JP2007307725A - 情報記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像自身の耐久性を十分に確保する。
【解決手段】本発明に係る情報記録媒体としてのICカード1は、画像記録用インクで画像2a,2bが記録された基体10と、基体10の表面を保護する表面保護層8とを有し、表面保護層8は、画像2a,2bを覆うように形成されかつ基体10上の画像2a,2bが記録された部位より破断伸度が大きい。
【選択図】図1
【解決手段】本発明に係る情報記録媒体としてのICカード1は、画像記録用インクで画像2a,2bが記録された基体10と、基体10の表面を保護する表面保護層8とを有し、表面保護層8は、画像2a,2bを覆うように形成されかつ基体10上の画像2a,2bが記録された部位より破断伸度が大きい。
【選択図】図1
Description
本発明は、キャッシュカード、各種免許証、ICカード等のIDカードや証券、手形などの重要書類に適用可能な情報記録媒体に関する。
キャッシュカード、各種免許証、ICカード等の情報記録媒体には、通常、個人認証用の情報が文字画像や顔画像等として記録されており、近年では、簡便・安価に記録可能という理由から、上記画像はインクジェット方式により記録されるようになっている。
ところで、当該画像は、情報記録媒体の基体の表面に単に記録されただけでは曲げ等の外力に対し弱く、図8に示すように、当該画像を構成するインクがその外力に耐え切れずに割れるといった現象が起こる場合がある。そこで、近年では、情報記録媒体の表面に表面保護層が形成されるようになっており、例えば、特許文献1では、画像を記録した基体上に光硬化型樹脂をインクジェット方式により吐出して表面保護層を形成する旨記載されている。
特開2000−25370号公報(段落番号0011〜0013等参照)
しかしながら、特許文献1に記載の技術のように、情報記録媒体の基体上に単に表面保護層を形成するといった技術では、インクの割れ等を十分に配慮したものとは言えず、画像自身の耐久性を確保するには不十分である。
本発明の目的は、画像自身の耐久性を十分に確保することである。
本発明の目的は、画像自身の耐久性を十分に確保することである。
上記課題を解決するため本発明に係る情報記録媒体は、
画像記録用インクで画像が記録された基体と、
前記画像を覆った状態で前記基体の表面を保護する表面保護層とを有し、
前記表面保護層は、表面保護用インクで形成されかつ前記基体上の前記画像が記録された部位より破断伸度が大きいことを特徴としている。
画像記録用インクで画像が記録された基体と、
前記画像を覆った状態で前記基体の表面を保護する表面保護層とを有し、
前記表面保護層は、表面保護用インクで形成されかつ前記基体上の前記画像が記録された部位より破断伸度が大きいことを特徴としている。
上記情報記録媒体においては、
非接触型のICモジュールを内蔵していてもよく、
前記ICモジュールのICチップ上の前記画像の記録層及び/又は前記表面保護層は弾性率が10〜800MPaであるのが好ましい。
非接触型のICモジュールを内蔵していてもよく、
前記ICモジュールのICチップ上の前記画像の記録層及び/又は前記表面保護層は弾性率が10〜800MPaであるのが好ましい。
上記情報記録媒体においては、
前記画像がインクジェット方式で記録され、前記表面保護層もインクジェット方式で形成されているのが好ましく、
前記画像記録用インク及び前記表面保護用インクがともに光硬化型のインクであるのが好ましく、更に前記表面保護用インクが導電性粒子を含有しているのが好ましい。
前記画像がインクジェット方式で記録され、前記表面保護層もインクジェット方式で形成されているのが好ましく、
前記画像記録用インク及び前記表面保護用インクがともに光硬化型のインクであるのが好ましく、更に前記表面保護用インクが導電性粒子を含有しているのが好ましい。
上記情報記録媒体においては、
前記画像が文字画像、顔画像及び模様のいずれかを含むものである。
前記画像が文字画像、顔画像及び模様のいずれかを含むものである。
上記情報記録媒体においては、
前記基体の一方の面には前記画像が記録され、
前記基体の他方の面には筆記層が設けられていてもよい。
前記基体の一方の面には前記画像が記録され、
前記基体の他方の面には筆記層が設けられていてもよい。
本発明によれば、表面保護層が画像を覆うように形成されかつ基体上の画像が記録された部位より破断伸度が大きいため、画像に曲げ等の外力が加わってもそれを覆う表面保護層が画像を構成する部位より伸張し、画像自身の耐久性を十分に確保することができる。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲は以下の実施形態及び図示例に限定されるものではない。
本発明に係る情報記録媒体は、制限はないが、好ましくはキャッシュカード、従業者証、社員証、会員証、学生証、外国人登録証、各種免許証、ICカード等のIDカードや証券、手形などの重要書類に適用することができる。本発明に係る情報記録媒体をIDカードに適用する場合には、当該IDカードはその構成に特に制限は無いが、イメージワイズに構成される画像要素、すなわち顔画像等の認証識別画像、文字情報、フォーマット印刷、紋様から選ばれる少なくとも1つを設けたカードである。当該IDカードは、セキュリティ、利便性の観点よりICチップを搭載する非接触ICカードであることが好ましい。
本実施形態では、本発明に係る情報記録媒体をICカードに適用した場合について説明する。
図1はICカード1の平面図であり、図2はICカード1の断面図であり、図3はICカード1の断面分解図である。
図1はICカード1の平面図であり、図2はICカード1の断面図であり、図3はICカード1の断面分解図である。
図1に示す通り、ICカード1は矩形状を呈した基体10を有し、その表面(後述の表面シート3の表面)に「従業員証」,「氏名」,「ID」,「所属」を示す文字画像2aと、ICカード1の所有者の顔画像2bとが記録された構成を有している。
文字画像2a,顔画像2bは、公知のインクジェット方式により画像記録に適した専用の画像記録用インク(後述参照)で記録されている。
文字画像2a,顔画像2bは、公知のインクジェット方式により画像記録に適した専用の画像記録用インク(後述参照)で記録されている。
なお、図1では、基体10に記録された画像として文字画像2a,顔画像2bのみを図示したが、基体10に記録可能な画像としては、罫線、社名、カード名称、注意事項、発行元電話番号、住所、生年月日等の個人情報やICカード1の固有番号、固有記号、固有表示部等が含まれ、その他に模様等も含まれる。
図2,3に示す通り、基体10は、表面シート3と裏面シート7との間に接着剤層4,6を介してICモジュール5が内蔵された構成を有している。
表面シート3,裏面シート7は、基体10の表面と裏面とを構成する矩形状の支持体であって、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン、エチレン−4フッ化エチレン共重合体等のポリフッ化エチレン系樹脂、ナイロン6、ナイロン6.6等のポリアミド、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル重合体、生分解性脂肪族ポリエステル、生分解性ポリカーボネート、生分解性ポリ乳酸、生分解性ポリビニルアルコール、生分解性セルロースアセテート、生分解性ポリカプロラクトン等の生分解性樹脂、三酢酸セルロース、セロファン等のセルロース系樹脂、ポリメタアクリル酸メチル、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、等のアクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド等の合成樹脂シート、又は上質紙、薄葉紙、グラシン紙、硫酸紙等の紙、金属箔等の単層体或いはこれら2層以上の積層体で構成されている。
表面シート3,裏面シート7は厚みが30〜300μm、望ましくは50〜200μmである。
表面シート3,裏面シート7は厚みが30〜300μm、望ましくは50〜200μmである。
表面シート3,裏面シート7は、場合によっては種類が異なる表面シート3,裏面シート7又は厚さが異なる表面シート3,裏面シート7を複数積層し、貼り合わせ等により構成されたものであってもよい。
表面シート3,裏面シート7は、必要に応じ、易接化処理が施されてもよいし、カップリング剤、ラテックス、親水性樹脂、帯電防止樹脂などの樹脂層が形成されてもよいし、コロナ処理、プラズマ処理等の易接処理が施されてもよいし、熱収縮を低減するためアニール処理が施されてよい。また、基体10では、基体10の高機能化のためにエンボス、サイン、ICメモリ、光メモリ、磁気記録層、偽変造防止層、ICチップ、赤外吸収層等の層及び部品を介在させてもよい。
表面シート3,裏面シート7は、必要に応じ、易接化処理が施されてもよいし、カップリング剤、ラテックス、親水性樹脂、帯電防止樹脂などの樹脂層が形成されてもよいし、コロナ処理、プラズマ処理等の易接処理が施されてもよいし、熱収縮を低減するためアニール処理が施されてよい。また、基体10では、基体10の高機能化のためにエンボス、サイン、ICメモリ、光メモリ、磁気記録層、偽変造防止層、ICチップ、赤外吸収層等の層及び部品を介在させてもよい。
なお、表面シート3には必要に応じて受像層,クッション層などを設けてもよく、裏面シート7には必要に応じてクッション層,筆記層などを設けてもよく、表面シート3,裏面シート7には印刷層を設けてもよい。
下記に、(A)受像層,(B)クッション層,(C)筆記層,(D)印刷層についてそれぞれ説明する。
下記に、(A)受像層,(B)クッション層,(C)筆記層,(D)印刷層についてそれぞれ説明する。
(A)受像層
受像層とは、書誌情報や識別情報等を画像(文字画像2aや顔画像2b)としてインクジェット方式、熱転写方式、電子写真方式等により形成することができる層であって、画像記録用インクを受容、拡散、密着、固定等して画像の形成を可能とする層である。
画像記録用インクをインクジェット方式に適用する場合には、一般的に知られている方法を用いることができ、具体的には特開2000-44857号公報や特開平9-71743号公報で記載されているような方法を用いることができる。
画像記録用インクを熱転写方式に適用する場合には、一般的に知られている昇華型熱転写方式、溶融型熱転写方式等が適用可能である。
なお、本実施形態において受像層を設ける場合には、画像記録用インクはインクジェット方式に適用されるのが好ましい。
受像層とは、書誌情報や識別情報等を画像(文字画像2aや顔画像2b)としてインクジェット方式、熱転写方式、電子写真方式等により形成することができる層であって、画像記録用インクを受容、拡散、密着、固定等して画像の形成を可能とする層である。
画像記録用インクをインクジェット方式に適用する場合には、一般的に知られている方法を用いることができ、具体的には特開2000-44857号公報や特開平9-71743号公報で記載されているような方法を用いることができる。
画像記録用インクを熱転写方式に適用する場合には、一般的に知られている昇華型熱転写方式、溶融型熱転写方式等が適用可能である。
なお、本実施形態において受像層を設ける場合には、画像記録用インクはインクジェット方式に適用されるのが好ましい。
当該受像層としては、通常知られているバインダーを適宜に用いることができる。
例えばポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニルと他のモノマー(例えばイソブチルエーテル、プロピオン酸ビニル等)との共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、三酢酸セルロース、ポリスチレン、スチレンと他のモノマー(例えばアクリル酸エステル、アクリロニトリル、塩化エチレン等)との共重合体、ビニルトルエンアクリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカプロラクトン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、およびそれらの変性物などを挙げることができるが、好ましいのは、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニルと他のモノマーとの共重合体、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセタ−ル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、スチレンと他のモノマーとの共重合体、エポキシ樹脂、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂などさまざまのバインダーを使用することができる。
