JP2007303408A - アクチュエータ - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関の始動性がよいアクチュエータを提供する。
【解決手段】制御軸12を外力と同じB方向に移動させるX方向に回転軸44が回転するとねじられて回転軸44を逆回転させるねじり応力を蓄積するねじりコイルばね91を備える。モータ部50への通電が停止すると、外力がねじ軸42を介して回転軸44を回転させるトルクとねじり応力が回転軸44を逆回転させるトルクとの釣り合いにより、制御軸12を吸気バルブのリフト量が最小リフト量より大きく且つ最大リフト量より小さい所定のリフト量になる軸方向位置に定位させるので、内燃機関の始動性がよい。
【選択図】図1
【解決手段】制御軸12を外力と同じB方向に移動させるX方向に回転軸44が回転するとねじられて回転軸44を逆回転させるねじり応力を蓄積するねじりコイルばね91を備える。モータ部50への通電が停止すると、外力がねじ軸42を介して回転軸44を回転させるトルクとねじり応力が回転軸44を逆回転させるトルクとの釣り合いにより、制御軸12を吸気バルブのリフト量が最小リフト量より大きく且つ最大リフト量より小さい所定のリフト量になる軸方向位置に定位させるので、内燃機関の始動性がよい。
【選択図】図1
Description
本発明は、特にバルブリフト制御装置の制御軸を直線駆動するアクチュエータに関する。
従来、例えば制御対象である吸気バルブまたは排気バルブのリフト量を制御軸の軸方向位置に応じて変化させるバルブリフト制御装置のアクチュエータとして、制御軸を直線駆動する各種のアクチュエータが用いられている(例えば特許文献1参照)。こうした制御軸には、吸気バルブあるいは排気バルブのバルブ反力により、アクチュエータとは反対側に向かうスラスト力を外力として常に受けているものがある。
ところで、制御軸を直線駆動するアクチュエータにおいては、効率のよい直動機構を採用することにより、直動運動の応答性を向上できる。しかしながら、効率のよい直動機構を採用すると、アクチュエータへの通電が停止したとき、上述した外力によってバルブのリフト量が最小リフト量または最大リフト量になる軸方向位置まで制御軸が移動してしまう。バルブのリフト量が最小リフト量または最大リフト量になる軸方向位置まで制御軸が移動してしまうと、始動の際にバルブが始動に必要なリフト量までリフトするのを待たなければならず、始動に時間がかかる。その上、始動時には他の補記類にも電力供給する必要があるので、他の補機類に電力を奪われてアクチュエータに十分な電力を供給できず、始動に更に時間がかかる。このため、内燃機関の始動性が悪化するという問題がある。
特開2004−150332号公報
本発明は、上述の問題を解決するために創作されたものであって、内燃機関の始動性がよいアクチュエータを提供することを目的とする。
請求項1から4に記載の発明によると、モータ部への通電が停止すると制御軸は吸気バルブ又は排気バルブのリフト量が最小リフト量より大きく且つ最大リフト量より小さい所定のリフト量になる軸方向位置に定位するので、始動時に吸気バルブ又は排気バルブをリフトさせる必要がないかまたはリフトさせる量を少なくできる。これにより、始動の際に吸気バルブ又は排気バルブが始動に必要なリフト量までリフトするのを待つ時間が不要になるかまたはその時間を短縮できる。更に、始動に必要な電力が少なくて済むので始動に必要な電力が供給されるのを待つ時間についても短縮できる。よって、内燃機関の始動性がよい。
請求項2に記載の発明によると、始動時に吸気バルブ又は排気バルブをリフトさせる必要がないので、内燃機関の始動性がよい。
請求項3に記載の発明によると、所定のリフト量になる軸方向位置に制御軸を定位させる場合についてはモータ部への通電は不要なので、最も頻繁に用いられるリフト量を所定のリフト量として設定すると、内燃機関の運転中にアクチュエータに通電する機会を減少でき、消費電力を低減できる。
請求項3に記載の発明によると、所定のリフト量になる軸方向位置に制御軸を定位させる場合についてはモータ部への通電は不要なので、最も頻繁に用いられるリフト量を所定のリフト量として設定すると、内燃機関の運転中にアクチュエータに通電する機会を減少でき、消費電力を低減できる。
請求項4に記載の発明によると、回転軸に軸受を固定するナットのねじ締め方向は前記逆回転と同じ方向なので、ナットにはねじり応力によってねじ締め方向の力が作用する。よって、軸受を固定するナットの緩みを防止できる。
