JP2007304129A - 画像形成装置 - Google Patents

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Hiroyuki Fukuda
裕之 福田
Koji Fukushima
浩次 福島
Nagato Ichijo
長人 一條
Kazuya Furuta
和也 古田
Masabumi Koakutsu
正文 小圷
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Abstract

【課題】
導電性異物に起因する画像欠陥が軽減された画像形成装置を提供する。
【解決手段】
巡回経路に沿って巡回走行される移動体と、所定の転写位置で移動体と接触する像担持体と、像担持体の表面に現像像を形成する画像形成部と、電界により、像担持体の表面に形成された現像像を移動体に転写する転写器と、像担持体に対して巡回経路における上流側に並んで移動体と接触する第1部材と、第1部材との間に移動体を挟んだ第2部材とを具備し、それら第1部材と第2部材との間に電界を生じさせる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、像担持体上に形成された現像像を移動体上に転写し、さらに、移動体上に転写された現像像を記録媒体上に転写および定着することにより、記録媒体上に画像を形成する画像形成装置に関する。
従来より、帯電させた感光体の表面を露光して潜像を形成し、その潜像を現像して現像像を形成し、その現像像を直接に、あるいは中間転写体を介在させて、最終的に記録媒体上に転写する電子写真方式を採用した画像形成装置が知られている。特に、中間転写体を備えた画像形成装置は、多色のトナーを使ってカラー画像を形成するカラープリンタとして多用されている。まず、中間転写体を備えた画像形成装置による基本的な画像形成方法について説明する。
図1は、中間転写体を備えた画像形成装置の主要部を示す概略構成図である。
図1に示す画像形成装置には、感光体101、帯電器102、露光器103、現像器104、一次転写器105、クリーナ106、および中間転写ベルト107などが備えられている。感光体101は、矢印A方向に回転しており、中間転写ベルト107は、矢印B方向に巡回走行している。実際には、感光体101、帯電器102、露光器103、現像器104、一次転写器105、およびクリーナ106で構成される画像形成ユニット100が、使用される複数色のトナーそれぞれに対応して1つずつ備えられており、それら複数の画像形成ユニットが中間転写ベルト107の巡回経路に沿って並べられている。ここでは、巡回経路の上流側から順に、イエロー、マゼンタ、シアン、黒4色のトナーそれぞれに対応する画像形成ユニットが並べて配置されているものとして、図1では、それら複数色のうちの1色(マゼンタ)の画像形成ユニット100のみを示して説明する。
画像の形成にあたっては、まず、帯電器102によって感光体101の表面が帯電される。通常は、マイナスに帯電されたトナーが用いられることが多く、感光体101の表面はマイナスに帯電されることが一般的である。
続いて、露光器103によって画像に基づいた光Lが照射されて照射位置が除電されることにより、帯電された感光体101の表面に静電潜像が形成される。現像器104は、トナーを含む現像剤が内部に収納された収納部1042と、表面に現像剤を担持して回転することにより感光体101上の静電潜像に現像剤を現像する現像ロール1041とで構成されており、現像器104によって静電潜像が現像され、感光体101の表面にマゼンタトナーの現像像200Mが形成される。感光体101の表面に形成された現像像200Mは、感光体101の回転に伴って、感光体101と一次転写器105とが接触する転写位置Pにまで到達する。
また、図1に示す画像形成ユニット100で形成されたマゼンタトナーの現像像200Mが転写位置Pに到達するタイミングに合わせて、中間転写ベルト107の巡回経路の上流側に配置されたイエローの画像形成ユニット(図示しない)で形成されたイエロートナーの現像像200Yが中間転写ベルト107によって転写位置Pに搬送されてくる。
