JP2007303361A - 内燃機関の排気浄化システム - Google Patents

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Takayuki Demura
隆行 出村
Iku Otsuka
郁 大塚
Yasuhiro Oi
康広 大井
Yoshito Aihara
義人 相原
Junya Nishimura
淳也 西村
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Abstract

【課題】本発明は、内燃機関の排気通路に2つの三元触媒を直列に配置した内燃機関の排気浄化システムにおいて、既存のハードウェアを利用しつつ下流側に配置された三元触媒の浄化能力を好適に活用可能にすることを課題とする。
を課題とする。
【解決手段】本発明は、内燃機関の排気通路に配置された第1三元触媒と、第1三元触媒より下流に配置された第2三元触媒と、第2三元触媒より上流の排気通路へ2次エアを供給する2次エア供給装置とを備えた内燃機関の排気浄化システムにおいて、第2三元触媒が吸蔵可能な酸素量の最大値を取得し、前記最大値と同量の酸素を含む2次エアを所定期間毎に第2三元触媒へ供給させるようにした。
【選択図】図3

Description

本発明は、酸素吸蔵能(OSC)を具備する触媒を備えた内燃機関の排気浄化技術に関する。
近年、内燃機関の排気通路に2つの三元触媒を直列に配置した排気浄化装置が知られている。この種の排気浄化装置では、三元触媒の酸素吸蔵能を活用して浄化能力を向上させることが望まれている。
これに対し、上流側の三元触媒に流入する排気の空燃比を検出するセンサと、上流側の三元触媒から流出する排気の酸素濃度を検出する第1酸素濃度センサとに加え、下流側の三元触媒から流出する排気の酸素濃度を検出する第2酸素濃度センサを設け、第2酸素濃度センサの測定値から下流側の三元触媒の酸素吸蔵量を推定するとともに下流側の三元触媒の酸素吸蔵量が最大吸蔵量の二分の一程度となるように2次エアを供給する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2004−92472号公報 特開2003−232246号公報 特開平5−195854号公報 特開2000−110552号公報 特開平6−346725号公報 特開2002−364432号公報 特開2001−303939号公報 特開2004−60562号公報
ところで、上記した従来の技術では上流側三元触媒の上下流に加え、下流側三元触媒の下流にも酸素濃度センサを配置しなければならず、部品点数の増加による車載性の低下や製造コストの上昇などを招くという問題がある。
また、上記した従来の技術では下流側三元触媒の酸素吸蔵量が最大吸蔵量の二分の一となるように2次エアを供給しているが、下流側三元触媒へ過剰にリッチな排気が流入した場合などに酸素吸蔵量が不足して硫化水素等を発生する可能性もある。
本発明は、上記したような種々の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、内燃機関の排気通路に2つの三元触媒を直列に配置した内燃機関の排気浄化システムにおいて、既存のハードウェアを利用しつつ下流側に配置された三元触媒の浄化能力を好適に活用可能な技術の提供にある。
本発明は、上記した課題を解決するために、以下のような手段を採用した。すなわち、本発明は、内燃機関の排気通路に2つの三元触媒が直列に配置された内燃機関の排気浄化システムにおいて、所定の条件が成立した時に、下流側の三元触媒が吸蔵可能な酸素量の最大値と同量の酸素を該三元触媒へ強制的に供給するようにした。
詳細には、本発明にかかる内燃機関の排気浄化システムは、内燃機関の排気通路に配置された第1三元触媒と、第1三元触媒より下流に配置された第2三元触媒と、第2三元触
媒より上流の排気通路へ酸素を供給する供給手段と、第2三元触媒が吸蔵可能な酸素量の最大値を取得する取得手段と、所定条件が成立した時に前記最大値と同量の酸素を第2三元触媒へ供給させるべく供給手段を制御する制御手段と、を備えるようにした。
かかる内燃機関の排気浄化システムにおいて、第1三元触媒及び第2三元触媒は酸素吸蔵能を有している。取得手段は、第2三元触媒が吸蔵可能な酸素量の最大値(すなわち、第2三元触媒の酸素吸蔵容量)を取得する。
制御手段は、所定条件が成立する度に、酸素吸蔵容量と同量の酸素を第2三元触媒へ強制的に供給させるべく供給手段を制御する。
第2三元触媒の酸素吸蔵容量と同量の酸素が第2三元触媒へ供給されると、その時点で第2三元触媒に吸蔵されている酸素量が不確定であっても、第2三元触媒の酸素吸蔵量が最大値まで増加する。
第2三元触媒の酸素吸蔵量が最大値まで増加すると、該第2三元触媒へ流入する排気の空燃比がリッチとなった場合に、酸素吸蔵量が不足し難くなるため、硫化水素等の発生を抑制することが可能となる。
更に、供給手段が前記酸素吸蔵容量と同量の酸素を第2三元触媒へ供給することにより、第2三元触媒の酸素吸蔵能が活性するため、第2三元触媒の浄化能の低下を抑制することも可能となる。
従って、本発明によれば、第2三元触媒の酸素吸蔵量が正確に検出することができない場合であっても第2三元触媒の酸素吸蔵能を有効に活用することが可能となる。その結果、既存のハードウェアを利用しつつ第2三元触媒の浄化能力を好適に活用することが可能になる。
尚、第2三元触媒の酸素吸蔵容量は、第2三元触媒に担持された助触媒としての金属酸化物に含まれる金属(例えば、セリア(CeO2)中のセリウム(Ce))の総量と相関
するため、取得手段は、上記した金属の総量から酸素吸蔵容量を求めるようにしてもよい。また、上記した金属の酸素吸蔵能は熱や被毒の影響を受けて劣化するため、取得手段は、上記した金属の劣化度合いを考慮して酸素吸蔵容量を求めるようにしてもよい。
本発明において、制御手段は、供給手段が最後に第2三元触媒へ酸素を供給した時点から所定期間が経過したことを条件に前記所定条件が成立したとみなすようにしてもよい。
