JP2007307851A - インクジェット記録ヘッド及び該記録ヘッドのフィルタ固定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 記録ヘッドの大型化を生じることなく、インク導入部のフィルタの有効径を広げることができ、フィルタの周縁切断面を確実に被覆するとともに、インクタンク側の部材との接触を良好に保つことのできるインクジェット記録ヘッドを提供する。
【解決手段】 インクタンク11のインク導出部121が接続されるインク導入部106と、インク導入部の先端面に形成された支持面111に固定されるフィルタ101と、を有するインクジェット記録ヘッド21に関する。そこで、フィルタ101の周縁部を支持面111に向かう方向に折り曲げ成形することで周縁切断面103を支持面111と対向させる。フィルタ101は、その周縁切断面103を支持面111に溶着することにより、該周縁切断面が該支持面に埋め込まれた状態で固定される。
【選択図】 図5

Description

本発明は、インクタンクのインク導出部が接続されるインク導入部と、前記インク導入部の先端面に形成された支持面に固定されるフィルタと、を有するインクジェット記録ヘッド、並びに該インクジェット記録ヘッドのフィルタ固定方法に関する。
記録装置は、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機能を有する記録装置、あるいはコンピュータやワードプロセッサ等を含む複合機器、通信システム、各種処理システム、ワークステーションなどの出力機器として用いられる。この記録装置は、画像情報に基づいて用紙やプラスチックシート等の記録媒体に画像を記録していくように構成されている。記録装置は、記録方式により、インクジェット式、ワイヤドット式、熱転写式、感熱式、レーザービーム式等に分けることができる。また、記録装置は、走査方式により、シリアルタイプとラインタイプに分けることができる。シリアルタイプでは、記録ヘッドを記録媒体に沿って移動させる主走査と記録媒体を紙送りする副走査とを組み合わせて画像を記録する。ラインタイプでは、記録媒体の幅方向に延びる記録ヘッドを用いて1ライン分を一括して記録しながら、搬送方向の副走査のみで画像を記録する。
インクジェット式の記録装置(インクジェット記録装置)においては、記録ヘッドに設けられた複数の微細な吐出口を画像情報に基づいて駆動し、各吐出口から選択的にインクを吐出させることにより画像を記録する。この記録装置に用いられる記録ヘッド(インクジェット記録ヘッド)としては、別体のインクタンクを着脱可能としたものが使用されている。この場合、インクタンクのインク導出部が記録ヘッドのインク導入部に着脱可能に接続される。これらのインク導入部及びインク導出部は樹脂の一体成形品が構成されている。そして、記録ヘッド側のインク導入部の先端開口面にフィルタ固定用の支持面を形成し、この支持面にフィルタを溶着によって固定される。このようなフィルタを有するインクジェット記録ヘッドについては、例えば特許文献1及び2に開示されている。
また、インクタンクの内部に前記フィルタと当接する圧接体を配する構成も実施されている。この圧接体は、供給インクを保持させるためのPP(ポリプロピレン)繊維束で形成されている。このようなフィルタを記録ヘッドのインク導入部の開口面に設けることで、インクタンク内の異物が記録ヘッド内へ進入することを防止している。つまり、インクタンクの内部に装填されている圧接体の繊維破片やごみなどは、記録ヘッド内へ進入するとインク吐出の妨げとなるため、これらの進入を防止するために上記のフィルタが設けられている。また、インクタンクを取り外した状態では、上記のフィルタによって外部からインクタンク内へのごみの侵入を防ぐことができる。このフィルタの構造仕様は、記録ヘッドのインク吐出口の径に合わせて決定される。また、このフィルタとしては、メッシュフィルタや焼結フィルタが使用されている。メッシュフィルタは金属繊維を織って形成したものである。焼結フィルタは、メッシュタイプより目の細かい金属繊維を不織布状に重ね合わせ、その金属部分を焼結することで形成されるフィルタである。
