JP2007303546A - デファレンシャルとドライブシャフトとの連結構造 - Google Patents

デファレンシャルとドライブシャフトとの連結構造 Download PDF

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    • F16H48/00Differential gearings
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Abstract

【課題】デファレンシャル1のサイドギア10(11)とドライブシャフト2(3)とをスプライン嵌合により連結する構造において、比較的簡単に着脱できるようにしたうえで、前記スプライン嵌合部分における回転方向のガタを詰める。
【解決手段】前記スプライン嵌合部分が自由嵌め合い状態とされる。サイドギア10(11)の中空軸部10a(11a)がデフキャリア12の外側に突出する長さとされている。中空軸部10a(11a)における外側突出領域に、径方向に沿う貫通孔10d(11d)が設けられている。この貫通孔10d(11d)と、それに対応してドライブシャフト2(3)のオススプライン2a(3a)に設けられる係合部とに跨る状態でボール20が係入されている。貫通孔10d(11d)の外径側に、ボール20を径方向内向きに押圧する押圧部材(板ばね)30が設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば自動車等の車両に搭載されるデファレンシャルと車輪に連結されるドライブシャフトとの連結構造に関する。
一般的に、デファレンシャルのサイドギアとドライブシャフトとはスプライン嵌合により連結されるようになっている(例えば特許文献1参照。)。
サイドギアに設けられるメススプラインとドライブシャフトに設けられるオススプラインとを自由嵌め合い、つまりルーズフィット状態で嵌合させるようにしていれば、そのスプライン嵌合作業を簡単かつ素早く行えるものの、前記スプライン嵌合部分に回転方向の隙間が生ずることになる。
その場合、例えばエンジンからデファレンシャルに入力された回転動力をドライブシャフトに伝達する際に、サイドギアとドライブシャフトとの間で回転方向にガタが発生することになり、車両走行時に振動、騒音ならびに加速ショック等が発生する等、走行性能が低下することが懸念される。
これに対し、従来例として、例えば回転軸のオススプラインの歯を軸方向で二分割とし、この二分割にした一方のオススプライン歯と他方のオススプライン歯とを円周方向にオフセットすることにより、これら両オススプライン歯を筒軸のメススプラインの溝に対して円周方向に圧接させる圧入嵌め合い、つまりタイトフィット状態にさせることで、スプライン嵌合部分における回転方向の隙間を無くすようにする技術が知られている(例えば特許文献2参照。)。
この従来例の回転軸を上記ドライブシャフトに、また、従来例の筒軸をデファレンシャルのサイドギアにそれぞれ置き換えれば、上記デファレンシャルのサイドギアとドライブシャフトとにおける回転方向のガタを無くすことが可能になると考えられる。
特開平7−54959号公報 特開2001−3947号公報
上記従来例では、筒軸(サイドギアに相当)のメススプラインのすべての歯と回転軸(ドライブシャフトに相当)のオススプラインのすべてとの歯とを圧入嵌め合いとする必要があるために、ドライブシャフトの着脱時に例えばスライディングハンマー等の工具を使用する必要があり、作業が面倒で手間がかかることが指摘される。
しかも、上記従来例では、前記二分割した一方のオススプライン歯と他方のオススプライン歯とにおける円周方向のオフセット量について、サイドギアとドライブシャフトとのスプライン嵌合部分における比較的微小な回転方向隙間を無くすのに必要な寸法とする必要があって、きわめて高精度な加工が要求されることが指摘される。
本発明は、デファレンシャルのサイドギアにドライブシャフトをスプライン嵌合により連結する構造において、比較的簡単に着脱できるようにしたうえで、スプライン嵌合部分における回転方向のガタを詰めることを目的としている。