この場合、第2三元触媒の酸素吸蔵量が定期的に最大値まで増加させられることになる。その結果、第2三元触媒の酸素吸蔵量の不足による硫化水素等の発生を抑制し易くなるとともに、第2三元触媒の酸素吸蔵能が定期的に活性させられるようになる。
本発明において、制御手段は、第2三元触媒の床温が該第2三元触媒から硫黄成分が脱離し得る温度に達していることを条件に、前記所定条件が成立しているとみなすようにしてもよい。
この場合、第2三元触媒から硫黄成分が脱離する可能性のある場合に限り、供給手段が酸素吸蔵容量と同量の酸素を第2三元触媒へ供給することになる。その結果、硫化水素の発生を抑制しつつ供給手段による酸素供給頻度を低下させることができる。
本発明において、制御手段は、第2三元触媒に付着している硫黄成分量を推定し、推定
された硫黄成分量が一定量以上であること条件に、前記所定条件が成立しているとみなすようにしてもよい。
この場合、第2三元触媒に付着している硫黄成分量が一定量以上の場合に限り、供給手段が酸素吸蔵容量と同量の酸素を第2三元触媒へ供給することになる。言い換えれば、第2三元触媒から多量の硫黄成分が脱離する可能性がある場合に限り、供給手段が酸素吸蔵容量と同量の酸素を第2三元触媒へ供給することになる。その結果、硫化水素の発生を抑制しつつ供給手段による酸素供給頻度を低下させることができる。
尚、第2三元触媒に付着している硫黄成分量を推定する方法としては、第1三元触媒から脱離する硫黄成分量を積算する方法を例示することができる。
その際、第1三元触媒から脱離する硫黄成分量は、第1三元触媒の床温、第1三元触媒に付着している硫黄成分量、第1三元触媒内の空燃比、第1三元触媒内の空燃比が理論空燃比或いはリーンからリッチへ変化した時点からの経過時間などから求めることができる。また、第1三元触媒に付着している硫黄成分量は、内燃機関の燃料噴射量と単位量当たりの燃料に含まれる硫黄成分量とから特定することができる。
本発明において、制御手段は、第2三元触媒の酸素吸蔵量を推定し、推定された酸素吸蔵量が一定量を下回ったことを条件に、前記所定条件が成立しているとみなすようにしてもよい。
この場合、第2三元触媒の酸素吸蔵量の推定値が一定量を下回った場合に限り、供給手段から第2三元触媒へ酸素吸蔵容量と同量の酸素が供給されることになる。その結果、硫化水素の発生を抑制しつつ供給手段による酸素供給頻度を低下させることができる。
尚、第2三元触媒の酸素吸蔵量を推定する方法としては、第1三元触媒より下流且つ第2三元触媒より上流の排気通路を流れる排気の酸素濃度を検出する検出手段を設け、該検出手段が検出した酸素濃度に基づいて第2三元触媒の酸素吸蔵量を推定する方法を例示することができる。
このような方法によれば、第2三元触媒より下流に酸素センサや空燃比センサを設けなくとも、第2三元触媒の大凡の酸素吸蔵量を推定することが可能となる。
本発明において、制御手段は、供給手段が酸素吸蔵容量と同量の酸素を第2三元触媒へ供給した後の一定時間は、第2三元触媒へ流入する排気の空燃比をリッチにするようにしてもよい。
供給手段から第2三元触媒へ酸素吸蔵容量と同量の酸素が供給された直後は、第2三元触媒内がリーン雰囲気になる。特に、本発明のように第2三元触媒の酸素吸蔵量が正確に把握されていない状態で第2三元触媒へ酸素吸蔵容量と同量の酸素が供給されると、第2三元触媒が吸蔵しきれない酸素により第2三元触媒内がリーン雰囲気となり易い。このため、供給手段から第2三元触媒へ酸素が供給された直後は、第2三元触媒が排気中の窒素酸化物(NOx)を十分に還元することができない可能性もある。
これに対し、供給手段が酸素吸蔵容量と同量の酸素を第2三元触媒へ供給した後の一定時間において、第2三元触媒へ流入する排気の空燃比がリッチにされると、第2三元触媒内が速やかに理論空燃比へ復帰するようになる。
その結果、供給手段から第2三元触媒に対する酸素の供給に起因した窒素酸化物(NO
x)の浄化不良が抑制されるようになる。
尚、前記した所定期間は、第2三元触媒の酸素吸蔵容量、供給手段から第2三元触媒に対する酸素供給が終了した時点からの積算吸入空気量、或いは供給手段から第2三元触媒に対する酸素供給が終了した時点からの積算燃料噴射量等をパラメータとして定められるようにしてもよい。
本発明によれば、2つの三元触媒が直列に配置された内燃機関の排気浄化システムにおいて、既存のハードウェアを利用しつつ下流側に配置された三元触媒の浄化能力を好適に活用することが可能となる。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。
<実施例1>
先ず、本発明の第1の実施例について図1〜図3に基づいて説明する。図1は、本発明を適用する内燃機関の概略構成を示す図である。
図1に示す内燃機関1は火花点火式の内燃機関(ガソリンエンジン)である。この内燃機関1には、気筒2内へ空気を供給するための吸気通路3が接続されている。吸気通路3にはエアフローメータ4や燃料噴射弁5が取り付けられている。
内燃機関1には、気筒2内で燃焼されたガス(既燃ガス)を排気するための排気通路6が接続されている。排気通路6には第1触媒7が配置されている。第1触媒7より下流の排気通路6には、第2触媒8が配置されている。
第1触媒7と第2触媒8は、所定の活性温度環境下で、酸素の吸放出反応を伴って排気中の炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、及び窒素酸化物(NOx)を浄化する三元触媒である。以下では、第1触媒7を第1三元触媒7と称し、第2触媒8を第2三元触媒8と称する。
第1三元触媒7より上流の排気通路6には、空燃比センサ(A/Fセンサ)9が配置されている。第1三元触媒7より下流且つ第2三元触媒8より上流の排気通路6には、酸素センサ(O2センサ)10が配置されている。空燃比センサ9は、排気の空燃比に応じた