一次転写器105には、転写バイアス電圧が印加されており、転写位置Pには、感光体101上に形成された現像像200Mが一次転写器105側に引き付けられる向きの電界が生じている。例えば、マイナスに帯電されたトナーが使用される場合には、一次転写器105には、感光体101表面の電位よりも高い電位を付与する転写バイアス電圧が印加される。その結果、感光体101上のマゼンタトナーの現像像200Mが一次転写器105に引き付けられ、さらに、中間転写ベルト107が感光体101に所定の圧力で押し付けられることによって、マゼンタトナーの現像像200Mが中間転写ベルト107上のイエロートナーの現像像200Yの上に重ねて転写される。
クリーナ106には、感光体101に当接したブレード1061が備えられており、転写されずに感光体101上に残ってしまった残留トナーは、感光体101が回転することによってブレード1061で掻き取られる。
以下、同様にして、中間転写ベルト107上に、シアントナーの現像像、および黒トナーの現像像が順に重ねて転写され、4色の現像像が重ね合わされた多色現像像が形成される。多色現像像は、中間転写ベルト107の巡回経路の下流に配置された二次転写器(図示しない)および定着器(図示しない)に搬送され、記録用紙上に転写されて定着される。
以上のようにして、記録用紙上にカラー画像が形成される。
ここで、画像形成装置を構成している各種要素には、その製造工程において該各種要素の強度確保等のために、カーボンファイバーなどといった導電性異物が付着していることが多く、画像形成装置を組み立てる工程や、収納部1042を交換する際などに、それらの要素に付着していた導電性異物300が中間転写ベルト107上に落下してしまう。また、導電性異物300は、収納部1042内に収容された現像剤にも混入している。
収納部1042内に混入していたり、中間転写ベルト107上に付着した導電性異物300は、感光体101の回転や中間転写ベルト107の移動に伴って転写位置Pにまで到達する。転写位置Pには、転写バイアス電圧の印加による電界が生じているため、導電性異物300がクーロン力によって起立し、さらに、中間転写ベルト107が感光体101に押し付けられることによって、導電性異物300が感光体101に突き刺さる。この状態で感光体101が帯電器102で帯電されると、感光体101に突き刺さった導電性異物300が帯電器102と接触して急激な電圧降下を招き、感光体101の帯電不良が生じて、画像形成装置で形成される画像に黒筋や白筋などといった画像欠陥が発生してしまうという問題がある。さらに、感光体101上に突き刺さった導電性異物300が感光体101の回転に伴ってブレード1061に運ばれてくると、その導電性異物300によってブレード1061が欠けてしまい、クリーニング不良による画像欠陥が発生してしまうという問題もある。
この問題を解決する方法として、特許文献1には、現像器内に、現像剤に混入した導電性異物を分離する分離除去装置を備える技術について記載されている。この技術によると、感光体の回転に伴って導電性異物が転写位置に搬送されてくる不具合を軽減することができる。
特開2002−66376号公報
しかし、特許文献1に記載された技術では、中間転写ベルトによって転写位置に搬送されてくる導電性異物を除去することができない。特に、図1に示すように、感光体が中間転写ベルトの上に配置された画像形成装置では、トナーカートリッジや感光体などといった消耗品を交換する際や、画像形成装置を搬送する際などに振り落とされた導電性異物が中間転写ベルト上に溜まってしまうことが多く、上述した画像欠陥が生じやすいという問題がある。
尚、このような問題は、中間転写ベルトが備えられた画像形成装置だけではなく、感光体上に形成された現像像を、所定の巡回経路に沿って移動する移動体上に転写する画像形成装置に一般的に生じる問題である。
本発明は、上記事情に鑑み、導電性異物に起因する画像欠陥が軽減された画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の画像形成装置は、所定の巡回経路に沿って巡回走行される移動体と、
巡回経路上の所定の転写位置で移動体と接触する、表面に現像像を担持して回転する像担持体と、
像担持体の表面に帯電トナーによって現像像を形成する画像形成部と、
電界を生じさせることにより、像担持体の表面に形成された現像像を移動体に転写する転写器と、
像担持体に対して巡回経路における上流側に並んで移動体と接触する第1部材と、
第1部材との間に移動体を挟んだ第2部材とを具備し、
第1部材と第2部材との間に電界を生じさせることを特徴とする。
