JP2007300515A - 量子暗号通信装置、通信端末および付加情報送信方法 - Google Patents

量子暗号通信装置、通信端末および付加情報送信方法 Download PDF

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Abstract

【課題】、送信者側端末から受信者側端末にフレーム同期信号等の付加情報を良好に送信する。
【解決手段】送信者側端末30で、光源33からのパルス光を信号光P1及び参照光P2に分離して、通信路32に送出する。量子暗号通信時には、信号光P1の光量を減衰させるが、付加情報送信時には、信号光P1の光量を減衰させない。また、量子暗号通信時には、信号光P1に、パルス毎に、複数の基底を構成する位相から選択された所定の位相となるランダムな位相変調を加えるが、付加情報送信時には、信号光P1の位相を、上述の複数の基底を構成する位相のいずれにも直交しない位相とする。付加情報送信時には、受信者側端末31のホモダイン検出出力として、大きなレベルの付加情報を得る。
【選択図】図12

Description

この発明は、量子暗号に基づく通信処理を実行する量子暗号通信装置、通信端末および付加情報送信方法に関する。
詳しくは、この発明は、送信者側端末から受信者側端末に比較的強度の強い参照光と、パルス毎にランダムな位相変調を加えた微弱な信号光とを送り、受信者側端末で信号光または参照光にさらにランダムな位相変調を加えた後、これら参照光および信号光に基づいてホモダイン検波を行って通信情報を得るものにあって、送信者側端末で、信号光の強度を強くすると共にこの信号光の位相を上述のランダムな位相変調に係る複数の基底を構成する位相のいずれにも直交しない位相とするか、あるいは送信者端末側で、信号光の強度を強くすると共にこの信号光に上述のランダムな位相変調に係る複数の基底のうち特定の基底を構成する位相となる位相変調を加え、受信者側端末で信号光または参照光に上述の特定の基底を構成する位相となる位相変調を加え、受信者側端末でホモダイン検波の出力として付加情報を得る構成とすることによって、送信者側端末から受信者側端末に付加情報を良好に送信できるようにした量子暗号通信装置等に係るものである。
現在世界は、高度情報化社会に突入している。情報は、通信の形で、人々に届けられる。通信における情報の担体はその、高速性、耐減衰性などから光が用いられている。光通信は、このように情報化社会に欠くことのできないものであるが、恒に、盗聴という危機に晒されている。
盗聴に対しては、情報を暗号化することで対処する事ができる。鍵をあらかじめ共有した上で暗号化するDES,AES,などや、暗号化の鍵を公開し誰でもが暗号文を作れるが、それを解読できるのは、復号鍵を知っている正当な受信者のみ、というRSAなどの公開鍵暗号などがある。
これらの鍵の安全性は、盗聴者が復号鍵を、平文や暗号文の集合や公開されている暗号鍵からのみでは、知ることができないという仮定によっている。これらから、復号鍵を計算できないことが、これらの暗号は、計算量的安全性を持つ、といわれている理由である。しかし、この安全性は、解読法、計算能力の発展と向上によって絶えず脅威に晒されているとともに、未発表の効率の良い解読法があるのではないか、という恐れもある。
安全性の根拠を計算量的安全性に求めずに、量子力学的な不確定性を利用して、盗聴者の得る情報量をゼロにするような暗号方法は、量子暗号と呼ばれ近年盛んに研究されるようになってきた。
量子暗号は主に光通信の分野で研究開発が進んでいる。光子一個程度の微弱な信号光の、位相や偏光などの状態を非直交な複数の基底の上でそれぞれ0,1に対応させてマッピングして信号としている。光子数一個程度なので、分岐による盗聴は不可能である。また非直交性により信号を増幅しても元の状態と同じ状態にはならなくなり(量子非複製定理)、盗聴者の、増幅-分岐という攻撃を無効にすることができる。
これら信号の持つ量子性を利用して、盗聴されても信号が届かなくなったり、信号の性質が変わったりするため、盗聴を検出できる暗号システムが提案されてきた。
これを実用化するためには、しかし重大な問題が有る。それは、送受信端での同期の問題である。元々量子暗号に使う信号は、送信端で平均光子数一個程度なのであり、光ファイバの損失は0.2dB/km以上なので、量子暗号情報を遠くに伝送しようとするときは、100kmでは、信号は100分の1以下になる。
これは、100回に一回程度しか信号が受信端にこないことを表している。これでは事実上ビット同期が取れない。この場合のビット同期とは有るタイムスロットル中の何番目に送ったパルスかを同定することである。そのために、外部のラインを使って同期クロックを送ったり、同一の光ファイバ中を別の波長で充分な光量を持った減衰に強い光信号で、クロックパルスを送ったりしている。
しかし、外部ラインでは、本信号ラインでのジッタの吸収が困難でビットのスロットルの同定が難しく、同一光ファイバ中の別波長方式では、クロックパルスのラマン散乱光が信号光の邪魔をするなど、信号自身でビット同期が取れないことの本質的な問題が現れている。
量子暗号通信には、暗号の載った微弱な信号光と通常の光の強さを持った参照光を利用する、連続変量量子暗号という分野がある(特許文献1,2参照)。すなわち、この連続変量量子暗号では、コヒーレント光のパルスを、二つに分離し、一方を光子一個レベルに減衰しそこに送信情報を位相変化として載せて信号光とする。この位相は、基底の異なる2種類からなり、送信する基底はビット毎にランダムに選ばれる。もう一方の光パルスは参照光としてそのままの位相、強度で送信する。受信側はこの参照光と信号光をホモダイン検波することにより信号光の位相情報を取り出す。
この量子暗号の通信方法から自明なように、ビット同期は光量の大きな参照光が必ず受信側に届くため、そこからクロックの情報を取り出すことができる、これに関しては、特許文献1に記載されている。
特開2000−101570号公報 特開2005−286485号公報
通信を効率良く成立させるためには、ビット同期のうえに、さらにビットのあるまとまりを他のまとまりと区別するためのフレーム同期と呼ばれるものが必要になる。フレーム同期は通常特殊な符号を使い他の信号との分離を良くしている。例えばギガビットイーサネット([イーサネット」は登録商標)におけるコンマシーケンスでは通常の8B10B符号では出現しないパターンを使いフレームの区別に使っている。