本発明は、デファレンシャルに備える一対のサイドギアそれぞれにドライブシャフトを自由嵌め合い状態でスプライン嵌合して連結した構造であって、前記サイドギアの中空軸部がデフキャリアの外側に突出する長さとされており、この中空軸部における外側突出領域に、径方向に沿う貫通孔が設けられ、この貫通孔と、それに対応して前記ドライブシャフトのオススプラインに設けられる係合部とに跨る状態でボールが係入され、前記貫通孔の外径側に、前記ボールを径方向内向きに押圧する押圧部材が設けられていることを特徴としている。
なお、ドライブシャフトは、アクスルシャフトと呼ばれるものであってもかまわない。というのは、ドライブシャフトもアクスルシャフトも、要するに、デファレンシャルに入力される回転動力を車輪に伝達するものであるからである。参考までに、当業者間では、ドライブシャフトは、その途中に継手が設けられるものであり、また、アクスルシャフトは、その途中に継手が設けられていないものである、と認識されている。
この構成では、サイドギアにドライブシャフトを自由嵌め合い状態でスプライン嵌合させるようにしておいて、ボールをサイドギアとドライブシャフトとに跨る状態で組み込んだうえで、ドライブシャフトに対して径方向内向きに押し付ける状態とすることにより、サイドギアにドライブシャフトを円周方向略不動に連結するようにしている。
このように、サイドギアにドライブシャフトを自由嵌め合い状態でスプライン嵌合させるようにしていれば、サイドギアにドライブシャフトをスプライン嵌合する際に、従来例のように圧入嵌め合いとする場合に比べて、作業が簡単かつ迅速に行えるようになる。もちろん、ドライブシャフトを取り外す際も、前記同様、簡単かつ迅速に行えるようになる。
このような自由嵌め合い状態でのスプライン嵌合とすると、サイドギアとドライブシャフトとのスプライン嵌合部分に回転方向の隙間が生じるものの、前述したようにボールを組み込むことで、回転方向のガタを詰めるようにしているから、デファレンシャルを搭載する車両等の走行時に振動、騒音ならびに加速ショック等を低減することが可能になる等、走行性能の向上に貢献できる。
しかも、前記ボールの組み込み作業は、デフキャリアの外側で行うようにしているから、その作業自体が簡単かつ迅速に行うことが可能になる。
好ましくは、前記貫通孔が円周等間隔の三箇所に設けられ、前記押圧部材が、円周一ヶ所で分離したC字形の板ばねとされ、この板ばねが、前記サイドギアの外側突出領域に外嵌装着される。
この構成のように、円周三等配のボールを径方向内向きに押圧する形態とすれば、ドライブシャフトとサイドギアとが自動的に芯合わせされることになるから、ドライブシャフトの回転振れを低減するうえで有利となる。
好ましくは、前記係合部は、ドライブシャフトのオススプラインにおける溝とされる。
この構成によれば、ドライブシャフトに係合部をわざわざ設ける必要がなくなるから、コスト増加を抑制するうえで有利となる。
本発明によれば、比較的簡単に着脱できるようにしたうえで、サイドギアとドライブシャフトとのスプライン嵌合部分における回転方向のガタを詰めることが可能となる。したがって、デファレンシャルを搭載する車両等の走行時に振動、騒音ならびに加速ショック等を低減することが可能になる等、走行性能の向上に貢献できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1から図7に本発明の一実施形態を示している。図中、1はデファレンシャル、2,3はドライブシャフトである。
この実施形態でのデファレンシャル1は、図示していないが後輪駆動タイプの自動車等の後輪側に配置されるもので、トランスミッションから出力される回転動力を、左右一対のドライブシャフト2,3を介して左右の後輪に伝達するものである。
そして、デファレンシャル1は、一般的に公知のツーピニオンタイプとされており、主として、入力軸5、デフケース6、リングギア7、二つ一対のピニオンギア8,9、二つ一対のサイドギア10,11、デフキャリア12等を含む構成である。
一対のドライブシャフト2,3は、その外周面において軸方向内端側の所定長さ範囲のみにオススプライン2a,3aが設けられ、それよりも軸方向外端側領域が円形とされている。
