すものである。
図23(b)に示したように、可変容量素子C400e・fに周波数制御電圧Vctrlを印加した状態のとき、電圧制御発振器VCO400´の発振周波数範囲は最大となる。以後、このような発振周波数範囲を電圧制御発振器VCO400´の「主発振周波数範囲」と呼ぶ。また、可変容量素子C400e・fに電源電圧を印加した状態のとき、および、可変容量素子C400e・fを接地した状態のとき、電圧制御発振器VCO400´の発振周波数範囲は、上記主発振周波数範囲と比べて小さくなる。以後、このような発振周波数範囲を「副発振周波数範囲」と呼ぶ。
図23(b)から分かるように、上記主発振周波数範囲は、可変容量素子C400e・fに電源電圧Vccを印加したときの副発振周波数範囲(高周波側の副発振周波数範囲)と、可変容量素子C400e・fを接地したときの副発振周波数範囲(低周波側の副発振周波数範囲)とによりカバーされている。従って、電圧制御発振器VCO400´においては、カバーし得る発振周波数範囲全体(主発振周波数範囲)を広く保ちながらも、可変容量素子C400e・fに電源電圧Vccを印加した状態、または、可変容量素子C400e・fを接地した状態で使用することにより、実使用時の発振周波数範囲を小さく(すなわち、VCOゲインKvを低く)することができる。従って、以上のような電圧制御発振器を複数含む位相同期ループ回路を半導体集積回路上に構成すれば、チップサイズが小さく、かつ、位相雑音特性が良好な局部発振装置を実現することができる。
なお、可変容量素子C400e・fと同様の働きをする可変容量素子、および、スイッチSW400と同様の働きをするスイッチを更に追加することにより、より多くの、より狭帯域の副発振周波数範囲により主発振周波数範囲をカバーする電圧制御発振器を実現し、VCOゲインKvをさらに低下させて、位相雑音特性をより良好にすることも可能である。
しかしながら、以上のような電圧制御発振器を複数含む位相同期ループ回路に対し、特許文献1に記載の電圧制御発振器の選択方法を単に適用しただけでは、効率的に電圧制御発振器を選択することができず、選択された電圧制御発振器を用いて回路動作を開始するまでに要する時間が増大してしまうという問題があった。この問題について、図24〜25を参照しながら更に詳しく説明すれば、以下の通りである。
図24(a)は、図23(b)に示した構成を有する電圧制御発振器であって、互いに異なる主発振周波数範囲をもつ3つの電圧制御発振器VCOn-1、VCOn、およびVCOn+1の発振周波数特性を示したグラフである。具体的には、グラフ701、702、および703がそれぞれ、発振周波数範囲を主発振周波数範囲に設定された状態における、電圧制御発振器VCOn-1、VCOn、およびVCOn+1の発振周波数特性を示している。同図において、電圧制御発振器VCOn-1、VCOn、およびVCOn+1の主発振周波数範囲は、BANDn-1、BANDn、およびBANDn+1として示されている。
図24(b)は、発振周波数範囲を副発振周波数範囲に設定された状態における、上記電圧制御発振器VCOn-1、VCOn、およびVCOn+1の発振周波数特性を示したグラフである。具体的には、グラフ701Lは、発振周波数範囲を低周波側の副発振周波数範囲に設定された状態における、電圧制御発振器VCOn-1の発振周波数特性を示すものであり、グラフ701Hは、発振周波数範囲を高周波側の副発振周波数範囲に設定された状態における、電圧制御発振器VCOn-1の発振周波数特性を示すものである。グラフ702L・H、および、グラフ703L・Hは、それぞれ電圧制御発振器VCOnおよびVCOn+1について、同様の発振周波数特性を示すグラフである。同図において、電圧制御発振器VCOn-1、VCOn、およびVCOn+1の副発振周波数範囲は、高周波側の副発振周波数範囲がBANDn-1L、BANDnL、およびBANDn+1Lとして示されており、高周波側の副発振周波数範囲がBANDn-1H、BANDnH、およびBANDn+1Hとして示されている。
上記電圧制御発振器VCOn-1、VCOn、およびVCOn+1のなかから、特許文献1に記載の方法に従って電圧制御発振器を選択する場合、実使用時の発振周波数範囲、すなわち、6つの副発振周波数範囲BANDn-1L、BANDn-1H、BANDnL、BANDnH、BANDn+1L、およびBANDn+1Hのなかから選局周波数を含む副発振周波数範囲を選択することになる。図25は、これらの副発振周波数範囲を、分かりやすく表現した説明図である。図25の上段は、図24に示した6つの副発振周波数範囲BANDn-1L、BANDn-1H、BANDnL、BANDnH、BANDn+1L、およびBANDn+1Hを矢印で示したものである。また、図25の中段は、電圧制御発振器VCOn-1、VCOn、およびVCOn+1の発振周波数が低周波側にばらついた場合について、上記6つの副発振周波数範囲を矢印で示したものである。また、図25の下段は、電圧制御発振器VCOn-1、VCOn、およびVCOn+1の発振周波数が高周波側にばらついた場合の上記6つの副発振周波数範囲を矢印で示したものである。
図25の上段において、周波数f1を選局するための最適な副発振周波数範囲は、BANDnLである。また、同図において、周波数f2を選局するための最適な副発振周波数範囲は、BANDnHである。一方、電圧制御発振器VCOn-1、VCOn、およびVCOn+1の発振周波数が低周波側にばらついた場合、図25の中段に示したように、周波数f1を選局するための最適な副発振周波数範囲は、BANDnHになる。また、周波数f2を選局するための最適な副発振周波数範囲は、BANDn+1Lとなる。逆に、電圧制御発振器VCOn-1、VCOn、およびVCOn+1の発振周波数が高周波側にばらついた場合、図25の下段に示したように、周波数f1を選局するための最適な副発振周波数範囲は、BANDn-1Lになる。また、周波数f2を選局するための最適な副発振周波数範囲は、BANDn+Lとなる。以上のように、電圧制御発振器VCOn-1、VCOn、およびVCOn+1の発振周波数にばらつきが生じることを考慮すると、使用するべき副発振周波数範囲は、少なくとも、上記6つの副発振周波数範囲BANDn-1L、BANDn-1H、BANDnL、BANDnH、BANDn+1L、およびBANDn+1Hのなかから選択される必要がある。
特許文献1に記載の技術を適用して、上記6つの副発振周波数範囲のなかから最適な副発振周波数を選択する方法を、図26のフローチャートに示す。図26から明らかなように、6つの副発振周波数範囲のなかから1つの最適な副発振周波数範囲を選択するためには、最悪の場合、5回のロック判定を実行する必要がある。ここで、各ロック判定は、注目している電圧制御発振器が、予め定められた特定のロック判定時間内に発振周波数をロックすることができるかを検出することにより行われる。従って、図26に示した方法によると、最適な副発振周波数範囲を特定するために、最悪の場合、1回のロック判定に要する所要時間の5倍以上の時間を要することになる。このため、最適な電圧制御発振器による回路動作を開始するまでに、多くの時間がかかってしまうことになる。
なお、上記問題は、図23(b)に示した電圧制御発振器VCO400´を複数含む位相同期ループ回路のみならず、発振周波数範囲を副発振周波数範囲のうちの何れか一つに設定することができる電圧制御発振器を複数備えた位相同期ループ回路一般に係る問題であることは言うまでもない。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の電圧制御発振器を含む位相同期ループ回路であって、使用する電圧制御発振器の選択、および、その発振周波数範囲の設定をより効率的に行うことができる位相同期ループ回路を実現することにある。
本発明の位相同期ループ回路は、上記課題を解決するために、発振周波数範囲を、主発振周波数範囲、または該主発振周波数範囲をカバーする複数の副発振周波数範囲のうちの何れか一つに設定することができる電圧制御発振器を複数備えた位相同期ループ回路であって、当該位相同期ループ回路に接続する電圧制御発振器として、上記複数の電圧制御発振器のうち、選局周波数を含む主発振周波数範囲をもつ電圧制御発振器を選択し、選択された電圧制御発振器の発振周波数範囲を、上記選局周波数を含む副発振周波数範囲に設定する制御手段を備えている、ことを特徴としている。
当該位相同期ループ回路が備えている電圧制御発振器の個数をn個とすると、上記制御手段は、選局周波数を含む主発振周波数範囲をもつ電圧制御発振器を、n個の電圧制御発振器の中から選択することになる。従って、上記n個の電圧制御発振器のひとつひとつについて、主発振周波数範囲が上記選局周波数を含んでいるかを判定することにより電圧制御発振器を選択するとしても、必要な判定回数は、高々n−1回である。
また、各電圧制御発振器の発振周波数範囲は、m個の副発振周波数範囲のうちの何れかに設定され得るものであるとすると、上記制御手段は、選択された電圧制御発振器の発振周波数範囲をm個の副発振周波数範囲のうちの1つに設定することになる。従って、上記m個の副発振周波数範囲のひとつひとつについて上記選局選局周波数を含んでいるかを判定することにより選択された電圧制御発振器の発振周波数範囲を設定するとしても、必要な判定回数は、高々m−1回である。
上記制御手段は、当該位相同期ループ回路に接続する電圧制御発振器を、n個の電圧制御発振器のうちから選択した上で、その後、選択された電圧制御発振器の発振周波数範囲を、m個の副発振周波数範囲のうちの何れか1つに設定する。従って、上記制御手段が上記選局周波数を含む副発振周波数範囲を特定するために必要な判定回数は、高々n+m−2回となる。
ところで、上記位相同期ループ回路において、選択し得る副発振周波数範囲は全体でn×m個になる。従って、選局周波数を含む副発振周波数範囲を、従来技術に従って単純に選択する場合、最悪n×m−1回の判定を必要とする。ここで、nとmとが2以上の整数であるので、nとmとの任意の組み合わせに対して、本発明から帰結される上記最悪判定回数n+m−2回は、従来技術による最悪判定回数n×m−1回よりも小さくなる。
すなわち、上記の構成によれば、発振周波数範囲が選局周波数を含んでいるかを判定する判定回数を減少させ、使用する電圧制御発振器の選択、および、その発振周波数範囲の設定を、より効率的に、より短時間で行うことができるようになるという効果を奏する。
なお、上記位相同期ループ回路に含まれる電圧制御発振器は、発振周波数範囲を、主発振周波数範囲、または該主発振周波数範囲をカバーする複数の副発振周波数範囲のうちの何れか一つに設定することができる電圧制御発振器である。従って、当該位相同期ループ回路に搭載する電圧制御発振器の個数を少なく保ちながら、実使用時のVCOゲインを小さく抑えることができる。従って、当該位相同期ループ回路を半導体集積回路上に実装する場合でも、チップサイズの増大やコストの上昇という問題を招来することなく、位相雑音特性の良好な位相同期ループ回路を実現することができる。
本発明に係る位相同期ループ回路の上記制御手段は、当該位相同期ループ回路に接続され、発振周波数範囲が主発振周波数範囲に設定された電圧制御発振器の発振周波数を、当該位相同期ループ回路により上記選局周波数にロックすることができるか否かを判定し、上記選局周波数にロックすることができなければ、当該位相同期ループに接続する電圧制御発振器を他の電圧制御発振器に切り替えるものである、ことが好ましい。
上記制御手段は、当該位相同期ループ回路に接続され、発振周波数範囲が主発振周波数範囲に設定された電圧制御発振器の発振周波数を、当該位相同期ループ回路により上記選局周波数にロックすることができるか否かを判定し、上記選局周波数にロックすることができなければ、当該位相同期ループに接続する電圧制御発振器を他の電圧制御発振器に切り替えることにより、選局周波数を含む主発振周波数範囲をもつ電圧制御発振器を選択する。
