JP2007311457A - 磁気シールド構造および磁気シールド方法 - Google Patents

磁気シールド構造および磁気シールド方法 Download PDF

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Abstract

【課題】板状磁性体からなるフレームを板状磁性体板方向に間隙をおいて複数配置する透過型磁気シールド構造において、フレーム間隙からの磁場漏洩を減じ、空気や光の透過性と優れた磁気シールド性能を両立させる。
【解決手段】磁性体幅Wとフレーム間隔dの比が1≦d/W≦20であり、フレームに銅線をコイル状に巻きまわした磁気シールド構造。また遮蔽対象の磁場が印加された状態で、コイルに交流電流を流しその後徐々に電流を減じ、最後に電流を0とすることを特徴とする磁気シールド方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、医療分野、精密計測分野、超LSI製造分野などにおいて、ある空間を磁気的に清浄な状態に保つことを目的とした、強磁性体を用いた磁気シールド構造と磁気シールド方法に関する。
透磁率の高い磁性体を用いた磁気シールド技術は一般的な技術となっている。その構成は、例えば、特許文献1、特許文献2に記載されているように、板状の磁性体で対象の空間を密閉して包囲することが基本となっており、磁性体を複合化したり、板の接合部分からの漏洩をカバーなどで防止したりすることによって、シールド性能の向上を図っている。これらの構成は、磁性体の面が磁気シールドルームの壁面と平行に配置し対象空間を密閉しているため、空気や光の透過性がなかった。
上記要請に対し本発明者らは、空気や光が透過可能でありながら遮蔽性能に優れる磁気シールド法として、板状磁性体からなる磁性体フレームを板状磁性体の厚さ方向に間隔をおいて複数配置する構造を既に提案した(特許文献3)。
特開平5−327263号公報 特開平7−273484号公報 WO20041084603A1号
上述したように、本発明者らは、空気や光が透過可能でありながら遮蔽性能に優れる磁気シールド法を提案している。そこでは、磁性体フレームを、間隔をおいて並べることにより、磁性体フレーム間の空隙から空気や光の自由透過を確保でき、さらに、磁性体フレームを形成する磁性体同士は、面で接合することにより接合部からの磁束漏洩を減少せしめ、従来工法と同等以上のシールド性能を確保できることを可能とした。しかしながら、フレーム間隙が広がると、間隙からの漏洩が大きくなるため、要求によってはシールド性能の達成が困難な場合もあった。
本発明は、フレーム間隙を広く取りつつも、フレーム間隙からの磁場漏洩を防ぎ、良好な透過性と優れたシールド性能を両立することを可能とした磁気シールド構造と磁気シールド方法を提供する。
本発明者らは、前記シールド体においてフレーム間隙が広い状態でも、遮蔽対象磁場がシールド体に印加された状態で、フレームが形成する磁気回路に交流電流を流し、交流磁場を印加した後、交流電流を徐々に減じ、最後に0とすることによって、間隙からの漏洩を小さくすることができることを見出した。本発明はこの現象を用いたものであり、交流磁場を印加、減じる操作を、フレームに巻いた銅線に流す電流を制御することによって磁気シールドを可能としたものである。なお、本発明ではこの操作を、消磁あるいは消磁操作と呼ぶことにする。
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、その要旨は次のとおりである。
(1)幅Wの板状磁性体、あるいは、それら板状磁性体の積層体を、長さ方向の端部同士で相互接触させ、磁気回路が閉じるように磁性体フレームを形成し、かつ複数の磁性体フレームを、磁性体の厚さ方向に間隙dをおいて配置する磁気シールド構造において、前記磁性体フレーム内で分布した磁束密度Bの内、最も大きな値Bmを、板状磁性体の材料特性である飽和磁束密度Bsとの比を、
