JP2007303457A - オイルポンプロータ - Google Patents

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Abstract

【課題】ロータの外径や軸方向厚さを大きくすることなく吐出量を増加するオイルポンプロータを提供すること。
【解決手段】インナーロータ10の外歯形状は、数学曲線によって形成された歯形形状の歯先円A1の半径RA1と歯溝円A2の半径RA2とに対し、
A1>RD1>RA2 式(1)
A1>RD2>RA2 式(2)
D1≧RD2 式(3)
式(1)を満足する半径RD1の円D1の外側では前記歯形形状は外径方向に変形し、式(2)と式(3)とを満足する半径RD2の円D2の内側では前記歯形形状は内径方向に変形したこと。
【選択図】図1

Description

本発明は、インナーロータとアウターロータとの間に形成されるセルの容積変化によって流体を吸入、吐出するオイルポンプロータに関する。
従来のオイルポンプは、n(nは自然数)枚の外歯が形成されたインナーロータと、この外歯に噛み合うn+1枚の内歯が形成されたアウターロータと、流体が吸入される吸入ポートおよび流体が吐出される吐出ポートが形成されたケーシングとを備えており、インナーロータを回転させることによって外歯が内歯に噛み合ってアウターロータを回転させ、両ロータ間に形成される複数のセルの容積変化によって流体を吸入、吐出するようになっている。
セルは、その回転方向前側と後側で、インナーロータの外歯とアウターロータの内歯とがそれぞれ接触することによって個別に仕切られるとともに、両側面をケーシングによって仕切られており、これによって独立した流体搬送室を構成している。そして、各セルは外歯と内歯との噛み合いの過程の途中において容積が最小となった後、吸入ポートに沿って移動するときに容積を拡大させて流体を吸入し、容積が最大となった後、吐出ポートに沿って移動するときに容積を減少させて流体を吐出する。
上記のような構成を有するオイルポンプは、小型で構造が簡単であるため自動車の潤滑油用ポンプや自動変速機用オイルポンプ等として広範囲に利用されている。自動車に搭載される場合、オイルポンプの駆動手段としてはエンジンのクランク軸にインナーロータが直結されてエンジンの回転によって駆動されるクランク軸直結駆動がある。
ところでオイルポンプには、歯形をサイクロイド曲線で形成したインナーロータとアウターロータとを使用したタイプ(例えば、特許文献1参照)、歯形をトロコイド曲線上に中心を有する円弧群の包絡線で形成したインナーロータを使用したタイプ(例えば、特許文献2参照)、あるいは、歯形を互いに接する二つの円弧で形成したインナーロータとアウターロータを使用したタイプ(例えば、特許文献3参照)、さらには、前記各タイプの歯形を修正したインナーロータとアウターロータを使用したオイルポンプが種々開示されている。
近年、エンジンの動弁系可変化や、高出力化に伴うピストン冷却用オイルジェットの追加などにより、オイルポンプの吐出容量は増加傾向にある。一方、省燃費の観点からエンジンのフリクション低減のため、オイルポンプ本体の小型化・小径化が要求されている。オイルポンプの吐出量を多くするには歯数を少なくすることが一般的であるが、少ない歯数のオイルポンプでは一セル当りの吐出量が多いため、脈動が大きくなりポンプハウジングなどの振動により騒音が発生するという問題点があった。
脈動を小さくし騒音を抑える方法としては、一般的に、歯数を多くする方法が採用されるが、歯数を多くすると吐出量が減少するので必要な吐出量を確保するためには、ロータの外径を大きくするか軸方向厚さを大きくせざるを得ず、その結果、大型化や重量増あるいはフリクション増加などの問題を誘発する。
特開2005−076563号公報 特開平09−256963号公報 特開昭61−008484号公報
本発明は、ロータの外径や軸方向厚さを大きくすることなく吐出量を増加するオイルポンプロータを提供することを課題とする。
上記した課題を解決するために講じた第1の技術的手段は、
n(nは自然数)枚の外歯が形成されたインナーロータ、前記外歯と噛み合うn+1枚の内歯が形成されたアウターロータ、流体が吸入される吸入ポートおよび流体が吐出される吐出ポートが形成されたケーシングを備え、両ロータが噛み合って回転するとき、両ロータの歯面間に形成されるセルの容積変化により流体を吸入、吐出することによって流体を搬送するオイルポンプに用いられるオイルポンプロータであって、前記インナーロータの外歯形状は、数学曲線によって形成された歯形形状の歯先円A1の半径RA1と歯溝円A2の半径RA2とに対し、
A1>RD1>RA2 式(1)
A1>RD2>RA2 式(2)
D1≧RD2 式(3)
式(1)を満足する半径RD1の円D1の外側にある前記歯形形状の外径方向への変形、若しくは、式(2)と式(3)とを満足する半径RD2の円D2の内側にある前記歯形形状の内径方向への変形の少なくともいずれか一方の変形により形成されていることである。
また、第2の技術的手段は、
n(nは自然数)枚の外歯が形成されたインナーロータと、
前記外歯と噛み合うn+1枚の内歯が形成されたアウターロータと、
流体が吸入される吸入ポートおよび流体が吐出される吐出ポートが形成されたケーシングとを備え、
両ロータが噛み合って回転するとき、前記両ロータの歯面間に形成されるセルの容積変化により流体を吸入、吐出することによって流体を搬送するオイルポンプに用いられるオイルポンプロータであって、
前記インナーロータの外歯形状は、数学曲線によって形成された歯形形状の歯先円A1の半径RA1と歯溝円A2の半径RA2とに対し、
A1>RD1>RA2 式(1)
A1>RD2>RA2 式(2)
D1≧RD2 式(3)
式(1)を満足する半径RD1の円D1の外側では前記歯形形状は外径方向に変形し、式(2)と式(3)とを満足する半径RD2の円D2の内側では前記歯形形状は内径方向に変形したことである。
尚、ここで言うところの数学曲線とは、サイクロイド曲線、トロコイド曲線上に中心を有する円弧群の包絡線、互いに接する二つの円弧で形成される円弧曲線など、数学的な関数を用いて表される曲線を言う。
第3の技術的手段は、第1又は第2の技術的手段において、
前記数学曲線は、式(4)〜(8)で表されるサイクロイド曲線であって、前記インナーロータの外歯形状は、前記円D1の外側が変形される場合は、式(9)〜(12)で形成される座標を歯先形状とし、前記円D2の内側が変形される場合は、式(13)〜(16)で形成される座標を歯溝形状として形成されていることである。
10=(RA+Ra1)×cosθ10
−Ra1×cos〔{(RA+Ra1)/Ra1}×θ10〕 式(4)
10=(RA+Ra1)×sinθ10
−Ra1×sin〔{(RA+Ra1)/Ra1}×θ10〕 式(5)
20=(RA−Ra2)×cosθ20
+Ra2×cos〔{(Ra2−RA)/Ra2}×θ20〕 式(6)
20=(RA−Ra2)×sinθ20
+Ra2×sin〔{(Ra2−RA)/Ra2}×θ20〕 式(7)
A=n×(Ra1+Ra2) 式(8)
但し、
インナーロータの中心を通る直線をX軸
X軸と直交しインナーロータの中心を通る直線をY軸
Aはサイクロイド曲線の基礎円半径
a1はサイクロイド曲線の外転円半径
a2はサイクロイド曲線の内転円半径
θ10は外転円の中心とインナーロータの中心とを通る直線がX軸となす角度
θ20は内転円の中心とインナーロータの中心とを通る直線がX軸となす角度
(X10、Y10)は外転円により形成されるサイクロイド曲線の座標
(X20、Y20)は内転円により形成されるサイクロイド曲線の座標
である。
11=(X10 2+Y10 21/2 式(9)
θ11=arccos(X10/R11) 式(10)
11={(R11−RD1)×β10+RD1}×cosθ11 式(11)
11={(R11−RD1)×β10+RD1}×sinθ11 式(12)
但し、
11はインナーロータの中心から座標(X10、Y10)までの距離
θ11はインナーロータ中心と座標(X10、Y10)とを通る直線がX軸となす角度
(X11、Y11)は変形後の歯先形状の座標
β10は変形の為の修正係数
である。
21=(X20 2+Y20 21/2 式(13)
θ21=arccos(X20/R21) 式(14)
21={RD2−(RD2−R21)×β20}×cosθ21 式(15)
21={RD2−(RD2−R21)×β20}×sinθ21 式(16)
但し、
21はインナーロータの中心から座標(X20、Y20)までの距離
θ21はインナーロータ中心と座標(X20、Y20)とを通る直線がX軸となす角度
(X21、Y21)は変形後の歯溝形状の座標
β20は変形の為の修正係数
である。
第4の技術的手段は、第1又は第2の技術的手段において、
前記数学曲線は、式(21)〜(26)によって決定されるトロコイド曲線上に中心を有する円弧E群の包絡線であって、前記インナーロータの外歯形状は、前記歯先円A1と前記歯溝円A2とに対し、前記円D1の外側が変形される場合は、式(27)〜(30)で形成される座標を歯先形状とし、前記円D2の内側が変形される場合は、式(31)〜(34)で形成される座標を歯溝形状として形成されていることである。
100=(RH+RI)×cosθ100−eK×cosθ101 式(21)
100=(RH+RI)×sinθ100−eK×sinθ101 式(22)
θ101=(n+1)×θ100 式(23)
H=n×RI 式(24)
101=X100±RJ/{1+(dX100/dY10021/2 式(25)
101=Y100±RJ/{1+(dY100/dX10021/2 式(26)
但し、
インナーロータの中心を通る直線をX軸
X軸と直交しインナーロータの中心を通る直線をY軸
(X100,Y100)はトロコイド曲線上の座標
Hはトロコイド基礎円の半径
Iはトロコイド創成転円の半径
Kはトロコイド創成転円の中心とトロコイド曲線を創成する点との距離
θ100はトロコイド創成転円の中心とインナーロータの中心とを通る直線がX軸となす角度
θ101はトロコイド創成転円の中心とトロコイド曲線を創成する点とを通る直線がX軸となす角度
(X101,Y101)は包絡線上の座標
Jは包絡線を形成する円弧Eの半径
である。
11=(X101 2+Y101 21/2 式(27)
θ102=arccos(X101/R11) 式(28)