出力を発生するセンサである。酸素センサ10は、本発明にかかる検出手段の一実施態様であり、排気がリッチであるかリーンであるかに応じて出力を急変させるセンサである。
第2三元触媒8より下流の排気通路6には、排気温度センサ11が配置されている。排気温度センサ11は、第2三元触媒8から流出する排気の温度に応じた出力を発生するセンサである。
また、第1三元触媒7より下流且つ第2三元触媒8より上流の排気通路6には、該排気通路6内へ2次エアを供給する2次エア供給装置12が設けられている。2次エア供給装置12は、本発明にかかる供給手段の一実施態様であり、空気を吸い込むとともに吸い込んだ空気を昇圧して吐出するポンプと、ポンプから吐出された空気を排気通路6内に噴出するノズルとを備えている。
このように構成された内燃機関1には、電子制御ユニット(ECU)13が併設されている。ECU13は、エアフローメータ4、空燃比センサ9、酸素センサ10、排気温度
センサ11等の各種センサと電気的に接続され、それら各センサの出力信号を入力可能になっている。
更に、ECU13は、燃料噴射弁5や2次エア供給装置12等とも電気的に接続され、上記した各種センサの出力信号に基づいて燃料噴射弁5や2次エア供給装置12を制御可能となっている。
例えば、ECU13は、空燃比センサ9及び酸素センサ10の測定値に基づいて内燃機関1の空燃比(内燃機関1で燃焼に供される混合気の空燃比)をフィードバック制御(以下、「メインフィードバック制御」と称する)する。
その際、ECU13は、空燃比センサ9の測定値が理論空燃比と等しくなるように燃料噴射弁5の燃料噴射量を補正する。詳細には、ECU13は、空燃比センサ9の測定値が理論空燃比よりリッチな時は燃料噴射量を減量補正し、その補正により空燃比センサ9の測定値が理論空燃比よりリーンになると燃料噴射量を増量補正する処理を繰り返し実行する。その結果、第1三元触媒7へ流入する排気(以下、「第1流入排気」と称する)の空燃比は、理論空燃比を中心にリッチ側とリーン側へ交互に変動するようになる。
ここで、三元触媒は、理論空燃比の雰囲気に曝された時に排気中の炭化水素(HC)及び一酸化炭素(CO)を酸化するとともに、排気中の窒素酸化物(NOx)を還元する三元浄化能を発揮する。
このため、上記したメインフィードバック制御の実行により、第1流入排気の空燃比が理論空燃比を中心に変動すると、第1三元触媒7が三元浄化能を発揮することができないことが懸念される。
これに対し、第1三元触媒7は、第1流入排気の空燃比が理論空燃比より高く(リーンに)なった時には排気中の余剰の酸素を吸蔵し、第1流入排気の空燃比が理論空燃比より低くなった時には吸蔵していた酸素を放出する酸素吸蔵能を有している。
第1三元触媒7の酸素吸蔵能は、該第1三元触媒7に担持された助触媒としての金属酸化物に含まれる金属によって実現される。尚、上記した金属酸化物としてはセリア(CeO2)を例示することができる。セリア(CeO2)に含まれるセリウム(Ce)は、金属単体の状態であると不安定であるが、酸素と結合してセリア(CeO2)になると安定す
る。
よって、第1流入排気の空燃比が理論空燃比よりも高い(リーン)場合は、セリウム(Ce)が排気中の余剰の酸素(O2)と結合してセリア(CeO2)となるため、排気中に含まれる余剰の酸素が第1三元触媒7に吸蔵されることになる。
一方、第1流入排気の空燃比が理論空燃比より低い(リッチ)場合は、セリウム(Ce)と結合していた酸素(O2)が排気中の余剰の炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)
に奪われるため、第1三元触媒7に吸蔵されていた酸素(O2)が排気中へ放出されるこ
とになる。
このような酸素吸蔵能によれば、メインフィードバック制御の実行により第1流入排気の空燃比が理論空燃比を中心に変動しても、第1三元触媒7内の雰囲気が略理論空燃比となる。その結果、上記したメインフィードバックが実施された場合に、第1三元触媒7が酸素吸放出反応を伴いつつ三元浄化能を発揮することが可能になる。
尚、内燃機関1においてECU13に入力される空燃比は、空燃比センサ9の測定誤差やワイヤーハーネスの抵抗値のばらつき等に起因して実際の空燃比と異なる場合がある。このような場合には、メインフィードバック制御実行時における第1流入排気の空燃比が理論空燃比よりリッチ側若しくはリーン側に偏った状態で変動する可能性がある。
第1流入排気の空燃比が理論空燃比よりリッチ側で変動する状態が続くと、第1三元触媒7の酸素吸蔵量が空になり、該第1三元触媒7が炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)を酸化することができなくなる。
一方、第1流入排気の空燃比が理論空燃比よりリーン側で変動する状態が続くと、第1三元触媒7の酸素吸蔵能が飽和し、該第1三元触媒7が窒素酸化物(NOx)を還元することができなくなる。
そこで、ECU13は、メインフィード制御に用いられる目標空燃比を酸素センサ10の測定値に基づいてフィードバック制御(以下、「サブフィードバック制御」と称する)する。
このようにメインフィードバック制御とサブフィードバック制御が併行して行われると、第1流入排気の空燃比が理論空燃比を中心にリッチ側とリーン側へ交互に変動するようになる。その結果、第1三元触媒7が酸素の吸放出反応を伴って三元浄化能を発揮するようになる。
上記したメインフィードバック制御及びサブフィードバック制御が適正に行われるとともに第1三元触媒7の酸素吸蔵能が適正に働いた場合には、第2三元触媒8へ流入する排気(以下、「第2流入排気」と称する)の空燃比は理論空燃比と略同等の空燃比に安定する。
第2三元触媒8は第1三元触媒7と同様に酸素吸蔵能を発揮する金属(セリウム(Ce))を担持しているが、第2流入排気の空燃比が略理論空燃比で安定した場合には第2三元触媒8において酸素の吸放出反応が殆ど起こらなくなる。
