JP2007309439A - 流体貯蔵タンク、流体用配管、及び流体貯蔵タンク利用システム - Google Patents

流体貯蔵タンク、流体用配管、及び流体貯蔵タンク利用システム Download PDF

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Abstract

【課題】この発明は、高圧ガスを安全に利用するための流体貯蔵タンク、流体用配管、及び流体貯蔵タンク利用システムに関し、強度を確保しつつ、内部破損を精度良く検知することのできる流体貯蔵タンクおよび流体用配管を提供することを目的とする。
【解決手段】高圧の流体ガスを貯蔵するための流体貯蔵タンク、または前記流体ガスが流通するための流体用配管であって、前記流体ガスを貯蔵し、または流通させるための内部空間を形成する高強度の外層と、前記外層の内側に密接し、前記流体ガスが前記外層に接触することを遮断する前記外槽に比して強度の弱いバリア層と、を備える。前記外層と前記バリア層との間には拡散性を有する検知物質が封入されており、前記バリア層に破損が生じた場合に、前記検知物質が前記内部空間に拡散する。
【選択図】図1

Description

この発明は、高圧の流体ガスを安全に利用するための流体貯蔵タンク、流体用配管、及びガス利用システムに関する。
従来、例えば実開昭63−115994号公報に開示されるように、高圧の液化ガスを安全に貯蔵することのできる二層構造のタンクが知られている。このタンクは、液化ガスを貯蔵するための内槽とこれを収容する外槽とを備えている。そして、これらの槽の間にはガスを検知するためのセンサが設けられており、内槽の破損により漏れ出すガスを検知し、異常を知らせることとしている。このため、タンクの外部雰囲気にガスが漏れ出す前に危険を検知し、ガス漏れを回避することができる。
実開昭63−115994号公報 実公平7−8427号公報 特開2004−229357号公報
ところで、高圧の液化ガスが貯蔵されるタンクにおいては、高圧力に耐えうるだけの強度が要求される。しかしながら、上述した二層構造の高圧タンクの構成によれば、内槽と外槽との間に空間を設け、内槽に破損が生じた場合にこの空間にガスを拡散させることとしている。このため、この空間の影響によりタンクの強度が低下する恐れがあり、内部ガスの高圧に耐え得るだけの強度が要求される高圧タンクとしては不十分なものであった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、強度を確保しつつ、内部破損を精度良く検知することのできる流体貯蔵タンクおよび流体用配管を提供することを目的とする。また、この流体貯蔵タンクを安全に利用することのできる流体貯蔵タンク利用システムを提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、少なくともバリア層と外層との2層の部材から構成される内部空間に高圧の流体ガスを貯蔵する流体貯蔵タンクであって、
前記内部空間への拡散性を有する検知物質を、前記外層と前記バリア層との間に配置することを特徴とする流体貯蔵タンク。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記外層は、内壁に複数の凹部を備え、
前記外層と、前記バリア層との間に形成された空間に、前記検知物質を封入することを特徴とする。
また、第3の発明は、第1の発明において、
前記外層と前記バリア層との間に、複数の孔が形成された検知物質封入層を更に備え、
前記検知物質封入層によって、前記外層と前記バリア層との間に形成された空間に、前記検知物質を封入することを特徴とする。
また、第4の発明は、第1の発明において、
前記外層と前記バリア層との間に、前記検知物質が含有された検知物質含有層を更に備えることを特徴とする。
また、第5の発明は、第1乃至4の何れか1項記載の発明において、
前記内部空間あるいは前記内部空間に連通する空間に、前記検知物質を検知するためのセンサを更に備えることを特徴とする。
また、第6の発明は、第5の発明において、前記流体貯蔵タンクを複数備えた流体貯蔵タンク利用システムであって、
前記流体貯蔵タンクに貯蔵された流体ガスを流通させる流通流路と、
前記センサの出力信号に基づいて、前記流体貯蔵タンクの異常を判断する異常判断手段と、
前記異常判断手段により異常が判断された流体貯蔵タンクに貯蔵された流体ガスが優先的に流通するように、前記流体ガスの流量を制御するガス流通制御手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第7の発明は、第5の発明において、前記流体貯蔵タンクを複数備えた流体貯蔵タンク利用システムであって、
前記流体貯蔵タンク利用システムが備える複数の流体貯蔵タンクを互いに連通させる連通流路と、
前記流体貯蔵タンクの内部圧力を検知する圧力センサと、
前記センサの出力信号に基づいて、前記流体貯蔵タンクの異常を判断する異常判断手段と、
前記異常判断手段により異常と判断された異常タンクの内部圧力と、異常と判断されていない正常タンクの内部圧力と、を比較する内部圧力比較手段と、
前記異常タンクより内部圧力が低い低圧正常タンクを有する場合は、前記異常タンクと前記低圧正常タンクとが連通されるように制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第8の発明は、第5の発明において、前記流体貯蔵タンクを複数備えた流体貯蔵タンク利用システムであって、
前記流体貯蔵タンクに充填される流体ガスを供給する流体ガス供給装置と、
前記流体ガス供給装置と前記流体貯蔵タンクとを連通させるガス流路と、
前記流体貯蔵タンクの内部圧力を検知する圧力センサと、