上記の構成によれば、当該位相同期ループ回路に接続された電圧制御発振器の主発振周波数範囲が上記選局周波数を含んでいるか否かは、設計値に基づいて判定されるのではなく、当該位相同期ループ回路により該電圧制御発振器の発振周波数を実際に上記選局周波数にロックすることができるか否かに基づいて判定される。このため、該電圧制御発振器を含む当該位相同期ループ回路に製造ばらつきが含まれたとしても、該電圧制御発振器の実使用時における主発振周波数範囲が上記選局周波数を含んでいるか否かが正しく判定される。従って、上記の構成によれば、当該位相同期ループ回路に製造ばらつきが含まれたとしても、選択された電圧制御発振器の主発振周波数範囲が実際には上記選局周波数を含んでいなかったという事態は生じ得ない。すなわち、上記のように構成された位相同期ループ回路は、多少の製造ばらつきがあったとしても正しく機能するので、製造工程を厳しく管理する必要がなく、製造コストを低減させ得るという更なる効果を奏する。
なお、当該位相同期ループ回路に接続された電圧制御発振器の主発振周波数範囲が上記選局周波数を含んでいるか否かは、必ずしも、当該位相同期ループ回路により該電圧制御発振器の発振周波数を実際に上記選局周波数にロックすることができるか否かに基づいて判定される必要はない。
すなわち、本発明に係る位相同期ループ回路の上記制御手段は、当該位相同期ループ回路に接続され、発振周波数範囲が主発振周波数範囲に設定された電圧制御発振器に印加されている周波数制御電圧が予め定められた範囲内にあるか否かを判定し、該周波数制御電圧が該範囲内になければ、当該位相同期ループに接続する電圧制御発振器を他の電圧制御発振器に切り替えるように構成されていてもよい。
発振周波数範囲を主発振周波数範囲に設定された状態の電圧制御発振器の発振周波数と、該電圧制御発振器に印加される周波数制御電圧とは一定の対応関係をもつ。このため、当該位相同期ループ回路に接続され、発振周波数範囲が主発振周波数範囲に設定された電圧制御発振器に印加されている制御電圧が予め定められた範囲内にあるか否かを判定することにより、該主発振周波数範囲が上記選局周波数を含んでいるか否かを判定することができる。従って、上記制御手段は、印加されている周波数制御電圧が上記範囲内にない場合に当該位相同期ループ回路に接続する電圧制御発振器を切り替えていくことにより、上記選局周波数を含む主発振周波数範囲をもつ電圧制御発振器を選択することができる。
本発明に係る位相同期ループ回路の上記制御手段は、当該位相同期ループ回路に接続され、発振周波数範囲をある副発振周波数範囲に設定された電圧制御発振器の発振周波数を、当該位相同期ループ回路により上記選局周波数にロックすることができるか否かを判定し、上記選局周波数にロックすることができなければ、該電圧制御発振器の発振周波数範囲を他の副発振周波数範囲に切り替えるものである、ことが好ましい。
上記制御手段は、当該位相同期ループ回路に接続され、発振周波数範囲をある副発振周波数範囲に設定された電圧制御発振器の発振周波数を、当該位相同期ループ回路により上記選局周波数にロックすることができるか否かを判定し、上記選局周波数にロックすることができなければ、当該電圧制御発振器の発振周波数範囲を他の副発振周波数範囲に切り替えることにより、当該位相同期ループ回路に接続されている電圧制御発振器の発振周波数範囲を、上記選局周波数を含む副発振周波数範囲に設定する。
上記の構成によれば、当該位相同期ループ回路に接続された電圧制御発振器の副発振周波数範囲が上記選局周波数を含んでいるか否かは、設計値に基づいて判定されるのではなく、当該位相同期ループ回路により該電圧制御発振器の発振周波数を実際に上記選局周波数にロックすることができるか否かに基づいて判定される。このため、該電圧制御発振器を含む当該位相同期ループ回路に製造ばらつきが含まれたとしても、該電圧制御発振器の実使用時における副発振周波数範囲が上記選局周波数を含んでいるか否かが正しく判定される。従って、上記の構成によれば、当該位相同期ループ回路に製造ばらつきが含まれたとしても、選択された電圧制御発振器の副発振周波数範囲が実際には上記選局周波数を含んでいなかったという事態は生じ得ない。すなわち、上記の構成をもつ位相同期ループ回路は、多少の製造ばらつきがあったとしても正しく機能するので、製造工程を厳しく管理する必要がなく、製造コストを低減させ得るという更なる効果を奏する。
なお、当該位相同期ループ回路に接続された電圧制御発振器の副発振周波数範囲が上記選局周波数を含んでいるか否かは、必ずしも、当該位相同期ループ回路により該電圧制御発振器の発振周波数を実際に上記選局周波数にロックすることができるか否かに基づいて判定される必要はない。
すなわち、本発明に係る位相同期ループ回路の上記制御手段は、当該位相同期ループ回路に接続され、発振周波数範囲をある副発振周波数範囲に設定された電圧制御発振器に印加されている周波数制御電圧が予め定められた範囲内にあるか否かを判定し、該周波数制御電圧が該範囲内になければ、当該位相同期ループに接続する電圧制御発振器の発振周波数範囲を他の副発振周波数範囲に切り替えるように構成されていても良い。
発振周波数範囲を副発振周波数範囲に設定された状態の電圧制御発振器の発振周波数と、該電圧制御発振器に印加される周波数制御電圧とは一定の対応関係をもつ。このため、当該位相同期ループ回路に接続され、発振周波数範囲を副発振周波数範囲に設定された電圧制御発振器に印加されている制御電圧が予め定められた範囲内にあるか否かを判定することにより、該副発振周波数範囲が上記選局周波数を含んでいるか否かを判定することができる。従って、上記制御手段は、印加されている周波数制御電圧が上記範囲内にない場合に当該位相同期ループ回路に接続されている電圧制御発振器の発振周波数範囲を他の副発振周波数範囲に切り替えていくことにより、当該位相同期ループ回路に接続された電圧制御発振器の発振周波数範囲を、上記選局周波数を含む副発振周波数範囲に設定することができる。
本発明に係る位相同期ループ回路において、上記複数の電圧制御発振器は、主発振周波数範囲を狭めるように設定され得るものであり、上記制御手段は、上記複数の電圧制御発振器の主発振周波数範囲が狭めるように設定した上で、選局周波数を含む主発振周波数範囲をもつ電圧制御発振器を選択するものである、ことが好ましい。
単に選局周波数を含む主発振周波数範囲をもつ電圧制御発振器を選択した場合、選局周波数を主発振周波数範囲の下限近傍に含む電圧制御発振器や、選局周波数を主発振周波数範囲の上限近傍に含む電圧制御発振器が選択され得る。
電圧制御発振器において、印加される周波数制御電圧の変化に対する発振周波数の変化率、すなわちVCOゲインは、通常、発振周波数が主発振周波数範囲の下限および上限に近づくほど小さくなる。このため、主発振周波数範囲の下限および上限近傍の領域では、発振周波数をロックするのに要するロック時間が非常に長くなったり、あるいは、ロック自体が不安定になったりする。また、位相雑音が劣化する可能性もある。
しかしながら、上記構成によれば、上記複数の電圧制御発振器の主発振周波数範囲を一度狭めた上で、選局周波数を含む主発振周波数範囲をもつ電圧制御発振器が選択される。このため、選択される電圧制御発振器は、上記選局周波数を主発振周波数範囲の上限近傍あるいは下限近傍に含むものではなくなる。従って、上記構成によれば、より確実に選局周波数をロックすることができる電圧制御発振器を、より短時間で選択することができるようになるという更なる効果を奏する。
なお、上記複数の電圧制御発振器は、主発振周波数範囲の下限を引き上げ、かつ、上限を引き下げることにより該主発振周波数範囲全体を狭くすることができるものであってもよいが、本発明はこれに限定されるものではない。
すなわち、本発明に係る位相同期ループ回路における上記複数の電圧制御発振器は、主発振周波数範囲の下限を引き上げることにより該主発振周波数範囲の低周波側だけを狭めるように設定され得るもの、あるいは、主発振周波数範囲の上限を引き下げることにより該主発振周波数範囲の高周波側だけを狭めるように設定され得るものであってもよい。
上記複数の電圧制御発振器が、主発振周波数範囲の下限を引き上げることにより該主発振周波数範囲の低周波側だけを狭めることができるものである場合でも、主発振周波数範囲が上記選局周波数を含んでいるか否かを、高周波側をカバーする電圧制御発振器から順に判定していくことにより、主発振周波数範囲の全体を狭くする場合と同様の効果を奏する。また、上記複数の電圧制御発振器が、主発振周波数範囲の上限を引き下げることにより該主発振周波数範囲の高周波側だけを狭めることができるものである場合でも、主発振周波数範囲が上記選局周波数を含んでいるか否かを、低周波側をカバーする電圧制御発振器から順に判定していくことにより、主発振周波数範囲の全体を狭くする場合と同様の効果を奏する。
本発明に係る位相同期ループに回路において、上記複数の電圧制御発振器は、副発振周波数範囲を狭めるように設定され得るものであり、上記制御手段は、上記選択された電圧制御発振器の副発振周波数範囲を狭めるように設定した上で、上記選択された電圧制御発振器の発振周波数範囲を上記選局周波数を含む副発振周波数範囲に設定するものである、ことが好ましい。
当該位相同期ループ回路に接続されている電圧制御発振器の発振周波数範囲を、単に選局周波数を含む副発振周波数範囲に設定した場合、上記選択された電圧制御発振器の発振周波数範囲が、選局周波数を下限近傍に含む副発振周波数範囲や、選局周波数を上限近傍に含む副発振周波数範囲に設定されてしまう場合が生じ得る。
電圧制御発振器において、印加される周波数制御電圧の変化に対する発振周波数の変化率、すなわちVCOゲインは、通常、発振周波数が主発振周波数範囲の下限および上限に近づくほど小さくなる。このため、副発振周波数範囲の下限および上限近傍の領域では、発振周波数をロックするのに要するロック時間が非常に長くなったり、あるいは、ロック自体が不安定になったりする。また、位相雑音が劣化する可能性もある。
しかしながら、上記構成によれば、当該位相同期ループ回路に接続されて電圧制御発振器は、副発振周波数範囲を一度狭めた上で、選局周波数を含む副発振周波数範囲に設定される。このため、設定される副発振周波数範囲は、上記選局周波数を上限近傍あるいは下限近傍に含むものではなくなる。従って、上記構成によれば、当該位相同期ループ回路に接続されている電圧制御発振器の発振周波数範囲を、より確実に、より短時間で選択することができるようになるという更なる効果を奏する。
なお、上記複数の電圧制御発振器は、副発振周波数範囲の下限を引き上げ、かつ、上限を引き下げることにより該副発振周波数範囲全体を狭くすることができるものであってもよいが、本発明はこれに限定されるものではない。
すなわち、本発明に係る位相同期ループ回路における上記複数の電圧制御発振器は、副発振周波数範囲の下限を引き上げることにより該副発振周波数範囲の低周波側だけを狭めるように設定され得るもの、あるいは、副発振周波数範囲の上限を引き下げることにより該副発振周波数範囲の高周波側だけを狭めるように設定され得るものであってもよい。
上記複数の電圧制御発振器が、副発振周波数範囲の下限を引き上げることにより該主発振周波数範囲の低周波側だけを狭めることができるものである場合でも、上記選局周波数を含んでいるか否かを、高周波側をカバーする副発振周波数範囲から順に判定していくことにより、副発振周波数範囲の全体を狭くする場合と同様の効果を奏する。また、上記複数の電圧制御発振器が、副発振周波数範囲の上限を引き下げることにより該副発振周波数範囲の高周波側だけを狭めることができるものである場合でも、上記選局周波数を含んでいるか否かを、低周波側をカバーする副発振周波数範囲から順に判定していくことにより、副発振周波数範囲の全体を狭くする場合と同様の効果を奏する。
本発明に係る位相同期ループ回路の上記制御手段は、当該位相同期ループ回路に接続され、発振周波数範囲が主発振周波数範囲に設定された電圧制御発振器の発振周波数を、上記選局周波数よりも予め定められた第1の値だけ高い周波数と、上記選局周波数よりも予め定められた第2の値だけ低い周波数とにロックすることができるかを判定し、ロックすることができなければ、当該位相同期ループに接続する電圧制御発振器を他の電圧制御発振器に切り替えるものである、ことが好ましい。