この発明の目的は、連続変量の量子暗号通信において、付加情報、例えばフレーム同期信号を良好に送信可能とすることにある。
この発明の概念は、
第1の通信端末側で、光源から発生されるパルス光を信号光および参照光に分離し、該参照光を通信路に送出し、該信号光を、第1の光量に減衰させると共にパルス毎に複数の基底を構成する位相から選択された所定の位相となるランダムな位相変調を加えて上記通信路に送出し、第2の通信端末側で、上記通信路から上記信号光および上記参照光を分離して取り出し、該信号光または該参照光にパルス毎に複数の基底を構成する位相から選択された所定の位相となるランダムな位相変調を加えた後に該信号光および該参照光に基づいてホモダイン検波を行って通信情報を得る量子暗号通信装置における付加情報送信方法であって、
上記第1の通信端末側で、上記信号光を、上記第1の光量より大きな第2の光量とすると共に上記複数の基底を構成する位相のいずれにも直交しない位相として上記通信路に送出し、上記第2の通信端末側で、上記ホモダイン検波の出力として付加情報を得る
ことを特徴とする量子暗号通信装置における付加情報送信方法にある。
この発明において、量子暗号通信装置は、送信者側端末である第1の通信端末と、受信者側端末である第2の通信端末と、これら第1、第2の通信端末を結ぶ光ファイバ、あるいは自由空間からなる通信路とを備えている。
第1の通信端末(送信者側端末)の光源から発生されるパルス光は信号光および参照光に分離される。参照光は減衰されず、通信路に送出される参照光は、比較的強度の強いものとなる。信号光については、量子暗号通信時には第1の光量に減衰され、通信路に送出される信号光の強度は微弱とされるが、付加情報送信時には減衰されないか減衰の程度が低くされて第1の光量より大きな第2の光量をもって通信路に送出される。
また、第1の通信端末から通信路に送出される信号光は、量子暗号通信時には、通信情報に対応して、パルス毎に、複数の基底を構成する位相から選択された所定の位相となるランダムな位相変調が加えられるが、付加情報送信時には、その位相が上述のランダムな位相変調に係る複数の基底を構成する位相のいずれにも直交しない位相とされる。
第2の通信端末(受信者側端末)には、通信路を介して上述の参照光および信号光が送られてくるが、これら参照光および信号光が分離して取り出される。信号光または参照光にパルス毎に複数の基底を構成する位相から選択された所定の位相となるランダムな位相変調が加えられた後、これら信号光および参照光に基づいてホモダイン検波が行われる。量子暗号通信時には、上述したように第1の通信端末から通信路に送出される信号光の強度が小さくされると共に、通信情報に対応してパルス毎にランダムな位相変調が加えられているので、ホモダイン検波の出力として、小さなレベルで通信情報が得られる。
一方、付加情報送信時には、上述したように第1の通信端末から通信路に送出される信号光の強度が大きくされると共に、この信号光の位相がランダムな位相変調に係る複数の基底を構成する位相のいずれにも直交しない位相とされているので、ホモダイン検波の出力として、この第2の通信端末側でランダムな位相変調がされたとしても、常に大きなレベルで付加情報が得られる。
例えば、量子暗号通信で送信される通信情報の単位をフレームとするとき、付加情報は各フレームに関連して、例えば各フレームの先頭で送信される。これにより、各フレームの同期をとることが可能となる。
また、複数の基底を構成する位相のいずれにも直交しない位相として、この複数の基底を構成する位相が互いに直交する第1および第2の座標軸にあるとき、該第1および第2の座標軸で囲まれた第1象限および第3象限、あるいは第2象限および第4象限に存在する位相を用いるようにしてもよい。この場合、第2の通信端末のホモダイン検波の出力値から1,0のビット列からなる情報を得ることが可能となり、例えば量子暗号通信による各フレームの通信情報の種類等の情報も送信できる。
また、付加情報送信時に第1の通信端末から通信路に送出される信号光の光量を付加情報の内容、例えばビット1,0に応じて振幅変調することによっても、第2の通信端末のホモダイン検波の出力値から1,0のビット列からなる付加情報を得ることが可能となる。
なお、付加情報送信時に、第1の通信端末側で、信号光に上述した複数の基底のうち特定の基底を構成する位相となる位相変調を加えて通信路に送出し、第2の通信端末側で、信号光または参照光に、上述した特定の基底を構成する位相となる位相変調を加えて、ホモダイン検波の出力として付加情報を得るようにしてもよい。この場合、第2の通信端末側では、信号光または参照光にランダムな位相変調を加えている状態で、付加情報送信時となってホモダイン検波出力として大きなレベルの信号が出力され始めるとき、上述した特定の基底を構成する位相となる位相変調を加える状態とし、さらに付加情報の送信が終了したとき再びランダムな位相変調を加える状態に戻せばよい。
また、この発明の概念は、
第2の通信端末側で、光源から発生されるパルス光を信号光および参照光に分離し、該参照光を遅延器が挿入されていない第2の光路を通して通信路に送出し、該信号光を遅延器が挿入されている第1の光路を通して上記通信路に送出し、第1の通信端末側で、通信路を介して送られてくる上記信号光および上記参照光を所定の光路を通して上記通信路に送出する際、該信号光の光量を第1の光量に減衰させると共に該信号光にパルス毎に複数の基底を構成する位相から選択された所定の位相となるランダムな位相変調を加え、上記第2の通信端末側で、上記通信路を介して送られてくる上記信号光および上記参照光を分離して取り出し、該信号光または該参照光にパルス毎に上記複数の基底を構成する位相から選択された所定の位相となるランダムな位相変調を加えた後に該信号光および該参照光に基づいてホモダイン検波を行って通信情報を得る量子暗号通信装置における付加情報送信方法であって、
上記第1の通信端末側で、上記信号光を、上記第1の光量より大きな第2の光量とすると共に上記複数の基底を構成する位相のいずれにも直交しない位相として上記通信路に送出し、上記第2の通信端末側で、上記ホモダイン検波の出力として付加情報を得る
ことを特徴とする量子暗号通信装置における付加情報送信方法にある。
