JP2007303976A - 光ファイバセンサ及び光ファイバセンサ付き遮水シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】帯状体25に1m間隔で固定された第1、第2余長光ファイバ16b,16cのたるみ部分に仮止め32を施した。これにより、組付けなどの作業性の向上を図ることができる。帯状体25及び保護カバー間に潤滑剤を介在した。これにより、重量物の荷重を受けても、たるみ部分は容易に変位し、確実にひずみ計測を行うことができる。
【選択図】図6
Description
光ファイバ長さ余裕有り部分及び光ファイバ長さ余裕無し部分は、伸縮性のある保護パイプで被覆されている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、構造が簡易で、かつ良好に組付可能な光ファイバセンサ及び光ファイバセンサ付き遮水シートを提供することを目的とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の光ファイバセンサにおいて、前記閉空間内に潤滑剤を充填することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の光ファイバセンサにおいて、前記保護カバーに代えて耐圧縮部材を設けることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の光ファイバセンサにおいて、前記余長光ファイバは、複数本、備えられ、該複数本の余長光ファイバのたるみ量は異なっていることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の光ファイバセンサにおいて、前記光ファイバの前記帯状体への固定は、ホットメルト接着剤で行うことを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の光ファイバセンサにおいて、前記複数本の光ファイバのうち1本の光ファイバは、たるみが無いように前記固定部に固定されていることを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項9記載の光ファイバセンサ付き遮水シートにおいて、複数の光ファイバセンサが接合された前記遮水シートユニット上に、更に請求項1乃至3のいずれかに記載の光ファイバセンサの複数を、前記遮水シート基礎体の長手方向及び幅方向のうちいずれか他方向に所定の間隔毎に接合することを特徴とする。
前記複数個の遮水シート基礎体側光ファイバセンサについて、その遮水シート基礎体を幅方向に連接することにより得られ前記大面積の遮水シートの1区画分に相当する遮水シートユニットを含む遮水シート基礎体側光ファイバセンサユニットの表面に、前記複数個の帯状体側光ファイバセンサを、前記遮水シート基礎体の長手方向に、所定の間隔毎に接合したことを特徴とする。
廃棄物処分場2は、第1、第2廃棄物護岸3,4及び第1、第2中仕切護岸5,6で周囲を囲んで構成される廃棄物海面処分場である。第1、第2廃棄物護岸3,4、第1、第2中仕切護岸5,6は、その延長がそれぞれ約280m、240m、290m、180mとされている。
大面積の遮水シート9は、長方形(本実施の形態では40m×2m)の遮水シート9(以下、遮水シート基礎体9aという。)の複数枚(本実施の形態では20枚)を幅方向に接合して得られる遮水シートユニット9b(40m×40m)を複数枚、接合することにより得られている。
光ファイバセンサ1の複数個は、遮水シート基礎体9aと平行で、かつ遮水シート基礎体9aの幅方向(遮水シート基礎体9aと直交する方向)に一定間隔を空けて配置されている。このように配置された光ファイバセンサ1を便宜上、遮水シート基礎体平行光ファイバセンサ1hという。また、光ファイバセンサ1の複数個は、遮水シート基礎体9aと直交し、かつ遮水シート基礎体9aの長さ方向に一定間隔を空けて配置されている。このように配置された光ファイバセンサ1を便宜上、遮水シート基礎体直交光ファイバセンサ1tという。
光ファイバセンサ1に設けられている光ファイバ16は測定器8に光ファイバケーブル8aを介して接続されている。測定器8は、光ファイバ16のひずみを計測する。測定器8は、光ファイバ16に発生したひずみをブリルアン散乱光によって計測するいわゆるBOTDR方式(Brillouin Optical Time Domain Reflectometer:光パルスの散乱光の反射時間を利用したひずみ分布計測方法)の測定器を用いている。
保護カバー41の周囲は帯状体25に接合されて、保護カバー41及び帯状体25により閉空間42が形成されている。この閉空間42には、潤滑剤19が充填されている。潤滑剤19としては、グリース、シリコンオイルなどが用いられる。
帯状体25は、軟質塩化ビニル(PVC)製であり、厚さは1mmとされている。
