JP2007303326A - 内燃機関制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】例えば内燃機関の燃焼室における燃焼安定性を確保する。
【解決手段】内燃機関制御装置は、内燃機関の燃焼室から排出される排気の空燃比を、所定期間に亘って複数回取得する空燃比取得手段(221)を備える。このように複数回取得された空燃比の時間軸上におけるバラツキの度合いに基いて、前記排気に含まれる炭化水素の濃度の前記時間軸上におけるバラツキの度合い及び平均値の少なくとも一方を推定する推定手段(100)とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃焼安定性を確保すると共に、例えば車載式故障診断システムのような自動車の排出ガス規制に対応する内燃機関制御装置に関する。
この種の内燃機関制御装置或いは車載式故障診断システムとして、例えば、以下の特許文献1から4に示すような技術が開示されている。
特許文献1によると、各気筒におけるクランク角速度の変動に基づいて各気筒毎の燃焼状態が検出される。特許文献2によると、最下流の炭化水素触媒の温度がHC脱離温度を超えるか否かを確認し、それに応じて点火遅角制御することで、排気エミッションが向上する。特許文献3によると、酸素センサの出力電圧値と空気過剰率との特性的関係に基づいて内燃機関の空燃比が良好に調整される。特許文献4によると、HC吸着剤の下流又は上流に設けた酸素濃度センサから吸排気弁の開き重なり時間を制御することで、冷間始動時等のHC吸着効果が向上する。
特開平3−15645号公報 特開2004−116370号公報 特許2930596号公報 特開2002−276429号公報
しかしながら、例えば前述の特許文献1から4に開示されている技術には、以下のような問題が生じ得る。即ち、特許文献1に開示された技術は、検出の応答性に改善の余地がある。具体的には、燃焼状態を直接的でなく、クランク角速度の変動に置き換えて検出しているため、燃焼が不安定になり各気筒の発生トルクがばらついてからでないと不安定であることを検出できない虞がある。特許文献2に開示された技術では、炭化水素触媒の温度センサが別途必要となる。特許文献3に開示された技術では、特性的関係を更に明瞭にする余地がある。特許文献4に開示された技術では、定常走行時への応用が困難である。
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みてなされたものであり、燃焼状態を早期に或いは精度良く推定し、燃焼安定性及び排出ガス低減性能を良好に保つことに役立ち得る内燃機関制御装置を提供することを課題とする。
本発明の内燃機関制御装置は、上記課題を解決するために、内燃機関の燃焼室から排出される排気の空燃比を、所定期間に亘って複数回取得する空燃比取得手段と、該複数回取得された空燃比の時間軸上におけるバラツキの度合いに基いて、前記排気に含まれる炭化水素の濃度の前記時間軸上におけるバラツキの度合い及び平均値の少なくとも一方を推定する推定手段とを備える。
本発明の内燃機関制御装置によると、以下に示すように排気に含まれる炭化水素の濃度が推定される。ここに、「炭化水素」とは、例えば「非メタン炭化水素」(NMHC)と、「メタン」(CH4)のように、少なくとも炭素C及び水素Hを含有する化合物である。「炭化水素の濃度」とは、炭化水素の成分が排気に占める比率を指す尺度であり、例えばその重量比或いは体積比が百万分率[ppm]で表される。
先ず、その動作時に、典型的には定常時に、内燃機関の燃焼室から排出される排気の空燃比が、例えば空燃比センサ、λセンサ等を有する空燃比取得手段によって、所定期間に亘って複数回取得される。ここに「排気の空燃比」とは、排気に含まれる燃料と空気との定量的な関係を、狭義には直接的に重量比で示し、広義には空気過剰率λ等のように間接的に示す指標である。「所定期間」とは、後述する炭化水素の時間軸上におけるバラツキの度合いを特定するために必要とされる標本の数(即ち、排気の空燃比の測定数)と、かかる標本の取得周期とに基づいて、予め実験或いはシミュレーションによって求まる期間である。かかる所定期間は、後述する炭化水素の時間軸上におけるバラツキの度合いの特定精度に、応答遅れ等の観点を加味して求められるとよい。ここに「バラツキ」とは、標本が揃っていないこと、或いは不揃いの程度のことをいう。この「バラツキ」の度合いは各種統計量、具体的に例えば、標本の最大値と最小値の差である範囲、標本の分散若しくは標準偏差として特定されるとよい。