具体的な一例として、受像層を、特開平6−286350号公報や特開平5−64989号公報に記載のような金属イオン化合物やキレート化合物、離型材料等の材料を用いて重層により形成する方法が挙げられる。
また、必要に応じて基材色調剤として染料や顔料、膜強度を向上させるために硬膜剤、カチオン媒染剤、退色防止剤、アニオン、カチオンまたは非イオンの各種界面活性剤、潤滑剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることもできる。
例えばポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニルと他のモノマー(例えばイソブチルエーテル、プロピオン酸ビニル等)との共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、三酢酸セルロース、ポリスチレン、スチレンと他のモノマー(例えばアクリル酸エステル、アクリロニトリル、塩化エチレン等)との共重合体、ビニルトルエンアクリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカプロラクトン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、およびそれらの変性物などを挙げることができるが、好ましいのは、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニルと他のモノマーとの共重合体、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセタ−ル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、スチレンと他のモノマーとの共重合体、エポキシ樹脂、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂などさまざまのバインダーを使用することができる。
具体的な一例として、受像層を、特開平6−286350号公報や特開平5−64989号公報に記載のような金属イオン化合物やキレート化合物、離型材料等の材料を用いて重層により形成する方法が挙げられる。
また、必要に応じて基材色調剤として染料や顔料、膜強度を向上させるために硬膜剤、カチオン媒染剤、退色防止剤、アニオン、カチオンまたは非イオンの各種界面活性剤、潤滑剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることもできる。
受像層は、当該受像層を形成する材料を溶媒又は水に分散あるいは溶解してなる受像層用塗工液を調製し、その受像層用塗工液を表面シート3上に塗工し、乾燥する塗工法によって製造されてもよい。
受像層の厚みは、一般に0.01〜30μm、好ましくは0.01〜20μm、より好ましくは0.03〜20μm程度である。
受像層の厚みは、一般に0.01〜30μm、好ましくは0.01〜20μm、より好ましくは0.03〜20μm程度である。
(B)クッション層
クッション層は、画像(文字画像2aや顔画像2b)の表面シート3,裏面シート7への密着性の向上や、ICモジュール5の保護のために設けられる層である。
クッション層を構成する材質としては、例えばウレタン樹脂、アクリル樹脂、エチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ブタジエンラバー、エポキシ樹脂、ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−水素添加イソプレン−スチレンブロック共重合体、ポリブタジエン、特開2002-222403号公報記載の光硬化型樹脂等を用いることができる。
クッション層の厚さは通常、1〜50μm、好ましくは3〜30μmである。
クッション層は、受像層と表面シート3との間、筆記層と裏面シート7との間に設けられるのがよく、複数層で構成されていてよい。
クッション層は、画像(文字画像2aや顔画像2b)の表面シート3,裏面シート7への密着性の向上や、ICモジュール5の保護のために設けられる層である。
クッション層を構成する材質としては、例えばウレタン樹脂、アクリル樹脂、エチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ブタジエンラバー、エポキシ樹脂、ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−水素添加イソプレン−スチレンブロック共重合体、ポリブタジエン、特開2002-222403号公報記載の光硬化型樹脂等を用いることができる。
クッション層の厚さは通常、1〜50μm、好ましくは3〜30μmである。
クッション層は、受像層と表面シート3との間、筆記層と裏面シート7との間に設けられるのがよく、複数層で構成されていてよい。
(C)筆記層
筆記層は、バインダーと各種の添加剤で形成することができる。
筆記層は、裏面シート7に筆記をすることができるようにした層である。
筆記層は、筆記性を有するため少なくとも1層以上からなることが好ましく、1〜5層より形成されていることが好ましい。このような筆記層としては、例えば無機微細粉末、多孔質物質等を用いることができる。多孔質物質としては、例えば、シリカ(沈降性、またはゲルタイプ)、タルク、カオリン、クレー、アルミナホワイト、ケイソウ土、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等を使用することができる。
なお、上記多孔質物質は、上記化合物等の中から1種、または2種以上を混合して使用されるようにしてもよい。多孔質物質を含むことができ特に限定はない。
筆記層は、バインダーと各種の添加剤で形成することができる。
筆記層は、裏面シート7に筆記をすることができるようにした層である。
筆記層は、筆記性を有するため少なくとも1層以上からなることが好ましく、1〜5層より形成されていることが好ましい。このような筆記層としては、例えば無機微細粉末、多孔質物質等を用いることができる。多孔質物質としては、例えば、シリカ(沈降性、またはゲルタイプ)、タルク、カオリン、クレー、アルミナホワイト、ケイソウ土、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等を使用することができる。
なお、上記多孔質物質は、上記化合物等の中から1種、または2種以上を混合して使用されるようにしてもよい。多孔質物質を含むことができ特に限定はない。
また、その他に、筆記層としてバインダーを用いることができ、例えばセラック、ロジンおよびその誘導体、硝化綿および繊維素誘導体、ポリアミド樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、石油樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、塩素化ポリプロピレン、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、水溶性樹脂等を用いることができる。
また、筆記層として、紫外線により共重合し硬化するプレポリマーを含有するUV硬化型樹脂を用いてもよい。それに用いる共重合性化合物としてはポリオールアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアックリレート、ウレタンアクリレート、アルキドアクリレートがあげられる。中でも、ポリエステル樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、が好ましく用いられる。
なお、上記樹脂は、上記化合物等の中から1種、または2種以上を混合して使用されるようにしてもよい。
なお、上記樹脂は、上記化合物等の中から1種、または2種以上を混合して使用されるようにしてもよい。
多孔質物質としては粒径が1〜10μmのものを用いることができ、好ましくは平均粒径が1〜8μmであるものを用いることが好ましい。樹脂に対する多孔質物質の重量比は、固形分比で樹脂100重量部に対し、20重量部〜100重量部であることが好ましい。
その他の添加剤としてワックス、界面活性剤、溶剤、水を含んでいてもよく特に制限はない。
その他の添加剤としてワックス、界面活性剤、溶剤、水を含んでいてもよく特に制限はない。
筆記層の厚さは、好ましくは、5〜40μm、更に好ましくは5〜30μmである。
前記筆記層を形成する場合、場合により裏面シート7との密着性を良好にするために接着層を設けてもよいし、又は筆記性を良好にするためにクッション層などを設けてもよい。
前記筆記層を形成する場合、場合により裏面シート7との密着性を良好にするために接着層を設けてもよいし、又は筆記性を良好にするためにクッション層などを設けてもよい。
本実施形態では、仕上がった筆記層の表面粗さRaが2.0μm以下であるのが好ましく、0.2〜2.0μmであるのがより好ましく、0.3〜1.8μmであるのが更に好ましい。表面粗さRaが0.2μm未満であると筆記性が劣化し問題となる。表面粗さRaが2.0μmを上回ると筆記層への表面保護材料との密着性劣化と、表面粗さRaが粗いために筆記層に手作業又は昇華熱転写方式、溶融熱転写方式、インクジェット方式に昇華熱転写、溶融熱転写、インクジェット、油性ペン、水性ペン、印鑑等により個人識別情報を記載した場合にその記載事項が滲んだりして判別がし難く問題となる。
(D)印刷層
ICカード1では、印刷層として、受像層上又は筆記層上にフォーマット印刷からなる情報坦持体を設けることができる。情報坦持体は、表面シート3と裏面シート7とを張り合わせる前後いずれかにフォーマット印刷又は、情報記録を行ってもよく、オフセット印刷、グラビア印刷、シルク印刷、スクリーン印刷、凹版印刷、凸版印刷、インクジェット方式、昇華転写方式、電子写真方式、熱溶融方式等のいずれの方式によって形成することができる。特に限定はないが、ICカード1においては、オフセット印刷などで設けることが好ましい。
ICカード1では、印刷層として、受像層上又は筆記層上にフォーマット印刷からなる情報坦持体を設けることができる。情報坦持体は、表面シート3と裏面シート7とを張り合わせる前後いずれかにフォーマット印刷又は、情報記録を行ってもよく、オフセット印刷、グラビア印刷、シルク印刷、スクリーン印刷、凹版印刷、凸版印刷、インクジェット方式、昇華転写方式、電子写真方式、熱溶融方式等のいずれの方式によって形成することができる。特に限定はないが、ICカード1においては、オフセット印刷などで設けることが好ましい。
また、ICカード1では、印刷層は、フォーマット印刷からなる情報坦持体が具備され、識別情報及び書籍情報を記録した複数の選ばれる少なくとも一つが設けられた情報坦持体層から構成されてもよい。印刷層には、罫線、社名、カード名称、注意事項、発行元電話番号等が表記されてもよい。
フォーマット印刷による印刷層は目視による偽造防止の為に透かし印刷、細紋等が採用されてもよく、偽造変造防止層としては印刷物、ホログラム、バーコード、マット調柄、細紋、地紋、凹凸パターンなどで適時選択さ、可視光吸収色材、紫外線吸収材、赤外線吸収材、蛍光増白材、ガラス蒸着層、ビーズ層、光学変化素子層、パールインキ層、燐片顔料層、IC隠蔽層、透かし印刷層などから表シートに印刷等で設けることも可能である。
フォーマット印刷からなる情報坦持体の形成には、日本印刷技術協会出版の「平版印刷技術」、「新・印刷技術概論」、「オフセット印刷技術」、「製版・印刷はやわかり図鑑」等に記載されている一般的なインキを用いて形成することができ、光硬化型インキ、油溶性インキ、溶剤型インキなどにカーボンなどのインキにより形成される。
