JP2007309406A - 摩耗粉吸着手段を備えたディスクブレーキ - Google Patents

摩耗粉吸着手段を備えたディスクブレーキ Download PDF

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【課題】ロータの回転による遠心力を受けてロータの径方向略外方に飛散する摩耗粉を確実に捉えて生活環境の汚染を防ぐことができる摩耗粉吸着手段を備えたディスクブレーキを提供すること。
【解決手段】回転するロータ18の摩擦面にブレーキパッド28を押圧して制動を行い、この制動時に生じる摩耗粉を吸着する摩耗粉吸着手段を備えたディスクブレーキにおいて、摩耗粉吸着手段は耐熱性繊維から成る吸着部材30で構成され、この吸着部材30が、ブレーキパッド28の装着位置に対してロータ18の回出側近傍で、かつ、ロータ外周部18a近傍に位置するように、非回転部材に支持されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、回転するロータの摩擦面にブレーキパッドを押圧して制動を行い、該制動時に生じる摩耗粉を吸着する摩耗粉吸着手段を備えたディスクブレーキに関する。
ディスクブレーキにおいて、ブレーキパッドを回転するロータの摩擦面にブレーキパッドを押圧して制動を行った時に生じる摩耗粉は、ロータの回転による遠心力を受けてロータの径方向略外方に飛散し、周囲のブレーキ部品に付着して部品を汚してしまい、特にホイールに付着すると外部から汚れが目立ち、美観の低下を招いていた。このためホイール側に摩耗粉が飛ばないように摩耗粉を車両の内方に誘導するカバーを設けたものが公知である(例えば、特許文献1参照)。
また、ロータの摩擦面に付着した摩耗粉を除去する手段も開発されている(例えば、特許文献2参照)。図12は摩耗粉をロータから除去する摩耗粉除去装置を備えたディスクブレーキの正面図であって、ブレーキパッド1を支承したキャリパマウント2のロータ3の回入側と回出側に摩耗粉除去装置4,5が設けられている。この摩耗粉除去装置4,5はロータ3の摩擦面3aに付着した摩耗粉を、例えば、静電気式吸着、或は磁力式吸着により除去することができる。
一方、摩耗粉を大気中に飛散させないように、ブレーキパッドに摩耗粉を吸着させる手段も開発されている(例えば、特許文献3参照)。図13は摩擦部材に摩耗粉吸着体を装着した従来のブレーキパッドの平面図であって、ブレーキパッド6は裏板7に取り付けた摩擦部材8を有し、この摩擦部材8の外周部に摩耗粉吸着体9が装着されている。そして制動時に摩擦部材8の摩擦によりに発生する摩耗粉を摩耗粉吸着体9に吸着させて大気中への飛散を抑えるようにしている。
特開平9−257062号公報(段落0013、図1) 特開2004−176737号公報(段落0013、0014、図1) 特開平11−311272号公報(段落0011、図1)
しかしホイール側に摩耗粉が飛ばないように摩耗粉を車両の内方に誘導するカバーを設けた前記特許文献1に記載の従来のものは、摩耗粉の飛散方向を変えるだけであり、摩耗粉は大気中に浮遊して生活環境を汚染してしまう虞があった。また、ロータの摩擦面に付着した摩耗粉を除去する従来の前記特許文献2に記載の摩擦粉除去装置を備えたディスクブレーキにあっては、ロータの摩擦面に付着した摩耗粉は除去でき、摩擦面における摩擦特性の安定化は図れても、摩擦面に付着しない摩耗粉は、同様に大気中に浮遊してしまい環境汚染の問題があった。
一方、摩擦部材に摩耗粉吸着体を装着した従来の前記特許文献3に記載のブレーキパッドは、ロータの摩擦面と対向配置したブレーキパッドにより摩耗粉を吸着するので、吸着できる摩耗粉は側部のブレーキ領域だけであり、大気中に浮遊する摩耗粉の量は低減できるものの、ロータの回転による遠心力を受けてロータ径方向略外方に飛散する摩耗粉までは捉えることができなかった。