そして、例えば演算回路、メモリ等を有する推定手段によって、上述のように複数回取得された空燃比の時間軸上におけるバラツキの度合いに基いて、排気に含まれる炭化水素の濃度の時間軸上におけるバラツキの度合い及び平均値の少なくとも一方が推定される。ここに「空燃比の時間軸上におけるバラツキの度合いに基いて」とは、本願発明者の研究により解明された、空燃比の時間軸上におけるバラツキの度合いと炭化水素の濃度の時間軸上におけるバラツキの度合い及び平均値との相関関係或いは因果関係に基づく趣旨である。これらの関係は、マップ或いは関数として固体別に予めメモリ等に保持しておくとよく、事後的に変更されてもよい。例えば、炭化水素の濃度の平均値が上昇すると、燃焼が不安定になっているということなので、炭化水素の濃度の時間軸上におけるバラツキの度合いも上昇する。他方で、炭化水素の濃度の平均値が上昇すると、燃焼が不安定になっているということなので、空燃比の時間軸上におけるバラツキの度合いも上昇する。即ち、燃焼が不安定になる分、炭化水素の濃度の平均値が上昇すると、炭化水素の濃度の時間軸上におけるバラツキの度合いと空燃比の時間軸上におけるバラツキの度合いとが共に上昇する。
従って、空燃比の時間軸上におけるバラツキの度合いが上昇する場合、当該空燃比の時間軸上におけるバラツキの度合いを決定しうる他の要因が比較的軽度な条件下で、炭化水素の濃度の時間軸上におけるバラツキの度合い及び平均値が共に上昇していること、言い換えれば燃焼が相対的に不安定になっていることが推定される。
以上詳細に説明したように、複数回取得された空燃比の時間軸上におけるバラツキの度合いと炭化水素の濃度の時間軸上におけるバラツキの度合い及び平均値とは相関があるので、複数回取得された空燃比から炭化水素の濃度の時間軸上におけるバラツキの度合い及び平均値を推定できる。このため、後述するように、複数回取得された空燃比に基づいて空燃比の時間軸上におけるバラツキの度合いを求めた上で、炭化水素の濃度の時間軸上におけるバラツキの度合い及び平均値を求めてもよい。或いは、処理上は空燃比の時間軸上におけるバラツキの度合いを経由することなく、直接に炭化水素の濃度の時間軸上におけるバラツキの度合い及び平均値を求めてもよい。この推定結果に基づけば、たとえ燃焼が不安定になったとしても、かかる状態が早期に推定され、仮にクランク角速度の変動に置き換えて検出する場合に比べて早期に対応可能となり、もって燃焼安定性及び排出ガス低減性能が良好に保たれる。
本発明に係る内燃機関制御装置の一態様では、前記複数回取得された空燃比を標本として、前記空燃比の時間軸上におけるバラツキの度合いを特定する空燃比バラツキ特定手段を更に備え、前記推定手段は、該特定された前記空燃比の時間軸上におけるバラツキの度合いに基いて、前記排気に含まれる炭化水素の濃度の前記時間軸上におけるバラツキの度合い及び平均値の少なくとも一方を推定する。
この態様によると、複数回取得されたの空燃比を標本として、例えば演算回路、メモリ等を有する空燃比バラツキ特定手段によって、所定期間における空燃比の時間軸上におけるバラツキの度合いが特定される。そして、複数回取得された空燃比に基づいて空燃比の時間軸上におけるバラツキの度合いを求めた上で、炭化水素の濃度の時間軸上におけるバラツキの度合い及び平均値の少なくとも一方が推定される。従って、この態様においても上述したように、燃焼が早期に推定されるので、実践上非常に有利である。
本発明に係る内燃機関制御装置の他の態様では、前記所定期間における前記内燃機関は定常状態である。
この態様によると、内燃機関は定常状態である場合に、上述の如く所定期間における空燃比の時間軸上におけるバラツキの度合いが特定される。従って、他の要因が極力排除されるので、上述の推定精度が向上する。ここに「定常状態」とは、内燃機関の状態が略一定であることをいい、例えば、上述した空燃比の時間軸上におけるバラツキの度合いと炭化水素の濃度の時間軸上におけるバラツキの度合い及び平均値との相関関係或いは因果関係の関係の強さ(例えば、相関係数或いは他の要因と比較した場合の寄与率)が、所定閾値を超えることをいう。この所定閾値は、本発明による推定が実践上有効に働き得る値として、予め実験或いはシミュレーションによって求められるとよく、所定のマージンをもたせても、事後的に学習させてもよい。このような「定常状態」であるか否かは、具体的に例えば回転数或いはスロットル開度の経時変化に基づいて、判定されるとよい。