上記制御手段は、当該位相同期ループ回路に接続され、発振周波数範囲が主発振周波数範囲に設定された電圧制御発振器の発振周波数を、上記選局周波数よりも予め定められた第1の値だけ高い周波数と、上記選局周波数よりも予め定められた第2の値だけ低い周波数とにロックすることができるかを判定し、ロックすることができなければ、当該位相同期ループに接続する電圧制御発振器を他の電圧制御発振器に切り替えることにより、選局周波数を含む主発振周波数範囲をもつ電圧制御発振器を選択する。
従って、上記の構成によれば、上記選局周波数を主発振周波数範囲の上限近傍あるいは下限近傍に含む電圧制御発振器が選択されることを回避することができる。このため、上記構成によれば、より確実に選局周波数をロックすることができる電圧制御発振器を、より短時間で選択することができるようになるという更なる効果を奏する。
また、上記構成によれば、当該位相同期ループ回路に含まれる電圧制御発振器に、発振周波数範囲を狭めるための可変容量素子を付加することなく、上記効果を有する位相同期ループ回路を実現することができる。このため、当該位相同期ループ回路を半導体集積回路上に実装する場合、チップサイズの縮小やコストの低下を図ることができるという更なる効果を奏する。
本発明に係る位相同期ループ回路の上記制御手段は、当該位相同期ループ回路に接続され、発振周波数範囲が副発振周波数範囲に設定された電圧制御発振器の発振周波数を、上記選局周波数よりも予め定められた第1の値だけ高い周波数と、上記選局周波数よりも予め定められた第2の値だけ低い周波数とにロックすることができるかを判定し、ロックすることができなければ、該電圧制御発振器の発振周波数範囲を他の副発振周波数範囲に切り替えるものである、ことが好ましい。
上記制御手段は、当該位相同期ループ回路に接続され、発振周波数範囲が副発振周波数範囲に設定された電圧制御発振器の発振周波数を、上記選局周波数よりも予め定められた第1の値だけ高い周波数と、上記選局周波数よりも予め定められた第2の値だけ低い周波数とにロックすることができるかを判定し、ロックすることができなければ、該電圧制御発振器の発振周波数範囲を他の副発振周波数範囲に切り替えることにより、当該位相同期ループ回路に接続されている電圧制御発振器の発振周波数範囲を、上記選局周波数を含む副発振周波数範囲に設定する。
従って、上記の構成によれば、当該位相同期ループ回路に接続されている電圧制御発振器の発振周波数範囲を、上記選局周波数を発振周波数範囲の上限近傍あるいは下限近傍に含む副発振周波数範囲に設定しまうことを回避することができる。このため、上記構成によれば、より確実に選局周波数をロックすることができる電圧制御発振器を、より短時間で選択することができるようになるという更なる効果を奏する。
また、上記構成によれば、当該位相同期ループ回路に含まれる電圧制御発振器に、発振周波数範囲を狭めるための可変容量素子を付加することなく、上記効果を有する位相同期ループ回路を実現することができる。このため、当該位相同期ループ回路を半導体集積回路上に実装する場合、チップサイズの縮小やコストの低下を図ることができるという更なる効果を奏する。
本発明に係る位相同期ループ回路は、上記複数の電圧制御発振器のうち、当該位相同期ループ回路に接続されている電圧制御発振器を除く電圧制御発振器への電力の供給を停止する電力供給手段を更に備えていることが好ましい。
上記の構成によれば、当該位相同期ループ回路に接続される電圧制御発振器、すなわち実際に使用される電圧制御発振器以外の電圧制御発振器に電力が供給されてしまうことを回避することができる。従って、当該位相同期ループ回路の電力消費量を削減することができるという更なる効果を奏する。
本発明に係る半導体集積回路は、上記課題を解決するために、上記位相同期ループ回路を含んでいることを特徴としている。
上記の構成によれば、チップサイズの増大やコストの上昇という問題を招来することなく、位相雑音特性の良好な位相同期ループ回路を含む半導体集積回路を実現することができる。しかも、上記位相同期ループ回路は上記制御手段を備えているので、当該半導体集積回路に含まれる電圧制御発振器の選択、および、その発振周波数範囲の設定を、より効率的に、より短時間で行うことができる。
本発明に係る受信装置は、上記課題を解決するために、上記位相同期ループ回路を局部発振器として含んでいることを特徴としている。
当該受信装置は、電圧制御発振器の選択、および、その発振周波数範囲の設定を、より効率的に、より短時間で行うことができる位相同期ループ回路を備えているので、選局を短時間で実行することができる受信装置を実現することができる。
以上のように、本発明の位相同期ループ回路は、発振周波数範囲を、主発振周波数範囲、または該主発振周波数範囲をカバーする複数の副発振周波数範囲のうちの何れか一つに設定することができる電圧制御発振器を複数備えた位相同期ループ回路であって、当該位相同期ループ回路に接続する電圧制御発振器として、上記複数の電圧制御発振器のうち、選局周波数を含む主発振周波数範囲をもつ電圧制御発振器を選択し、選択された電圧制御発振器の発振周波数範囲を、上記選局周波数を含む副発振周波数範囲に設定する制御手段を備えている。
それゆえ、従来の構成と比べて、発振周波数範囲が選局周波数を含んでいるかを判定する判定回数を減少させ、使用する電圧制御発振器の選択、および、その発振周波数範囲の設定を、より効率的に、より短時間で行うことができる位相同期ループ回路を実現することができる。また、当該位相同期ループ回路を半導体集積回路上に実装する場合でも、チップサイズの増大やコストの上昇という問題を招来することなく、位相雑音特性の良好な位相同期ループ回路を実現することができる。
また、本発明の半導体装置は、上記の位相同期ループ回路を含んでいるので、当該半導体集積回路に含まれる電圧制御発振器の選択、および、その発振周波数範囲の設定を、より効率的に、より短時間で行うことができる。また、本発明の受信装置は、上記の位相同期ループ回路を含んでいるので、選局を短時間で実行することができる。
本発明の一実施の形態について図1〜図19に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
はじめに、本実施形態に係る位相同期ループ回路100の構成について、図1〜3を参照しながら説明する。
図1は、位相同期ループ回路100の概略構成を示す回路ブロック図である。図1に示したように、位相同期ループ回路100は、VCO部101と、PLL部102と、制御部(制御手段)103とを備えている。符号104は制御部103を適切に設定する信号を入力するための制御部設定信号入力端子を示し、符号105はPLL部102の選局周波数等の情報を設定する信号を入力するためのPLL設定信号入力端子を示している。
図1に示した上記各部は、例えば、1つの集積回路上に搭載することが可能であり、この場合、1チップで本発明の位相同期ループ回路を実現することができる。以下、上記各部について、図1を参照しながら説明する。
VCO部101は、互いに並列に接続されたn個(nは2以上の任意の自然数)の電圧制御発振器VCO1〜VCOn、および、該n個の電圧制御発振器のそれぞれに直列に接続されたn個のスイッチSW1〜SWnを備えている。VCO部101に含まれるn個の電圧制御発振器VCO1〜VCOnは、互いに異なる主発振周波数範囲をもつ電圧制御発振器であり、どの電圧制御発振器の出力信号がミキサ150に供給されるかは、スイッチSW1〜SWnにより切り替えられるようになっている。
VCO部101に含まれる電圧制御発振器VCO1〜VCOnは、それぞれ、少なくとも、発振周波数範囲を主発振周波数範囲または該主発振周波数範囲をカバーする複数の副発振周波数範囲のうちの何れか一つに設定することができる電圧制御発振器である。これらの電圧制御発振器VCO1〜VCO100nの具体的な回路構成、および、設定可能可能な発振周波数範囲については後述する。
PLL部102は、VCO部101に含まれる何れか1つの電圧制御発振器とともに位相同期ループを構成し、その電圧制御発振器の発振周波数を選局周波数に固定するための手段である。具体的には、PLL部102は、例えば、位相比較器とループ・フィルタと分周器と(いずれも不図示)を含んで構成され、基準信号入力端子104を介して入力される選局周波数の1/N倍(Nは自然数)の周波数をもつ基準信号と、分周期により周期を1/N倍された電圧制御発振器の出力信号とを位相比較器により比較し、これらの周波数が一致するよう該電圧制御発振器の発振周波数を制御する。このようにして、PLL部102が電圧制御発振器の発振周波数を選局周波数に一致させることを、慣用に従って、「電圧制御発振器の発振周波数を選局周波数にロックする」と言う。PLL部102は、位相同期ループを構成する電圧制御発振器の発振周波数を選局周波数にロックすると、ロック検出信号を制御部103に送る。
制御部103は、VCO部101の発振周波数範囲を設定するための手段であり、少なくとも、上記n個の電圧制御発振器VCO1〜VCOnのうちから、選局周波数を含む主発振周波数範囲をもつ電圧制御発振器を選択し、選択された電圧制御発振器の発振周波数範囲を選局周波数範囲を含む副発振周波数範囲に設定することができる。ここで、制御部103がある特定の電圧制御発振器(例えばVCO1)を選択するとは、具体的には、該電圧制御発振器(VCO1)とPLL部102とが位相同期ループを成すようVCO部101を制御することである。当該制御は、具体的には、例えば、該電圧制御発振器(VCO1)に接続されている上記スイッチ(SW1)を導通状態にし、その他のスイッチ(SW2〜SWn)を遮断状態にするためのVCO選択信号をVCO部101に供給することにより実現される。なお、制御部103のVCO部101に対する制御の詳細は、他の図面に基づいて後に詳しく説明する。
なお、VCO部101に含まれる電圧制御発振器VCO1〜VCOnに電力を供給する不図示の電力供給手段は、VCO部101に含まれる電圧制御発振器VCO1〜VCOnのうち、選択されている電圧制御発振器、すなわち、PLL部102とともに位相同期ループ回路を構成している電圧制御発振器にのみ電力を供給し、他の電圧制御発振器には電力を供給しないものであることが望ましい。これにより、VCO部101の電力消費量の削減を図ることができる。
次に、図1に示した位相同期ループ回路100に含まれる電圧制御発振器VCO1〜VCOnについて、図2を参照しながら説明する。電圧制御発振器VCO1〜VCOnは、すべて同等な回路構成を有する電圧制御発振器である。図2は、これらの電圧制御発振器VCO1〜VCOnを代表する電圧制御発振器VCO100の回路構成を示す回路ブロック図である。
図2に示したように、電圧制御発振器VCO100は、それぞれ1対のインダクタンスL100a・bと、該1対のインダクタンスL100a・bに対して並列に接続された3対の可変容量素子対C100〜C102とを含む共振回路を備えている。
第1の可変容量素子対C100は、直列に繋がれた可変容量素子C100aと可変容量素子C100bとを含んでいる。これら2つの可変容量素子C100a・bの容量値制御端子100cは、外部から周波数制御電圧Vctrlを入力するための周波数制御電圧入力端子T100に接続されており、周波数制御電圧Vctrlが印加されている。
第2の可変容量素子対C101は、直列に繋がれた可変容量素子C101aと可変容量素子C101bとを含んでいる。これら2つの可変容量素子C101a・bの容量値制御端子101cは、スイッチSW101に接続されている。スイッチSW101は、可変容量素子C101a・bの容量値制御端子101cに印加する電圧を切り替えるためのスイッチであり、具体的には、容量値制御端子101cを周波数制御電圧入力端子T100、電源電圧入力端子T101、または、GNDのうち何れかに1つに接続する。従って、スイッチSW101を切り替えることにより、可変容量素子C101a・bの容量値制御端子101c、周波数制御電圧Vctrl、電源電圧Vcc、または、接地電位の何れかを印加するかを設定することができる。
