JP2007301123A - 引き出し式食器洗い機のフロート式水位検知装置 - Google Patents
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Abstract
引き出し式食器洗い機の洗浄槽の前方又は後方に配置されたカップ型のフロートによる水位検知装置について、上記フロートの浮力減少による供用中の水位検知精度の低下を防止することを目的とし、そのために、フロート室内の激しい波動がフロートの内部空間に激しく進入することを阻止できるようにフロートの構造を工夫すること
【解決手段】
引き出し式食器洗い機の洗浄槽の前方又は後方に配置されたカップ型のフロートによる水位検知装置を前提にして、カップ型のフロートの外周に空間を介してスカートを設け、上記スカートの下端がフロート側壁の下端よりも下方に延びており、当該スカートと上記フロートの側壁との間の上記空間が通気孔によって大気に連通しており、フロート室内の激しい波動のフロート内部への進入を上記スカートによって阻止するようになっていること。
【選択図】 図3
Description
上記水位検知装置10はそのフロート室11が洗浄槽1の底の水溜まりに連通しており、フロート室11にカップを逆さにして伏せた形のカップ型(以下「カップ型」という)のフロート12が昇降自在に保持されている。給水電磁弁(給水弁)8が開いて給水が開始され、洗浄槽1内の水位が上昇すると、これに連動してフロート室11の水面wが上昇する。フロート室内の水面wが所定水位に達したとき、スイッチ13が閉じて洗浄槽1内の水位が所定レベルに達したことが検知される。
ところが、実際には、スタートスイッチが押されて給水が開始され、洗浄槽の水位が所定の給水レベル近くに達した段階で運転が一時停止され、その後、
例えば、あわてて洗浄槽に食器を追加しようとする等のために洗浄槽が激しく出し入れ操作されることがある。このような不正常な洗浄槽の出し入れ操作がなされると、その後フロート12の浮力が低下し、水位検知精度が低下していて、そのために、運転が再開されて給水が再開されたときに給水制御が正常に行われないという問題が生じることがある。
洗浄槽1が激しく引き出され、あるいは押し込まれると、洗浄槽内の水が激しく前後方向に移動して水撃が生じる。そして当該水撃によって洗浄槽内の水面が激しく波打ち、これに連動してフロート室11内の水面wが激しく波打つ。
フロート室11内の水面wが激しく波打つと、同フロート12の下端縁の一部が水面wから瞬間的に浮き上って内部が大気に開放され、この瞬間に波動w1がフロート12の内部空間に飛び込む(図2の(イ)〜(ロ))。そして、このときにフロート12内の空気が波動w1によって押し出され、同波動w1が下降する前にフロート12の開口端縁が水中に沈んで同フロート12の内部空間が水面で密閉され(図2(ハ))、その後に同フロート12内で波動w1が下降する(図2(ニ))。つまり、波動w1のフロート12内での急激な昇降が排気ポンプのピストンのように作用して、フロートの内部空間から空気が押し出されてその内圧を低下させる。その結果、フロート12の水面に対する高さが下がり、その分だけ正確に水位を検出することができなくなる。
実際にはフロート室11内の波打は単純な波動ではなく、様々な波動は複数重なり合い、衝突し合うなどの複雑な波動であるが、これを単純化して捉えれば、水位検知精度が低下する理由について以上の様に推測することができる。
すなわち、フロートがカップ型であって下端が大きく開口していて、フロート室内の水面の激しい波打ちでフロートの内部空間が瞬間的に大気に解放され、その瞬間の波動の内部空間への瞬間的な進入(飛び込み)によって中空内部の空気が押し出されること、また、フロート中空内部に波動が飛び込んだ直後に瞬間的にフロートの下端開口が水面で密閉され、その後に飛び込んだ波動が降下してフロートの内部空間の空気圧(内圧)を低下させること。
(a)洗浄槽内の上記水撃によるフロート室内での激しい波動を緩和するようにフロート室への導水経路等を工夫すること、あるいは、(b)フロート室内での激しい波動がフロート内部空間に激しく侵入することが防止されるようにフロートの構造等を工夫すること。
(イ)カップ型のフロートの外周に空間を介してスカートを設け、
(ロ)上記スカートの下端がフロート側壁の下端よりも下方に延びており、
(ハ)当該スカートと上記フロートの側壁との間の上記空間が通気孔によって大気に連通しており、
(ニ)フロート室内の激しい波動のフロート内部への進入を上記スカートによって阻止するようになっていること。
フロートはカップ型であってその下端が大きく開口していて、洗浄槽内の前後方向への水撃の影響でフロート室内の水面が激しく波打つと、これによってフロートの内部空間の空気が押し出されて内圧が低下するが、上記スカートの裾部がフロート側壁の下端よりも下方に延びているので、フロート室の上記波動のフロートの内部空間への飛び込みは上記スカートの裾部によって阻止されている。
したがって、フロート室内で水面が激しく波打ち、その波動がフロート室に飛び込もうとしても、それは上記スカートの裾部によって阻止される。
それゆえ、フロート室内の水面が激しく波打っても、その波動がフロートの内部空間に激しく飛び込むことはなく、したがって、当該内部空間から空気が押し出されて内圧が低下してしまうことはない。
