JP2007303019A - ナノファイバー織編物およびその製造方法 - Google Patents

ナノファイバー織編物およびその製造方法 Download PDF

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Abstract


【課題】衣料用にも展開可能な性能を有し、風合いが良好で形態安定性の改善された新規織編物およびその製造方法を提供する。
【解決手段】熱可塑性ポリマーからなり、数平均による単繊維直径が1nm以上500nm以下であるナノファイバーが凝集した凝集体と樹脂を含んでなる織編物であり、ナノファイバー凝集体を含む織編物に、樹脂加工を行うことで得ることが出来る。
【選択図】なし

Description

本発明は、風合いが良好で形態安定性の改善されたナノファイバーからなる織編物に関するものである。
ポリエステルやポリアミドに代表される熱可塑性ポリマーからなる繊維は、元々、優れた力学特性や耐熱性などから衣料用途や産業資材用途に好適に用いられ、その用途の拡大により、繊維化技術のさらなる検討も活発に行われてきた。この中で特に、海島複合紡糸によるマイクロファイバーは、スエード調の人工皮革や、ピーチスキンやパウダータッチで優れた風合いの衣料用織物、また、ワイピングクロスといった生活資材やコンピューターのハードディスク研磨布などの産業資材用途にまで、広く展開されている。
一方で、さらによりレベルの高い感性素材や高機能素材を得るために、究極に細い繊維が望まれた結果、単繊維の平均繊維直径が数百nm以下の、いわゆるナノファイバーが開発されている。例えば、エレクトロスピニングという技術によれば、単糸繊度数十nm相当の繊維が得られるが、この方法により得られる繊維・繊維製品の形状は膜に限定されているとともに、低強度や低い生産性の面からも、テキスタイル用途としては大きな制約がある。そこで、繊維・繊維製品形状やポリマー種に制約がなく、広く用途展開が可能なナノファイバー技術の検討を行った結果、ポリマーアロイと溶融紡糸法からなるナノファイバーが得られている。この溶融紡糸によるナノファイバーは、繊維が1次元で配向した集合体となっていることが特徴で、この技術により、テキスタイル用途として需要の高い織編物となすことも可能となった(特許文献1)。
しかしながら、このナノファイバー集合体からなる織編物は、風合いや外観が変化しやすいという問題があった。
例えば、ナノファイバーの集合体からなる織編物は、手でしごいたりたたんだりした時、非常にシワになりやすいという問題があった。更に、濡れた状態で力が加わるとナノファイバー集合体は容易に伸び、変形しやすく、形態安定性に問題があった。また、染色堅牢度も低く、濃色に染色すると衣料用として必要な洗濯堅牢性が得にくいという問題もあった。
特開2004−162244号公報(p1〜p10)
本発明は、衣料用に最適なナノファイバーからなる織編物を提供するものである。
数平均による単繊維直径が1nm以上500nm以下である熱可塑性ポリマーからなるナノファイバーが凝集した繊維状凝集体および、乾燥重量でナノファイバーの1重量%以上50重量%以下の樹脂を含んでなることを特徴とする織編物によって達成される。
さらに上記目的は、樹脂が、ナノファイバーからなる繊維状凝集体内部の繊維間隙に存在すること、また、繊維状凝集体が、直径10μm以上1000μm以下の太さの繊維状であること、あるいはまた、熱可塑性ポリマーがポリアミドであることにより達成される。
また、上記目的は、ナノファイバーからなる繊維状凝集体と樹脂を含む染色された織編物が、JIS L0844「洗濯に対する染色堅ろう度試験方法」A−2法(1970年制定)に規定される変退色、汚染、色落ちが3級以上であることで達成される。
その製造方法は、ナノファイバーからなる繊維状凝集体を含む織編物に、モノマーまたはポリマーの水溶液あるいは水分散型エマルジョン液を付与し加熱する製造方法により達成される。さらに、繊維状凝集体を染色後に樹脂加工を行うこと、樹脂がメラミン系樹脂であること、および、樹脂の架橋方法が湿熱処理であること、また、反応染料により染色することにより達成される。
本発明のナノファイバー織編物により、衣料用にも展開可能な耐久性を有する新規な風合いのファブリックを得ることが出来る。
本発明で言う熱可塑性ポリマーとしては、ポリエステルやポリアミド、ポリオレフィン等が挙げられる。また、ポリマーの融点は165℃以上であるとナノファイバーの耐熱性が良好であり好ましい。例えば、ポリ乳酸(PLA)は170℃、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)およびポリブチレンテレフタレート(PBT)は225℃、ポリエチレンテレフタレート(PET)は255℃、ナイロン6(N6)は220℃である。また、ポリマーには粒子、難燃剤、帯電防止剤等の添加物を含有させていても良い。またポリマーの性質を損なわない範囲で他の成分が共重合されていても良い。