本発明の画像形成装置によると、移動体上の異物が電気的に起立されることによって第1部材に突き刺さり、転写位置に搬送される前に確実に移動体上から除去される。導電性の異物は、画像形成装置を構成する各部品を製造する過程で生成されてしまうことが多く、画像形成装置を搬送する際などに、各部品にくっついていた異物が移動体上に落ちてしまうことが多い。例えば、画像形成装置の納品時などに、第1部材および第2部材による異物の除去を実行しておくことによって、導電性の異物に起因した画像欠陥を確実に軽減することができる。
また、本発明の画像形成装置において、上記第1部材と上記第2部材との間に、上記転写器によって生じる電界の向きと同じ向きの電界を生じさせるものであることが好ましい。
導電性の異物を起立させるために、転写器によって生じる電界の向きと同じ向きの電界が利用されることによって、実際に画像を形成している間であっても、移動体の巡回走行に伴って転写位置に搬送されてくる現像像などを崩すことなく、異物を除去することができる。
また、本発明の画像形成装置において、上記第1部材は、表面の体積抵抗率が1016Ωcm以上のものであることが好適である。
本発明の好適な画像形成装置によると、導電性の異物を確実に起立させることができ、異物を確実に第1の部材に突き刺すことができる。
また、本発明の画像形成装置において、「上記転写器は、移動体を像担持体に所定の転写ニップ圧で押し付ける押付部材を備えたものであり、
第2部材によって移動体を第1部材に転写ニップ圧よりも大きいクリーニングニップ圧で押し付ける」という形態は好ましい。
移動体が第1部材に転写ニップ圧よりも大きいクリーニングニップ圧で押し付けられることによって、移動体上の異物が確実に除去される。
本発明の画像形成装置において、上記第1の部材は、像担持体の表面の硬度よりも低い硬度の表面を有する部材を具備したものであることが好適である。
第1の部材に低硬度な表面を有する部材が具備されることによって、移動体上の異物が第1の部材に突き刺さりやすくなり、導電性の異物による画像欠陥を確実に軽減することができる。
本発明によれば、導電性異物に起因する画像欠陥が軽減された画像形成装置を提供することができる。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図2は、本発明の一実施形態が適用された画像形成装置の主要部を示す概略構成図である。
図2に示す画像形成装置1は、静電潜像を形成しトナーで現像して現像像を形成し、その現像像を最終的に記録媒体上に転写および定着することによりその記録媒体上に定着画像を形成する画像形成装置である。具体的には、この画像形成装置1は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、および黒(K)の各色毎に画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kを並列的に配置してなるタンデム型のプリンタであり、単色の画像をプリントすることができるほか、かかる4色の現像像からなるフルカラーの画像をプリントすることができる。尚、これら4つの画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kはほぼ同様の構成を有しているため、図2では、基本的にはY,M,C,Kの符号を省略してまとめて説明し、各色の要素について個別に説明するときにのみ、その色の符号Y,M,C,Kを付して説明する。
各画像形成ユニット10には、それぞれ、感光体11、帯電器12、露光器13、現像器14、一次転写器15,および感光体クリーナ16が備えられている。感光体11は、本発明にいう像担持体の一例にあたり、帯電器12、露光器13、および現像器14を合わせたものは、本発明にいう画像形成部の一例にあたり、一次転写器15は、本発明にいう転写器の一例に相当する。
また、画像形成装置1には、各画像形成ユニット10に共通の、制御部20、中間転写ベルト30、駆動ロール31、従属ロール32、中間転写ベルトクリーナ33、ステアリングロール34、二次転写器36、および転写クリーナ37が備えられている。中間転写ベルト30は、本発明にいう移動体の一例に相当する。
感光体11は、矢印A方向に回転されており、中間転写ベルト30は、矢印B方向に巡回走行されている。各画像形成ユニット10の、中間転写ベルト30の巡回経路における上流側には、中間転写ベルト30上に付着した導電性異物を除去するための除去器17が配置されている。除去器17については、後で詳しく説明する。