前記流体貯蔵タンクに充填される流体ガスの充填圧力を設定する充填圧力設定手段と、
前記内部圧力が前記充填圧力を超えないように、前記流体ガスの充填量を制御する充填制御手段と、
前記センサの出力信号に基づいて、前記流体貯蔵タンクの異常を判断する異常判断手段と、を備え、
前記充填圧力設定手段は、
前記異常判断手段により異常が判断された異常タンクの充填圧力を低く設定することを特徴とする。
また、第9の発明は、少なくともバリア層と外層との2層の部材から構成される内部空間に高圧の流体ガスが流通するための流体用配管であって、
前記内部空間への拡散性を有する検知物質を、前記外層と前記バリア層との間に配置することを特徴とする。
第1の発明によれば、流体貯蔵タンクに生じる破損は、通常、外層よりも低強度のバリア層に発生する。このため、かかる破損が発生した場合、外層とバリア層との間に封入されていた検知物質が、タンクあるいは配管の内部の流体ガスに混入する。ここで、検知物質は、内部の流体ガスと明確に区別することができ、かつ、他の動作等において流体ガスに混入するおそれのない物質が使用される。このため、本発明によれば、検知物質が流体ガスに混入しているか否かを検知することにより、タンクの破損が生じたか否かを精度良く判断することができる。また、本発明によれば、バリア層は高強度の外層の内側に密接している。このため、バリア層の破損を効果的に抑制し、内部圧力に耐え得るタンク強度を確保することができる。
第2の発明によれば、外層の内壁に複数の凹部を備える。このため、前記凹部とバリア層との間に空間が形成され、かかる微小空間に検知物質を封入することができる。ここで、バリア層が破損すると、微小空間に封入されていた検知物質がタンクあるいは配管内部の流体ガスに混入する。このため、本発明によれば、検知物質を精度良く検知することにより、タンクに破損が生じたか否かを精度良く判断することができる。
第3の発明によれば、外層とバリア層の間に、複数の孔が設けられた検知物質封入層を備える。このため、検知物質封入層によって、外層とバリア層との間に空間が形成され、かかる微小空間に検知物質を封入することができる。ここで、バリア層が破損すると、微小空間に封入されていた検知物質がタンクあるいは配管内部の流体ガスに混入する。このため、本発明によれば、検知物質を精度良く検知することにより、タンクに破損が生じたか否かを精度良く判断することができる。
第4の発明によれば、外層とバリア層との間に、検知物質が含有された検知物質含有層を備える。ここで、バリア層が破損すると、前記検知物質含有層がタンクあるいは配管の内部の流体ガスに直接晒され、前記検知物質含有層に含有されていた検知物質が流体ガスに混入する。このため、本発明によれば、検知物質を精度良く検知することにより、タンクに破損が生じたか否かを精度良く判断することができる。
第5の発明によれば、検知物質を検知するためのセンサを備える。ここで、流体用タンクあるいは流体用配管に破損が生じた場合、検知物質が流体ガスに混入する。このため、本発明によれば、検知物質を精度良く検知することにより、タンクに破損が生じたか否かを精度良く判断することができる。
第6の発明によれば、流体貯蔵タンクを複数備えた流体貯蔵タンク利用システムにおいて、破損等の異常が検知されたタンクの流体ガスを優先的に使用することができる。異常が検知されたタンクは内部の流体ガスが漏洩するおそれがあり、高圧の状態で長時間放置することは安全性の観点から好ましくない。このため、本発明によれば、異常が検知されたタンクの流体ガスを優先的に使用することにより、タンク内部の圧力をいち早く低下させることができる。
第7の発明によれば、流体貯蔵用タンクを複数備えた流体利用システムにおいて、破損等の異常が検知されたタンクの流体ガスを、異常タンクより低圧な正常タンクに移動させることができる。異常が検知されたタンクは内部の流体ガスが漏洩するおそれがあり、高圧の状態で長時間放置することは安全性の観点から好ましくない。このため、本発明によれば、異常タンクより低圧な正常タンクがある場合、異常タンクと低圧正常タンクを連通させる。これにより、異常タンクの流体ガスが正常タンクに移動し、圧力の均一化が図られ、効果的にタンク内部の圧力を低下させることができる。
第8の発明によれば、流体貯蔵用タンクを複数備えた流体利用システムにおいて、かかるタンクに流体ガスを充填する場合、破損等の異常が検知されたタンクの充填圧力を低く設定することができる。異常が検知されたタンクは内部の流体ガスが漏洩するおそれがあり、高圧の状態で使用することは安全性の観点から好ましくない。このため、本発明によれば、異常タンクの充填圧力を正常なタンクよりも低く設定する。これにより、異常タンクが高圧となることを抑制することができる。
第9の発明によれば、第1の発明の流体貯蔵タンクと同様の構成を備える流体用配管において、流体用配管の破損が生じたか否かを精度良く判断することができる。
以下、図面に基づいてこの発明のいくつかの実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。なお、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
図1および2は、本発明の実施の形態1のハードウェア構成を説明するための図である。図1は、水素ガスを貯蔵するための円筒型の水素貯蔵タンク10(以下、単に「タンク10」とも称す)の断面図を示している。タンク10は水素ガスを貯蔵するための内部空間を形成する高強度の荷重負担層12を備えている。荷重負担層12は、タンク内部の高圧を支えるために耐圧性を有する高強度の金属(例えば「鉄」)で構成され、タンク10の外層を形成している。荷重負担層12の内壁には水素ガスが荷重負担層12に接触することを遮断するためのバリア層14が密接している。バリア層14には、水素ガスに対してバリア性のある材料(例えば「アルミニウム」)が使用され、荷重負担層12の水素脆性を抑制する役割を果たす。また、バリア層14は荷重負担層12に比して強度が弱いため、高強度の荷重負担層12の内壁に密接させる構造とすることで、内部圧力の影響による破損が抑制される。