本発明で言うナノファイバーとは、単繊維直径が1nm以上1000nm未満の繊維のことを言うものであり、さらに数平均による単繊維直径が1nm以上500nm以下であることが重要である。
ここで、数平均による単繊維直径は以下のようにして求めることができる。すなわち、単繊維束の横断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察し、同一横断面内で無作為抽出した300本以上の単繊維の円相当直径で測定し、これらを単純に平均することで求めることができる。
本発明で用いるナノファイバーの製造方法は特に限定されるものではないが、例えば特開2004−162244号公報に記載の方法を採用することができる。
すなわち、2種類以上の溶剤に対する溶解性の異なるポリマーをアロイ化したポリマーアロイ溶融体となし、これを紡糸した後、冷却固化して繊維化する。そして必要に応じて延伸・熱処理を施しポリマーアロイ繊維を得る。その後、海成分である易溶解性ポリマーを溶剤で除去し、難溶解性ポリマーを残すことにより本発明で用いるナノファイバーを得ることができるのであるが、その際、溶剤としては水溶液系のものを用いることが環境負荷を低減する観点から好ましい。具体的にはアルカリ水溶液や熱水を用いることが好ましい。このため、易溶解ポリマーとしては、ポリエステルやポリカーボネート(PC)等のアルカリ加水分解されるポリマーやポリアルキレングリコールやポリビニルアルコールおよびそれらの誘導体等の熱水可溶性ポリマーが好ましい。
さらに、アルカリ水溶液や熱水を用いて易溶解ポリマーを除去する際、または除去した後に、水を水流となしてナノファイバーからなる織編物に接触させると、易溶解ポリマーの除去性が高まるだけでなく、ナノファイバーの集合体表面で、ナノファイバー単繊維同士のからみあいが生じ、また、その後、織編物から水が蒸発する際に更に強く凝集した結果、繊維状凝集体になるという効果が得られる。
したがって、易溶解ポリマーの溶解時やその後の水系処理工程においては、液と繊維構造物が共に静止状態にある吊り練りや、パッドスチーム法よりも、液もしくは繊維構造物が移動するジッガーやパドル、さらには、液も繊維構造物も移動し強い力で接触する液流染色機を好ましく用いることが出来る。
ナノファイバー集合体同様、繊維状凝集体からなる織編物は、シワがつきやすく、また洗濯堅牢度が悪いといった問題点があるが、更に、繊維状凝集体からなる織編物に粘着テープを貼り、引き剥がしたり、硬い物体でこするなどの強い外力が加わることで凝集体が割れたりフィブリル化して白化しやすいという問題点もある。水で膨潤した状態では、更に安定性が悪化する。
本発明者らの検討によれば、このような繊維状凝集体となったナノファイバー織編物に樹脂を付与すると、織編物の寸法安定性や防シワ性が付与され、染色堅牢度も向上するうえに、凝集体の割れやフィブリル化による白化も抑えられ、また、通常の織編物に対する樹脂加工のように織編物の風合いが硬化することがなく、元々ナノファイバーの繊維状凝集体が有している特有の風合いや光沢は損なわれないことを見い出し、本発明に至った。
以下、本発明における繊維状凝集体について、説明する。溶融紡糸法からなるナノファイバーは、1次元に配列した集合体となっているが、この集合体は、表面積の大きさおよび繊維同士の親和力により、さらに自己集合しやすい性質を持つ。さらに、織編物となして液流による処理を行うと、集合したナノファイバー束は、単繊維の細さに起因する柔軟さによって配列が乱され絡み合い、さらに強く凝集して、ナノファイバー数百本から数百万本が寄り集まった太い繊維状凝集体となる。この繊維状凝集体を構成するナノファイバーは一本ずつ運動しにくい状態となっていることから、その繊維状凝集体からなる織編物は、凝集しない従来のマイクロファイバーからなる織編物に比べ、更に繊維が細いにも関わらず、特有の張りとコシのある風合いを有し、また、繊維状凝集体表面はナノファイバーによる無数の凹凸で構成されているため、光を乱反射し、美しい落ち着いた光沢を有しているという特徴がある。
本発明においてナノファイバーは繊維状凝集体を形成していることが重要であるが、凝集体を形成するためには、ナノファイバーの数平均による単繊維直径はより小さい方が好ましい。しかし、逆に小さすぎると、ナノファイバーの繊維状凝集体の強度の低下を招く場合がある。ナノファイバーの数平均による単繊維直径は、好ましくは20〜300nm、より好ましくは30〜150nm、さらに好ましくは30〜100nmである。