この場合、第2三元触媒8の活性が低下し、それに伴って三元浄化能も低下する可能性がある。また、そのような状態から第2流入排気の空燃比がリッチ側へ偏倚すると、第2三元触媒8から放出される酸素量が過少となるため、第2三元触媒8から脱離した硫黄成分又は排気中の硫黄成分が炭化水素(HC)と反応して硫化水素(H2S)となる可能性
もある。硫化水素(H2S)が大気中へ放出されると、排気臭の要因となる。
上記したような問題に対し、第2三元触媒8の酸素吸蔵量を推定し、推定量が適量となるように2次エア供給装置12から第2三元触媒8へ2次エアを供給する方法が考えられる。
しかしながら、第2三元触媒8の酸素吸蔵量を正確に推定するためには、第2流入排気に含まれる酸素量に加え、第2三元触媒8から流出する排気に含まれる酸素量を検出するセンサが必要となり、部品点数の増加による製造コストの増加や車載性の低下は免れない。
よって、第2三元触媒8より下流の排気通路6に空燃比センサや酸素センサを増設することなく、上記したような不具合の発生を抑えることが望ましい。
そこで、本実施例では、ECU13が2次エア供給装置12を定期的に作動させて第2
三元触媒8の酸素吸蔵量を最大値まで増加させる処理を行うようにした。
本実施例の内燃機関の排気浄化システムは第2三元触媒8より下流の排気通路に空燃比センサや酸素センサを備えていないため、ECU13が第2三元触媒8の酸素吸蔵量を正確に認識することはできない。
これに対し、ECU13は、第2三元触媒8の酸素吸蔵容量(すなわち、酸素吸蔵量が零である時の第2三元触媒8が吸蔵可能な酸素量の最大値)Voscを特定し、特定された酸素吸蔵容量Voscと同量の酸素を含む2次エアを2次エア供給装置12から第2三元触媒8へ定期的に供給するようにした。
第2三元触媒8の酸素吸蔵容量Voscは、該第2三元触媒8に担持されているセリウム(Ce)の総量(以下、「総セリウム量」と称する)ΣAmceと相関する。よって、第2三元触媒8の酸素吸蔵容量Voscは、第2三元触媒8の総容量Vと、第2三元触媒8の単位量当たりに担持されているセリウム(Ce)の量Amceとを乗算することにより求めることができる(Vosc=ΣAmce=V*Amce)。
尚、セリウム(Ce)は熱や被毒などの影響により経時劣化する可能性があるので、セリウム(Ce)の劣化度合いに基づいて第2三元触媒8の酸素吸蔵容量Voscが補正されるようにしてもよい。
セリウム(Ce)の劣化度合いは、内燃機関1を搭載した車両の積算走行距離、内燃機関1の積算吸入空気量、或いは、内燃機関1の積算燃料噴射量等と相関する。このため、ECU13は、初期値が“1”となり、上記した積算吸入空気量、積算燃料噴射量、或いは積算走行距離が大きくなるほど小さくなる劣化係数Cを用いて酸素吸蔵容量Voscを補正するようにしてもよい。
例えば、ECU13は、前記総セリウム量ΣAmceに前記係数Cを乗算した値(=ΣAmce*C=V*Amce*C)を酸素吸蔵容量Voscとしてもよい。
このように第2三元触媒8の酸素吸蔵容量Voscが特定されると、ECU13は前記酸素吸蔵容量Voscを2次エア供給装置12の作動時間Tairに換算する。その際、2次エア供給装置12のノズルから単位時間当たりに噴射される2次エアの量が一定であれば、酸素吸蔵容量Voscと作動時間Tairは比例関係となる。すなわち、2次エア供給装置12の作動時間Tairは、酸素吸蔵容量Voscが大きくなるほど長くなるとともに、酸素吸蔵容量Voscが小さくなるほど短くなる。
2次エア供給装置12の作動時間Tairを特定する他の方法としては、図2に示すようなマップを予め実験的に求めておく方法も例示することができる。図2は、2次エア供給装置12の作動時間Tairと、総セリウム量ΣAmceと、セリウム(Ce)の劣化度合いとの関係を示す図である。
図2において、2次エア供給装置12の作動時間Tairは、総セリウム量ΣAmceが多くなるほど長くなるとともに、総セリウム量ΣAmceが少なくなるほど短くなるように設定されている。更に、2次エア供給装置12の作動時間Tairは、セリウム(Ce)の劣化度合いが高くなるほど短くなるとともに、セリウム(Ce)の劣化度合いが低くなるほど長くなるように設定されている。
尚、第2三元触媒8は第1三元触媒7に比して熱や被毒の影響を受け難いため、セリウム(Ce)の劣化度合いを考慮せずに2次エア供給装置12の作動時間が定められるよう
にしてもよい。
上記した種々の方法により2次エア供給装置12の作動時間Tairが求められると、ECU13は、作動時間Tairに従って2次エア供給装置12を定期的に作動させることになる。ECU13が2次エア供給装置12を作動させる時期としては、前回の2次エア供給時から所定期間が経過した時期を例示することができる。
前記した所定期間としては、前回の2次エア供給時からの積算吸入空気量が一定量以上となる期間、或いは前回の2次エア供給時からの積算燃料噴射量が一定量以上となる期間等を例示することができる。
但し、上記したような所定期間が経過した時点で第2流入排気に含有される未燃燃料成分量(すなわち、第2流入排気に含まれる炭化水素(HC)及び一酸化炭素(CO)の量)が多いと、2次エア供給装置12から第2三元触媒8へ供給された2次エアが未燃燃料成分の酸化に消費される場合がある。このような場合は、第2三元触媒8に吸蔵される酸素量が少なくなるため、第2三元触媒8の酸素吸蔵量が最大値まで増加しない可能性もある。
よって、ECU13は、前回の2次エア供給時から所定期間が経過した後であって、内燃機関1から排出される未燃燃料成分量が少ない時に2次エア供給装置12を作動させることが好ましい。内燃機関1から排出される未燃燃料成分量が少ない時としては、内燃機関1が減速運転状態にある時や、内燃機関1がアイドル運転状態にある時を例示することができる。
このように所定期間毎に2次エア供給装置12から第2三元触媒8へ2次エアが供給されると、第2三元触媒8の酸素吸蔵能が所定期間毎に強制的に働かされるとともに、該第2三元触媒8の酸素吸蔵量が所定期間毎に最大値となる。