以下、本発明の複数の実施形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図2(A)および図2(B)は、本発明の第1実施形態によるバルブリフト制御装置10の斜視図である。車両に搭載されるバルブリフト制御装置10は、内燃機関の吸気バルブ2のリフト量を制御する。なお、バルブリフト制御装置10は排気バルブのリフト量を制御するものであってもよい。バルブリフト制御装置10は、制御軸12と、変化機構20と、アクチュエータ30とから構成されている。
(第1実施形態)
図2(A)および図2(B)は、本発明の第1実施形態によるバルブリフト制御装置10の斜視図である。車両に搭載されるバルブリフト制御装置10は、内燃機関の吸気バルブ2のリフト量を制御する。なお、バルブリフト制御装置10は排気バルブのリフト量を制御するものであってもよい。バルブリフト制御装置10は、制御軸12と、変化機構20と、アクチュエータ30とから構成されている。
制御軸12は、アクチュエータ30の駆動ねじ軸42と連結されており、駆動ねじ軸42により直線方向に往復駆動される。
変化機構20は、制御軸12の軸方向に制御軸12とともに直線運動するスライダギア22、24を、ローラ27を有する入力部26および揺動カム28にヘリカルスプライン結合させて構成されている。このヘリカルスプライン結合により、制御軸12の軸方向位置に応じて入力部26と揺動カム28との相対位相差が変化する。入力部26のローラ27はカム軸6の吸気カム7に接触し、また揺動カム28は吸気バルブ2のロッカーアーム4に接触可能に設けられている。揺動カム28は、ロッカーアーム4を介し、コイルばね3の荷重に抗して吸気バルブ2を開閉駆動する。そして、入力部26と揺動カム28との相対位相差に応じてロッカーアーム4の揺動角度が変化する。したがって、変化機構20では、制御軸12の軸方向位置が変化するのに応じて吸気バルブ2のリフト量(以下、単にバルブリフト量という)が変化し、それによって吸気バルブ2の作用角や最大バルブリフト量等といったバルブ特性が制御される。コイルばね3の付勢力は、吸気バルブ2から制御軸12へバルブ反力として伝達される。このバルブ反力はアクチュエータ30とは反対側の矢印B方向へ向かう外力として制御軸12に常に作用する。B方向は吸気バルブ2のリフト量が小さくなる方向である。
変化機構20は、制御軸12の軸方向に制御軸12とともに直線運動するスライダギア22、24を、ローラ27を有する入力部26および揺動カム28にヘリカルスプライン結合させて構成されている。このヘリカルスプライン結合により、制御軸12の軸方向位置に応じて入力部26と揺動カム28との相対位相差が変化する。入力部26のローラ27はカム軸6の吸気カム7に接触し、また揺動カム28は吸気バルブ2のロッカーアーム4に接触可能に設けられている。揺動カム28は、ロッカーアーム4を介し、コイルばね3の荷重に抗して吸気バルブ2を開閉駆動する。そして、入力部26と揺動カム28との相対位相差に応じてロッカーアーム4の揺動角度が変化する。したがって、変化機構20では、制御軸12の軸方向位置が変化するのに応じて吸気バルブ2のリフト量(以下、単にバルブリフト量という)が変化し、それによって吸気バルブ2の作用角や最大バルブリフト量等といったバルブ特性が制御される。コイルばね3の付勢力は、吸気バルブ2から制御軸12へバルブ反力として伝達される。このバルブ反力はアクチュエータ30とは反対側の矢印B方向へ向かう外力として制御軸12に常に作用する。B方向は吸気バルブ2のリフト量が小さくなる方向である。
図1は、アクチュエータ30の断面図である。アクチュエータ30は、ハウジング本体32およびカバー36を有するハウジング内に、送りねじ機構40、モータ部としてのモータ50等を収容している。ハウジング本体32とカバー36とはボルト38で結合されている。アクチュエータ30は、送りねじ機構40によりモータ50の回転トルクを駆動ねじ軸42の矢印A、B方向への直線運動に変換し、駆動ねじ軸42と連結している制御軸12を直線駆動する。アクチュエータ30は、図1の矢印A、B方向が略水平方向となるようにして車両に搭載されている。
ハウジング本体32は有底筒状に形成され、底部34がエンジンヘッド等に嵌合した状態で内燃機関にボルト固定されている。ハウジング本体32内には、底部34を貫通するオイル供給路200を通じて内燃機関のオイルポンプから潤滑油が供給される。