タンク10には水素ガスを供給あるいは充填するための配管16が接続されている。配管16には、センサ18が設けられており、後述する検知物質を検知する。
図2は、図1の円形の1点鎖線で囲まれた範囲の詳細図を示す。この図によれば、タンク10の荷重負担層12には、凹部20が複数形成されている。前述したとおり、荷重負担層12の内側は、バリア層14にて覆われている。このため、荷重負担層12とバリア層14の間には、凹部20とバリア層14によって空間が郭成される。尚、タンクの内部圧力の影響によりバリア層14が破損しないように、凹部20は微小な溝あるいは窪み等の形状とする。
ここで、微小空間内には検知物質22が封入される。封入手法は、例えば、タンクの製造工程において、荷重負担層12の凹部20内を検知物質雰囲気とした上でバリア層14を接合する手法等が考えられる。検知物質には、水素ガスをタンク10に充填する行程において混入するおそれがなく、水素ガスに悪影響を与えず、かつ、センサ18にて検知することができる物質(例えば「酸素ガス」)が使用される。
[実施の形態1における特徴的動作]
次に、図3を参照して、本実施の形態のタンク10の破損を検知する原理および動作について説明する。図3は、バリア層14に亀裂が生じた様子を表している。この図に示すとおり、バリア層14のある部位14aにて亀裂が生じた場合、荷重負担層12がタンク内部の水素ガスに直接晒されることとなる。かかる状態を放置すると、荷重負担層12は徐々に脆化(水素ガスを吸収し硬化する現象)してクラックが発生し、ガスが漏洩することとなる。
そこで、本実施の形態は、図3に示すとおり、荷重負担層12に複数の凹部20を備える。前述したとおり、凹部20の内部空間には検知物質22が封入されている。このため、バリア層14aが破損すると、検知物質22はタンクの内部圧力によりタンク内部に押し出され水素ガスに混入することとなる。配管16に設けられたセンサ18は、水素ガスに混入した検出物質を検知することができる。したがって、バリア層14に破損が発生したことを検知することができる。
以上説明したとおり、本実施の形態のタンクによれば、検知物質の封入された凹部をタンク内部の全域あるいは破損が生じ易い領域に設けることで、バリア層の破損を早期に発見することができる。このため、荷重負担層12が脆化する前に対策措置を講ずることで、内部ガスが外部に漏れることを抑制することができる。また、本実施の形態のタンク10の構造によれば、バリア層14の破損の程度が大きいほど検知物質が多量にタンク内部に流出することとなる。このため、センサ18の検知信号に基づいて、バリア層14の破損の程度を精度良く推定することもできる。
ところで、上述した実施の形態1においては、タンク10の内部に検知物質を封入した構造を備え、タンクの破損を効果的に検知することとしているが、かかる構造はタンク10に限られない。すなわち、タンク10に接続された配管16についても、同様の構造を備えることにより、配管16の破損を精度良く検知することができる。この点は、以下に説明する他の実施形態においても同様である。
また、上述した実施の形態1においては、配管16にセンサ18を設けることとしているが、センサの設置位置はこれに限定されない。すなわち、タンクの内部ガスに混入した検知物質を検知することができる場所であれば、タンクの内部に設けることとしてもよいし、他の流路に設置することとしてもよい。この点は、以下に説明する他の実施形態においても同様である。
また、上述した実施の形態1においては、タンク10の内部には水素ガスを貯蔵することとしているが、貯蔵するガスは水素ガスに限られない。すなわち、天然ガスを貯蔵するために使用することとしてもよいし、他のガスに使用することとしてもよい。この点は、以下に説明する他の実施形態においても同様である。
また、上述した実施の形態1においては、タンク10の荷重負担層12およびバリア層14の材質としていくつか例を記載したが、使用する材質はこれらに限定されない。すなわち、同様の効果を有するのであれば、他の材質の材料を使用することとしてもよい。この点は、以下に説明する他の実施形態においても同様である。
また、上述した実施の形態1においては、検知物質22の例として酸素ガスとしているが、検知物質はこれに限定されない。すなわち、タンク内部に充填するガスと明確な差別化ができ、他の行程により内部ガスに混入するおそれがなく、かつ、かかる検知物質を検知することのできるセンサを備えるのであれば、他の物質を使用することとしてもよい。また、検知物質にナフタリン等の付臭剤を混入させ、センサ以外の手法により判断(例えば人間の嗅覚に基づいて判断)することとしてもよい。この点は、以下に説明する他の実施形態においても同様である。
また、上述した実施の形態1においては、荷重負担層12の内面に凹部20を複数備えることとしているが、凹部20の形状および数量等は特に限定しない。すなわち、凹部20とバリア層14により、検知物質を封入することができる構造を形成することができ、かつ、凹部20の形状および量がバリア層14に悪影響を与えない、すなわち内部圧力等により、バリア層14を破損させない形状および数量であれば、細い線状の溝を形成することとしてもよいし、点状の凹を形成することとしてもよい。
尚、上述した実施の形態1においては、荷重負担層12が前記第1の発明における「外層」に相当している。
実施の形態2.