図6は従来の記録ヘッドにインクタンクを装着したときのメッシュフィルタと圧接体の当接状態を示す縦断面図である。図7は図6中のメッシュフィルタを記録ヘッド側に固定する前の状態を示す縦断面図である。図8は従来の記録ヘッドにインクタンクを装着したときの焼結フィルタと圧接体の当接状態を示す縦断面図である。図6において、インクタンクのインク導出部(不図示)には圧接体208が設けられている。インクジェット記録ヘッドのインク導入部206に設けられたフィルタ201を圧接体208に当接させることにより、インク供給を行うように構成されている。このようなインク供給部の構成においては、図7に示すように、フィルタ材のブランクから所定の外形形状に打ち抜いたフィルタを、熱可塑性樹脂の成形品であるインク導入部206に熱溶着によって固定する方法が採られている。
この場合、ブランクからフィルタを打ち抜くことで、このフィルタの周縁部の切断面ではフィルタ材である繊維が剥き出しになる。このため、圧接体208がフィルタ201の繊維によって傷つけられたり、フィルタがインク導入部206から剥離するなどの不都合が生じることがある。このような不都合を無くすためには、フィルタ201の周縁切断面を樹脂等で確実に覆う必要がある。そのため、インク導入部206の先端開口部に環状の覆いリブ202と環状の溶着リブ204が一体に成形されている。そして、図6に示すように、熱溶着治具209により、樹脂からなるリブ202、203を溶融することにより、その樹脂材でフィルタ201の周縁切断面203を包み込むようにして覆っている。また、記録ヘッドのインク導入部206の導入路207のインクタンク側開口部には、該インク導入部に固定(固着)されたフィルタ201の裏面に当接する複数本の支柱205が突設されている。これらの支柱205は、図6に示すように、インク導入部206と一体に形成され、該インク導入部に固定されたフィルタ201を裏面から支持するものである。
この場合、図6に示すように、フィルタ周縁部では、該フィルタを覆った樹脂(覆いリブ202が溶融固着した部分)がフィルタ表面より高い段差形状になっている。通常では、インクタンク側の圧接体208の外径はフィルタ201外径よりも大きい。従って、インクタンクを装着した状態でも、圧接体208は樹脂の段差部とは接触するが、フィルタ201とは直接接触しない状態となる。このため、フィルタ201の当接面を図6のように凸形状とすることで、圧接体208との接触を確保している。この場合、金属繊維を織ったメッシュフィルタの場合は、柔軟性があるため、単部品では平坦な形状であっても、樹脂のインク導入部206に溶着するときに、その中央部の当接面を図6に示すように凸状にして固定することができる。従って、インクタンクを装着して圧接体208をフィルタ201に当接した状態で、フィルタ201を変形させて圧接体208の表面形状に倣わせることができる。これによって、フィルタと圧接体との接触を良好に保つことで、インクを円滑に供給することができる。
一方、焼結フィルタの場合は、次のような不都合がある。すなわち、焼結フィルタは、金属繊維を不織布状に重ねた状態で金属材を焼結して形成されることから、柔軟性に乏しいフィルタである。このため、フィルタ単独部品の状態で中央部が凸形状となるように成形する方法が採られる。そして、図8に示すように、凸形状に成形された焼結フィルタ301を樹脂材のインク導入部206の先端部に図6の場合と同様に溶着して固定する。焼結フィルタ301の場合は、特許文献2にも開示されているように、メッシュフィルタより柔軟性が乏しいため、インクタンクが装着されて圧接体208と当接するときに、該フィルタを圧接体の表面形状に沿うように変形させることが難しい。このため、焼結フィルタの場合は、単独部品の状態もしくは固着した状態で、図8に示すように当接面がほぼ平坦な突出面となるように成形される。これによって、圧接体208との接触を良好に保つことができる。
特許第3352198号公報 特開2002−137410号公報
近年のインクジェット記録装置では高速化の傾向があり、その記録ヘッドではインク吐出口(ノズル)の数を増やすことで高速化に対応する傾向がある。従って、記録ヘッドで消費されるインク量が増大することになり、インクタンクから記録ヘッドへのインク供給量も増大する傾向にある。このため、記録ヘッドのインク導入部206の開口部に設けられるフィルタ201、301においても、ろ過性能を満足させつつ、インク供給量の増加に対応できることが必要性となってくる。その理由は、フィルタ201、301が、インクタンク側の供給インクを保持する圧接体と接触し、導入されるインクを吐出口へ導く機能を有するからである。