繊維状凝集体の直径は、織編物表面を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察することにより、測定することが出来る。すなわち、倍率200倍で織編物表面に垂直な方向から織編物表面を観察し、織編物の織り目または編み目中、最も幅のある部分を計測し、10カ所の平均値をとって、繊維状凝集体の平均直径とした。繊維状凝集体が扁平形状、あるいは太細に変化している場合も、織編物表面に垂直方向から観察出来る状態での編み目織り目中最大の幅を直径として測定した。
この繊維状凝集体は、好ましくは10μm以上1000μm以下の直径であることが良い。直径10μm以上であれば、織編物が十分な強度と適度な張りのある風合いになり、また、1000μm以下であれば、織編物としての柔軟な風合いが良好である。
好ましくは、50μm以上500μm以下であれば、天然の麻に似た、美しい光沢と張りコシのある織編物とすることが出来る。一例として、ナノファイバーの繊維状凝集体からなる織物表面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図1に示す。
このナノファイバーが繊維状凝集体を形成する力はナノファイバーを構成する熱可塑性ポリマーによって異なるが、水素結合によって強い凝集力を持つことから、アミド結合を有するポリアミドが好ましく用いられる。
さらに繊維状凝集体は、布帛表面に長径が並行な状態に変形した、扁平糸状であることが好ましい。これは、ナノファイバーからなる繊維状凝集体が、水で膨潤し、水流でもまれ、さらに乾燥していく過程で、織編物表面に並行してフラットになる方向に変形していくためと考えられる。このために、高次加工工程で水系処理を経たナノファイバー織編物は、よりなめらかな風合いで、上品な光沢を有する。
本発明において、ナノファイバーの繊維状凝集体からなる織編物に含まれる樹脂とは、天然高分子、または合成高分子であって、重合、架橋、不溶化などの手段により、織編物中で容易に水に溶解しない状態となるものを言う。成分としては特に限定されるものではなく、PVA、ポリアクリルアミドのような水溶性高分子、メラミン樹脂、尿素樹脂等のアミノ樹脂、酢酸ビニル、アクリル樹脂エマルジョン、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等を用いることが出来る。
ナノファイバーに対する樹脂の含有量は、樹脂の溶媒を除去した後の固形分による乾燥重量で1重量%以上50重量%以下である必要がある。1重量%以上であればナノファイバー凝集体の安定性を向上させる効果があり、50重量%以下であれば織編物としての柔軟性を保持することが出来る。更に好ましくは、3重量%以上40重量%以下であれば、ナノファイバー凝集体のなめらかな表面感と軽さが保持される。更に好ましくは3重量%以上15重量%以下であれば、ナノファイバー凝集体の張りコシのある風合いとふんわりしたしなやかさが両立した、高級衣料用途に好ましいテキスタイルを得ることが出来る。
これらの樹脂を通常の太さの繊維やマイクロファイバーからなる織編物に付与すると、織編物を構成する繊維同士が接着され経緯糸の交錯点が強く固定されたり、繊維間で固形化した樹脂のサイズが大きいため、樹脂自体の硬さが強く現れるようになり、風合いが硬化することが多い。しかし、本発明の場合、樹脂を付与してもあまり風合いが硬化しないのは、ナノファイバー織編物の張りコシが、元々繊維同士が貼り付いた繊維状凝集体となっていることによって生じている風合いであることと、樹脂が凝集体内部の微細な繊維間隙に存在し、樹脂サイズが小さく分散化されているために、織編物としての風合いが大きく変化することがなく、その柔軟性や品位が悪化し難いという利点につながるのではないかと考えられる。
樹脂の付与方法としては、特に限定されないが、ナノファイバー凝集体への均一付与と繊維間隙への浸透、および工程上の取り扱い性の観点から、水系処理であることが好ましいため、樹脂を形成するモノマーまたはポリマーと架橋剤等の組成物は水溶性または水分散性エマルジョンのものを用いて付与し、加熱することが好ましい。
付与工程としては、織編物を樹脂組成物の水系処理液に浸漬し、ロールで絞った後、加熱乾燥する方法、織編物と処理液が十分接触するよう揺動または流動させて、吸着させる浴中吸尽法などがある。
その後の加熱方法としては、乾熱処理や湿熱処理を使用する樹脂に合わせて適宜選択することが出来る。湿熱処理であれば、ナノファイバー凝集体が水分による膨潤でややふくらんだ状態で樹脂固定出来るため、乾熱処理に比べ、よりやわらかい風合いを得やすい。