この画像形成装置1の画像形成における基本動作について説明する。
まず、画像を形成するための準備として、各色用の感光体11が回転駆動され、感光体11の表面に、帯電器12によって所定の電荷が付与される。
続いて、画像読取装置(図示しない)で原稿画像が読み取られ、Y,M,C,K4色の色分解データが生成される。各色の色分解データは、対応する色の画像形成ユニット10の露光部13に送られる。
画像形成のための準備が終了すると、まず、イエローの画像形成ユニット10Yによる現像像形成が開始される。イエローの露光部13Yにより、感光体11Y表面にイエローの色分解画像に相当するレーザ光が照射されて静電的な潜像(静電潜像)が形成される。その静電潜像は、現像器14Yによって循環供給される現像剤に含まれたイエローの現像剤で現像されて、感光体11Y上にイエロートナーの現像像が形成される。
一次転写器15Yは、中間転写ベルト30を所定の圧力(この圧力を転写ニップ圧と称する)で感光体11Yに押し付けている。感光体11Y上にイエロートナーの現像像が形成されると、一次転写器15Yによって、感光体11Y上に形成されたイエロートナーの現像像が中間転写ベルト30上に転写される。
また、感光体11Y上の現像像が中間転写ベルト30上に転写されると、感光体クリーナ16Yによって、感光体11Y上に残留する残留トナーが除去される。この感光体クリーナ16Yは、感光体11Yに当接したブレード16a(図3参照)が備えられたものであり、感光体11Yの回転によってクリーナ16Yに運ばれてきた残留トナーがブレード16aで掻き取られる。
中間転写ベルト30は、駆動ロール31および従属ロール32によって矢印B方向に巡回移動されるとともに、ステアリングロール34によって幅方向の位置ずれが補正される。この中間転写ベルト30上に転写されたイエロートナーの現像像が次の色であるマゼンタの画像形成ユニット10Mの一次転写器15Mに到達するタイミングに合わせて、マゼンタトナーの現像像が一次転写器15Mに到達するように、マゼンタの画像形成ユニット10Mによる現像像形成が行われる。こうして形成されたマゼンタトナーの現像像は、一次転写器15Mによって中間転写ベルト30上のイエロートナーの現像像の上に重ねて転写される。
続いて、シアンおよび黒の画像形成ユニット10C、10Kによる現像像形成が上記と同様のタイミングで行われ、一次転写器15C、15Kにおいて中間転写ベルト30のイエロートナーおよびマゼンタトナーの現像像の上に順次重ねて転写される。
こうして、中間転写ベルト30上に転写された多色現像像は、二次転写器36により記録用紙40上に二次転写され、多色現像像は記録用紙40とともに矢印C方向に搬送され、定着器38により記録用紙40上に定着されることによりカラー画像が形成される。二次転写器36上に残留する残留トナーは転写体クリーナ37によって除去され、転写後の中間転写ベルト30上に残留する残留トナーは中間転写ベルトクリーナ33によって除去されて、次の画像形成に向けての準備がなされる。
基本的には、以上のようにして記録用紙上に画像が形成される。
続いて、除去器17による導電性異物の除去と、制御部20による制御について詳しく説明する。
図3は、画像形成ユニット10、除去器17、および制御部20の概略構成図であり、図4は、除去器17による導電性異物の除去方法を説明するための図である。
尚、4つの画像形成ユニット10Y,10M,10C,10K、および除去器17Y,17M,17C,17Kはほぼ同様の構成を有しているため、図3、および図4では、それら画像形成ユニット10Y,10M,10C,10K、および除去器17Y,17M,17C,17Kを代表して、マゼンタの画像形成ユニット10M、および除去器17Mについて説明する。また、以下では、画像形成に使用されるトナーはマイナスに帯電されているものとして説明する。