本発明はこのような問題点に着目して成されたもので、ロータの回転による遠心力を受けてロータ径方向略外方に飛散する摩耗粉を確実に捉えて生活環境の汚染を防ぐことができる摩耗粉吸着手段を備えたディスクブレーキを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の摩耗粉吸着手段を備えたディスクブレーキは、回転するロータの摩擦面にブレーキパッドを押圧して制動を行い、該制動時に生じる摩耗粉を吸着する摩耗粉吸着手段を備えたディスクブレーキであって、前記摩耗粉吸着手段は耐熱性繊維から成る吸着部材で構成され、該吸着部材が、ブレーキパッドの装着位置に対してロータの回出側近傍で、かつ、ロータ外周部近傍に位置するように、非回転部材に支持されている摩耗粉吸着手段を備えている。
本発明の請求項2に記載の摩耗粉吸着手段を備えたディスクブレーキは、請求項1に記載の摩耗粉吸着手段を備えたディスクブレーキであって、前記吸着部材がアラミド繊維、セラミック繊維または金属繊維から成る耐熱性繊維から構成されている。
本発明の請求項3に記載の摩耗粉吸着手段を備えたディスクブレーキは、請求項1に記載の摩耗粉吸着手段を備えたディスクブレーキであって、前記吸着部材がアルミニウム繊維、ステンレス繊維等の金属繊維のメッシュから構成されている。
本発明の請求項4に記載の摩耗粉吸着手段を備えたディスクブレーキは、請求項3に記載の摩耗粉吸着手段を備えたディスクブレーキであって、前記金属繊維のメッシュのメッシュサイズが100〜500メッシュである摩耗粉吸着手段を備えている。
本発明の請求項5に記載の摩耗粉吸着手段を備えたディスクブレーキは、請求項1〜4に記載の摩耗粉吸着手段を備えたディスクブレーキであって、前記非回転部材はダストカバーであって、前記吸着部材は前記ダストカバーに着脱自在に取り付けられている摩耗粉吸着手段を備えている。
本発明の請求項6に記載の摩耗粉吸着手段を備えたディスクブレーキは、請求項1〜4に記載の摩耗粉吸着手段を備えたディスクブレーキであって、前記非回転部材はキャリパマウントであって、前記吸着部材は前記キャリパマウントに着脱自在に取り付けられている。
本発明の請求項7に記載の摩耗粉吸着手段を備えたディスクブレーキは、請求項1ないし6に記載の摩耗粉吸着手段を備えたディスクブレーキであって、前記吸着部材は箱形ケース内に収納されている。
本発明の請求項8に記載の摩耗粉吸着手段を備えたディスクブレーキは、請求項7に記載の摩耗粉吸着手段を備えたディスクブレーキであって、前記吸着部材は箱形ケースに挿脱自在に収納されている。
本発明の請求項1に記載の摩耗粉吸着手段を備えたディスクブレーキは、吸着部材が、ブレーキパッドの装着位置に対してロータの回出側近傍で、かつ、ロータ外周部近傍に位置するところに取り付けられているので、ブレーキパッドの押圧により生じた飛散する摩耗粉を効率よく吸着させることができる。
本発明の請求項2に記載の摩耗粉吸着手段を備えたディスクブレーキは、吸着部材がアラミド繊維、セラミック繊維または金属繊維から成る耐熱性繊維から構成されているので、前記構成の吸着部材は耐熱性があり好適である。
本発明の請求項3に記載の摩耗粉吸着手段を備えたディスクブレーキは、吸着部材がアルミニウム繊維、ステンレス繊維等の金属繊維のメッシュから構成されているので、吸着部材が摩耗粉を効果的に吸着する。
本発明の請求項4に記載の摩耗粉吸着手段を備えたディスクブレーキは、吸着部材の金属繊維のメッシュのメッシュサイズが100〜500メッシュであるので、前記メッシュの吸着部材として該メッシュサイズが好適である。
本発明の請求項5に記載の摩耗粉吸着手段を備えたディスクブレーキは、吸着部材が前記ダストカバーに着脱自在に取り付けられているので、吸着部材の吸着機能が低下した場合に、ダストカバーから取り外して容易に交換できる。
本発明の請求項6に記載の摩耗粉吸着手段を備えたディスクブレーキは、吸着部材が前記キャリパマウントに着脱自在に取り付けられているので、吸着部材を安定してロータの回出側近傍に支持させることができる。
