JP2007311013A - 垂直磁気ヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】主磁極の残留磁化成分によって生じるポールイレーズを抑え、より高密度な記録を可能にする垂直磁気ヘッドを提供する。
【解決手段】ライトヘッドとして、記録媒体の媒体面に向けて磁束を放出する主磁極を備えた垂直磁気ヘッドであって、前記主磁極は、厚さ方向に磁性薄膜を2層に積層して形成され、前記磁性薄膜のうち、上層の磁性薄膜が第一の飽和磁束密度を有する高Bs磁性薄膜層として形成され、下層の磁性薄膜が前記第一の飽和磁束密度よりも低い第二の飽和磁束密度を有する低Bs磁性薄膜層として形成され、前記高Bs磁性薄膜層と低Bs磁性薄膜層が次式を満足することを特徴とする垂直磁気ヘッド。(高Bs磁性薄膜層の体積)×(第一の飽和磁束密度)<(低Bs磁性薄膜層の体積)×(第二の飽和磁束密度)
【選択図】図1

Description

本発明は垂直磁気ヘッドに関し、より詳細には記録ヘッドの主磁極の構成を特徴とする垂直磁気ヘッドに関する。
図8は、磁気ディスク装置に用いられる垂直磁気ヘッドの構成例を示す。この垂直磁気ヘッドは、下部シールド層5と上部シールド層7とで再生用のMR素子6を挟む配置に設けられたリードヘッド8と、ライトギャップ13を挟んで配置された主磁極12とリターンヨーク15とを備えたライトヘッド10からなる。リターンヨーク15の端部には、主磁極12から発生した磁界がリターンヨーク15の側へ拡散することを防止するトレーリングシールド14が設けられ、リターンヨーク15と主磁極12とで挟まれた配置に記録用のコイル11が設けられている。
磁気ディスク装置では、記録密度の向上とともに記録用媒体にはより保磁力の大きな材料が使用されるようになってきた。これにともない、磁気ヘッドのライトヘッドにはより狭いトラックに情報を書き込めるようにするため、大きな磁場を発生させることが求められ、垂直磁気ヘッドのライトヘッド、とくにライトヘッドの主磁極には高飽和磁束密度(高Bs)を有する磁性材料が用いられている。
しかしながら、高Bs材料は、一般に軟磁気特性が悪く、残留磁化成分が大きいために、記録用のコイルに電流が流れていない場合でも主磁極から発生する磁場によって、記録用媒体に記録した情報を消去してしまうという、いわゆるポールイレーズといった問題が生じる。
このため、図5(a)に示すように、主磁極12の磁極端12aを逆台形状(トレーリングシールド14側が幅広でリードヘッド側が幅狭となる形状)として、媒体の内周側と外周側との間を磁気ヘッドがシーク動作する際に隣接するトラックに残留磁化が影響を及ぼさないようにする、また、図5(b)に示すように、主磁極12の先端を細幅に絞る形態として磁極端12aに磁束が集中する形態とする、また、主磁極12の端面形状をT字形等とする(特許文献1参照)といった方法が提案されている。
特開2003−242608号公報
しかしながら、実際には、主磁極の形状を工夫する方法のみによって主磁極に高Bs材を使用することによる残留磁化成分によるポールイレーズの問題を解消することは難しく、従来は、ポールイレーズの問題が生じない範囲内でできるだけ高飽和磁束密度を有する磁性材を用いて主磁極を形成している。
本発明は、垂直磁気ヘッドにおけるこれら従来の課題を解決すべくなされたものであり、垂直磁気ヘッドの主磁極の構成を改良することにより、主磁極の残留磁化成分によって生じるポールイレーズの問題を解消し、主磁極に高飽和磁束密度を有する磁性材料を使用することを可能として、高密度の記録を可能にする垂直磁気ヘッドを提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するため次の構成を備える。