ところで、カップ型のフロートはその下端部が水中に少し沈み込み、この沈み込み分だけフロートの内部空間に水面が入り込んでいて、側壁下端部に作用する浮力と内部空間の空気圧力とによってフロートは支えられて水面に浮上するのであるが、手段2のフロートはその下端部に縦方向の切り欠きがあるので、当該上記切り欠きの長さ分だけフロートの側壁の下端部が深く水中に沈み込むことになる。
以上のとおり、この発明のフロートは、その内部空間への激しい波動の侵入を阻止し、この波動の侵入によるフロートの浮力の変動を防止し、当該浮力変動によって水位検知精度が低下することを防止することができる。
したがって、引き出し式食器洗い機が運転スタート後に、運転が一次停止されて洗浄槽が急激に出し入れ操作されることがあっても、水位検知装置の水位検知精度は安定し、洗浄槽内の水位を正確に制御できる。
カップ型のフロート式水位検知装置は、洗浄槽の水溜り部と連通している。
実施例のカップ型のフロート20(ポリプロピレン製)は、円筒形状で内径が30mm、外径が34mm、高さが20mmである。
フロート20の側壁21の外周に内径が44mm、外径が48mmのスカート25が一体に設けられている。このスカート25の下端はフロート20の側壁21の下端よりも所定高さdだけ下げられており、またスカート25の上端は側壁21の上端よりも所定高さd1だけ下げられている(図4)。この実施例では、上記所定高さdは8mmであり、d1は8mmである。
このように、スカート25がフロートの側壁21の外側を囲い、その下端がフロート20の側壁21の下端よりもd:8mmだけ深く水中に入り込んでいる。
以上のような状態でフロート室11内の水面が激しく波打ち、波動w1が前後左右に急激に移動(例えば図3,4における左右方向)するとき、波動w1はスカート25の下端部によって遮られるので、それがフロート20の内部空間に激しく飛び込んでゆくことはない。
実施例2のフロート30の内径、外径は実施例1のフロート20と違いはなく、側壁31の下端がL1mm(8mm)延長されており、この延長部31aに長さL1mmの切り欠き32が、洗浄槽の出し入れ方向に対して左右に各一個、計2個設けられている。したがって、フロート30の側壁31の下端部が所定高さ(C+L1)、すなわち(1+8)mmだけ沈み込む。
以上のような状態でフロート室11内の水面が激しく波打ち、波動w1が前後左右に急激に移動(例えば図5における左右方向)するとき、その波動w1は側壁31の下方への延長部31aによって遮られるので、フロート30の内部空間に飛び込んでゆくことはない。
上記実施例2の試験品と従来品との比較試験を行い、図7に示すとおりの結果が得られた。
この試験結果は洗浄槽の水位、フロート室、フロートの大きさ、フロート室の水位、洗浄槽の出し入れ操作の加速減速による衝撃の大きさ、出し入れ操作の繰り返し間隔等によって異なる。以上のことから、この試験結果の具体的数値は、それ自体が格別の技術的意味を有するものではないが、フロート室内での激しい波動に対する水位検知精度の安定性が、従来品と実施例2とで顕著に異なることを試験結果が表していることは間違ない。
この試験結果によれば、従来品では通常時のフロートの沈み込み深さが9mmであったのに対して異常操作後は、フロートの沈み込み深さは16mmであり、その差は7mmである。すなわち、異常操作後の水位検知誤差がA:7mmである。これに対して、実施例2の試験品では、通常時のフロートの沈み込み深さが8mmであったのに対して異常操作後は、フロートの沈み込み深さは10mmであり、その差は実質的に2mmである。すなわち、異常操作後の水位検知誤差がB:2mmである。この検知精度の差(B−A)が、この実施例のフロートによる水位検知精度の安定性の良さを表している。
なお、通常時の測定、異常操作後の測定はいずれも洗浄槽及びフロート室の水面が落ち着いてから行ったものであり、それぞれ、5回行った測定値の平均である。
なお、図2〜図6は、左右方向が洗浄槽の出し入れ方向である。
10:フロート式水位検知装置
11:フロート室
12:従来のカップ型のフロート
13:スイッチ
20,30:実施例のフロート
21,31:フロートの側壁
25:スカート
31a:側壁31の延長部
32:切り欠き
w:水面
w1:波動
Claims (2)
- 引き出し式食器洗い機の洗浄槽の前方又は後方に配置されたカップ型のフロートによる水位検知装置であって、
カップ型のフロートの外周に空間を介してスカートを設け、
上記スカートの下端がフロート側壁の下端よりも下方に延びており、
当該スカートと上記フロートの側壁との間の上記空間が通気孔によって大気に連通しており、
フロート室内の激しい波動のフロート内部への進入を上記スカートによって阻止するようにしているフロート式水位検知装置。 - 引き出し式食器洗い機の洗浄槽の前方又は後方に配置されたカップ型のフロートによる水位検知装置であって、
カップ型のフロートの側壁の下端部に所定長さの縦方向の切り欠きを設けている上記フロート式水位検知装置。
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JP2001108511A (ja) * | 1999-10-08 | 2001-04-20 | Asmo Co Ltd | タンク内液量検出装置における浮き部材、及びタンク内液量検出装置 |
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2006
- 2006-05-11 JP JP2006132117A patent/JP4761543B2/ja active Active
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