このような要請に応える方法として、フィルタ自体を大きくし、フィルタの有効径を拡大することが考えられる。しかし、これでは、記録ヘッドが大型化になって装置の小型軽量化に反することになる。また、フィルタを固定するためのインク導入部206の環状の覆いリブ202は薄肉形状である。このため、樹脂成形時の樹脂材の充填性が不十分となったり、金型内のガス焼け等により成形寸法が不安定でばらつきが大きくなったりする。従って、成形時に覆いリブ202がショートする可能性がある。そして、覆いリブがショートした場合には、フィルタを溶着するときにフィルタの周縁切断面が露出し、フィルタが剥離したり、圧接体208を傷つけるなどの不都合が生じやすい。
また、成形時のガス焼け対策として金型内のガス抜き隙間を通常より厚くすることにより、樹脂の充填性を向上させることができ、これによって覆いリブ202のショートを解消することは可能である。しかし、この場合は、樹脂の充填性が良くなることで、逆に覆いリブ202の体積が増大し、溶着するときにフィルタ201、301の表面を覆う樹脂材が多くなり、フィルタの有効径が小さくなってしまうという不都合がある。さらに、溶着樹脂材がフィルタの当接面よりせり出すことで、フィルタと圧接体の間の接触を良好に保てなくなったりしてしまう。
これらの課題を解決するためには、インク導入部206の環状の覆いリブ202の寸法を厳密に管理したり、覆いリブの体積に適した溶着条件や溶着ホーン形状を選定することが重要になる。しかし、これらを有効に実施することは、非常に困難で量産安定性にさらなる課題が生じることになる。また、成形時の樹脂の充填性が悪いため、これを解決しようとすると、成型機の高能力化による設備投資が増えたり、多数個取りができないために部品のコストが高くなるといった課題もある。
本発明はこのような技術的課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、記録ヘッドの大型化を生じることなく、インク導入部のフィルタの有効径を広げることができるインクジェット記録ヘッド及びそのフィルタ固定方法を提供することである。また、本発明の目的は、フィルタの周縁切断面を確実に被覆することができるとともに、インクタンク側の部材との接触を良好に保つことのできるインクジェット記録ヘッド及びそのフィルタ固定方法を提供することである。
本発明は、インクタンクのインク導出部が接続されるインク導入部と、前記インク導入部の先端面に形成された支持面に固定されるフィルタと、を有するインクジェット記録ヘッドに関する。そこで、フィルタの周縁部を支持面に向かう方向に折り曲げ成形することで周縁切断面を支持面と対向させ、フィルタは、その周縁切断面を支持面に溶着することにより、該周縁切断面が該支持面に埋め込まれた状態で固定される。
また、本発明は、インクタンクのインク導出部が接続されるインク導入部と、前記インク導入部の先端面に形成された支持面に固定されるフィルタと、を有するインクジェット記録ヘッドのフィルタ固定方法に関する。そこで、フィルタの周縁切断面を支持面に向かう方向に折り曲げ成形し、周縁切断面を支持面に当接させた後、フィルタを加熱することにより支持面を溶融し、周縁切断面を支持面に埋め込んだ状態でフィルタを固定する。
本発明によれば、記録ヘッドの大型化を生じることなく、インク導入部のフィルタの有効径を広げることができるインクジェット記録ヘッド及びそのフィルタ固定方法が提供される。また、本発明によれば、フィルタの周縁切断面を確実に被覆するとともにインクタンク側の部材との接触を良好に保つことのできるインクジェット記録ヘッド及びそのフィルタ固定方法が提供される。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を具体的に説明する。なお、各図面を通して同一符号は同一又は対応部分を示すものである。図1は本発明のインクジェット記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置の斜視図である。図1において、記録手段を構成するヘッドユニット10はキャリッジ51に着脱可能に搭載されている。ヘッドユニット10は、記録ヘッド21とインクタンク11で構成されている。本実施形態では、キャリッジ51に対し記録ヘッド21を着脱可能に装着し、記録ヘッド21に対しインクタンク11を着脱可能に装着するように構成されている。キャリッジ51は装置本体に互いに平行に設置されたメインガイドレール52及びサブガイドレール53によって往復移動可能に案内支持されている。キャリッジ51は、モータ54により、モータプーリ55及びアイドラプーリ56に張架されたタイミングベルト57を介して駆動される。記録ヘッド21と対向する位置には、記録部における記録媒体を案内支持するためのプラテン59が配置されている。