その結果、第2三元触媒8の活性低下が抑制されるとともに、第2流入排気の空燃比がリッチ側へ偏倚しても酸素不足に起因した未燃燃料成分(炭化水素(HC)及び一酸化炭素(CO))の浄化不良や硫化水素(H2S)の発生が抑制されるようになる。
以下、2次エア供給装置12から第2三元触媒8に対する2次エアの供給手順について図3に沿って説明する。図3は、2次エア供給制御ルーチンを示すフローチャートである。2次エア供給制御ルーチンは、予めECU13のROMに記憶されているルーチンであり、ECU13が所定の間隔で繰り返し実行するルーチンである。
図3の2次エア供給制御ルーチンにおいて、ECU13は、先ずS101において2次エア供給装置12による前回の2次エア供給から所定期間が経過したか否かを判別する。
前記S101において否定判定された場合は、ECU13は、本ルーチンの実行を一旦終了する。前記S101において肯定判定された場合は、ECU13は、S102へ進む。
S102では、ECU13は、内燃機関1が減速運転状態或いはアイドル運転状態にあるか否かを判別する。このS102において否定判定された場合は、ECU13は本ルーチンの実行を一旦終了する。一方、S102において肯定判定された場合は、ECU13はS103へ進む。
S103では、ECU13は、第2三元触媒8の酸素吸蔵容量Voscを演算する。具
体的には、ECU13は、先ず内燃機関1の新品時からの積算運転時間、積算吸入空気量、或いは積算燃料噴射量をパラメータとしてセリウム(Ce)の劣化係数Cを求める。続いて、ECU13は、前記劣化係数Cを第2三元触媒8の総セリウム量ΣAmceに乗算することにより、第2三元触媒8の酸素吸蔵容量Vosc(=ΣAmce*C)を算出する。
S104では、ECU13は、前記S103で算出された酸素吸蔵容量Voscを2次エア供給装置12の作動時間Tairに換算する。
S105では、ECU13は、2次エア供給装置12を作動させて、該2次エア供給装置12から第2三元触媒8に対する2次エア(酸素)の供給を開始する。
S106では、ECU13は、2次エア供給装置12の作動開始時からの経過時間が前記作動時間Tair以上であるか否かを判別する。S106において否定判定された場合は、ECU13は、前記S105へ戻り、2次エア供給装置12から第2三元触媒8に対する2次エアの供給を継続する。一方、S106において肯定判定された場合は、ECU13は、S107へ進む。
S107では、ECU13は、2次エア供給装置12の作動を停止(オフ)させて、該2次エア供給装置12から第2三元触媒8に対する2次エア(酸素)の供給を終了する。
上記したS101〜S107の処理が実行されると、酸素吸蔵容量Voscと同量の酸素が所定期間毎に第2三元触媒8へ供給されることになる。このため、第2三元触媒8の酸素吸蔵能が所定期間毎に強制的に働かされるようになるとともに、第2三元触媒8の酸素吸蔵量が最大値まで増加させられることになる。
その結果、第2三元触媒8の活性低下が抑制されるとともに、酸素吸蔵量の不足に起因した未燃燃料成分の浄化不良や硫化水素(H2S)の発生等が防止される。
ところで、2次エア供給装置12から第2三元触媒8に対して酸素吸蔵容量Voscと同量の酸素が供給された直後は、第2三元触媒8内がリーン雰囲気になる。特に、本実施例のように第2三元触媒8の酸素吸蔵量が不確定な状態で酸素吸蔵容量Voscと同量の酸素が第2三元触媒8へ供給されると、第2三元触媒8が吸蔵しきれない酸素により該第2三元触媒8内がリーン雰囲気となり易い。このため、2次エアの供給直後は第2三元触媒8が排気中の窒素酸化物(NOx)を十分に還元することができない可能性がある。
そこで、本実施例の2次エア供給制御ルーチンでは、前記S107の処理が終了した後に、前述したメインフィードバック制御の目標空燃比(目標A/F)を一時的にリッチ空燃比へ変更(以下、この処理を「リッチ化処理」と称する)することにより、第2三元触媒8内を早期にストイキ雰囲気へ復帰させるようにした。
具体的には、ECU13は、前記S107の処理を実行した後にS108へ進み、メインフィードバック制御の目標A/Fをリッチ空燃比に変更する。
続いて、ECU13は、S109において第2三元触媒8がリッチ空燃比の排気に曝された時間が一定時間以上であるか否かを判別する。ここで、メインフィードバック制御の目標A/Fがリッチ空燃比にされても第1三元触媒7の酸素吸蔵量が零になるまでは第2流入排気は略理論空燃比となるため、ECU13は、第1三元触媒7の酸素吸蔵量が零になった時(酸素センサ10の出力がリッチに変化した時)からの経過時間が一定時間以上であるか否かを判別する。
前記した一定時間は、第2三元触媒8に供給された2次エア量に基づいて設定される。具体的には、第2三元触媒8へ供給された2次エア量が多くなるほど長く設定されるとともに、第2三元触媒8へ供給された2次エア量が少なくなるほど短く設定される。
更に、第2流入排気の空燃比がリッチ空燃比にされた際に第2三元触媒8へ流入する未燃燃料成分量は、燃料噴射弁5から噴射された燃料の積算量(積算燃料噴射量)や内燃機関1の積算吸入空気量に応じて変化するため、上記2次エア量に基づいて定められた一定時間は積算燃料噴射量や積算吸入空気量をパラメータとして補正されるようにしてもよい。
例えば、積算燃料噴射量が多くなり且つ積算吸入空気量が少なくなるほど前記一定時間が短く補正され、積算燃料噴射量が少なく且つ積算吸入空気量が多くなるほど前記一定時間が長く設定されるようにしてもよい。
ここで図3に戻り、ECU13は、前記S109において否定判定された場合は、前記S108以降の処理を再度実行する。一方、前記S109において肯定判定された場合は、ECU13はS110へ進む。
S110では、ECU13は、メインフィードバック制御の目標A/Fを理論空燃比に戻して本ルーチンの実行を終了する。
ECU13が上記したS108〜S110においてリッチ化処理を実行すると、第2三元触媒8の酸素吸蔵量が最大値とされた後に該第2三元触媒8へリッチ雰囲気の排気が流入するため、第2三元触媒8内が速やかにストイキ雰囲気となる。