入力軸5は、その外端にトランスミッションの出力軸となるプロペラシャフト(図示省略)等が連結され、また、その内端にドライブピニオン5aが一体的に設けられている。この入力軸5は、デフキャリア12内に転がり軸受13・・・を介して回転自在に支持されている。
デフケース6は、デフキャリア12の左右二つの貫通孔12a,12bにそれぞれ転がり軸受14・・・を介して相対回転可能に支持されている。
このデフケース6は、有底円筒形のケース本体6Aと、このケース本体6Aの開口に取り付けられる蓋状プレート6Bとを組み合わせて構成される。ケース本体6Aの底部には、ボス部6aが、また、蓋状プレート6Bの中央には、ボス部6bがそれぞれ設けられており、これら各ボス部6a,6bの外周面と、デフキャリア12の貫通孔12a,12bの内周面との間に転がり軸受14・・・が介装されている。
リングギア7は、デフケース6の蓋状プレート6Bの外周部分にボルト等により一体に固定されており、入力軸5のドライブピニオン5aに噛合されている。
一対のピニオンギア8,9は、デフケース6の内側にピニオンシャフト15を介して回転自在に支持されている。ピニオンシャフト15は、デフケース6のケース本体6Aにおける周壁部分に径方向に沿うように取り付けられている。
一対のサイドギア10,11は、中空軸部10a,11aの外周の軸方向中間にかさ歯車を設けた構成である。この一対のサイドギア10,11は、そのかさ歯車がデフケース6の内側に配置されて一対のピニオンギア8,9に噛合されている。中空軸部10a,11aの軸方向外端側は、デフケース6のボス部6a,6bの内径側に微小隙間を介して回転可能に挿入されている。
一対のサイドギア10,11の中空軸部10a,11aの内周面には、メススプライン10b,11bが設けられている。この中空軸部10a,11a内に、一対のドライブシャフト2,3の内端部分がスプライン嵌合される。
なお、オススプライン2a,3aやメススプライン10b,11bは、角形スプラインとされるが、インボリュートスプラインであってもよい。
このような構成のデファレンシャル1の動作については基本的に公知のとおりであるので、ここでは簡単に説明する。
まず、車両が直進している場合には、入力軸5に回転動力が入力されると、ドライブピニオン5aとリングギア7との噛合部分を通じてデフケース6が回転し、このデフケース6と一体的に一対のピニオンギア8,9が公転することにより、一対のサイドギア10,11および一対のドライブシャフト2,3が回転駆動されるので、左右の後輪が同一回転数で駆動される。
一方、車両のカーブ走行等によって、左右の後輪間に回転抵抗差が生じたときに、一対のピニオンギア8,9が自転することになって、両サイドギア10,11が差動回転することになるので、入力軸5から入力される回転動力が左右のドライブシャフト2,3を介して左右の後輪に差動分配されるようになる。
ここで、本発明の特徴を適用している部分について詳細に説明する。
要するに、一対のドライブシャフト2,3と一対のサイドギア10,11とにおけるスプライン嵌合部分を自由嵌め合い、つまりルーズフィット状態にしたうえで、このスプライン嵌合部分に、ボール20を、あたかも杭打ちしたかのような形態で組み込むことにより、ドライブシャフト2,3とサイドギア10,11とを回転方向にガタなく連結するようにしている。
一対のサイドギア10,11の中空軸部10a,11aは、デフキャリア12の貫通孔12a,12bから外部に突出する長さとされている。
この中空軸部10a,11aにおいて外部に突出している領域の外径側には、円周方向に連続する外周溝10c,11cが設けられており、この外周溝10c,11cの溝底において円周等間隔の三箇所には、径方向に沿って貫通する貫通孔10d,11dが設けられている。
なお、この貫通孔10d,11dは、中空軸部10a,11aのメススプライン10b,11bの歯が存在する位置に設けられている。
図3および図4に示すように、サイドギア10,11の中空軸部10a,11aに設けてある貫通孔10d,11dと、ドライブシャフト2,3のオススプライン2a,3aにおいて円周等間隔の三箇所に位置する溝(隣り合う歯の間)とに跨る状態で、ボール20が係入されている。