第3の可変容量素子対C102は、直列に繋がれた可変容量素子C102aと可変容量素子C102bとを含んでいる。これら2つの可変容量素子C102a・bの容量値制御端子102cは、スイッチSW102に接続されている。スイッチSW102は、可変容量素子C102a・bの容量値制御端子C102cに印加する電圧を切り替えるためのスイッチであり、具体的には、容量値制御端子102cを、周波数制御電圧入力端子T100、または、電圧源V100の何れか一方に接続する。従って、スイッチSW102を介して、可変容量素子102a・bの容量値制御端子102cに、周波数制御電圧Vctrl、または電圧源V100の出力電圧Voを印加するかを設定することができる。
図2に示した電圧制御発振器VCO100は、さらに、コンデンサC103a・b、トランジスタTr100a・b、ベースバイアス回路BB100、および、抵抗R100を備えている。ここで、コンデンサC103a・bは、トランジスタTr100a・bのベースバイアスをコレクタとは別に与えるために、DCを分離するためのコンデンサである。また、ベースバイアス回路BB100は、トランジスタTr100a・bに供給するベースバイアスを発生するための回路である。なお、図2に示したVccは、上記共振回路に印加される電源電圧を示すものであるが、当該電圧制御発振器を含むシステムの電源電圧に限定されるものではなく、当該電圧制御発振器を動作させることができる一定の電圧であれば任意の電圧であってよい。
電圧制御発振器VCO100の共振回路に含まれる可変容量素子対C100〜C102の合成容量は、周波数制御電圧入力端子T100を介して入力される周波数制御電圧Vctrl、および、上記スイッチSW101〜102の接続先に応じて変化する。従って、外部から印加する周波数制御電圧Vctrlを変化させることにより、VCO100の発振周波数を変化させることができるとともに、スイッチSW101およびSW102の接続先を切り替えることにより、発振周波数範囲を変化させることができる。
電圧制御発振器VCO100において設定することが可能な発振周波数範囲について、図3を参照しながら、もう少し詳しく説明する。図3は、スイッチSW101およびSW102の接続先毎の発振周波数範囲を示した説明図である。
はじめに、スイッチSW101により容量値制御端子101cが周波数制御電圧入力端子T100に接続され、スイッチSW102により容量値制御端子102cが周波数制御電圧入力端子T100に接続されている状態について考える。この状態では、電圧制御発振器VCO100の共振回路に含まれる全ての可変容量素子に周波数制御電圧Vctrlが印加されているので、電圧制御発振器V100の発振周波数の可変範囲が最大となる。この状態での発振周波数の可変範囲を、電圧制御発振VCO100の主発振周波数範囲とする。図3の発振周波数範囲301aは、この主発振周波数範囲を示したものである。
次に、容量値制御端子102cの接続先は変えずに、スイッチSW101により容量値制御端子101cの接続先を切り替える場合について考える。容量値制御端子101cの接続先を電源電圧入力端子T101、または、GNDに変化させると、共振回路における全容量値の変動範囲が小さくなるので、電圧制御発振VCO100の発振周波数範囲も上主発振周波数範囲と比べて狭いものとなる。この状態にある電圧制御発振器VCO100の発振周波数範囲を、副発振周波数範囲とする。
ここで、容量値制御端子101cが電源電圧入力端子T101に接続されている状態と、容量値制御端子101cが接地されている状態とでは、可変容量素子C102a・bの容量値が異なる。このため、容量値制御端子101cが電源電圧入力端子T101に接続されているときの副発振周波数範囲と、容量値制御端子101cが接地されているときの副発振周波数範囲とでカバーする周波数範囲を異ならせて、これら2つの副発振周波数範囲により主発振周波数範囲全体をカバーするようにすることができる。図3の発振周波数範囲301bは、低周波側の副発振周波数範囲を示したものであり、発振周波数範囲301cは高周波側の副発振周波数範囲を示したものである。
次に、スイッチSW102により容量値制御端子102cの接続先を切り替える場合について考える。容量値制御端子102cに周波数制御電圧Vctrlが印加されている状態では、周波数制御電圧Vctrlの変化に応じて可変容量素子102a・bの容量も変化するのに対し、可変容量素子102a・bに電圧源の出力電圧Voが印加されている状態では、可変容量素子102a・bの容量値は一定となる。従って、容量値制御端子102cの接続先を電圧源V100に切り替えることにより、主発振周波数範囲301aについても、副発振周波数範囲301b・cについても、その発振周波数範囲を狭めることができる。図3の発振周波数範囲302aは、発振周波数範囲が狭められた状態における主発振周波数範囲を示したものであり、発振周波数範囲302b・cは、発振周波数範囲が狭められた状態における副発振周波数範囲を示したものである。
なお、可変容量素子C102a・bとして出力電圧Voが印加されている状態で容量値が最小になる特性をもつ容量素子を採用することで、容量値制御端子102cの接続先を電圧源V100に切り替えたとき、発振周波数範囲の下限を上げて、発振周波数範囲の低周波側だけを狭めるようにすることができる。図3の発振周波数範囲303aは、発振周波数範囲の低周波側が狭められた状態における主発振周波数範囲を示したものであり、発振周波数範囲303b・cは、発振周波数範囲の低周波側が狭められた状態における副発振周波数範囲を示したものである。
また、可変容量素子C102a・bとして出力電圧Voが印加されている状態で容量値が最大になる特性をもつ容量素子を採用すれば、容量値制御端子102cの接続先を電圧源V100に切り替えたとき、発振周波数範囲の上限を下げて、発振周波数範囲の高周波側だけを狭めるようすることもできる。図3の発振周波数範囲304aは、発振周波数範囲の高周波側が狭められた状態における主発振周波数範囲を示したものであり、発振周波数範囲304b・cは、発振周波数範囲の高周波側が狭められた状態における副発振周波数範囲を示したものである。
以上のように、位相同期ループ回路100に含まれる電圧制御発振器VCO100は、スイッチSW101を切り替えることにより、発振周波数範囲を主発振周波数範囲または該主発振周波数範囲をカバーする複数の副発振周波数範囲のうちの何れか一つに設定することができる。また、電圧制御発振器VCO100においては、スイッチSW102を切り替えることにより、主発振周波数範囲および副発振周波数範囲を狭めるように設定することができる。また、特に、上述したような特性をもつ可変容量素子を採用した場合、スイッチSW102を切り替えることにより、主発振周波数範囲および副発振周波数範囲を、低周波側のみ、あるいは、高周波側のみ狭めるように設定することができる。
なお、以上の説明では、電圧制御発振器100が2つの副発振周波数範囲をもつものとして説明したが、さらに他の可変容量素子とスイッチとを追加すれば、3つ以上の副発振周波数範囲をもつ電圧制御発振器を構成することも可能である。
次に、位相同期ループ回路100に含まれるn個の電圧制御発振器VCO1〜VCOnの発振周波数範囲どうしの関係について、図4を参照しながら説明する。
図4において、周波数範囲BANDは、位相同期ループ回路100に要求される全発振周波数を表している。また、周波数範囲BANDi(1≦i≦n)は、電圧制御発振器VCOiの主発振周波数範囲を表している。また、周波数範囲BANDiLは、電圧制御発振器VCOiの低周波側の副発振周波数範囲を表し、周波数範囲BANDiHは、電圧制御発振器VCOiの高周波側の副発振周波数範囲を表している。
図4に示したように、電圧制御発振器VCO1〜VCOnの主発振周波数範囲BAND1〜BANDnは、VCO部101に要求される全発振周波数範囲BANDをカバーするように(すなわち、主発振周波数範囲BAND1〜BANDnの和集合が全発振周波数範囲BANDを包含するように)設定されている。従って、全発振周波数範囲に属する任意の周波数は、電圧制御発振器VCO1〜VCOnのうち、少なくとも1つの電圧制御発振器の発振周波数範囲に含まれる。また、図4に示したように、各電圧制御発振器VCOi(1≦i≦n)について、低周波側の副発振周波数範囲BANDiLと高周波側の副発振周波数範囲BANDiHとは、主発振周波数範囲BANDiをカバーするように(すなわち、低周波側の副発振周波数範囲BANDiLと高周波側の副発振周波数範囲BANDiHとの和集合が主発振周波数範囲BANDiを包含するように)設定されている。
なお、図4に示したとおり、電圧制御発振器VCO1〜VCOnの主発振周波数範囲BAND1〜BANDnは、隣接する発振周波数範囲の間である程度のオーバーラップΔをもつように(すなわち、隣接する主発振周波数範囲が共通部分をもつように)設定されていてもよい。このように設定することにより、半導体集積回路にばらつきがある場合でも、該半導体集積回路上に形成された電圧制御発振器VCO1〜VCOnの主発振周波数範囲BAND1〜BANDnにより、確実に要求される発振周波数範囲BANDをカバーすることができる。
次に、位相同期ループ回路100の制御部103が、VCO部101の発振周波数範囲を設定する方法の骨子について、図5〜7を参照しながら説明する。
図5は、図4に示した発振周波数範囲のうち、隣接する3つの主発振周波数範囲BANDi-1、BANDi、BANDi+1と、該主発振周波数範囲をカバーする6つの副発振周波数範囲副発振周波数範囲BANDi-1L、BANDi-1H、BANDiL、BANDiH、BANDi+1L、およびBANDi+1Hとを示したものである。特に、図5の上段は、電圧制御発振器の発振周波数範囲が設計どおりに実現された場合の典型的な発振周波数範囲を示し、図5の中段は、電圧制御発振器の発振周波数範囲が低周波側にばらついた場合の発振周波数範囲を示し、図5の下段は、電圧制御発振器の発振周波数範囲が高周波側にばらついた場合の発振周波数範囲を示している。
制御部103がVCO部101の発振周波数範囲を設定する方法の要点は、VCO部101に含まれる電圧制御発振器VCO1〜VCOnの中から、はじめに、与えられた選局周波数を含む主発振周波数範囲をもつ電圧制御発振器を選択し、その後、選択された電圧制御発振器の発振周波数範囲を当該選局周波数を含む副発振周波数範囲に設定する点にある。
例えば、電圧制御発振器の発振周波数範囲が図5の上段に示した典型的な状態にあり、選局周波数が図5に示した周波数f1である場合、選局周波数f1を含む主発振周波数範囲はBANDiであるので、制御部103は、電圧制御発振器VCOiを選択する。そして、この電圧制御発振器VCOiの副発振周波数範囲のうち、選局周波数f1を含む副発振周波数範囲はBANDiLであるので、制御部103は、電圧制御発振器VCOiの発振周波数範囲を、副発振周波数範囲BANDiLに設定する。
以上のような発振周波数範囲の設定方法を実現するために必要な工程を、図6のフローチャートに示す。図6のフローチャートに含まれる各工程について、順に説明すれば以下の通りである。
ステップS1:制御部103は、最も高周波側をカバーする電圧制御発振器VCOi+1を選択する。具体的には、VCOi+1に接続されたスイッチSWi+1を導通状態に制御し、その他のスイッチを遮断状態に制御するためのVCO選択信号をVCO部101に供給する。これにより、PLL部102と電圧制御発振器VCOi+1とによる位相同期ループが形成される。
ステップS2:制御部103は、ステップS1にて選択された電圧制御発振器VCOi+1の主発振周波数範囲BANDi+1が選局周波数を含むか否か、すなわち、選局周波数に対して最適な主発振周波数であるか、を判定する。電圧制御発振器VCOi+1の主発振周波数範囲BANDi+1が、選局周波数を含んでいる場合、後述するステップS6に進む。