送りねじ機構40は、ねじ軸としての駆動ねじ軸42、回転軸としての円筒状のナット44、複数のボール87、およびボール87を無限循環させる図示しない循環機構を組み合わせてなるボールねじである。駆動ねじ軸42は、ハウジング本体32の底部34に形成された貫通孔35を通してナット44内に挿入されている。駆動ねじ軸42の外周とナット44の内周とには螺旋状の溝が形成されており、この溝をボールが転動する。このようなボールねじにより、ナット44が回転することによって駆動ねじ軸42は軸方向に移動する。すなわち、送りねじ機構40は、ナット44の回転運動を駆動ねじ軸42の直線運動に変換する機構である。駆動ねじ軸42と制御軸12とは継ぎ手14により連結されている。このように駆動ねじ軸42と制御軸12とが連結されているので、駆動ねじ軸42は制御軸12とともに直線運動する。なお、送りねじ機構40はボールねじ以外であってもよく、例えば台形ネジや遊星ねじでもよい。
送りねじ機構40は、ねじ軸としての駆動ねじ軸42、回転軸としての円筒状のナット44、複数のボール87、およびボール87を無限循環させる図示しない循環機構を組み合わせてなるボールねじである。駆動ねじ軸42は、ハウジング本体32の底部34に形成された貫通孔35を通してナット44内に挿入されている。駆動ねじ軸42の外周とナット44の内周とには螺旋状の溝が形成されており、この溝をボールが転動する。このようなボールねじにより、ナット44が回転することによって駆動ねじ軸42は軸方向に移動する。すなわち、送りねじ機構40は、ナット44の回転運動を駆動ねじ軸42の直線運動に変換する機構である。駆動ねじ軸42と制御軸12とは継ぎ手14により連結されている。このように駆動ねじ軸42と制御軸12とが連結されているので、駆動ねじ軸42は制御軸12とともに直線運動する。なお、送りねじ機構40はボールねじ以外であってもよく、例えば台形ネジや遊星ねじでもよい。
カップ状のナット46は、ナット44の軸方向端部にねじ結合しており、ロータコア52を、ナット44の外周壁から環状に張り出す段部の段差部44aに押し付けている。
モータ50は、ロータコア52、永久磁石54、ステータコア60、ボビン62、コイル64等から構成されている。ロータコア52は円筒状に形成され、ナット46がナット44とねじ結合する軸力により、ナット44に押し付けられている。ロータコア52は、ナット44に向けて押し付けられるナット46の軸力により、ナット44に対する回転方向のずれを防止されている。永久磁石54はロータコア52の外周に周方向に交互に異なる磁極を形成するように複数設置されている。ロータコア52および永久磁石54は、ナット44とともに正逆方向に回転する。
モータ50は、ロータコア52、永久磁石54、ステータコア60、ボビン62、コイル64等から構成されている。ロータコア52は円筒状に形成され、ナット46がナット44とねじ結合する軸力により、ナット44に押し付けられている。ロータコア52は、ナット44に向けて押し付けられるナット46の軸力により、ナット44に対する回転方向のずれを防止されている。永久磁石54はロータコア52の外周に周方向に交互に異なる磁極を形成するように複数設置されている。ロータコア52および永久磁石54は、ナット44とともに正逆方向に回転する。
ステータコア60は、駆動ねじ軸42の軸方向に積層された磁性鋼板により構成されており、ボルト66によりハウジング本体32に固定されている。ステータコア60は、永久磁石54の外周を囲むように環状に形成されており、内側の永久磁石54に向けて突出するティース61を周方向に複数設けている。ボビン62は各ティース61の外周に嵌合しており、ボビン62にコイル64が巻回されている。
永久磁石72は、環状に形成されており、ナット44の制御軸12と反対側の端部に支持部材70により取り付けられている。したがって、永久磁石72はナット44とともに回転する。永久磁石72は、環状溝を挟んで内周側および外周側にそれぞれ環状部73を有している。各環状部73は、回転方向に交互に異なる磁極を形成するように着磁されている。環状部73同士の磁極数は異なっている。環状部73の一方はナット44の回転位置を検出するために使用され、環状部73の他方は、ナット44の回転量をカウントするために使用される。ホール素子74は永久磁石72の内周側および外周側の環状部73とそれぞれ向き合うようにカバー36側に設置されている。ホール素子74は、ナット44とともに永久磁石72が回転することによる磁束密度の変化を検出する。