その結果、2次エア供給装置12が第2三元触媒8へ2次エアを供給した後も第2三元触媒8が排気中の窒素酸化物(NOx)を好適に還元可能となる。更に、2次エアが第2三元触媒8へ供給された後に第2流入排気の空燃比がリッチ空燃比になると、第2三元触媒8において酸素吸放出反応が生起させられるため、第2三元触媒8の活性が高められるという利点もある。
以上述べたようにECU13が2次エア供給制御ルーチンを実行することにより、本発明にかかる取得手段及び制御手段が実現されるとともに、本発明にかかる排気浄化制御装置が実現される。その結果、第2三元触媒8の酸素吸蔵量の不足に起因した未燃燃料成分の浄化不良や硫化水素(H2S)の発生を抑制することができるとともに、第2三元触媒
8の酸素吸蔵能の活性低下による排気エミッションの悪化を防止することも可能となる。
<実施例2>
次に、本発明の第2の実施例について図4に基づいて説明する。ここでは、前述した第1の実施例と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略する。
前述した第1の実施例では、第2三元触媒8へ定期的に2次エアを供給する例について述べたが、本実施例では第2三元触媒8から硫黄成分が脱離する条件が成立した場合のみ第2三元触媒8へ2次エアを供給する例について述べる。
第2三元触媒8に付着した硫黄成分は、該第2三元触媒8の床温が凡そ600℃以上の高温となり且つ第2流入排気の空燃比がリッチとなった時に脱離し易い。但し、これらの条件が成立した時点で2次エア供給装置12から第2三元触媒8へ2次エアが供給されても、2次エアが第2三元触媒8へ到達する前に第2三元触媒8から脱離した硫黄成分が硫
化水素(H2S)となって大気中へ放出される可能性がある。
そこで、本実施例の2次エア供給制御では、ECU13は、第2三元触媒8の床温が該第2三元触媒8から硫黄成分が脱離する温度に近似した時点で、2次エア供給装置12から第2三元触媒8へ2次エアを供給するようにした。
第2三元触媒8の床温Tcat2は該第2三元触媒8から流出する排気の温度と相関するため、ECU13は排気温度センサ11の測定値を第2三元触媒8の床温Tcat2として用いるようにしてもよい。但し、排気温度センサ11の測定値は第2三元触媒8の床温Tcat2より低くなる傾向があるため、排気温度センサ11の測定値が第2三元触媒8から硫黄成分が脱離し始める温度より低い所定温度Tに達した時点で2次エアの供給が開始されることが好ましい。
以下、本実施例における2次エア供給制御について図4に沿って説明する。図4は、本実施例における2次エア供給制御ルーチンを示すフローチャートである。
図4の2次エア供給制御ルーチンにおいて、ECU13は、先ずS201において第2三元触媒8の床温Tcat2が所定温度T以上であるか否かを判別する。詳細には、ECU13は、排気温度センサ11の測定値が所定温度T以上であるか否かを判別する。
前記S201において否定判定された場合は、ECU13は、2次エア供給装置12から第2三元触媒8へ2次エアを供給せずに本ルーチンの実行を終了する。一方、前記S201において肯定判定された場合は、ECU13は、第2三元触媒8から硫黄成分が脱離する可能性があると予測してS102へ進む。
S102〜S110の処理は、前述した第1の実施例における2次エア供給制御ルーチンと同様である。
このようにECU13が2次エア供給制御ルーチンを実行すると、第2三元触媒8から硫黄成分が脱離すると予想される場合にのみ2次エアの供給及びリッチ化処理が行われることになる。
従って、本実施例によれば、前述した第1の実施例と同様の効果に加え、2次エアの供給及びリッチ化処理の実行に起因した燃費の悪化を抑制することも可能となる。
<実施例3>
次に、本発明の第3の実施例について図5〜図8に基づいて説明する。ここでは、前述した第1の実施例と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略する。
前述した第1の実施例では、第2三元触媒8へ定期的に2次エアを供給する例について述べたが、本実施例では第2三元触媒8に付着している硫黄成分量が一定量を超えた場合のみ第2三元触媒8へ2次エアを供給する例について述べる。
第2三元触媒8に付着している硫黄成分量が多くなると、それら多量の硫黄成分が一斉に第2三元触媒8から脱離する可能性がある。そのような場合に第2三元触媒8の酸素吸蔵量が少ないと、比較的多量の硫化水素(H2S)が発生する可能性がある。
これに対し、第2三元触媒8に付着している硫黄成分の量が一定量以上となった時点で第2三元触媒8の酸素吸蔵量を最大値まで増加させておけば、第2三元触媒8から硫黄成分が一斉に脱離した場合であっても硫化水素(H2S)の発生を抑制することが可能とな
る。
第2三元触媒8に付着している硫黄成分量は、以下の式(1)により求めることができる。
ΣS2=ΣSd1+ΣSold・・・(1)
上記の式(1)において、ΣS2は第2三元触媒8に付着している硫黄成分量(以下、「第2硫黄付着量」と称する)、ΣSoldは前回算出された硫黄付着量、ΣSd1は第1三元触媒7から脱離した硫黄成分量(以下、「硫黄脱離量」と称する)である。
硫黄脱離量ΣSd1は、以下の式(2)により求めることができる。
ΣSd1=dr1*Ga*C1*C2・・・(2)
上記の式(2)において、dr1は第1三元触媒7から硫黄成分が脱離する際の脱離速度、Gaは内燃機関1の吸入空気量、C1は第1の補正係数、C2は第2の補正係数である。
前記した脱離速度dr1は、図5に示すようなマップに基づいて求められる。図5は、脱離速度dr1と第1三元触媒7の床温と第1三元触媒7に付着している硫黄成分量との関係を定めたマップである。
脱離速度dr1は、第1三元触媒7の床温が高くなり且つ第1三元触媒7に付着している硫黄成分量が多くなるほど速くなる。よって、図5に示すマップでは、脱離速度dr1は、第1三元触媒7の床温が高く且つ第1三元触媒7に付着している硫黄成分量が多くなるほど速くなるように定められる。