ICカード1においては、フォーマット印刷層に使用することができる印刷層は、バインダー樹脂の代表例としては、例えば活性光線硬化性樹脂、ポリメタクリル酸メチル系のアクリル系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等の塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン等の塩化ビニリデン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、酢酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、アルキッド系樹脂、フェノール系樹脂、弗素系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、カゼイン、ゼラチン等を挙げることができる。本発明においては光硬化型樹脂層であることが好ましく、更に好ましくは(a)一個以上の不飽和結合を有するモノマーもしくはオリゴマーの一種類以上からなるバインダー成分25〜95重量部、(b)開始剤1〜20重量部とを含む組成物からなる光硬化型樹脂組成物からなる印刷インキ層を用いることがICカード1の表面強度の点から特に好ましいものである。
活性光線硬化樹脂を用いる場合、水銀灯、UVランプ、キセノン等の光源により、100mj〜500mjの露光で硬化し用いることができる。
接着剤層4,6は、表面シート3と裏面シート7とを貼り合わせるものである。
接着剤層4,6は、一般に用いられる材料であれば特に制限が無く用いることができる。本実施形態の場合、接着剤層4,6は、取り扱いしやすさから好ましくは、熱、光などのトリガーにより架橋する材料で構成されることが好ましく、具体的には熱硬化型、湿気硬化型、光硬化型などの樹脂材料で構成されることが好ましい。
接着剤層4,6は、一般に用いられる材料であれば特に制限が無く用いることができる。本実施形態の場合、接着剤層4,6は、取り扱いしやすさから好ましくは、熱、光などのトリガーにより架橋する材料で構成されることが好ましく、具体的には熱硬化型、湿気硬化型、光硬化型などの樹脂材料で構成されることが好ましい。
当該熱硬化型樹脂材料としては、常温で流動性を示し、加熱により硬化性を示す樹脂であれば特に限定されない。例えば、ポリウレタン、不飽和ポリエステル、フェノール樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリブタジエン、シリコーン樹脂等を挙げることができる。特に、発泡が容易で耐衝撃性の高いポリウレタン、エポキシ樹脂が好ましい。
当該光硬化型樹脂材料としては、ラジカル重合性成分及び光ラジカル重合開始剤、カチオン重合性成分及び光カチオン重合開始剤からなる組成物が用いることができる。本実施形態では、特に制限はないが好ましくは硬化後の膜の柔軟性があることより、カチオン重合性成分及び光カチオン重合開始剤からなる組成物を用いることが好ましい。
上記カチオン重合性成分としては、例えば、ビスフェノール−エポキシ樹脂、フェノリックエポキシ樹脂、ハロゲン化フェノールエポキシ樹脂、ポリアルキレングリコールエポキシ樹脂、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル等のエポキシ化合物が好適に用いられる。さらに、イソプロピルビニルエーテル、セチルビニルエーテル等のビニルエーテル化合物、オキセタンなどを用いることも可能である。具体的には、山下晋三編、「架橋剤ハンドブック」、(1981年大成社);加藤清視編、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、79頁、(1989年、シーエムシー);滝山栄一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品もしくは業界で公知のラジカル重合性、カチオン重合成ないし架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。
上記光カチオン重合開始剤とは、光によってカチオン種を発生させる重合開始剤のことであり、一般的にはオニウム塩がよく知られている。オニウム塩としては、ルイス酸のジアゾニウム塩、ルイス酸のヨードニウム塩、ルイス酸のスルホニウム塩などが用いられる。これらの化合物の具体例としては、例えば、四フッ化ホウ素のフェニルジアゾニウム塩、六フッ化リンのジフェニルヨードニウム塩、六フッ化アンチモンのジフェニルヨードニウム塩、六フッ化ヒ素のトリ−4−メチルフェニルスルホニウム塩、四フッ化アンチモンのトリ−4−メチルフェニルスルホニウム塩等が挙げられる。これらに限定されるものではなく、光照射によってカチオン種を発生させる化合物であれば使用可能である。
当該湿気硬化型樹脂材料としては、特開平2-16180号公報、特開2000-036026号公報、特開2000-219855号公報、特開平2000-211278号公報、特開平2000-219855号公報、特願平2000-369855号で開示されている。具体的には、ウレタン系樹脂、アルコキシド基含有シリコーン系樹脂などが挙げられる。湿気硬化接着剤の1例として、分子末端にイソシアネート基含有ウレタンポリマーを主成分とし、このイソシアネート基が水分と反応して架橋構造を形成するものがある。湿気硬化型接着剤としては、例えば積水化学工業社製9613N、住友スリーエム社製TE030、TE100、日立化成ポリマー社製ハイボン4820、カネボウエヌエスシー社製ボンドマスター170シリーズ、Henkel社製Macroplast QR3460等があげられる。
ICモジュール5は、公知の非接触型のICモジュールであり、具体的には当該ICカード1の所有者(利用者)の情報を電気的に記憶するICチップ5aと、ICチップ5aに接続されたコイル状のアンテナ体5bとが、支持体5cで支持された構成を有するものである。
ICモジュール5は、ICチップ5aがメモリのみで構成されてもよいし、ICチップ5aがメモリに加えてマイクロコンピュータを含む構成とされてもよいし、場合によりコンデンサーを含んでもよい。ICモジュール5はこれに限定はされず情報記録部材に必要な電子部品であれば特に限定はない。ICモジュール5では、ICチップ5aをフェースダウンでアンテナ体5bに接続させるフリップチップ実装方式の電子部品において特に効果がある。
ICチップ5aの大きさに制限はないが、機械的強度の点からICチップ5aの厚さは、5〜120μmであるのが好ましく、10μm〜120μmであるのがより好ましく、20μm〜120μmであるのが更に好ましい。ICチップ5aは厚さが120μmを上回ると、それ自身の強度が低下し、点圧強度、衝撃性、曲げ性が劣化する。ICチップ5aは厚さが5μm未満であると、現状の加工技術では、均一に薄膜化できず表面性が劣化するため、点圧強度、衝撃性、曲げ性が劣化する。
アンテナ体5bは、アンテナパターンを有する場合、導電性ペースト印刷加工、或いは銅箔エッチング加工、巻線溶着加工等のいずれかの方法で支持体5c上にパターン形成されたものである。
支持体5cとしては、ポリエステル等の熱可塑性のフィルムが用いられ、更に耐熱性が要求される場合はポリイミドが用いられてもよい。
通信性の観点から、アンテナ体5bは樹脂、絶縁層などで被覆されていてもよい。
アンテナ体5bは巻き線タイプであることが好ましく、場合により途中のコイルパターンと短絡することないよう別工程で電気的に接続することも可能である。アンテナ体5bのターン回数は2〜10ターンであることが好ましいが、特に制限はない。
支持体5cとしては、ポリエステル等の熱可塑性のフィルムが用いられ、更に耐熱性が要求される場合はポリイミドが用いられてもよい。
通信性の観点から、アンテナ体5bは樹脂、絶縁層などで被覆されていてもよい。
アンテナ体5bは巻き線タイプであることが好ましく、場合により途中のコイルパターンと短絡することないよう別工程で電気的に接続することも可能である。アンテナ体5bのターン回数は2〜10ターンであることが好ましいが、特に制限はない。
ICモジュール5は、ICチップ5aの回路面に形成されるバンプが、アンテナ体5bが形成されている支持体5cと対向しており、当該バンプがアンテナ体5bと電気的に接続されている。
ここで、ICカード1の一の特徴として、当該ICカード1には、図2に示す通り、基体10の表面を保護する表面保護層8が設けられている。
表面保護層8は、公知のインクジェット方式により形成可能でかつ透明な表面保護用インク(後述参照)で形成されており、図1に示す通り、文字画像2aと顔画像2bとを含む基体10の略全面を覆っている。表面保護層8は、文字画像2aと顔画像2bとが形成された部位より破断伸度が大きく、曲げや伸縮等の外力に対し柔軟性を有している。
ICカード1の他の特徴として、ICチップ5a上(ICチップ5aの配置位置に対応する表面シート3上)の弾性率が10〜800MPaとなっている。ここでは、ICチップ5aの配置位置に対応する表面シート3上に表面保護層8が形成されており、この位置の表面保護層8の弾性率が10〜800MPaとなっている。
以上の構成を具備するICカード1では、ICチップ5aの耐久性向上のためICチップ5aに補強構造物を固定することが好ましい。当該補強構造物は、機械的強度に優れることが好ましい。強度確保のため補強構造物を厚くするとICカード1の厚みが厚くなり、表面性などが低下するため補強構造物は高強度の素材が好ましい。補強構造物の素材としては、金属、セラミック、カーボンファイバー、ガラス繊維、アラミド繊維、高弾性樹脂などが挙げられ、これらより選択される1種または複数からなる複合材料でもよい。特にヤング率100GPa以上の素材が主構造に使用されているのが好ましい。補強構造物は厚みが10〜300μmであるのがよく、20〜200μmであるのが好ましく、30〜150μmであるのが更に好ましい。補強構造物の形状としては、本発明の趣旨に反しない限り、適宜用いることができる。ICカード1では、補強構造物形状は、1つ以上あれば特に制限はない。
次に、「ICカード製造装置」について説明する。
図4はICカード製造装置100の概略構成を示す側面図である。
ICカード製造装置100は、ICカード1を製造する装置であり、具体的には基体10に対し文字画像2a,顔画像2bと表面保護層10とを形成するものである。
図4に示す通り、ICカード製造装置100はICカード1の基体10を支持しながら図4中A方向に搬送するプラテン12を有している。プラテン12は公知のベルトコンベア方式のものであり(詳細は図示略)、その表面が光吸収性を有する樹脂で構成されている。
ICカード製造装置100は、ICカード1を製造する装置であり、具体的には基体10に対し文字画像2a,顔画像2bと表面保護層10とを形成するものである。
図4に示す通り、ICカード製造装置100はICカード1の基体10を支持しながら図4中A方向に搬送するプラテン12を有している。プラテン12は公知のベルトコンベア方式のものであり(詳細は図示略)、その表面が光吸収性を有する樹脂で構成されている。
プラテン12の上方には、基体10に対し文字画像2a,顔画像2bを記録する画像記録部13が設けられている。画像記録部13は、4つの記録ヘッド14〜17から構成されている。
記録ヘッド14〜17は公知のピエゾ素子と吐出口とを有している。
記録ヘッド14〜17では、当該ピエゾ素子が駆動されると、吐出口からイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の各色の画像記録用インクを下方に向けて吐出するようになっている。当該画像記録用インクは光の被照射で硬化する光硬化型インクである(後述参照)。
記録ヘッド14〜17では、当該ピエゾ素子が駆動されると、吐出口からイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の各色の画像記録用インクを下方に向けて吐出するようになっている。当該画像記録用インクは光の被照射で硬化する光硬化型インクである(後述参照)。
基体10の搬送方向Aの画像記録部13より上流側には複数枚の基体10を集積した集積部20が設けられている。集積部20には供給ローラ21が設けられており、供給ローラ21が駆動されると、複数枚の基体10の中から所定のタイミングで基体10が1枚ずつプラテン12に供給されるようになっている。