帯状体25には、1m間隔で固定部30が設けられており、3本の光ファイバ16は、その固定部30に固定されている。帯状体25上の3種類の光ファイバ16は、たるみ(余長)の無い余長無し光ファイバ16aと、それぞれ、たるみを有しそのたるみ寸法が異なる大きさの第1、第2余長光ファイバ16b,16cと、からなっている。
第1、第2余長光ファイバ16b,16cがなす正弦波の振幅中心部が、第1、第2余長光ファイバ16b,16cの固定箇所31とされており、第1、第2余長光ファイバ16b,16cは、固定箇所31,31間に4つの波長を持つ正弦波(波長が250mm)を形成するように配置されている。
第2余長光ファイバ16cについても、第1余長光ファイバ16bの場合と同様に、仮止め32が施されている。
上述したように、本実施の形態では、第1、第2余長光ファイバ16b,16cの固定及び仮止め32は、正弦波の山谷の頂点でなく、振幅の基準線上に設けている。
また、光ファイバ16のホットメルトによる固定部分の両脇部分は、少量のエポキシ樹脂で固められている。これにより、光ファイバ16は、引き抜けが防止され、より強固に固定される。
仮止め32は、セロハンテープ、接着剤が塗布されている紙テープなどにより行われる。
なお、上記の実施の形態では、廃棄物海面処分場における場合を例にしたが、陸上に築造される廃棄物処分場でも同様な形態で実施できる。また、上記の実施の形態では、廃棄物海面処分場の規模についても一例を示したが、本発明の実施に当たっては、規模の大小を問わない。
ステップS1:
帯状体25を複数枚、さらに、帯状体25毎に3本の光ファイバ16(余長無し光ファイバ16a、第1、第2余長光ファイバ16b,16c)を用意する。第1、第2余長光ファイバ16b,16cには、所定の余長が確保されるように固定箇所31となる部分に、マジックペン等でマーキングする。
各帯状体25上に、3本の光ファイバ16(余長無し光ファイバ16a、第1、第2余長光ファイバ16b,16c)を次のようにして固定し、また仮止め32を施す。
まず、帯状体25の固定部30に熱風をあてて表面を溶融し、その後、帯状体25の固定部30に、ホットメルトを、約5mm幅×20mm長で、厚さ1mm、先塗りとして塗布する。ホットメルトの塗布は、ホットメルトガンを用いて行う。このホットメルトの塗布は迅速に行うことが大切である。また、ホットメルトがダマにならないように注意が必要である。
塗布後、迅速に、さらに、追加ホットメルトを厚さ1mm後塗りする。前記帯状体25の固定部30の溶融は、例えばハンドライスター(200℃)を用いて行う。
上記処理を行った後、ホットメルトの両脇を少量のエポキシ樹脂で固め、光ファイバ16をより強固に保持し、光ファイバ16の抜け止めを図るようにしている。
本実施の形態では、1mの固定部30,30間に7箇所で仮止め32を施している。しかし、8箇所で仮止めするようにしても良い。この場合、光ファイバ16を山なりにさせてセンター位置を決めて、その位置に仮止めし、半分の長さになった2箇所の部分をそれぞれ山なりにさせてセンター位置を決め、同様な作業を繰返して1m長さの部分に8箇所の仮止めを施す。
さらに、保護カバー41の帯状体25への接合を、閉空間42に潤滑剤19を介在させて行って光ファイバセンサ1を得る。
同様に、第1余長光ファイバ16bは、帯状体25(遮水シート9)の変形が5〜10%の場合、これを検出し、変形の大きさが10%を超える場合には破断する。また、第2余長光ファイバ16cは、帯状体25(遮水シート9)の変形が10〜15%の場合、これを検出し、変形の大きさが15%を超える場合には破断する。
また、ひずみの大きさが5%を超えた場合には、余長無し光ファイバ16aの破断に伴い、余長無し光ファイバ16aを用いた計測は行えなくなるが、第1、第2余長光ファイバ16b,16cを用いた計測が継続される。ひずみの大きさが10%を超えた場合には、第1余長光ファイバ16bの破断に伴い、第1余長光ファイバ16bを用いた計測は行えなくなるが、第2余長光ファイバ16cを用いた計測が継続される。
本実施の形態では、第1、第2余長光ファイバ16b,16cは、帯状体25と保護カバー41の間に介在され、両者間には潤滑剤19が充填されており、第1、第2余長光ファイバ16b,16cのたるみ部分が、動き易くなっている。このため、第1、第2余長光ファイバ16b,16cが帯状体25あるいは遮水シート9の変形により破断する場合にも、前記たるみの部分は十分伸びきって破断することになり、この分、破断時の変形の大きさを精度高く把握することができる。
上記実施の形態では、ホットメルトを用いて光ファイバ16を固定する場合を例にしたが、これに代えて熱溶着により光ファイバ16を固定するようにしてもよい。
上記実施の形態では、余長光ファイバの余長が5%と10%の場合を示したが、被計測体に発生するひずみの大きさに応じて余長光ファイバの余長を任意に設定することができる。
