JP2007311130A - プラズマディスプレイパネル - Google Patents
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Abstract
【課題】駆動電圧を低下させるとともに高い発光効率を備えたPDPを提供する。
【解決手段】前面ガラス基板11の背面に形成されて行電極対(X1,Y1)を被覆する誘電体層12の放電ギャップg1に対向する部分に凹部12Aが形成され、この凹部12Aの内側面12Aaが前面ガラス基板11と平行な方向に対して凹部12Aの開口部を拡開する方向に傾斜していて、この凹部12Aの内側面12Aaの前面ガラス基板11と平行な方向に対する傾斜角度θが32°以下に設定されている。
【選択図】図3
Description
この発明は、プラズマディスプレイパネルの構成に関する。
面放電方式交流型プラズマディスプレイパネル(以下、PDPという)は、一般的に、放電ガスが封入されている放電空間を挟んで互いに対向する二枚のガラス基板のうち、一方のガラス基板側に、行方向に延びるとともに列方向に並設された複数の行電極対が配置されて誘電体層によって被覆され、他方のガラス基板側に、列方向に延びるとともに行方向に並設された複数の列電極が配置されており、放電空間の行電極対と列電極がそれぞれ交差する部分に、赤,緑,青の蛍光体層を備えた放電セルが形成されて、この放電セルがパネル面にマトリクス状に配置された構成を備えている。
そして、一対のガラス基板の間の放電空間内に、キセノンを含む放電ガスが封入されている。
このPDPは、行電極対を構成する対になっている行電極のうちの一方の行電極と列電極との間で選択的にアドレス放電が発生されて、発光セル(対向する部分の誘電体層に壁電荷が形成されている放電セル)と非発光セル(対向する部分の誘電体層の壁電荷が消去されている放電セル)の選択が行われて、この発光セルと非発光セルとが映像信号の画像データに対応してパネル面に分布される。
この後、各行電極対の互いに対になっている行電極に交互にサステイン・パルスが印加されて、発光セル内においてサステイン放電が発生され、このサステイン放電によって放電空間内の放電ガス中のキセノンから真空紫外線が発生されて、この真空紫外線によって各発光セル内の赤,緑,青の蛍光体層が励起されて可視光が発生されることにより、パネル面にマトリクス表示による画像が形成される。
このような構成のPDPにおいては、発光効率を高めるために、放電ガス中のキセノンの分圧を高めたり、または、サステイン放電を行う行電極対を被覆する誘電体層の厚さを厚くして放電電流を抑制するようにした方が良いことが知られている。
しかしながら、この放電ガス中のキセノンの分圧を高める場合や誘電体層の厚さを厚くしたりする場合には、何れの場合も、放電電圧が上昇するために駆動回路コストが上昇したり、電極間の静電容量による無効電力の増加によって消費電力が増大したりするという問題が発生する。
このため、従来のPDPには、図1に示されるように、前面ガラス基板1の背面の行電極対(X,Y)を被覆する誘電体層2の放電ギャップgに対向する部分に凹部2Aを形成して、この誘電体層2の放電ギャップgに対向する部分の厚さを誘電体層2の他の部分の厚さよりも薄くし、放電ギャップg付近の電界強度を高めることによって、駆動電圧を低下させるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)
しかしながら、この図1の従来のPDPにおいては、凹部2Aが形成されることにより、誘電体層2の放電ギャップgに対向して放電が発生される面にほぼ直角な角部分が存在することになって、駆動電圧は低下するものの、行電極X,Y間での放電発生時にエネルギ損失が発生してしまい、充分な発光効率を得られなくなったり、最小放電維持電圧が上昇してしまうといった新たな問題が発生する。
しかしながら、この図1の従来のPDPにおいては、凹部2Aが形成されることにより、誘電体層2の放電ギャップgに対向して放電が発生される面にほぼ直角な角部分が存在することになって、駆動電圧は低下するものの、行電極X,Y間での放電発生時にエネルギ損失が発生してしまい、充分な発光効率を得られなくなったり、最小放電維持電圧が上昇してしまうといった新たな問題が発生する。
この発明は、上記のような従来のPDPが有している問題点を解決することをその技術的課題の一つとしている。
