JP2007301722A - サーマルヘッド、プリンタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】セラミック基板1上に、一部を膨出させたグレーズ層2と、発熱抵抗体層3と、個別電極4aおよび共通電極4bからなる電極パターン4と、保護層5とが順次積層されてなる発熱素子19を複数備えるサーマルヘッド18において、発熱素子18のそれぞれの近傍に温度検出を行う感熱素子10を配置した。
【選択図】図3
Description
例えば、下記特許文献1では、サーマルヘッドを構成する発熱素子自体を感熱素子としても用いることで、サーマルヘッドの温度を測定する技術が開示されている。また、下記特許文献2では、個々の発熱素子の近傍にペルチェ素子等の熱電変換素子を配置して、サーマルヘッドの温度を測定する技術が開示されている。
第一の発明は、セラミック基板上に、一部を膨出させたグレーズ層と、発熱抵抗体層と、個別電極および共通電極からなる電極パターンと、保護層とが順次積層されてなる発熱素子を複数備えるサーマルヘッドにおいて、前記発熱素子のそれぞれの近傍に温度検出を行う感熱素子を配置したことを特徴とする。
また、前記感熱素子は、前記発熱素子上に形成されることを特徴とする。特に、前記感熱素子は、前記発熱素子上の前記保護層膜内に形成されることを特徴とする。
また、前記感熱素子の検出結果に基づいて、前記発熱素子の温度制御を行うことを特徴とする。
本発明によれば、サーマルヘッドを構成する複数の発熱素子のそれぞれ温度を正確に測定可能となる。したがって、用紙に文字や画像等を高い品質で形成することが可能となる。
図1は、本実施形態に係る昇華型プリンタPのプリント部を示す概略構成図である。
図1(a)に示すように、ロール紙31(供給側)から巻き出されたプリント用紙32の上面側には、巻き出し側の供給コア34に巻かれたインクリボンロール33(未使用部分)、インクリボン用ガイドロール36、サーマルヘッド18、インクリボン用ガイドロール37、巻き取り側の巻取コア38が順に配置される。
インクリボンロール33から巻き出されたインクリボン35は、ガイドロール36にガイドされてロール紙31から巻き出されたプリント用紙32と重ね合わせられ、サーマルヘッド18とプラテンロール39との間を搬送された後、ガイドロール37を介して巻取コア38に巻き取られる。
また、ピンチロール40に対向する位置にはフィードロール41が配置される。これらピンチロール40とフィードロール41の間にプリント用紙32を挟み込んでフィードロール41を回転駆動することによりプリント用紙32が搬送される。
インクリボン35には、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の3色のインク層と、OP(オーバーコート層)が周期的に配置されている。そして、インクリボン35のインク層中の点線で示す領域が、プリント用紙32にプリントされる。
図3(a)に示すように、アルミナ基板1の上面1aにはガラスグレーズ層2が積層され、このガラスグレーズ層2の上面には抵抗膜による発熱抵抗体層3が形成され、更にこの発熱抵抗体層3の上面には所定の距離を隔てて個別電極4aおよび共通電極4bからなる電極パターン4が形成されている。そして、これら発熱抵抗体層3、個別電極4aおよび共通電極4bを覆って、耐酸化性と耐摩耗性の機能を有する保護層5が形成されている。
発熱素子19は、グレーズ層2、発熱抵抗体層3、電極パターン4および保護層5によって形成されている。そして、発熱抵抗体層3において、個別電極4aおよび共通電極4bに覆われていない部分が発熱する。このような発熱素子19は、アルミナ基板1上に複数備えられている。
そして、この熱により、図示しない感熱紙を発色させたり、インクリボンのインクを溶融させ、インクを用紙に転写させたり、インクリボン中の染料を受容紙に拡散移行させることで、印画する。
このように膨出部2aを設けることで、保護層5と感熱紙等とが接触したときの単位面積あたりの面圧を大きくすることができ、感熱紙等に対して熱伝達を高めることができる。これにより印刷品質を向上できる。また、グレーズ層2の厚さが30μm以上250μm以下の範囲に設定されているので、発生したジュール熱を十分蓄えることができ、その後の印画時に必要な発熱素子19に対しての熱を還流することができ、熱効率を向上することができる。
熱電対10は、2本の異なる材料からなる薄膜金属線11,12の一端同士を接続し、他端の電位差を測定することで、接点部13の温度を求めるものである。そして、2本の異なる薄膜金属線11,12の接点部13、すなわち温度を測定する部分は、発熱素子19の近傍に配置される。具体的には、発熱素子19上に形成された保護層5aと保護層5bの間に配置される。
これにより、各発熱素子19の温度を測定し、この温度情報に基づいて個別電極4aおよび共通電極4bへの印加電圧を制御することで、各発熱素子19の発熱温度を所望の温度とする制御が行われる。
熱電対10を構成する2本の薄膜金属線11,12の材料の組み合わせとしては、クロメル(ニッケルおよびクロムを主とした合金)とアルメル(ニッケルを主とした合金)が代表的であるが、その他に、鉄とコンスタンタン(銅およびニッケルを主とした合金)、銅とコンスタンタン、クロメルとコンスタンタン等が知られている。これらのいずれの組み合わせであってもよい。
また、図3(b),(c)に示すように、接点部13の大きさは、発熱素子19の大きさと略同一に設定される。これにより、発熱素子19の全域の温度を測定することが可能となる。
なお、薄膜金属線11,12の他端は、共通電極4bと同様に、アルミナ基板1に外縁領域に露出するように形成される。
まず、公知の製造方法により、アルミナ基板1上に、ガラスグレーズ層2、発熱抵抗体層3、電極4a、4b、第一保護層5aを形成する。