プラテン59より通紙方向上流側には、不図示の搬送ローラ(紙送りローラ)が配設されている。自動給紙部62に積載された記録媒体は、一枚ずつ分離されてこの搬送ローラへ給送される。この搬送ローラに対して、ピンチローラガイド60に支持されたピンチローラ61を圧接することにより、給送された記録媒体をさらに記録部へ搬送するための摩擦搬送力が付与される。プラテン59の通紙方向下流側には、搬送ローラと同期駆動される排出ローラ63が配設されている。記録部を通過した記録媒体は、排出ローラ63及び拍車(不図示)によって搬送され、装置本体外へ排出される。
記録ヘッド21は、画像情報に基づいて吐出口から記録媒体へインクを吐出して画像を形成するインクジェット記録ヘッドである。キャリッジ51の移動範囲であって記録領域を外れた位置には、記録ヘッド21のインク吐出性能を維持回復するための回復ユニット65が配設されている。この回復ユニットには、記録ヘッド21の吐出口18(図2)を密閉するためのキャッピング手段、キャッピング手段に接続された吸引ポンプ、記録ヘッドの吐出面17(図2)に付着したインク等を拭き取り除去するワイピング手段などが設けられている。吸引ポンプは、記録ヘッドの吐出口からインクを吸引したり、キャッピング手段のキャップ内に予備吐出された廃インクを吸引するためのものである。
図2は図1中の記録ヘッド21及びインクタンク11からなるヘッドユニット10の構成を示す模式図である。図2において、記録ヘッド21は、記録信号に応じてエネルギーを印加することにより、複数の吐出口18からインクを選択的に吐出して記録するように構成されている。本実施形態の記録ヘッドは、熱エネルギーを利用してインクを吐出するものであり、各吐出口18に熱エネルギーを発生するための電気熱変換体が設けられている。電気熱変換体によって印加される熱エネルギーにより生じるインクの膜沸騰による気泡の成長、収縮によって圧力変化を生じさせ、この圧力変化を利用して吐出口18よりインクを吐出させることにより記録を行なうものである。なお、記録ヘッド21としては、ピエゾ素子等の電気機械変換体を用いてインクを吐出する方式のものなど、他の方式のインクジェット記録ヘッドを用いても良い。
図2において、インクタンク11はインクカートリッジで構成されており、インクタンク11は記録ヘッド21に対し着脱可能である。本実施形態では、インクタンクのインク導出部121を記録ヘッドのインク導入部106に対して着脱するように構成されている。インクタンク11内部のインク導出部121近傍には、PP(ポリプロピレン)繊維束等の繊維からなる圧接体108が充填されている。記録ヘッド21のインク導入部106の中心には導入路107が形成されている。また、インク導入部の先端開口部にはフィルタ101が固定されている。インクタンク11を記録ヘッド21に装着すると、インクタンク側の部材である圧接体108が記録ヘッド側の部材であるフィルタ101に当接した状態となる。記録ヘッド21の本体部25には共通液室16が設けられている。この共通液室は本体部25内の流路13によってインク導入部の導入路107に連通している。
記録ヘッド21の記録媒体と対向する面(フロント面)には、インク吐出部を構成する吐出面17が形成されている。吐出面17には、複数の吐出口18が所定の配列をなして形成されている。各吐出口18の内部はそれぞれのノズル18aにより共通液室16に連通している。圧接体108にはインクタンク11内のインクが保持されている。インクタンク内のインクは圧接体108及びフィルタ12を介して導入路107へ導入され、該インク導入路及び流路13を通して共通液室16に供給される。共通液室16に共通されたインクは、各ノズル18aを通して対応する吐出口18へ到達する。
各ノズル18a内には、発熱素子あるいはピエゾ素子などの吐出エネルギー発生素子が配設されている。画像情報に基づいて各吐出エネルギー発生素子を選択的に駆動することにより、ノズル内のインクに圧力が作用する。ノズル内18aのインクは流抵抗が小さい吐出口18から外部へ放出される。これがインク滴となって飛翔し、記録媒体の表面に着弾する。インクが吐出した後のノズル18a内には、共通液室16から新たにインクが補充され、次の吐出に備える。このプロセスの繰り返しにより記録媒体に画像が形成されていく。本実施形態に係るインクジェット記録ヘッド21は、吐出エネルギー発生素子として、電気信号に応じて膜沸騰をインクに対して生じせしめるための熱エネルギーを生成する電気熱変換体を用いるバブルジェット(登録商標)方式の記録ヘッドである。