すなわち、ライトヘッドとして、記録媒体の媒体面に向けて磁束を放出する主磁極を備えた垂直磁気ヘッドであって、前記主磁極は、厚さ方向に磁性薄膜を2層に積層して形成され、前記磁性薄膜のうち、上層の磁性薄膜が第一の飽和磁束密度を有する高Bs磁性薄膜層として形成され、下層の磁性薄膜が前記第一の飽和磁束密度よりも低い第二の飽和磁束密度を有する低Bs磁性薄膜層として形成され、前記高Bs磁性薄膜層と低Bs磁性薄膜層が次式を満足することを特徴とする垂直磁気ヘッド。(高Bs磁性薄膜層の体積)×(第一の飽和磁束密度)<(低Bs磁性薄膜層の体積)×(第二の飽和磁束密度)
また、前記主磁極は、磁極端の端面形状が逆台形状に形成されていることにより、主磁極の残留磁化成分によるポールイレーズの作用をさらに抑制することができる。
また、前記主磁極は、断面形状が逆台形状に形成され、前記主磁極の磁極端の端面の下底をa、上底をc、前記高Bs磁性薄膜層の底辺の長さをb、高さをT_h、飽和磁束密度をBs_hとし、前記低Bs磁性薄膜層の高さをT_l、飽和磁束密度をBs_lとするとき、前記高Bs磁性薄膜層と前記低Bs磁性薄膜層が次式を満足することを特徴とする。
T_h×(c+b)×Bs_h<T_l×(b+a)×Bs_l
このように、主磁極の断面形状が台形状に形成されている場合には、主磁極の磁極端の端面形状に基づいて高Bs磁性薄膜層と低Bs磁性薄膜層を設計することができる。
また、前記低Bs磁性薄膜層として、困難軸方向の保磁力(Hc)として、5(Oe)以下の磁性材料からなるものを使用することにより、高Bs磁性薄膜層を備えた主磁極の残留磁化成分によるポールイレーズ効果を効果的に抑制することができる。
本発明に係る垂直磁気ヘッドは、主磁極を高Bs磁性薄膜層と軟磁気特性にすぐれた低Bs磁性薄膜層の積層構造とすることにより、高Bs薄膜磁性層の作用により記録媒体に高密度に情報を記録することを可能にし、また低Bs薄膜磁性層の作用によって高Bs薄膜磁性層に起因する残留磁化成分を抑えることが可能となり、主磁極を用いて高密度に書き込み可能にするという目的とポールイレーズを防止するという目的をともに達成することが可能になる。
以下、本発明の好適な実施の形態について添付図面と共に詳細に説明する。
本発明に係る垂直磁気ヘッドは、ライトヘッドの主磁極を高Bs材と低Bs材の2層膜構成としたことを特徴とする。図1(a)は、本発明に係る垂直磁気ヘッドの主磁極を磁極端方向から見た状態、図1(b)は、比較例として従来の垂直磁気ヘッドの主磁極を示す。
以下では、図8に示した垂直磁気ヘッドの主磁極12について本発明を適用する例について説明するが、垂直磁気ヘッドの構成には種々のものがある。本発明はこれら種々の垂直磁気ヘッドについて適用することが可能である。なお、図8に示す垂直磁気ヘッドの構成については前述したので説明を省略する。図1(a)に示す主磁極の磁極端12aは図8の主磁極12の磁極端12aを端面方向から見た状態を示すものである。
図1(b)に示すように、従来の垂直磁気ヘッドのライトヘッドに用いられる主磁極は、磁極端12aの端面形状が、トレーリングシールド14に対向する側がリードヘッド側よりも幅広となる逆台形状に形成されている。この主磁極はFeCo等の高飽和磁束密度を有する磁性薄膜から形成されるもので、単層膜として形成されている。
これに対して、本発明に係る垂直磁気ヘッドのライトヘッドの主磁極12は、図1(a)に示すように、磁極端12aの端面形状が従来例と同様に逆台形状に形成されるとともに、主磁極12の厚さ方向に、異なる磁性材料からなる2層構造に形成され、トレーリングシールド14に対向する側(上層の磁性薄膜)が高Bs材料からなる高Bs磁性薄膜層121として形成され、リードヘッド側(下層の磁性薄膜)が低Bs材料からなる低Bs磁性薄膜層122として形成されていることが特徴的である。
