JP2007301849A - 印刷機械 - Google Patents

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Minoru Yokoyama
横山  稔
Yasunori Masuda
泰紀 増田
Kazuma Yoshimoto
一馬 吉本
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Abstract

【課題】精密位置決めが不要な版交換用密着ローラを有する印刷機械を提供すること。
【解決手段】新旧版交換補助ローラ23が版胴32に巻き付いている旧版33に接して、ある程度押圧する角度を予め計っておき、その角度θ1だけリンク機構を用いて版交換装置を回動させる。その状態になったとき、版胴32の万力の版尻側のチャック34を外す。チャック34から外れた旧版33は、下部から新旧版交換補助ローラ23に支えられ、版交換装置Cの旧版受け入れ口36に版の自重と剛性により入る。この後、版胴32を時計回りに回動すると、旧版33は、版交換装置Cの内部に挿入され、ガイドの役割を果たす内部ローラによって挟まれ、持ち上げられる。これで旧版の引き上げが完了する。
【選択図】 図8

Description

本発明は、印刷機械に関し、さらに詳細には、保護カバーに内蔵される版交換装置に付設される新旧版交換補助ローラを有する印刷機械に関するものである。
従来、印刷機械の版を供給する装置では、版を版胴に密着させるローラが版胴近傍に設けられていた(たとえば、特許文献1)。
特開平08−238750号公報
しかしながら、版を密着させる密着ローラの版胴に対する位置決めは厳密にしなければならず、別個に位置決め手段が必要であった。また、当該密着ローラは、版胴等のメンテナンス時に煩わしい位置に配置され、版胴に対するメンテナンス性も低かった。
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、版を密着させるローラの厳密な位置決めが不要となり、メンテナンス性も高い版交換装置を有する印刷機械を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、この発明による印刷機械は、保護カバーに内蔵されると共に、旧版の排出と新版の挿入とを前記保護カバーに対してそれぞれ一定角度回動することによって行う版交換装置と、前記版交換装置の末端で版胴側に回動付勢されて付設されると共に、前記旧版の排出と新版の挿入の際に版胴に巻き付けられた版を押圧する新旧版交換補助ローラと、を有するようにしたものである。
新旧版交換補助ローラは、旧版の排出時に、版胴に巻き付けら得た旧版を押圧し、当該旧版が版交換装置の受け入れ口にスムーズに入っていくようにサポートする役目を果たす。また、当該新旧版交換補助ローラは、新版の挿入時に、版胴に版を押圧し、密着させる役目を果たす。版胴に版を押圧していけば、新版の挿入時の最終段階である版胴のチャック閉じの際にも、版を版胴に密着させる役目も果たすようになる。したがって、新旧版交換補助ローラは、1つのローラで上記3つの役目を果たす。
版交換装置は排版位置と新版挿入位置に一定角度回動する為、版交換装置に取付けられている新旧版交換補助ローラも移動する必要があるが、版交換装置に対して新旧版交換補助ローラも版胴側に回動付勢されることにより、版胴に対してほぼ同じ位置を保持し、上記3つの役目を果たす。
また、つぎの発明による印刷機械は、前記印刷機械において、前記新旧版交換補助ローラは、当該ローラが回転自在に付設されるロッドの回動軸がスプロケットになっており、当該スプロケットを牽引する牽引手段により版胴側に回動付勢されるようにしたものである。
例えば、前記版交換装置側の根本に付設されるばねで当該スプロケットに巻き付く引張り材を引張るなどのシンプルな牽引手段で回動付勢することにより、版交換装置自体の回動位置が若干ずれても、版胴に巻き付いている版のほぼ同じ位置を押圧できる。また、ロッドの長さ、回動付勢の大きさを調整すれば、版に理想的となる直角方向で押圧でき、版に余計な方向の力を与えなくて済む。これにより、理想的な排版補助、巻き付け補助が可能となる。
つぎの発明による印刷機械は、前記印刷機械において、前記版交換装置を回動させる駆動力を付与するアクチュエータと、前記アクチュエータの駆動力を、上記新旧版交換補助ローラの回動付勢に伴う版の押圧方向に交差する方向に作用するよう規制する方向調整機構を内包するリンク機構と、を有するようにしたものである。