ナット44に働くラジアル力を支持する軸受80は、ナット44と同軸に設置されており、正逆方向に回転自在にナット44を支持している。環状の支持部材82は、ボルト84がハウジング本体32にねじ結合することにより、ハウジング本体32に向けて軸受80を係止している。また、ナット44の外周には軸受80を固定するためのナット85がねじ結合されており、皿ばね86は環状部材82に向けて軸受80に荷重を加えている。
ねじりコイルばね91はコイル状のばねであって、内側をナット44が軸方向に貫通するように設置されている。ねじりコイルばね91の一端はロータコア52に固定されている。支持部材82にはL字部材83が固定されており、ねじりコイルばね91の他端はL字部材83に固定されている。ねじりコイルばね91はナット44がX方向に回転するとねじられてねじり応力を蓄積し、ナット44がY方向に逆回転するとねじれが解消されてねじり応力が小さくなる。ねじりコイルばね91は予めX方向にねじられた状態で組み付けられており、ナット44は制御軸12が軸方向のいずれの位置にあっても常にねじりコイルばね91からY方向のトルクを受けている。
電子制御装置(以下、ECUという)130は、ホール素子74の検出信号から、ナット44の回転位置と、ナット44の回転量を算出する。そして、各種センサの検出信号から内燃機関の運転状態を判定し、内燃機関の運転状態に最適な吸気バルブ2のリフト量を算出する。そして、算出したリフト量になるようにコイル64への通電を制御し、駆動ねじ軸42の直線移動量、すなわちナット44の正逆方向への回転量を制御する。
次に、外力がナット44を回転させるトルクと吸気バルブ2のリフト量との関係、およびねじりコイルばね91のねじり応力がナット44を逆回転させるトルクと吸気バルブ2のリフト量との関係について説明する。
図1においてB方向に作用する外力は、ナット44にX方向の回転トルクとして作用する。モータ50への通電が停止したとき、仮に何の対策も講じていないとすると、外力から受けるトルクによってナット44がX方向に回転し、制御軸12がB方向に移動する。前述したようにB方向は吸気バルブ2のリフト量が小さくなる方向である。従って、制御軸12は吸気バルブ2のリフト量が最小リフト量になる軸方向位置まで移動してしまうことになる。そこで、本実施形態ではねじりコイルばね91のねじり応力によってナット44にY方向のトルクを作用させることにより、モータ50への通電が停止したときに吸気バルブ2のリフト量が最小リフト量になる軸方向位置まで制御軸12が移動してしまうことを防止する。
図1においてB方向に作用する外力は、ナット44にX方向の回転トルクとして作用する。モータ50への通電が停止したとき、仮に何の対策も講じていないとすると、外力から受けるトルクによってナット44がX方向に回転し、制御軸12がB方向に移動する。前述したようにB方向は吸気バルブ2のリフト量が小さくなる方向である。従って、制御軸12は吸気バルブ2のリフト量が最小リフト量になる軸方向位置まで移動してしまうことになる。そこで、本実施形態ではねじりコイルばね91のねじり応力によってナット44にY方向のトルクを作用させることにより、モータ50への通電が停止したときに吸気バルブ2のリフト量が最小リフト量になる軸方向位置まで制御軸12が移動してしまうことを防止する。
図3は、上述した各トルクと吸気バルブ2のリフト量との関係を示すグラフである。外力は制御軸12を介してナット44をX方向に回転させるトルクF1として作用する。図示するようにトルクF1は吸気バルブ2のリフト量が大きくなるにつれて大きくなる。一方、ねじりコイルばね91のねじり応力はナット44をY方向に回転させるトルクF2として作用する。図示するようにトルクF2は吸気バルブ2のリフト量が大きくなるにつれて小さくなる。
ねじりコイルばね91は、図示するように吸気バルブ2のリフト量が最小リフト量にあるときはF1<F2が満たされ、吸気バルブ2のリフト量が最大リフト量にあるときはF1>F2が満たされるように設計されている。
吸気バルブ2のリフト量が最小リフト量にあるときはトルクF1がトルクF2を下回るので、この状態でモータ50への通電が停止するとナット44はY方向に回転する。ナット44がY方向に回転すると吸気バルブ2のリフト量が増大し、それにともなってF1が増大するとともに、F2が減少する。吸気バルブ2のリフト量が「所定のリフト量」に達するとF1=F2となってナット44の回転が停止し、制御軸12はその軸方向位置で定位する。