主磁極12において、トレーリングシールド14に対向する側に設けられる高Bs磁性薄膜層121は、ライトヘッド10による高精細な書き込みを可能とするために、十分に高い飽和磁束密度を備える材料、たとえばFe60Co40等の磁性材料によって形成される。この高Bs磁性薄膜層121を形成する磁性材料は、高磁界を発生させることを第一義として選択される。
一方、低Bs磁性薄膜層122は主磁極12の残留磁化成分を抑制するために設けるもので、軟磁気特性を第一義として磁性材料が選択される。たとえば、軟磁気特性にすぐれる材料としてはニッケル鉄合金(NiFe)がある。低Bs磁性薄膜層122にはこのような軟磁気特性にすぐれる磁性材料が使用される。
本発明において、主磁極12のトレーリングシールド14に対向する一方の側に高BS磁性薄膜層121を配置した構成としている理由は、主磁極12により記録媒体に対する書き込み作用は、主磁極12のうちトレーリングシールド14に対向する面の近傍からの磁界によってなされることにある。
図3は、主磁極12とトレーリングシールド14と記録媒体20との位置関係を説明的に示す。ライトヘッド10により媒体20に情報を記録する際には、主磁極12から媒体20に向けて磁束が放出されることによってなされるが、図示するように、主磁極12による記録磁界の強度はほとんど主磁極12のトレーリングシールド14に対向する領域に局在している(図の曲線)。したがって、媒体20に強い磁場を作用させるには主磁極12のトレーリングシールド14に対向する部位の磁性薄膜を高Bs材とすることで足りる。
一方、主磁極12を高Bs材のみによって形成すると、主磁極12の残留磁化成分によるポールイレーズが問題となるから、主磁極12のうちトレーリングシールド14に対向する側以外の領域については軟磁気特性にすぐれる磁性材料を使用することが有効となる。本発明において、主磁極12のリードヘッド側を低Bs磁性薄膜層122としているのはこのためである。
そして、記録用のコイル11に通電していない際には、主磁極12による残留磁化成分の作用を打ち消すために、低Bs磁性薄膜層122による作用が主体的となるようにする必要がある。このためには、高Bs磁性薄膜層121と低Bs磁性薄膜層122の磁化特性が、それぞれの主磁極12を構成している体積と、それぞれの磁性的な特性をあらわす飽和磁束密度との積によって反映されると考えられるから、次式を満足するように、高Bs磁性薄膜層121と低Bs磁性薄膜層122の厚さ等を決める。
(高Bs磁性薄膜層の体積)×(高Bs磁性薄膜層のBs値)<(低Bs磁性薄膜層の体積)×(低Bs磁性薄膜層のBs値)
このように、低Bs磁性薄膜層122の全体としての磁性の寄与分が高Bs磁性薄膜層121の寄与分を上回るようにすれば、記録用のコイルに通電されていない場合には主磁極12は全体として低Bs磁性薄膜層122による軟磁気特性をあらわすようになる。
なお、高Bs磁性薄膜層の体積、低Bs磁性薄膜層の体積とは、主磁極12で記録媒体への情報の書き込みに寄与する部位での体積という意味である。したがって、図5(b)に示すように、主磁極12の断面形状が逆台形形状のまま延出する形態の場合には、主磁極12の磁極端12aの端面形状のみを考慮して設定することができる。
この場合は、図1(a)に示すように、主磁極12の下底をa、上底をc、高Bs磁性薄膜層121の底辺の長さをb、高Bs磁性薄膜層121の高さ(主磁極12の厚さ方向)をT_h、飽和磁束密度をBs_h、低Bs磁性薄膜層122の高さをT_l、飽和磁束密度をBs_lとすると、次式を満足するように高Bs磁性薄膜層121と低Bs磁性薄膜層122の厚さ等を決めればよい。