[実施の形態2の構成]
次に、図4を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態は、実施の形態1と同様のハードウェア構成のタンク10を、図4に示すタンク30に置き換えることにより実現することができる。
上述した実施の形態1では、荷重負担層12の内壁に複数の凹部20を形成することにより、バリア層14との間で郭成された空間を形成し、かかる空間内に検知物質22を封入することとしている。このため、荷重負担層12の内壁に直接凹部を形成する必要があるが、タンクの形状、大きさ等によっては、かかる形成が困難な場合も想定しうる。また、凹部の形状、大きさ、範囲等、柔軟に対応することも困難となる。
そこで、本実施の形態においては、荷重負担層12とバリア層14の間に、検知物質を封入するための層を別途設ける。これにより、荷重負担層12に直接凹部20を形成しなくとも、検知物質を封入する空間を形成することが可能となる。
[実施の形態2における特徴的構造]
図4は、本実施の形態にて用いるタンク30の詳細構造を説明するための図であり、タンク30の断面図を示している。この図によれば、タンク30の荷重負担層12とバリア層14の間には、タンク内部全域に渡り検知物質封入層32を備えている。検知物質封入層32は、例えば、金属またはセラミック等にて形成されており、荷重負担層12およびバリア層14に密接している。
また、検知物質封入層32は、複数の微小な貫通孔34を備えている。そして、タンク30の製造時には、孔内部の空間に検知物質22が封入される。封入手法は、例えば、タンクの製造工程において、検知物質封入層32の孔内部を検知物質雰囲気とした上でバリア層14を接合する手法等が考えられる。検知物質は、実施の形態1と同様に、例えば、酸素ガスが使用される。
タンク30のバリア層14が破損すると、検知物質22はタンクの内部圧力によりタンク内部に押し出され、水素ガスに混入する。配管16に設けられたセンサ18は、水素ガスに混入した検出物質を検知する。これにより、バリア層14に破損が発生したことを判断することができる。
以上説明したとおり、本実施の形態のタンクによれば、検知物質の封入された凹部をタンク内部の全域あるいは破損が生じ易い領域に設けることで、バリア層の破損を早期に発見することができる。このため、荷重負担層12が脆化する前に対策措置を講ずることで、内部ガスが外部に漏れることを抑制することができる。また、本実施の形態のタンク30の構造によれば、バリア層14の破損の程度が大きいほど検知物質が多量にタンク内部に流出することとなる。このため、センサ18の検知信号に基づいて、バリア層14の破損の程度を精度良く推定することもできる。
また、本実施の形態のタンク30は、検知物質22を封入するための孔34が形成された検知物質封入層32を使用する。このため、孔の形状、大きさ、範囲等、タンク特性に合わせて柔軟に対応することができる。
ところで、上述した実施の形態2においては、荷重負担層12の内面に孔34を複数設けた検知物質封入層32を備えることとしているが、孔34の形状および数量等は特に限定しない。すなわち、孔34とバリア層14により、検知物質を封入することができる構造を形成することができ、かつ、孔34の形状および量がバリア層14に悪影響を与えない、すなわち内部圧力等により、バリア層14を破損させない形状および数量であれば、細い線状の溝を形成することとしてもよい。
尚、上述した実施の形態2においては、荷重負担層12が前記第1の発明における「外層」に相当している。
実施の形態3.
[実施の形態3の構成]
次に、図5を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。本実施の形態は、実施の形態1と同様のハードウェア構成のタンク10を、図4に示すタンク40に置き換えることにより実現することができる。
上述した実施の形態1および2では、荷重負担層12とバリア層14との間で空間を郭成し、かかる空間内に検知物質22を封入することとしている。このため、タンクの製造時に検知物質22を封入する必要があり、製造工程が複雑となることが想定される。また、検知物質22が封入された空間は、タンク内面全域において形成することはできないため、ピンホール等の微小な破損がかかる空間以外の場所のみに発生した場合等、破損を検知できない場合も想定しうる。
そこで、本実施の形態においては、荷重負担層12とバリア層14の間に、検知物質を含む検知物質含有層を別途設ける。これにより、検知物質を封入する空間を形成しなくとも、バリア層の破損時に検知物質が流出する構造を形成することが可能となる。
[実施の形態3における特徴的構造]
図5は、本実施の形態にて用いるタンク40の詳細構造を説明するための図であり、タンク40の断面図を示している。この図によれば、タンク40の荷重負担層12とバリア層14の間には、タンク内部全域に渡り検知物質含有層42が設けられている。検知物質含有層42は、例えば、樹脂フィルム等にて形成されており、荷重負担層12およびバリア層14に密接している。
また、検知物質含有層42には検知物質が含有されている。含有手法は、例えば、樹脂フィルムの場合、材料に混入させる、またはフィルム成型後に含浸あるいは塗布する等により実現可能である。検知物質は、実施の形態1と同様に、他の行程等により内部ガスに混入する可能性がなく、センサ等により検知することのできる物質であり、かつ、内部ガスに晒された場合に検知物質含有層42から流出し、内部ガスに混入する物質が使用される。
タンク40のバリア層14が破損すると、検知物質22はタンクの内部圧力によりタンク内部に押し出され、水素ガスに混入する。配管16に設けられたセンサ18は、水素ガスに混入した検出物質を検知する。これにより、バリア層14に破損が発生したことを判断することができる。
以上説明したとおり、本実施の形態のタンクによれば、検知物質含有層42をタンク内部の全域あるいは破損が生じ易い領域に設けることで、バリア層の破損を早期に検知することができる。このため、荷重負担層12が脆化する前に措置を講ずることで、内部ガスが外部に漏れることを抑制することができる。また、本実施の形態のタンク40の構造によれば、バリア層14の破損の程度が大きいほど検知物質が多量にタンク内部に流出することとなる。このため、センサ18の検知信号に基づいて、バリア層14の破損の程度を精度良く推定することもできる。