吸気バルブ2のリフト量が最小リフト量にあるときはトルクF1がトルクF2を下回るので、この状態でモータ50への通電が停止するとナット44はY方向に回転する。ナット44がY方向に回転すると吸気バルブ2のリフト量が増大し、それにともなってF1が増大するとともに、F2が減少する。吸気バルブ2のリフト量が「所定のリフト量」に達するとF1=F2となってナット44の回転が停止し、制御軸12はその軸方向位置で定位する。
吸気バルブ2のリフト量が最大リフト量にあるときはトルクF1がトルクF2を上回るので、この状態でモータ50への通電が停止するとナット44はX方向に回転する。ナット44がX方向に回転すると吸気バルブ2のリフト量が減少し、それにともなってF1が減少するとともに、F2が増大する。吸気バルブ2のリフト量が「所定のリフト量」に達するとF1=F2となってナット44の回転が停止し、制御軸12はその軸方向位置で定位する。
上述した「所定のリフト量」は、ねじりコイルばね91によって適宜調整可能である。第1実施形態では内燃機関の始動に必要なリフト量を「所定のリフト量」として設定している。内燃機関の始動に必要なリフト量を「所定のリフト量」として設定すると、始動の際に吸気バルブ2は既に始動に必要なリフト量までリフトしている。このため、始動の際に吸気バルブ2が始動に必要なリフト量までリフトするのを待つ必要がなく、始動時間を短縮できる。また、始動の際に吸気バルブ2を始動に必要なリフト量までリフトさせるためにアクチュエータ30に電力を供給する必要がなく、電力を車両の他の補機類に奪われても内燃機関を始動できるので、始動時間を短縮できる。
以上説明した第1実施形態によると、モータ50への通電が停止すると、外力が駆動ねじ軸42を介してナット44を回転させるトルクとねじり応力がナット44を逆回転させるトルクとの釣り合いにより、制御軸12は吸気バルブ2のリフト量が始動に必要なリフト量になる軸方向位置に定位する。これにより、始動時に吸気バルブ2をリフトさせる必要がない。このため、始動の際に吸気バルブ2が始動に必要なリフト量までリフトするのを待つ時間が不要になる上、始動に必要な電力が供給されるのを待つ時間についても不要になる。よって、内燃機関の始動性がよい。
(第2実施形態)
図4は第2実施形態によるアクチュエータ104の断面図である。ねじりコイルばね100は、内側をナット44が軸方向に貫通するようにナット44と同軸に設置されている。ナット44の外周には軸受80を固定するためのナット101がねじ結合されており、ねじりコイルばね100の一端はのナット101に固定されている。ハウジング32には固定部としてのL字部材102が固定されており、ねじりコイルばね100の他端はL字部材102に固定されている。L字部材102はナット44が回転しても回転しない。
図4は第2実施形態によるアクチュエータ104の断面図である。ねじりコイルばね100は、内側をナット44が軸方向に貫通するようにナット44と同軸に設置されている。ナット44の外周には軸受80を固定するためのナット101がねじ結合されており、ねじりコイルばね100の一端はのナット101に固定されている。ハウジング32には固定部としてのL字部材102が固定されており、ねじりコイルばね100の他端はL字部材102に固定されている。L字部材102はナット44が回転しても回転しない。
ナット44には信頼性向上の目的で熱処理が施されている。熱処理を施すと表面硬度が高くなるので、ナット101をナット44に大きいトルクでねじ結合すると遅れ破壊を引き起こす可能性がある。このため、ナット101を大きなトルクで締結できない。この場合、ナット101の緩みが問題となる。このため、ナット101のねじ締め方向は、ナット44がねじりコイルばね100のねじり応力によって回転する方向(Y方向)と同じ方向になるように設計されている。ナット101のねじ締め方向をY方向にすると、ねじり応力によってナット101にねじ締め方向の力が作用するので、ナット101の緩みを防止できる。
(他の実施形態)
なお、上述した「所定のリフト量」は、最も頻繁に利用されるリフト量であってもよい。「所定のリフト量」はコイル64に通電しなくても吸気バルブ2をそのリフト量のままで定位させておくことのできる量なので、最も頻繁に利用されるリフト量を「所定のリフト量」として設定すれば、他のリフト量を「所定のリフト量」として設定する場合に比べて電力供給の機会が減少し、消費電力を小さくできる。