ステップS3:ステップS2にて電圧制御発振器VCOi+1の主発振周波数範囲BANDi+1が選局周波数を含んでいないことが判定された場合、制御部103は、次の電圧制御発振器VCOiを選択する。具体的には、VCOiに接続されたスイッチSWiを導通状態に制御し、その他のスイッチを遮断状態に制御するためのVCO選択信号をVCO部101に供給する。これにより、PLL部102と電圧制御発振器VCOiとによる位相同期ループが形成される。
ステップS4:制御部103は、ステップS3にて選択された電圧制御発振器VCOiの主発振周波数範囲BANDiが、選局周波数を含むか否か、すなわち、選局周波数に対して最適な主発振周波数範囲であるか否か、を判定する。電圧制御発振器VCOiの主発振周波数範囲BANDiが、選局周波数を含んでいる場合、後述するステップS6に進む。
ステップS5:ステップS4にて電圧制御発振器VCOiの主発振周波数範囲BANDiが選局周波数を含んでいないことが判定された場合、制御部103は、次の電圧制御発振器VCOi-1を選択して、後述するステップS6に進む。具体的には、VCOi-1に接続されたスイッチSWi-1を導通状態に制御し、その他のスイッチを遮断状態に制御するためのVCO選択信号をVCO部101に供給する。これにより、PLL部102と電圧制御発振器VCOi-1とによる位相同期ループが形成される。
ステップS6:制御部103は、選択されている電圧制御発振器(ここでは電圧制御発振器VCOjとする)の発振周波数範囲を高周波側の副発振周波数範囲BANDjHに設定する。具体的には、制御部103は、電圧制御発振器VCOjのスイッチSW101(図2参照)を切り替えるためのスイッチ制御信号(SW制御信号)をVCO部101に供給し、現在選択されている電圧制御発振器VCOjの発振周波数範囲を高周波側の発振周波数範囲BANDjHに設定する。
ステップS7:制御部103は、選択されている電圧制御発振器VCOjの高周波側の副発振周波数範囲BANDjHが、選局周波数を含んでいるか否か、すなわち選局周波数に対して最適な副発振周波数範囲であるか否か、を判定する。副発振周波数範囲BANDjHが選局周波数を含んでいる場合、この高周波側の副発振周波数範囲BANDjHが使用される発振周波数範囲として確定される。
ステップS8:ステップS7にて副発振周波数範囲BANDjHが選局周波数を含んでいないと判定された場合、制御部103は、選択されている電圧制御発振器VCOjの発振周波数範囲を低周波側の副発振周波数範囲BANDjLに設定する。具体的には、制御部103は、電圧制御発振器VCOjのスイッチSW101を切り替えるためのスイッチ制御信号(SW制御信号)をVCO部101に供給し、選択されている電圧制御発振器VCOjの発振周波数範囲を低周波側の発振周波数範囲BANDjLに切り替える。この場合、この低周波側の副発振周波数範囲BANDjLが使用される発振周波数範囲として確定される。
以上のように、図6に示したフローチャートに則ってVCO部101の発振周波数範囲を設定する場合、選局周波数が発振周波数範囲に含まれているか否かの判定を行う回数は、最悪の場合でも高々3回である。これは、図22に示した従来のフローチャートに則って発振周波数範囲を設定する場合の最悪判定回数5回と比べて小さい。すなわち、はじめに、選局周波数を含む主発振周波数範囲をもつ電圧制御発振器を選択し、その後、選択された電圧制御発振器の発振周波数範囲を当該選局周波数を含む副発振周波数範囲に設定する本発明の方法を採用することにより、発振周波数範囲の設定を効率化することができる。
なお、図6のフローチャートでは、主発振周波数範囲が選局周波数を含むか否かの判定を、高周波側をカバーする電圧制御発振器から順に行うものとしたが、低周波側をカバーする電圧制御発振器から順に行っても同様の効果が得られることは言うまでもない。また、図6のフローチャートでは、副発振周波数範囲が選局周波数を含むか否かの判定を、高周波側の副発振周波数範囲から順に行うものとしたが、低周波側の副発振周波数範囲から順に行うようにしてもよく、この場合もやはり同様の効果が得られる。
また、図6のフローチャートでは、説明の簡略化のために、隣接する発振周波数範囲をもつ3つの電圧制御発振器VCOi-1、VCOi、VCOi+1の中から最適な電圧制御発振器を選択する方法について説明したが、以上の方法は、n個の電圧制御発振器VCO1〜VCOnの中から最適な電圧制御発振器を選択する方法に拡張できることは明らかである。
また、図6のフローチャートでは、電圧制御発振器の副発振周波数範囲は高周波側および低周波側の2つであるものとして説明したが、以上の方法は、電圧制御発振器の副発振周波数範囲が3つ以上の場合に対しても拡張できる。図7は、副発振周波数範囲を、低周波側、高周波側、および中間の3つのうちの何れか1つに設定することができる電圧制御発振器に対応した、発振周波数範囲の設定方法を示すフローチャートである。図7のフローチャートおける、図6に示したフローチャートとの相違点は、(1)高周波側の副発振周波数範囲が選局周波数を含まないことが判定されたときに、選択されている電圧制御発振器の発振周波数範囲を中間の副発振周波数範囲に設定するステップS9と、(2)選択されている電圧制御発振器の中間の副発振周波数範囲が、選局周波数を含んでいるか否かを判定するステップS10とを追加して点である。
以上のように、3つの電圧制御発振器が、それぞれ3つの副発振周波数範囲をもっている場合、選択候補となる副発振周波数範囲は9つになる。従って、従来技術にあるように、選局周波数を含むか否かを、副発振周波数範囲毎に判定していく場合、最悪で8回の判定が行われることになる。しかしながら、図7のフローチャートに則って電圧制御発振器の設定を行えば、高々4回の判定で、最適な電圧制御発振器を選択し、選択された電圧制御発振器を最適な副発振周波数範囲に設定することができる。このように、各電圧制御発振器において設定可能な副発振周波数範囲の数が増えるほど、本発明の方法による効率化は一層顕著なものとなる。
図6のフローチャートに示した発振周波数範囲の設定方法には、注目している発振周波数範囲が選局周波数を含んでいるか否かを判定するステップが含まれている。具体的には、選択されている電圧制御発振器の主発振周波数範囲が選局周波数を含んでいるかを判定するステップS2およびステップS4と、選択されている電圧制御発振器の副発振周波数範囲が選局周波数を含んでいるかを判定するステップS7とがこれに該当する。これらのステップを実現するための具体的な方法について、図8〜9を参照しながら説明する。
選択された電圧制御発振器の主発振周波数範囲が選局周波数を含んでいるかを判定するためには、例えば、当該電圧制御発振器の発振周波数範囲が主発振周波数範囲に設定されている状態で、PLL部102が実際に当該電圧制御発振器の発振周波数を選局周波数にロックすることができるかを判定すればよい。また、選択された電圧制御発振器のある副発振周波数範囲が選局周波数を含んでいるかを判定するためには、当該電圧制御発振器の発振周波数範囲がその副発振周波数範囲に設定された状態で、PLL部102が実際に当該電圧制御発振器の発振周波数を選局周波数にロックすることができるかを判定すればよい。
図8は、PLL部102が実際に電圧制御発振器の発振周波数を選局周波数にロックすることができるか否かに基づいて、注目している発振周波数範囲が選局周波数を含んでいるかを判定するように、図6に示したフローチャートをさらに具体化したフローチャートである。
図8に示したフローチャートにおいて、電圧制御発振器VCOi+1の主発振周波数範囲が選局周波数を含んでいるかを判定するステップS2は、一定時間待つステップS2aと実際にロック判定を行うステップS2bとを含んで構成されている。具体的には、制御部103は、予め定められた一定の時間だけ待機(ステップS2a)した後、PLL部102から上述したロック検出信号を受信しているかを判定し(ステップS2b)、受信していなければ次の電圧制御発振器VCOiを選択するステップS3に移る。
ステップS4についても、図8に示したように、一定時間待つステップS4aと実際にロック判定を行うステップS4bとを含んで構成することができる。また、選択されている電圧制御発振器VCOjの副発振周波数範囲が選局周波数を含んでいるかを判定するステップS7も、図8に示したように、一定時間待つステップS7aと実際にロック判定を行うステップS7bとを含んで構成することができる。
図8に示したフローチャートによれば、制御部103は、発振周波数範囲を主発振周波数範囲に設定された状態で位相同期ループ100に接続されている電圧制御発振器の発振周波数を、PLL部102が選局周波数にロックすることができるか否かを判定し、ロックすることができなければ、位相同期ループ100に接続する電圧制御発振器を他の電圧制御発振器に切り替えるように機能する。また、制御部103は、発振周波数範囲を副発振周波数範囲に設定された状態で位相同期ループ回路100に接続されている電圧制御発振器の発振周波数を、PLL部102により選局周波数にロックすることができるか否かを判定し、ロックすることができなければ、当該電圧制御発振器の発振周波数範囲を他の副発振周波数範囲に切り替えるように機能する。
なお、上述したステップS2a、S4a、S7aにおける待ち時間は、各電圧制御発振器が発振周波数をロックするために要する時間を考慮して予め設定さた一定の時間である。ここで、上記各ステップにおける待ち時間は、同一の時間に設定されていてもよいし、ステップ毎に固有の時間に設定されていてもよい。
以上、注目している発振周波数範囲が選局周波数を含んでいるか否かを、PLL部102が発振周波数を選局周波数にロックすることができるか否かに基づいて判定する方法について説明したが、発振周波数範囲が選局周波数を含んでいるか否かの判定は、他の条件に基づいて実現することも可能である。例えば、電圧制御発振器に供給されている周波数制御電圧Vctrlが規定の範囲内にあるか否かを判定することにより、発振周波数範囲が選局周波数を含んでいるかを判定することもできる。これについて、図9と図10とを参照しながら説明する。
図9は、選択されている電圧制御発振器に印加されている周波数制御電圧Vctrlが規定の範囲内にあるか否かに基づいて、注目している発振周波数範囲が選局周波数を含んでいるかを判定するように、図6に示したフローチャートを具体化したフローチャートである。
図9に示したフローチャートにおいて、電圧制御発振器VCOi+1の主発振周波数範囲が選局周波数を含んでいるかを判定するステップS2は、一定時間待つステップS2cと、
選択されている電圧制御発振器VCOi+1に印加されている周波数制御電圧値が規定の範囲内にあるか否かを判定するステップS2dとを含んで構成されている。ステップS4についても、図9に示されているように、一定時間待つステップS4cと、選択されている電圧制御発振器VCOiに印加されている周波数制御電圧値が規定の範囲内にあるか否かを判定するステップS4dとを含んで構成することができる。また、図9に示されているように、選択されている電圧制御発振器VCOjの副発振周波数範囲が選局周波数を含んでいるかを判定するステップS7についても、一定時間待つステップS7cと、選択されている電圧制御発振器VCOjに印加されている周波数制御電圧値が規定の範囲内にあるか否かを判定するステップS7dとを含んで構成することができる。
図9に示したフローチャートによれば、制御部103は、位相同期ループ100に接続されている電圧制御発振器に印加されている周波数制御電圧が予め定められた範囲内にあるか否かを判定し、周波数制御電圧が予め定められた範囲内になければ、位相同期ループ100に接続する電圧制御発振器を他の電圧制御発振器に切り替えるように機能する。また、制御部103は、位相同期ループ回路100に接続されている電圧制御発振器に印加されている周波数制御電圧が予め定められた範囲内にあるか否かを判定し、周波数制御電圧が予め定められた範囲になければ、当該電圧制御発振器の発振周波数範囲を他の副発振周波数範囲に切り替えるように機能する。