T_h×(c+b)×Bs_h<T_l×(b+a)×Bs_l
上式は、主磁極12の端面形状のみによって高Bs磁性薄膜層121と低Bs磁性薄膜層122が決められることを示している。
なお、主磁極12を形成する磁性薄膜の保磁力がどの程度のときにポールイレーズが発生するかを実際に試験した。軟磁気特性の優劣は一般に困難軸方向の保磁力(Hc)によって比較される。実験によると、Hcが約10(Oe)のFe60Co40により単層膜として主磁極を形成した場合にはポールイレーズが発生し、Hcが約5(Oe)のNi10Fe90により単層膜として主磁極を形成した場合にはポールイレーズが発生しなかった。このことから、Hc〜5(Oe)以下の磁性材料については軟磁気特性がすぐれているとみることができ、本発明に係る低Bs磁性薄膜層122としてHc〜5(Oe)以下の磁性材料を使用することが有効である。
図2は、本発明に係る垂直磁気ヘッドの設計例を示す。高Bs磁性薄膜層121としてFe60Co40を使用し、低Bs磁性薄膜層122としてNi80Fe20を使用している。Fe60Co40は、飽和磁束密度が2.4T、Hc=15(Oe)であり、Ni80Fe20は、飽和磁束密度が1.0T、Hc=1(Oe)である。また、同図で、a=90nm、b=140nm、c=150nm、T_h=100nm、T_l=500nmである。
高Bs磁性薄膜層についての計算。
Bs_h×T_h×(c+b)=2.4×100×(150+140)=69600(T・nm2)
低Bs磁性薄膜層についての計算。
Bs_l×T_l×(b+a)=1.0×500×(149+90)=115000(T・nm2)
この計算結果は、T_h×(c+b)×Bs_h<T_l×(b+a)×Bs_lを満足する。
すなわち、図2に示す主磁極12の構成例は、主磁極12のトレーリングシールド14に対向する領域に高Bs磁性薄膜層121を配置することによって、通電用のコイル11に通電して情報記録する際には、高Bs磁性薄膜層121の特性を生かして高密度の書き込みを可能とし、通電用のコイル11に通電していない際には、低Bs磁性薄膜層122の軟磁気特性の特性が主体的となって高Bs磁性薄膜層121により残留磁化成分が生じることを抑制することができ、高Bs磁性薄膜層121による残留磁化成分に起因するポールイレーズを解消することが可能になる。
図1(a)および図2に示すような、高Bs磁性薄膜層121と低Bs磁性薄膜層122の2層構造として主磁極12を形成する方法としては、図4に示すように、まず、ワーク(ウエハ)の表面に主磁極12の下地層30を形成した後、レジスト32をコーティングし、主磁極12のパターンにしたがってレジスト32に露光および現像操作を施し、主磁極12を形成する部位に凹溝32aを形成する(図4(a))。図は、主磁極12の端面方向から見た状態を示す。凹溝32aは、主磁極12の端面形状が逆台形状となるように、底部側が幅狭で開口側が幅広となる逆台形状に形成する。
図4(b)は、凹溝32a内に、主磁極12を構成する低Bs磁性薄膜層122を形成した状態を示す。低Bs磁性薄膜層122はめっきあるいはスパッタリングによって、凹溝32aの底部側に所定の厚さになるように形成することができる。
図4(c)は、次に、低Bs磁性薄膜層122に積層して凹溝32a内に高Bs磁性薄膜層121を形成した状態を示す。高Bs磁性薄膜層121も、めっきあるいはスパッタリングによって所定の厚さに形成する。