0.4≦Bm/Bs≦0.9とし、
かつ、板状磁性体幅Wとフレーム間隔dの比を、
1≦d/W≦20
とし、個々の磁性体フレームあるいは複数の磁性体フレームに、銅線をコイル状に巻くことを特徴とする磁気シールド構造。
(2)前記板状磁性体が電磁鋼板あるいはパーマロイであることを特徴とする(1)に記載の磁気シールド構造。
(3)(1)記載の磁気シールド構造に遮蔽対象の磁場が印加された状態で、磁性体フレームに施された銅線コイルに交流電流を流し、徐々に交流電流を減少させ、最後に0とすることを特徴とする磁気シールド方法。
(4)前記銅線コイルに流す交流電流の実効最大到達値Imaxを、
Imax≧(1/10)・L・Hc/N
ここで、L :フレームの磁路長(m)
Hc:磁性体の保持力(A/m)
N :コイル巻き数
とすることを特徴とする(3)に記載の磁気シールド方法である。
本発明により、光や空気の透過性を保ちながら、従来にない磁気シールド性能を達成することができる。
本発明のシールド体の基本構造は以下の通りである。
幅Wの板状磁性体、あるいは、それら板状磁性体の積層体を、長さ方向の端部同士で相互接触させ、閉じた磁気回路となるよう磁性体フレームを形成する。端部での接触は、磁性体あるいは磁性体積層体の面同士での接触が望ましい。接触部位での磁束漏洩が少なく、磁気シールド性能が良好となるからである。施工を容易にするためには、多少の性能劣化を許容するなら、突き合わせ接触でも良い。また接触部における磁性体間の距離は、磁束漏洩を防止するために3mm以内に保つことが望ましい。以上のように閉じた磁気回路となるように、対象の空間にあわせて磁性体フレームを形成する。
次にこのような磁性体フレームを、間隙dを置いて板厚方向に配置し磁気シールド構造とする。この間隙を空気や光が透過することができる。
上記磁気シールド構造の磁性体フレーム内には磁束密度Bに分布が生じる。このBの分布は、空間の磁場分布や強度、磁気シールド体の形状によって決まってくる。本発明者らはこのBの分布の内、最も大きな磁束密度値Bmを制御することが、磁性材料を効率よく使い、性能の優れた磁気シールド構造を得るための方策であることを見出した。即ち、磁束密度の分布のうち最大値Bmを、使用している材料特性である飽和磁束密度Bsとの比において、
0.4≦Bm/Bs≦0.9
とすることである。この限定理由を以下に、実験事実を元に説明する。
<実験1>
長手方向に圧延方向を揃えた板厚0.35mm、幅33mm、長さ300mmの方向性電磁鋼板(飽和磁束密度Bs=2.0T)を用いて積層体を作り、積層体を長さ方向端部で互いに面接合し、300mm×300mmの四角形の磁性体フレームとした。積層体をなす電磁鋼板の枚数を種々変化させることによって、磁性体フレーム内の磁束密度を変化させることができる。この磁性体フレームを20セット用意し、間隙15mmをおいて図1のように配置し磁気シールド体とした。このシールド体のd/Wは15mm/33mm≒0.45である。シールド体内部の中心に径33mm×長さ167mmの鉄心にコイルを巻いた電磁石を設置し、直流磁場を発生させた。電磁石の軸とシールド体外壁が交わる位置で、シールド体がない場合の磁場の強さが2000μT(20G)、5000μT(50G)となるよう電磁石の電流を調整した。シールド後の漏洩磁場もこの位置で測定した。この電磁石の軸と同じ高さのフレームに磁束密度検出用コイルを、図2に示すように75mmピッチで、対象性を考慮して4辺の内2辺に巻いた。直流磁束計を用いて各部の直流磁束密度を測定し、最も大きな値をBmとした。そのBmをBsで規格化したBm/Bsと漏洩磁場の関係を図3に示す。シールドなしの磁場が2000μTのときも5000μTの時も、ほぼ同じ曲線を描き、Bm/Bsの上昇に従い漏洩磁場は大きくなる。特にこの値が0.9より大きくなると漏洩磁場が急激に大きくなる。また、方向性電磁鋼板の重量を増加させBm/Bsを小さくしていった場合、0.6より小さいと漏洩磁場の大きさは一定となりシールド性能は飽和してしまう。