尚、第1三元触媒7に付着している硫黄成分量は、内燃機関1から排出された硫黄成分量から前回算出された硫黄脱離量ΣSd1を減算して求めることができる。内燃機関1から排出された硫黄成分量は、単位量当たりの燃料に含まれる硫黄成分量と燃料噴射量を乗算することにより求めることができる。
前記した第1の補正係数C1は、第1三元触媒7内の空燃比に応じた補正係数である。第1三元触媒7内の空燃比は酸素センサ10の出力に反映されるため、ECU13は酸素センサ10の出力をパラメータとして第1の補正係数C1を求める。具体的には、ECU13は、酸素センサ10の出力と図6に示すようなマップとに基づいて第1の補正係数C1を求める。
図6に示すマップは、第1の補正係数C1と酸素センサ10の出力との関係を示すマップである。図6において、第1の補正係数C1は、酸素センサ10の出力が大きくなるほど(第1三元触媒7内の空燃比が低くなるほど)大きくなるとともに、酸素センサ10の出力が小さくなるほど(第1三元触媒7内の空燃比が高くなるほど)小さくなるように定められている。
これは、第1三元触媒7から脱離する硫黄成分の量は、第1三元触媒7内の空燃比が低くなるほど多くなる傾向があるからである。
前記した第2の補正係数C2は、第1三元触媒7内の空燃比の変化に対して硫黄成分が脱離し始めるまでの応答遅れに応じた補正係数である。第1三元触媒7内の空燃比がリーン又は理論空燃比からリッチへ変化した時点から硫黄成分が実際に脱離し始めるまでには応答遅れが生じる。
そこで、ECU13は、第1三元触媒7内の空燃比がリーン又は理論空燃比からリッチへ変化した時点からの経過時間(以下、「リッチ経過時間」と称する)をパラメータとして第2の補正係数C2を求める。具体的には、ECU13は、リッチ経過時間と図7に示すようなマップとに基づいて第2の補正係数C2を求める。
図7は、第2の補正係数とリッチ経過時間との関係を示すマップである。図7において、第2の補正係数C2は、リッチ経過時間が第1の所定時間t1以内の間は略“0”となり、リッチ経過時間が第1の所定時間t1を超えた時から急激に大きくなる。その後、リッチ経過時間が第2の所定時間t2以上になると“1”となるように定められている。
以下、本実施例における2次エア供給制御について図8に沿って説明する。図8は、本実施例における2次エア供給制御ルーチンを示すフローチャートである。
図8の2次エア供給制御ルーチンにおいて、ECU13は、先ずS301において第2三元触媒8に付着している硫黄成分の量(第2硫黄付着量)ΣS2を演算する。
S302では、ECU13は、前記S301で算出された第2硫黄付着量ΣS2が一定量ΣS以上であるか否かを判別する。S302において否定判定された場合は、ECU13は、2次エア供給装置12から第2三元触媒8へ2次エアを供給せずに本ルーチンの実行を終了する。一方、前記S302において肯定判定された場合は、ECU13は、第2三元触媒8から多量の硫黄成分が脱離する可能性があると予測してS102へ進む。
S102〜S110の処理は、前述した第1の実施例における2次エア供給制御ルーチンと同様である。
このようにECU13が2次エア供給制御ルーチンを実行すると、第2三元触媒8から多量の硫黄成分が脱離すると予想される場合にのみ2次エアの供給及びリッチ化処理が行われることになる。
従って、本実施例によれば、前述した第1の実施例と同様の効果に加え、2次エアの供給及びリッチ化処理の実行に起因した燃費の悪化を抑制することも可能となる。
<実施例4>
次に、本発明の第4の実施例について図9に基づいて説明する。ここでは、前述した第1の実施例と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略する。
前述した第1の実施例では、第2三元触媒8へ定期的に2次エアを供給する例について述べたが、本実施例では第2三元触媒8の酸素吸蔵量を大まかに推定し、その推定量が一定量を下回った場合にのみ第2三元触媒8へ2次エアを供給する例について述べる。
第2三元触媒8の酸素吸蔵量は、2次エア供給装置12から酸素吸蔵容量Voscと同量の酸素を含む2次エアが供給された時点で最大値(=酸素吸蔵容量Vosc)となる。その後、第2流入排気の空燃比がリッチになると第2三元触媒8が酸素を放出し、第2流入排気の空燃比がリーンになると第2三元触媒8が酸素を吸蔵する。
従って、2次エア供給装置12から酸素吸蔵容量Voscと同量の酸素を含む2次エアが供給された時の酸素吸蔵量(=酸素吸蔵容量Vosc)を基準に、第2流入排気の空燃比がリッチになった時に放出される酸素量(以下、「放出酸素量」と称する)、及び第2流入排気の空燃比がリーンになった時に吸蔵される酸素量(以下、「吸蔵酸素量」と称す
る)を加減することにより、第2三元触媒8の大凡の酸素吸蔵量を推定することができる。
前記した放出酸素量は、第2流入排気に含まれる余剰の未燃燃料成分の量と相関する。第2流入排気に含まれる余剰の未燃燃料成分量Funは、第2流入排気の空燃比と吸入空気量が特定されれば、以下の式(3)により求めることができる。
Fun=Ga*(1/Rafr)−Ga*(1/Raft)・・・(3)
上記の式(3)において、Gaは内燃機関1の吸入空気量、Rafrは第2流入排気の空燃比、Raftは理論空燃比である。
このように未燃燃料成分量Funが算出されると、ECU13は前記未燃燃料成分量Funから該未燃燃料成分量Funを酸化する際に必要となる酸素量(放出酸素量)を換算する。
一方、前記した吸蔵酸素量は、第2流入排気に含まれる余剰の酸素量と略同量となる。第2流入排気に含まれる余剰の酸素量Oamは、第2流入排気の空燃比と燃料噴射量が特定されれば、以下の式(4)により求めることができる。
Oam=(Qinj*Rafr−Qinj*Raft)*K・・・(4)