方向調整機構によりアクチュエータの駆動方向を規制することにより、アクチュエータに作用する押圧に伴う力を軽減することができる。
以上説明したように、この発明に係る印刷機械によれば、新旧版交換補助ローラが版交換装置末端に付設され、新旧版交換補助ローラの厳密な位置決めが不要となる。また、新旧版交換補助ローラが版交換装置末端に付設されるから、版胴近くの作業が容易となり、メンテナンス性も非常に高い版交換装置を有する印刷機械を提供することができる。さらに、当該印刷機械が有する新旧版交換補助ローラは、その名の通り、新版の版胴への巻き付け、チャック閉めまでの押圧のみならず、旧版の取り込みにも役立つものとなる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものが含まれるものとする。
図1は、本発明に係る印刷機械全体を示す外観図である。一般に、印刷機械1は、カラー印刷する紙を給紙する給紙部6、シアン、マゼンダ、イエロー、ブラック等の単色を重ねて印刷していく印刷ユニット2、3、4、5、および印刷した紙を排紙する排紙部7とから構成される。印刷ユニット2、3、4、5は、それぞれ内部に版胴、圧胴等、印刷に要するローラ類が設けられる。これらのローラ類は、保護カバー8で覆われる。
図2は、保護カバーを示す外観正面図である。保護カバー8は、大きく分けて、上部13、中部14、下部15との3部材に別れ、それらが印刷ユニットの躯体となるフレーム16に連結して構成される。
図3は、保護カバー内における版交換装置の配置を示す説明図である。保護カバー8を構成する上部13、中部14、下部15のうち、上部13は版交換装置となっている。版交換装置として機能するよう、上部13には、上端部に旧版引き上げ用(排出用)スロット21、および新版挿入用スロット22が設けられる。
また、上部13は版交換装置として機能するべく、回動軸20を中心として保護カバー8の中部14、下部15に対して回動して一定角度傾くようになっており、版胴に巻き付いている版に当該装置末端に付設される新旧版交換補助ローラ23を押圧して、旧版の取り込みを容易にする。他方、上部13は、版を交換しないとき、保護カバーの上部構造体として機能する。ここで、本実施形態では、フレーム16が、図2に示した保護カバーの上下開閉駆動部を覆うカバー11、12の内側に配設される構成を採用している。
また、当該新旧版交換補助ローラ23は、版胴に新版を密着させながら巻き付かせる役目を果たす。また、新版挿入の最終段階である万力のチャック閉めの際に当該チャックに版を押圧しておく役目も果たす。なお、当該版交換装置は、版を交換しないとき、保護カバーの上部13として内蔵された状態となる。
図4は、操作側から見た版交換装置を示す斜視図である。同図は、保護カバーの他の部位を省き、版交換装置のみを抜き出して表したものである。本実施例においては、版交換装置を回動駆動するアクチュエータとしてエアシリンダを用いており、このエアシリンダ(図8乃至図11参照)の直動伸縮から適当なリンクが組まれるリンク軸24によって、回動軸20を中心とした所望の回動角度を得ることができる。新旧版交換補助ローラ23は、後に詳述するが、版交換に際して版胴32に押し当てられ、版胴32への版の密着状態を調整する。
続いて、図4に示した回動軸20及びリンク軸24まわりのリンク機構について図11を用いて説明する。同図に示したように、版交換装置として機能する保護カバーの上部13を、回動軸20を中心に揺動させる駆動力はエアシリンダ17により与えられる。ここで、エアシリンダ17は保護カバー8の中部14の外表面に沿うように、より分かり易くはフレーム16の長手方向に沿って当該フレーム16に設けられることになるが、図11においては図中上下方向に設けられる。
ここで、上部カバー13の揺動に伴って新旧版交換補助ローラ23が版胴32に当接するよう制御されるが、この際の当接に伴う反力等によるエアシリンダへの負荷を軽減させるべく、本実施例では、このエアシリンダ17のロッド18の変位方向を規制する方向調整機構を用いる。
具体的には、方向調整機構は、エアシリンダ17と同じように、保護カバーの中部14、下部15の外表面に沿うように、フレーム16の長手方向に沿うように設けられた直動レール19と、エアシリンダ17のロッド18が連結されるリンク部材Lに従動するガイド部材Gとにより構成される。
すなわち、この直動レール19は新旧版交換補助ローラ23に対して版胴32からの反力が作用する方向に交差する方向(本実施例では略直交する方向)に延設される構成であるため、エアシリンダ17に対して加わる反力を極力少ないものとすることができる。例えば、本実施例では、図11において水平方向分力を主として直動レール19が受け、垂直方向分力を主としてエアシリンダ17が受ける構成となる。