この発明において、量子暗号通信装置は、受信者側端末である第2の通信端末と、送信者側端末である第1の通信端末と、これら第1、第2の通信端末を結ぶ光ファイバ、あるいは自由空間からなる通信路とを備えている。
第2の通信端末(受信者側端末)の光源から発生されるパルス光は信号光および参照光に分離される。そして、遅延器が挿入された第1の光路を通過した信号光および遅延器が挿入されていない第2の光路を通過した参照光が通信路に送出される。この場合、通信路には、最初に参照光が送出され、その後に所定の時間差をもって信号光が送出される。
第1の通信端末(送信者側端末)には、通信路を介して上述の参照光および信号光が送られてくる。これら参照光および信号光は所定の光路を介して再び通信路に送出される。参照光は減衰されず、通信路に送出される参照光は、比較的強度の強いものとなる。信号光については、量子暗号通信時には第1の光量に減衰され、通信路に送出される信号光の強度は微弱とされるが、付加情報送信時には減衰されないか減衰の程度が低くされて第1の光量より大きな第2の光量をもって通信路に送出される。
また、第1の通信端末から通信路に送出される信号光は、量子暗号通信時には、通信情報に対応して、パルス毎に複数の基底を構成する位相から選択された所定の位相となるランダムな位相変調が加えられるが、付加情報送信時には、その位相が上述のランダムな位相変調に係る複数の基底を構成する位相のいずれにも直交しない位相とされる。
第2の通信端末(受信者側端末)には、通信路を介して上述の参照光および信号光が送られてくるが、これら参照光および信号光が分離して取り出される。上述したように参照光および信号光をこの第2の通信端末から第1の通信端末に送る際には、信号光が第1の光路を通過し、参照光が第2の光路を通過するようにされるが、第1の通信端末からこの第2の通信端末に送り返されたものに関しては、参照光が第1の光路を通過し、信号光が第2の光路を通過するようにされる。
信号光または参照光にパルス毎に複数の基底を構成する位相から選択された所定の位相となるランダムな位相変調が加えられた後、これら信号光および参照光に基づいてホモダイン検波が行われる。量子暗号通信時には、上述したように第1の通信端末から通信路に送出される信号光の強度が小さくされると共に、通信情報に対応してパルス毎にランダムな位相変調が加えられているので、ホモダイン検波の出力として、小さなレベルで通信情報が得られる。
一方、付加情報送信時には、上述したように第1の通信端末から通信路に送出される信号光の強度が大きくされると共に、この信号光の位相がランダムな位相変調に係る複数の基底を構成する位相のいずれにも直交しない位相とされているので、ホモダイン検波の出力として、この第2の通信端末側でランダムな位相変調がされたとしても、常に大きなレベルで付加情報が得られる。
なお、付加情報送信時に、第1の通信端末側で、信号光に上述した複数の基底のうち特定の基底を構成する位相となる位相変調を加えて通信路に送出し、第2の通信端末側で、信号光または参照光に、上述した特定の基底を構成する位相となる位相変調を加えて、ホモダイン検波の出力として付加情報を得るようにしてもよい。この場合、第2の通信端末側では、信号光または参照光にランダムな位相変調を加えている状態で、付加情報送信時となってホモダイン検波出力として大きなレベルの信号が出力され始めるとき、上述した特定の基底を構成する位相となる位相変調を加える状態とし、さらに付加情報の送信が終了したとき再びランダムな位相変調を加える状態に戻せばよい。
この発明によれば、送信者側端末から受信者側端末に比較的強度の強い参照光と、パルス毎にランダムな位相変調を加えた微弱な信号光とを送り、受信者側端末で信号光または参照光にさらにランダムな位相変調を加えた後、これら参照光および信号光に基づいてホモダイン検波を行って通信情報を得るものにあって、送信者側端末で、信号光の強度を強くすると共にこの信号光の位相を上述のランダムな位相変調に係る複数の基底を構成する位相のいずれにも直交しない位相とするか、あるいは送信者端末側で、信号光の強度を強くすると共にこの信号光に上述のランダムな位相変調に係る複数の基底のうち特定の基底を構成する位相となる位相変調を加え、受信者側端末で信号光または参照光に上述の特定の基底を構成する位相となる位相変調を加え、受信者側端末でホモダイン検波の出力として付加情報を得る構成とするものであり、送信者側端末から受信者側端末に付加情報を良好に送信できる。
まず、この発明の概要を説明する。この発明は、暗号の情報が載る微弱な信号光と通常の光の強さを持った参照光を利用する、連続変量による量子暗号通信に関する発明である。
連続変量量子暗号通信では、一つのコヒーレント光を参照光と光子数一個程度に減衰させた信号光の二つのパルスに分ける。信号光の位相状態に情報を載せた連続変量の量子暗号では、平均光子数1の信号光を直交位相振幅座標x、p上で表すと、図1に示すように、互いに直交するx,p軸上の±1の位置にある4つの状態として表される。この図1において、信号光の振幅は原点0からの距離で表され、位相は原点0を中心にした回転角で表される。
送信側は、x、もしくはpの基底をランダムに選び、通信情報の各ビット値と位相状態の予め決められた関係に基づき、位相状態を選択して信号光の状態つまり位相を決める。受信側は、受信基底をランダムに選ぶ。参照光と信号光をホモダイン検波することで信号光の位相状態を抽出でき、受信基底が送信基底と合っていた場合には、図2も示すような信号のヒストグラムが出る。この分布は量子性のためにある中心値の回りにガウス分布する。
また、送信側と受信側の基底が異なっていた場合は、図3に示すような信号のヒストグラムが出る。これは信号レベル0付近の分布になる。連続変量の量子暗号では、古典通信路で送信側と受信側の基底をつきあわせることで、同じ基底状態の場合のみを取り出し、0,1の情報を受信側があるエラー確率の下に得ることができる。
付加情報としてのフレーム同期信号は、どのような場合でもそれとわかるユニークなものでなければならない。ここで、フレームとは、量子暗号通信で送信される通信情報のあるまとまり(単位)を意味している。
フレーム同期信号として、信号光(パルス光)のレベルを通信路の減衰で消えない程度の大きさにしておくことで、そのパルスは途中で消えることなくなり、受信側に届いた後の検波の出力が通常の信号に比べ大きくなるので、フレーム同期信号を受信側に確実に認知させることができる。