基体10の搬送方向Aの画像記録部13より下流側には表面保護機構30が設けられている。表面保護機構30は上記記録ヘッド14〜17と同様の構成を有しているもので、基体10の表面を保護するための表面保護用インクを下方に(基体10に向けて)吐出するようになっている。表面保護用インクも、画像記録用インクと同様に光硬化型インクであり、画像記録用インクとはその種類(組成)がやや異なっている(後述参照)。
基体10の搬送方向Aの表面保護機構30より下流側には光照射機構40が設けられている。光照射機構40は光源41とリフレクタ42(反射体)とを有している。リフレクタ42は下方が開放した箱体であってその内面に反射板又は反射膜が設けられたものである。光照射機構40では、光源41が点灯すると、その光がリフレクタ42で反射され、当該光照射機構40の下方に光を照射することができるようになっている。
本実施形態でいう「光」とは、例えば電子線、紫外線、α線、β線、γ線、エックス線等であり、取扱いが容易で工業的にもその利用が普及している電子線、紫外線を用いるのが好ましい。本実施形態では、280〜320nmの波長領域に最高照度をもつ光を用いることが好ましく、光源41の具体例としては、蛍光管、冷陰極管、LED(Light Emitting Diode)などがあるが、これらに限定されない。
なお、光の照射方法として、その基本的な方法が特開昭60−132767号に開示されている。これによると、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射は、インク着弾後、一定時間を置いて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。米国特許第6,145,979号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へ光を照射する方法が開示されている。本実施形態においては、これらの何れの照射方法も用いてもよい。
また、光の照射を2段階に分け、まずインク着弾後0.001〜2.0秒の間に前述の方法で光を照射し、かつ、全記録終了後、更に光を照射する方法も好ましい態様の1つである。光の照射を2段階に分けることで、よりインク硬化の際に起こる基体10の収縮を抑えることが可能となる。
基体10の搬送方向Aの光照射機構40より下流側には情報記録部材50が設けられている。情報記録部材50は基体10のICチップ5aに対し電子情報を記録するものである。
基体10の搬送方向Aの情報記録部材50より下流側には1対の搬出ローラ51,52とスタッカー53とが設けられている。搬出ローラ51,52は互いに逆方向に回転するもので、基体10をプラテン12からスタッカー53に搬出するようになっている。スタッカー53は搬出ローラ51,52を通過した基体10をストック(蓄積)するものである。
次に、「画像記録用インク」について説明する。
画像記録用インクは、光硬化可能化合物や光硬化促進剤、着色剤等を含有するものである。
下記に、(E.1)光硬化可能化合物,(E.2)光硬化促進剤,(E.3)着色剤についてそれぞれ説明する。
下記に、(E.1)光硬化可能化合物,(E.2)光硬化促進剤,(E.3)着色剤についてそれぞれ説明する。
(E.1)光硬化可能化合物
光硬化可能化合物とは、光の照射によって重合してポリマーを形成する化合物である。重合性化合物としては、光照射の際ラジカル反応によって重合する光ラジカル重合性化合物や、カチオン化学種が反応活性種となって重合するカチオン重合系のカチオン重合性化合物が知られており、これらは例えば特開平7−159983号、特公平7−31399号、特開平8−224982号、特開平10−863号、特願平7−231444号等の各号公報に記載されている。
光硬化可能化合物とは、光の照射によって重合してポリマーを形成する化合物である。重合性化合物としては、光照射の際ラジカル反応によって重合する光ラジカル重合性化合物や、カチオン化学種が反応活性種となって重合するカチオン重合系のカチオン重合性化合物が知られており、これらは例えば特開平7−159983号、特公平7−31399号、特開平8−224982号、特開平10−863号、特願平7−231444号等の各号公報に記載されている。
最近では可視光以上の長波長域に増感された光カチオン重合系の光硬化性樹脂も例えば、特開平6−43633号、特開平8−324137等に公開されている。また、特開平2005−153386号等では光硬化型ポリビニルアルコール誘導体の重合物が公開されている。マレイミド誘導体としては、特開昭61−250064号、特開昭62−79243号、特開平6−298817号、特開平11−124403号等が公開されている。画像記録用インクでは、いずれの材料も適用可能である。
画像記録用インクにおいては、材料の人体への影響が少ない(皮膚刺激性等)、カチオン重合性化合物、光硬化型ポリビニルアルコール誘導体、マレイミド誘導体等を光硬化可能化合物として用いるのが好ましい。より好ましくはインクジェット用途において低粘度が必須であること、酸素による重合阻害受けにくく高分子量化したい耐薬品性、耐水性、高表面強度が期待できることより、カチオン重合性化合物、光硬化型ポリビニルアルコール誘導体を光硬化可能化合物として用いるのが好ましい。
下記では、光硬化可能化合物として適用可能な(E.1.1)ラジカル重合性化合物、(E.1.2)カチオン重合性化合物、(E.1.3)光硬化型ポリビニルアルコール誘導体及び(E.1.4)マレイミド誘導体についてそれぞれ説明する。
(E.1.1)ラジカル重合性化合物
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物であればどのようなものでもよく、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態を有するものが含まれる。ラジカル重合性化合物は1種のみ用いてもよく、また目的とする特性を向上するため、任意の比率で2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物であればどのようなものでもよく、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態を有するものが含まれる。ラジカル重合性化合物は1種のみ用いてもよく、また目的とする特性を向上するため、任意の比率で2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エステル、ウレタン、アミドや無水物、アクリロニトリル、スチレン、さらに種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等のラジカル重合性化合物が挙げられる。具体的には、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、カルビトールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、エポキシアクリレート等のアクリル酸誘導体、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン等のメタクリル誘導体、その他、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体が挙げられ、さらに具体的には、山下晋三編、「架橋剤ハンドブック」、(1981年大成社);加藤清視編、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、79頁、(1989年、シーエムシー);滝山栄一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品もしくは業界で公知のラジカル重合性ないし架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。
その他のラジカル重合性化合物としては、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体が挙げられる。更に具体的には、山下晋三編、「架橋剤ハンドブック」、(1981年大成社);加藤清視編、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、79頁、(1989年、シーエムシー);滝山栄一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、日刊工業新聞社)等に記載された周知のラジカル重合性ないし架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。
ラジカル重合性化合物の画像記録用インクに対する添加量は1〜97質量%とすることが好ましい。
(E.1.2)カチオン重合性化合物
カチオン重合性化合物とは、カチオン重合により高分子化の起こるタイプである。カチオン重合性化合物としては、例えばエポキシタイプの光硬化性プレポリマーや1分子内にエポキシ基を2個以上含有するモノマーを適用することができる。このようなプレポリマーとしては、例えば、脂環式ポリエポキシド類、多塩基酸のポリグリシジルエステル類、多価アルコールのポリグリシジルエーテル類、ポリオキシアルキレングリコールのポリグリシジルエーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルエーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルエーテル類の水素添加化合物類、ウレタンポリエポキシ化合物類及びエポキシ化ポリブタジエン類等を挙げることができる。これらのプレポリマーやモノマーは、その一種を単独で使用することもできるし、又その二種以上を混合して使用することもできる。
カチオン重合性化合物とは、カチオン重合により高分子化の起こるタイプである。カチオン重合性化合物としては、例えばエポキシタイプの光硬化性プレポリマーや1分子内にエポキシ基を2個以上含有するモノマーを適用することができる。このようなプレポリマーとしては、例えば、脂環式ポリエポキシド類、多塩基酸のポリグリシジルエステル類、多価アルコールのポリグリシジルエーテル類、ポリオキシアルキレングリコールのポリグリシジルエーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルエーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルエーテル類の水素添加化合物類、ウレタンポリエポキシ化合物類及びエポキシ化ポリブタジエン類等を挙げることができる。これらのプレポリマーやモノマーは、その一種を単独で使用することもできるし、又その二種以上を混合して使用することもできる。
カチオン重合性化合物としては、他に例えば下記の(E.1.2.1)スチレン誘導体、(E.1.2.2)ビニルナフタレン誘導体、(E.1.2.3)ビニルエーテル類、(E.1.2.4)N−ビニル化合物類、(E.1.2.5)オキセタン化合物類等を挙げることができる。
(E.1.2.1)スチレン誘導体
スチレン誘導体としては、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、β−メチルスチレン、p−メチル−β−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシ−β−メチルスチレン等が適用可能である。
スチレン誘導体としては、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、β−メチルスチレン、p−メチル−β−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシ−β−メチルスチレン等が適用可能である。
(E.1.2.2)ビニルナフタレン誘導体
ビニルナフタレン誘導体としては、例えば、2−ビニルナフタレン、α−メチル−2−ビニルナフタレン、β−メチル−2−ビニルナフタレン、4−メチル−2−ビニルナフタレン、4−メトキシ−2−ビニルナフタレン等が適用可能である。