更に好ましくは、メラミン系樹脂の湿熱処理であれば、メラミン化合物はナノファイバー凝集体内部に浸透し、その後縮合して樹脂となることによって被膜化し、より風合いが好ましいとともに、耐久性も良好なものが得られる。メラミン系化合物としては、トリメチロールメラミン、メチル化トリメチルメラミンや、エチレン尿素共縮合化合物、ジメチロール尿素共縮合化合物、ジメチロールチオ尿素共縮合化合物などが上げられる。また、メラミン系化合物を樹脂化させる触媒としては、蟻酸、酢酸をはじめとする各種有機カルボン酸およびその塩、硫酸、過硫酸、塩酸、燐酸、硝酸などの無機塩などが挙げられる。
本発明のナノファイバー凝集体からなる織編物は、染色を行った後に上述の樹脂加工を行うことで、織編物の洗濯堅牢度が向上するという効果が得られる特長がある。これは、表面積が非常に大きいために本来堅牢度が悪いナノファイバーが、繊維状凝集体となって見かけ表面積が小さくなり、その凝集体形態が樹脂によって安定化することで、染料の水への溶出を低減出来るためと考えられる。
染色方法は特に限定されず、通常用いられる浸染や捺染方法を用いることが出来る。
染料はナノファイバーの組成に応じて、適切な染料を用いれば良いが、特にナイロンナノファイバーの場合、反応染料を用いると、鮮明性と洗濯堅牢度が良好となり好ましい。
本発明によるナノファイバーの繊維状凝集体と樹脂を含んでなる織編物は、JIS L0844「洗濯に対する染色堅ろう度試験方法」(1970年制定)A−2法において、変退色、汚染、色落ちが3級以上であることによって、一般衣料用とへの展開が容易であり、適用範囲が広がるため好ましい。
ナノファイバーからなる繊維状凝集体を含有する織編物は、その構造は特に限定されないが、平織、綾織、繻子織や、タテ編み、ヨコ編みなど、用途に合わせて多様な形態を採ることができる。例えば、ある程度のストレッチ性や布帛としての形状追従性を付与するためには編物とすることが好ましく、寸法安定性を向上させるためには織物とすることが好ましい。
また、織編物には形態安定性や嵩高性、強力等の物性を確保するため、ナノファイバー以外に単繊維直径が2〜50μmの繊維が混用されていても良い。このような混用品中のナノファイバーの存在形態は、混繊、カバリング、合撚、混綿など多様な形態を採ることができる。特に、混綿の時には、混用する繊維は単繊維直径が1μmより大きく7μm以下であるマイクロファイバーとすることが、ナノファイバーとの馴染みの点から好ましい。混用される素材についても、特に限定されるものではなく、綿、ウール、絹、麻などの天然素材や、ポリエスエル、ポリアミド、ポリオレフィンなどの合成繊維、レーヨンやアセテートなどの化学繊維など、目的に応じて任意に用いることが出来る。
本発明のナノファイバーの繊維状凝集体を含有する織編物は、その独特の風合いや光沢によるファッション性や、吸着力、吸水性といった機能性を生かして、シャツやコート、インナー、スポーツウエアを含む衣料製品や、マットや壁紙、家具といったインテリア製品、あるいは玩具やワイピングクロスなどの生活資材にも好適である。
以下、本発明を、実施例を用いて詳細に説明する。なお、実施例中の測定方法は以下の方法を用いた。
A.ナノファイバーの数平均による直径
単繊維の数平均直径値は以下のようにして求める。すなわち、TEMによる4万倍の繊維横断面写真を画像処理ソフト(WINROOF)を用いて単繊維の面積から直径を計算し、それの単純な平均値を求めた。これを「数平均による単繊維直径」とした。この時、平均に用いるナノファイバー数は同一横断面内で無作為抽出した300本以上とし、計算した。
B.ナノファイバー凝集体の平均直径
倍率200倍のSEMによる、織編物に垂直な方向からの表面写真から、ナノファイバーの繊維状凝集体の太さを織編物1ユニット(織り目、編み目)の中で最も太い部分を計測し、10カ所の平均値をとって、平均直径とした。
C.織編物の白化しやすさ
日東電工(株)社製 セロハンテープNo.29(幅15mm)を3cmカットし、対象の織編物に貼付した後、500gの加重をかけて5分間放置した。その後、セロハンテープを剥がし、剥がした痕を目視により変退色のグレースケールを用いて級判定した。3級以上を合格とする。
D.織編物のシワ
シワの状態を10人の被験者の目視により5段階で判定した。(5:シワがほとんどない、3:ややシワがある、1:非常にシワがある)3級以上を合格とする。
E.洗濯に対する染色堅ろう度試験方法
JIS L0844「洗濯に対する染色堅ろう度試験方法」(1970年制定) A−2法に従って、洗濯堅牢度を評価した。3級以上を合格とする。
実施例1および比較例1