図10は、電圧制御発振器VCOi+1と電圧制御発振器VCOiとについて、印加される周波数制御電圧Vctrlと発振周波数fvcoとの関係を示すグラフである。図10に示したグラフにおいて、faとfbとは、それぞれ適切なVCOゲインKvが得られる発振周波数の下限値と上限値とを示しており、VaとVbとは、上記発振周波数faとfbとに対応する周波数制御電圧値を示している。図10から分かるように、選局周波数がVCOiの主発振周波数範囲に含まれるとき、具体的には、選局周波数がfa以上fb以下であるとき、VCOiに印加される制御電圧Vctrlは、Va以上Vb以下になる。従って、電圧制御発振器VCOiの主発振周波数範囲が選局周波数を含んでいるかを判定するステップS4は、VCOiに印加される制御電圧VctrlがVa以上Vb以下になるか否かを判定することによっても実現することができる。
図9に示したフローチャートを実現するためには、位相同期ループ回路100において、制御部103が電圧制御発振器VCOiに供給されている周波数制御電圧Vctrlの電圧値が規定の範囲内にあるか否かを検出するための構成が必要になる。この構成について、図11〜図12を参照しながら説明する。
図11は、電圧制御発振器VCOiに供給されている周波数制御電圧Vctrlの電圧値が規定の範囲内にあるか否かを検出するための手段を更に備えた位相同期ループ回路100´の回路構成を示す回路ブロック図である。図12は、上述したコンパレータ111a、コンパレータ111b、および、排他的論理和ゲート113の出力電圧を示した説明図である。
図11に示した位相同期ループ回路100´における、図1に示した位相同期ループ回路100との相違点は、周波数制御電圧値判定手段110を具備している点である。その他の点については、位相同期ループ回路100と同様に構成にされているので、対応するブロックには図1と同一の符号を付すことにより、その説明を省略する。
図11に示したように、周波数制御電圧値判定手段110は、2つのコンパレータ111a・b、2つの電圧源112a・b、および、排他的論理和(XOR)ゲート113とにより構成することができる。
電圧源112aは、出力電圧として第1の基準電圧Vaを出力するものであり、当該電圧源112aの出力電圧Vaは、コンパレータ111aに供給される。図12にグラフ1201として示したように、コンパレータ111aは、電圧源112aから供給される基準電圧Vaと、PLL部102から供給される周波数制御電圧Vctrlとを比較し、周波数制御電圧Vctrlの方が大きければ高電圧出力信号“H”を、周波数制御電圧Vctrlの方が小さければ低電圧出力信号“L”を出力する。一方、電圧源112bは、出力電圧として第2の基準電圧Vbを出力するものであり、当該電圧源112bの出力電圧Vbは、もう一つのコンパレータ111bに供給される。図12にグラフ1202として示したように、コンパレータ111bは、電圧源112bから供給される基準電圧Vbと、PLL部102から供給される周波数制御電圧Vctrlとを比較し、周波数制御電圧Vctrlの方が大きければ高電圧出力信号“H”を、周波数制御電圧Vctrlの方が小さければ低電圧出力信号“L”を出力する。なお、ここで、高電圧出力信号“H”と低電圧出力信号“L”とは、排他的論理和ゲート113が弁別可能な範囲で、適宜設定すればよい。
排他的論理和ゲート113は、2つコンパレータ111a・bの出力信号を受け付け、これらの排他的論理和を出力する。すなわち、図12のグラフ1203に示したように、コンパレータ111aの出力信号が高電圧出力信号“H”であり、かつ、コンパレータ111bの出力信号が低電圧出力信号“L”であるとき、排他的論理和ゲート113は、高電圧出力信号“H”を出力し、そうでないときに低電圧出力信号“L”を出力する。換言すれば、排他的論理和ゲート113は、PLL部102から電圧制御発振器VCOiに供給される周波数制御電圧VctrlがVa<Vctrl<Vbとなるときに、高電圧出力信号“H”を出力し、そうでないときに低電圧出力信号“L”を出力する。
ここで、電圧源112aの出力電圧Vaは、周波数制御電圧値の規定の範囲の下限に一致し、電圧源112aの出力電圧Vaは、周波数制御電圧値の規定の範囲の上限に一致するよう設定されている。排他的論理和ゲート113は、コンパレータ111aの出力信号が高電圧出力信号“H”であり、かつ、コンパレータ111bの出力信号が低電圧出力信号“L”であるとき、すなわち、Vctrl<VaかつVb<Vctrlのときも高電圧出力信号“H”を出力するものであるが、電圧源112a・bがVa<Vbのように設定されているので、このような場合は起こりえない。
図11に示したように、排他的論理和ゲート113の出力信号は、制御部103に供給される。制御部103は、排他的論理和ゲート113の出力信号が“H”であれば、周波数制御電圧Vctrlが規定の範囲内にあるものと判定し、そうでなければ、規定の範囲内にはないものと判定する。
なお、以上の説明では、周波数制御電圧Vctrlが電圧制御発振器VCOiの主発振周波数範囲に対応する制御電圧範囲Va〜Vbに含まれているか否かを検出する周波数制御電圧値判定手段110について説明したが、例えば、制御部103により上記電圧源112a・bの出力電圧を制御できるよう構成することで、電圧制御発振器に供給される周波数制御電圧値が他のしかるべき制御電圧範囲(他の電圧制御発振器の主発振周波数範囲に対応する制御電圧範囲、あるいは、副発振周波数範囲に対応する制御電圧範囲)に含まれているか否かを検出するようにできる。
次に、VCO部101の発振周波数範囲を設定する方法の、効果的な一変形例について、図13〜15に基づいて説明する。
図13は、制御部103がVCO部101の発振周波数範囲を設定する方法を示したフローチャートである。図13に示したフローチャートにおける、図6に示したフローチャートとの相違点は、電圧制御発振器の発振周波数範囲を狭くするステップS11と、電圧制御発振器の発振周波数範囲を広く戻すステップS12とを追加した点にある。他のステップについては図6に示したものと同一であるので、対応するステップには同一の符号を付すことにより、その説明を省略する。
ここで、図13に示したステップS11は、具体的には、例えば、VCO部101に含まれる電圧制御発振器VCO1〜VCOnの主発振周波数範囲および副発発振周波数範囲を狭めるよう、制御部103が電圧制御発振器VCO1〜VCOnのスイッチSW102を切り替えることにより実現され得る。また、ステップS12は、制御部103が電圧制御発振器VCO1〜VCOnのスイッチSW102を再び切り替え、これらの電圧制御発振器の主発振周波数範囲および副発発振周波数範囲を広く戻すことにより実現され得る。
図13のフローチャートによれば、制御部103は、電圧制御発振器VCO1〜VCOnの主発振周波数範囲を狭めるように設定した上で、選局周波数を含む主発振周波数範囲をもつ電圧制御発振器を選択するように機能する。また、制御部103は、選択された電圧制御発振器の副発振周波数範囲を狭めるように設定した上で、選択された電圧制御発振器の発振周波数範囲を、選局周波数を含む副発振周波数範囲に設定するように機能する。
図14は、電圧制御発振器VCOiおよび電圧制御発振器VCOi+1の、発振周波数範囲を狭めるように設定される前の発振周波数特性を示すグラフである。図14における周波数f1と周波数f2とは、それぞれ、電圧制御発振器VCOi+1の発振周波数範囲の上限と下限とを示している。電圧制御発振器VCOi+1の発振周波数を、図14における周波数f11のような、下限周波数f2に近い選局周波数にロックしようとする場合、VCOゲインKvが非常に小さい領域を利用することになる。このため、ロックに要する時間が長くなったり、ロック自体が不安定になったりするというという問題が生じる。また、位相雑音特性が劣化したりする可能性もある。
一方、図15は、電圧制御発振器VCOiおよび電圧制御発振器VCOi+1の、発振周波数範囲を狭めるように設定された状態での発振周波数特性を示すグラフである。なお、点線で示したグラフは、発振周波数範囲を狭めるように設定する前の発振周波数特性を示すものである。図15に示したように、電圧制御発振器VCOi+1の発振周波数範囲の上限は、周波数f1から周波数f1´に引き下げられ、下限は周波数f2から周波数f2´に引き上げられている。このため、発振周波数範囲が狭められた状態では、選局周波数f11のような下限周波数f2近傍の選局周波数は、電圧制御発振器VCOi+1の発振周波数範囲に含まれなくなる。
図13に示したフローチャートに従えば、ステップS2とステップS3とにより、下限周波数f2近傍の選局周波数を主発振周波数範囲に含む電圧制御発振器として、一つ低周波側の電圧制御発振器VCOiが選択される。図15に示したように、選局周波数f11は電圧制御発振器VCOiの主発振周波数範囲の上限周波数との間に一定の差を保っている。従って、電圧制御発振器VCOi+1の発振周波数を選局周波数f11にロックする場合には、VCOゲインKvは比較的大きな値となる。このため、ロックに要する時間が長くなったり、ロックが不安定になったりすることを回避することができる。
なお、図13のフローチャートでは、主発振周波数範囲が選局周波数を含むか否かの判定を高周波側をカバーする電圧制御発振器から順に行うものとしているが、発振周波数範囲の上限と下限とを共に狭める場合には、これを低周波側をカバーする電圧制御発振器から順に行っても同様の効果が得られる。また、図13のフローチャートでは、選択された電圧制御発振器の副発振周波数範囲が選局周波数を含むか否かの判定を、高周波側の副発振周波数範囲から順に行うものとしているが、発振周波数範囲の上限と下限とを共に狭める場合には、これを低周波側の副発振周波数範囲から順に行うようにしても良く、この場合にも同様の効果が得られる。
なお、上記説明では、発振周波数範囲の上限と下限とを共に狭めるものとしたが、電圧制御発振器の発振周波数範囲の狭め方はこれに限定されるものではない。すなわち、電圧制御発振器VCO1〜VCOnとして、発振周波数範囲の下限を引き上げることにより該主発振周波数範囲の低周波側だけを狭めるように設定され得る電圧制御発振器、あるいは、発振周波数範囲の上限を引き下げることにより該主発振周波数範囲の高周波側だけを狭めるように設定され得る電圧制御発振器を採用することもできる。このような変形例について、図16〜図17を参照しながら説明する。
図16は、制御部103がVCO部101の発振周波数範囲を設定する方法を示したフローチャートである。図16に示したフローチャートにおける、図6に示したフローチャートとの相違点は、電圧制御発振器の発振周波数範囲の低周波側を狭くするステップS13と、電圧制御発振器の発振周波数範囲を広く戻すステップS14とを追加した点にある。他のステップについては図6に示したものと同一であるので、対応するステップには同一の符号を付すことにより、その説明を省略する。
ここで、図16に示したステップS13は、具体的には、例えば、VCO部101に含まれる電圧制御発振器VCO1〜VCOnの主発振周波数範囲および副発発振周波数範囲の低周波側を狭めるよう、制御部103が電圧制御発振器VCO1〜VCOnのスイッチSW102を切り替えることにより実現され得る。また、ステップS14は、制御部103が電圧制御発振器VCO1〜VCOnのスイッチSW102を再び切り替え、これらの電圧制御発振器の主発振周波数範囲および副発発振周波数範囲を広く戻すことにより実現され得る。
図17は、電圧制御発振器VCOiおよび電圧制御発振器VCOi+1の、発振周波数範囲の低周波側のみを狭めるように設定された状態での発振周波数特性を示すグラフである。なお、図17には、発振周波数範囲を狭めるように設定する前の発振周波数特性も点線で示されている。図17に示したように、電圧制御発振器VCOi+1の発振周波数範囲は、下限をf2からf2´に引き上げられ、発振周波数範囲の低周波側だけが狭められている。このように、発振周波数範囲の低周波側のみが狭められる場合でも、選局周波数f11のような下限周波数f2近傍の選局周波数は、電圧制御発振器VCOi+1の発振周波数範囲に含まれなくなる。従って、図16にフローチャートに示したとおり、発振周波数範囲が選局周波数を含むか否かの判定を高周波側をカバーする電圧制御発振器から順に行うようにすれば、ロックに要する時間が長くなったり、ロックが不安定になったりすることを回避することができる。