また、本実施の形態のタンク40は、検知物質含有層42を使用する。このため、タンクの製造工程において検知物質を封入することなく、製造工程を簡素化することができる。また、タンク内部の全域あるいは破損が生じ易い領域のみに設けることもでき、タンク特性、あるいは貯蔵ガスの種類等に合わせて柔軟に対応することができる。
ところで、上述した実施の形態3においては、検知物質含有層42に検知物質を含有させる手法を幾つか例示したが、検知物質含有層形成手法はこれに限られない。すなわち、検知物質を含む層を形成するのであれば、樹脂フィルムに限定せず、直接バリア層14に塗布することにより層を形成することとしてもよい。
尚、上述した実施の形態3においては、荷重負担層12が前記第1の発明における「外層」に相当している。
実施の形態4.
[実施の形態4の構成]
次に、図6および7を参照して、本発明の実施の形態4について説明する。本実施の形態のシステムは、図6に示すハードウェア構成を用いて、制御部56に後述する図7に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
図6は、本実施の形態4の構成を説明するための図である。図4に示すとおり、本実施の形態のシステムは、前述した実施の形態1に示す水素貯蔵タンクと同じタンク10a、10b、10c(以下、特にこれらを区別しない場合には単に「タンク10」と称す)を備えている。タンク10には、それぞれ水素ガスを燃料電池システム54に供給するための配管16a、16b、16c(以下、特にこれらを区別しない場合には単に「配管16」と称す)が接続されている。配管16には、実施の形態1にて上述したタンク10の異常を検知するセンサ18a、18b、18c(以下、特にこれらを区別しない場合には単に「センサ18」と称す)と、タンク10の圧力を検出する圧力センサ50a、50b、50c(以下、特にこれらを区別しない場合には単に「圧力センサ50」と称す)と、タンク10からの水素供給量を制御する制御弁52a、52b、52c(以下、特にこれらを区別しない場合には単に「制御弁52」と称す)と、が設けられている。
本実施の形態のシステムは、図6に示すとおり、制御部56を備えている。上述したセンサ18の出力、圧力センサ50の出力等は、制御部56に供給されている。制御部56は、これらのセンサ出力に基づいて、制御弁52の制御等の処理を行う。
[実施の形態4の動作]
次に、図6を参照して、本実施の形態の動作について説明する。上述した実施の形態1では、強度を確保しつつ、内部破損を精度良く検知することのできる水素貯蔵タンクについて説明した。ここで、上述した水素貯蔵タンク10は、例えば、図6に示す水素を燃料とするFCシステムにおいて使用される。実施の形態1にて述べたように、タンク10は、異常を精度良く検知することができる。このため、図6に示すFCシステムにおいて、あるタンク(例えば、タンク10a)の異常が検出された場合、破損の程度が大きいと判断された場合においては、高圧の水素ガスが漏洩する危険があるため、即刻異常タンクの使用を中止すべきである。しかしながら、破損の程度が小さく、極少量の漏洩の場合等、急を要する異常でない場合も想定しうる。このような場合においては、即刻使用を中止せず、異常タンクを正常なタンクよりも優先的に使用することにより異常タンクの内部圧力を下げ、危険を回避することも効果的である。
そこで、本実施の形態では、タンクの軽微な破損が検知された場合、正常タンクの使用を制限し、異常タンクを優先使用することとする。これにより、異常タンクの内部圧力を積極的に下げ、危険を回避することができる。
[実施の形態4における具体的処理]
図7は制御部56が、複数のタンクの供給量を制御するために実行するルーチンのフローチャートである。図7に示すルーチンでは、先ず、それぞれのタンク10の軽微な異常が検知されたか否かが判断される(ステップ100)。タンク10に異常が発生した場合、実施の形態1にて述べたように、タンク内部に検知物質が流出する。センサ18は、検知物質を検知することのできるセンサである。ここでは、具体的には、センサ18の出力の大小に基づいて、軽微な異常か発生しているか否かが判断される。
上記ステップ100において、軽微な異常が発生していると判断された場合には、次のステップに移行し、異常タンクの水素ガスを優先的に使用するための処理が実行される(ステップ102)。前述したとおり、タンク10は、それぞれ制御弁52を備えており、それぞれのタンクの流量を独立して制御することができる。ここでは、具体的には、異常タンクの制御弁を開き、正常タンクの制御弁を閉じる処理が実行される。
以上説明したとおり、本実施の形態のシステムによれば、タンク10の異常を精度良く検知することができる。そして、異常タンクの水素ガスを優先的にFCシステム54に供給することにより、異常タンクの内部圧力を下げ、危険を回避することができる。
ところで、上述した実施の形態4においては、実施の形態1に示すタンク10を使用したシステムについて、本実施の形態を実行することとしているが、使用するタンクはこれに限定されない。すなわち実施の形態2または3にて示したタンク30あるいはタンク40を用いたシステムに基づいて、本実施の形態を実行することとしてもよい。
また、上述した実施の形態4においては、水素タンク10を3本備えるシステムについて、本実施の形態の動作を実行することとしているが、水素タンクの構成はこれに限られない。すなわち、複数の水素タンクを備えるのであれば数量は特に限定されない。この点は、以下に説明する他の実施形態においても同様である。
尚、上述した実施の形態4においては、配管16が前記第6の発明における「流通流路」に相当していると共に、制御部56が、上記ステップ100の処理を実行することにより前記第6の発明における「異常判断手段」が、上記ステップ102の処理を実行することにより前記第6の発明における「ガス流通制御手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態5.