なお、上述した「所定のリフト量」は、最も頻繁に利用されるリフト量であってもよい。「所定のリフト量」はコイル64に通電しなくても吸気バルブ2をそのリフト量のままで定位させておくことのできる量なので、最も頻繁に利用されるリフト量を「所定のリフト量」として設定すれば、他のリフト量を「所定のリフト量」として設定する場合に比べて電力供給の機会が減少し、消費電力を小さくできる。
なお、上述した実施例では外力が図2に示すB方向に作用する場合を例に説明したが、外力はA方向に作用してもよい。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲
で種々の実施形態に適用可能である。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲
で種々の実施形態に適用可能である。
2 吸気バルブ、10 バルブリフト制御装置、12 制御軸、20 変化機構、30 アクチュエータ、40 送りねじ機構、42 駆動ねじ軸(ねじ軸)、44 ナット(回転軸)、50 モータ(モータ部)、80 軸受、91 ねじりコイルばね、100 ねじりコイルばね、101 ナット、102 L字部材(固定部材)、104 アクチュエータ
Claims (4)
- 内燃機関の吸気バルブ又は排気バルブのリフト量を軸方向位置に応じて変化させる制御軸であって常に軸方向の外力を受けている制御軸を直線駆動するアクチュエータであって、
前記制御軸と共に軸方向に直線運動するねじ軸、並びに前記ねじ軸と同軸に配置されて回転運動する回転軸を有し、前記回転軸の回転運動を前記ねじ軸の直線運動に変換する送りねじ機構と、
通電により前記回転軸を回転駆動するモータ部と、
前記制御軸を前記外力と同じ方向に移動させる方向に前記回転軸が回転するとねじられて前記回転軸を逆回転させるねじり応力を蓄積し、前記モータ部への通電が停止すると、前記外力が前記ねじ軸を介して前記回転軸を回転させるトルクと前記ねじり応力が前記回転軸を逆回転させるトルクとの釣り合いにより、前記制御軸を前記吸気バルブ又は前記排気バルブのリフト量が最小リフト量より大きく且つ最大リフト量より小さい所定のリフト量になる軸方向位置に定位させるねじりコイルばねと、
を備えることを特徴とするアクチュエータ。 - 前記所定のリフト量は、内燃機関の始動に必要なリフト量であることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
- 前記所定のリフト量は、最も頻繁に用いられるリフト量であることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
- 前記回転軸に嵌合され前記回転軸に働くラジアル力を支持する軸受と、
前記回転軸にねじ結合され前記回転軸に前記軸受を固定するナットと、
を更に備え、前記ねじりコイルばねは前記回転軸と同軸に配置され、一端を前記ナットに固定され、他端を前記回転軸が回転しても回転しない所定の固定部に固定され、前記ナットのねじ締め方向は前記逆回転と同じ方向であることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のアクチュエータ。
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Cited By (2)
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DE102009044919A1 (de) | 2008-09-25 | 2010-04-08 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha, Toyota-shi | Gesenkformhalteverfahren, Gesenkformhalteaufbau, Gesenkformrolle, Gesenkformmaschine und Gesenkformhaltewerkstück |
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2006
- 2006-05-12 JP JP2006133742A patent/JP2007303408A/ja active Pending
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