<実験2>
次に飽和磁束密度1.1Tの、Ni−Fe合金であるPCパーマロイを用いて実験を行った。厚さ1mm、幅33mm、長さ300mmのPCパーマロイ4枚を、長さ方向端部で互いに面接合し、300mm×300mmの四角形の磁性体フレームとした。この磁性体フレームを20セット用意し、間隙15mmをおいて図1のように配置し磁気シールド体とした。d/Wは15mm/33mm≒0.45である。シールド体への磁場印加には直径900mmのヘルムホルツコイルを用いた。ヘルムホルツコイルの中心にシールド体を設置し、シールド体の二つの面が磁場方向と垂直となるように向きを決めた。ヘルムホルツコイルの発生する磁場を変化させて、シールド体中心部での磁場とパーマロイフレーム内の磁束密度を測定した。印加磁場はシールド体がない状態のコイル中心で、0〜1000μT(0〜10G)とした。フレーム内磁束密度は、シールド体高さ方向最高部と中心部に図2のコイルを巻いたフレームを設置し、各コイルの電圧から検出した。フレーム内での最大磁束密度BmをBsで規格化したBm/Bsと漏洩磁場の関係を図4に示す。方向性電磁鋼板を用いた<実験1>の場合と同様、Bm/Bsが0.9より大きくなると漏洩磁場が急激に大きくなる。また、印加磁場を減少しBm/Bsを小さくしていった場合、<実験1>より小さい0.4未満の場合に漏洩磁場の大きさは一定となりシールド性能は飽和した。
以上の実験より磁性体が異なっても、Bm/Bsが0.9より大きくなると急激に漏洩磁場が大きくなることが分かった。従って、本発明ではBm/Bs≦0.9とする。
また、方向性電磁鋼板とパーマロイではシールド性能が飽和するBm/Bsの下限値が異なった。これは、方向性電磁鋼板は圧延方向に容易軸を持ち異方性が強いが、パーマロイは等方的であることを反映していると考えられる。等方的な材料の使用を考慮して、本発明では0.4≦Bm/Bsとする。Bm/Bsの制御は、フレームを構成する磁性体の重量の増減によって可能となるが、さらに、空間の磁場が大きい場所に磁性体を多く配置し、磁場が小さい場所には少なく配置するなどの工夫をすれば、シールド体全体の重量を効率的に最大のシールド性能を得る事ができる。
また、本発明ではフレーム間隙dを、磁性体幅Wとの比d/Wで規定して、
1≦d/W≦20
とする。空気や光の透過性を良好に得るため下限は1以上とした。一方、上限を20以下としたのは、後に詳述する消磁操作を施しても、磁性体フレームの間隙からの磁場漏洩が無視できなくなるからである(図9参照)。
更に本発明では、磁性体フレームに交流磁場を印加するために、磁性体フレームに銅線をコイル状に巻回させる。銅線は個々の磁性体フレームに巻いても良いし、複数の磁性体フレームをまとめて巻いてもかまわない。また場合によっては、銅線を巻きつける磁性体フレームは一部であってもよい。コイルの巻き数は、磁性体フレームを構成する磁性体の保磁力以上の磁場を印加できる巻き数が好ましいが、その1/10程度の巻き数でも効果はある。以上のような基本構造を複数用意して、入れ子構造とするとシールド性能は更に良好となる。また、基本構造の天井と床を磁性体の板で覆うことも上下からの磁場漏洩を減少させる。コイルの巻き方の例を、図5(a)、(b)、(c)、図6(a)、(b)に示した。
次に、本発明は、上記のような磁気シールド構造に、遮蔽対象の磁場が印加されている状態でコイルに交流電流を流し、徐々に減じ、最後に交流電流を0とすることを特徴としている。このような消磁操作によって、シールド性能が向上する理由は、下記のように考えられる。