溶融粘度57Pa・s(240℃、剪断速度2432sec-1)のN6と重量平均分子量12万、溶融粘度30Pa・s(240℃、2432sec-1)、融点170℃のPLAを用い、N6のブレンド率を40重量%、PLAのブレンド率を60重量%とし、混練温度を220℃として下記条件で溶融混練し、ポリマーアロイチップを得た。なお、PLAの重量平均分子量は以下のようにして求めた。試料のクロロホルム溶液にTHF(テトロヒドロフラン)を混合し測定溶液とした。これをWaters社製ゲルパーミテーションクロマトグラフィー(GPC)Waters2690を用いて25℃で測定し、ポリスチレン換算で重量平均分子量を求めた。このときの混練条件は以下のとおりであった。使用したポリマー及び混練の条件を表1にまとめる。
スクリュー型式:同方向完全噛合型 2条ネジ
スクリュー :直径37mm、有効長さ1670mm、L/D=45.1
混練部長さはスクリュー有効長さの28%
混練部はスクリュー有効長さの1/3より吐出側に位置させた。
途中3個所のバックフロー部有り
ポリマー供給 :ナイロン6と共重合PETを別々に計量し、別々に混練機に供給した。
設定温度 :220℃
ベント :2個所
このポリマーアロイチップを溶融温度230℃で融解し、紡糸温度230℃のスピンブロックに導いた。そして、限界濾過径15μmの金属不織布でポリマーアロイ溶融体を濾過した後、口金面温度215℃とした口金から溶融紡糸した。口金下面から冷却開始点までの距離は10cmであった。吐出された糸条は20℃の冷却風で1mにわたって冷却固化され、口金から1.8m下方に設置した給油ガイドで給油された後、非加熱の第1引き取りローラーおよび第2引き取りローラーを介して3000m/分で巻き取られた。この時、口金として口金孔径0.30mm、孔長0.75mmの通常の紡糸口金を使用したが、バラス現象はほとんど観察されず、紡糸性は良好であり、1tの紡糸で糸切れは0回であった。これにより、100dtex、36フィラメントの高配向未延伸糸を得たが、これの強度は2.2cN/dtex、伸度110%、U%=1.1%と高配向未延伸糸として極めて優れたものであった。
この高配向未延伸糸を予熱ローラー(1HR)温度90℃、延伸倍率1.44倍、熱セットローラー(2HR)温度130℃として延伸熱処理した。得られた延伸糸は70dtex、36フィラメントであり、強度2.6cN/dtex、伸度43%、沸騰水収縮率9%、U%=0.9%の優れた特性を示した。
得られたポリマーアロイ繊維の横断面をTEMで観察したところ、PLAが海、N6が島の海島構造を示し、島N6の数平均による直径は95nm(単繊維径のCV値は25%)であり、N6がナノサイズで均一分散化したポリマーアロイ繊維が得られた。
ここで得られたポリマーアロイ繊維を用いて丸編みを作製し、これを3%の水酸化ナトリウム水溶液(90℃、浴比1:100)に2時間浸漬することでポリマーアロイ繊維中のPLAの99%以上を加水分解除去した。この結果得られた、N6単独糸からなる丸編みは、海ポリマーであるPLAが除去されたにもかかわらず、マクロに見るとあたかも長繊維や紡績糸のように連続しており、丸編み形状を保っていた。そして、この丸編みは通常のN6繊維からなる丸編みとは全く異なり、ナイロン特有の「ヌメリ感」が無く、逆に絹のような光沢や高級麻のような張りコシを有する物であった。これによりナノファイバーの繊維状凝集体を得たが、この凝集体の横断面をTEMにより観察した結果、ナノファイバーの数平均による単糸直径は95nm(単繊維径のCV値は25%)と従来にない細さであった。
また、このN6ナノファイバーの繊維状凝集体からなる糸は、強度2.4cN/dtex、伸度20%であった。さらに140℃乾熱収縮率は3%であった。
主な紡糸条件を表2に、延伸糸および海ポリマー(PLA)を除去した後の糸の物性を表3にまとめる。
上記のナノファイバー前駆体であるポリマーアロイ繊維を2本合糸し、経緯に用いて、平織物を作成した。この平織物を、液流染色機を用いて、3%の水酸化ナトリウム水溶液で90℃60分間処理し、海ポリマーであるPLAを除去することで、N6のナノファイバーからなる平織物を得た。
(1)このナノファイバー平織物に、次の処方で染色を行った。
a.ERIOFAST Blue 3R
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製 反応染料) 10%owf
アルベガールB (同上 均染剤)2%owf
酢酸(液をpH4に調整する)
浴比 1:50
液流染色機を用いて、75℃まで1℃/分で昇温し、20分キープする。
塩化カルシウム10%owf相当を添加し、98℃40分キープする。
80℃まで降温し、排液する。
b.ERIOFAST FIX 5%owf、