図4は、送信側から送られるフレーム同期信号の信号レベルおよび位相状態の一例を示し、図5のその場合における受信側のホモダイン検波で得られる信号のヒストグラムを示している。
しかし、通信プロトコルとして相互にランダムに基底を変えている系では、送信側のフレーム同期の基底と、異なった基底を受信側が選ぶと、たとえ信号光の振幅が大きいものであっても、図6に示すように、ホモダイン検波後の出力は0レベル付近に分布してしまう。こうなると一般の信号と顕著な区別はつかなくなって、フレーム同期としての信号の役目は出来なくなってしまう。
この発明は、受信側がランダムに基底を選んでいても、恒に安定に通常の信号と区別可能な同期信号の提案とそれを出力できる装置についてである。図7は、この発明に係るフレーム同期信号の直交位相振幅での表現を示している。
通常の信号としては、平均光子数1で、位相として各基底に載った値を取っているが、フレーム同期信号は光の振幅レベルは受信側に確実に届くように送信側で減衰させないのはもちろんであるが、位相はどちらの信号の基底にも一致させないようにしておく。すると受信側がどちらの基底を選ぼうとホモダイン検波出力は、図8に示すように、通常の信号光と充分に離れた出力になる。この大きな信号レベルを受信側が検知することにより、フレーム同期信号が送られてきたことが受信側で確実にわかることになる。
フレーム同期信号は単独でも同期の意味では充分に果たすが、例えば、何のフレームか、そのフレームで送信する通信情報の種類などの情報をそれに持たすこともできる。図9に示すように、互いに直交するx軸およびp軸で囲まれた、隣り合わない象限、例えば第1象限および第3象限にフレーム同期信号をおくと、その出力は図10に示すように、正と負に大きく分かれる。これを0と1に定義してやれば、0,1のビット列からなるフレーム同期信号を送信できる。なお、第1象限および第3象限ではなく、第2象限および第4象限にフレーム同期信号をおくようにしてもよい。
この位相情報を載せたパルスを必要な数だけ連続させることにより、何のフレームかなどを同定できる情報を送信側から受信側に送ることができる。隣り合った象現で情報を送ると、図11に示すように、受信側の基底の取り方によっては、0,1の判別ができない場合が出てくるため、隣り合わない象現で情報を送ることが必要である。なお、図11に示す場合には、受信側の基底がpである場合には、ホモダイン検波の出力が共に正となるため、0,1の判別ができなくなる。
フレーム同期信号に情報を載せる別のやり方は、フレーム同期信号が来たら予め決められた基底にホモダイン検波の位相を固定してしまうことである。これにより、この決められた基底上で振幅の大きな信号をフレーム同期信号として送れば、情報は届くことになる。この方法は、先のランダムに基底を変え続ける方法に比べ、同じ光の振幅でより信号の分離度を稼げることになる。この場合、送信側では例えばpの基底でフレーム同期信号を送信し、受信側ではフレーム同期信号が検出されたら。当該受信側の基底をpに固定するものである。
また、当然ではあるが、連続したフレーム同期信号の振幅に情報を載せて、フレーム情報を送ることもできる。この場合、フレーム同期信号は振幅変調された状態となる。
この発明の第1の実施の形態を説明する。図12は、第1の実施の形態としての量子暗号通信装置100Aの構成を示している。
この量子暗号通信装置100Aは、第1の通信端末としての送信者側端末30と、第1の通信端末としての受信者側端末31と、これら送信者側端末30および受信者側端末31を結ぶ例えば光ファイバで構成される通信路32とを備えている。
この量子暗号通信装置100Aは、通信路32を介して、送信者側端末30から受信者側端末31に向けて、量子暗号通信時には通信情報としての秘密情報(例えば共通鍵暗号方式において使用される共有秘密鍵など)を送信し、付加情報送信時には付加情報としてのフレーム同期信号を送信する。このフレーム同期信号は、量子暗号通信で送信される通信情報のあるまとまり(単位)をフレームとするとき、各フレームに関連して、例えば各フレームの先頭で送信される。このフレーム同期信号により各フレームの同期をとることが可能となる。
送信者側端末30は、レーザ光源33、 ビームスプリッタ34、反射鏡35、半波長板36、可変減衰器37、コントローラ38、位相変調器39、反射鏡40、偏光ビームスプリッタ41を有している。
また、受信者側端末31は、偏光ビームスプリッタ42、ビームスプリッタ43、検出器44、コントローラ45、位相変調器46、半波長板47、反射鏡48、ビームスプリッタ49、フォトダイオード51,52、減算器53およびレベル判別器54を有している。
この量子暗号通信装置100Aは、送信者側端末30から受信者側端末31への一方向通信で、光の偏光を利用することで、参照光と信号光の制御を別の光路上で行う方式である。
以下、量子暗号を適用した通信処理の動作シーケンスに従って、各構成部における処理の詳細を説明する。
送信者側端末30のレーザ光源33で発生するパルス光は、ビームスプリッタ34において、信号光であるパルス光P1および参照光であるパルス光P2に分離される。そして、パルス光P1(信号光)は、第1の光路を通って偏光ビームスプリッタ41に進む。この第1の光路には、反射鏡35、半波長板36、可変減衰器37、位相変調器39および反射鏡40がこの順に配置されている。なお、可変減衰器37と位相変調器39の順はこの逆であってもよい。半波長板36は、パルス光P1の偏光面を90度だけ回転させる。可変減衰器37には音響光学素子またはLiNbO強度変調器を用いることができ、位相変調器39にはLiNbO位相変調器を用いることができる。
可変減衰器37は、パルス光P1の光量を調整する。この可変減衰器37は、コントローラ38の制御により、量子暗号通信時には、パルス光P1の光量を減衰させて、送信者側端末30から通信路32に送出されるパルス光P1のパルスあたりの平均光子数が1個程度となるようにする。また、この可変減衰器37は、コントローラ38の制御により、付加情報送信時には、パルス光P1の光量を減衰させないか、あるいはその減衰の程度を小さくし、送信者側端末30から通信路32に送出されるパルス光P1の強度を強くする。