ビニルナフタレン誘導体としては、例えば、2−ビニルナフタレン、α−メチル−2−ビニルナフタレン、β−メチル−2−ビニルナフタレン、4−メチル−2−ビニルナフタレン、4−メトキシ−2−ビニルナフタレン等が適用可能である。
(E.1.2.3)ビニルエーテル類
ビニルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−O−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
ビニルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−O−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
(E.1.2.4)N−ビニル化合物類
N−ビニル化合物類としては、例えば、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン、N−ビニルインドール、N−ビニルピロール、N−ビニルフェノチアジン、N−ビニルアセトアニリド、N−ビニルエチルアセトアミド、N−ビニルスクシンイミド、N−ビニルフタルイミド、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルイミダゾール等が適用可能である。
N−ビニル化合物類としては、例えば、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン、N−ビニルインドール、N−ビニルピロール、N−ビニルフェノチアジン、N−ビニルアセトアニリド、N−ビニルエチルアセトアミド、N−ビニルスクシンイミド、N−ビニルフタルイミド、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルイミダゾール等が適用可能である。
(E.1.2.5)オキタセン化合物類
オキセタン化合物類とは、オキセタン環を有する化合物を意味する。オキセタン化合物類としては、例えば、特開2001−220526号、特開2001−310937号に記載されているような、公知のオキセタン化合物を使用することができる。オキセタン化合物類として、オキセタン環を5個以上有する化合物を使用すると、画像記録用インクの粘度が高くなって取扱いが困難になったり、また画像記録用インクのガラス転移温度が高くなって得られる硬化物の粘着性が十分でなくなってしまう。オキセタン化合物類としてはオキセタン環を1〜4個有する化合物が好ましい。
オキセタン化合物類とは、オキセタン環を有する化合物を意味する。オキセタン化合物類としては、例えば、特開2001−220526号、特開2001−310937号に記載されているような、公知のオキセタン化合物を使用することができる。オキセタン化合物類として、オキセタン環を5個以上有する化合物を使用すると、画像記録用インクの粘度が高くなって取扱いが困難になったり、また画像記録用インクのガラス転移温度が高くなって得られる硬化物の粘着性が十分でなくなってしまう。オキセタン化合物類としてはオキセタン環を1〜4個有する化合物が好ましい。
下記に、オキセタン化合物類の具体例について説明するが、これらに限定されるものではない。1個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、下記一般式(1)で示される化合物が挙げられる。
一般式(1)において、「R1」は水素原子やメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基またはチエニル基である。「R2」は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜6個のアルキル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等の炭素数2〜6個のアルケニル基、フェニル基、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基、フェノキシエチル基等の芳香環を有する基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基等の炭素数2〜6個のアルキルカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等の炭素数2〜6個のアルコキシカルボニル基、またはエチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基、ペンチルカルバモイル基等の炭素数2〜6個のN−アルキルカルバモイル基等である。
画像記録用インクで使用するオキセタン化合物類としては、得られる画像記録用インクが粘着性に優れ、低粘度で作業性に優れるため、1個のオキセタン環を有する化合物を使用することが、特に好ましい。
2個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、下記一般式(2)で示される化合物等が挙げられる。
一般式(2)において、「R1」は、上記一般式(1)におけるそれと同様の基である。「R3」は、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の線状または分枝状アルキレン基、ポリ(エチレンオキシ)基、ポリ(プロピレンオキシ)基等の線状または分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基、プロペニレン基、メチルプロペニレン基、ブテニレン基等の線状または分枝状不飽和炭化水素基、またはカルボニル基またはカルボニル基を含むアルキレン基、カルボキシル基を含むアルキレン基、カルバモイル基を含むアルキレン基等である。
また、R3としては、下記一般式(3)、(4)及び(5)で示される基から選択される多価基も挙げることができる。
一般式(3)において、「R4」は、水素原子やメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のアルコキシ基、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、低級アルキルカルボキシル基、カルボキシル基、またはカルバモイル基である。
一般式(4)において、「R5」は、酸素原子、硫黄原子、メチレン基、NH、SO、SO2、C(CF3)2、またはC(CH3)2を表す。
一般式(5)において、「R6」は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基である。nは0〜2000の整数である。「R7」はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基である。R7としては、さらに、下記一般式(6)で示される基から選択される基も挙げることができる。
一般式(6)において、「R8」は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基である。「m」は0〜100の整数である。
2個のオキセタン環を有する化合物の具体例としては、下記例示化合物1、2が挙げられる。
例示化合物1は、前記一般式(2)において、R1がエチル基、R3がカルボニル基である化合物である。また、例示化合物2は、前記一般式(2)において、R1がエチル基、R3が前記一般式(5)でR6及びR7がメチル基、nが1である化合物である。
2個のオキセタン環を有する化合物において、上記の化合物以外の好ましい例としては、下記一般式(7)で示される化合物がある。一般式(7)において、「R1」は、前記一般式(1)のR1と同義である。
3〜4個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、下記一般式(8)で示される化合物が挙げられる。
一般式(8)において、「R1」は、前記一般式(1)におけるR1と同義である。「R9」としては、例えば、下記A〜Cで示される基等の炭素数1〜12の分枝状アルキレン基、下記Dで示される基等の分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基または下記Eで示される基等の分枝状ポリシロキシ基等が挙げられる。「j」は、3または4である。
上記Aにおいて、「R10」はメチル基、エチル基またはプロピル基等の低級アルキル基である。上記Dにおいて、「p」は1〜10の整数である。
4個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、例示化合物3が挙げられる。
さらに、上記説明した以外の1〜4個のオキセタン環を有する化合物の例としては、下記一般式(9)で示される化合物が挙げられる。
一般式(9)において、「R8」は前記一般式(6)のR8と同義である。「R11」はメチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基またはトリアルキルシリル基であり、「r」は1〜4である。「R1」は前記一般式(6)のR1と同義である。
画像記録用インクで使用するオキセタン化合物の好ましい具体例としては、以下に示す例示化合物4、5、6がある。
上述したオキセタン環を有する各化合物の製造方法は、特に限定されず、従来知られた方法に従えばよく、例えば、パティソン(D.B.Pattison,J.Am.Chem.Soc.,3455,79(1957))が開示している、ジオールからのオキセタン環合成法等がある。また、これら以外にも、分子量1000〜5000程度の高分子量を有する1〜4個のオキセタン環を有する化合物も挙げられる。これらの具体的化合物例としては、以下の化合物が挙げられる。
カチオン重合性化合物の画像記録用インクに対する添加量は1〜97質量%とすることが好ましい。
(E.1.3)光硬化型ポリビニルアルコール誘導体
光硬化型ポリビニルアルコール誘導体とは、ポリ酢酸ビニルのケン化物、ポリビニルアセタール、ポリエチレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、または前記親水性樹脂の誘導体、ならびにこれらの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種であるか、またはその親水性樹脂に、光二量化型、光分解型、光重合型、光変性型、光解重合型などの変性基により変性したものである。
光硬化型ポリビニルアルコール誘導体とは、ポリ酢酸ビニルのケン化物、ポリビニルアセタール、ポリエチレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、または前記親水性樹脂の誘導体、ならびにこれらの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種であるか、またはその親水性樹脂に、光二量化型、光分解型、光重合型、光変性型、光解重合型などの変性基により変性したものである。
光二量化型の変性基としては、ジアゾ基、シンナモイル基、スチリルピリジニウム基、スチルキノリウム基を導入したものが好ましく、光二量化後アニオン染料等の水溶性染料により染色される樹脂が好ましい。このような樹脂としては、たとえば一級アミノ基ないし4級アンモニウム基等のカチオン性基を有する樹脂、たとえば特開昭62−283339号、特開平1−198615号、特開昭60−252341号、特開昭56−67309号、特開昭60−129742号等の公報に記載された感光性樹脂(組成物)、硬化処理によりアミノ基になるアジド基のような硬化後カチオン性になる樹脂、たとえば特開昭56−67309号等の公報に記載された感光性樹脂(組成物)があげられる。
光硬化型ポリビニルアルコール誘導体の画像記録用インクに対する添加量は1〜97質量%とすることが好ましい。
(E.1.4)マレイミド誘導体
マレイミド誘導体としては公知の化合物が使用できる。例えば、特開昭61−250064号、特開昭62−64813号、特開昭62−79243号、特開平6−298817号、特開平11−124403号、特開平11−292874号、特開平11−302278号、特開2000−264922号、「Polymer Materials Science and Engineering」第72巻、第470〜472頁(1995年)、「Polymer Preprints」第37巻、第348〜349頁(1996年)、「第4回フュージョンUV技術セミナー」第43〜77頁(1996年)、「PolymerLetters」第6巻、第883〜888頁(1998年)、「第9回フュージョンUV技術セミナー」第5〜20頁(2001年)等に記載された化合物が使用できる。