本発明に係る内燃機関制御装置の他の態様では、前記所定期間を、前記内燃機関の回転数に基いて決定する決定手段を更に備える。
この態様によると、所定期間が、例えばクランク角センサ及び演算回路等を有する決定手段によって、内燃機関の回転数に基いて決定される。例えば、所定期間が、内燃機関の回転数に略反比例するように決定される。このように、内燃機関の回転数に適した所定期間が決定されるので、空燃比を余計に取得することを回避できる。従って、極力短い期間で、炭化水素の濃度の時間軸上におけるバラツキの度合い及び平均値を推定することができる。
尚、単純に所定期間を一定期間としても、相応の精度での推定は可能であり、この場合には、全体として処理が簡易で済むという利益が得られる。
本発明に係る内燃機関制御装置の他の態様では、前記空燃比取得手段は、前記排出される排気を浄化する触媒よりも、前記燃焼室側に備えられる。
この態様によると、空燃比取得手段が、触媒よりも燃焼室側の上流に備えられるので、炭化水素が触媒に吸着される前の排気に基づいて上述の推定が行われる。ここで、触媒より上流側の排気は、下流側の排気に比べて、燃焼室の燃焼状態を直接的に示し得る。従って、上述の推定精度及び信頼性が向上する。
本発明に係る内燃機関制御装置の他の態様では、前記内燃機関に備わる吸気弁及び排気弁の開閉時期を互いに独立して調整する可変動弁手段を更に備え、前記炭化水素の濃度の前記時間軸上におけるバラツキの度合いが所定閾値を超える場合、前記可変動弁手段は、前記時間軸上におけるバラツキの度合いが前記所定閾値を下回るように、前記吸気弁及び前記排気弁が共に開く期間を減少させる。
この態様によると、上述の如く推定された炭化水素の濃度の時間軸上におけるバラツキの度合いが所定閾値を超えるか否かが判断される。ここに「所定閾値」とは、燃焼が著しく不安定であるような、炭化水素の濃度の時間軸上におけるバラツキの度合いとして、予め実験或いはシミュレーションにより求められる値であり、所定のマージンをもたせても、事後的に学習させてもよい。そして、炭化水素の濃度の時間軸上におけるバラツキの度合いが所定閾値を超える場合、即ち燃焼が著しく不安定である虞がある場合には、可変動弁手段は、時間軸上におけるバラツキの度合いが所定閾値を下回るように、吸気弁及び排気弁が共に開く期間(即ち、オーバーラップ量)を減少させる。従って、早期に推定された炭化水素の濃度の時間軸上におけるバラツキの度合いに応じて、好適に燃焼の安定性を確保できる。他方で、所定閾値を下回る場合には、オーバーラップ量を増大させて、出力向上を図るとよい。尚、本態様は、燃焼安定性を確保するための手立ての一例であり、他の手立てを講ずることを妨げない。加えて、推定された炭化水素の濃度の時間軸上におけるバラツキの度合いに代えて、空燃比の時間軸上におけるバラツキの度合いの大きさに基づいて、上述の如き判断してもよい。
本発明に係る内燃機関制御装置の他の態様では、前記排気の少なくとも一部を吸気の一部として還流させる還流量を調整する排気環流手段を更に備え、前記炭化水素の濃度の前記時間軸上におけるバラツキの度合いが所定閾値を超える場合、前記時間軸上におけるバラツキの度合いが前記所定閾値を下回るように、前記排気還流手段は、前記還流量を減少させる。
この態様によると、上述の如く推定された炭化水素の濃度の時間軸上におけるバラツキの度合いが所定閾値を超える場合、即ち燃焼が著しく不安定である虞がある場合には、可変動弁手段は、時間軸上におけるバラツキの度合いが所定閾値を下回るように、排気還流手段は、還流量を減少させる。従って、この態様においても、早期に推定された炭化水素の濃度の時間軸上におけるバラツキの度合いに応じて、好適に燃焼の安定性を確保できる。他方で、所定閾値を下回る場合には、還流量を増大させて、燃焼温度を下げ、NOx等の排出量を低減できる。尚、本態様は、燃焼安定性を確保するための手立ての一例であり、他の手立てを講ずることを妨げない。加えて、推定された炭化水素の濃度の時間軸上におけるバラツキの度合いに代えて、空燃比の時間軸上におけるバラツキの度合いの大きさに基づいて、上述の如き判断してもよい。