図4(c)に示すように、低Bs磁性薄膜層122に積層して高Bs磁性薄膜層121を形成した後、レジスト32を除去することにより、磁極端12aが逆台形状に形成され、低Bs磁性薄膜層122と高Bs磁性薄膜層121が積層して形成された主磁極12がワークの表面にパターン形成されて残る。
このように、主磁極12は、レジストをパターニングして磁性層を成膜する従来工程によって形成することができ、主磁極12の端面形状に合わせて凹溝32aの端面形状を決めること、低Bs磁性薄膜層122と高Bs磁性薄膜層121の膜厚を制御することによって、高Bs磁性薄膜層121と低Bs磁性膜層122の積層構造となる主磁極12を形成することができる。
次いで、ライトギャップ13、コイル14およびリターンヨーク15を順次形成して、ライトヘッド10が形成される。
(主磁極の磁気特性およびポールイレーズの試験例)
上述した高Bs磁性薄膜層と低Bs磁性薄膜層の2層構造の磁極の磁気特性とポールイレーズの特性を調べるため、2cm角の基板の表面に、高Bs磁性薄膜層としてFe70Co30膜を、低Bs薄膜層としてFe90Ni10膜を、それぞれの膜厚の比率を変えて全膜厚が200nmとなるように、成膜したサンプルを作成して、困難軸方向の保磁力Hcと飽和磁束密度Bsを測定した。
表1に、Fe90Ni10とFe70Co30の膜厚の比率(FeNi/FeCo)を変えたときの積層膜の保磁力Hcと飽和磁束密度Bsの測定値と、各サンプルについてのBs値×膜厚を示す。図6は、Fe90Ni10とFe70Co30の膜厚の比率(FeNi/FeCo)に対する保磁力Hcをグラフに示したものである。
測定はFeNi/FeCoの比率を0%(FeCoの単層膜)、27%、44%、68%、100%(FeNiの単層膜)とした5種のサンプルについて行った。
表1および図6に示すように、FeNi/FeCoの比率が小さい場合、すなわちFeCoの膜厚が厚い場合には保磁力Hcおよび飽和磁束密度Bsは大きくなり、FeNi/FeCoの比率が大きい場合、すなわちFeCoの膜厚が薄くなると保磁力Hcおよび飽和磁束密度Bsは小さくなる。
前述したように、高Bs磁性薄膜層と低Bs薄膜層の2層構造からなる磁性膜の磁性特性は、磁性薄膜層の体積(本実施形態では膜厚が体積に相当する)と磁性薄膜層のBs値の積の大小によって決められると考えられる。
本実験例において、FeNi/FeCoの膜厚比をx%とすると、Fe70Co30のBs値が2.3T、Fe90Ni10のBs値が2.1Tであるから、磁性薄膜層の体積とBs値の積が等しくなるxの値を求めると、2.3x=2.1(100-x)として、x=47.7%となる。すなわち、FeNi/FeCoが47.7%以上になると、磁性膜の特性はFeNi磁性薄膜層の特性がFeCoの特性を上回るようになると考えられる。図6に示すように、Fe90Ni10とFe70Co30の積層膜の保磁力Hcは、FeNi/FeCoの比率が47.7%以上になると急激に保磁力Hcが低下する傾向が見られている。本試験結果は、高Bs磁性薄膜層と低Bs薄膜層の2層構造からなる磁性膜の磁性特性が、(磁性薄膜層の体積)×(磁性薄膜層のBs値)によってその特性が切り替わることを裏付けている。
主磁極によるポールイレーズの有無を調べるため、図7に示すような、Fe70Co30とFe90Ni10の2層構造からなる磁性膜を形成し、Fe70Co30の単層膜による場合と、Fe90Ni10の単層膜による場合と比較した。表2に、オーバーライト特性とともにポールイレーズの有無を示す。
表2に示すように、FeNi単層膜の場合には、ポールイレーズは生じないものの、オーバーライトが-30dBと高い。一方、FeCo単層膜の場合は、オーバーライトがー38dBと非常に低く、記録能力が高いものの、ポールイレーズが生じるために使用できない。これに対して、図7に示すFeCoとFeNiの2層構造とした場合は、FeCo単層膜の場合に近いオーバーライト特性を得ることができ、同時にポールイレーズが生じないようにすることができた。