水酸化ナトリウム(液をpH11に調整する)で90℃20分
フィックス処理する。
c.炭酸ナトリウム1g/l液で90℃20分洗浄する。
乾燥する。
得られた織物は美しいブルーに染色されていた。
(2)また、染色後、洗浄乾燥上がりの織物について、下記のメラニン樹脂加工を行った。
ベッカミンM−3 100g/l
(大日本インキ化学工業(株)社製メチル化トリメチロールメラミン樹脂)
キャタリストACX 10g/l
(同上 有機アミン塩触媒水溶液)
パッド、スチーム110℃5分処理
樹脂加工後、ソーピング、乾燥した。この織物を実施例1とする。樹脂加工前後での重量変化から計算した樹脂の付与量は、ナノファイバー重量に対して、8重量%であった。
また、染色乾燥後メラミン樹脂加工なしの織物を、比較例1とする。

得られた織物の風合いは、どちらも厚みがない薄地でありながら張りコシがあり、織物表面は非常になめらかな感触で、従来にない美しい光沢を有するものであった。実施例1の方が、更に若干張りコシに優れた風合いであった。
この織物の表面を倍率200倍のSEMで観察した結果、どちらもナノファイバーが寄り集まった繊維状の凝集体構造になっており、その直径は実施例1が平均160μm、比較例1が平均140μmであった。実施例1の繊維状凝集体には経緯糸の交点を接着する状態の樹脂が見あたらず、比較例1と見かけ変わらない状態であったが、倍率を5000倍以上に上げると、実施例1にはナノファイバー間隙に、樹脂が付着しているのが観察された。
織編物の白化しやすさを評価したところ、比較例1に比べ、実施例1は白化しにくくなっており、白化試験していない部分との変退色判定の結果は、実施例1の織物は3−4級、比較例1の織物は2−3級レベルであった。
また、織編物のシワ状態を10人の被験者の目視により5段階で判定したところ、実施例1は4級、比較例1は2級であった。
洗濯堅牢度は、実施例1が変退色、汚染、色落ちの順に4、4−5、3−4級、比較例1が3−4、4−5、2級であり、比較例1は衣料用テキスタイルとして用いるのはやや困難であるが、実施例1は衣料用として使用可能な耐久性が得られていた。結果を表4に示した。
実施例2および比較例2
表1に示すようにN6のブレンド率を20%とした以外は実施例1と同様に混練を行い、表2に示す条件にて溶融紡糸を行った。得られた繊維の物性を表3に示す。このポリマーアロイ繊維を用いて丸編みを作成し、実施例1同様にPLAの脱海を行った結果、ナノファイバー凝集体からなる丸編物が得られた。この編物の表面をSEMで観察した結果、ナノファイバーが寄り集まった繊維状の凝集体構造の直径は平均50μmであった。
このナノファイバー丸編物を、下記条件で染色した。
Realan Blue RC 10%owf(ダイスター社製 反応染料)
アルベガールB (同上 均染剤)2%owf
酢酸/酢酸ナトリウムpH緩衝液(pH5に調製する。)
浴比 1:50
液流染色機を用いて、98℃まで1℃/分で昇温し、40分キープする。
水洗後、炭酸ナトリウム1g/l液で80℃20分洗浄、乾燥する。
得られたナノファイバー丸編物は青に着色されており、均一で斑のない状態であった。
この編物の表面をSEMで観察した結果、ナノファイバー繊維状凝集体の直径は平均50μmであった。
この丸編物に、下記条件で樹脂加工を行った。
ファインテックスA−1 6重量%液
(大日本インキ化学工業(株)社製 アクリルアミド樹脂)
パッド後、120℃テンター1分乾燥し、さらに140℃テンター2分キュアを行う。
樹脂加工後の編物を実施例2、また、樹脂加工していない編物を比較例2とした。樹脂加工前後の重量変化から計算した樹脂の付着量は、ナノファイバーに対して、2重量%であった。
編物は、実施例2、比較例2共に非常に薄く軽いものであり、やや強度に欠けるが、薄手である割に張りがあり、なめらかな光沢を有していた。
SEMで観察したところ、実施例2にはナノファイバー間隙に、樹脂が付着しているのが観察されたが、繊維状凝集体の外側には樹脂はあまり観察されなかった。
編物の白化しやすさを評価したところ、比較例2に比べ、実施例2は白化しにくく変退色判定の結果は、実施例2は4級、比較例2の織物は2−3級レベルであった。
また、編物のシワ状態を10人の被験者の目視により5段階で判定したところ、実施例2は4級、比較例2は3級であった。
洗濯堅牢度は、実施例2が変退色、汚染、色落ちの順に4−5、4−5、3−4級で実用上問題ない堅牢度を有していた。比較例2は2−3、4−5、2−3級で、変退色と色落ちが著しく、衣料用として実用するのは困難なレベルであった。結果を表4に示した。
比較例3、4