本発明の作用及び他の利得は、次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされよう。
以下、発明を実施するための最良の形態として本発明の一実施形態を、図面に基いて詳細に説明する。
(1)構成
先ず、本実施形態に係る内燃機関制御装置の構成について、図1を参照して説明する。ここに、図1は、本発明の実施形態に係る、内燃機関制御装置が搭載された車両の模式的な断面図である。
図1において、エンジン200は、クランクポジションセンサ218、空燃比センサ221、可変動弁装置10及びEGR装置229及び制御装置100を備え、以下の如く、所定期間における空燃比の時間軸上におけるバラツキの度合いから、排気に含まれる、本発明に係る「炭化水素」の一例としての全炭化水素THC(Total HydroCarbons:THC)の濃度の時間軸上におけるバラツキの度合い及び平均値の少なくとも一方が好適に推定されるように構成されている。ここに、「全炭化水素THCの濃度」とは、エミッション上問題となる排気に含まれる炭化水素系成分の総量を示す定量的な指標であり、例えば「非メタン炭化水素」(NMHC)と、「メタン」(CH4)との濃度の合計値で表される。ただし、「全炭化水素」の「全」は、必ずしも全ての炭化水素を含むことを要求する趣旨ではなく、実践上の必要に応じて成分が選択されればよい。
エンジン200は、制御装置100による制御下で、シリンダ201内における燃焼に際し、外部から空気(即ち、吸入空気)を吸気管206に備わる吸気バルブ208を介して吸入させる。吸気管206には、外部から吸入される空気を浄化するクリーナ211、吸入された空気の質量流量を直接測定するエアフローメータ212、吸入空気の温度を検出する吸気温センサ213、シリンダ201内部への吸入空気量を調節するスロットルバルブ214、スロットルバルブ214の開度を検出するスロットルポジションセンサ215、運転者によるアクセルペダル226の踏み込み量を検出するアクセルポジションセンサ216、踏み込み量に基いてスロットルバルブ214を駆動するスロットルバルブモータ217が備わる。燃料タンク223に貯蔵された燃料(ガソリン)は、フィルタ224を通過してインジェクタ207へと供給される。燃料タンク223には、燃料残量を検出するための燃料センサ225が設置されている。インジェクタ207から噴射された燃料は、この吸入空気に混合されて混合気を形成し、シリンダ201内で点火プラグ202により着火爆発(即ち、燃焼)させられることで、ピストン203が往復運動する。この往復運動は、コネクションロッド204を介してクランクシャフト205の回転運動に変換され、当該エンジン200が搭載された車両を駆動可能に構成されている。シリンダ201の周辺には、エンジン200のノック強度を測定可能なノックセンサ219、エンジン200の冷却水温度を検出するための水温センサ220が備わる。シリンダ201内部での燃焼に伴い発生する排気ガスは、排気バルブ209を介して排気管210を下って排気される。三元触媒装置222は、例えばエンジン200から排出されるHC(炭化水素)の他、CO(一酸化炭素)及びNOx(窒素酸化物)を夫々浄化することが可能な触媒を含んでいる。
クランクポジションセンサ218は、本発明に係る「時間決定手段」の一例であり、クランクシャフト205の回転角(即ち、クランク角)を定期或いは不定期に検出する。
空燃比センサ221は、本発明に係る「空燃比取得手段」の一例であり、排気管210における三元触媒装置222の上流側に配設され、排気管210から排出される排気から、エンジン200の空燃比を定期或いは不定期に検出する。この空燃比センサ221によって、所定期間に亘って複数回、空燃比が検出される。
EGR装置229(Exhaust Gas Recirculation装置:EGR装置)は、本発明に係る「排気環流手段」の一例であり、排気管210に排出される排気の一部を、EGR管228を介して吸気管206に環流する。この環流量(即ち、EGR量)は、EGR管228に管路に設置されたEGR弁227の開度を、制御装置100が制御することによって調整される。