102={(R11−RD1)×β100+RD1}×cosθ102 式(29)
102={(R11−RD1)×β100+RD1}×sinθ102 式(30)
但し、
11はインナーロータの中心から座標(X101、Y101)までの距離
θ102はインナーロータ中心と座標(X101、Y101)とを通る直線がX軸となす角度
(X102、Y102)は変形後の歯先形状の座標
β100は変形の為の修正係数
である。
21=(X101 2+Y101 21/2 式(31)
θ103=arccos(X101/R21) 式(32)
103={RD2−(RD2−R21)×β101}×cosθ103 式(33)
103={RD2−(RD2−R21)×β101}×sinθ103 式(34)
但し、
21はインナーロータの中心から座標(X101、Y101)までの距離
θ103はインナーロータ中心と座標(X101、Y101)とを通る直線がX軸となす角度
(X103、Y103)は変形後の歯溝形状の座標
β101は変形の為の修正係数
である。
第5の技術的手段は、第1又は第2の技術的手段において、
前記数学曲線は、歯先部と歯溝部とが互いに接する二つの円弧によって形成され、式(41)〜(46)で表される円弧曲線あって、前記インナーロータの外歯形状は、前記円D1の外側が変形される場合は、式(47)〜(50)で形成される座標を歯先形状とし、前記円D2の内側が変形される場合は、式(51)〜(54)で形成される座標を歯溝形状として形成されていることである。
(X50−X602+(Y50−Y602=(r50+r602 式(41)
60=(RA2+r60)cosθ60 式(42)
60=(RA2+r60)sinθ60 式(43)
50=RA1−r50 式(44)
50=0 式(45)
θ60=π/n 式(46)
但し、
インナーロータの中心を通る直線をX軸
X軸と直交し、前記インナーロータの中心を通る直線をY軸
(X50、Y50)は歯先部を形成する円弧の中心の座標
(X60、Y60)は歯溝部を形成する円弧の中心の座標
50は歯先部を形成する円弧の半径
60は歯溝部を形成する円弧の半径
θ60は歯先部を形成する円弧の中心とインナーロータの中心とを通る直線と、歯溝部を形成する円弧の中心とインナーロータの中心とを通る直線とがなす角度
である。
51=(X51 2+Y51 21/2 式(47)
θ51=arccos(X51/R51) 式(48)
52={(R51−RD1)×β50+RD1}×cosθ51 式(49)
52={(R51−RD1)×β50+RD1}×sinθ51 式(50)
但し、
(X51、Y51)は歯先部を形成する円弧上の点の座標
51インナーロータの中心から座標(X51、Y51)までの距離
θ51はインナーロータの中心と座標(X51、Y51)とを通る直線がX軸となす角度
(X52、Y52)は変形後の歯先形状の座標
β50は変形の為の修正係数
である。
61=(X61 2+Y61 21/2 式(51)
θ61=arccos(X61/R61) 式(52)
62={RD2−(RD2−R61)×β60}×cosθ61 式(53)
62={RD2−(RD2−R61)×β60}×sinθ61 式(54)
但し、
(X61、Y61)は歯溝部を形成する円弧上の点の座標
61はインナーロータの中心から座標(X61、Y61)までの距離
θ61はインナーロータの中心と座標(X61、Y61)とを通る直線がX軸となす角度
(X62、Y62)は変形後の歯溝形状の座標
β60は変形の為の修正係数
である。
第6の技術的手段は、第1又は第2の技術的手段において、
前記インナーロータが噛み合う前記アウターロータは、
前記インナーロータを、その中心から所定距離e離間した位置を中心とした前記所定距離と同一の半径eの円Dの円周上を角速度ωで公転させると共に、公転方向とは逆の回転方向に前記公転の角速度ωの1/n倍の角速度ω/nで自転させて形成される包絡線について、
前記円Dの中心から公転開始時の前記インナーロータの中心を見た角度を公転角度0方向として、少なくとも、前記包絡線と前記公転角度0方向の軸との交差部分近傍を外径方向に変形すると共に、前記包絡線と前記インナーロータの公転角度π/(n+1)方向の軸との交差部分近傍を、前記公転角度0方向の軸との交差部分近傍における外径方向の変形よりも小さく、若しくは等しく外径方向に変形し、かつ、
公転角度0以上π/(n+1)以下で定められる領域に含まれる部分を部分包絡線として抽出し、
前記部分包絡線を前記円Dの中心を基点として公転方向に微小角度α回転すると共に、前記領域外に延出した箇所を切り取り、かつ、前記部分包絡線と前記公転角度0方向の軸との間に生じる隙間を接続して修正部分包絡線を形成し、
前記修正部分包絡線を前記公転角度0方向の軸に対して線対称に複写して部分歯形を形成し、
さらに、前記部分歯形を前記円Dの中心を基点として、角度2π/(n+1)ずつ回転複写して形成される歯形形状を有することである。
第7の技術的手段は、第3の技術的手段において、
前記インナーロータと噛み合う前記アウターロータの内歯形状は、式(61)〜(65)で表されるサイクロイド曲線で形成される歯形形状の、歯溝円B1の半径RB1と歯先円B2の半径RB2とに対し、
B1>RD3>RB2
を満足する半径RD3の円D3の外側が変形される場合は、式(66)〜(69)で形成される曲線を歯溝形状とし、
B1>RD4>RB2D3≧RD4
を満足する半径RD4の円D4の内側が変形される場合は、式(70)〜(73)で形成される曲線を歯先形状とするとともに、前記インナーロータと式(74)〜(76)の関係を満足することである。
30=(RB+Rb1)cosθ30
−Rb1×cos〔{(RB+Rb1)/Rb1}×θ30〕 式(61)
30=(RB+Rb1)sinθ30
−Rb1×sin〔{(RB+Rb1)/Rb1}×θ30〕 式(62)
40=(RB−Rb2)cosθ40
+Rb2×cos〔{(Rb2−RB)/Rb2}×θ40〕 式(63)
40=(RB−Rb2)sinθ40
+Rb2×sin〔{(Rb2−RB)/Rb2}×θ40〕 式(64)
B=(n+1)×(Rb1+Rb2) 式(65)
但し、
アウターロータの中心を通る直線をX軸
X軸と直交しアウターロータの中心を通る直線をY軸
Bはサイクロイド曲線の基礎円半径
b1はサイクロイド曲線の外転円半径
b2はサイクロイド曲線の内転円半径
θ30は外転円の中心とアウターロータの中心とを通る直線がX軸となす角度
θ40は内転円の中心とアウターロータの中心とを通る直線がX軸となす角度
(X30、Y30)は外転円によるサイクロイド曲線の座標
(X40、Y40)は内転円によるサイクロイド曲線の座標
である。
31=(X30 2+Y30 21/2 式(66)
θ31=arccos(X30/R31) 式(67)
31={(R31−RD3)×β30+RD3}×cosθ31 式(68)
31={(R31−RD3)×β30+RD3}×sinθ31 式(69)
但し、
31はアウターロータの中心から座標(X30、Y30)までの距離
θ31はアウターロータの中心と座標(X30、Y30)とを通る直線がX軸となす角度
(X31、Y31)は変形後の歯溝形状の座標
β30は変形の為の修正係数
である。
41=(X40 2+Y40 21/2 式(70)
θ41=arccos(X40/R41) 式(71)
41={RD4−(RD4−R41)×β40}×cosθ41 式(72)
41={RD4−(RD4−R41)×β40}×sinθ41 式(73)
但し、
41はアウターロータの中心から座標(X40、Y40)までの距離
θ41はアウターロータの中心と座標(X40、Y40)とを通る直線がX軸となす角度
(X41、Y41)は変形後の歯先形状の座標
β40は変形の為の修正係数
である。
10=〔{(RA+2×Ra1)−RD1}×β10+RD1〕−〔RD2−{RD2
−(RA−2×Ra2)}×β20〕/2+d10 式(74)
B10’=3/2×〔{(RA+2×Ra1)−RD1}×β10+RD1〕−1/2
×〔RD2−{RD2−(RA−2×Ra2)}×β20〕+d20 式(75)
B20’=[〔{(RA+2×Ra1)−RD1}×β10+RD1〕+〔RD2
{RD2−(RA−2×Ra2)}×β20〕]/2+d30 式(76)
但し、
10はインナーロータの中心とアウターロータの中心との距離(偏心量)
B10’は変形後のアウターロータの歯溝円半径
B20’は変形後のアウターロータの歯先円半径
10、d20、d30はアウターロータがクリアランスをもって回動するための補正値
である。
第8の技術的手段は、第4の技術的手段において、
前記インナーロータが噛み合う前記アウターロータは、式(81)〜(84)で表される円弧曲線で形成される歯形形状の、歯溝円B1の半径RB1と歯先円B2の半径RB2とに対し、
B1>RD3>RB2
を満たす円D3の外側が変形される場合は、式(85)で形成される曲線を歯溝形状とし、
B1>RD4>RB2D3≧RD4
を満足する半径RD4の円D4の内側が変形される場合は、式(86)〜(87)で形成される曲線を歯先形状とすることである。
(X200−X2102+(Y200−Y2102=RJ 2 式(81)
210 2+Y210 2=RL 2 式(82)
220 2+Y220 2=RB1 2 式(83)
B1=(3×RA1−RA2)/2+g10 式(84)
但し、
アウターロータの中心を通る直線をX軸
X軸と直交し、アウターロータの中心を通る直線をY軸
(X200、Y200)は歯先部を形成する円弧の座標
(X210、Y210)はその円弧が歯先部を形成する円の中心の座標
(X220、Y220)は歯溝部を形成する歯溝円B1の円弧の座標
Lはアウターロータの中心とその円弧が歯先部を形成する円の中心との距離
B1は歯溝部を形成する歯溝円B1の半径
である。
230 2+Y230 2=RB1'2 式(85)
但し、
(X230、Y230)は変形後の歯溝形状の座標
B1'は変形後の歯溝部を形成する円弧の半径
である。
201=(1−β200)×RD4×cosθ200
+X200×β200+g20 式(86)
201=(1−β200)×RD4×sinθ200
+Y200×β200+g30 式(87)
但し、
(X201、Y201)は変形後の歯先形状の座標
θ200はアウターロータの中心と点(X200、Y200)とを通る直線がX軸となす角度