この発明(請求項1に記載の発明)によるPDPは、上記目的を達成するために、放電空間を挟んで対向する一対の基板と、この一対の基板のうちの一方の基板側に配置されて行方向に延び列方向に並設されているとともに、それぞれに放電ギャップを介して互いに対向する対になった行電極によって構成される複数の行電極対と、一方の基板側に形成されて行電極対を被覆する誘電体層と、他方の基板側に配置されて列方向に延び行方向に並設された複数の列電極とを備え、この列電極と行電極対が交差する部分の放電空間にそれぞれ単位発光領域が形成されているプラズマディスプレイパネルにおいて、前記誘電体層の放電ギャップに対向する部分に凹部が形成され、この凹部の内側部が基板と平行な方向に対して凹部の開口部を拡開する方向に傾斜しており、この凹部の内側部の基板と平行な方向に対する傾斜角度が32°以下になっていることを特徴としている。
この発明は、基板の背面に形成されて行電極対を被覆する誘電体層の放電ギャップに対向する部分に凹部が形成され、この凹部の内側部が基板と平行な方向に対して凹部の開口部を拡開する方向に傾斜していて、この凹部の内側部の基板と平行な方向に対する傾斜角度が32°以下になっているPDPをその最良の実施形態としている。
この実施形態におけるPDPは、行電極対を被覆する誘電体層の背面において、行電極間の放電ギャップに対向してこの行電極間でサステイン放電が発生される部分に凹部が形成されて、この凹部が形成されている部分の誘電体層の膜厚が誘電体層の他の部分の膜厚よりも小さくなっていることにより、サステイン放電発生時の駆動電圧が、誘電体層の背面がフラットになっている場合に比べて低減され、さらに、凹部の内側部が基板と平行な方向に対してこの凹部の開口部を拡開させる方向に傾斜するように形成されているとともに、この内側部の傾斜角度が32°以下になるように設定されていることによって、誘電体層のサステイン放電の発生部分に凹部が形成されることによって生じるエネルギ損失を従来のPDPの場合よりも小さくすることが出来、これによって、凹部の形成による発光効率の低下を防止することが出来る。
さらに、上記実施形態のPDPは、誘電体層に内側部の傾斜角度が32°以下の小さい値に設定された凹部が形成されて、サステイン放電時のエネルギ損失が低減されるのに伴って、最小サステイン放電電圧が上昇するのを防止することが出来、その結果、誘電体層のメモリ・マージンを改善することが出来る。
上記実施形態のPDPにおいて、凹部の内側部の傾斜角度が上記よりもさらに小さい14°以下となるように設定するのが好ましい。
この場合には、凹部が設けられていない場合と比較して発光効率を上昇させることが出来る。
なお、上記実施形態のPDPにおいて、誘電体層に形成される凹部は、放電が行われる各単位発光領域毎に島状に形成されていても良く、または、行方向に延びて行方向に隣接する単位発光領域間に跨った帯状に形成されていても良い。
凹部が各単位発光領域毎に島状に形成されている場合には、行方向に隣接する単位発光領域間が閉じられることによって、アドレス放電時の単位発光領域の誤選択や、サステイン放電時の誤放電の発生が防止され、また、凹部が隣接する単位発光領域間に跨って行方向に延びる帯状に形成されている場合には、隣接する単位発光領域間がこの帯状の凹部によって連通されることによって、PDP製造時の放電空間からの排気経路や放電空間への放電ガスの導入経路が確保され、また、PDPの駆動時に、行方向に隣接する単位発光領域へのプライミング粒子の導入経路が確保される。
図2および3は、この発明によるPDPの実施形態の一実施例を示しており、図2はこの実施例におけるPDPの一部を模式的に示す正面図、図3は図2のV−V線における断面図である。
この図2および3において、PDP10は、PDPの表示面を構成する前面ガラス基板11の背面に、行方向(図2において左右方向)に延びるとともに列方向(図2において上下方向)に並設された行電極対(X1,Y1)が形成されている。
この行電極対(X1,Y1)を構成する行電極X1とY1は、それぞれ、行方向に帯状に延びるバス電極X1a,Y1aと、このバス電極X1a,Y1aに沿って等間隔に配列されてそれぞれバス電極X1a,Y1aから対になっている他方の行電極側に延びて互いに放電ギャップg1を介して対向される透明電極X1b,Y1bとから構成されている。
そして、この前面ガラス基板11の背面側には、さらに、誘電体層12が形成されて、この誘電体層12によって行電極対(X1,Y1)が被覆されている。 透明電極X1b,Y1bは、図3に示されるように、何れも、誘電体層12に接している側の面が前面ガラス基板11に対して一様に平行になるように成形されている。