本発明の請求項7に記載の摩耗粉吸着手段を備えたディスクブレーキは、吸着部材を箱形ケース内に収納することにより、吸着部材を安定保持できると共に、吸着部材に衝突して跳ね返った吸着しきれなかった摩耗粉を箱形ケース内に閉じ込めて、ブレーキ装置周辺に飛散することを防止できる。
本発明の請求項8に記載の摩耗粉吸着手段を備えたディスクブレーキは、吸着部材を箱形ケースに挿脱自在に収納することで、箱形ケースを直接取り外すことなく吸着部材の交換ができる。
本発明の実施例を以下に説明する。
本発明の実施例1を図1ないし図6に基づいて説明する。図1は本発明の実施例1における摩耗粉吸着手段を備えたディスクブレーキの斜視図、図2は図1のA−A断面図、図3(a)は走行方向の前方側にキャリパが取り付けられている場合のディスクブレーキの正面図であり、(b)は走行方向の後方側にキャリパが取付られている場合のディスクブレーキの正面図、図4(a)は摩耗粉吸着装置の側面図であり、(b)はその正面図、図5(a)は実施例1の摩耗粉吸着装置の第1変形例を示す正面図であり、(b)は同じく摩耗粉吸着装置の第2変形例を示す正面図、図6(a)は摩耗粉吸着試験結果を示す表であり、(b)は同試験結果による摩耗粉吸着率を表すグラフである。
図1乃至図3に示すように、本発明の摩耗粉吸着手段は自動車用のディスクブレーキ10に適用されたものであり、車軸12にスプライン嵌合したハブ14にボルト16を介してロータ18とホイール20が固定されて、このハブ14は非回転部材としてのナックル22に取り付けられたベアリング23を介して回転自在に支持されている。
ナックル22にはキャリパ24を摺動自在に支持するキャリパマウント26が取り付けられている。キャリパ24内には液圧ピストン(図示せず)が内蔵され、ブレーキマスタシリンダからの制動液圧がこの液圧ピストンに加えられるとキャリパ24が摺動して、ロータ18の両側に配置されキャリパマウント26に摺動可能に保持されたブレーキパッド28(図3参照)がロータ18を両側から押圧して制動力が発生する。
ブレーキパッド28の装着位置に対してロータ18の回出側近傍で、かつロータ外周部18a近傍位置に、摩耗粉吸着手段としての摩耗粉吸着部材30がナックル22に固定したダストカバー32に支持されている。
図3(a)は、自動車がS方向に進行し、ロータ18がP方向に回転している場合に、車軸12に対して進行方向前方側にキャリパ24が装着されているディスクブレーキ10を示したもので、ブレーキパッド28の装着位置、即ちキャリパ24に対してロータ18の回出側近傍で、かつロータ外周部18a近傍位置に摩耗粉吸着部材30が配置されている。また、図3(b)に示すように、車軸12に対して進行方向Sの後方側にキャリパ24’が装着されているディスクブレーキ10’においても、摩耗粉吸着部材30’はロータ18の回出側近傍で、かつロータ外周部18a近傍位置に配置されている。
そしてこの摩耗粉吸着部材30(又は摩耗粉吸着部材30’)のロータ外周部18aに対する取り付け角度は、ブレーキパッド28がロータ18と摩擦接触により生じた摩耗粉が遠心力の作用を受けてロータ18の径方向外方に向けて飛散するのを捕獲し易い角度となっている。
摩耗粉吸着部材30は耐熱性繊維から成り、例えば、アラミド繊維や、セラミック繊維が好適である。また、アルミやステンレスのメッシュの如き金属繊維も使用可能である。織り方は特に指定はないが、平織、綾織、平畳織、綾畳織等が望ましく、メッシュサイズは特に指定はないが100〜500メッシュがよい。
図4(a),(b)に示すように、摩耗粉吸着部材30は、ダストカバー32に取付孔34aを介して取り付けられた支持腕34に傾動自在に保持された吸着部材保持枠36に支持されている。吸着部材保持枠36は摩耗粉吸着部材30の両側面と一体に結合した一対の保持材36a,36aと、両保持材36a,36aと結合した回転軸36bから成り、この回転軸36bの一端側には雄ねじが刻設されており、ナット38により支持腕34に螺着固定されている。したがって、支持腕34に対する吸着部材保持枠36の取り付け角度を適宜設定してナット38で固定することができるので、ダストカバー32に対する摩耗粉吸着部材30は最適な位置に設定可能である。また摩耗粉吸着部材30を交換する場合も、ナット38の装脱で容易に行える。