β200は変形の為の修正係数
10、g20、g30はアウターロータがクリアランスをもって回動するための補正値
である。
第9の技術的手段は、第5の技術的手段において、
前記インナーロータと噛み合う前記アウターロータの内歯形状は、式(101)〜(106)で表される円弧曲線で形成される歯形形状の、歯溝円B1の半径RB1と歯先円B2の半径RB2とに対し、
B1>RD3>RB2
を満足する半径RD3の円D3の外側が変形される場合は、式(107)〜(110)で形成される曲線を歯溝形状とし、
B1>RD4>RB2D3≧RD4
を満足する半径RD4の円D4の内側が変形される場合は、式(111)〜(114)で形成される曲線を歯先形状とするとともに、前記インナーロータと式(115)〜(117)の関係を満足することである。
(X70−X802+(Y70−Y802=(r70+r802 式(101)
80=(RB2+r80)cosθ80 式(102)
80=(RB2+r80)sinθ80 式(103)
70=RB1−r70 式(104)
70=0 式(105)
θ80=π/(n+1) 式(106)
但し、
アウターロータの中心を通る直線をX軸
X軸と直交し、アウターロータの中心を通る直線をY軸
(X70、Y70)は歯溝部を形成する円弧の中心の座標
(X80、Y80)は歯先部を形成する円弧の中心の座標
70は歯溝部を形成する円弧の半径
80は歯先部を形成する円弧の半径
θ80は歯先部を形成する円弧の中心とアウターロータの中心とを通る直線と、歯溝部を形成する円弧の中心とアウターロータの中心とを通る直線とがなす角度
である。
71=(X71 2+Y71 21/2 式(107)
θ71=arccos(X71/R71) 式(108)
72={(R71−RD3)×β70+RD3}×cosθ71 式(109)
72={(R71−RD3)×β70+RD3}×sinθ71 式(110)
但し、
(X71、Y71)は歯溝部を形成する円弧上の点の座標
71はアウターロータの中心から座標(X71、Y71)までの距離
θ71はアウターロータの中心と座標(X71、Y71)とを通る直線がX軸となす角度
(X72、Y72)は変形後の歯溝形状の座標
β70は変形の為の修正係数
である。
81=(X81 2+Y81 21/2 式(111)
θ81=arccos(X81/R81) 式(112)
82={RD4−(RD4−R81)×β80}×cosθ81 式(113)
82={RD4−(RD4−R81)×β80}×sinθ81 式(114)
但し、
(X81、Y81)は歯先部を形成する円弧上の点の座標
81はアウターロータの中心から座標(X81、Y81)までの距離
θ81はアウターロータの中心と座標(X81、Y81)とを通る直線がX軸となす角度
(X82、Y82)は変形後の歯先形状の座標
β80は変形の為の修正係数
である。
50=〔{(RA1−RD1)×β50+RD1
−{RD2−(RD2−RA2)×β60}〕/2+d50 式(115)
B1’=3/2〔{RA1−RD1}×β50+RD1
−1/2×{RD2−(RD2−RA2)×β60}+d60 式(116)
B2’=〔{(RA1−RD1)×β50+RD1
+{RD2−(RD2−RA2)×β60}〕/2+d70 式(117)
但し、
50はインナーロータの中心とアウターロータの中心との距離(偏心量)
B1’は変形後のアウターロータの歯溝円半径
B2’は変形後のアウターロータの歯先円半径
50、d60、d70はアウターロータがクリアランスをもって回動するための補正値
である。
請求項1及び請求項2の発明によれば、n(nは自然数)枚の外歯が形成されたインナーロータと、外歯と噛み合うn+1枚の内歯が形成されたアウターロータと、流体が吸入される吸入ポートおよび流体が吐出される吐出ポートが形成されたケーシングとを備え、両ロータが噛み合って回転するとき、両ロータの歯面間に形成されるセルの容積変化により流体を吸入、吐出することによって流体を搬送するオイルポンプに用いられるオイルポンプロータであって、インナーロータの外歯形状は、数学曲線によって形成された歯形形状の歯先円A1の半径RA1と歯溝円A2の半径RA2とに対し、
A1>RD1>RA2 式(1)
A1>RD2>RA2 式(2)
D1≧RD2 式(3)
式(1)を満足する半径RD1の円D1の外側にある前記歯形形状の外径方向への変形、若しくは、式(2)と式(3)とを満足する半径RD2の円D2の内側にある歯形形状の内径方向への変形、又はこれら両方の変形をしたことにより、歯数を減らすことなくオイルポンプの吐出量を増加することができる。
請求項3の発明によれば、周知のサイクロイド曲線で形成したインナーロータについて、円D1の外側を変形する場合には歯形形状を外径方向に変形し、円D2の内側を変形する場合には歯形形状を内径方向に変形したことにより、歯数を減らすことなくオイルポンプの吐出量を増加することができる。
請求項4の発明によれば、周知のトロコイド曲線上に中心を有する円弧群の包絡線で形成したインナーロータについて、円D1の外側を変形する場合には歯形形状を外径方向に変形し、円D2の内側を変形する場合には歯形形状を内径方向に変形したことにより、歯数を減らすことなくオイルポンプの吐出量を増加することができる。
請求項5の発明によれば、歯先部と歯溝部とが互いに接する二つの円弧によって表される円弧曲線で形成したインナーロータについて、円D1の外側を変形する場合には歯形形状を外径方向に変形し、円D2の内側を変形する場合には歯形形状を内径方向に変形したことにより、歯数を減らすことなくオイルポンプの吐出量を増加することができる。
請求項6の発明によれば、インナーロータと噛み合うアウターロータの内歯形状は、
インナーロータを、その中心から所定距離e離間した位置を中心とした所定距離と同一の半径eの円Dの円周上を角速度ωで公転させると共に、公転方向とは逆の回転方向に公転の角速度ωの1/n倍の角速度ω/nで自転させて形成される包絡線について、円Dの中心から公転開始時のインナーロータの中心を見た角度を公転角度0方向として、少なくとも、包絡線と公転角度0方向の軸との交差部分近傍を外径方向に変形すると共に、包絡線とインナーロータの公転角度π/(n+1)方向の軸との交差部分近傍を、公転角度0方向の軸との交差部分近傍における外径方向の変形よりも小さく、若しくは等しく外径方向に変形し、かつ、
公転角度0以上π/(n+1)以下で定められる領域に含まれる部分を部分包絡線として抽出し、部分包絡線を円Dの中心を基点として公転方向に微小角度α回転すると共に、領域外に延出した箇所を切り取り、かつ、部分包絡線と公転角度0方向の軸との間に生じる隙間を接続して修正部分包絡線を形成し、
さらに、修正部分包絡線を公転角度0方向の軸に対して線対称に複写して部分歯形を形成し、部分歯形を前記円Dの中心を基点として、角度2π/(n+1)ずつ回転複写して形成されるので、変形したインナーロータと円滑に噛み合い回転することができる。
請求項7の発明によれば、インナーロータと噛み合うアウターロータの内歯形状は、周知のサイクロイド曲線で形成される歯形形状の、歯溝円B1の半径RB1と歯先円B2の半径RB2とに対し、
B1>RD3>RB2
を満足する半径RD3の円D3の外側が変形される場合は歯溝形状を外径方向に変形し、
B1>RD4>RB2D3≧RD4
を満足する半径RD4の円D4の内側が変形される場合は歯先形状を内径方向に変形するとともに、インナーロータとの関係式を満足することにより、変形したインナーロータと円滑に噛み合い回転することができる。
請求項8の発明によれば、インナーロータが噛み合うアウターロータは、歯溝部と歯先部とが互いに接する二つの円弧によって表される円弧曲線で形成される歯形形状の、歯溝円B1の半径RB1と歯先円B2の半径RB2とに対し、
B1>RD3>RB2
を満たす円D3の外側が変形される場合は歯溝形状を外径方向に変形し、
B1>RD4>RB2D3≧RD4
を満足する半径RD4の円D4の内側が変形される場合は歯先形状を内径方向に変形することにより、変形したインナーロータと円滑に噛み合い回転することができる。
請求項9の発明によれば、インナーロータと噛み合うアウターロータの内歯形状は、歯溝部と歯先部とが互いに接する二つの円弧によって表される円弧曲線で形成される歯形形状の、歯溝円B1の半径RB1と歯先円B2の半径RB2とに対し、
B1>RD3>RB2
を満足する半径RD3の円D3の外側が変形される場合は歯溝形状を外径方向に変形し、
B1>RD4>RB2D3≧RD4
を満足する半径RD4の円D4の内側が変形される場合は歯先形状を内径方向に変形すするとともに、インナーロータとの関係式を満足することにより、変形したインナーロータと円滑に噛み合い回転することができる。
〔第一実施形態〕
本発明に係るオイルポンプロータの第一の実施形態を、図1〜図6に基づいて説明する。
図1に示すオイルポンプは、サイクロイド曲線を変形した場合の実施形態を示したものである。6枚の外歯11が形成されたインナーロータ10と、インナーロータ10の外歯11と噛み合う7枚の内歯21が形成されたアウターロータ20と、流体が吸入される吸入ポート40および流体が吐出される吐出ポート41が形成されたケーシング50を備え、両ロータが噛み合って回転するとき、両ロータの歯面間に形成されるセル30の容積変化により流体を吸入、吐出することによって流体を搬送するオイルポンプである。
図2はインナーロータ10の変形前後の形状を示したものである。周知のサイクロイド曲線で構成した歯形形状S1の、歯先円A1より小径で歯溝円A2より大径である円D1の外側では歯形形状S1を外径方向に変形し、円D1より小径で歯溝円A2より大径である円D2の内側では歯形形状S1を内径方向に変形した歯形形状となっている。
図3は図2のインナーロータ10を形成するための説明図である。図3において、(a)は歯先側の説明図であり、(b)は歯溝側の説明図である。
まず、歯形形状S1を構成するサイクロイド曲線は、以下の式(4)から(8)を用いて表すことができる。
10=(RA+Ra1)×cosθ10
−Ra1×cos〔{(RA+Ra1)/Ra1}×θ10〕 式(4)
10=(RA+Ra1)×sinθ10
−Ra1×sin〔{(RA+Ra1)/Ra1}×θ10〕 式(5)
20=(RA−Ra2)×cosθ20
+Ra2×cos〔{(Ra2−RA)/Ra2}×θ20〕 式(6)