そして、中空軸部10a,11aの外周溝10c,11cには、三つのボール20を径方向内向きに押圧するための押圧部材としてC字形状の板ばね30が外嵌装着されている。
この板ばね30は、図3に示すように、適宜のばね鋼材等の帯状板をC字形に丸めたようなものであって、弾性的に拡げると、その弾性復元力によって径方向内向きに縮もうとする力を発生する。この板ばね30において円周方向中央とその位置から120度ずつ隔てた二箇所との合計三箇所には、ボール20に当接する膨出部31・・・が屈曲形成されている。この実施形態では、板ばね30は、中空軸部10a,11aの外周溝10c,11cに外嵌装着した状態において、図2および図4に示すように、外周溝10c,11c内から飛び出さずに埋没した状態となるように設定されている。
なお、図4に示すように、ボール20の直径寸法は、オススプライン2a,3aの溝の開口側幅寸法より適宜大きく設定されており、貫通孔10d,11dの内径寸法は、ボール20の直径より僅かに大きく設定されている。
また、板ばね30は、外周溝10c,11c内に外嵌装着された状態において適宜拡径した状態となるようにセッテングされている。そのため、常時において板ばね30の縮径しようとする弾性復元力が、三つのボール20に作用するので、各ボール20が径方向内向き(図4矢印参照)に押圧されてオススプライン2a,3aの溝の内面(両隣の歯面)に押し付けられるようになる。但し、板ばね30を、外周溝10c,11c内に外嵌装着された状態において自然状態となるようにセッテングすることも可能であり、その状態でボール20を径方向内向きに押圧できるようにボール20の直径サイズや膨出部31の曲率半径等を調整することも可能である。
このように、一対のドライブシャフト2,3と一対のサイドギア10,11の中空軸部10a,11aとのスプライン嵌合部分を自由嵌め合い状態にしておいて、ボール20をサイドギア10,11とドライブシャフト2,3とに跨る状態で組み込んだうえで、ドライブシャフト2,3に対して径方向内向きに押し付ける状態とすることにより、サイドギア10,11にドライブシャフト2,3を円周方向略不動に連結するようにしている。
なお、この実施形態では、一対のサイドギア10,11の中空軸部10a,11aの内側開口に、インナーシール40,40を内嵌装着することによって、当該内側開口が閉塞されている。このインナーシール40,40は、デフキャリア12内に貯留されるデフオイルが中空軸部10a,11aの内孔を通じて外部へ漏洩することを防止するものである。
また、一対のサイドギア10,11の中空軸部10a,11aの外端側外周面とデフキャリア12の貫通孔12a,12bの内周面との間に、アウターシール50,50を装着することによって、当該中空軸部10a,11aと貫通孔12a,12bとの環状対向空間が軸方向内外で仕切られている。このアウターシール50,50は、デフキャリア12内に貯留されるデフオイルが中空軸部10a,11aと貫通孔12a,12bとの環状対向空間を通じて外部へ漏洩することを防止するものである。
上述したインナーシール40は、例えば蓋状のシールド板のようなものとされ、アウターシール50は、図示していないが、例えばスリンガーとリップ付シールリングとを組み合わせたようなものとされるが、それらの形状や構成については特に限定されず、一般的に公知のいろいろなものを使用することが可能である。
次に、上述したデファレンシャル1のサイドギア10,11に対してドライブシャフト2,3を組み付ける手順や、様子について、図5から図7を参照して説明する。
まず、図5に示すように、デフケース6に、リングギア7、ピニオンギア8,9、サイドギア10,11を組み付けつつ、これらをデフキャリア12内に組み込むことにより、デファレンシャル1を完成させておく。
このデファレンシャル1における一対のサイドギア10,11の中空軸部10a,11aに、図6に示すように、一対のドライブシャフト2,3の内端側を差し入れ、このドライブシャフト2,3の内端側に設けてあるオススプライン2a,3aを、中空軸部10a,11aのメススプライン10b,11bにスプライン嵌合させる。