ここで、量子暗号通信時におけるパルス光P1の調整光量を第1の光量とし、付加情報送信時におけるパルス光P1の調整光量を第2の光量とするとき、第2の光量は第1の光量より大きくなる。これにより、後述するように、付加情報送信時における受信者側端末31のホモダイン検波の出力を、量子暗号通信時に比べて大きなレベルで得ることができ、受信者側端末31でフレーム同期信号が送られてきたことを確実に認知可能となる。
なお、送信者側端末30から通信路32に送出されるパルス光P2(参照光)のパルスあたりの平均光子数は、受信者側端末31側のホモダイン検波におけるS/N比が最適になるように選ばれる。典型的なパルス光P2の強度はパルスあたりの平均光子数が10個程度である。
位相変調器39は、パルス光P1の位相を調整する。この位相変調器39は、コントローラ38の制御により、量子暗号通信時には、パルス光P1に、パルス毎に複数の基底、本実施の形態では2つの基底(図1に示すx,p参照)を構成する0度(0ラジアン)、90度(π/2ラジアン)、180度(πラジアン)、270度(3π/2ラジアン)の位相から選択された所定の位相となるランダムな位相変調を加える。このように本実施の形態における量子暗号通信は、4つの量子状態を用いるものである。
また、位相変調器39は、コントローラ38の制御により、付加情報送信時には、パルス光P1の位相が、上述した2つの基底を構成する位相(0度、90度、180度、270度)のいずれにも直交しない位相となる位相変調を加える。例えば、パルス光P1は、図7にフレーム同域信号で示すように、45度の位相とされる。
これにより、後述するように、受信者側端末31でパルス光P1またはパルス光P2にパルス毎に上述した2つの基底を構成する位相から選択された所定の位相となるランダムな位相変調を加えている場合に、その基底の変化に拘わらずに、付加情報送信時におけるホモダイン検波の出力を大きなレベルで得ることが可能となる。
ここで、フレーム同期信号に、各フレームの通信情報の種類等の情報を持たせることができる。この場合、位相変調器39は、コントローラ38の制御により、パルス光P1の位相を、1,0のビット列からなる情報の各ビットの値に対応して、変化させる。この場合、図9に示すように、互いに直交するx軸およびp軸で囲まれた、隣り合わない象限である第1象限および第3の象限の位相を用い、例えば、ビット1に対応してパルス光P1の位相を第1象限の位相とし、ビット0に対応してパルス光P1の位相を第3象限の位相とする。
これにより、受信者側端末31では、図10に示すように、ホモダイン検波の出力として、第1象限の位相とされたパルス光P1に対応して正の値「1」を得ることができ、第3象限の位相とされたパルス光P1に対応して負の値「0」を得ることができ、フレーム同期信号に持たせた情報を得ることが可能となる。
なお、上述した第1象限および第3の象限の位相を用いる代わりに、隣り合わない象限である第2象限および第4象限の位相を用いてもよい。また、上述したようにパルス光P1の位相をフレーム同期信号に持たせる情報の各ビットの値に対応して変化させる代わりに、このパルス光P1の光量レベルをフレーム同期信号に持たせる情報の各ビットの値に対応して変化させる振幅変調を行うようにしてもよい。この場合のパルス光P1の光量レベルの変化は、上述した可変減衰器37で行うことができる。この場合、受信者側端末31では、フレーム同期信号に持たせた情報を、ホモダイン検波の出力値の変化として得ることができる。
ビームスプリッタ34で分離されるパルス光P2(参照光)は、上述した第1の光路より短い第2の光路を通って偏光ビームスプリッタ41に進む。この偏光ビームスプリッタ41は、パルス光P1(信号光)とパルス光P2(参照光)とを合成し、通信路32に送出する。このパルス光P1,P2は互いに偏光面が直交しており、かつ、時間的に離れた状態となっている。この場合、偏光ビームスプリッタ41は光送出部を構成している。
送信者側端末30から通信路32に送出されたパルス光P1(信号光)およびパルス光P2(参照光)は受信者側端末31に入射される。これらパルス光P1,P2は、偏光ビームスプリッタ42によりパルス光P1(信号光)およびパルス光P2(参照光)に分離して取り出される。
パルス光P1(信号光)は、上述した送信者側端末30の第2の光路に対応した光路長を持つ第4の光路を通ってビームスプリッタ49に進む。一方、パルス光P2(参照光)は、上述した送信者側端末30の第1の光路に対応した光路長を持つ第3の光路を通ってビームスプリッタ49に進む。
この第3の光路には、ビームスプリッタ43、半波長板47および反射鏡48がこの順に配置されている。第4の光路には位相変調器46が配置されている。ビームスプリッタ43は、パルス光P2(参照光)を、半波長板47に進むパルス光と検出器44に進むパルス光に分岐する。このビームスプリッタ43の典型的な分岐比は9対1とされ、大部分のパルス光が半波長板47側に進むように設定される。
検出器44はビームスプリッタ43で分岐されたパルス光の検出出力をコントローラ45に供給する。コントローラ45は、この検出出力により、パルス光P2(参照光)の到着を知ることができ、位相変調器46におけるパルス光P1(信号光)に対する位相変調の処理開始タイミングを制御する。これにより、位相変調器46においては、パルス光P1(信号光)を構成する各パルスに対して正しいタイミングで位相変調の処理を行うことができる。
位相変調器46は、パルス光P1の位相を調整する。この位相変調器46には、上述した送信者側端末30における位相変調器39と同様に、LiNbO位相変調器を用いることができる。
この位相変調器46は、コントローラ45の制御により、量子暗号通信時および付加情報送信時には、パルス光P1に、パルス毎に上述した2つの基底を構成する0度、90度の位相から選択された所定の位相となるランダムな位相変調を加える。なお、この位相変調器46は、半波長板47が配置された第3の光路に配置されて、パルス光P2(参照光)に同様のランダムな位相変調を加えるようにしてもよい。
半波長板47は、パルス光P2(参照光)の偏光面を90度だけ回転させる。上述したように、送信者側端末30ではパルス光P1(信号光)は長い第1の光路を通りかつ半波長板36で偏光面が90度だけ回転させられると共にパルス光P2(参照光)は短い第2の光路を通り、また受信者側端末31ではパルス光P1(信号光)は短い第4の光路を通ると共にパルス光P2(参照光)は長い第3の光路を通りかつ半波長板47で偏光面が90度だけ回転させられるため、ビームスプリッタ49に入射されるパルス光P1,P2は、時間的に一致し、また偏光方向も一致したものとなる。