次いで、第一保護層5a上に、その一部が発熱素子19を覆うように薄膜金属線11を形成する。更に、発熱素子19上において、薄膜金属線11と一部が重なるように、薄膜金属線12を形成する。薄膜金属線11,12は、それぞれ蒸着法やスパッタ法を用いて成膜され、その後、フォトリソグラフィ工程とエッチング工程を経て形成される。
そして、最後に、第二保護層5bを形成する。この際、薄膜金属線11,12の一部が露出するように形成する。これにより、第一保護層5aと第二保護層5bとからなる保護層5が形成される。
なお、薄膜金属線11,12の露出部は、アルミニウムや銅などの金属膜を蒸着法やスパッタ法を用いて成膜し、その後フォトリソグラフィ工程とエッチング工程を経て形成され、端子部として用いられる。そして、薄膜金属線11,12の端子部と上述した温度補償回路53とは、不図示のワイヤボンド(金線接続)あるいはフレキシブルプリント基板を半田付けすることで、電気的に接続される。
発熱素子19は、印字用印加電圧V1とトランジスタ51に接続される。CPU52からは、印字速度に応じたストローブ信号(波形A)が出力される。
発熱素子19の直上に形成された熱電対10は、薄膜金属線11,12を介して温度補償回路53に接続され、その出力は増幅器54を経て比較器55に入力される。
CPU52からは、熱電対10の熱起電力を一定に保つための比較用設定電圧V2が出力され、D/A変換器56にアナログデータとして比較器55に入力される。
比較器55は、熱電対10からの熱起電力の値と、CPU52からの設定電圧を比較し、その出力をAND回路57へ出力する(波形B)。
そして、発熱素子19は、比較器55で比較用設定電圧V2と熱電対10からの熱起電力とが一致するまで、すなわち発熱素子19が所望の温度となるまで、AND回路57の動作により、トランジスタ51は通電状態となり(波形C)、加熱され続ける。
一方、熱電対10からの熱起電力が比較用設定電圧V2よりも大きくなった場合には、AND回路57の動作によりトランジスタ51は通電を停止し(波形C)、発熱素子19が冷却される。
このようなフィードバック制御を1ライン印字毎に繰り返すことにより、発熱素子19は、一定温度に保たれる(波形D)。
図5に示すように、サーマルヘッド18の主走査方向(図5(a)参照)、副走査方向(図5(b)参照)のいずれの方向も印字の濃度が従来に比べて一定となる。なお、印字の濃度は、発熱素子19の温度と保持時間との積に比例する関係を有するので、サーマルヘッド18の発熱素子19の温度を一定に制御することで印字の濃度が安定する。
また、熱電対10を第一保護層5a及び第二保護層5bからなる保護層5内に形成する場合について説明したが、例えば、ガラスグレーズ層2の上面あるいは発熱抵抗体層3の上面に形成してもよい。
1…アルミナ基板(セラミック基板)
2…ガラスグレーズ層
3…発熱抵抗体層
4…電極パターン
4a…個別電極
4b…共通電極
5(5a,5b)…保護層
10…熱電対(感熱素子)
11,12…薄膜金属線
13…接点部
18…サーマルヘッド
19…発熱素子
Claims (6)
- セラミック基板上に、一部を膨出させたグレーズ層と、発熱抵抗体層と、個別電極および共通電極からなる電極パターンと、保護層とが順次積層されてなる発熱素子を複数備えるサーマルヘッドにおいて、
前記発熱素子のそれぞれの近傍に温度検出を行う感熱素子を配置したことを特徴とするサーマルヘッド。 - 前記感熱素子は、熱電対又はサーミスタであることを特徴とする請求項1に記載のサーマルヘッド。
- 前記感熱素子は、前記発熱素子上に形成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のサーマルヘッド。
- 前記感熱素子は、前記発熱素子上の前記保護層膜内に形成されることを特徴とする請求項3に記載のサーマルヘッド。
- 前記感熱素子の検出結果に基づいて、前記発熱素子の温度制御を行うことを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載のサーマルヘッド。
- 請求項1から請求項5のいずれかに記載のサーマルヘッドを備えるたことを特徴とするプリンタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006119215A JP2007301722A (ja) | 2006-04-14 | 2006-04-24 | サーマルヘッド、プリンタ |
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---|---|
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8493423B2 (en) | 2009-01-28 | 2013-07-23 | Kyocera Corporation | Thermal recording head and thermal recording apparatus comprising the same |
CN111716916A (zh) * | 2019-03-20 | 2020-09-29 | 罗姆股份有限公司 | 热敏打印头 |
Citations (3)
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JPS59133078A (ja) * | 1983-01-19 | 1984-07-31 | Hitachi Ltd | 感熱ヘツド |
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2006
- 2006-04-24 JP JP2006119215A patent/JP2007301722A/ja active Pending
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