図3は本発明によるインクジェット記録ヘッドのフィルタが固定された状態を示す部分縦断面図である。図4は本発明によるインクジェット記録ヘッドにフィルタを固定する方法を示す部分縦断面図である。図5は本発明によるインクジェット記録ヘッドのフィルタとインクタンク内に装填されている圧接体が当接した状態を示す部分縦断面図である。図3〜図5において、インクジェット記録ヘッド21のインク導入部106は熱可塑性樹脂の成形品であり、その内部に導入路107が形成されている。なお、インク導入部106は、記録ヘッドの本体部25(図2)と別に成形される場合は該本体部に熱溶着等で固定されるが、該本体部と一体に成形することも可能である。
インクタンク11の記録ヘッド21への装着は、インク導出部121のインク導入部106への着脱可能な密封嵌合により行われる。インク導入部106のインクタンク側には、フィルタ101を支えるための複数本の支柱105が形成されている。インク導入部106の先端部にはフィルタ101が固定される環状の支持面111が設けられている。この支持面111は、図7の従来例に示すような覆いリブ202や溶着リブ204等を有する薄肉で複雑な形状のものではなく、図4に示すような厚肉で簡単な角形形状になっている。つまり、支持面111は、ほぼ平坦な形状となっており、フィルタの周縁部の切断面を包み込む従来の構造形状とは異なっている。
本実施形態のフィルタ101は、図4に示すように、ブランク材を打ち抜くとともに、該フィルタの周縁部を支持面111に向かう方向(ほぼ直角の方向)に折り曲げ成形されている。これにより、フィルタ101の周縁切断面(周縁部の切断面)103は、支持面111と対向している。そして、フィルタ101は、その周縁切断面103を支持面111に対向する方向から固着することにより、図3及び図5に示すように該周縁切断部を該支持面111に埋め込まれて固定される。つまり、図5に示すように、溶着ヘッド109を用いてフィルタ101を背面から支持面111に対して押圧加熱することにより、該フィルタの周縁部の下向き切断面103が支持面111に埋め込まれた状態で熱溶着され、固定される。
ここで、フィルタ101について説明する。フィルタ101としては、従来同様、板厚0.1〜0.3mm程度のもので、インクに対する安全性からSUS304やSUS316Lのステンレス鋼線材が使用される。そこで、インク液滴を吐出する吐出口18の径に合わせて、メッシュフィルタや焼結フィルタが使用される。ここで、メッシュフィルタは金属繊維を織ったものである。一方、焼結フィルタは、数μm程度の極細の金属繊維を不織布状に重ね、金属を焼結することで形成したものである。また、焼結フィルタとしては、吐出量が2pl程度で吐出口径がφ10μm程度の記録ヘッドの場合、ワイヤー径が2μm程度のものを使用している。
このフィルタ101は、ブランク材をプレス加工で所定の外形形状に打ち抜いた後、その周縁部をほぼ垂直に折り曲げて形成される。この場合の折り曲げ量は、固定強度を確保するために0.2〜0.5mm程度にすることが好ましい。このフィルタ周縁部を折り曲げることにより、フィルタの周縁切断面103はインク導入部106の支持面111とほぼ平行に対向することになる。そのうえ、フィルタ101と圧接体108の当接する面をほぼ平坦な形状にすることができる。
次に、フィルタ101を固定する方法についてさらに説明する。図4に示すように、フィルタ101(その切断面103)をインク導入部106の支持面111上に載置した後、溶着ヘッド109の発熱部(不図示)をフィルタ101のみに接触させて該フィルタを加熱する。これにより、フィルタ101を介して支持面111が溶融されることになる。そうすると、フィルタ101は、その周縁部の下向き切断面103がインク導入部106の支持面111の中に埋め込まれるようにして、該インク導入部に固定(固着)される。