図3に示すように、除去器17Mは、中間転写ベルト30の巡回経路における、感光体11Mと中間転写ベルト30とが接触する転写位置Pの上流側に配置されている。除去器17Mは、中間転写ベルト30上で感光体11Mと並んだ第1部材17aと、第1部材17aとの間に中間転写ベルト30を挟んだ第2部材17bとで構成されている。また、第2部材17bは、一次転写器15Yが中間転写ベルト30を感光体11Yに押し付ける圧力(転写ニップ圧)よりも大きい圧力(以下では、この圧力をクリーニングニップ圧と称する)で中間転写ベルト30を第1部材17aに押し付けている。本実施形態においては、第1部材17aの表面は、体積抵抗率が1016[Ωcm]以上である絶縁性の樹脂で覆われており、さらに、硬度感光体11Yの表面の硬度よりも低い硬度を有している。第1部材17aは、本発明にいう第1部材の一例にあたり、第2部材17bは、本発明にいう第2部材の一例に相当する。
また、帯電器12M、現像器14M、一次転写器15M、および除去器17Mには、バイアス電圧を印加する帯電電源52、現像バイアス電源53、転写バイアス電源51、および除去バイアス電源54がそれぞれ備えられており、制御部20は、それら帯電電源52、現像バイアス電源53、転写バイアス電源51、および除去バイアス電源54による印加電圧を制御することによって、帯電器12M、現像器14M、一次転写器15M、および除去器17Mの動作を制御している。
現像像が形成される際には、感光体11Mが矢印A方向に回転されて、中間転写ベルト30が矢印B方向に巡回走行されるとともに、帯電電源52によって帯電器12Mに帯電電圧が印加され、現像バイアス電源53によって現像器14Mに現像バイアス電圧が印加され、転写バイアス電源51によって一次転写器15Mに転写バイアス電圧が印加され、除去バイアス電源54によって除去器17Mの第1部材17aに第1除去バイアス電圧が印加されるとともに、除去バイアス電源54によって第2部材17bにも第2除去バイアス電圧が印加される。
帯電器12Mに帯電電圧が印加されると、感光体11Mの表面に所定の電荷が付与される(例えば、感光体11M表面の電位:−700V)。
続いて、露光器13Mから感光体11Mにレーザ光が照射されて、感光体11M表面に静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、感光体11Mの回転に伴って、現像器14Mと感光体11Mとの間の現像位置に搬送される。
現像バイアス電圧が印加されることにより、現像器14Mには、感光体11M表面の電位よりも低い電位が付与されている(例えば、現像器14M表面の電位:−1000V)。現像器14Mでは、内部に収納された現像剤中のトナーがマイナスに帯電されており、現像バイアス電圧の印加により現像位置に生じた、感光体11M側から現像器14M側に向かう電界によって、トナーが感光体11M側に引き付けられて静電潜像に付着し、感光体11M上にマゼンタトナーの現像像が形成される。
感光体11M上に形成されたマゼンタトナーの現像像は、感光体11Mの回転に伴って転写位置Pに移動される。尚、マゼンタトナーの現像像が転写位置Pに移動されるタイミングで、上流側のイエローの画像形成ユニット10Yによって形成されたイエロートナーの現像像も転写位置Pに搬送されてくる。
一次転写器15Mには、転写バイアス電圧が印加されることによって、感光体11M表面の電位よりも高い電位が付与されており(例えば、一次転写器15M表面の電位:−200V)、転写位置Pには、一次転写器15M側から感光体11M側に向かう電界が生じている。また、除去器17Mの第1部材17aには、第1除去バイアス電圧が印加されることによって表面に所定の電位が付与されており(例えば、第1部材17a表面の電位:−700V)、第2部材17bには、第2除去バイアス電圧が印加されることによって、第1部材17aの電位よりも高い電位が付与されており(例えば、第2部材17b表面の電位:−400V)、第1部材17aと第2部材17bとの間には、転写位置Pに生じている電界と同じ向きの電界が生じている。このため、中間転写ベルト30上のイエロートナーの現像像は、第2部材17b側に引き付けられた状態で第1部材17aと第2部材17bとの間を通過し、転写位置Pに搬送されてくる。
感光体11M上に形成されたマゼンタトナーの現像像は、転写位置Pに生じている電界によって一次転写器15Mに引き付けられ、中間転写ベルト30によって転写位置Pに搬送されてきたイエロートナーの現像像に、感光体11M上のマゼンタトナーの現像像が重ねて転写される。
また、現像像が中間転写ベルト30上に転写された後の感光体11M上には、転写されずに残ってしまった残留トナーが付着している。残留トナーは、感光体11Mの回転に伴って感光体クリーナ16Mに供給され、感光体クリーナ16Mに備えられたブレード16aによって掻き取られる。