このとき、ドライブシャフト2,3のオススプライン2a,3aを、一対のサイドギア10,11のメススプライン10b,11bに円周方向に位置合わせする必要がないので、単にドライブシャフト2,3をサイドギア10,11の中空軸部10a,11a内へ向けて押し込むだけでよく、また、自由嵌め合いとしているから、手作業で簡単かつ迅速に行うことができる。
これにより、一対のサイドギア10,11の中空軸部10a,11aにおける軸方向外端側に設けてある三つの貫通孔10d,11dは、デフケース6の左右ボス部6a,6bおよびデフキャリア12の左右の貫通孔12a,12bから外側へ突出して、外部に露呈する状態になる。
このようにデフキャリア12の外側に露呈している一対のサイドギア10,11の各貫通孔10d,11dの外径側から、図7に示すように、ボール20を差し入れておいて、押圧部材としてのC字形の板ばね30をサイドギア10,11の中空軸部10a,11aの外周溝10c,11c内に外嵌装着する。
このとき、ボール20は、オススプライン2a,3aの溝と中空軸部10a,11aの貫通孔10d,11dとに跨る状態で組み込まれている。
しかも、この実施形態では、板ばね30を若干拡径した状態のまま外周溝10c,11c内に外嵌装着するようにしているので、板ばね30の縮径しようとする弾性復元力でもってボール20が径方向内向きに比較的強めに押圧されることになり、このボール20がオススプライン2a,3aの溝の内面(両隣の歯面)に押し付けられるようになっている。これにより、一対のドライブシャフト2,3が一対のサイドギア10,11に自動的に芯合わせされた状態で円周方向に略不動に連結されるようになる。
なお、このような構造であるので、貫通孔10d,11dの内径寸法とボール20の直径寸法とを同じにすれば、円周方向のガタを完全にゼロにできるのであるが、ボール20の一部を貫通孔10d,11dの内径側開口から突出させてオススプライン2a,3aの溝内へ入れるようにしている関係より、ボール20の直径寸法を貫通孔10d,11dの内径寸法より僅かに小さくするのが望ましい。そのため、円周方向のガタが僅かながら残ると考えられるものの、前記スプライン嵌合部分を自由嵌め合いとする場合に比べると遥かに低減できるので支障ない。
ところで、この実施形態では、一対のサイドギア10,11の中空軸部10a,11aの内端側開口にインナーシール40,40を装着したうえで、中空軸部10a,11aにおける外側突出領域とデフキャリア12の貫通孔12a,12b内周面との間にアウターシール50,50を装着しているから、デフキャリア12内部へのデフオイルの注入は、ドライブシャフト2,3の装着前あるいは装着後のいずれのタイミングで行ってもかまわない。また、デフキャリア12内にデフオイルを注入した後で、ドライブシャフト2,3を取り外す際に、デフオイルを抜く必要がなくなるので、手間や無駄を省くことができる。
以上説明したように、本発明を適用した実施形態では、サイドギア10,11にドライブシャフト2,3を自由嵌め合い状態でスプライン嵌合させるようにしておいて、ボール20をサイドギア10,11とドライブシャフト2,3とに跨る状態で組み込んだうえで、ドライブシャフト2,3に対して径方向内向きに押し付けることにより、サイドギア10,11とドライブシャフト2,3とを円周方向略不動に連結するようにしている。これにより、以下のような効果が得られる。
まず、サイドギア10,11にドライブシャフト2,3を自由嵌め合い状態でスプライン嵌合させるようにしていれば、ドライブシャフト2,3の着脱時の押し込み荷重や抜き出し荷重を、従来例のように圧入嵌め合いとする場合に比べて、遥かに軽減できる。これにより、ドライブシャフト2,3の着脱作業を、従来のようにスライディングハンマー等を使用することなく、手作業で行えるようになる等、ドライブシャフト2,3の着脱作業が簡単かつ迅速に行えるようになる。もちろん、ドライブシャフト2,3を取り外す際も、前記同様、簡単かつ迅速に行えるようになる。
このような自由嵌め合い状態でのスプライン嵌合とすると、サイドギア10,11とドライブシャフト2,3とのスプライン嵌合部分に回転方向の隙間が生じるものの、前述したようにボール20を組み込むことで、回転方向のガタを詰めるようにしているから、デファレンシャル1を搭載する車両等の走行時に振動、騒音ならびに加速ショック等を低減することが可能になる等、走行性能の向上に貢献できるようになる。