なお、摩耗粉吸着部材30は図5(a)に示した第1変形例の如く、吸着部材保持枠を使用することなく、ダストカバー32に取り付けた支持腕34に直接固設しても良い。更なる変形例として、最適な取り付け角度が予め分っている場合には、取り付け角度を可変にすることなく、ダストカバー32に摩耗粉吸着部材30を最適角度をもって、直接、接着剤等で固設するようにしても良い。
そして摩耗粉の吸着効率を高めるために、図5(b)に示した第2変形例の如く、摩耗粉吸着部材30の下方を一部切り欠いて略逆U字状にして、ロータ18の両外側面18bに近接配置させるようにしても良い。近接の程度はロータ18の外側面から5mm以内とするのが望ましい。このような逆U字状の摩耗粉吸着部材30を使用することで、ロータ18と摩擦接触した直後の摩耗粉が飛散する前に効率よく捕獲することができる。
次に、本実施例1の摩耗粉吸着部材の吸着効果を調べるために、摩耗粉吸着試験を行った。試験に使用したロータはロータの厚みが20mmの鋳鉄製で、ブレーキパッドはセミメタリック系を使用した。摩耗粉吸着部材は縦60mm、横30mmの大きさのもので、材質は実験例1ではアラミド繊維、実験例2ではアルミメッシュ、実験例3は変形例2の逆U字状のアラミド繊維製の摩耗粉吸着部材とした。一方、比較例では、従来例として挙げた前記特許文献1(特開平9−257062号公報)に記載されたような、ロータの外周部に流れを誘導するカバーを設けたものを使用して試験した。
実測したものは摩耗粉吸着量と摩耗粉飛散量で、これらの合計でブレーキパッド摩耗量を算出した。摩耗粉吸着量は試験後の摩耗粉吸着部材(比較例の場合はカバー)の重量増加分を測り、摩耗粉飛散量は飛散した摩耗粉を回収するための回収カバーを設け、この回収カバーの重量増加分を飛散量とした。摩耗粉吸着率はブレーキパッド摩耗量に対する摩耗粉吸着量の割合を100分率で求め、その結果を図6(a)に示した。図6(b)からも解るように、実験例1から実験例3の摩耗粉吸着率はいずれも比較例と比べ、10〜15倍となる結果が得られた。
次に本発明の実施例2を図7乃至図11に基づき説明する。図7は本発明の実施例2における摩耗粉吸着手段を備えたディスクブレーキの正面図、図8は本発明の実施例2における摩耗粉吸着手段の斜視図、図9は本発明の実施例2の変形例を示す摩耗粉吸着手段を備えたディスクブレーキの正面図、図10は実施例2の変形例に示した摩耗粉吸着手段の正面図、図11(a)は摩耗粉回収試験結果を示す表であり、(b)は同試験結果による摩耗粉回収率を表すグラフである。なお、実施例1と共通の部品は同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図7に示すように、ロータ18がP方向に回転している場合に、キャリパマウント26に摺動可能に保持されたブレーキパッド28の装着位置、即ちキャリパ24に対してロータ18の回出側近傍で、かつロータ外周部18a近傍位置に、摩耗粉吸着部材30が収納された箱形ケース40が配置されている。この箱形ケース40のロータ外周部18aに対する取り付け角度は、ブレーキパッド28がロータ18と摩擦接触により生じた摩耗粉が遠心力の作用を受けてロータ18の径方向外方に向けて飛散するのを捕獲し易い角度となっている。
そして箱形ケース40は、図示していないが、実施例1と同様に、ナックルに固定したダストカバーに支持されている。摩耗粉が遠心力の作用を受けてロータ18の径方向外方に向けて、図7の矢視Xの如く飛散した場合に、摩耗粉を捕獲し易くするために箱形ケース40の上部に開口部40aが形成されており、かつダストカバーに対して支持角度が調節できるようになっている。