20=(RA−Ra2)×sinθ20
+Ra2×sin〔{(Ra2−RA)/Ra2}×θ20〕 式(7)
A=n×(Ra1+Ra2) 式(8)
ここで、インナーロータ10の中心O1を通る直線をX軸、X軸と直交しインナーロータ10の中心O1を通る直線をY軸とし、式(4)から(8)において、RAはサイクロイド曲線の基礎円半径、Ra1はサイクロイド曲線の外転円半径、Ra2はサイクロイド曲線の内転円半径、θ10は外転円の中心とインナーロータ10の中心O1とを通る直線がX軸となす角度、θ20は内転円の中心とインナーロータ10の中心O1とを通る直線がX軸となす角度、(X10、Y10)は外転円により形成されるサイクロイド曲線の座標、(X20、Y20)は内転円により形成されるサイクロイド曲線の座標である。
すなわち、図3(a)に示すように、P1を始点として、半径Ra1の外転円が半径RAの基礎円上を1回転することにより、サイクロイド曲線P11(歯形形状S1の一部)が形成され、これが変形前のインナーロータ10の1つの歯先となる。次に、Q1を始点として、半径Ra2の内転円が半径RAの基礎円上を1回転することにより、図3(b)に示すように、サイクロイド曲線Q11(歯形形状S1の一部)が形成され、これが変形前のインナーロータ10の1つの歯溝となる。これを繰り返すことにより、図2に示す周知のサイクロイド曲線で構成した歯形形状S1が形成される。
次に、この歯形形状S1に対して次のような変形を行なう。
まず、円D1の外側(歯先側)では、図3(a)に示すように、以下の式(9)から(12)で表される座標(X11、Y11)により形成される曲線を変形後の歯先形状とする。
11=(X10 2+Y10 21/2 式 (9)
θ11=arccos(X10/R11) 式(10)
11={(R11−RD1)×β10+RD1}×cosθ11 式(11)
11={(R11−RD1)×β10+RD1}×sinθ11 式(12)
ここで、R11はインナーロータ10の中心から座標(X10、Y10)までの距離、θ11はインナーロータ10の中心O1と座標(X10、Y10)とを通る直線がX軸となす角度、(X11、Y11)は変形後の歯先形状の座標、β10は変形の為の修正係数である。
一方、円D2の内側(歯溝側)では、図3(b)に示すように、以下の式(13)から(16)で表される座標(X21、Y21)により形成される曲線を変形後の歯溝形状とする。
21=(X20 2+Y20 21/2 式(13)
θ21=arccos(X20/R21) 式(14)
21={RD2−(RD2−R21)×β20}×cosθ21 式(15)
21={RD2−(RD2−R21)×β20}×sinθ21 式(16)
ここで、R21はインナーロータの中心から座標(X20、Y20)までの距離、θ21はインナーロータ10の中心O1と座標(X20、Y20)とを通る直線がX軸となす角度、(X21、Y21)は変形後の歯溝形状の座標、β20は変形の為の修正係数である。
周知のサイクロイド曲線で構成した歯形形状S1に上記のような変形を施すことにより、図2に示すインナーロータ10の外歯形状を形成することができる。
また、図4はアウターロータ20の変形前後の形状を示したものである。インナーロータ10と同様に、周知のサイクロイド曲線で構成した歯形形状S2の、歯溝円B1より小径で歯先円B2より大径である円D3の外側では歯形形状S2を外径方向に変形し、円D3より小径で歯先円B2より大径である円D4の内側では歯形形状S2を内径方向に変形した歯形形状となっている。
図5は図4のアウターロータ20を形成するための説明図である。図5において、(a)は歯溝側の説明図であり、(b)は歯先側の説明図である。
その変形は、上述したインナーロータの場合と同様であり、以下に歯形形状S2を構成するサイクロイド曲線を表す式、及び、歯形形状S2を変形する式を示す。
まず、歯形形状S2を構成するサイクロイド曲線は、以下の式(61)から(65)で表される。
30=(RB+Rb1)cosθ30
−Rb1×cos〔{(RB+Rb1)/Rb1}×θ30〕 式(61)
30=(RB+Rb1)sinθ30
−Rb1×sin〔{(RB+Rb1)/Rb1}×θ30〕 式(62)
40=(RB−Rb2)cosθ40
+Rb2×cos〔{(Rb2−RB)/Rb2}×θ40〕 式(63)
40=(RB−Rb2)sinθ40
+Rb2×sin〔{(Rb2−RB)/Rb2}×θ40〕 式(64)
B=(n+1)×(Rb1+Rb2) 式(65)
ここで、アウターロータ20の中心O2を通る直線をX軸、X軸と直交しアウターロータ20の中心O2を通る直線をY軸とし、式(61)から(65)において、RBはサイクロイド曲線の基礎円半径、Rb1はサイクロイド曲線の外転円半径、Rb2はサイクロイド曲線の内転円半径、θ30は外転円の中心とアウターロータ20の中心O2とを通る直線がX軸となす角度、θ40は内転円の中心とアウターロータ20の中心O2とを通る直線がX軸となす角度、(X30、Y30)は外転円によるサイクロイド曲線の座標、(X40、Y40)は内転円によるサイクロイド曲線の座標である。
そして、この歯形形状S2に対して次のような変形を行なうことにより、アウターロータ20の内歯形状が形成される。
まず、円D3の外側(歯溝側)では、図5(a)に示すように、以下の式(66)から(69)で形成される曲線を歯溝形状として形成される。
31=(X30 2+Y30 21/2 式(66)
θ31=arccos(X30/R31) 式(67)
31={(R31−RD3)×β30+RD3}×cosθ31 式(68)
31={(R31−RD3)×β30+RD3}×sinθ31 式(69)
ここで、R31はアウターロータ20の中心O2から座標(X30、Y30)までの距離、θ31はアウターロータ20の中心O2と座標(X30、Y30)とを通る直線がX軸となす角度、(X31、Y31)は変形後の歯溝形状の座標、β30は変形の為の修正係数である。
また、円D4の内側(歯先側)では、図5(b)に示すように、以下の式(70)から(73)で形成される曲線を歯先形状として形成される。
41=(X40 2+Y40 21/2 式(70)
θ41=arccos(X40/R41) 式(71)
41={RD4−(RD4−R41)×β40}×cosθ41 式(72)
41={RD4−(RD4−R41)×β40}×sinθ41 式(73)
ここで、R41はアウターロータ20の中心O2から座標(X40、Y40)までの距離、θ41はアウターロータ20の中心O2と座標(X40、Y40)とを通る直線がX軸となす角度、(X41、Y41)は変形後の歯先形状の座標、β40は変形の為の修正係数である。
なお、アウターロータ20の内歯形状を形成する上記の式は、インナーロータ10に対して以下の式(74)から(76)の関係を満足する。
10=〔{(RA+2×Ra1)−RD1}×β10+RD1〕−〔RD2−{RD2
−(RA−2×Ra2)}×β20〕/2+d10 式(74)
B10’=3/2×〔{(RA+2×Ra1)−RD1}×β10+RD1〕−1/2
×〔RD2−{RD2−(RA−2×Ra2)}×β20〕+d20 式(75)
B20’=[〔{(RA+2×Ra1)−RD1}×β10+RD1〕+〔RD2
{RD2−(RA−2×Ra2)}×β20〕]/2+d30 式(76)
ここで、e10はインナーロータ10の中心O1とアウターロータ20の中心O2との距離(偏心量)、RB10’は変形後のアウターロータ20の歯溝円半径、RB20’は変形後のアウターロータ20の歯先円半径であり、d10、d20、d30はアウターロータ20がクリアランスをもって回動するための補正値である。
図6の(a)図は周知のサイクロイド曲線で形成した歯形形状を有するインナーロータ10とアウターロータ20とで構成したオイルポンプであり、(b)図は本発明を適用して変形を加えたインナーロータ10とアウターロータ20とで構成したオイルポンプである。
〔第二実施形態〕
本発明に係るオイルポンプロータの第二の実施形態を、図7〜図11に基づいて説明する。
図7に示すオイルポンプは、周知のトロコイド曲線上に中心を有する円弧群の包絡線で形成した歯形形状を変形した場合の実施形態を示したものである。4枚の外歯11が形成されたインナーロータ10と、インナーロータ10の外歯11と噛み合う5枚の内歯21が形成されたアウターロータ20と、流体が吸入される吸入ポート40および流体が吐出される吐出ポート41が形成されたケーシング50を備え、両ロータが噛み合って回転するとき、両ロータの歯面間に形成されるセル30の容積変化により流体を吸入、吐出することによって流体を搬送するオイルポンプである。
図8はインナーロータ10の変形前後の形状を示したものである。周知のトロコイド曲線上に中心を有する円弧群の包絡線で形成した歯形形状S1の、歯先円A1より小径で歯溝円A2より大径である円D1の外側では歯形形状S1を外径方向に変形し、円D1より小径で歯溝円A2より大径である円D2の内側では歯形形状S1を内径方向に変形した歯形形状となっている。
図9は図8のインナーロータ10を形成するための説明図である。図9(a)は、歯形形状S1を形成する周知のトロコイド曲線上に中心を有する円弧群の包絡線に関する説明図であり、図9(b)はこの歯形形状S1の変形に関する説明図である。
図9(a)において、歯形形状S1を形成する周知のトロコイド曲線上に中心を有する円弧群の包絡線は、以下の式(21)から(26)で表される。
100=(RH+RI)×cosθ100−eK×cosθ101 式(21)
100=(RH+RI)×sinθ100−eK×sinθ101 式(22)
θ101=(n+1)×θ100 式(23)
H=n×RI 式(24)
101=X100±RJ/{1+(dX100/dY10021/2 式(25)
101=Y100±RJ/{1+(dY100/dX10021/2 式(26)
ここで、インナーロータ10の中心O1を通る直線をX軸、X軸と直交しインナーロータ10の中心O1を通る直線をY軸とし、式(21)から(26)において、(X100,Y100)はトロコイド曲線上の座標、RHはトロコイド基礎円の半径、RIはトロコイド創成転円の半径、eKはトロコイド創成転円の中心OTとトロコイド曲線を創成する点との距離、θ100はトロコイド創成転円の中心OTとインナーロータ10の中心O1とを通る直線がX軸となす角度、θ101はトロコイド創成転円の中心OTとトロコイド曲線を創成する点とを通る直線がX軸となす角度、(X101,Y101)は包絡線上の座標、RJは包絡線を形成する円弧CEの半径である。