画像形成装置1では、以上のように各種バイアス電圧が印加されることによって、画像の形成が行われている。
ここで、感光体11やトナーカートリッジ(図示しない)等を交換する際などに、図4に示すように、画像形成装置1を作製する工程で生成された導電性異物70が中間転写ベルト30上に振り落とされ、中間転写ベルト30上に導電性異物70が付着してしまう。この導電性異物70が中間転写ベルト30によって転写位置Pに搬送されてしまうと、転写バイアス電圧の印加によって導電性異物70が起立し、さらに、中間転写ベルト30が感光体11に押し付けられることによって導電性異物70が感光体11に突き刺ささり、導電性異物70によって感光体11の帯電不良やブレード16aの欠けなどが発生して、形成された画像に色筋などが生じてしまう恐れがある。本実施形態の画像形成装置1では、以下説明するように、除去器17によって導電性異物が除去されることにより、このような導電性異物に起因する画像欠陥などといった不具合が回避される。
中間転写ベルト30上に付着した導電性異物70は、現像像と同様に、中間転写ベルト30の移動に伴って除去器17Mの近傍に搬送されてくる。第1部材17aと第2部材17bとの間には、転写位置Pに生じている電界と同じ方向の電界が生じており、マイナスに帯電された現像像は、転写位置Pにおける転写方向(矢印D方向)と同じ矢印C方向に引き付けられることによって、乱されることなく第1部材17aと第2部材17bとの間を通過する。一方、導電性異物70は、第1部材17aと第2部材17bとの間の電界によって導電性異物70内で静電誘導が生じ、第1部材17aに近い側にはプラス電荷が集まり、第2部材17bに近い側にはマイナス電荷が集まることによって、第1部材17aおよび第2部材17bの双方に引き付けられて起立する。中間転写ベルト30は、第2部材17bによって第1部材17aに押し付けられており、起立した導電性異物70が第1部材17aに突き刺さって除去される。本実施形態においては、第1部材17aの表面が絶縁性を有しているため、導電性異物70内で静電誘導が生じやすく、導電性異物70を確実に起立させることができる。さらに、低硬度な表面を有する第1部材17aが用いられ、中間転写ベルト30が大きいクリーニングニップ圧で第1部材17aに押し付けられているため、導電性異物70を第1部材17aに確実に突き刺して中間転写ベルト30上から除去することができる。
以上のように、本発明の画像形成装置によると、現像像を乱すことなく、中間転写ベルト上に付着した導電性異物を確実に除去することができ、画像欠陥などといった不具合を回避することができる。
ここで、上記では、本発明にいう移動体として中間転写ベルトを利用する例について説明したが、本発明にいう移動体は、ドラムなどであってもよい。
また、上記では、画像形成中に除去器による導電性異物の除去を行う例について説明したが、本発明のクリーニング器は、例えば、画像形成装置が納品された際に一度だけ導電性異物の除去を行うものであってもよい。この場合、現像像の乱れを考慮する必要がないため、第1部材と第2部材との間に生じさせる電界の向きは、転写器によって生じる電界の向きとは逆の向きであってもよい。
以下、本発明の実施例について説明する。
ここでは、従来から用いられているタンデム型の画像形成装置に、上述した除去器17を追加して利用した。尚、現像剤に含まれるトナーは負帯電トナーを用いた。
この画像形成装置において、感光体11表面を帯電させるとともに、感光体11と一次転写器15との間に絶対値で600Vの電位差を生じさせる転写バイアス電圧を一次転写器15に印加した(感光体11表面の電位:−700V、一次転写器15表面の電位:−100V)。
上述した画像形成装置において、第1部材17aの表面の体積抵抗率が相互に異なる除去器17を備えた2つの実施例、および除去器17を備えていない比較例を用意した。
(実施例1)
表面が樹脂で被覆され、表面の体積抵抗率が1016.3Ωcmである第1部材17aが備えられた除去器17を、図3に示すように、中間転写ベルト30の巡回経路における転写位置Pの上流側に配置する。この実施例1における第1部材17aの表面の体積抵抗率(1016.3Ωcm)は、本発明にいう「体積抵抗率が1016Ωcm以上」という数値規定を満足するものである。