可変動弁装置10は、本発明に係る「可変動弁手段」の一例であり、気筒の吸気弁203及び排気弁204の動弁特性を変更可能に構成されている。吸気弁及び排気弁の開閉時期を制御できるものであればよく、カムバイワイヤ、電磁駆動弁等を用いることができる。
制御装置100は、本発明に係る「時間決定手段」、「空燃比バラツキ特定手段」及び「推定手段」の一例であり、電子制御ユニット(Electronic Control Unit:ECU)、中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)、制御プログラムを格納した読み出し専用メモリ(Read Only Memory:ROM)及び各種データを格納する随時書き込み読み出しメモリ(Random Access Memory:RAM)等を中心とした論理演算回路として構成されている。この専用メモリ或いは随時書き込み読み出しメモリには、空燃比の時間軸上におけるバラツキの度合いと全炭化水素の濃度の時間軸上におけるバラツキの度合い及び平均値との相関関係或いは因果関係を示すマップ或いは関数が予め格納されている(図3、図4、図5参照)。そして、クランクポジションセンサ218、空燃比センサ221等の各種センサから入力信号を受ける入力ポートと、可変動弁装置10、EGR装置229等の各種アクチュエータに制御信号を送る出力ポートとに、バスを介して接続されている。従って、クランクポジションセンサ218に検出された回転角に基いて、制御装置100はエンジン200の回転数Neを算出する。この回転数Neに基づいて、空燃比の時間軸上におけるバラツキの度合いを特定する際に要する所定期間が決定される。そして排気に含まれる空燃比が、所定期間に亘って検出される。この検出結果から空燃比の時間軸上におけるバラツキの度合いが例えば分散として算出され、先のマップに照らし合わされることで、例えば対応づけられた全炭化水素の濃度の分散が推定される。言い換えれば、燃焼の安定性が推定される。この推定結果に基づき、燃焼の安定性が確保されるように、制御装置100は、可変動弁装置10或いはEGR装置229のような装置を制御する(図6、図7参照)。
以上図1に示すように、本実施形態に係る、エンジン200は、クランクポジションセンサ218、空燃比センサ221、制御装置100を備えるので、所定期間における空燃比の時間軸上におけるバラツキの度合いから、排気に含まれる全炭化水素THCの濃度の時間軸上におけるバラツキの度合い及び平均値の少なくとも一方が好適に推定され、例えば、可変動弁装置10及びEGR装置229を用いて燃焼を安定化させる各種制御が可能となる。
(2)動作処理
上述の如く構成された本実施形態に係る内燃機関制御装置の動作処理について、図1に加えて、図2から図7を用いて説明する。
先ず、図2を用いて、本実施形態に係る内燃機関制御装置の動作処理を説明する。ここに、図2は、実施形態に係る、内燃機関制御装置の動作処理を示すフローチャートである。
図2において先ず、エンジン200が定常状態であるかが判定される(ステップS11)。定常状態であるか否かは、例えば過去10秒間のスロットルポジションセンサ215の出力値の経時変化に基づいて判定される。
ここで、定常状態でないと判定される場合(ステップS11:NO)、通常の空燃比フィードバック制御が行われ、定常状態になるまで待機する。
他方、定常状態であると判定される場合(ステップS11:YES)、制御装置100は、平均化時間(即ち、本発明に係る「所定期間」)を決定すべく、クランクポジションセンサ218に検出された回転角に基いて、エンジン200の回転数Neを特定する(ステップS12)。この回転数Neに例えば略反比例する値として、平均化時間が決定される(ステップS13)。
続いて、空燃比センサ221は、三元触媒装置222上流の空燃比を標本として取得し、制御装置100へ伝達する(ステップS21)。その後、標本として空燃比を取得し始めてから平均化時間が経過したか否かが、制御装置100によって判断される(ステップS22)。ここで、平均化時間が経過していない場合、言い換えると、所望の標本数に満たない場合(ステップS22:NO)、引き続き空燃比が取得される(ステップS21)。