また、図9(b)に示すように、この歯形形状S1を変形するための変形式は、歯先形状の変形については以下の式(27)から(30)で、歯溝形状の変形については以下の式(31)から(34)で表される。
11=(X101 2+Y101 21/2 式(27)
θ102=arccos(X101/R11) 式(28)
102={(R11−RD1)×β100+RD1}×cosθ102 式(29)
102={(R11−RD1)×β100+RD1}×sinθ102 式(30)
ここで、R11はインナーロータ10の中心O1から座標(X101、Y101)までの距離、θ102はインナーロータ10の中心O1と座標(X101、Y101)とを通る直線がX軸となす角度、(X102、Y102)は変形後の歯先形状の座標、β100は変形の為の修正係数である。
21=(X101 2+Y101 21/2 式(31)
θ103=arccos(X101/R21) 式(32)
103={RD2−(RD2−R21)×β101}×cosθ103 式(33)
103={RD2−(RD2−R21)×β101}×sinθ103 式(34)
ここで、R21はインナーロータ10の中心O1から座標(X101、Y101)までの距離、θ103はインナーロータ10の中心O1と座標(X101、Y101)とを通る直線がX軸となす角度、(X103、Y103)は変形後の歯溝形状の座標、β101は変形の為の修正係数である。
また、図10はアウターロータ20の変形前後の形状を示したものである。インナーロータ10と同様に、歯先部と歯溝部とが互いに接する複数の円弧によって表される円弧曲線で構成した歯形形状S2の、歯溝円B1より小径で歯先円B2より大径である円D3の外側では歯形形状S2を外径方向に変形し、円D3より小径で歯先円B2より大径である円D4の内側では歯形形状S2を内径方向に変形した歯形形状となっている。
図11は図10のアウターロータ20を形成するための説明図である。図11(a)は歯形形状S2を構成する円弧曲線に関する説明図であり、図11(b)はこの歯形形状S2の変形に関する説明図である。
図11(a)において、歯形形状S2を構成する円弧曲線は、以下の式(81)から(84)で表される。
(X200−X2102+(Y200−Y2102=RJ 2 式(81)
210 2+Y210 2=RL 2 式(82)
220 2+Y220 2=RB1 2 式(83)
B1=(3×RA1−RA2)/2+g10 式(84)
ここで、アウターロータ20の中心O2を通る直線をX軸、X軸と直交し、アウターロータ20の中心O2を通る直線をY軸とし、式(81)から(84)において、(X200、Y200)は歯先部を形成する円弧の座標、(X210、Y210)はその円弧が歯先部を形成する円の中心の座標、(X220、Y220)は歯溝部を形成する歯溝円B1の円弧の座標、RLはアウターロータの中心とその円弧が歯先部を形成する円の中心との距離、RB1は歯溝部を形成する歯溝円B1の半径、g10はアウターロータがクリアランスをもって回動するための補正値である。
また、図11(b)において、この歯形形状S2を変形するための変形式は、歯溝側については以下の式(85)で、歯先側については以下の式(86)から(87)で表される。
230 2+Y230 2=RB1'2 式(85)
ここで、(X230、Y230)は変形後の歯溝形状の座標、RB1'は変形後の歯溝部を形成する円弧の半径である。
201=(1−β200)×RD4×cosθ200
+X200×β200+g20 式(86)
201=(1−β200)×RD4×sinθ200
+Y200×β200+g30 式(87)
ここで、(X201、Y201)は変形後の歯先形状の座標、θ200はアウターロータ20の中心O2と点(X200、Y200)とを通る直線がX軸となす角度、β200は変形の為の修正係数であり、g20、g30はアウターロータがクリアランスをもって回動するための補正値である。
〔第三実施形態〕
本発明に係るオイルポンプロータの第三の実施形態を、図12〜図16に基づいて説明する。
図12に示すオイルポンプは、歯先部と歯溝部とが互いに接する二つの円弧によって表される円弧曲線を変形した場合の実施形態を示したものである。8枚の外歯11が形成されたインナーロータ10と、インナーロータ10の外歯11と噛み合う9枚の内歯21が形成されたアウターロータ20と、流体が吸入される吸入ポート40および流体が吐出される吐出ポート41が形成されたケーシング50を備え、両ロータが噛み合って回転するとき、両ロータの歯面間に形成されるセル30の容積変化により流体を吸入、吐出することによって流体を搬送するオイルポンプである。
図13はインナーロータ10の変形前後の形状を示したものである。歯先部と歯溝部とが互いに接する二つの円弧によって表される円弧曲線で構成した歯形形状S1の、歯先円A1より小径で歯溝円A2より大径である円D1の外側では歯形形状S1を外径方向に変形し、円D1より小径で歯溝円A2より大径である円D2の内側では歯形形状S1を内径方向に変形した歯形形状となっている。
図14は図13のインナーロータ10を形成するための説明図である。図14(a)は歯形形状S1を構成する円弧曲線に関する説明図であり、図14(b)はこの歯形形状S1の変形に関する説明図である。
図14(a)において、歯形形状S1を構成する円弧曲線は、以下の式(41)から(46)で表される。
(X50−X602+(Y50−Y602=(r50+r602 式(41)
60=(RA2+r60)cosθ60 式(42)
60=(RA2+r60)sinθ60 式(43)
50=RA1−r50 式(44)
50=0 式(45)
θ60=π/n 式(46)
ここで、インナーロータ10の中心O1を通る直線をX軸、X軸と直交し、インナーロータ10の中心O1を通る直線をY軸とし、(X50、Y50)は歯先部を形成する円弧の中心の座標、(X60、Y60)は歯溝部を形成する円弧の中心の座標、r50は歯先部を形成する円弧の半径、r60は歯溝部を形成する円弧の半径、θ60は歯先部を形成する円弧の中心とインナーロータ10の中心O1とを通る直線と、歯溝部を形成する円弧の中心とインナーロータ10の中心O1とを通る直線とがなす角度である。
また、図14(b)において、この歯形形状S1を変形するための変形式は、歯先側については以下の式(47)から(50)で、歯溝側については以下の式(51)から(54)で表される。
51=(X51 2+Y51 21/2 式(47)
θ51=arccos(X51/R51) 式(48)
52={(R51−RD1)×β50+RD1}×cosθ51 式(49)
52={(R51−RD1)×β50+RD1}×sinθ51 式(50)
ここで、(X51、Y51)は歯先部を形成する円弧上の点の座標、R51はインナーロータ10の中心O1から座標(X51、Y51)までの距離、θ51はインナーロータ10の中心O1と座標(X51、Y51)とを通る直線がX軸となす角度、(X52、Y52)は変形後の歯先形状の座標、β50は変形の為の修正係数である。
61=(X61 2+Y61 21/2 式(51)
θ61=arccos(X61/R61) 式(52)
62={RD2−(RD2−R61)×β60}×cosθ61 式(53)
62={RD2−(RD2−R61)×β60}×sinθ61 式(54)
ここで、(X61、Y61)は歯溝部を形成する円弧上の点の座標、R61はインナーロータ10の中心O1から座標(X61、Y61)までの距離、θ61はインナーロータ10の中心O1と座標(X61、Y61)とを通る直線がX軸となす角度、(X62、Y62)は変形後の歯溝形状の座標、β60は変形の為の修正係数である。
また、図15はアウターロータ20の変形前後の形状を示したものである。インナーロータ10と同様に、歯先部と歯溝部とが互いに接する二つの円弧によって表される円弧曲線で構成した歯形形状S2の、歯溝円B1より小径で歯先円B2より大径である円D3の外側では歯形形状S2を外径方向に変形し、円D3より小径で歯先円B2より大径である円D4の内側では歯形形状S2を内径方向に変形した歯形形状となっている。
図16は図15のアウターロータ20を形成するための説明図である。図16において、図16(a)は歯形形状S2を構成する円弧曲線に関する説明図であり、図16(b)はこの歯形形状S2の変形に関する説明図である。
図16(a)において、歯形形状S2を構成する円弧曲線は、以下の式(101)から(106)で表される。
(X70−X802+(Y70−Y802=(r70+r802 式(101)
80=(RB2+r80)cosθ80 式(102)
80=(RB2+r80)sinθ80 式(103)
70=RB1−r70 式(104)
70=0 式(105)
θ80=π/(n+1) 式(106)
ここで、アウターロータ20の中心O2を通る直線をX軸、X軸と直交し、アウターロータ20の中心O2を通る直線をY軸とし、(X70、Y70)は歯溝部を形成する円弧の中心の座標、(X80、Y80)は歯先部を形成する円弧の中心の座標、r70は歯溝部を形成する円弧の半径、r80は歯先部を形成する円弧の半径、θ80は歯先部を形成する円弧の中心とアウターロータ20の中心O2とを通る直線と、歯溝部を形成する円弧の中心とアウターロータ20の中心O2とを通る直線とがなす角度である。
また、図16(b)において、この歯形形状S2を変形するための変形式は、歯溝側については以下の式(107)から(110)で、歯先側については以下の式(111)から(114)で表される。
71=(X71 2+Y71 21/2 式(107)
θ71=arccos(X71/R71) 式(108)
72={(R71−RD3)×β70+RD3}×cosθ71 式(109)
72={(R71−RD3)×β70+RD3}×sinθ71 式(110)
ここで、(X71、Y71)は歯溝部を形成する円弧上の点の座標、R71はアウターロータ20の中心O2から座標(X71、Y71)までの距離、θ71はアウターロータ20の中心O2と座標(X71、Y71)とを通る直線がX軸となす角度、(X72、Y72)は変形後の歯溝形状の座標、β70は変形の為の修正係数である。
81=(X81 2+Y81 21/2 式(111)