[実施の形態5の特徴]
次に、図8を参照して、本発明の実施の形態5について説明する。本実施の形態のシステムは、図6に示すハードウェア構成を用いて、制御部56に後述する図8に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
上述した実施の形態4では、軽微な異常が検知されたタンクの水素ガスを優先的に使用することでタンク内部の圧力を下げ、危険を回避することとしている。これに対して、異常タンクの水素ガスを消費しなくても、内部圧力が異常タンクよりも低い正常タンク(以下、「低圧正常タンク」と称す)があるのであれば、異常タンクとの間で内部圧力が均一になるように水素ガスの流量を制御することで、異常タンクの内部圧力を下げることが可能である。
そこで、本実施の形態では、タンクの軽微な破損が検知された場合、異常タンクの水素ガスを内部圧力の低い正常タンクに移動させることとする。これにより、異常タンクの内部圧力を効果的に下げ、危険を回避することが可能である。
[実施の形態5における具体的処理]
図7は制御部56が、複数のタンクの供給量を制御するために実行するルーチンのフローチャートである。図7に示すルーチンでは、先ず、それぞれのタンク10の軽微な異常が検知されたか否かが判断される(ステップ200)。ここでは、具体的には、図7に示すステップ100と同様の処理が実行される。
上記ステップ200において、軽微な異常が発生していると判断されたタンクがある場合には、次のステップに移行し、すべてのタンクの内部圧力が検出される(ステップ202)。ここでは、具体的には、圧力センサ18の出力信号に基づいて、それぞれのタンク10の内部圧力が検出される。
次に、低圧正常タンクがあるか否かが判断される(ステップ204)。ここでは、具体的には、上記ステップ202にて検出された圧力が比較され、異常タンクよりも内部圧力の低い正常タンクがあるか否かが判断される。そして、低圧正常タンクがないと判断された場合には、本ルーチンは速やかに終了する。
一方、上記ステップ204において、低圧正常タンクがあると判断された場合には、異常タンクと低圧正常タンクの内部圧力を均一化させる処理が実行される(ステップ206)。ここでは、具体的には、異常タンクと低圧正常タンクの制御弁を開弁し、異常タンクより高圧な正常タンクの制御弁を閉弁する処理が実行される。これにより、異常タンクの水素ガスが低圧正常タンクに移動し、両タンクの内部圧力が均一となる。
以上説明したとおり、本実施の形態のシステムによれば、タンク10の異常を精度良く検知することができる。そして、異常タンクの水素ガスを低圧正常タンクに移動させることにより、異常タンクの内部圧力を効果的に下げ、危険を回避することができる。
ところで、上述した実施の形態5においては、実施の形態1に示すタンク10を使用したシステムについて、本実施の形態を実行することとしているが、使用するタンクはこれに限定されない。すなわち実施の形態2または3にて示したタンク30あるいはタンク40を用いたシステムに基づいて、本実施の形態を実行することとしてもよい。
尚、上述した実施の形態5においては、配管16が前記第7の発明における「連通流路」に相当していると共に、制御部56が、上記ステップ200の処理を実行することにより前記第7の発明における「異常判断手段」が、上記ステップ204の処理を実行することにより前記第7の発明における「内部圧力比較手段」が、上記ステップ206の処理を実行することにより前記第7の発明における「制御手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態6.