この場合のフィルタ101を加熱する方法としては、種々の周知の方法を採用できる。例えば、溶着ヘッド109の発熱部として遠赤外線ヒータ等を使用することにより、フィルタ101に直接接触することなく加熱する方法を採用しても良い。このとき、加熱されたフィルタの温度は、樹脂材料からなるインク導入部106の溶解温度と同等かそれ以上の温度であることが好ましい。また、例えばフィルタ101をインク導入部106の支持面111上に載置するフィンガー(不図示)に加熱機構を設け、載置と同時にフィルタ101を加熱して支持面111を溶融することによりフィルタ101を固定しても良い。
このような方法でインク導入部106に固定されたフィルタ101では、インクタンク11側の部材である圧接体108との当接面を、支持面111よりも高い平坦な面にすることができる。すなわち、圧接体108が当接されるフィルタ101の面(上面又は背面)を、該フィルタの周縁部が埋め込まれた(周縁切断面103を覆った)樹脂材(インク導入部106の支持面111)よりも高い面(凸面)とし、しかも平坦な面にすることができる。また、本実施形態によるインク導入部106の支持面111は、図7に示すような従来の薄肉で複雑な形状のものとは異なり、厚肉で成形寸法の安定性に優れた形状を有し、フィルタの周縁切断面103を確実に覆うことができる。さらに、成形時の樹脂の充填性も向上するため、成型機を高能力化する必要がなくなり、設備投資も抑えることができ、かつ多数個取りにより部品のコストダウンを図ることもできる。
以上説明した実施形態は、インクタンク11のインク導出部121が接続されるインク導入部106と、インク導入部の先端面に形成された支持面111に固定されるフィルタ101と、を有するインクジェット記録ヘッドに関わる。そこで、フィルタ101の周縁部を支持面111に向かう方向に折り曲げ成形することで周縁切断面103を支持面と対向させる。フィルタ101は、その周縁切断面103を支持面111に溶着することにより、該周縁切断面が該支持面に埋め込まれた状態で固定される。
この場合、フィルタ101の周縁の下向き切断面103がインク導入部106の支持面111とほぼ平行となって対向することで、切断面103を有する周縁部が支持面111内に埋め込まれた状態で固着される。また、フィルタ101を固定するに際しては、該フィルタの切断面103を支持面111に載置した後、該フィルタを上面から加熱する方法が採られる。こうして、フィルタ101を介して支持面111を溶融することで、該フィルタは、その周縁の切断面103が支持面111内へ埋め込まれた状態で溶着され、固定される。
以上説明した実施形態によれば、インクジェット記録ヘッドのフィルタ101の周縁切断面103を樹脂材からなるインク導入部106の支持面111とほぼ平行に対向させて固着する。従って、フィルタ101の上面を樹脂材で覆うことなく、該フィルタの周縁切断面を確実に埋没させた(被覆した)状態で固定することができる。そのうえ、記録ヘッド21の大型化を招くことなく、フィルタ101の有効径を広げることができる。また、インクタンク11を記録ヘッド21に装着したとき、フィルタ101は、インクタンク内のインク導出部121の近傍に配されたPP(ポリプロピレン)繊維束等からなるインク保持性(インク吸収性)の圧接体108と当接する。この場合、上記実施形態によれば、フィルタ101と圧接体108が当接する面を、容易に支持面111より高い平坦を面にすることができ、フィルタと圧接体との接触を良好に保つことができる。
また、フィルタ101を固定する際、支持面111側の樹脂材を直接加熱せず、フィルタ自体を加熱することで該支持面を溶融して固定するように構成されている。このため、樹脂材がインク導入路107内へはみ出すことを極力抑えることができ、インク供給機能を良好に維持することができる。また、フィルタの周縁切断面103を覆うための覆いリブのような薄肉形状部を必要としないので、樹脂成形品であるインク導入部106の先端部の形状を簡素化することができ、厳密な管理を必要とせずに成形寸法の安定化を実現できる。さらに、インク導入部106を樹脂成形する際の樹脂材の充填性を向上させることができるため、成型機を高能力化する必要がなくなり、設備投資も抑えることができる。加えて、多数個取りにより部品のコストダウンを図ることも可能になる。これらによって、インクジェット記録ヘッドの生産性を向上させるとともに、高品質で低コストのインクジェット記録ヘッドを提供することができる。