この誘電体層12の背面の透明電極X1b,Y1b間の放電ギャップg1に対向する部分に、後で詳述するような形状の凹部12Aが形成されている。
この凹部12Aを含む誘電体層12の背面は、MgO等によって形成された図示しない保護層によって被覆されている。
一方、前面ガラス基板11と放電空間を介して対向する背面ガラス基板13の前面ガラス基板11に対向する表示側の面上には、アドレス電極D1が、各行電極対(X1,Y1)の互いに対になっている透明電極X1bおよびY1bに対向する位置において行電極対(X1,Y1)と直交する列方向に延びるとともに、行方向に互いに所定の間隔を開けて平行に並設されている。
なお、図示の例では、この列電極D1の透明電極Y1bに対向する部分が列電極D1の他の部分よりも拡幅されていて、列電極D1と透明電極Y1bが対向する面積が、列電極D1と透明電極X1bが対向する面積よりも大きくなっている。
この背面ガラス基板13の表示側の面上には、さらに、アドレス電極D1を被覆する列電極保護層14が形成され、この列電極保護層14上に、それぞれ、隣接する行電極対(X1,Y1)の間の部分に対向する位置において行方向に延びるとともに列方向に並設された横壁15Aと、列方向に並設された各アドレス電極D1の中間位置に対向する位置において列方向に延びるとともに行方向に並設された縦壁15Bとによってそれぞれ略格子形状に成形された隔壁15が形成されており、この隔壁15によって、前面ガラス基板11と背面ガラス基板13の間の放電空間が、各行電極対(X1,Y1)の放電ギャップg1を介して対向される透明電極X1b,Y1bに対向する部分毎にマトリクス状に区画されて、それぞれ放電セルC1が形成されている。
各放電セルC1内には、列電極保護層14の表面の隔壁15に囲まれた部分および隔壁15の横壁15Aと縦壁15Bの側面の五つの面に、それぞれ赤,緑,青に色分けされた蛍光体層16が、赤,緑,青の順に行方向に並ぶように形成されている。
この前面ガラス基板11と背面ガラス基板13の間の放電空間内には放電ガスが封入されており、この実施例では、放電ガスは、ネオンとキセノンの混合ガスであり、全圧が500Torrに、キセノン分圧が100Torrにそれぞれ設定されている。
また、このPDP10の各構成部分の寸法は、この実施例においては、下記のように設定されている。
・放電セルC1のサイズ:700μm×310μm
・放電セルC1の開口部サイズ:640μm×250μm
・放電ギャップg1の列方向幅:75μm
・誘電体層12の膜厚:33μm。
・誘電体層12の比誘電率:7.0
・透明電極X1b,Y1bの列方向の突出長さ:150μm
・バス電極X1a,Y1aの列方向幅:80μm
誘電体層12の背面に形成された凹部12Aは、以下のような形状に成形されている。
・放電セルC1のサイズ:700μm×310μm
・放電セルC1の開口部サイズ:640μm×250μm
・放電ギャップg1の列方向幅:75μm
・誘電体層12の膜厚:33μm。
・誘電体層12の比誘電率:7.0
・透明電極X1b,Y1bの列方向の突出長さ:150μm
・バス電極X1a,Y1aの列方向幅:80μm
誘電体層12の背面に形成された凹部12Aは、以下のような形状に成形されている。
すなわち、凹部12Aは、放電セルC1に対向する部分毎に、誘電体層12の背面の放電ギャップg1とこの放電ギャップg1を挟む透明電極X1b,Y1bの先端部分を含む後述するようなサステイン放電の発生する部分に対向する部分において、平面形状が略方形の島状になるように成形されている。
この凹部12Aは、その四方を囲む内側面12Aaが、それぞれ、誘電体層12の背面側の開口面の面積が前面ガラス基板11側の頂面12Abの面積よりも拡大されるように傾斜した、略角錐台形に成形されている。
この凹部12Aの頂面12Abの列方向幅は、この実施例においては150μmに設定されている。
そして、この凹部12Aの各内側面12Aaの前面ガラス基板11と平行な方向に対する傾斜角度θは、後述するような理由により、32°以下、好ましくは14°以下の値に設定されている。
このような四方の内側面12Aaが傾斜した凹部12Aの誘電体層12への形成は、以下のような方法によって行われる。
すなわち、前面ガラス基板11の背面に、行電極X1,Y1のバス電極X1a,Y1aおよび透明電極X1b,Y1bが、フォトリソ法等によってパターンニングされて形成された後、さらに、前面ガラス基板11の背面に誘電体ペーストがフラットに印刷されて、焼成される。