[実施の形態6の特徴]
次に、図9乃至11を参照して、本発明の実施の形態6について説明する。本実施の形態のシステムは、図9に示すハードウェア構成を用いて、制御部64に後述する図10および11に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
図9は、本実施の形態6の構成を説明するための図である。図9に示すとおり、本実施の形態のシステムは、前述した実施の形態1に示す水素貯蔵タンクと同じタンク10a、10b、10c(以下、特にこれらを区別しない場合には単に「タンク10」と称す)を備えている。タンク10には、水素供給システム60が水素ガスを供給するための配管16a、16b、16c(以下、特にこれらを区別しない場合には単に「配管16」と称す)がそれぞれ接続されている。配管16には、実施の形態1にて上述したタンク10の異常を検知するセンサ18a、18b、18c(以下、特にこれらを区別しない場合には単に「センサ18」と称す)と、タンク10の圧力を検出する圧力センサ50a、50b、50c(以下、特にこれらを区別しない場合には単に「圧力センサ50」と称す)と、タンク10への水素供給量を制御する制御弁62a、62b、62c(以下、特にこれらを区別しない場合には単に「制御弁62」と称す)と、が設けられている。
本実施の形態のシステムは、図9に示すとおり、制御部64を備えている。上述したセンサ18の出力、圧力センサ50の出力等は、制御部64に供給されている。制御部64は、これらのセンサ出力に基づいて、制御弁64の制御等の処理を行う。
[実施の形態6の動作]
上述した実施の形態4または5では、早急に使用を中止するほどではない軽微な異常が検知されたタンクにおいては、タンク内部の水素ガスを使用、あるいは移動することでタンク内部の圧力を下げ、危険を回避することとしている。つまり、異常の検知されたタンクの中には、タンクの内部圧力を低くすれば安全性を十分に確保することができる軽微な異常のタンクも存在する。このため、これらのタンクについては、内部圧力を下げてタンクを使用することとしている。
ところで、上述した水素貯蔵タンクは、水素ガスを再充填することにより、繰り返し使用することができる。ここで、上述した軽微な異常が検知されたタンクに水素ガスを再充填する場合においては、安全性の観点からタンク内部を高圧な状態とすることはできない。そこで、本実施の形態においては、再充填する異常タンクの充填圧力を正常なタンクよりも低く設定することとする。これにより、異常タンクに水素ガスを再充填する場合において、タンク内部に充填される水素ガスの圧力、或いは流量を正常なタンクよりも低くすることができ、異常タンクであっても安全性が確保できる範囲内において再度使用することができる。また、異常の度合いの高いタンクにおいては、設定充填圧力を大気圧以下とすれば、水素ガスの再充填が禁止されることとなるため、確実に安全性を確保することが可能となる。
[実施の形態6における具体的処理]
図10は、制御部64が、軽微な異常が検知されたタンクの充填圧力を設定するために実行するルーチンのフローチャートである。図10に示すルーチンでは、先ず、タンク10の軽微な異常が検知されたか否かが判断される(ステップ300)。ここでは、具体的には、図7に示すステップ100と同様の処理が実行される。
上記ステップ200において、軽微な異常が発生していると判断されたタンクがある場合(以下、タンク10aを異常タンクとする)には、次のステップに移行し、かかるタンクの充填圧力が設定される(ステップ302)。ここでは、具体的には、先ず、センサ18aの出力信号に基づいて、タンクの異常の程度が推定される。次に、安全性を確保するために、推定されたタンクの異常の程度が高いほど充填圧力αが低い値になるように設定される。ECU64は、かかる出力信号と充填圧力αとの関係を定めたマップを記憶している。ここでは、そのマップに従って、上記センサ18aの出力信号に対応する充填圧力αが特定される。設定された充填圧力αは、以下に示す水素ガスをタンク10aに充填する動作において使用される。
図11は、制御部64が、水素ガスをタンク10aに充填するために実行するルーチンのフローチャートである。図11に示すルーチンでは、先ず、タンクの内部圧力が検出される(ステップ310)。ここでは、具体的には、圧力センサ18aの出力信号に基づいて、それぞれのタンク10の内部圧力Pが検出される。
次に、上述した図10に示すルーチンにおいて特定された充填圧力αと、上記ステップ310にて検出された内部圧力Pとの大小が比較される(ステップ312)。ここでは、具体的には、タンクの内部圧力Pが、充填圧力αを超えていないかが判断される。
上記ステップ312において、タンクの内部圧力Pが、充填圧力αを超えていないと判断された場合には、制御弁62aが開弁され、水素供給システム60から水素ガスが供給される(ステップ314)。一方、本ルーチンを繰り返し実行することにより水素ガスが充填され、タンクの内部圧力Pが充填圧力αに達した場合には、制御弁62aが閉弁され、水素供給システム60からの水素ガス供給が制限される(ステップ316)。
以上説明したとおり、本実施の形態のシステムによれば、軽微な異常が検知されたタンク10aについて、充填圧力αが正常なタンクよりも低く設定される。このため、軽微な異常を有するタンクであっても、安全が保障される範囲内において再度水素ガスの充填を実行し、使用することができる。
ところで、上述した実施の形態6においては、実施の形態1に示すタンク10を使用したシステムについて、本実施の形態を実行することとしているが、使用するタンクはこれに限定されない。すなわち実施の形態2または3にて示したタンク30あるいはタンク40を用いたシステムに基づいて、本実施の形態を実行することとしてもよい。
また、上述した実施の形態6においては、検出されたセンサ18の信号と充填圧力αとの関係を定めたマップに基づいて、充填圧力αを特定することとしているが、充填圧力の特定手法はこれに限られない。すなわち、タンクの安全が保障される範囲内において充填圧力を設定するのであれば、他の手法により特定することとしてもよい。
また、上述した実施の形態6においては、制御部64が、供給される各種信号に基づいて、制御弁62の開閉制御を実行することとしているが、制御弁62の制御は制御部64に限られない。すなわち、制御部64と水素供給システム60は、通信等の手段により互いに情報を送受信し、効果的に相互動作を実行することも可能である。このため、水素ガスの充填制御は制御部64に限らず、水素供給システム60において制御することとしてもよい。