実施例1で用いているのと同じN6をチップに用いて、溶融紡糸機による直接紡糸により、100dtex12フィラメントのN6マルチフィラメントを作成した。紡糸条件を表2に、得られた繊維の物性を表3に示す。この糸を丸編みしたものの表面をSEM観察した結果、12フィラメントはそれぞれ独立した状態で直径は3万nmあった。編物の風合いは、実施例2とは異なりありふれたニットで、特徴的なソフト感や光沢は感じられなかった。
この編物を用いて、実施例2と同様の染色および樹脂加工を行い、染色乾燥あがりを比較例3、樹脂加工上がりを比較例4とした。樹脂は本来独立した自由度を持つフィラメント同士を部分的に接着してしまうため、比較例3と比較例4を比べると、実施例2と比較例2の風合いの差異に比べ、樹脂加工前後の風合いの変化が著しく、比較例4はぱりぱりした風合いになっていた。
白化および洗濯堅牢度は比較例3,4共に問題ないレベルであった。
実施例3
表1に示す条件でPBTと分子量22万のPLAを溶融混練し、ポリマーアロイペレットを得た。なお、スクリュー構成は実施例1と同様な構成のものを使用した。
これを表2に示す条件で溶融紡糸を行った。紡糸性は良好であり、24時間の連続紡糸で糸切れは1回であった。得られた繊維の物性を表3に示す。
このポリマーアロイ繊維を、経緯に用いて、実施例1と同様の平織物を作成した。
この平織物を、下記条件で処理した。
まず130℃で熱水処理を40分間行い、その後、3重量%、90℃の水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ処理を30分間行なって、易溶解性ポリマーであるPLAを除去し、ナノファイバーからなる織物を得た。
このPBTナノファイバー織物を用いて、下記条件で染色を行った。
Dianix S Blue S−2R 10%owf
酢酸/酢酸ナトリウムpH緩衝液(pH5に調製する。)
浴比 1:50
液流染色機を用いて、130℃まで1℃/分で昇温し、40分キープする。
水洗後、還元洗浄を行い乾燥した。
得られたナノファイバー平織物は青に着色されており、均一で斑のない状態であった。
この織物の表面をSEMで観察した結果、PBTは、ナイロンよりはやや凝集性が低く、繊維間の密着性が劣るものの、経緯糸ともに繊維状凝集体となっており、その凝集体の直径は、200μm程度であった。
この着色織物の風合いは、非常になめらかで、張りコシも感じられるもので、かつN6ナノファイバー織物より若干ふくらみがある風合いであった。
この織物に実施例1と同様の樹脂加工を行なった。
樹脂加工前後で、織物の風合いはやや張りが強くなったものの、硬さはなかった。
白化しやすさを評価したところ3−4級で、特に目立つ状態ではなかった。
また、織編物のシワ状態を10人の被験者の目視により5段階で判定したところ、4級で特に強いシワ感は感じられなかった。
洗濯堅牢度は、変退色、4−5、4−5、4級で、衣料用として合格出来るレベルであった。結果を表4に示した。
比較例5,6
実施例1と同じN6を島成分とし、共重合ポリスチレンを海成分として成分比40/60で海島型口金を用いて表2に示す条件にて複合紡糸し、島数16、複合繊度3.8dtex、島成分繊度0.09dtexの複合繊維を作成した。得られた繊維の物性を表3に示す。これを、実施例2と同様の丸編物とし、海ポリマーであるポリスチレンをトリクレンにより溶解除去することで、数平均による直径が3100nmのN6のマイクロファイバーからなる編物を得た。SEM観察すると、編物はマイクロファイバーで構成されているが、マイクロファイバーは凝集しておらず、一本々々の繊維が独立した状態であった。風合いは非常にソフトであったが、張りやコシがなく、くたっとした風合いであった。また、表面感も光沢がなく、マットでやや面白みにかけるものであった。
この編物に実施例2同様の染色および樹脂加工を行った。樹脂加工前を比較例5、樹脂加工後を比較例6とする。
樹脂加工すると元々独立して自由度の高いフィラメント同士が部分的に接着されることによって、編物は樹脂加工によりかなり風合いが変わり、比較例6は硬さが感じられるものであった。白化しやすさを評価したところ比較例5は4級で特に目立つ状態ではなかったが、比較例6は逆に3級で、樹脂が剥がれたことによる白化がやや発生した。洗濯堅ろう度については特に問題ないレベルであった。
実施例4
表1に示すように実施例1と同じポリマーを用いて同条件で混練を行い、更に表2に示すように、紡糸温度を上げ、口金径や紡糸速度も変えて溶融紡糸を行った。得られた繊維の物性を表3に示す。このポリマーアロイ繊維を、経緯に用いて、実施例1と同様の平織物を作成した。実施例1同様にPLAの脱海を行った結果、ナノファイバー凝集体からなる平織物が得られた。この平織物を構成するナノファイバーの単糸直径の数平均は250nmであり、ナノファイバーからなる凝集体の平均直径は250μmであった。この平織物に、実施例1同様の染色を行った後、下記の条件で樹脂加工を行った。