上記した式(4)において、Qinjは燃料噴射量、Kは単位量当たりの空気において酸素が占める割合を示す係数である。
上記した方法により推定された第2三元触媒8の酸素吸蔵量(以下、「推定酸素吸蔵量」と称する)が一定量を下回ると、ECU13は2次エア供給装置12から第2三元触媒8へ酸素吸蔵容量Voscと同量の酸素を含む2次エアを供給する。
このように推定酸素吸蔵量が一定量を下回った場合にのみ2次エア供給装置12から第2三元触媒8へ2次エアが供給されるようになると、前述した第1の実施例と同様の効果に加え、2次エアの供給及びリッチ化処理の実行に起因した燃費の悪化を抑制することも可能となる。
以下、本実施例における2次エア供給制御について図9に沿って説明する。図9は、本実施例における2次エア供給制御ルーチンを示すフローチャートである。
図9の2次エア供給制御ルーチンにおいて、ECU13は、先ずS401において推定酸素吸蔵量を演算する。
S402では、ECU13は、前記S401で算出された推定酸素吸蔵量が一定量ΣOscより少ないか否かを判別する。S402において否定判定された場合は、ECU13は、2次エア供給装置12から第2三元触媒8へ2次エアを供給せずに本ルーチンの実行を終了する。一方、前記4302において肯定判定された場合は、ECU13は、第2三元触媒8から硫黄成分が脱離した場合などに第2三元触媒8から放出される酸素量が不足する可能性があると予測してS102へ進む。
S102〜S110の処理は、前述した第1の実施例における2次エア供給制御ルーチンと同様である。
このようにECU13が2次エア供給制御ルーチンを実行すると、第2三元触媒8の酸素吸蔵量が少なくなった場合にのみ2次エアの供給及びリッチ化処理が行われることにな
るため、2次エアの供給及びリッチ化処理の実行に起因した燃費の悪化を抑制することが可能となる。
本発明を適用する内燃機関の概略構成を示す図である。 2次エア供給装置の作動時間Tairと第2三元触媒の総セリウム量ΣAmceと第2三元触媒の劣化度合いとの関係を示す図である。 第1の実施例における2次エア供給制御ルーチンを示すフローチャートである。 第2の実施例における2次エア供給制御ルーチンを示すフローチャートである。 第1三元触媒から脱離する硫黄成分の脱離速度dr1と第1三元触媒7の床温と第1三元触媒に付着している硫黄成分量との関係を示す図である。 第1の補正係数C1と酸素センサの出力との関係を示す図である。 第2の補正係数C2とリッチ経過時間との関係を示す図である。 第3の実施例における2次エア供給制御ルーチンを示すフローチャートである。 第4の実施例における2次エア供給制御ルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
1・・・・・内燃機関
6・・・・・排気通路
7・・・・・第1三元触媒
8・・・・・第2三元触媒
9・・・・・空燃比センサ
10・・・・酸素センサ
11・・・・排気温度センサ
12・・・・2次エア供給装置(供給手段)
13・・・・ECU(制御手段)

Claims (8)

  1. 内燃機関の排気通路に配置された第1三元触媒と、
    前記第1三元触媒より下流に配置された第2三元触媒と、
    前記第2三元触媒より上流の排気通路へ酸素を供給する供給手段と、
    前記第2三元触媒が吸蔵可能な酸素量の最大値を取得する取得手段と、
    所定条件が成立した時に前記最大値と同量の酸素を前記第2三元触媒へ供給させるべく前記供給手段を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化システム。
  2. 請求項1において、前記制御手段は、前記供給手段が前記最大値と同量の酸素を前記第2三元触媒へ最後に供給した時点から所定期間が経過していることを条件に、前記所定条件が成立したとみなすことを特徴とする内燃機関の排気浄化システム。
  3. 請求項1において、前記制御手段は、前記第2三元触媒の床温が該第2三元触媒から硫黄成分が脱離し得る温度に達していることを条件に、前記所定条件が成立しているとみなすことを特徴とする内燃機関の排気浄化システム。
  4. 請求項1において、前記制御手段は、前記第2三元触媒に付着している硫黄成分量を推定し、推定された硫黄成分量が一定量以上であること条件に、前記所定条件が成立しているとみなすことを特徴とする内燃機関の排気浄化システム。
  5. 請求項4において、前記制御手段は、前記第1三元触媒から脱離する硫黄成分量を積算することにより前記第2三元触媒に付着している硫黄成分量を推定することを特徴とする内燃機関の排気浄化システム。
  6. 請求項1において、前記第1三元触媒より下流且つ前記第2三元触媒より上流の排気通路を流れる排気の酸素濃度を検出する検出手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記検出手段が検出した酸素濃度に基づいて前記第2三元触媒に吸蔵されている酸素量を推定し、推定された酸素量が一定量未満であることを条件に前記所定条件が成立しているとみなすことを特徴とする内燃機関の排気浄化システム。
  7. 請求項1〜6の何れか一において、前記制御手段は、前記供給手段が前記最大値と同量の酸素を前記第2三元触媒へ供給した後の一定時間は、前記第2三元触媒へ流入する排気の空燃比をリッチにすることを特徴とする内燃機関の排気浄化システム。
  8. 内燃機関の排気通路に配置された第1三元触媒と、前記第1三元触媒より下流に配置された第2三元触媒と、前記第2三元触媒より上流の排気通路へ酸素を供給する供給手段と、を備えた内燃機関の排気浄化制御を行う制御装置であり、
    前記第2三元触媒が吸蔵可能な酸素量の最大値を演算し、所定条件が成立した時に前記最大値と同量の酸素を前記第2三元触媒へ供給させるべく前記供給手段を制御することを特徴とする排気浄化制御装置。
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