他方、平均化時間が経過している場合、言い換えると、所望の標本数が満たされた場合(ステップS22:YES)、この平均化時間における空燃比の分散が、制御装置100によって特定される(ステップS31)。
この空燃比の分散に基づいて、全炭化水素の平均・分散が推定される(ステップS41)。即ち、間接的に、エンジン200の燃焼状態が推定される。この推定について、図3から図5を用いて、説明を加える。ここに、図3は、実施形態に係る、排気に含まれる全炭化水素の濃度の平均値と分散(即ち、時間軸上におけるバラツキの度合い)との関係を示す特性図であり、図4は、実施形態に係る、排気に含まれる全炭化水素の濃度の平均値と空燃比の分散(即ち、時間軸上におけるバラツキの度合い)との関係を示す特性図であり、図5は、実施形態に係る、排気に含まれる全炭化水素の濃度の平均値と分散(即ち、時間軸上におけるバラツキの度合い)と空燃比の分散の度合いとの経時変化における関係を示す特性図である。
図3では、排気に含まれる全炭化水素の濃度の平均値が増大すればするほど、エンジン200の燃焼も不安定化するので或いはしているので、この濃度の分散も増大する傾向にあることが示されている。
図4では、排気に含まれる全炭化水素の濃度の平均値が増大すればするほど、図3のように、この濃度の分散も増大するので、空燃比センサ221により検出された空燃比の分散も増大する傾向にあることが示されている。
図5では、図3及び図4を踏まえ、排気に含まれる全炭化水素の濃度の平均値が増大すると、燃焼が不安定になる分、この濃度の分散及び空燃比の分散が、共に増大する様子が、経時変化として示されている。
以上、図3から図5によると、逆に、空燃比の分散を増大させうる他の要因が比較的軽度な定常状態の下で、空燃比の分散が増大するのであれば、この全炭化水素の濃度の分散及び平均値が共に増大していること、言い換えれば燃焼が相対的に不安定になっていることが推定される。このようにして、空燃比の分散の度合いに基いて、排気に含まれる全炭化水素の濃度の分散の度合い及び平均値の少なくとも一方が、推定される。かかる推定は、制御装置100が図3及び図4をマップとして保持し、このマップに空燃比の分散を照らし合わせることで行われる。
再び図2に戻り、全炭化水素の濃度の分散が所定閾値を超えるか否かが判断される(ステップS51)。即ち、エンジン200の燃焼が、実践上問題となりうる程に不安定であるか否かが判断される。ここで、この分散が所定閾値を超えない場合(ステップS51:NO)、燃焼は比較的安定していると推定されるので、引き続き通常の制御に従い運転が継続される。
他方、この分散が所定閾値を超える場合(ステップS51:YES)、エンジン200の燃焼が、実践上問題となりうる程に不安定であると推測される。従って、燃焼を安定化させるべく、オーバーラップ量、EGR量等が調整される(ステップS52)。この調整について、図6及び図7を用いて説明を加える。ここに、図6は、実施形態に係る、オーバーラップ量と空燃比の分散(即ち、時間軸上におけるバラツキの度合い)との関係を示す特性図であり、図7は、実施形態に係る、EGR量と空燃比の分散(即ち、時間軸上におけるバラツキの度合い)との関係を示す特性図である。
図6に示すように、制御装置100が、オーバーラップ量を低減するように、可変動弁装置10を制御すると、排気の空燃比及び排気に含まれる全炭化水素の濃度の分散も低減できる。
図7に示すように、制御装置100が、EGR量を低減するように、EGR装置229を制御すると、排気の空燃比(排気に含まれる全炭化水素の濃度)の分散を低減できる。
このように、図6或いは図7の何れの制御によっても、エンジン200の燃焼の安定性を改善できる。