マレイミド誘導体としては公知の化合物が使用できる。例えば、特開昭61−250064号、特開昭62−64813号、特開昭62−79243号、特開平6−298817号、特開平11−124403号、特開平11−292874号、特開平11−302278号、特開2000−264922号、「Polymer Materials Science and Engineering」第72巻、第470〜472頁(1995年)、「Polymer Preprints」第37巻、第348〜349頁(1996年)、「第4回フュージョンUV技術セミナー」第43〜77頁(1996年)、「PolymerLetters」第6巻、第883〜888頁(1998年)、「第9回フュージョンUV技術セミナー」第5〜20頁(2001年)等に記載された化合物が使用できる。
マレイミド誘導体の画像記録用インクに対する添加量は1〜97質量%とすることが好ましい。
画像記録用インクでは、上記カチオン重合性化合物、ラジカル重合性化合物は単独で使用されてもよく、混合されてもよい。
(E.2)光硬化促進剤
光硬化促進剤とは、主に光の照射によって重合性化合物の重合反応を開始させるための光重合開始剤、開始助剤、促進助剤のことを意味する。光硬化促進剤にはラジカル重合性化合物、カチオン重合性化合物、光硬化型ポリビニルアルコール誘導体からなる重合性化合物、マレイミド誘導体からなる重合性化合物のそれぞれに適したものが適用される。
光硬化促進剤とは、主に光の照射によって重合性化合物の重合反応を開始させるための光重合開始剤、開始助剤、促進助剤のことを意味する。光硬化促進剤にはラジカル重合性化合物、カチオン重合性化合物、光硬化型ポリビニルアルコール誘導体からなる重合性化合物、マレイミド誘導体からなる重合性化合物のそれぞれに適したものが適用される。
下記では、光硬化促進剤として適用可能な(E.2.1)光重合開始剤、(E.2.2)開始助剤及び(E.2.3)促進助剤についてそれぞれ説明する。
(E.2.1)光重合開始剤
光重合開始剤について特に制限はないが、一例としベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ビス−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、ビス−N,N−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、チオキサトン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、イソプロポキシクロロチオキサントン等のチオキサントン類。エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン類、アセトフェノン類。ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル類、2,4,6−トリハロメチルトリアジン類、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール2量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体の2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体、ベンジルジメチルケタール、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、フェナントレンキノン、9,10−フェナンスレンキノン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等ベンゾイン類、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、チタノセン、ビスアシルフォスフィンオキサイド、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨ−ドニウム、スルホニウム、ホスホニウム等からなるオニウム塩、ベンゾフェノンアンモニウム塩、スルホン化物、ハロゲン化物、鉄アーレン化合物、チタノセン化合物等等があげられる。上記物質は単独で使用されてもよいし、混合して使用されてもよい。
光重合開始剤について特に制限はないが、一例としベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ビス−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、ビス−N,N−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、チオキサトン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、イソプロポキシクロロチオキサントン等のチオキサントン類。エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン類、アセトフェノン類。ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル類、2,4,6−トリハロメチルトリアジン類、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール2量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体の2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体、ベンジルジメチルケタール、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、フェナントレンキノン、9,10−フェナンスレンキノン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等ベンゾイン類、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、チタノセン、ビスアシルフォスフィンオキサイド、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨ−ドニウム、スルホニウム、ホスホニウム等からなるオニウム塩、ベンゾフェノンアンモニウム塩、スルホン化物、ハロゲン化物、鉄アーレン化合物、チタノセン化合物等等があげられる。上記物質は単独で使用されてもよいし、混合して使用されてもよい。
光重合開始剤としては、上記の化合物の他に、「UV・EB硬化技術の応用と市場」(シーエムシー出版、田畑米穂監修/ラドテック研究会編集)、「イメ−ジング用有機材料」(有機エレクトロニクス材料研究会編、ぶんしん出版、1993年の187〜192ページに記載等の文献で周知になっている化合物を適用することとしてもよい。
光硬化反応を進めるために開始助剤、促進助剤を用いることも出来る。
(E.2.2)開始助剤
開始助剤とは、光照射により、電子供与、電子吸引、熱の発生等により光重合開始剤にエネルギーを供与して、光重合開始剤のラジカルまたは酸の発生効率を向上させる増感色素として作用する物質であり、光重合開始剤と組み合わせて適用される。
開始助剤とは、光照射により、電子供与、電子吸引、熱の発生等により光重合開始剤にエネルギーを供与して、光重合開始剤のラジカルまたは酸の発生効率を向上させる増感色素として作用する物質であり、光重合開始剤と組み合わせて適用される。
開始助剤としては、例えば、キサンテン、チオキサントン色素、ケトクマリン、チオキサンテン色素、シアニン、フタロシアニン、メロシアニン、ポルフィリン、スピロ化合物、フェロセン、フルオレン、フルギド、イミダゾール、ペリレン、フェナジン、フェノチアジン、ポリエン、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ポリメチンアクリジン、クマリン、ケトクマリン、キナクリドン、インジゴ、スチリル、ピリリウム化合物、ピロメテン化合物、ピラゾロトリアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、バルビツール酸誘導体、チオバルビツール酸誘導体等が適用できる。
また、開始助剤としては、上述の化合物の他、「高分子添加剤の開発技術」(シーエムシー出版、大勝靖一監修)等の文献で増感色素として作用することが周知になっている物質を適用することとしてもよい。
なお、開始助剤は光重合開始剤の一部をなす構成要素とみなすこともできる。
なお、開始助剤は光重合開始剤の一部をなす構成要素とみなすこともできる。
(E.2.3)促進助剤
画像記録用インクには、これらの光重合開始剤に加え、光硬化促進反応を促進する促進助剤を添加することもできる。
促進助剤の例として、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等があげられる。
画像記録用インクには、これらの光重合開始剤に加え、光硬化促進反応を促進する促進助剤を添加することもできる。
促進助剤の例として、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等があげられる。
促進助剤は、0.1〜10質量%という添加量で添加することが好ましい。促進助剤の添加量が0.1質量%を下回る場合、ICカード1(基体10)に着弾した画像記録用インクは速やかに硬化しないため、ドット径やドット形状の制御が困難になるという問題点が生ずる。また、添加量が10質量%を超える場合は、重合反応時に局所的に重合し斑になり、強度バラツキ及び耐薬品性が低下してしまうなど問題がおきる。
(E.3)着色剤
画像記録用インクでは、前記光硬化可能化合物、光硬化促進剤に加え着色剤を用いることが出来る。
着色剤としては、例えば、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系、ジオキサンジン系、ジケトピロロピロール系等の各種の有彩色有機顔料、カーボンブラック、チタンホワイト、シリカ、マイカ、酸化亜鉛等の無機顔料等が挙げられる。
画像記録用インクでは、前記光硬化可能化合物、光硬化促進剤に加え着色剤を用いることが出来る。
着色剤としては、例えば、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系、ジオキサンジン系、ジケトピロロピロール系等の各種の有彩色有機顔料、カーボンブラック、チタンホワイト、シリカ、マイカ、酸化亜鉛等の無機顔料等が挙げられる。
具体的には、着色剤としては、光硬化可能化合物の重合性化合物の主成分に溶解または分散できる色材が適用可能であり、耐光性の点で顔料が好ましい。画像記録用インクに添加する色材の添加量は、分散後の発色性等によって決定するが、0.1〜15質量%とすることが好ましい。色材の添加量を0.1質量%未満とした場合、色材が十分に発色せず、ICカード1(基体10)に記録された文字画像2aや顔画像2bの色再現性を低下させるという問題が生ずる。また、色材を15質量%を超えて添加した場合には、光の照射によってインクドットが速やかに硬化しなかったり、文字画像2aや顔画像2bの画質が低下するという問題が生ずる。
次に、「表面保護用インク」について説明する
表面保護用インクは、上記画像記録用インクの項目で説明したものと同様の光硬化可能化合物と光硬化促進剤とを含有するインクで、着色剤が含有されていない透明なものである。
なお、表面保護用インクには、当該表面保護用インク自体に導電性を付与する目的でITO(錫ドープ酸化インジウム)等の導電性粒子を含有させてもよい。この場合、静電気によるICチップ5aの破損を防止することができる。
なお、表面保護用インクには、当該表面保護用インク自体に導電性を付与する目的でITO(錫ドープ酸化インジウム)等の導電性粒子を含有させてもよい。この場合、静電気によるICチップ5aの破損を防止することができる。
次に、「ICカード1の製造方法」について説明する。