図7に示す構造での、トレーリング側の磁性薄膜FeCoの端面積は、(110+100)×70/2=7350nm2、Bs値との積は16905(T・nm2)であり、リードヘッド側の磁性薄膜FeNiの端面積は、(100+80)×140/2=12600nm2、Bs値との積は26460(T・nm2)である。このときの面積とBs値の積のFeNi/FeCo比は61.0%となる。
表2に示す結果は、FeNiの端面積×Bs値が、FeCoの端面積×Bs値を上回り、積層膜の磁気特性としては、FeNiの軟磁気特性を表していることと合致する。
なお、前述したように、積層構造の磁性薄膜としてポールイレーズが生じないようにするには保磁力Hcが5(Oe)以下程度とするのが良いから、図6に示す試験例においてHcを5(Oe)以下にするにはFeNi/FeCoの端面積比を55%以上にすればよい。このときの面積とBs値の積のFeNi/FeCo比は52.7%となる実際には、主磁極の記録特性を考慮して、FeNiとFeCoの積層膜におけるFeNiの端面積の上限が決められる。
ライトヘッドの主磁極の構成を示す説明図である。 主磁極の設計例を示す説明図である。 主磁極から記録媒体に作用する磁界を示す説明図である。 主磁極の製造方法を示す説明図である。 主磁極の端面図(a)と平面図(b)である。 FeNiとFeCoの積層膜の膜厚比に対する保磁力の関係を示すグラフである。 FeCoとFeNiの2層構成の磁性膜の端面構成を示す説明図である。 垂直磁気ヘッドの構成を示す断面図である。
符号の説明
8 リードヘッド
10 ライトヘッド
11 コイル
12 主磁極
12a 磁極端
14 トレーリングシールド
15 リターンヨーク
20 記録媒体
32 レジスト
121 高Bs磁性薄膜層
122 低Bs磁性薄膜層

Claims (4)

  1. ライトヘッドとして、記録媒体の媒体面に向けて磁束を放出する主磁極を備えた垂直磁気ヘッドであって、
    前記主磁極は、厚さ方向に磁性薄膜を2層に積層して形成され、
    前記磁性薄膜のうち、上層の磁性薄膜が第一の飽和磁束密度を有する高Bs磁性薄膜層として形成され、下層の磁性薄膜が前記第一の飽和磁束密度よりも低い第二の飽和磁束密度を有する低Bs磁性薄膜層として形成され、前記高Bs磁性薄膜層と低Bs磁性薄膜層が次式を満足することを特徴とする垂直磁気ヘッド。
    (高Bs磁性薄膜層の体積)×(第一の飽和磁束密度)<(低Bs磁性薄膜層の体積)×(第二の飽和磁束密度)
  2. 前記主磁極は、磁極端の端面形状が逆台形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の垂直磁気ヘッド。
  3. 前記主磁極は、断面形状が逆台形状に形成され、前記主磁極の磁極端の端面の下底をa、上底をc、前記高Bs磁性薄膜層の底辺の長さをb、高さをT_h、飽和磁束密度をBs_hとし、前記低Bs磁性薄膜層122の高さをT_l、飽和磁束密度をBs_lとするとき、前記高Bs磁性薄膜層と前記低Bs磁性薄膜層が次式を満足することを特徴とする請求項2記載の垂直磁気ヘッド。
    T_h×(c+b)×Bs_h<T_l×(b+a)×Bs_l
  4. 前記低Bs磁性薄膜層が、困難軸方向の保磁力(Hc)として、5Oe以下の磁性材料からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の垂直磁気ヘッド。
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