θ81=arccos(X81/R81) 式(112)
82={RD4−(RD4−R81)×β80}×cosθ81 式(113)
82={RD4−(RD4−R81)×β80}×sinθ81 式(114)
ここで、(X81、Y81)は歯先部を形成する円弧上の点の座標、R81はアウターロータ20の中心O2から座標(X81、Y81)までの距離、θ81はアウターロータ20の中心O2と座標(X81、Y81)とを通る直線がX軸となす角度、(X82、Y82)は変形後の歯先形状の座標、β80は変形の為の修正係数である。
なお、アウターロータ20の内歯形状を形成する上記の式は、インナーロータ10に対して以下の式(115)から(117)の関係を満足する。
50=〔{(RA1−RD1)×β50+RD1
−{RD2−(RD2−RA2)×β60}〕/2+d50 式(115)
B1’=3/2〔{RA1−RD1}×β50+RD1
−1/2×{RD2−(RD2−RA2)×β60}+d60 式(116)
B2’=〔{(RA1−RD1)×β50+RD1
+{RD2−(RD2−RA2)×β60}〕/2+d70 式(117)
ここで、e50はインナーロータの中心O1とアウターロータの中心O2との距離(偏心量)、RB1’は変形後のアウターロータ20の歯溝円半径、RB2’は変形後のアウターロータ20の歯先円半径であり、d50、d60、d70はアウターロータ20がクリアランスをもって回動するための補正値である。
〔第四実施形態〕
本発明に係るオイルポンプロータの第四の実施形態を図17に示す。
図17に示すオイルポンプは、9枚の外歯11が形成されたインナーロータ10と、インナーロータ10の外歯11と噛み合う10枚の内歯21が形成されたアウターロータ20と、流体が吸入される吸入ポート40および流体が吐出される吐出ポート41が形成されたケーシング50を備え、両ロータが噛み合って回転するとき、両ロータの歯面間に形成されるセル30の容積変化により流体を吸入、吐出することによって流体を搬送するオイルポンプである。
なお、この実施形態におけるインナーロータ10は、上記の第一の実施形態の如くサイクロイド曲線を変形した歯形形状を有しているが、その変形は内径方向(歯溝側)のみであり、外形方向(歯先側)への変形は行なっていない。
図18は、このインナーロータ10と好適に噛み合うアウターロータ20の形成に関する説明図である。
図18(a)に示すように、まず、インナーロータ10の中心O1を通る直線をX軸、X軸と直交しインナーロータ10の中心O1を通る直線をY軸、インナーロータ10の中心O1を原点とする。また、インナーロータ10の中心O1から所定距離e離間した位置として座標(e,0)をとり、この座標(e,0)を中心とした半径eの円を円Dとする。
まず、インナーロータ10の中心O1をこの円Dの円周上に沿って角速度ωで時計周りに公転させると共に、反時計周りに角速度ω/n(nはインナーロータの歯数)で自転させると図18(a)に示すように、包絡線Z0を形成することができる。なお、図18においては、円Dの中心(e,0)から公転開始時のインナーロータ10の中心O1を見た角度、すなわちX軸の負方向を公転角度0方向として、時計周りの回転に対して値が増加するように公転角度をとっている。
ここで、この包絡線Z0について、少なくとも、包絡線Z0と公転角度0方向の軸との交差部分近傍を外径方向に変形すると共に、包絡線Z0と公転角度θ2(=π/(n+1))方向の軸との交差部分近傍を、公転角度0方向の軸との交差部分近傍における外径方向の変形よりも小さく、若しくは等しく外径方向に変形した曲線を得るため、以下のような操作を行なう。
上述したようにインナーロータ10の中心O1を円Dの円周上に沿って自転させながら公転させるとき、公転角度0以上θ1以下の間は、インナーロータ10の歯先形状を拡張修正係数β1で外径方向に変形し、公転角度θ1以上2πの間は、インナーロータ10の歯先形状を拡張修正係数β2で外径方向に変形させる。ただし、拡張修正係数β2の値は拡張修正係数β1の値よりも小さい。なお、この実施形態においては、これらの拡張修正係数β1及びβ2は、上記の第一の実施形態の修正係数β10に相当するものである。
かかる操作により、図18(a)に示すように、インナーロータ10が点線I0の位置にあるときには、拡張修正係数β1により外径方向に変形され、点線I1の位置にあるときには、拡張修正係数β2によりβ1の場合より小さく外径方向に変形されるので、この場合に得られる包絡線Z1は、包絡線Z0と比べて、公転角度0方向の軸との交差部分近傍が外径方向に変形すると共に、公転角度θ2方向の軸との交差部分近傍が公転角度0方向の軸との交差部分近傍における外径方向の変形よりも小さく外径方向に変形した形状となる。
次に、図18(b)に示すように、この包絡線Z1のうち、公転角度0以上θ2以下の角度で定められる領域W(公転角度0方向の軸と公転角度θ2方向の軸との間の領域)に含まれる部分を部分包絡線PZ1として抽出する。
そして、抽出された部分包絡線PZ1を円Dの中心(e,0)を基点として公転方向に微小角度α回転すると共に、回転により領域W外に延出した箇所を切り取り、かつ、部分包絡線PZ1と公転角度0方向の軸との間に生じる隙間Gを接続して修正部分包絡線MZ1を形成する。なお、この実施形態では隙間Gを直線で接続しているが、直線に限らず曲線で接続しても良い。
さらに、この修正部分包絡線MZ1を公転角度0方向の軸に対して線対称に複写して部分歯形PTを形成し、この部分歯形PTを円Dの中心(e,0)を基点として、角度2π/(n+1)ずつ回転複写することにより、アウターロータ20の歯形形状が形成される。
包絡線Z0を変形した上記の如く構成された包絡線Z1を用いてアウターロータを形成することにより、インナーロータ10とアウターロータ20の間の適正なクリアランスが確保される。また、部分包絡線PZ1を微小角度αで回転することにより、適正なバックラッシュを得ることができる。これにより、変形したインナーロータ10と円滑に噛み合い回転するアウターロータ20を得ることができる。
なお、この実施形態においては、インナーロータの歯数n=9、変形前のインナーロータの歯先円半径RA1=21.3mm、インナーロータの変形時の基準円D1の半径RD1=20.3mm、拡張修正係数がβ1からβ2に変化する角度θ1=90°、包絡線Z1から部分包絡線PZ1を抽出する角度θ2=18°、拡張修正係数β1=1.0715、β2=1.05、e=3.53mm、α=0.08°としてアウターロータ20が形成されている。
〔その他の実施形態〕
上述した第一から第三の実施形態においては、インナーロータ10及びアウターロータ20の歯先側及び歯溝側の両方を変形するように構成したが、インナーロータの歯先側又は歯溝側のいずれか一方を変形して、アウターロータについてもこれに合わせて変形するような構成としても良い。また、上述した第四の実施形態においては、インナーロータ10の歯溝側だけを変形する構成としたが、歯先側、又は歯先側及び歯溝側の両方を変形する構成としても良い。
以上のいずれの実施形態においても、インナーロータ10の変形にともなってアウターロータ20を変形することにより、セル30の容積が増大しオイルポンプとしての吐出量が増加することになる。
本発明に係るオイルポンプの第一実施形態の平面図 第一実施形態のインナーロータの平面図 第一実施形態のインナーロータを形成するための説明図 第一実施形態のアウターロータの平面図 第一実施形態のアウターロータを形成するための説明図 本発明に係るオイルポンプと従来のオイルポンプとを比較した平面図 本発明に係るオイルポンプの第二実施形態の平面図 第二実施形態のインナーロータの平面図 第二実施形態のインナーロータを形成するための説明図 第二実施形態のアウターロータの平面図 第二実施形態のアウターロータを形成するための説明図 本発明に係るオイルポンプの第三実施形態の平面図 第三実施形態のインナーロータの平面図 第三実施形態のインナーロータを形成するための説明図 第三実施形態のアウターロータの平面図 第三実施形態のアウターロータを形成するための説明図 本発明に係るオイルポンプの第四実施形態の説明図 第四実施形態のアウターロータを形成するための説明図
符号の説明
10 インナーロータ
11 外歯
20 アウターロータ
21 内歯
30 セル
40 吸入ポート
41 吐出ポート
50 ケーシング

Claims (9)

  1. n(nは自然数)枚の外歯が形成されたインナーロータと、
    前記外歯と噛み合うn+1枚の内歯が形成されたアウターロータと、
    流体が吸入される吸入ポートおよび流体が吐出される吐出ポートが形成されたケーシングとを備え、
    両ロータが噛み合って回転するとき、前記両ロータの歯面間に形成されるセルの容積変化により流体を吸入、吐出することによって流体を搬送するオイルポンプに用いられるオイルポンプロータであって、
    前記インナーロータの外歯形状は、数学曲線によって形成された歯形形状の歯先円A1の半径RA1と歯溝円A2の半径RA2とに対し、
    A1>RD1>RA2 式(1)
    A1>RD2>RA2 式(2)
    D1≧RD2 式(3)
    式(1)を満足する半径RD1の円D1の外側で前記歯形形状が外径方向に変形し、若しくは、式(2)と式(3)とを満足する半径RD2の円D2の内側で前記歯形形状が内径方向に変形したことを特徴とするオイルポンプロータ。
  2. n(nは自然数)枚の外歯が形成されたインナーロータと、
    前記外歯と噛み合うn+1枚の内歯が形成されたアウターロータと、
    流体が吸入される吸入ポートおよび流体が吐出される吐出ポートが形成されたケーシングとを備え、
    両ロータが噛み合って回転するとき、前記両ロータの歯面間に形成されるセルの容積変化により流体を吸入、吐出することによって流体を搬送するオイルポンプに用いられるオイルポンプロータであって、
    前記インナーロータの外歯形状は、数学曲線によって形成された歯形形状の歯先円A1の半径RA1と歯溝円A2の半径RA2とに対し、
    A1>RD1>RA2 式(1)
    A1>RD2>RA2 式(2)
    D1≧RD2 式(3)
    式(1)を満足する半径RD1の円D1の外側では前記歯形形状は外径方向に変形し、式(2)と式(3)とを満足する半径RD2の円D2の内側では前記歯形形状は内径方向に変形したことを特徴とするオイルポンプロータ。