ビームスプリッタ49の2つの出力は、ホモダイン検波器へ入力される。つまり、ビームスプリッタ49の一方の出力はホモダイン検波器を構成するフォトダイオード51に入力され、その他方の出力はホモダイン検波器を構成するフォトダイオード52に入力される。
そして、減算器53によってこれらフォトダイオード51,52の出力の差信号、すなわちホモダイン検波出力が得られる。このホモダイン検波出力はレベル判別器54に供給される。このレベル判別器54は、ホモダイン検波出力をレベル判別して、量子暗号通信時に送られてくる通信情報Scmおよび付加情報送信時に遅れてくるフレーム同期信号FDを区別して出力する。
量子暗号通信時には、上述したように送信者側端末30から通信路32に送出されるパルス光P1(信号光)の強度が小さくされると共に、通信情報に対応してパルス毎にランダムな位相変調が加えられているので、ホモダイン検波出力として、小さなレベルで通信情報Scmが得られ、これがレベル判別器54から出力される。
一方、付加情報送信時には、上述したように送信者側端末30から通信路32に送出されるパルス光P1(信号光)の強度が大きくされると共に、このパルス光P1の位相がランダムな位相変調に係る複数の基底を構成する位相のいずれにも直交しない位相とされているので、ホモダイン検波出力として、受信者側端末31で上述したようにパルス光P2(参照光)にランダムな位相変調が加えられているとしても、常に大きなレベルでフレーム同期信号FDが得られ、これがレベル判別器54から出力される。
ここで、図12に示す量子暗号通信装置100Aにおける、送信者側端末30と受信者側端末31との間の通信による秘密情報の共有シーケンスの概要について、図13〜図15を参照して説明する。
まず、図13に示すように、送信者側端末30から受信者側端末31にパルス光P1,P2が送られる。ここで、送信者側端末30は、パルス光P1(信号光)に位相変調器39を適用して、{0,π/2,π,3π/2}のいずれかの位相変調を施す。この位相変調系列が図13の下段の表の(b)のデータ送信側位相変調系列に相当する。
送信者側端末30が、パルス光P1に対して実行する位相変調系列(図13の下段の表の(b))はランダムに選択された系列であってよい。あるいは、予め図13の下段の表の(a)選択ビットを設定した後、その選択ビットに対応する変調を行なってもよい。なお、例えば、ビット0に対しては、0またはπ/2の位相変調光とし、ビット1に対しては、π,または3π/2の位相変調が対応付けられているものとする。
このような位相変調が行なわれたパルス光P1は可変減衰器37(図12参照)によって減衰された信号光として受信者側端末31に送られる。なお、パルス光P2(参照光)は減衰されることなく受信者側端末31に送られる。送信者側端末30から受信者側端末31に送られるパルス光P1は微弱な信号光(パルスあたりの平均光子数が1個程度)であり、送信者側端末30から受信者側端末31に送られるパルス光P2は、比較的強度の強い参照光(典型的な平均光子数はパルスあたり10個程度)である。
このパルス光P1,光P2を受信した受信者側端末31は、位相変調器46において、例えば{0,π/2}のいずれかをランダムに選択して、パルス光P1(信号光)に対する位相変調を行いホモダイン検波器において干渉を測定する。
例えば、受信者側端末31の位相変調器46において、図13の下段の表に示す(c)の位相変調処理を実行した場合、ホモダイン検波器においては、(d)に示すビット検出が可能となる。(d)干渉に基づく確認ビットに示すデータにおいて、[0],[1]が、干渉によるビット識別が実行できた部分であり、[×]は、ビット識別が実行できなかった部分である。ビット識別の可否は、前述したように送信者側端末1と受信者側端末2において実行される位相変調処理の組み合わせによって決定される。
例えば、受信者側端末31のホモダイン検波器は、図13の下段の表の(d)干渉に基づく確認ビットに示すデータに示すように、位相変調処理の組み合わせが所定条件を満足する場合にのみ、ビット[0]、または[1]が検出されることになる。[×]は、ビットの識別が実行できなかった部分である。
その後、受信者側端末31は、図14に示すように、受信者側端末31において適用した変調系列情報、すなわち図14の下段の表の(c)の情報列を送信者側端末30に通知する。図に示す{0,0,π/2,π/2,0・・}である。
送信者側端末30は、受信者側端末31から受領した変調系列情報に基づいて、ビット検出に適応した正しい変調が行なわれた部位と、正しくない変調が行なわれた部位を示す情報を生成して受信者側端末31に送信する。すなわち図の下段の表の(e)の情報列を受信者側端末2に通知する。図に示す{○,×,○,×,○,○・・}である。なお、図14に示す受信者側端末31からの変調系列情報{0,0,π/2,π/2,0・・}、送信者側端末30からの情報{○,×,○,×,○,○・・}は公開通信路を適用してよい。
次に、図15に示すように、受信者側端末31は、検出されたビット情報列を送信者側端末30に通知する。図に示す{0,0,1,0・・}である。一方、送信者側端末30は、受信者側端末31側で検出可能な位相変調を行なった部分のみのビット列情報を受信者側端末31に通知する。図に示す{0,0,1,0・・}である。これは、図15の下段の表において、(a)の選択ビットから(e)送受信側の変調適合において[○]が設定されたもののみを選択したビット系列である。これらの通知処理も公開通信路を介して実行してよい。
通信路32において通信データの盗聴が行なわれていない場合は、図15に示すビットの相互通知処理において、すべての確認ビットが一致する。しかし、通信路32において通信データの盗聴が行なわれると、ビットの相互通知処理において、相互の通知ビットのずれが発生する。これは、通信路32の盗聴により、変調状態が変化してしまうことによる。通信路32における盗聴がない場合には、相互の通知ビットのずれは発生することがない。
このようなデータ通信により、例えば共通鍵暗号方式における秘密鍵などの秘密情報を共有することが可能となる。なお、例えば秘密鍵nビットを共有する場合は、図15を参照して説明した相互通知処理のなされたビットが互いに一致することを確認した後、予め相互に通知済みの共通のビット選択処理により、上記処理によって共有できたmビット(m>n)からnビットを選択するなどの処理が実行される。