なお、上記ステップS13の変わりに、電圧制御発振器の発振周波数範囲の高周波側のみを狭くするステップを実行しても良い。この場合には、主発振周波数範囲が選局周波数を含むか否かの判定を低周波側をカバーする電圧制御発振器から順に行い、選択された電圧制御発振器の副発振周波数範囲が選局周波数を含むか否かの判定を、低周波側の副発振周波数範囲から順に行うようにすれば、図16のフローチャートに示した方法と同様の効果が得られる。
次に、VCO部101の発振周波数範囲を設定する方法の、他の効果的な変形例について、図18〜図19を参照しながら説明する。
本変形例に係る発振周波数範囲の設定方法の要点は、所望の選局周波数fよりもΔfだけ高い周波数f’=f+Δf、および、所望の選局周波数fよりもΔfだけ低い周波数f”=f−Δfが注目している発振周波数範囲に含まれているか否かを判定し、含まれていなければ、位相同期ループ回路に接続する電圧制御発振器を切り替えたり、電圧制御発振器の発振周波数範囲を切り替えたりするようにした点である。
以上のような発振周波数範囲の設定方法を実現するために必要な工程を、図18のフローチャートに示す。図18のフローチャートに含まれる各工程について、順に説明すれば以下の通りである。
ステップS20:制御部103は、最も高周波側をカバーする電圧制御発振器VCOiを選択する。具体的には、VCOiに接続されたスイッチSWiを導通状態に制御し、その他のスイッチを遮断状態に制御するためのVCO選択信号をVCO部101に供給する。これにより、PLL部102と電圧制御発振器VCOiとによる位相同期ループが形成される。
ステップS21:制御部103は、所望の選局周波数fよりもΔfだけ高い周波数f+Δfに設定するようPLL部102を制御する。ここで、Δfは予め定められた値である。
ステップS22〜23:制御部103は、ステップS1にて選択された電圧制御発振器VCOiの主発振周波数範囲が選局周波数f+Δfを含むか否かを、PLL部102が電圧制御発振器VCOiの発振周波数を選局周波数f+Δfにロックすることができるか否かに基づいて判定する。電圧制御発振器VCOiの主発振周波数範囲が、選局周波数f+Δfを含んでいる場合、後述するステップS25に進む。
ステップS24:ステップS23にて電圧制御発振器VCOiの主発振周波数範囲が選局周波数f+Δfを含んでいないことが判定された場合、制御部103は、より高周波側をカバーする電圧制御発振器VCOi+1を選択する。これにより、PLL部102と電圧制御発振器VCOi+1とによる位相同期ループが形成される。
ステップS25:制御部103は、所望の選局周波数fよりもΔfだけ低い周波数f−Δfに設定するようPLL部102を制御する。
ステップS26〜27:制御部103は、電圧制御発振器VCOiの主発振周波数範囲が選局周波数f−Δfを含むか否かを、PLL部102が電圧制御発振器VCOiの発振周波数を選局周波数f−Δfにロックすることができるか否かに基づいて判定する。電圧制御発振器VCOiの主発振周波数範囲が選局周波数f−Δfを含んでいる場合、PLL部102とともに位相同期ループを形成する電圧制御発振器がVCOiに確定され、後述するステップS29に進む。
ステップS28:ステップS27にて電圧制御発振器VCOiの主発振周波数範囲が選局周波数f−Δfを含んでいないことが判定された場合、制御部103は、より低周波側をカバーする電圧制御発振器VCOi-1を選択する。これにより、PLL部102と電圧制御発振器VCOi-1とによる位相同期ループが形成される。
ステップS29:制御部103は、選択されている電圧制御発振器(ここでは電圧制御発振器VCOjとする)の発振周波数範囲を高周波側の副発振周波数範囲に設定する。具体的には、制御部103は、電圧制御発振器VCOjのスイッチSW101(図2参照)を切り替えるためのスイッチ制御信号をVCO部101に供給し、現在選択されている電圧制御発振器VCOjの発振周波数範囲を高周波側の発振周波数範囲に設定する。
ステップS30:制御部103は、所望の選局周波数fよりもΔfだけ低い周波数f−Δfに設定するようPLL部102を制御する。なお、上記ステップS25以降、選局周波数が変更されていなければ、当該ステップは省略してもよい。
ステップS31〜32:制御部103は、選択されている電圧制御発振器VCOjの高周波側の副発振周波数範囲が選局周波数f−Δfを含んでいるか否かを、PLL部102が電圧制御発振器VCOjの発振周波数を選局周波数f−Δfにロックすることができるか否かに基づいて判定する。電圧制御発振器VCOiの主発振周波数範囲が、選局周波数f−Δfを含んでいる場合、使用する発振周波数範囲が高周波側の副発振周波数範囲に確定される。
ステップS33:ステップS32にて高周波側の副発振周波数範囲が選局周波数f−Δfを含んでいないと判定された場合、制御部103は、選択されている電圧制御発振器VCOjの発振周波数範囲を低周波側の副発振周波数範囲に設定する。これにより、使用する発振周波数範囲が低周波側の副発振周波数範囲に確定される。
ステップ34:最後に制御部103は、PLL部102を制御して、選局周波数を所望の選局周波数fに戻す。
図18に示したフローチャートによれば、制御部103は、発振周波数範囲を主発振周波数範囲に設定された状態で位相同期ループ100に接続されている電圧制御発振器の発振周波数を、選局周波数fよりもΔfだけ高い周波数f+Δfと、選局周波数fよりもΔfだけ低い周波数f−Δfとにロックすることができるかを判定し、ロックすることができなければ、位相同期ループ100に接続する電圧制御発振器を他の電圧制御発振器に切り替えるように機能する。また、制御部103は、発振周波数範囲を副発振周波数範囲に設定された状態で位相同期ループ回路100に接続されている電圧制御発振器の発振周波数を、選局周波数fよりもΔfだけ高い周波数f+Δfと、選局周波数fよりもΔfだけ低い周波数f−Δfとにロックすることができるかを判定し、ロックすることができなければ、該電圧制御発振器の発振周波数範囲を他の副発振周波数範囲に切り替えるように機能する。
図19は、電圧制御発振器VCOi-1〜VCOi+1の発振周波数特性を示すグラフである。図19に示した周波数f3は、VCOiの発振周波数範囲の上限値を示し、周波数f4は同周波数範囲の下限値を示している。上述したように、選局周波数fよりもΔfだけ高い周波数f’=f+Δfと、選局周波数fよりもΔfだけ低い周波数f”=f−Δfとをロックすることができるかを判定するようにすれば、電圧制御発振器VCOiがロックすることができる選局周波数fは、f4´<f<f3´を満足する周波数に限られることになる。ここで、f3´は選局周波数fよりもΔfだけ高い周波数であり、f4´は選局周波数よりもΔfだけ低い周波数である。従って、図19に示したフローチャートに基づいてVCO部101の発振周波数範囲を設定するようにすれば、発振周波数範囲を一時的に狭める構成と同様に、ロックに要する時間が長くなったり、ロックが不安定になったりすることを回避することができる。
なお、図19では、位相同期ループ回路100に接続する電圧制御発振器を選択した後、選択された電圧制御発振器の発振周波数範囲を設定する際には、選択された電圧制御発振器に関わらず、高周波数側で一定値低い周波数がロックできれば高周波数側の副発振周波数範囲を、低周波数側で一定値低い周波数がロックできれば低周波数側の副発振周波数範囲を使用するフローとなっている。これは、所望の選局周波数fは、電圧制御発振器VCOi-1〜VCOi+1の何れかの発振周波数範囲に含まれているという前提によるものであり、電圧制御発振器が選択された時点で、高周波側の副発振周波数範囲が周波数f−Δfを含まなければ、残る低周波数側の副発振周波数範囲が所望の選局周波数fを含むことが確定されるためである。
最後に、以上のような位相同期ループ回路100を局部発振器として含んでいる受信装置200について、図20に基づいて簡単に説明する。
図20に示した受信装置200は、受信信号入力端子201、高周波ゲイン可変アンプ202、本発明の位相同期ループ回路100により構成された局部発振器203、設定入力端子211から入力された選局周波数等の信号を保持するレジスタ204、局部発振器203の出力信号から90度の位相差をもつ2つの信号を発生してミキサ206に供給する90度位相差信号発生回路205、ベースバンドAGCアンプ207、LPL208、出力アンプ209、および、I/Qベースバンド信号出力端子210を含んで構成されている。I/Qベースバンド信号出力端子210から出力される信号は、後段の復調回路に供給される。図20に示したようなブロック構成により、本発明の位相同期ループ回路100を用いて、ダイレクトコンバージョン方式の受信を実現することができる。
〔付記事項〕
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。例えば、本発明は以下のように構成することができる。
本発明の位相同期ループ回路は、1つの発振周波数変化特性と、その発振周波数変化の範囲内で、2つ以上の発振周波数変化特性を、スイッチ及びスイッチを制御する制御信号の設定により実現できるVCOを複数もち、それらのVCOを含んでPLLを形成しており、選局周波数における最適なVCO及びスイッチ設定の決定を、前記1つの発振周波数変化特性が得られるスイッチ設定にて最適VCO決定フローを実施して複数のVCOから受信時に使用するVCOを決定した上で、さらに分割した周波数変化特性が得られるスイッチ設定にて最適スイッチ設定決定フローを実施して2つ以上の発振周波数変化特性から受信時に使用するスイッチ設定を決定するように構成してもよい。
また、本発明の位相同期ループ回路において、前記最適VCO決定フロー及び前記最適スイッチ設定決定フローは、前記PLLのロック検出信号を使用して、選局周波数における最適VCO及び最適スイッチ設定を決定するように構成しても良い。
また、本発明の位相同期ループ回路において、前記最適VCO決定フローは、最適VCO決定フロー実施時にVCOの発振周波数可変幅を一時的に狭くした上で前記PLLが選局した周波数にてロックが検出された場合に最適VCOであると判断し、前記最適スイッチ設定決定フローはあるスイッチ設定における発振周波数可変幅を一時的に狭くした上で前記PLLが選局した周波数にてロックが検出された場合に最適スイッチ設定であると判断するように構成してもよい。
また、本発明の位相同期ループ回路において、前記最適VCO決定フローにおいてVCOの発振周波数可変幅を一時的に狭くする方法は、VCOに含まれる可変容量の容量値制御端子を周波数制御電圧印加端子から切り離して固定電圧に接続する方法であり、前記最適スイッチ設定決定フローにおいてあるスイッチ設定における発振周波数可変幅を一時的に狭くする方法は、そのスイッチ設定においても受信時には容量値制御端子が周波数制御電圧印加端子に接続される可変容量のうち、一部の可変容量の容量値制御端子を周波数制御電圧印加端子から切り離して固定電圧に接続する方法であってもよい。
また、本発明の位相同期ループ回路は、前記最適VCO決定フローにおいて、VCOの発振周波数可変幅のうち上限又は下限の片側のみを狭くし、前記最適スイッチ設定決定フローにおいては、あるスイッチ設定における発振周波数可変幅のうち上限又は下限の片側のみを狭くするように構成しても良い。
また、本発明の位相同期ループ回路において、前記最適VCO決定フロー及び前記最適スイッチ設定決定フローは、前記PLLにおいて、選局周波数を目的の選局周波数から周波数の高い側に一定値ずらして選局した場合にロックでき、また選局周波数を前記目的の選局周波数から周波数の低い側に一定値ずらした場合に選局してロックできたVCO及びスイッチ設定を最適と判断するように構成しても良い。
また、前記最適VCO決定フロー及び前記最適スイッチ設定決定フローは、前記PLLを使用した際の周波数制御電圧値がある値の範囲内に入っているかどうかを調べることにより最適VCO及び最適スイッチ設定を決定するように構成しても良い。