しかも、ボール20や押圧部材30の着脱作業は、デフキャリア12の外側で行えるようにしているから、その作業自体が簡単かつ迅速に行うことが可能になる。
これらの結果、デファレンシャル1のサイドギア10,11とドライブシャフト2,3との連結構造を高品質でかつ安価に提供することが可能になるのである。
以下、本発明の他の実施形態を説明する。
(1)上記実施形態では、後輪駆動タイプの車両に搭載されるリア側のデファレンシャルを例に挙げているが、前輪駆動タイプの車両に搭載されるフロント側のデファレンシャルや、四輪駆動タイプの車両におけるフロント側のデファレンシャルおよびリア側のデファレンシャルにも、本発明を適用することが可能である。
(2)上記実施形態では、デファレンシャル1をツーピニオンタイプとした例を挙げているが、フォーピニオンタイプのデファレンシャルや、その他の形式のデファレンシャルであっても、本発明を適用することが可能である。
(3)上記実施形態でのボール20の数や配置については、特に限定されず、例えば180度対向の二箇所としたり、また、90度おきの四箇所としたりすることも可能である。
このボール20の数を多くする程、ボール20に対する負荷荷重を軽減できて耐久性において有利になるものの、ボール20および板ばね30の着脱作業が煩雑になる傾向となる。逆に、ボール20の数を少なくする程、ボール20および板ばね30の着脱作業が簡単になるものの、ボール20に対する負荷荷重が増大して耐久性が低下する傾向となる。
したがって、ボール20の数および配置は、着脱作業性と耐久性との関係を考慮すると、上記実施形態で説明したように円周等間隔の三箇所とするのが最も好ましいと考えられる。
(4)上記実施形態では、複数のボール20を径方向内向きに押圧するための押圧部材として単一の板ばね30を例に挙げているが、例えば各ボール20を個別に押圧するための複数の押圧部材を用いることも可能である。
(5)上記実施形態では、複数のボール20を同一円周上に配置して単一の板ばね30で押圧させた例を挙げているが、それ以外に、図示しないが、例えばボール20を円周等間隔の三箇所で、かつ、各ボール20を軸方向にずらして配置するようにし、各ボール20を三つのC字形の板ばね30で押さえるようにすることも可能である。この場合の板ばね30は、上述したものと同様であるが、膨出部31が一つとなる。
このように三つのボール20や板ばね30を用いる場合、それらの軸方向での占有スペースを上記実施形態に比べて大きくする必要があるが、本発明の他の実施形態として成立する。
(6)上記実施形態では、ドライブシャフト2,3のオススプライン2a,3aにおける三つの溝をボール20の係合部として利用しているが、すり鉢形状の穴とすることができる。
具体的に、例えば図8および図9に示すように、まず、一対のドライブシャフト2,3のオススプライン2a,3aにおける円周等間隔の三つの歯2a1,3a1を、他の歯より幅広とし、また、一対のサイドギア10,11に設けてあるメススプライン10b,11bにおける円周等間隔の三つの溝10b1,11b1を、他の溝より幅広として、この幅広の歯2a1,3a1と幅広の溝10b1,11b1とを互いに嵌合させる形態とする。
そして、オススプライン2a,3aにおける三つの幅広の歯2a1,3a1の幅方向中間位置に、係合部としてすり鉢形状の穴2b,3bを、また、メススプライン10b,11bにおける三つの幅広の溝10b1,11b1の幅方向中間位置に、径方向に沿う貫通孔10d,11dをそれぞれ設けている。
この場合、上記実施形態と同様に、ボール20を貫通孔10d,11dと穴2b,3bとに跨る状態で組み込んだうえで、すり鉢形状の穴2b,3bの内面に対して径方向内向きに押し付ける形態とすることができ、上記実施形態と同様の作用、効果が得られる。
特に、係合部をすり鉢形状の穴2b,3bにしていれば、上記実施形態で説明した効果に加えて、ドライブシャフト2,3を軸方向に位置決めすることが可能になる。そのため、従来例において必要であった位置決め用のスナップリング等を使用せずに済み、コスト低減を図るうえで有利となる。