上記実施の形態では、3本の光ファイバからなる例を示したが、光ファイバの本数は、被計測体の受けるひずみの大きさと測定するひずみの大きさに応じて、4本以上であってもよい。これにより上記実施の形態よりも大きいひずみを計測することが可能になる。
なお、光ファイバセンサ付き遮水シート9aにおいて、遮水シート基礎体平行光ファイバセンサ1h及び遮水シート基礎体直交光ファイバセンサ1tのうちいずれか一方を廃止して、光ファイバセンサ付き遮水シート(請求項9の光ファイバセンサ付き遮水シート)を構成してもよい。
また、上記実施の形態で用いた柔軟性の保護カバー41に代えて硬化プラスチック又はスチール等の耐圧縮部材を用いるようにしてもよい。この場合は、光ファイバセンサ1上に大きな荷重がかかる場合にも、光ファイバ16(余長無し光ファイバ16a、第1,第2余長光ファイバ16b,16c)は、耐圧縮部材に守られて、前記荷重を受けて破損するようなことがなく、かつスムーズに移動して良好な計測を行うことができる。
Claims (11)
- 柔軟性を有する帯状体と、前記帯状体の長手方向に沿って延び、かつ幅方向に並んで前記帯状体上に配置される複数本の光ファイバとからなり、前記帯状体が配置される被計測部の変形を計測するための光ファイバセンサであって、
前記複数本の光ファイバは、各光ファイバに対応して前記帯状体の長手方向に所定間隔毎に設けられる固定部で固定され、
前記複数本の光ファイバのうち少なくとも1本の光ファイバは、該1本の光ファイバに対応する前記固定部間で蛇行した状態で前記帯状体に仮止めされたたるみを有する余長光ファイバとされ、
前記複数本の光ファイバを覆うように柔軟性の保護カバーが重ねられ、
前記帯状体と前記保護カバーの周囲とを接合して閉空間を形成することを特徴とする光ファイバセンサ。 - 前記閉空間内に潤滑剤を充填することを特徴とする請求項1記載の光ファイバセンサ。
- 前記保護カバーに代えて耐圧縮部材を設けることを特徴とする請求項1記載の光ファイバセンサ。
- 前記帯状体は、遮水シートであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光ファイバセンサ。
- 前記余長光ファイバは、複数本、備えられ、該複数本の余長光ファイバのたるみ量は異なっていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の光ファイバセンサ。
- 前記光ファイバの前記帯状体への固定は、ホットメルト接着剤で行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の光ファイバセンサ。
- 前記余長光ファイバの前記帯状体への仮止めは、粘着テープにより行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の光ファイバセンサ。
- 前記複数本の光ファイバのうち1本の光ファイバは、たるみが無いように前記固定部に固定されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の光ファイバセンサ。
- 連接されることにより大面積の遮水シートの形成が可能とされる帯状の遮水シート基礎体を幅方向に連接して得られる、前記大面積の遮水シートの1区画分に相当する遮水シートユニットを有し、
前記遮水シートユニットの表面に、請求項1乃至3のいずれかに記載の光ファイバセンサの複数を、前記遮水シート基礎体の長手方向及び幅方向のうちいずれか一方向に一定間隔毎に接合したことを特徴とする光ファイバセンサ付き遮水シート。 - 請求項9記載の光ファイバセンサ付き遮水シートにおいて、複数の光ファイバセンサが接合された前記遮水シートユニット上に、更に請求項1乃至3のいずれかに記載の光ファイバセンサの複数を、前記遮水シート基礎体の長手方向及び幅方向のうちいずれか他方向に所定の間隔毎に接合することを特徴とする光ファイバセンサ付き遮水シート。
- 前記帯状体が、前記帯状体の複数を幅方向に連接することにより大面積の遮水シートの形成が可能の帯状の遮水シート基礎体とされる請求項1乃至3のいずれかに記載の光ファイバセンサに相当する遮水シート基礎体側光ファイバセンサの複数個と、請求項1乃至3のいずれかに記載の光ファイバセンサに相当する帯状体側光ファイバセンサの複数個と、を含んで構成される光ファイバセンサであって、
前記複数個の遮水シート基礎体側光ファイバセンサについて、その遮水シート基礎体を幅方向に連接することにより得られ前記大面積の遮水シートの1区画分に相当する遮水シートユニットを含む遮水シート基礎体側光ファイバセンサユニットの表面に、前記複数個の帯状体側光ファイバセンサを、前記遮水シート基礎体の長手方向に、所定の間隔毎に接合したことを特徴とする光ファイバセンサ。
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