このとき、この焼成後の誘電体ペーストによって形成される誘電体層の膜厚は、前面ガラス基板11と凹部12Aの頂面12Abとの間の部分の誘電体層12の膜厚と等しくなるように設定されている。
次に、この焼成された誘電体層上に誘電体ペーストが重ねて印刷され、乾燥された後、この誘電体ペースト層上にドライ・フィルム・レジストが貼り付けられて、パターンニングが行われることにより、ドライ・フィルム・レジストの凹部12Aの形成位置に対向する部分に、開口部が形成される。
この後、サンド・ブラストが行われて、ドライ・フィルム・レジストの開口部に対向する部分の乾燥された誘電体ペースト層が除去されて、凹部が形成される。
そして、ドライ・フィルム・レジストの剥離および誘電体ペースト層の洗浄が行われた後、この誘電体ペースト層の焼成が行われる。
このとき、誘電体ペースト層の焼成温度や時間などの焼成条件が所要の条件に設定されることによって、この誘電体ペースト層に形成される凹部の内側面の傾斜角度が所望の角度に設定される。
すなわち、焼成時に、凹部の周縁部の誘電体ペーストが一時的に軟化して流れ出すことによって、凹部の内側面の前面ガラス基板11と平行な方向に対する傾斜角度が小さくなってゆく。
この傾斜角度は、焼成温度が高くなるほど、または、最高焼成温度の継続時間が長くなるほど小さくなる。
したがって、この凹部の内側面の前面ガラス基板11と平行な方向に対する傾斜角度が、32°以下の値になるように、焼成温度または最高焼成温度の継続時間が設定される。
以上のようにして、四方の内側面12Aaの前面ガラス基板11と平行な方向に対する傾斜角度が32°以下に設定された凹部12Aが、誘電体層12のそれぞれ放電セルC1に対向する所定の位置に形成される。
このPDP10は、各行電極対(X1,Y1)の行電極Y1に順次スキャン・パルスが印加され、これと同時に、列電極D1に選択的にデータ・パルスが印加されて、このスキャン・パルスが印加された行電極Y1とデータ・パルスが印加された列電極D1が交差している部分に形成されている放電セルC1内において、行電極Y1と列電極D1との間でアドレス放電が発生され、このアドレス放電によって形成される発光セル(対向している部分の誘電体層12に壁電荷が形成されている放電セルC1)と非発光セル(対向している部分の誘電体層12の壁電荷が消去されている放電セルC1)とが、映像信号の画像データに対応してパネル面に分布される。
この後、各行電極対(X1,Y1)のそれぞれ対になっている行電極X1とY1に交互にサステイン・パルスが印加されて、発光セル内において、透明電極X1bとY1bの間で放電ギャップg1を介してサステイン放電が発生される。
そして、発光セル内において、このサステイン放電によって、放電空間内に封入されている放電ガス中のキセノンから真空紫外線が発生され、この真空紫外線によって発光セル内の赤,緑,青の蛍光体層16が励起されて可視光が発生されることにより、パネル面にマトリクス表示による画像が形成される。
図4は、誘電体層のサステイン放電が発生される部分に形成される凹部の内側面の前面ガラス基板と平行な方向に対する傾斜角度と、上記のようなサステイン放電発生時における発光効率の変化率との関係を調べた実験結果を示すグラフである。
ここで、発光効率の変化率とは、誘電体層に凹部が設けられていない場合の発光効率に対して、誘電体層に凹部が設けられた場合に、この凹部の内側面の傾斜角度に対応して発光効率が変化する割合を示している。
なお、前述したような凹部の形成方法において、凹部の内側面の傾斜角度を任意の角度に設定するために焼成温度を変えたり、または、最高焼成温度の継続時間を変えたりする場合でも、誘電体層の膜厚は変化していない。
この図4から分かるように、凹部の内側面の傾斜角度θが32°よりも大きくなると、発光効率が減少する割合が著しく大きくなり、さらに、傾斜角度θが14°のときに、発光効率が凹部を設けない場合の発光効率とほぼ同じ値になり、傾斜角度θが14°未満になると、発光効率が凹部を設けない場合の発光効率よりも上昇している。
以上のような理由から、上記PDP10は、この図4の実験結果に基づいて、誘電体層12に設けられた凹部12Aの内側面12Aaの傾斜角度θが32°以下、好ましくは14°以下になるように設定されている。