以上の結果、図1から図7を用いて説明した実施形態によれば、特に本願発明者の研究による図3から図5に示す関係に基づき、空燃比の時間軸上におけるバラツキの度合いから、排気に含まれる全炭化水素の濃度の時間軸上におけるバラツキの度合い及び平均値の少なくとも一方が好適に推定される。この推定結果に基づけば、たとえエンジン200の燃焼が不安定になったとしても、その状態が直接的に推定され、オーバーラップ量或いはEGR量を調整する等の対応を早期にとることができる。このようにして、実施形態に係る内燃機関制御装置によると、燃焼安定性及び排出ガス低減性能が良好に保たれるのである。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う内燃機関制御装置も又、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明の実施形態に係る、内燃機関制御装置が搭載された車両の模式的な断面図である。 実施形態に係る、内燃機関制御装置の動作処理を示すフローチャートである。 実施形態に係る、排気に含まれる全炭化水素濃度の平均値と分散(即ち、時間軸上におけるバラツキの度合い)との関係を示す特性図である。 実施形態に係る、排気に含まれる全炭化水素濃度の平均値と空燃比の分散(即ち、時間軸上におけるバラツキの度合い)との関係を示す特性図である。 実施形態に係る、排気に含まれる全炭化水素濃度の平均値と分散(即ち、時間軸上におけるバラツキの度合い)と空燃比の分散の度合いとの経時変化における関係を示す特性図である。 実施形態に係る、オーバーラップ量と空燃比の分散(即ち、時間軸上におけるバラツキの度合い)との関係を示す特性図である。 実施形態に係る、EGR量と空燃比の分散(即ち、時間軸上におけるバラツキの度合い)との関係を示す特性図である。
符号の説明
200…エンジン、218…クランクポジションセンサ、221…空燃比センサ、100…制御装置、10…可変動弁装置、229…EGR装置

Claims (7)

  1. 内燃機関の燃焼室から排出される排気の空燃比を、所定期間に亘って複数回取得する空燃比取得手段と、
    該複数回取得された空燃比の時間軸上におけるバラツキの度合いに基いて、前記排気に含まれる炭化水素の濃度の前記時間軸上におけるバラツキの度合い及び平均値の少なくとも一方を推定する推定手段と
    を備えることを特徴とする内燃機関制御装置。
  2. 前記複数回取得された空燃比を標本として、前記空燃比の時間軸上におけるバラツキの度合いを特定する空燃比バラツキ特定手段を更に備え、
    前記推定手段は、該特定された前記空燃比の時間軸上におけるバラツキの度合いに基いて、前記排気に含まれる炭化水素の濃度の前記時間軸上におけるバラツキの度合い及び平均値の少なくとも一方を推定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関制御装置。
  3. 前記所定期間における前記内燃機関は定常状態である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関制御装置。
  4. 前記所定期間を、前記内燃機関の回転数に基いて決定する決定手段を更に備える
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の内燃機関制御装置。
  5. 前記空燃比取得手段は、前記排出される排気を浄化する触媒よりも、前記燃焼室側に備えられる
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の内燃機関制御装置。
  6. 前記内燃機関に備わる吸気弁及び排気弁の開閉時期を互いに独立して調整する可変動弁手段を更に備え、
    前記炭化水素の濃度の前記時間軸上におけるバラツキの度合いが所定閾値を超える場合、前記可変動弁手段は、前記時間軸上におけるバラツキの度合いが前記所定閾値を下回るように、前記吸気弁及び前記排気弁が共に開く期間を減少させる
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の内燃機関制御装置。
  7. 前記排気の少なくとも一部を吸気の一部として還流させる還流量を調整する排気環流手段を更に備え、
    前記炭化水素の濃度の前記時間軸上におけるバラツキの度合いが所定閾値を超える場合、前記時間軸上におけるバラツキの度合いが前記所定閾値を下回るように、前記排気還流手段は、前記還流量を減少させる
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の内燃機関制御装置。
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