図12に示す量子暗号通信装置100Aによれば、量子暗号通信時には、送信者側端末30から通信路32に送出されるパルス光P1(信号光)の強度が小さくされると共に、通信情報に対応してパルス毎にランダムな位相変調が加えられているので、受信者側端末31のホモダイン検波出力(減算器53の出力)として小さなレベルで通信情報Scmが得られるため、これをレベル判別器54で区別して出力できる。
また、付加情報送信時には、送信者側端末30から通信路32に送出されるパルス光P1(信号光)の強度が大きくされると共に、このパルス光P1の位相がランダムな位相変調に係る複数の基底を構成する位相のいずれにも直交しない位相とされているので(図7、図9参照)、受信者側端末31のホモダイン検波出力(減算器53の出力)として、受信者側端末31側の位相変調器46でランダムな位相変調がされたとしても、常に大きなレベルでフレーム同期信号FDを得ることができ、これをレベル判別器54で区別して出力できる。これにより、フレーム同期信号FDを受信側に確実に認知させることができる。
また、図12に示す量子暗号通信装置100Aによれば、量子暗号通信で送信される通信情報のあるまとまり(単位)に関連して、例えば各フレームの先頭で、フレーム同期信号を送信するものであり、各フレームの同期を良好にとることができる。
また、図12に示す量子暗号通信装置100Aによれば、付加情報送信時に、送信者側端末30における位相変調器39でパルス光P1(信号光)の位相を1,0のビット列からなる情報の各ビット値に応じて変化させることができ、あるいは送信者側端末30における可変減衰器37でパルス光P1(信号光)の光量レベルを1,0のビット列からなる情報の各ビット値に応じて変化させることができ、フレーム同期信号情報に各フレームの通信情報の種類等の情報を持たせることができる。
次に、この発明の第2の実施の形態を説明する。図16は、第2の実施の形態として量子暗号通信装置100Bの構成を示している。 この量子暗号通信装置100Aは、第1の通信端末としての送信者側端末1と、第2の通信端末としての受信者側端末2と、これら送信者側端末1および受信者側端末2を結ぶ通信路3とを備えている。
この量子暗号通信装置100Bも、上述した量子暗号通信装置100Aと同様に、通信路3を介して、送信者側端末1から受信者側端末2に向けて、量子暗号通信時には通信情報としての秘密情報(例えば共通鍵暗号方式において使用される共有秘密鍵など)を送信し、付加情報送信時には付加情報としてのフレーム同期信号を送信する。このフレーム同期信号は、量子暗号通信で送信される通信情報のあるまとまり(単位)をフレームとするとき、各フレームに関連して、例えば各フレームの先頭で送信される。このフレーム同期信号により各フレームの同期をとることが可能となる。
送信者側端末1は、ビームスプリッタ19、遅延器20、位相変調器21、可変減衰器22、ファラデーミラー24、検出器26およびコントローラ28を有している。また、受信者側端末2は、レーザ光源4、サーキュレータ5、分岐比が1対1のビームスプリッタ6、位相変調器7、遅延器8、ビームスプリッタ9、偏光ビームスプリッタ10、検出器12、ホモダイン検波器15、レベル判別器16およびコントローラ17を有している。
通信路3として、光ファイバあるいは自由空間を用いることができる。自由空間を通信路3とするときは、望遠鏡を使用して通信路3における光ビームの径を大きくすることにより、光の回折の影響を小さくすることができる。
以下、量子暗号を適用した通信処理の動作シーケンスに従って、各構成部における処理の詳細を説明する。
受信者側端末2のレーザ光源4で発生するパルス光が、通信路3を介して送信者側端末1へ送信され、そのパルス光が再度、通信路3を介して受信者側端末2へ戻ってくるという順番で動作するので、その順番に従って説明する。
受信者側端末2のサーキュレータ5は、レーザ光源4からの光がビームスプリッタ6へ出力され、ビームスプリッタ6から戻ってきた光がホモダイン検波器15へ出力されるように光路制御を実行する。
受信者側端末2のレーザ光源4から発生したパルス光は、サーキュレータ5を介してビームスプリッタ6に入力されると、ビームスプリッタ6において、信号光であるパルス光P1および参照光であるパルス光P2に分離される。
ビームスプリッタ6から位相変調器7、遅延器8、ビームスプリッタ9を経て偏光ビームスプリッタ10に進むパルス光をP1とする。また、ビームスプリッタ6から直接偏光ビームスプリッタ10に進むパルス光をP2とする。図では、受信者側端末2から送信者側端末1へ向かうパルス光P1,P2を実線矢印で示し、送信者側端末1から受信者側端末2へ戻るパルス光P1,P2を点線矢印で示している。
ビームスプリッタ6から偏光ビームスプリッタ10へ進む2つの経路は偏波保存ファイバで各部品間を接続し、パルス光P1とパルス光P2が偏光ビームスプリッタ10で合流し、通信路3に送出されるときには、パルス光P1とパルス光P2は互いに直交する直線偏光となる。
ただし、遅延器8により、パルス光P1はパルス光P2よりも遅れて通信路3に入力される。パルス光P1とパルス光P2の時間差は、レーザ光源4のパルス光のコヒーレンス時間よりも十分長くなければならず、また、受信者側端末2の位相変調器7と、送信者側端末1の位相変調器21および可変減衰器22の応答時間よりも長くなるように選ぶ。
送信者側端末1では、受信者側端末2から通信路3を経由してパルス光P1、P2を受信する。送信者側端末1では、通信路3からのパルス光P1,P2をビームスプリッタ19に入力する。ビームスプリッタ19は、大部分の光を遅延器20側に出力し、一部の光のみを検出器26側に出力するように入力光の分岐処理を行なう。
ビームスプリッタ19の分岐比は、検出器26がパルス光P2の到着をモニターできる強度となる範囲でなるべく多くの光が遅延器20側に進むように設定する。例えば、遅延器20側と検出器26側との分岐比は9対1に設定される。
検出器26は、パルス光P2の到着をモニターするために用いる。検出器26としては、例えばフォトダイオードもしくはアバランシェフォトダイオードと、これに増幅器を組み合わせた構成を適用できる。フォトダイオードとアバランシェフォトダイオードには、パルス光の波長が可視域もしくは近赤外の場合にはSiを、波長が1.3μm〜1.6μmの場合にはGeもしくはInGaAsを用いることができる。なお、詳細説明は省略するが、受信者側端末2の検出器12も、検出器26と同様に構成される。