また、第1部材17aと第2部材17bの間に絶対値で500Vの電位差を生じさせる第1除去バイアス電圧および第2除去バイアス電圧を第1部材17aおよび第2部材17bに印加する(第1部材17a表面の電位:−700V、第2部材17b表面の電位:−200V)。
(実施例2)
表面の体積抵抗率が1015.9Ωcmである第1部材17aが備えられた除去器17が使用される以外は、実施例1と同様の条件を有する画像形成装置を用いた。この実施例2における第1部材17aの表面の体積抵抗率(1015.9Ωcm)は、本発明にいう「体積抵抗率が1016Ωcm以上」という数値規定をぎりぎりで満たしていないものである。
(比較例)
実施例1の画像形成装置から除去器17を取り外したものを用いた。
(評価方法)
(1)中間転写ベルト30上にカーボンファイバー(東レ株式会社製のMLD300:Φ7μm×120μm)を20本のせ、A3サイズのコピー用紙に画像密度50%の白黒のハーフトーン画像を10000枚プリントする。このプリント画像を目視で評価した。評価基準は、以下の通りである。
○:プリント画像中に、黒筋や白筋などといった画像欠陥が全くない。
△:実用上は問題がない程度だが、見た目に違和感を感じない程度の画像欠陥が確認できた。
×:見た目に違和感を感じる程度に画像欠陥が確認できた。
次に、これらの実施例および比較例に対する評価結果について説明する。
(評価結果)
評価結果は、実施例1「○」、実施例2「△」、比較例「×」となった。
実施例1では、画像形成後に感光体11に全くカーボンファイバーが刺さっておらず、形成された画像にも画像欠陥が全く確認されなかった。これは、カーボンファイバー内で確実に静電誘導が生じ、全てのカーボンファイバーが起立して第1部材17aに突き刺さり、転写位置Pに達する前に除去されたためであると思われる。表面の体積抵抗率が1015.9Ωcmである第1部材17aが使用された実施例2では、数箇所に画像欠陥が確認されていることから、本発明にいう「体積抵抗率が1016Ωcm以上」という数値規定が正当であることが確認された。
また、実施例2では、画像形成後に感光体11に1本のカーボンファイバーが刺さっており、形成された画像中に軽微な色筋が1本確認された。これは、第1部材17aと第2部材17bとの間に生じた電界では、カーボンファイバーが起立しきれなかったためであると考えられる。しかし、形成された画像中の色筋は実用上は問題がない程度のものであり、実施例2も有用であることが確認できた。
比較例では、形成されたほぼ全ての画像上に、目視で確実に認識できる程度の画像欠陥が確認され、実用上、問題ありと判定された。
以上の結果から、本発明の有用性が確認できた。
従来の画像形成装置の主要部を示す概略構成図である。 本発明の一実施形態が適用された画像形成装置の主要部を示す概略構成図である。 画像形成ユニット、除去部材、および制御部の概略構成図である。 除去器による導電性異物の除去方法を説明するための図である。
符号の説明
1 画像形成装置
10Y,10M,10C,10K,100 画像形成ユニット
11Y,11M,11C,11K,101 感光体
12Y,12M,12C,12K,102 帯電器
13Y,13M,13C,13K,103 露光器
14Y,14M,14C,14K,104 現像器
15Y,15M,15C,15K,105 一次転写器
16Y,16M,16C,16K 感光体クリーナ
17Y,17M,17C,17K 除去器
20 制御部
30,107 中間転写ベルト
31 駆動ロール
32 従属ロール
33 中間転写ベルトクリーナ
34 ステアリングロール
36 二次転写器
37 転写体クリーナ
38 定着器

Claims (1)

  1. 所定の巡回経路に沿って巡回走行される移動体と、
    前記巡回経路上の所定の転写位置で前記移動体と接触する、表面に現像像を担持して回転する像担持体と、
    前記像担持体の表面に現像剤によって現像像を形成する画像形成部と、
    電界により、前記像担持体の表面に形成された現像像を前記移動体に転写する転写器と、
    前記像担持体に対して前記巡回経路における上流側に並んで前記移動体と接触する第1部材と、
    前記第1部材との間に前記移動体を挟んだ第2部材とを具備し、
    前記第1部材と前記第2部材との間に電界を生じさせることを特徴とする画像形成装置。
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