なお、誘電体層に凹部を設けたことによる駆動電圧の低減率と凹部の内側面の傾斜角度θとの関係を調べる実験を行ったが、その結果、駆動電圧の低減率は凹部の内側面の傾斜角度の大きさとはほとんど関係が無く、駆動電圧の低減率は凹部の深さによって変わり、凹部の深さが大きくなるほど駆動電圧の低減率が大きくなることが分かった。
以上のように、上記PDP10は、サステイン放電発生時に、行電極X1,Y1の透明電極X1b,Y1bの先端部とその間の放電ギャップg1に対向する部分の誘電体層12に凹部12Aが形成されて、誘電体層12の凹部12Aが形成されている部分の膜厚が誘電体層12の他の部分の膜厚よりも小さくなっていることにより、サステイン放電時の駆動電圧が、誘電体層の背面がフラットになっている場合に比べて低減される。
そして、このPDP10は、この誘電体層12に凹部12Aが形成されることによって駆動電圧が低減される同時に、この凹部12Aの四方を囲む内側面12Aaが前面ガラス基板11と平行な方向に対して傾斜角度θが32°以下になるように傾斜して形成されることによって、誘電体層に凹部が形成されることによって発生するエネルギ損失が従来のPDPの場合よりも小さくなり、これによって、発光効率が低下するのを防止することが出来る。
さらに、PDP10は、凹部12Aの内側壁面12Aaの傾斜角度θが14°以下に設定されている場合には、凹部が設けられていない場合と比較して発光効率を上昇させることが出来る。
また、このPDP10は、凹部12Aの内側面12Aaの傾斜角度θが32°以下の小さい値に設定されてサステイン放電時のエネルギ損失が低減されるのに伴って、最小サステイン放電電圧が上昇するのを防止することが出来、その結果、誘電体層12のメモリ・マージンを改善することが出来る。
上記実施例においては、誘電体層12に形成された凹部12Aが、放電セルC1に対向する部分毎に略方形の島状に成形されている例が示されているが、図5に示されるように、誘電体層の背面の透明電極X1bおよびY1bの先端部分とこの透明電極X1b,Y1bの間の放電ギャップg1に対向する部分に、隣接する放電セルC1間に跨って行方向に延びる帯状の凹部22Aを形成するようにしても良い。
この場合には、凹部22Aの列方向における両側の内側面22Aaが、それぞれ、前面ガラス基板と平行な方向に対して傾斜角度が32°以下、好ましくは14°以下になるように設定される。
このように、隣接する放電セルC1間に跨って行方向に延びる帯状の凹部22Aが形成される場合には、隣接する放電セルC1間がこの帯状の凹部22Aによって連通されることによって、PDP製造時の放電空間からの排気経路や放電空間への放電ガスの導入経路が確保され、また、PDPの駆動時に、行方向に隣接する放電セルC1へのプライミング粒子の導入経路が確保される。
なお、図2のように、放電セルC1毎に凹部12Aが島状に形成される場合には、行方向に隣接する放電セルC1間が閉じられることによって、アドレス放電時の放電セルC1の誤選択や、サステイン放電時の誤放電の発生を防止することが出来る。
また、上記実施例においては、凹部12Aの頂面12Abと前面ガラス基板11との間に誘電体層が形成されている構成が示されているが、前面ガラス基板の背面が凹部内に露出されている構成、すなわち、凹部の深さと誘電体層の膜厚とが等しい構成であっても良い。
この場合にも、駆動電圧の低減と発光効率の低下防止を同時に図ることができるとともに、電極間の静電容量をさらに低減させることができる。
また、上記実施例においては、放電空間に封入される放電ガス中のキセノン分圧が100Torrに設定されているが、このキセノン分圧は100Torr以上であっても100Torr以下であっても良い。
しかしながら、キセノン分圧の値が100Torr以上に設定されることによって、発光効率がさらに向上されるとともに、輝度も向上されるようになる。
また、上記実施例においては、誘電体層12の比誘電率が7.0に設定されているが、この誘電体層12の比誘電率は7.0以上でも7.0以下であっても良い。
しかしながら、誘電体層12の比誘電率の値が7.0以下に設定されることによって、発光効率がさらに向上されるとともに、静電容量がさらに低減されるようになる。
上記実施例のPDPは、基板の背面に形成されて行電極対を被覆する誘電体層の放電ギャップに対向する部分に凹部が形成され、この凹部の内側部が基板と平行な方向に対して凹部の開口部を拡開する方向に傾斜していて、この凹部の内側部の基板と平行な方向に対する傾斜角度が32°以下、好ましくは14°以下に設定されているPDPを、その上位概念の実施形態としている。