尚、上述した実施の形態6においては、配管16が前記第8の発明における「ガス流路」に相当していると共に、水素供給システム60が前記第8の発明における「流体ガス供給装置」に相当している。
また、上述した実施の形態6においては、制御部64が、上記ステップ300の処理を実行することにより前記第8の発明における「異常判断手段」が、上記ステップ302の処理を実行することにより前記第8の発明における「充填圧力設定手段」が、上記ステップ314または316において、制御弁の開閉処理を実行することにより前記第8の発明における「充填制御手段」が、それぞれ実現されている。
本発明の実施の形態1の構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態1において使用される水素貯蔵タンクの構成を説明するための詳細図である。 本発明の実施の形態1における水素貯蔵タンクの異常を検知するための動作を説明するための図である。 本発明の実施の形態2において使用される水素貯蔵タンクの構成を説明するための詳細図である。 本発明の実施の形態3において使用される水素貯蔵タンクの構成を説明するための詳細図である。 本発明の実施の形態4の構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態4において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態5において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態6の構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態6において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態6において実行されるルーチンのフローチャートである。
符号の説明
10、30、40 水素貯蔵タンク
12 荷重負担層
14 バリア層
16 配管
18 センサ
20 凹部
22 検知物質
32 検知物質封入層
34 孔
42 検知物質封入層
50 圧力センサ
52 制御弁
54 FCシステム
56 制御部
60 水素供給システム
62 制御弁
64 制御部

Claims (9)

  1. 少なくともバリア層と外層との2層の部材から構成される内部空間に高圧の流体ガスを貯蔵する流体貯蔵タンクであって、
    前記内部空間への拡散性を有する検知物質を、前記外層と前記バリア層との間に配置することを特徴とする流体貯蔵タンク。
  2. 前記外層は、内壁に複数の凹部を備え、
    前記外層と、前記バリア層との間に形成された空間に、前記検知物質を封入することを特徴とする請求項1記載の流体貯蔵タンク。
  3. 前記外層と前記バリア層との間に、複数の孔が形成された検知物質封入層を更に備え、
    前記検知物質封入層によって、前記外層と前記バリア層との間に形成された空間に、前記検知物質を封入することを特徴とする請求項1記載の流体貯蔵タンク。
  4. 前記外層と前記バリア層との間に、前記検知物質が含有された検知物質含有層を更に備えることを特徴とする請求項1記載の流体貯蔵タンク。
  5. 前記内部空間あるいは前記内部空間に連通する空間に、前記検知物質を検知するためのセンサを更に備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の流体貯蔵タンク。
  6. 請求項5記載の流体貯蔵タンクを複数備えた流体貯蔵タンク利用システムであって、
    前記流体貯蔵タンクに貯蔵された流体ガスを流通させる流通流路と、
    前記センサの出力信号に基づいて、前記流体貯蔵タンクの異常を判断する異常判断手段と、
    前記異常判断手段により異常が判断された流体貯蔵タンクに貯蔵された流体ガスが優先的に流通するように、前記流体ガスの流量を制御するガス流通制御手段と、
    を備えることを特徴とする請求項5記載の流体貯蔵タンク利用システム。
  7. 請求項5記載の流体貯蔵タンクを複数備えた流体貯蔵タンク利用システムであって、
    前記流体貯蔵タンク利用システムが備える複数の流体貯蔵タンクを互いに連通させる連通流路と、
    前記流体貯蔵タンクの内部圧力を検知する圧力センサと、
    前記センサの出力信号に基づいて、前記流体貯蔵タンクの異常を判断する異常判断手段と、
    前記異常判断手段により異常と判断された異常タンクの内部圧力と、異常と判断されていない正常タンクの内部圧力と、を比較する内部圧力比較手段と、
    前記異常タンクより内部圧力が低い低圧正常タンクを有する場合は、前記異常タンクと前記低圧正常タンクとが連通されるように制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする請求項5記載の流体貯蔵タンク利用システム。
  8. 請求項5記載の流体貯蔵タンクを備えた流体貯蔵タンク利用システムであって、
    前記流体貯蔵タンクに充填される流体ガスを供給する流体ガス供給装置と、
    前記流体ガス供給装置と前記流体貯蔵タンクとを連通させるガス流路と、
    前記流体貯蔵タンクの内部圧力を検知する圧力センサと、
    前記流体貯蔵タンクに充填される流体ガスの充填圧力を設定する充填圧力設定手段と、
    前記内部圧力が前記充填圧力を超えないように、前記流体ガスの充填量を制御する充填制御手段と、
    前記センサの出力信号に基づいて、前記流体貯蔵タンクの異常を判断する異常判断手段と、を備え、
    前記充填圧力設定手段は、
    前記異常判断手段により異常が判断された異常タンクの充填圧力を低く設定することを特徴とする請求項5記載の流体貯蔵タンク利用システム。
  9. 少なくともバリア層と外層との2層の部材から構成される内部空間に高圧の流体ガスが流通するための流体用配管であって、
    前記内部空間への拡散性を有する検知物質を、前記外層と前記バリア層との間に配置することを特徴とする流体用配管。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019100369A (ja) * 2017-11-29 2019-06-24 トヨタ自動車株式会社 燃料ガス供給装置
JP2021032144A (ja) * 2019-08-23 2021-03-01 いすゞ自動車株式会社 天然ガスエンジンの燃料供給装置

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