供給ローラ21、プラテン12及び搬出ローラ51,52が作動した状態において、基体10が1枚ずつ集積部20からプラテン12に供給され、当該基体10はプラテン12に支持されながら画像記録部13、表面保護機構30、光照射機構40及び情報記録部材50の下方をこの順に搬送方向Aに沿って搬送され、搬出ローラ51,52からスタッカー53に搬出される。
この状態において、基体10が画像記録部13の下方を通過するときは、各記録ヘッド13〜17が画像記録用インクを吐出して当該基体10に文字画像2aや顔画像2bを記録する(画像記録工程)。
基体10が表面保護機構30の下方を通過するときは、表面保護機構30が表面保護用インクを吐出して基体10の表面に表面保護層8を形成する(表面保護工程)。
基体10が光照射機構40の下方を通過するときは、光源41が点灯して基体10に対し光を照射し、基体10上の文字画像2a,顔画像2b,表面保護層8を硬化させる(光照射工程)。
基体10が情報記録部材50の下方を通過するときは、情報記録部材50が基体10のICチップ5aに対し電子情報を記録する(電子情報記録工程)。
以上の画像記録工程から表面保護工程,光照射工程を経て電子情報記録工程までの各処理を実行することで本発明に係る情報記録媒体としてのICカード1を製造することができる。
以上の画像記録工程から表面保護工程,光照射工程を経て電子情報記録工程までの各処理を実行することで本発明に係る情報記録媒体としてのICカード1を製造することができる。
以上のICカード1では、表面保護層8が、文字画像2aや顔画像2bを覆うように形成されかつ基体10上の文字画像2aや顔画像2bが記録された部位より破断伸度が大きいため、文字画像2aや顔画像2bを構成する部位に曲げ等の外力が加わってもそれを覆う表面保護層8が当該部位より伸張する。そのため、文字画像2aや顔画像2bの画像自身の耐久性を十分に確保することができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々の改良及び設計変更をおこなってもよい。
一の改良・設計変更事項として、図5に示す通り、文字画像2aの一部と顔画像2bとの位置を変更してこれら文字画像2aと顔画像2bとを覆うように基体10の図5中下部の部分に表面保護層8を形成してもよい。
他の改良・設計変更事項として、図6に示す通り、模様2cをICチップ5a上に配置してその模様2cとICチップ5aとを含む基体10の略全面を覆うように表面保護層8を形成してもよい。この場合、模様2cは、文字画像2aや顔画像2bと同様に画像記録用インクで形成してもよいし、これとは別に表面保護用インクで形成してもよい。
他の改良・設計変更事項として、図7に示す通り、顔画像2bをICチップ5aの近傍の位置に配置してその顔画像2bとICチップ5aとを覆うように局所的に表面保護層8を形成してもよい。
以下に実施の形態を説明するが、本発明はこの実施の形態の説明及び図面に限定されるものではない。
(1)試料の作製
(1.1)基体の作製
長尺シート状であらかじめ筆記可能な筆記層を片面に配置した「裏面シート(帝人デュポンフィルム株式会社製U2L98W−188μm低熱収グレード)」と、クッション層、受像層、フォーマット印刷層があらかじめ形成された枚葉シート状の「表面シート(帝人デュポンフィルム株式会社製U2L98W−188μm低熱収グレード上)」とを準備した。
(1.1)基体の作製
長尺シート状であらかじめ筆記可能な筆記層を片面に配置した「裏面シート(帝人デュポンフィルム株式会社製U2L98W−188μm低熱収グレード)」と、クッション層、受像層、フォーマット印刷層があらかじめ形成された枚葉シート状の「表面シート(帝人デュポンフィルム株式会社製U2L98W−188μm低熱収グレード上)」とを準備した。
上記裏面シート,表面シートとは別に、エッチングによりアンテナパターンの形成された厚み38μの透明PET支持体に、厚み50μm、3×3mm角のICチップとアンテナとを電気的に接合して接着剤で固定した(接着剤の厚み20μm)。次いで、硬化剤を使用して、チップを封止するように、SUS301からなる厚み120μmの4×4mm角板状の補強板を回路面と反対側に接着させ「ICモジュール」を得た。
その後、接着剤(積水化学工業株式会社製 湿気硬化型ホットメルト接着剤MK2013)を窒素下120℃で溶融させて当該接着剤を、表面シートに対してTダイ塗布方式により供給し、その塗布部上にICチップ、補強構造体、アンテナ等から構成されるICモジュールを配置した。
その後、上記と同様に、接着剤(積水化学工業株式会社製 湿気硬化型ホットメルト接着剤MK2013)を窒素下120℃で溶融させて当該接着剤を、裏面シートに対してTダイ塗布方式により供給した。
その後、上記の通りに接着剤が塗工された表面シートと裏面シートとを加熱/加圧ロール(圧力3kg/cm2、ロール表面温度65℃)で貼り合わせ、膜厚制御ロールにより厚さが760μmに制御された原版を作製した。その原版を23℃/55%環境下で14日間放置して接着剤を硬化促進させ、その後、当該原版をカード打ち抜き機により所望の大きさに裁断し(縦55mm×横85mm,厚さ760μm)、「基体」を得た。
(1.2)画像記録用インク1の作製(カチオン重合性インクの作製)
(1.2.1)イエローインクの作製
以下の配合でイエロー顔料分散物を得た。
C.I.Pigment Yellow−180…15質量部
分散剤(Avecia製、ソルスパース24000)…2質量部
アロンオキセタンOXT−221(東亜合成製)…83質量部
(1.2.1)イエローインクの作製
以下の配合でイエロー顔料分散物を得た。
C.I.Pigment Yellow−180…15質量部
分散剤(Avecia製、ソルスパース24000)…2質量部
アロンオキセタンOXT−221(東亜合成製)…83質量部
次いで、以下の配合を行い、0.8μmのメンブレンフィルターにて濾過し、50℃に加熱しながら減圧によって脱水し、「イエローインク」を得た。
前記イエロー顔料分散物…17質量部
アロンオキセタンOXT−221(東亜合成製)…70質量部
セロキサイド2021P(ダイセルUCB製)…30質量部
UVI−6990(ダウケミカル製、光酸発生剤)…5質量部
前記イエロー顔料分散物…17質量部
アロンオキセタンOXT−221(東亜合成製)…70質量部
セロキサイド2021P(ダイセルUCB製)…30質量部
UVI−6990(ダウケミカル製、光酸発生剤)…5質量部
(1.2.2)マゼンタインクの作製
以下の配合でマゼンタ顔料分散物を得た。
C.I.Pigment Red−146…15質量部
分散剤(Avecia製、ソルスパース24000)…2質量部
アロンオキセタンOXT−221(東亜合成製)…83質量部
以下の配合でマゼンタ顔料分散物を得た。
C.I.Pigment Red−146…15質量部
分散剤(Avecia製、ソルスパース24000)…2質量部
アロンオキセタンOXT−221(東亜合成製)…83質量部
次いで、以下の配合を行い、0.8μmのメンブレンフィルターにて濾過し、50℃に加熱しながら減圧によって脱水し、「マゼンタインク」を得た。
前記マゼンタ顔料分散物…17質量部
アロンオキセタンOXT−221(東亜合成製)…70質量部
セロキサイド2021P(ダイセルUCB製)…30質量部
UVI−6990(ダウケミカル製、光酸発生剤)…5質量部
前記マゼンタ顔料分散物…17質量部
アロンオキセタンOXT−221(東亜合成製)…70質量部
セロキサイド2021P(ダイセルUCB製)…30質量部
UVI−6990(ダウケミカル製、光酸発生剤)…5質量部
(1.2.3)シアンインクの作製
以下の配合でシアン顔料分散物を得た。
C.I.Pigment Blue15:4…20質量部
分散剤(Avecia製、ソルスパース24000)…3質量部
アロンオキセタンOXT−221(東亜合成製)…77質量部
以下の配合でシアン顔料分散物を得た。
C.I.Pigment Blue15:4…20質量部
分散剤(Avecia製、ソルスパース24000)…3質量部
アロンオキセタンOXT−221(東亜合成製)…77質量部
次いで、以下の配合を行い、0.8μmのメンブレンフィルターにて濾過し、50℃に加熱しながら減圧によって脱水し、「シアンインク」を得た。
前記シアン顔料分散物…12質量部
アロンオキセタンOXT−221(東亜合成製)…70質量部
セロキサイド2021P(ダイセルUCB製)…30質量部
UVI−6990(ダウケミカル製、光酸発生剤)…5質量部
前記シアン顔料分散物…12質量部
アロンオキセタンOXT−221(東亜合成製)…70質量部
セロキサイド2021P(ダイセルUCB製)…30質量部
UVI−6990(ダウケミカル製、光酸発生剤)…5質量部
(1.2.4)ブラックインクの作製
以下の配合でブラック顔料分散物を得た。
C.I.Pigment Black7…20質量部
分散剤(Avecia製、ソルスパース24000)…3質量部
アロンオキセタンOXT−221(東亜合成製)…77質量部
以下の配合でブラック顔料分散物を得た。
C.I.Pigment Black7…20質量部
分散剤(Avecia製、ソルスパース24000)…3質量部
アロンオキセタンOXT−221(東亜合成製)…77質量部
次いで、以下の配合を行い、0.8μmのメンブレンフィルターにて濾過し、50℃に加熱しながら減圧によって脱水し、「ブラックインク」を得た。
前記ブラック顔料分散物…15質量部
アロンオキセタンOXT−221(東亜合成製)…70質量部
セロキサイド2021P(ダイセルUCB製)…30質量部
UVI−6990(ダウケミカル製、光酸発生剤)…5質量部
前記ブラック顔料分散物…15質量部
アロンオキセタンOXT−221(東亜合成製)…70質量部
セロキサイド2021P(ダイセルUCB製)…30質量部
UVI−6990(ダウケミカル製、光酸発生剤)…5質量部
なお、上記で得られたイエロー,マゼンタ,シアン,ブラックの各色のインクは破断伸度(硬化後)が120〜160%であった。
(1.3)表面保護用インクの作製
(1.3.1)表面保護用インク1の作製
下記材料を配合し、その配合物を、0.8μmのメンブレンフィルターにて濾過し、その後50℃に加熱しながら減圧によって脱水し、「表面保護用インク1」を作製した。
アロンオキセタンOXT−221(東亜合成製)…70質量部
セロキサイド2021P(ダイセルUCB製)…30質量部
UVI−6990(ダウケミカル製、光酸発生剤)…5質量部
表面保護用インク1は破断伸度(硬化後)が250%であった。
(1.3.1)表面保護用インク1の作製
下記材料を配合し、その配合物を、0.8μmのメンブレンフィルターにて濾過し、その後50℃に加熱しながら減圧によって脱水し、「表面保護用インク1」を作製した。
アロンオキセタンOXT−221(東亜合成製)…70質量部
セロキサイド2021P(ダイセルUCB製)…30質量部
UVI−6990(ダウケミカル製、光酸発生剤)…5質量部
表面保護用インク1は破断伸度(硬化後)が250%であった。
(1.3.2)表面保護用インク2の作製
下記材料を配合し、その配合物を、0.8μmのメンブレンフィルターにて濾過し、その後50℃に加熱しながら減圧によって脱水し、「表面保護用インク2」を作製した。
アロンオキセタンOXT−221(東亜合成製)…70質量部
セロキサイド2021P(ダイセルUCB製)…30質量部
UVI−6990(ダウケミカル製、光酸発生剤)…5質量部
シリカ微粒子(平均粒径0.5μm)…10質量部
表面保護用インク2は破断伸度(硬化後)が80%であった。
下記材料を配合し、その配合物を、0.8μmのメンブレンフィルターにて濾過し、その後50℃に加熱しながら減圧によって脱水し、「表面保護用インク2」を作製した。
アロンオキセタンOXT−221(東亜合成製)…70質量部
セロキサイド2021P(ダイセルUCB製)…30質量部
UVI−6990(ダウケミカル製、光酸発生剤)…5質量部
シリカ微粒子(平均粒径0.5μm)…10質量部
表面保護用インク2は破断伸度(硬化後)が80%であった。
(1.3.3)表面保護用インク3の作製
下記材料を配合し、その配合物を、0.8μmのメンブレンフィルターにて濾過し、その後50℃に加熱しながら減圧によって脱水し、「表面保護用インク3」を作製した。