ベッカミンM−3 200g/l
(大日本インキ化学工業(株)社製メチル化トリメチロールメラミン樹脂)
キャタリストACX 20g/l
(同上 有機アミン塩触媒水溶液)
パッド、スチーム110℃5分処理
樹脂加工後、ソーピング、乾燥した。この織物を実施例1とする。樹脂加工前後での重量変化から計算した樹脂の付与量は、ナノファイバー重量に対して、15重量%であった。
得られた織物の風合いは、張りコシがあるうえに、実施例1よりふくらんだピーチタッチの風合いも感じられ、美しい光沢を有するものであった。
織物の白化しやすさを評価したところ、4級であった。
また、織編物のシワ状態を10人の被験者の目視により5段階で判定したところ、4級であった。
洗濯堅牢度は、変退色、汚染、色落ちの順に4、4−5、3−4級で、衣料用として使用可能な耐久性が得られていた。結果を表4に示した。
実施例5
表1に示すように実施例2と同じポリマーを用いて同条件で混練を行い、更に表2に示す条件で溶融紡糸を行い、延伸した。得られた繊維の物性を表3に示す。このポリマーアロイ繊維を、経緯に用いて、実施例1と同様の平織物を作成した。実施例1同様にPLAの脱海を行った結果、ナノファイバー凝集体からなる平織物が得られた。この平織物を構成するナノファイバーの単糸直径の数平均は57nmであり、ナノファイバーからなる凝集体の平均直径は150μmであった。この平織物に、実施例1同様の染色を行った後、下記の条件で樹脂加工を行った。
エバファノールAP−12 70重量%水溶液
(日華化学製、水分散型ポリエーテル系ポリウレタン 固形分40%)
絞り率110%でパディング付与後、ピンテンターにより110℃で2分間乾熱乾燥、キュアリングを160℃で1分間行った。
得られた織物の風合いは、張りコシがあるうえに、表面が平滑で、人工皮革調のなめらかさと美しい光沢を有するものであった。
織物の白化しやすさを評価したところ、4−5級であった。
また、織編物のシワ状態を10人の被験者の目視により5段階で判定したところ、4級であった。
洗濯堅牢度は、変退色、汚染、色落ちの順に4、4−5、4級で、衣料用として使用可能な耐久性が得られていた。結果を表4に示した。
ナノファイバー繊維状凝集体の状態を示す写真 単糸繊度100nmのナノファイバーの凝集体からなるタフタ表面を、SEMで倍率200倍で撮影した。

Claims (10)

  1. 数平均による単繊維直径が1nm以上500nm以下である熱可塑性ポリマーからなるナノファイバーが凝集した繊維状凝集体および、乾燥重量でナノファイバーの1重量%以上50重量%以下の樹脂を含んでなることを特徴とする織編物。
  2. 樹脂が、ナノファイバーからなる繊維状凝集体内部の繊維間隙に存在することを特徴とする請求項1記載の織編物。
  3. ナノファイバーからなる繊維状凝集体が、直径10μm以上1000μm以下の繊維状であることを特徴とする請求項1または2記載の織編物。
  4. 熱可塑性ポリマーがポリアミドであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の織編物。
  5. 数平均による単繊維直径が1nm以上500nm以下である熱可塑性ポリマーからなるナノファイバーが凝集した繊維状凝集体、および樹脂を含んでなる染色された織編物であって、JIS L0844「洗濯に対する染色堅ろう度試験方法」(1970年制定)A−2法に規定される変退色、汚染、色落ちのいずれもが3級以上であることを特徴とする織編物。
  6. 繊維状凝集体に、モノマーまたはポリマーの水溶液あるいは水分散型エマルジョン液を付与し加熱することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の織編物の製造方法。
  7. ナノファイバー凝集体を染色後に樹脂加工を行うことを特徴とする請求項5または6のいずれか1項に記載の織編物の製造方法。
  8. 樹脂がメラミン系樹脂であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の織編物の製造方法。
  9. 樹脂湿熱処理による架橋であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の織編物の製造方法。
  10. 反応染料を用いて染色することを特徴とする請求項5〜9のいずれか1項に記載の織編物の製造方法。
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