なお、以上の実施形態では、記録媒体に沿って移動するキャリッジに搭載された記録ヘッドで記録するシリアルタイプのインクジェット記録装置を例に挙げて説明した。本発明は、フルライン記録用の記録ヘッドなどを用いて副走査のみで記録するラインタイプのインクジェット記録装置に対しても同様に適用可能である。また、本発明は、インクジェット記録装置であれば、記録ヘッドの数や、使用するインクの種類数や性状等に関わらず、同様に適用可能なものである。さらに、本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ、通信装置、撮像画像形成装置などの単体装置に限定されるものではない。すなわち、本発明は、これらを組み合わせた複合装置、通信システム、あるいはコンピュータシステムなどの複合システムにおける記録装置としても広く適用可能なものである。
本発明のインクジェット記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置の斜視図である。 図1中の記録ヘッド及びインクタンクからなるヘッドユニットの構成を示す模式図である。 本発明によるインクジェット記録ヘッドのフィルタが固定された状態を示す部分縦断面図である。 本発明によるインクジェット記録ヘッドにフィルタを固定する方法を示す部分縦断面図である。 本発明によるインクジェット記録ヘッドのフィルタとインクタンク内に装填されている圧接体が当接した状態を示す部分縦断面図である。 従来の記録ヘッドにインクタンクを装着したときのメッシュフィルタと圧接体の当接状態を示す縦断面図である。 図6中のメッシュフィルタを記録ヘッド側に固定する前の状態を示す縦断面図である。 従来の記録ヘッドにインクタンクを装着したときの焼結フィルタと圧接体の当接状態を示す縦断面図である。
符号の説明
11 インクタンク
13 流路
16 共通液室
17 吐出面
18 吐出口
21 インクジェット記録ヘッド
25 記録ヘッドの本体部
101 フィルタ
103 周縁切断面
105 支柱
106 インク導入部
107 導入路
108 インクタンク側の部材(圧接体)
109 溶着ヘッド
111 支持面
121 インク導出部

Claims (7)

  1. インクタンクのインク導出部が接続されるインク導入部と、前記インク導入部の先端面に形成された支持面に固定されるフィルタと、を有するインクジェット記録ヘッドにおいて、
    前記フィルタの周縁部を前記支持面に向かう方向に折り曲げ成形することで周縁切断面を前記支持面と対向させ、
    前記フィルタは、その周縁切断面を前記支持面に溶着することにより、該周縁切断面が該支持面に埋め込まれた状態で固定される。
  2. 前記フィルタを加熱することにより前記支持面を溶融させ、前記フィルタを前記支持面に溶着することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  3. 前記インクタンクを前記記録ヘッドに装着したとき、前記フィルタは前記インク導出部の近傍に配されたインク保持性の圧接体と当接することを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録ヘッド。
  4. 前記フィルタの前記圧接体との当接面は、前記支持面より高い位置にあることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録ヘッド。
  5. インクタンクのインク導出部が接続されるインク導入部と、前記インク導入部の先端面に形成された支持面に固定されるフィルタと、を有するインクジェット記録ヘッドのフィルタ固定方法において、
    前記フィルタの周縁切断面を前記支持面に向かう方向に折り曲げ成形し、
    前記周縁切断面を前記支持面に当接させた後、前記フィルタを加熱することにより前記支持面を溶融し、前記周縁切断面を前記支持面に埋め込んだ状態で前記フィルタを固定することを特徴とするインクジェット記録ヘッドのフィルタ固定方法。
  6. 前記フィルタを加熱することにより前記支持面を溶融させ、該支持面に前記フィルタを溶着することを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録ヘッドのフィルタ固定方法。
  7. 前記支持面に溶着された前記フィルタの背面は該支持面より高い位置にあることを特徴とする請求項5及び6に記載のインクジェット記録ヘッドのフィルタ固定方法。
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