アロンオキセタンOXT−221(東亜合成製)…70質量部
セロキサイド2021P(ダイセルUCB製)…30質量部
UVI−6990(ダウケミカル製、光酸発生剤)…5質量部
ITO(錫ドープ酸化インジウム)微粒子(平均粒径40nm)…10質量部
表面保護用インク3は破断伸度(硬化後)が180%であった。
下記材料を配合し、その配合物を、0.8μmのメンブレンフィルターにて濾過し、その後50℃に加熱しながら減圧によって脱水し、「表面保護用インク3」を作製した。
アロンオキセタンOXT−221(東亜合成製)…70質量部
セロキサイド2021P(ダイセルUCB製)…30質量部
UVI−6990(ダウケミカル製、光酸発生剤)…5質量部
ITO(錫ドープ酸化インジウム)微粒子(平均粒径40nm)…10質量部
表面保護用インク3は破断伸度(硬化後)が180%であった。
なお、上記画像記録用インク1,表面保護用インク1〜3の破断伸度及び弾性率は下記の通りに測定した。
破断伸度(切断時伸び)の測定では、JIS K 6251に準拠し、画像記録用インク1と表面保護用インク1〜3とでダンベル状試験片を作製し、それら試験片を株式会社オリエンテックテンシロン万能試験機RTA−100を用い500mm/min一定速度の荷重で引張り、破断する際の初期に対する比率を算出してその算出結果を破断伸度とした(当該破断伸度を試料1〜5ごとに下記表1に示した。)。
弾性率の測定では、画像記録用インク1と表面保護用インク1〜3とで硬化後の厚さが500μmのシートを作製し、それらシートを株式会社オリエンテックテンシロン万能試験機RTA−100を用いJIS K7161(ISO5271)に準じて、引張弾性率を算出してその算出結果を弾性率とした(当該弾性率を試料1〜5ごとに下記表1に示した。)。
なお、下記表1中、試料3の弾性率については、表面保護用インク1,2の混合物で構成されたものの弾性率が「900」であり、表面保護用インク1のみで構成されたものの弾性率が「350」である(下記試料3の作製参照)。
なお、下記表1中、試料3の弾性率については、表面保護用インク1,2の混合物で構成されたものの弾性率が「900」であり、表面保護用インク1のみで構成されたものの弾性率が「350」である(下記試料3の作製参照)。
(1.4)試料1〜5の作製
(1.4.1)試料1の作製
上記画像記録用インク1と表面保護用インク1とを組み合わせるとともに、図4のICカード製造装置100を用いて、図1のICカード1と同様の「試料1」を作製した。
(1.4.1)試料1の作製
上記画像記録用インク1と表面保護用インク1とを組み合わせるとともに、図4のICカード製造装置100を用いて、図1のICカード1と同様の「試料1」を作製した。
ICカード製造装置100の使用にあたって、記録ヘッド14〜17、第2の記録ヘッド18,19及び表面保護機構30には、最小液滴サイズ7pl、スーパードロップ方式(1滴/ドロップ、2滴/ドロップ)にて7pl、14plのマルチサイズドロップが得られるピエゾタイプのインクジェットノズル(ノズル径23μm)を適用し、インク及びヘッドが50℃になるよう温度制御しながら駆動周波数10kHzでベタの文字画像2aと顔画像2bとを記録した。光源41として、120W/cmのメタルハライドランプ(日本電池社製MAL400NL 3kW電源)を適用し、当該光源41を瞬間照度が24W/cm2になるように設置した。
(1.4.2)試料2の作製
上記試料1の作製と同様の手法で図5のICカード1と同様の「試料2」を作成した。
上記試料1の作製と同様の手法で図5のICカード1と同様の「試料2」を作成した。
(1.4.3)試料3の作製
上記試料1の作製で、上記画像記録用インク1と表面保護用インク1とに代えて上記表面保護用インク1,2のみを用い、図4の記録ヘッド14〜16から表面保護用インク2を、図4の記録ヘッド17から表面保護用インク1を、図4の表面保護機構30から表面保護用インク1を吐出するようにした。それ以外は上記試料1の作製と同様の手法で図6のICカード1と同様の「試料3」を作製した。
上記試料1の作製で、上記画像記録用インク1と表面保護用インク1とに代えて上記表面保護用インク1,2のみを用い、図4の記録ヘッド14〜16から表面保護用インク2を、図4の記録ヘッド17から表面保護用インク1を、図4の表面保護機構30から表面保護用インク1を吐出するようにした。それ以外は上記試料1の作製と同様の手法で図6のICカード1と同様の「試料3」を作製した。
(1.4.4)試料4の作製
上記試料1の作製で上記表面保護用インク1に代えて上記表面保護用インク3を用い、それ以外は上記試料1の作製と同様の手法で図7のICカード1と同様の「試料4」を作製した。
上記試料1の作製で上記表面保護用インク1に代えて上記表面保護用インク3を用い、それ以外は上記試料1の作製と同様の手法で図7のICカード1と同様の「試料4」を作製した。
(1.4.5)試料5の作製
上記試料1の作製で上記表面保護用インク1に代えて上記表面保護用インク2を用い、それ以外は上記試料1の作製と同様の手法で図5のICカード1と同様の「試料5」を作製した。
上記試料1の作製で上記表面保護用インク1に代えて上記表面保護用インク2を用い、それ以外は上記試料1の作製と同様の手法で図5のICカード1と同様の「試料5」を作製した。
(2)試料の評価
(2.1)繰り返し曲げ試験
JIS K6404-6 の揉み試験装置を用い、各試料1〜5をクランプした状態で振幅50mm、間隙30mm、120回/分で繰り返し曲げを100回行い、その後の動作不良の有無や変形・破損の度合いを確認した。その確認結果を下記表1に示す。表1中、「○」,「×」の各基準は下記に従っている。
「○」…変形・剥離がなく変化なし
「×」…変形・剥離破損があり動作不良もあり
JIS K6404-6 の揉み試験装置を用い、各試料1〜5をクランプした状態で振幅50mm、間隙30mm、120回/分で繰り返し曲げを100回行い、その後の動作不良の有無や変形・破損の度合いを確認した。その確認結果を下記表1に示す。表1中、「○」,「×」の各基準は下記に従っている。
「○」…変形・剥離がなく変化なし
「×」…変形・剥離破損があり動作不良もあり
(2.2)衝撃試験
JIS K5600‐5−3の落体式衝撃試験機を用い、内径27mmの穴の空いた受け台にICチップが中心にくるように各試料1〜5を上下より挟んで強固に固定し、先端直径20mm、重さ100g重の重り(S45C鋼)を10cmの高さより受け台中心のICチップ上に自由落下させ、試験後のICチップの動作不良率を試料1〜5ごとに算出した。その算出結果を下記表1に示す。表1中、「◎」,「○」,「△」の各基準は下記に従っている。
「◎」…不良率1%未満
「○」…不良率1%以上20%未満
「△」…不良率20%以上50%未満
JIS K5600‐5−3の落体式衝撃試験機を用い、内径27mmの穴の空いた受け台にICチップが中心にくるように各試料1〜5を上下より挟んで強固に固定し、先端直径20mm、重さ100g重の重り(S45C鋼)を10cmの高さより受け台中心のICチップ上に自由落下させ、試験後のICチップの動作不良率を試料1〜5ごとに算出した。その算出結果を下記表1に示す。表1中、「◎」,「○」,「△」の各基準は下記に従っている。
「◎」…不良率1%未満
「○」…不良率1%以上20%未満
「△」…不良率20%以上50%未満
(2.3)スクラッチ強度(耐摩耗性)試験
耐摩耗性試験機(HEIDON−18)を用い、各試料1〜5の表面で0.1mmφのサファイア針を120gで摺動させ、ベタの文字画像,顔画像に対する傷の影響を試料1〜5ごとに評価した。その評価結果を下記表1に示す。表1中、「○」,「△」の各基準は下記に従っている。
「○」…初期のカードと変化がない。
「△」…僅かに差異があるが、機能が低下していない。
耐摩耗性試験機(HEIDON−18)を用い、各試料1〜5の表面で0.1mmφのサファイア針を120gで摺動させ、ベタの文字画像,顔画像に対する傷の影響を試料1〜5ごとに評価した。その評価結果を下記表1に示す。表1中、「○」,「△」の各基準は下記に従っている。
「○」…初期のカードと変化がない。
「△」…僅かに差異があるが、機能が低下していない。
(2.4)静電気試験
JIS X6305-6に準拠し、各試料1〜5に表面から10KVの電圧をかけた後、試験後のICチップの動作不良率を算出した。その算出結果を下記表1に示す。表1中、「◎」,「○」,「×」の各基準は下記に従っている。
「◎」…不良率1%未満
「○」…不良率1%以上20%未満
「×」…不良率50%以上
JIS X6305-6に準拠し、各試料1〜5に表面から10KVの電圧をかけた後、試験後のICチップの動作不良率を算出した。その算出結果を下記表1に示す。表1中、「◎」,「○」,「×」の各基準は下記に従っている。
「◎」…不良率1%未満
「○」…不良率1%以上20%未満
「×」…不良率50%以上
(3)まとめ
表1に示す通り、試料1〜4と比較の試料5とを比較すると、試料1〜4は試料5に比べて上記評価結果において優れており、表面保護層の破断伸度を画像記録部位のそれより大きいことが有用であることがわかる。
表1に示す通り、試料1〜4と比較の試料5とを比較すると、試料1〜4は試料5に比べて上記評価結果において優れており、表面保護層の破断伸度を画像記録部位のそれより大きいことが有用であることがわかる。
1 ICカード(情報記録媒体)
2a 文字画像
2b 顔画像
3 表面シート
4,6 接着剤層
5 ICモジュール
5a ICチップ
5b アンテナ体
5c 支持体
7 裏面シート
8 表面保護層
2a 文字画像
2b 顔画像
3 表面シート
4,6 接着剤層
5 ICモジュール
5a ICチップ
5b アンテナ体
5c 支持体
7 裏面シート
8 表面保護層
Claims (8)
- 画像記録用インクで画像が記録された基体と、
前記画像を覆った状態で前記基体の表面を保護する表面保護層とを有し、
前記表面保護層は、表面保護用インクで形成されかつ前記基体上の前記画像が記録された部位より破断伸度が大きいことを特徴とする情報記録媒体。 - 請求項1に記載の情報記録媒体において、
非接触型のICモジュールを内蔵していることを特徴とする情報記録媒体。 - 請求項2に記載の情報記録媒体において、
前記ICモジュールのICチップ上の前記画像の記録層及び/又は前記表面保護層は弾性率が10〜800MPaであることを特徴とする情報記録媒体。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報記録媒体において、
前記画像がインクジェット方式で記録され、
前記表面保護層もインクジェット方式で形成されていることを特徴とする情報記録媒体。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の情報記録媒体において、
前記画像記録用インク及び表面保護用インクがともに光硬化型のインクであることを特徴とする情報記録媒体。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の情報記録媒体において、
前記表面保護用インクが導電性粒子を含有していることを特徴とする情報記録媒体。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載の情報記録媒体において、
前記画像が文字画像、顔画像及び模様のいずれかを含むものであることを特徴とする情報記録媒体。 - 請求項1〜7のいずれか一項に記載の情報記録媒体において、
前記基体の一方の面には前記画像が記録され、
前記基体の他方の面には筆記層が設けられていることを特徴とする情報記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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---|---|---|---|
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- 2006-05-16 JP JP2006136443A patent/JP2007307725A/ja active Pending
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