図8に示すように、箱形ケース40にはダストカバーと連結固定する支持腕42が設けられ、該ケースの内部に摩耗粉吸着部材30を収納する空間部40bが形成され、この空間部40b内に扉40cを開放して摩耗粉吸着部材30を挿入することができる。扉40cは摩耗粉吸着部材30が収納されている状態ではロック機構40dにより閉鎖され、摩耗粉吸着部材30の交換時にはロック機構40dを外して扉40cを開放して、新しい摩耗粉吸着部材と交換することができる。
摩耗粉吸着部材30を収納する空間部40bは、箱形ケース40の後部空間と前方の金網44とで構成され、開口部40aから飛び込んだ摩耗粉を金網44を介して摩耗粉吸着部材30に吸着させることができる。この金網44と開口部40aとの間の箱形ケース40下方部は摩耗粉を回収できる回収空間部40e(図7参照)として構成され、一度この回収空間部40eに入った摩耗粉は開口部40aから外に飛散しないように箱形ケース40の下方側に蓄積、回収される。
そして摩耗粉の吸着及び回収効率を高めるために、図9、図10に示した変形例の如く、箱形ケース50を使用した例について説明する。箱形ケース50は略逆U字状になっており、キャリパ24に対してロータ18の回出側近傍で、かつロータ18の両外側面18bを跨いで近接配置されている。
摩耗粉が遠心作用を受けてロータ18の径方向外方に向けて、図9の矢視Xの如く飛散した場合に、箱形ケース50の上部に形成した開口部50aがロータ18の外周面18aに接近しているので摩耗粉が捕獲し易く、勢いよく飛び込んできた摩耗粉は摩耗粉吸着部材30に吸着され、その他の摩耗粉は逆U字状となる先端側の両回収空間部50eに蓄積される。このような逆U字状の箱形ケース50を使用することで、ロータ18と摩擦接触した直後の摩耗粉が飛散する前に効率よく捕獲することができる。
次に、本実施例2の箱形ケースを使用した場合の、摩耗粉の回収効果を調べるために、摩耗粉回収試験を行った。実験例4は実施例2の箱形ケース40内に摩耗粉吸着部材30を挿入しない状態でテストを行い、実験例5は箱形ケース40内に摩耗粉吸着部材30を挿入した状態でテストを行った。一方、比較例では、従来例として挙げた前記特許文献1(特開平9−257062号公報)に記載されたような、ロータの外周部に流れを誘導するカバーを設けたものを使用して試験した。
実測したものは摩耗粉回収量と摩耗粉飛散量で、これらの合計でブレーキパッド摩耗量を算出した。摩耗粉回収量は試験後の箱形ケース(比較例の場合はカバー)の重量増加分を測り、摩耗粉飛散量は飛散した摩耗粉を回収するための回収カバーを設け、この回収カバーの重量増加分を飛散量とした。摩耗粉回収率はブレーキパッド摩耗量に対する摩耗粉回収量の割合を100分率で求め、その結果を図11に示した。図11(b)からも分るように、実験例4、実験例5の摩耗粉回収率は比較例と比べ、17〜20倍となる結果が得られた。
以上、本発明の実施例1,2を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、例えば、本実施例では自動車用ディスクブレーキに適応した例で説明したが、鉄道車両や、各種産業用のディスクブレーキにも適応可能である。
また、本実施例では摩耗粉吸着部材或は箱形ケースをブレーキパッド装着位置に対してロータの回出側近傍に設けた例で説明したが、ロータの正逆双方の回転に対処するためにブレーキパッド装着位置の両側に設けても良い。
また、本実施例では摩耗粉吸着部材或は箱形ケースをダストカバーに装着した例で説明したが、摩耗粉吸着部材或は箱形ケースをキャリパマウント、或は固定型キャリパに装着しても良い。
また、本実施例2では箱形ケースに摩耗粉吸着部材を設けた例で説明したが、実験例4でも実証されたように、箱形ケースだけでも摩耗分が高効率で回収できるので、必ずしも箱形ケース内に摩耗粉吸着部材を挿入配置する必要はない。