この上位概念を構成する実施形態のPDPは、行電極対を被覆する誘電体層の背面において、行電極間の放電ギャップに対向してこの行電極間でサステイン放電が発生される部分に凹部が形成されて、この凹部が形成されている部分の誘電体層の膜厚が誘電体層の他の部分の膜厚よりも小さくなっていることにより、サステイン放電発生時の駆動電圧が、誘電体層の背面がフラットになっている場合に比べて低減され、さらに、この駆動電圧を低減させるのと同時に、凹部の内側部が基板と平行な方向に対してこの凹部の開口部を拡開させる方向に傾斜するように形成されて、この内側部の傾斜角度が32°以下、好ましくは14°以下になるように設定されていることによって、誘電体層のサステイン放電の発生部分に凹部が形成されることによって発生するエネルギ損失を従来のPDPの場合よりも小さくすることが出来、これによって、凹部の形成によって発光効率が低下するのを防止することが出来る。
さらに、この凹部の形成によってサステイン放電時のエネルギ損失が低減されるのに伴って、最小サステイン放電電圧が上昇するのを防止することが出来、その結果、誘電体層のメモリ・マージンを改善することが出来る。
11 …前面ガラス基板(一方の基板)
12 …誘電体層
12A,22A …凹部
12Aa,22Aa …内側面(内側部)
12Ab …頂面
13 …背面ガラス基板
15 …隔壁
16 …蛍光体層
C1 …放電セル(単位発光領域)
D1 …列電極
X1,Y1 …行電極
X1a,Y1a …バス電極
X1b,Y1b …透明電極
g1 …放電ギャップ
θ …傾斜角度
12 …誘電体層
12A,22A …凹部
12Aa,22Aa …内側面(内側部)
12Ab …頂面
13 …背面ガラス基板
15 …隔壁
16 …蛍光体層
C1 …放電セル(単位発光領域)
D1 …列電極
X1,Y1 …行電極
X1a,Y1a …バス電極
X1b,Y1b …透明電極
g1 …放電ギャップ
θ …傾斜角度
Claims (5)
- 放電空間を挟んで対向する一対の基板と、この一対の基板のうちの一方の基板側に配置されて行方向に延び列方向に並設されているとともに、それぞれに放電ギャップを介して互いに対向する対になった行電極によって構成される複数の行電極対と、一方の基板側に形成されて行電極対を被覆する誘電体層と、他方の基板側に配置されて列方向に延び行方向に並設された複数の列電極とを備え、この列電極と行電極対が交差する部分の放電空間にそれぞれ単位発光領域が形成されているプラズマディスプレイパネルにおいて、
前記誘電体層の放電ギャップに対向する部分に凹部が形成され、この凹部の内側部が基板と平行な方向に対して凹部の開口部を拡開する方向に傾斜しており、この凹部の内側部の基板と平行な方向に対する傾斜角度が32°以下になっていることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。 - 前記凹部の内側部の傾斜角度が14°以下になっている請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
- 前記凹部が、各単位発光領域毎に島状に形成されている請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
- 前記凹部が、行方向に延びて行方向に隣接する単位発光領域間に跨った帯状に形成されている請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
- 前記行電極の誘電体層に接する側の面が、一方の基板に対して平行になるように成形されている請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
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JP2006137973A Pending JP2007311130A (ja) | 2006-05-17 | 2006-05-17 | プラズマディスプレイパネル |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007311130A (ja) |
-
2006
- 2006-05-17 JP JP2006137973A patent/JP2007311130A/ja active Pending
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