また、本発明の位相同期ループ回路は、前記VCOシステムに含まれる複数のVCOのうち、最適VCOではないと判断され、受信には使用しないVCOの動作を停止させるように構成しても良い。
また、本発明の集積回路は、前記VCOシステムと前記PLLとを同一チップ上に備えた集積回路であっても良い。
また、本発明の受信装置は、受信した信号の周波数を特定の周波数に変換する際に必要となる局部発振信号を発生するために、上記VCOシステムを使用するように構成しても良い。
本発明の位相同期ループ回路は、局部発振器として、特に放送受信用チューナ等の局部発振器として、好適に利用することができる。
本発明の一実施形態を示すものであり、位相同期ループ回路の概略構成を示す回路ブロック図である。 本発明の一実施形態を示すものであり、図1に示した位相同期ループ回路に含まれる電圧制御発振器の回路構成を示す回路ブロック図である。 本発明の一実施形態を示すものであり、図2に示した電圧制御発振器において、設定可能な発振周波数範囲を示す説明図である。 本発明の一実施形態を示すものであり、図2に示した電圧制御発振器において、主発振周波数範囲および副発振周波数範囲がカバーする周波数範囲を示す説明図である。 本発明の一実施形態を示すものであり、図4に示した発振周波数の範囲の一部を示した説明図である。 本発明の一実施形態を示すものであり、VCO部の発振周波数範囲を設定する方法を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態として、図6のフローチャートの一変形例を示すものであり、VCO部の発振周波数範囲を設定する方法を、各電圧制御発振器が3つの副発振周波数範囲をもつ場合について示すフローチャートである。 本発明の一実施形態として、図6のフローチャートの具体化例を示すものであり、PLL部が実際に電圧制御発振器の発振周波数を選局周波数にロックすることができるか否かに基づいて、注目している発振周波数範囲が選局周波数を含んでいるかを判定する場合のフローチャートである。 本発明の一実施形態として、図6のフローチャートの他の具体化例を示すものであり、選択されている電圧制御発振器に印加されている周波数制御電圧Vctrlが規定の範囲内にあるか否かに基づいて、注目している発振周波数範囲が選局周波数を含んでいるかを判定する場合のフローチャートである。 本発明の一実施形態を示すものであり、図2に示した電圧制御発振器における、印加される周波数制御電圧Vctrlと発振周波数fvcoとの関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態を示すものであり、図1に示した位相同期ループ回路の一変形例を示す回路ブロック図である。 本発明の一実施形態を示すものであり、図11に示した位相同期ループ回路における、2つのコンパレータの出力信号と排他的論理和ゲートの出力信号との間の関係を示す説明図である。 本発明の一実施形態として、図6のフローチャートの一変形例を示すものであり、電圧制御発振器の発振周波数範囲を狭めるように設定した上で、選局周波数を含む発振周波数範囲を判定する場合のフローチャートである。 本発明の一実施形態を示すものであり、図2に示した電圧制御発振器の、発振周波数範囲を狭めるように設定する前の発振周波数特性を示すグラフである。 本発明の一実施形態を示すものであり、図2に示した電圧制御発振器の、発振周波数範囲を狭めるように設定した状態における発振周波数特性を示すグラフである。 本発明の一実施形態を示すものとして、図6のフローチャートの一変形例を示すものであり、電圧制御発振器の発振周波数範囲の低周波側だけを狭めるように設定した上で、選局周波数を含む発振周波数範囲を判定する場合のフローチャートである。 本発明の一実施形態を示すものであり、図2に示した電圧制御発振器の、発振周波数範囲の低周波側だけを狭めるように設定した状態における発振周波数特性を示すグラフである。 本発明の一実施形態を示すものであり、VCO部の発振周波数範囲を設定する他の方法を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態を示すものであり、図2に示した電圧制御発振器の発振周波数特性を示すグラフである。 本発明に係る受信装置の要部構成を示す、回路ブロック図である。 従来技術を示す図面であり、(a)は複数の電圧制御発振器を含む従来の位相同期ループ回路の回路構成を示す回路ブロック図である。(b)は、位相同期ループ回路に含まれる電圧制御発振器の発振周波数特性を示すグラフである。(c)は、位相同期ループ回路に含まれる電圧制御発振器の回路構成を示す回路ブロック図である。 従来技術を示す図面であり、(a)は使用する電圧制御発振器を動的に選択する方法を示したフローチャートである。(b)は、選択される電圧制御発振器の発振周波数特性を示すグラフである。 (a)は、発振周波数範囲が切り替え可能に構成された電圧制御発振器の回路構成を示す回路ブロック図である。(b)は、(a)に示した電圧制御発振器の発振周波数特性を示すグラフである。(c)は、(a)に示した電圧制御発振器における、スイッチ設定を示した表である。 (a)は、図23に示した電圧制御発振器を複数備えた位相同期ループ回路における、3つの電圧制御発振器の主発振周波数範囲を示したグラフである。(b)は、同位相同期ループ回路における、3つの電圧制御発振器の副発振周波数範囲を示したグラフである。 図24に示した主発振周波数範囲および副発振周波数範囲を、発振周波数にばらつきが生じた場合も含め、分かりやすく示した説明図である。 図23に示した電圧制御発振器を複数備えた位相同期ループ回路に、従来の発振周波数範囲の適用した場合のフローチャートである。
符号の説明
100 位相同期ループ回路
101 VCO部
102 PLL部
103 制御部(制御手段)
VCO1〜VCOn 電圧制御発振器
SW1〜SWn スイッチ

Claims (14)

  1. 発振周波数範囲を、主発振周波数範囲、または該主発振周波数範囲をカバーする複数の副発振周波数範囲のうちの何れか一つに設定することができる電圧制御発振器を複数備えた位相同期ループ回路であって、
    当該位相同期ループ回路に接続する電圧制御発振器として、上記複数の電圧制御発振器のうち、選局周波数を含む主発振周波数範囲をもつ電圧制御発振器を選択し、選択された電圧制御発振器の発振周波数範囲を、上記選局周波数を含む副発振周波数範囲に設定する制御手段を備えている、
    ことを特徴とする位相同期ループ回路。
  2. 上記制御手段は、
    当該位相同期ループ回路に接続され、発振周波数範囲が主発振周波数範囲に設定された電圧制御発振器の発振周波数を、当該位相同期ループ回路により上記選局周波数にロックすることができるか否かを判定し、上記選局周波数にロックすることができなければ、当該位相同期ループに接続する電圧制御発振器を他の電圧制御発振器に切り替えるものである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の位相同期ループ回路。
  3. 上記制御手段は、
    当該位相同期ループ回路に接続され、発振周波数範囲を副発振周波数範囲に設定された電圧制御発振器の発振周波数を、当該位相同期ループ回路により上記選局周波数にロックすることができるか否かを判定し、ロックすることができなければ、該電圧制御発振器の発振周波数範囲を他の副発振周波数範囲に切り替えるものである、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の位相同期ループ回路。
  4. 上記制御手段は、
    当該位相同期ループ回路に接続され、発振周波数範囲が主発振周波数範囲に設定された電圧制御発振器に印加されている周波数制御電圧が予め定められた範囲内にあるか否かを判定し、該周波数制御電圧が該範囲内になければ、当該位相同期ループに接続する電圧制御発振器を他の電圧制御発振器に切り替えるものである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の位相同期ループ回路。
  5. 上記制御手段は、
    当該位相同期ループ回路に接続され、発振周波数範囲を副発振周波数範囲に設定された電圧制御発振器に印加されている周波数制御電圧が予め定められた範囲内にあるか否かを判定し、該周波数制御電圧が該範囲内になければ、当該位相同期ループに接続する電圧制御発振器の発振周波数範囲を他の副発振周波数範囲に切り替えるものである、
    ことを特徴とする請求項1または4に記載の位相同期ループ回路。
  6. 上記複数の電圧制御発振器は、
    主発振周波数範囲を狭めるように設定され得るものであり、
    上記制御手段は、
    上記複数の電圧制御発振器の主発振周波数範囲を狭めるように設定した上で、選局周波数を含む主発振周波数範囲をもつ電圧制御発振器を選択するものである、
    ことを特徴とする請求項1から5のうち何れか1項に記載の位相同期ループ回路。
  7. 上記複数の電圧制御発振器は、
    主発振周波数範囲の下限を引き上げることにより該主発振周波数範囲の低周波側だけを狭めるように設定され得るもの、あるいは、主発振周波数範囲の上限を引き下げることにより該主発振周波数範囲の高周波側だけを狭めるように設定され得るものである、
    ことを特徴とする請求項6に記載の位相同期ループ回路。
  8. 上記複数の電圧制御発振器は、
    副発振周波数範囲を狭めるように設定され得るものであり、
    上記制御手段は、
    上記選択された電圧制御発振器の副発振周波数範囲を狭めるように設定した上で、上記選択された電圧制御発振器の発振周波数範囲を、上記選局周波数を含む副発振周波数範囲に設定するものである、
    ことを特徴とする請求項1から7のうち何れか1項に記載の位相同期ループ回路。
  9. 上記複数の電圧制御発振器は、
    副発振周波数範囲の下限を引き上げることにより該副発振周波数範囲の低周波側だけを狭めるように設定され得るもの、あるいは、副発振周波数範囲の上限を引き下げることにより該副発振周波数範囲の高周波側だけを狭めるように設定され得るものである、
    ことを特徴とする請求項8に記載の位相同期ループ回路。
  10. 上記制御手段は、
    当該位相同期ループ回路に接続され、発振周波数範囲が主発振周波数範囲に設定された電圧制御発振器の発振周波数を、上記選局周波数よりも予め定められた第1の値だけ高い周波数と、上記選局周波数よりも予め定められた第2の値だけ低い周波数とにロックすることができるか否かを判定し、ロックすることができなければ、当該位相同期ループに接続する電圧制御発振器を他の電圧制御発振器に切り替えるものである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の位相同期ループ回路。
  11. 上記制御手段は、
    当該位相同期ループ回路に接続され、発振周波数範囲が副発振周波数範囲に設定された電圧制御発振器の発振周波数を、上記選局周波数よりも予め定められた第1の値だけ高い周波数と、上記選局周波数よりも予め定められた第2の値だけ低い周波数とにロックすることができるか否かを判定し、ロックすることができなければ、該電圧制御発振器の発振周波数範囲を他の副発振周波数範囲に切り替えるものである、
    ことを特徴とする請求項1または10に記載の位相同期ループ回路。
  12. 上記複数の電圧制御発振器のうち、当該位相同期ループ回路に接続されている電圧制御発振器にのみ電力を供給し、他の電圧制御発振器には電力を供給しない電力供給手段を更に備えていることを特徴とする請求項1から11のうち何れか1項に記載の位相同期ループ回路。
  13. 請求項1から12のうち何れか1項に記載の位相同期ループ回路を含んでいることを特徴とする半導体集積回路。
  14. 請求項1から12に記載の位相同期ループ回路を局部発振器として含んでいることを特徴とする受信装置。
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