また、このような直動レール19に沿ってエアシリンダ17を駆動させることにより、リンク機構によりその駆動方向と交差する方向に版交換装置となる上部13の端部を版胴に向けて移動させる構成となるので、版胴に対し、後述する牽引手段(図6参照)による押圧力がどの程度かかるかをエアシリンダ17の変位量により容易に調整でき、かつ、直動レール19が負荷を分担して支持するのでエアシリンダ17の駆動力よりも大きい押圧力も制御可能となる。加えて、駆動機構に必要とされるスペースを少なくすることができるとともに、ストローク量の調整により容易に版交換装置の傾斜角度を変更することができる。
図5−1は、図4の反対側からみた版交換装置を示す斜視図であり、図5−2はこの版交換装置のガイド部分を上面側から拡大した拡大図である。この図の手前の面が印刷機械の版胴に対して回動し、近寄ることになる。旧版は、新旧版交換補助ローラ23に補助されながら、図中上下方向に並行をなすように延設された複数のガイドG1とガイドG3により案内される。具体的には、ガイドG1に設けられたローラRが旧版の表面に摺接することにより旧版を案内するとともに、ガイドG3が旧版の裏面を案内することにより、最終的に旧版引き上げ(排出)用スロット21から旧版が排出されることになる。
図6は、新旧版交換補助ローラ23周辺の構造を示す側面図である。新旧版交換補助ローラ23は、回動軸29から伸びたロッド28の先端に回転自在に付設される。当該回動軸29は、スプロケット26になっており、上部に固定された牽引手段として機能するばね25に連結される引張り材(ここではチェーン)27によって、図の点線の位置から、実線の位置の方向、つまり版胴側へ付勢されている。したがって、新旧版交換補助ローラ23は、版胴への押しつけ方により、回動軸29の角度が変わり、旧版の取り込み補助、新版の巻き付け補助を担う。
図7は、新版がセットされた状態の保護カバーを示す断面図である。版交換装置Cが回動していない状態では、当該版交換装置Cは、保護カバー8の上部13、中部14、下部15と一体になって保護カバー8に内蔵されている(版交換待機状態)。新旧版交換補助ローラ23も当然に保護カバー8の内部に収まっている。保護カバー8の内側(紙面右側)には、旧版33が巻き付けられている版胴32がある。旧版33は、先端と尻とをそれぞれ万力のチャック35、34で挟まれて巻き付けられている。なお、版交換装置Cの上方には、保護カバー11、12に隣接するように別部材からなるカバー38で本体内部のローラ類を覆っている。
図8は、旧版を取り除く状態の版交換装置を示す断面図である。版交換装置Cは、図3で示したリンク軸24とリンク機構(図示省略)とにより、回動軸20を中心としてθ1だけ回動する。このとき、新旧版交換補助ローラ23は、版胴32に巻き付いている旧版33を押さえにいく。実際は、新旧版交換補助ローラ23が版胴32に巻き付いている旧版33に接して、ある程度押圧する。角度を予め計っておき、その角度θ1だけリンク機構を用いて版交換装置を回動させる。その状態になったとき、版胴32の万力の版尻側のチャック34が外される。
チャック34から外れた旧版33は、下部から新旧版交換補助ローラ23に支えられ、版交換装置Cの旧版受け入れ口36に自然に入る。ここで、自然にとは、版の自重と剛性により、という意味である。この後、版胴32を時計回りに回動すると、旧版33は、版交換装置Cの内部に挿入され、ガイドの役割を果たす内部ローラによって挟まれる。これで旧版の引き上げが完了する。なお、この時点では、新版37は、まだ版交換装置の内部にセットされたままの状態である。
図9は、版交換装置が新版を版胴に巻き付ける様子を示す断面図である。版交換装置Cは、旧版33の引き上げを完了すると、つぎに、新版37の版胴32への巻き付けを行う。このとき、版交換装置Cは、旧版33の引き上げ時よりもさらに回動軸20を中心として回動し、元の待機位置からθ2だけ回動する。新旧版交換補助ローラ23は、この状態になったときに、旧版の引き上げ時よりも強く版胴32に押しつけられる。これは、版胴の万力がある箇所は、円弧面ではなく、凸凹した面であるからである。
新旧版交換補助ローラ23が万力のある箇所に押しつけられると、新版37の先端に刻んである半円形状の切り欠きが、チャック35内側のレジピン(位置決めピン:図示省略)に当てられる。ここで、頭側チャック35は、旧版を排出する際には既に開いた状態とされている。当該切り欠きがレジピンに当てられたら、頭側チャック35が閉じられ、版胴32が反時計回りに回動させられる。このとき、新旧版交換補助ローラ23が、新版37を版胴32に密着させるように強く押圧させることになる。