図7(a)は、フレーム内の磁化挙動を模式的に示したB−H曲線である。例えば、図7(b)のように、シールド構造の内側にH0の磁場を発生するものがあると、図7(a)に示すヒステリシス曲線のH0に対応しB1の磁束密度が磁性体フレーム内を流れる。一方、磁性体フレームにコイルを巻いて消磁操作をすると、磁性体フレーム内の磁化は図7(a)のB−H曲線曲線上を矢印のような経過をたどり、交流電流が0になった時点で磁束密度はB2となる。B2はB1よりも非常に大きな値となる。即ち、B1より大きな磁束密度(B2)がフレーム内を流れるので、消磁をしないときより、シールド構造からの漏洩磁場が少なくなる。
流す電流は磁性体の保磁力以上の交流磁場を与えることが好ましいが、その1/10程度でも効果はある。即ち、磁性体フレームの磁路長をL(m)、磁性体の保持力をHc(A/m)、コイル巻き数Nとしたときに、交流電流実効値の最大到達値Imax(A)を、
Imax≧(1/10)・L・Hc/N
とすれば、磁性体フレーム空隙からの漏洩を減少させることができる。また、Imaxの上限は、余り大きすぎると電源設備が大掛かりになり、コストや安全性の面からも相応しくないので、
Imax≦100・L・Hc/N
とすることが現実的である。
交流電流実効値の最大到達値Imaxを、Imax≧L・Hc/N、とすれば、間隙からの漏洩を格段に減じることができる。電流の周波数は交流であれば特に指定する必要はないが、商用周波近傍の10〜100Hz程度が使用しやすい。
また、電流を減じるときの速度は遅いほど良好なシールド性能が得られる。電流をImaxから数秒で0にする程度の速度が、現実的に操作しやすい。交流電流を徐々に減じる手段としては、スライダック(電圧調整トランス)を用いて手動で徐々に電圧を減じて電流を小さくしても良いし、専用のプログラミングされた自動電流制御装置などを用いても良い。ただし、ヒステリシス曲線は、磁性体に固有のものであるので、交流電流の減じ方には上記に限定されず、最後に交流電流を0にすることが重要である。
本発明に用いることができる磁性体は所謂、軟質磁性体であり、方向性電磁鋼板、無方向性電磁鋼板、Ni、Feを主成分とするPBパーマロイ、PCパーマロイなどであるが、その他、純鉄系材料、アモルファス、微結晶軟質磁性材料なども用いることができる。
<実施例1>
長手方向に圧延方向を揃えた、厚さ0.35mm、幅25mm、長さ900mmの方向性電磁鋼板を用いて、900mm×900mmの四角形の磁性体フレーム10段からなる高さ900mmのシールド体を作製した。磁性体フレーム一辺あたり8層の電磁鋼板を積層した。磁性体フレーム間隔は100mmで、d/Wは4である。銅線を10段の磁性体フレームにまとめて40ターン、磁気回路の磁束方向に均一にコイル状に巻きまわした。磁気シールド体の内部中心には、径100mm×長さ500mmの鉄心に銅線を巻いた電磁石を設置し磁場を発生させる。発生させる磁場は直流で、シールド体外壁が電磁石の軸と交わる位置において、シールド体がない状態で2000μT(20G)となるように調整した。この直流磁場が発生している状態で、シールド体のコイルに50Hz、実効値10Aの電流を通電し、徐々に電流を減じ、最後に0とした。電流の制御はスライダックを用いて手動で行った。
この状態で、電磁石軸に垂直なシールド体外壁面上を、電磁石軸を高さの基準として上下方向に漏洩磁場の分布を調べた。比較例として、シールド体にコイルを施さない状態でも同様の漏洩磁場を測定した。測定装置の構成を図8に、漏洩磁場の高さ方向の変化を図9に示す。本発明では、磁性体フレーム間隙からの磁場漏洩が小さくなっている事が分かる。
<実施例2>
長手方向に圧延方向を揃えた、厚さ0.35mm、幅25mmおよび10mm、長さ900mmの方向性電磁鋼板を用いて、900mm×900mmの四角形の磁性体フレームからなる高さ900mmのシールド体を作製した。電磁鋼板の総量は一定のまま、磁性体フレームの間隔を変化させた。シールド体の構成を表1に示す。銅線をすべての磁性体フレームにまとめて40ターン、磁気回路の磁束方向に均一にコイル状に巻きまわした。実施例1と同様にシールド体の中心に電磁石を設置し、同じ条件で内部から磁場を発生した。この直流磁場が発生している状態で、シールド体のコイルに50Hz、実効値10Aの電流を通電し、徐々に電流を減じ、最後に0とした。電流の制御はスライダックを用いて手動で行った。