本発明の実施例1における摩耗粉吸着手段を備えたディスクブレーキの斜視図である。 図1のA−A断面図である。 (a)は走行方向の前方側にキャリパが取り付けられている場合のディスクブレーキの正面図であり、(b)は走行方向の後方側にキャリパが取り付けられている場合のディスクブレーキの正面図である。 (a)は摩耗粉吸着装置の側面図であり、(b)はその正面図である。 (a)は実施例1の摩耗粉吸着装置の第1変形例を示す正面図であり、(b)は同じく摩耗粉吸着装置の第2変形例を示す正面図である。 (a)は摩耗粉吸着試験結果を示す表であり、(b)は同試験結果による摩耗粉吸着率を表すグラフである。 本発明の実施例2における摩耗粉吸着手段を備えたディスクブレーキの正面図である。 本発明の実施例2における摩耗粉吸着手段の斜視図である。 本発明の実施例2の変形例を示す摩耗粉吸着手段を備えたディスクブレーキの正面図である。 実施例2の変形例に示した摩耗粉吸着手段の正面図である。 (a)は摩耗粉回収試験結果を示す表であり、(b)は同試験結果による摩耗粉回収率を表すグラフである。 摩耗粉をロータから除去する摩耗粉除去装置を備えた従来のディスクブレーキの正面図である。 摩擦部材に摩耗粉吸着体を装着した従来のブレーキパッドの平面図である。
符号の説明
10,10’ ディスクブレーキ
12 車軸
14 ハブ
16 ボルト
18 ロータ
18a ロータ外周部
18b ロータ外側部
20 ホイール
22 ナックル
23 ベアリング
24,24’ キャリパ
26 キャリパマウント
28 ブレーキパッド
30,30’ 摩耗粉吸着部材
32 ダストカバー
34 支持腕
34a 取付孔
36 吸着部材保持枠
36a 保持材
38 ナット
40 箱形ケース
40a 開口部
40b 空間部
40c 扉
40d ロック機構
40e 回収空間部
42 支持腕
44 金網
50 箱形ケース
50a 開口部
50e 回収空間部

Claims (8)

  1. 回転するロータの摩擦面にブレーキパッドを押圧して制動を行い、該制動時に生じる摩耗粉を吸着する摩耗粉吸着手段を備えたディスクブレーキであって、前記摩耗粉吸着手段は耐熱性繊維から成る吸着部材で構成され、該吸着部材が、ブレーキパッドの装着位置に対してロータの回出側近傍で、かつ、ロータ外周部近傍に位置するように、非回転部材に支持されている摩耗粉吸着手段を備えたディスクブレーキ。
  2. 前記吸着部材がアラミド繊維、セラミック繊維または金属繊維から成る耐熱性繊維から構成された摩耗粉吸着手段を備えた請求項1に記載のディスクブレーキ。
  3. 前記吸着部材がアルミニウム繊維、ステンレス繊維等の金属繊維のメッシュから構成された摩耗粉吸着手段を備えた請求項1に記載のディスクブレーキ。
  4. 前記金属繊維のメッシュのメッシュサイズが100〜500メッシュである摩耗粉吸着手段を備えた請求項3に記載のディスクブレーキ。
  5. 前記非回転部材はダストカバーであって、前記吸着部材は前記ダストカバーに着脱自在に取り付けられている摩耗粉吸着手段を備えた請求項1〜4に記載のディスクブレーキ。
  6. 前記非回転部材はキャリパマウントであって、前記吸着部材は前記キャリパマウントに着脱自在に取り付けられている摩耗粉吸着手段を備えた請求項1〜4に記載のディスクブレーキ。
  7. 前記吸着部材は箱形ケース内に収納されている請求項1ないし6に記載の摩耗粉吸着手段を備えたディスクブレーキ。
  8. 前記吸着部材は箱形ケースに挿脱自在に収納されている請求項7に記載の摩耗粉吸着手段を備えたディスクブレーキ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022145599A1 (ko) * 2020-12-29 2022-07-07 한국세라믹기술원 수송기관의 브레이크 장치에서 발생한 미세먼지를 포집하기 위한 포집장치

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