(7)上記実施形態では、複数のボール20を径方向内向きに押圧するための押圧部材として円周一ヶ所を切り離した形状の板ばね30を例に挙げているが、例えば図10から図13に示すような形状とすることも可能である。
まず、図10および図11に示すように、板ばね30の切り離し端縁に、径方向外向きに突出する突片32,32を設けた構成とする。
この板ばね30を一対のサイドギア10,11の中空軸部10a,11aの外周溝10c,11cに外嵌装着してから、板ばね30の両突片32,32間にボルト45を通し、このボルト45にナット46を螺合する。これにより、板ばね30を外周溝10c,11cの溝底に強固に圧接させて、その状態を保持できるようになる。
また、図12および図13に示すように、板ばね30を円周方向に途切れずに連続する円環形状として、その円周一ヶ所に、径方向外向きに張り出す凸形状部33を設けた構成とする。
この板ばね30を一対のサイドギア10,11の中空軸部10a,11aの外周溝10c,11cに外嵌装着してから、板ばね30の凸形状部33を図13の矢印で示すように円周方向に加締めて圧潰することにより、板ばね30の内径を縮める。これによって、板ばね30を外周溝10c,11cの溝底に強固に圧接させて、その状態を保持できるようになる。
本発明に係るデファレンシャルとドライブシャフトとの連結構造の一実施形態を示す横断面図である。 図1の(2)−(2)線断面の矢視図である。 図1および図2に示す片方のサイドギアと片方のドライブシャフトとの分解斜視図である。 図2の(4)−(4)線断面の矢視図である。 図1から図3に示すデファレンシャルとドライブシャフトとを連結する手順の初期段階を説明するための図で、図2に対応する図である。 図5の状態から一対のドライブシャフトを一対のサイドギアにスプライン嵌合した状態を示す図である。 図6の状態においてボールを組み込む様子を示す説明図である。 本発明に係るデファレンシャルとドライブシャフトとの連結構造の他実施形態で、図3に対応する図である。 図8の実施形態において図4に対応する図である。 本発明に係るデファレンシャルとドライブシャフトとの連結構造における押圧部材の他例で、図3に対応する図である。 図10の実施形態で、図4に対応する図である。 本発明に係るデファレンシャルとドライブシャフトとの連結構造における押圧部材の他例で、図3に対応する図である。 図12の実施形態で、図4に対応する図である。
符号の説明
1 デファレンシャル
2,3 ドライブシャフト
2a,3a ドライブシャフトのオススプライン
5 入力軸
5a ドライブピニオン
6 デフケース
6a,6b デフケースのボス部
7 リングギア
8,9 ピニオンギア
10,11 サイドギア
10a,11a サイドギアの中空軸部
10b,11b サイドギアのメススプライン
10c,11c サイドギアの外周溝
10d,11d サイドギアの貫通孔
12 デフキャリア
20 ボール
30 板ばね(押圧部材)

Claims (3)

  1. デファレンシャルに備える一対のサイドギアそれぞれにドライブシャフトを自由嵌め合い状態でスプライン嵌合して連結した構造であって、
    前記サイドギアの中空軸部がデフキャリアの外側に突出する長さとされており、この中空軸部における外側突出領域に、径方向に沿う貫通孔が設けられ、
    この貫通孔と、それに対応して前記ドライブシャフトのオススプラインに設けられる係合部とに跨る状態でボールが係入され、
    前記貫通孔の外径側に、前記ボールを径方向内向きに押圧する押圧部材が設けられていることを特徴とするデファレンシャルとドライブシャフトとの連結構造。
  2. 請求項1において、前記貫通孔が円周等間隔の三箇所に設けられ、前記押圧部材が、円周一ヶ所で分離したC字形の板ばねとされ、この板ばねが、前記サイドギアの外側突出領域に外嵌装着されることを特徴とするデファレンシャルとドライブシャフトとの連結構造。
  3. 請求項1または2において、前記係合部は、ドライブシャフトのオススプラインにおける溝とされることを特徴とするデファレンシャルとドライブシャフトとの連結構造。
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