電磁石軸がシールド体外壁面上と交わる点で漏洩磁場を測定した。また比較例としてシールド体にコイルを施さないで同様の漏洩磁場を測定した。漏洩磁場を表1と、図10に示す。フレーム間隔が開いても、本発明によって漏洩磁場が抑制されていることが分かる。
Figure 2007311457
<実施例3>
厚さ0.35mm、幅25mm、長さ900mmの、保磁力Hcが8A/mの方向性電磁鋼板を用いて、900mm×900mmの四角形の磁性体フレームを用意した。磁性体フレームの磁路長Lは、3.5mである。磁性体フレーム一辺あたりには8層の電磁鋼板を重ねた。磁性体フレームを、100mmの間隔で10段、縦方向に重ね、900mmのシールド体とした。d/Wは4.0である。次に銅線を10段の磁性体フレームにまとめて10ターン、磁気回路の磁束方向に均一にコイル状に巻きまわした。以上からこのシールド体のL・Hc/Nは、2.8Aである。実施例1と同条件で磁気シールド体の内部から磁場を発生させた。この直流磁場が発生している状態で、シールド体のコイルに周波数50Hzの電流を、最大到達値Imaxを変化させて通電し、徐々に電流を減じ、最後0とした。その後、電磁石軸がシールド体外壁面上と交わる点で漏洩磁場を測定した。Imaxと漏洩磁場を表2に示す。Imaxを(1/10)・L・Hc/N以上とすることによって、漏洩磁場は減少する。
Figure 2007311457
実験1および実験2で用いたシールド体の構造を示す図。 磁気シールドフレームに巻いた磁束密度ピックアップコイルの様子を示す図。 実験1における、Bm/Bsと漏洩磁場の関係を示す図。 実験2における、Bm/Bsと漏洩磁場の関係を示す図。 (a)、(b)、(c)は本発明の基本構造の例を示す図。 (a)、(b)は本発明の基本構造の例を示す図。 (a)はフレーム内の磁化挙動を模式的に示したB−H曲線図で、(b)はシールド構造における磁化挙動を示す図。 実施例1の測定装置の構成を示す図。 実施例1で測定したシールド体の高さ方向の漏洩磁場分布を示す図。 実施例2で測定した漏洩磁場とd/Wの関係を示す図。

Claims (4)

  1. 幅Wの板状磁性体、あるいは、それら板状磁性体の積層体を、長さ方向の端部同士で相互接触させ、磁気回路が閉じるように磁性体フレームを形成し、かつ複数の磁性体フレームを、磁性体の厚さ方向に間隙dをおいて配置する磁気シールド構造において、前記磁性体フレーム内で分布した磁束密度Bの内、最も大きな値Bmを、板状磁性体の材料特性である飽和磁束密度Bsとの比を、
    0.4≦Bm/Bs≦0.9とし、
    かつ、板状磁性体幅Wと磁性体フレーム間隔dの比を、
    1≦d/W≦20
    とし、個々の磁性体フレームあるいは複数の磁性体フレームに銅線をコイル状に巻いた構造としたことを特徴とする磁気シールド構造。
  2. 前記板状磁性体が電磁鋼板あるいはパーマロイであることを特徴とする請求項1に記載の磁気シールド構造。
  3. 前記1記載の磁気シールド構造に遮蔽対象の磁場が印加された状態で、磁性体フレームに施された銅線コイルに交流電流を流し、徐々に交流電流を減少させ、最後に0とすることを特徴とする磁気シールド方法。
  4. 前記銅線コイルに流す交流電流の実効最大到達値Imaxを、
    Imax≧(1/10)・L・Hc/N
    ここで、L :フレームの磁路長(m)
    Hc:磁性体の保持力(A/m)
    N :コイル巻き数
    とすることを特徴とする請求項3に記載の磁気シールド方法。
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