  3. 請求項1又は2において、
    前記数学曲線は、式(4)〜(8)で表されるサイクロイド曲線であって、前記インナーロータの外歯形状は、前記円D1の外側が変形される場合は、式(9)〜(12)で形成される座標を歯先形状とし、前記円D2の内側が変形される場合は、式(13)〜(16)で形成される座標を歯溝形状として形成されていることを特徴とするオイルポンプロータ。
    10=(RA+Ra1)×cosθ10
    −Ra1×cos〔{(RA+Ra1)/Ra1}×θ10〕 式(4)
    10=(RA+Ra1)×sinθ10
    −Ra1×sin〔{(RA+Ra1)/Ra1}×θ10〕 式(5)
    20=(RA−Ra2)×cosθ20
    +Ra2×cos〔{(Ra2−RA)/Ra2}×θ20〕 式(6)
    20=(RA−Ra2)×sinθ20
    +Ra2×sin〔{(Ra2−RA)/Ra2}×θ20〕 式(7)
    A=n×(Ra1+Ra2) 式(8)
    但し、
    インナーロータの中心を通る直線をX軸
    X軸と直交しインナーロータの中心を通る直線をY軸
    Aはサイクロイド曲線の基礎円半径
    a1はサイクロイド曲線の外転円半径
    a2はサイクロイド曲線の内転円半径
    θ10は外転円の中心とインナーロータの中心とを通る直線がX軸となす角度
    θ20は内転円の中心とインナーロータの中心とを通る直線がX軸となす角度
    (X10、Y10)は外転円により形成されるサイクロイド曲線の座標
    (X20、Y20)は内転円により形成されるサイクロイド曲線の座標
    である。
    11=(X10 2+Y10 21/2 式 (9)
    θ11=arccos(X10/R11) 式(10)
    11={(R11−RD1)×β10+RD1}×cosθ11 式(11)
    11={(R11−RD1)×β10+RD1}×sinθ11 式(12)
    但し、
    11はインナーロータの中心から座標(X10、Y10)までの距離
    θ11はインナーロータの中心と座標(X10、Y10)とを通る直線がX軸となす角度
    (X11、Y11)は変形後の歯先形状の座標
    β10は変形の為の修正係数
    である。
    21=(X20 2+Y20 21/2 式(13)
    θ21=arccos(X20/R21) 式(14)
    21={RD2−(RD2−R21)×β20}×cosθ21 式(15)
    21={RD2−(RD2−R21)×β20}×sinθ21 式(16)
    但し、
    21はインナーロータの中心から座標(X20、Y20)までの距離
    θ21はインナーロータの中心と座標(X20、Y20)とを通る直線がX軸となす角度
    (X21、Y21)は変形後の歯溝形状の座標
    β20は変形の為の修正係数
    である。
  4. 請求項1又は2において、
    前記数学曲線は、式(21)〜(26)によって決定されるトロコイド曲線上に中心を有する円弧E群の包絡線であって、前記インナーロータの外歯形状は、前記歯先円A1と前記歯溝円A2とに対し、前記円D1の外側が変形される場合は、式(27)〜(30)で形成される座標を歯先形状とし、前記円D2の内側が変形される場合は、式(31)〜(34)で形成される座標を歯溝形状として形成されていることを特徴とするオイルポンプロータ。
    100=(RH+RI)×cosθ100−eK×cosθ101 式(21)
    100=(RH+RI)×sinθ100−eK×sinθ101 式(22)
    θ101=(n+1)×θ100 式(23)
    H=n×RI 式(24)
    101=X100±RJ/{1+(dX100/dY10021/2 式(25)
    101=Y100±RJ/{1+(dY100/dX10021/2 式(26)
    但し、
    インナーロータの中心を通る直線をX軸
    X軸と直交しインナーロータの中心を通る直線をY軸
    (X100,Y100)はトロコイド曲線上の座標
    Hはトロコイド基礎円の半径
    Iはトロコイド創成転円の半径
    Kはトロコイド創成転円の中心とトロコイド曲線を創成する点との距離
    θ100はトロコイド創成転円の中心とインナーロータの中心とを通る直線がX軸となす角度
    θ101はトロコイド創成転円の中心とトロコイド曲線を創成する点とを通る直線がX軸となす角度
    (X101,Y101)は包絡線上の座標
    Jは包絡線を形成する円弧Eの半径
    である。
    11=(X101 2+Y101 21/2 式(27)
    θ102=arccos(X101/R11) 式(28)
    102={(R11−RD1)×β100+RD1}×cosθ102 式(29)
    102={(R11−RD1)×β100+RD1}×sinθ102 式(30)
    但し、
    11はインナーロータの中心から座標(X101、Y101)までの距離
    θ102はインナーロータの中心と座標(X101、Y101)とを通る直線がX軸となす角度
    (X102、Y102)は変形後の歯先形状の座標
    β100は変形の為の修正係数
    である。
    21=(X101 2+Y101 21/2 式(31)
    θ103=arccos(X101/R21) 式(32)
    103={RD2−(RD2−R21)×β101}×cosθ103 式(33)
    103={RD2−(RD2−R21)×β101}×sinθ103 式(34)
    但し、
    21はインナーロータの中心から座標(X101、Y101)までの距離
    θ103はインナーロータの中心と座標(X101、Y101)とを通る直線がX軸となす角度
    (X103、Y103)は変形後の歯溝形状の座標
    β101は変形の為の修正係数
    である。
  5. 請求項1又は2において、
    前記数学曲線は、歯先部と歯溝部とが互いに接する二つの円弧によって形成され、式(41)〜(46)で表される円弧曲線あって、前記インナーロータの外歯形状は、前記円D1の外側が変形される場合は、式(47)〜(50)で形成される座標を歯先形状とし、前記円D2の内側が変形される場合は、式(51)〜(54)で形成される座標を歯溝形状として形成されていることを特徴とするオイルポンプロータ。
    (X50−X602+(Y50−Y602=(r50+r602 式(41)
    60=(RA2+r60)cosθ60 式(42)
    60=(RA2+r60)sinθ60 式(43)
    50=RA1−r50 式(44)
    50=0 式(45)
    θ60=π/n 式(46)
    但し、
    インナーロータの中心を通る直線をX軸
    X軸と直交し、前記インナーロータの中心を通る直線をY軸
    (X50、Y50)は歯先部を形成する円弧の中心の座標
    (X60、Y60)は歯溝部を形成する円弧の中心の座標
    50は歯先部を形成する円弧の半径
    60は歯溝部を形成する円弧の半径
    θ60は歯先部を形成する円弧の中心とインナーロータの中心とを通る直線と、歯溝部を形成する円弧の中心とインナーロータの中心とを通る直線とがなす角度
    である。
    51=(X51 2+Y51 21/2 式(47)
    θ51=arccos(X51/R51) 式(48)
    52={(R51−RD1)×β50+RD1}×cosθ51 式(49)
    52={(R51−RD1)×β50+RD1}×sinθ51 式(50)
    但し、
    (X51、Y51)は歯先部を形成する円弧上の点の座標
    51インナーロータの中心から座標(X51、Y51)までの距離
    θ51はインナーロータの中心と座標(X51、Y51)とを通る直線がX軸となす角度
    (X52、Y52)は変形後の歯先形状の座標
    β50は変形の為の修正係数
    である。
    61=(X61 2+Y61 21/2 式(51)
    θ61=arccos(X61/R61) 式(52)
    62={RD2−(RD2−R61)×β60}×cosθ61 式(53)
    62={RD2−(RD2−R61)×β60}×sinθ61 式(54)
    但し、
    (X61、Y61)は歯溝部を形成する円弧上の点の座標
    61はインナーロータの中心から座標(X61、Y61)までの距離
    θ61はインナーロータの中心と座標(X61、Y61)とを通る直線がX軸となす角度
    (X62、Y62)は変形後の歯溝形状の座標
    β60は変形の為の修正係数
    である。
  6. 請求項1又は2において、前記インナーロータが噛み合う前記アウターロータは、
    前記インナーロータを、その中心から所定距離e離間した位置を中心とした前記所定距離と同一の半径eの円Dの円周上を角速度ωで公転させると共に、公転方向とは逆の回転方向に前記公転の角速度ωの1/n倍の角速度ω/nで自転させて形成される包絡線について、
    前記円Dの中心から公転開始時の前記インナーロータの中心を見た角度を公転角度0方向として、少なくとも、前記包絡線と前記公転角度0方向の軸との交差部分近傍を外径方向に変形すると共に、前記包絡線と前記インナーロータの公転角度π/(n+1)方向の軸との交差部分近傍を、前記公転角度0方向の軸との交差部分近傍における外径方向の変形よりも小さく、若しくは等しく外径方向に変形し、かつ、
    公転角度0以上π/(n+1)以下で定められる領域に含まれる部分を部分包絡線として抽出し、
    前記部分包絡線を前記円Dの中心を基点として公転方向に微小角度α回転すると共に、前記領域外に延出した箇所を切り取り、かつ、前記部分包絡線と前記公転角度0方向の軸との間に生じる隙間を接続して修正部分包絡線を形成し、
    前記修正部分包絡線を前記公転角度0方向の軸に対して線対称に複写して部分歯形を形成し、
    さらに、前記部分歯形を前記円Dの中心を基点として、角度2π/(n+1)ずつ回転複写して形成される歯形形状を有する。
  7. 請求項3において、