図10は、新版の版胴への巻き付けが完了した状態を示す断面図である。新旧版交換補助ローラ23が、新版37を版胴32に密着させるように強く押圧させて、尻側のチャック34の位置まできたら、当該チャック34を閉じて、版胴32への新版37の巻き付けが完了する。完了後は、版交換装置Cが、図7の待機位置までθ2だけ回動して戻る。
以上のように、この版交換装置Cは、旧版および新版ともに平らなまま引き上げ、巻き付けのための出し入れを行うので、版に負担をかけることがなく、傷をつけることもないという特徴がある。また、版交換装置C自体に新旧版交換補助ローラ23が付設しているので、版交換装置Cが待機位置まで戻って、保護カバー8を鉛直方向に上げれば、版胴やゴム胴といったローラ類を遮るものがなく、版胴32等を広い範囲で目視することができる。
また、本発明にかかる印刷機械は、版胴を拭く等のメンテナンス時にも余計な構造がないので、至極便利である。さらに、新旧版交換補助ローラ23の版胴32への押し当て荷重は、版交換装置Cの回動角度で決まり、当該角度は、リンクを利用すれば容易に、かつ高精度に制御できるので余計な制御回路や駆動回路が不要となる。また、版交換装置は排版位置と新版挿入位置に一定角度回動する為、版交換装置に取付けられている新旧版交換補助ローラも移動する必要があるが、版交換装置に対して新旧版交換補助ローラも版胴側に回動付勢されることにより、版胴に対してほぼ同じ位置を保持し、1つの当該ローラが旧版の取り込み、新版の密着巻き付け、チャックを閉じるまでの新版押圧という3つの役目を果たす。
以上のように、本発明にかかる印刷機械は、版交換装置を有する印刷機械に有用であり、特に、保護カバーに内蔵されるタイプの版交換装置を有する印刷機械の生産、使用に適している。
本発明に係る印刷機械全体を示す外観図である。 保護カバーを示す外観正面図である。 保護カバー内における版交換装置の配置を示す説明図である。 操作側から見た版交換装置を示す斜視図である。 図4の反対側からみた版交換装置を示す斜視図である。 図5−1の上部を示す部分拡大図である。 新旧版交換補助ローラ周辺の構造を示す側面図である。 新版がセットされた状態の保護カバーを示す断面図である。 旧版を取り除く状態の版交換装置を示す断面図である。 版交換装置が新版を版胴に巻き付ける様子を示す断面図である。 新版の版胴への巻き付けが完了した状態を示す断面図である。 版交換装置のリンク機構を示す断面図である。
符号の説明
1 印刷機械
2 印刷ユニット
6 給紙部
7 排紙部
8 保護カバー
11、12 保護カバーの上下開閉駆動部を覆うカバー
13 上部
14 中部
15 下部
16 上下開閉する保護カバーのフレーム
17 エアシリンダ
18、28 ロッド
19 直動レール
20 回動軸
21、22 スロット
23 新旧版交換補助ローラ
24 リンク軸
25 ばね
26 スプロケット
27 チェーン
32 版胴
33 旧版
34、35 チャック
36 受け入れ口
37 新版
38 カバー
C 版交換装置
G ガイド部材
G1、G3 ガイド
L リンク部材
R ローラ

Claims (3)

  1. 保護カバーに内蔵されると共に、旧版の排出と新版の挿入とを前記保護カバーに対してそれぞれ一定角度回動することによって行う版交換装置と、
    前記版交換装置の末端で版胴側に回動付勢されて付設されると共に、前記旧版の排出と新版の挿入の際に版胴に巻き付けられた版を押圧する新旧版交換補助ローラと、
    を有することを特徴とする印刷機械。
  2. 前記新旧版交換補助ローラは、当該ローラが回転自在に付設されるロッドの回動軸がスプロケットになっており、当該スプロケットを牽引する牽引手段により版胴側に回動付勢されることを特徴とする請求項1に記載の印刷機械。
  3. 前記版交換装置を回動させる駆動力を付与するアクチュエータと、
    前記アクチュエータの駆動力を、上記新旧版交換補助ローラの回動付勢に伴う版の押圧方向に交差する方向に作用するよう規制する方向調整機構を内包するリンク機構と、を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の印刷機械。
JP2006132854A 2006-05-11 2006-05-11 印刷機械 Withdrawn JP2007301849A (ja)

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