    前記インナーロータと噛み合う前記アウターロータの内歯形状は、式(61)〜(65)で表されるサイクロイド曲線で形成される歯形形状の、歯溝円B1の半径RB1と歯先円B2の半径RB2とに対し、
    B1>RD3>RB2
    を満足する半径RD3の円D3の外側が変形される場合は、式(66)〜(69)で形成される曲線を歯溝形状とし、
    B1>RD4>RB2D3≧RD4
    を満足する半径RD4の円D4の内側が変形される場合は、式(70)〜(73)で形成される曲線を歯先形状とするとともに、前記インナーロータと式(74)〜(76)の関係を満足することを特徴とするオイルポンプロータ。
    30=(RB+Rb1)cosθ30
    −Rb1×cos〔{(RB+Rb1)/Rb1}×θ30〕 式(61)
    30=(RB+Rb1)sinθ30
    −Rb1×sin〔{(RB+Rb1)/Rb1}×θ30〕 式(62)
    40=(RB−Rb2)cosθ40
    +Rb2×cos〔{(Rb2−RB)/Rb2}×θ40〕 式(63)
    40=(RB−Rb2)sinθ40
    +Rb2×sin〔{(Rb2−RB)/Rb2}×θ40〕 式(64)
    B=(n+1)×(Rb1+Rb2) 式(65)
    但し、
    アウターロータの中心を通る直線をX軸
    X軸と直交しアウターロータの中心を通る直線をY軸
    Bはサイクロイド曲線の基礎円半径
    b1はサイクロイド曲線の外転円半径
    b2はサイクロイド曲線の内転円半径
    θ30は外転円の中心とアウターロータの中心とを通る直線がX軸となす角度
    θ40は内転円の中心とアウターロータの中心とを通る直線がX軸となす角度
    (X30、Y30)は外転円によるサイクロイド曲線の座標
    (X40、Y40)は内転円によるサイクロイド曲線の座標
    である。
    31=(X30 2+Y30 21/2 式(66)
    θ31=arccos(X30/R31) 式(67)
    31={(R31−RD3)×β30+RD3}×cosθ31 式(68)
    31={(R31−RD3)×β30+RD3}×sinθ31 式(69)
    但し、
    31はアウターロータの中心から座標(X30、Y30)までの距離
    θ31はアウターロータの中心と座標(X30、Y30)とを通る直線がX軸となす角度
    (X31、Y31)は変形後の歯溝形状の座標
    β30は変形の為の修正係数
    である。
    41=(X40 2+Y40 21/2 式(70)
    θ41=arccos(X40/R41) 式(71)
    41={RD4−(RD4−R41)×β40}×cosθ41 式(72)
    41={RD4−(RD4−R41)×β40}×sinθ41 式(73)
    但し、
    41はアウターロータの中心から座標(X40、Y40)までの距離
    θ41はアウターロータの中心と座標(X40、Y40)とを通る直線がX軸となす角度
    (X41、Y41)は変形後の歯先形状の座標
    β40は変形の為の修正係数
    である。
    10=〔{(RA+2×Ra1)−RD1}×β10+RD1〕−〔RD2−{RD2
    −(RA−2×Ra2)}×β20〕/2+d10 式(74)
    B10’=3/2×〔{(RA+2×Ra1)−RD1}×β10+RD1〕−1/2
    ×〔RD2−{RD2−(RA−2×Ra2)}×β20〕+d20 式(75)
    B20’=[〔{(RA+2×Ra1)−RD1}×β10+RD1〕+〔RD2
    {RD2−(RA−2×Ra2)}×β20〕]/2+d30 式(76)
    但し、
    10はインナーロータの中心とアウターロータの中心との距離(偏心量)
    B10’は変形後のアウターロータの歯溝円半径
    B20’は変形後のアウターロータの歯先円半径
    10、d20、d30はアウターロータがクリアランスをもって回動するための補正値
    である。
  8. 請求項4において、
    前記インナーロータが噛み合う前記アウターロータは、式(81)〜(84)で表される円弧曲線で形成される歯形形状の、歯溝円B1の半径RB1と歯先円B2の半径RB2とに対し、
    B1>RD3>RB2
    を満たす円D3の外側が変形される場合は、式(85)で形成される曲線を歯溝形状とし、
    B1>RD4>RB2D3≧RD4
    を満足する半径RD4の円D4の内側が変形される場合は、式(86)〜(87)で形成される曲線を歯先形状とすることを特徴とするオイルポンプロータ。
    (X200−X2102+(Y200−Y2102=RJ 2 式(81)
    210 2+Y210 2=RL 2 式(82)
    220 2+Y220 2=RB1 2 式(83)
    B1=(3×RA1−RA2)/2+g10 式(84)
    但し、
    アウターロータの中心を通る直線をX軸
    X軸と直交し、アウターロータの中心を通る直線をY軸
    (X200、Y200)は歯先部を形成する円弧の座標
    (X210、Y210)はその円弧が歯先部を形成する円の中心の座標
    (X220、Y220)は歯溝部を形成する歯溝円B1の円弧の座標
    Lはアウターロータの中心とその円弧が歯先部を形成する円の中心との距離
    B1は歯溝部を形成する歯溝円B1の半径
    である。
    230 2+Y230 2=RB1'2 式(85)
    但し、
    (X230、Y230)は変形後の歯溝形状の座標
    B1'は変形後の歯溝部を形成する円弧の半径
    である。
    201=(1−β200)×RD4×cosθ200
    +X200×β200+g20 式(86)
    201=(1−β200)×RD4×sinθ200
    +Y200×β200+g30 式(87)
    但し、
    (X201、Y201)は変形後の歯先形状の座標
    θ200はアウターロータの中心と点(X200、Y200)とを通る直線がX軸となす角度
    β200は変形の為の修正係数
    10、g20、g30はアウターロータがクリアランスをもって回動するための補正値
    である。
  9. 請求項5において、
    前記インナーロータと噛み合う前記アウターロータの内歯形状は、式(101)〜(106)で表される円弧曲線で形成される歯形形状の、歯溝円B1の半径RB1と歯先円B2の半径RB2とに対し、
    B1>RD3>RB2
    を満足する半径RD3の円D3の外側が変形される場合は、式(107)〜(110)で形成される曲線を歯溝形状とし、
    B1>RD4>RB2D3≧RD4
    を満足する半径RD4の円D4の内側が変形される場合は、式(111)〜(114)で形成される曲線を歯先形状とするとともに、前記インナーロータと式(115)〜(117)の関係を満足することを特徴とするオイルポンプロータ。
    (X70−X802+(Y70−Y802=(r70+r802 式(101)
    80=(RB2+r80)cosθ80 式(102)
    80=(RB2+r80)sinθ80 式(103)
    70=RB1−r70 式(104)
    70=0 式(105)
    θ80=π/(n+1) 式(106)
    但し、
    アウターロータの中心を通る直線をX軸
    X軸と直交し、アウターロータの中心を通る直線をY軸
    (X70、Y70)は歯溝部を形成する円弧の中心の座標
    (X80、Y80)は歯先部を形成する円弧の中心の座標
    70は歯溝部を形成する円弧の半径
    80は歯先部を形成する円弧の半径
    θ80は歯先部を形成する円弧の中心とアウターロータの中心とを通る直線と、歯溝部を形成する円弧の中心とアウターロータの中心とを通る直線とがなす角度
    である。
    71=(X71 2+Y71 21/2 式(107)
    θ71=arccos(X71/R71) 式(108)
    72={(R71−RD3)×β70+RD3}×cosθ71 式(109)
    72={(R71−RD3)×β70+RD3}×sinθ71 式(110)
    但し、
    (X71、Y71)は歯溝部を形成する円弧上の点の座標
    71はアウターロータの中心から座標(X71、Y71)までの距離
    θ71はアウターロータの中心と座標(X71、Y71)とを通る直線がX軸となす角度
    (X72、Y72)は変形後の歯溝形状の座標
    β70は変形の為の修正係数
    である。
    81=(X81 2+Y81 21/2 式(111)
    θ81=arccos(X81/R81) 式(112)
    82={RD4−(RD4−R81)×β80}×cosθ81 式(113)
    82={RD4−(RD4−R81)×β80}×sinθ81 式(114)
    但し、
    (X81、Y81)は歯先部を形成する円弧上の点の座標
    81はアウターロータの中心から座標(X81、Y81)までの距離
    θ81はアウターロータの中心と座標(X81、Y81)とを通る直線がX軸となす角度
    (X82、Y82)は変形後の歯先形状の座標
    β80は変形の為の修正係数
    である。
    50=〔{(RA1−RD1)×β50+RD1
    −{RD2−(RD2−RA2)×β60}〕/2+d50 式(115)
    B1’=3/2〔{RA1−RD1}×β50+RD1
    −1/2×{RD2−(RD2−RA2)×β60}+d60 式(116)
    B2’=〔{(RA1−RD1)×β50+RD1
    +{RD2−(RD2−RA2)×β60}〕/2+d70 式(117)
    但し、
    50はインナーロータの中心とアウターロータの中心との距離(偏心量)
    B1’は変形後のアウターロータの歯溝円半径
    B2’は変形後のアウターロータの歯先円半径
    50、d60、d70はアウターロータがクリアランスをもって回動するための補正値
    である。
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