検出器26の検出出力は、コントローラ28に供給される。図16においては、位相変調器21が可変減衰器22より通信路3側に設置された例を示しているが、可変減衰器22を位相変調器21より通信路3側に設置する構成であってもよい。
コントローラ28は、位相変調器21と可変減衰器22を制御する。この場合、パルス光P2(参照光)に対しては、可変減衰器22の透過率が高くなるようにし、位相変調器21は作用させない。
また、位相変調器21および可変減衰器22は、パルス光P1(信号光)に対しては、上述した量子暗号通信装置100Aの送信者側端末30における位相変調器39および可変減衰器37と同様に、以下の動作をする。
すなわち、位相変調器21は、パルス光P1の位相を調整する。この位相変調器21は、コントローラ28の制御により、量子暗号通信時には、パルス光P1に、パルス毎に複数の基底、本実施の形態では2つの基底(図1に示すx,p参照)を構成する0度(0ラジアン)、90度(π/2ラジアン)、180度(πラジアン)、270度(3π/2ラジアン)の位相から選択された所定の位相となるランダムな位相変調を加える。このように本実施の形態における量子暗号通信は、4つの量子状態を用いるものである。
また、位相変調器21は、コントローラ28の制御により、付加情報送信時には、パルス光P1の位相が、上述した2つの基底を構成する位相(0度、90度、180度、270度)のいずれにも直交しない位相となる位相変調を加える。例えば、パルス光P1は、図7にフレーム同域信号で示すように、45度の位相とされる。これにより、後述するように、受信者側端末2でパルス光P1またはパルス光P2にパルス毎に上述した2つの基底を構成する位相から選択された所定の位相となるランダムな位相変調を加えている場合に、その基底の変化に拘わらずに、付加情報送信時におけるホモダイン検波の出力を大きなレベルで得ることが可能となる。
なお、詳細説明は省略するが、上記した量子暗号通信装置100Aと同様にして、フレーム同期信号に、各フレームの通信情報の種類等の情報を持たせることができる。
コントローラ28は、検出器26の検出出力に基づいて、パルス光P2(参照光)の到着を知ることができ、位相変調器21におけるパルス光P1(信号光)に対する位相変調の処理開始タイミングを制御する。これにより、位相変調器21においては、パルス光P1(信号光)を構成する各パルスに対して正しいタイミングで位相変調の処理を行うことができる。
可変減衰器22は、パルス光P1の光量を調整する。この可変減衰器22は、コントローラ28の制御により、量子暗号通信時には、パルス光P1の光量を減衰させて、送信者側端末1から通信路3に送出されるパルス光P1のパルスあたりの平均光子数が1個程度となるようにする。また、この可変減衰器22は、コントローラ28の制御により、付加情報送信時には、パルス光P1の光量を減衰させないか、あるいはその減衰の程度を小さくし、送信者側端末1から通信路3に送出されるパルス光P1の強度を強くする。
ここで、量子暗号通信時におけるパルス光P1の調整光量を第1の光量とし、付加情報送信時におけるパルス光P1の調整光量を第2の光量とするとき、第2の光量は第1の光量より大きくなる。これにより、後述するように、付加情報送信時における受信者側端末2のホモダイン検波の出力を、量子暗号通信時に比べて大きなレベルで得ることができ、受信者側端末2でフレーム同期信号が送られてきたことを確実に認知可能となる。
なお、送信者側端末1から通信路3に送出されるパルス光P2(参照光)のパルスあたりの平均光子数は、受信者側端末2側のホモダイン検波におけるS/N比が最適になるように選ばれる。典型的なパルス光P2の強度はパルスあたりの平均光子数が10個程度である。このとき、送信者側端末1側の可変減衰器22のパルス光P1とパルス光P2に対する相対的な透過率の典型的な比は、10−6:1程度となる。
受信者側端末2から通信路3を介して送信者側端末1に入力したパルス光P1とパルス光P2は送信者側端末1のファラデーミラー24で反射され、受信者側端末2に戻される。したがって、パルス光P1とパルス光P2は送信者側端末1の位相変調器21と可変減衰器22とを、往復で2回通ることになる。
送信者側端末1から通信路3を介して受信者側端末2に入力されたパルス光P1,P2は、偏光ビームスプリッタ10により分岐される。この場合、パルス光P1は直接ビームスプリッタ6へ入力される短い経路へ出力され、パルス光P2はビームスプリッタ9、遅延器8および位相変調器7を通る長い経路へ出力される。図では、パルス光P1(信号光)、パルス光P2(参照光)をそれぞれ点線矢印で示している。
パルス光P1とパルス光P2は、送信者側端末1に設置されたファラデーミラー24によって反射された光であるので、受信者側端末2の偏光ビームスプリッタ10へ戻ってきたパルス光P1とパルス光P2は、受信者側端末2から出力されたパルス光P1とパルス光P2に対してそれぞれ90度偏光面が回転した直線偏光になっている。
この偏光に起因して、受信者側端末2に入力されたパルス光P1は、偏光ビームスプリッタ10により、直接ビームスプリッタ6へ入力される短い経路へ出力され、パルス光P2は、ビームスプリッタ9、遅延器8、位相変調器7を通る長い経路へ出力される。すなわち、受信者側端末2の偏光ビームスプリッタ10とビームスプリッタ6の間の経路は、受信者側端末2から送信者側端末1へ向かう際のパルス光P1,P2と、逆に送信者側端末1から受信者側端末2へ戻ったパルス光P1,P2とで入れ替わることになる。
偏光ビームスプリッタ10により分岐されたパルス光P2(参照光)は、ビームスプリッタ9により、遅延器8へ進むパルス光と検出器12へ進むパルス光に分かれる。ビームスプリッタ9の典型的な分岐比は9対1とされ、大部分のパルス光が遅延器8側に進むように設定される。
受信者側端末2の検出器12の構成は、送信者側端末1の検出器26と同様で、ビームスプリッタ9の分岐比に関しても、パルス光P2の到着が検出できる範囲でなるべく多くの光が遅延器8側に出力されるように設定する。
検出器12の出力はコントローラ17に供給される。コントローラ17は位相変調器7の動作を制御する。コントローラ17は、検出器12の検出出力に基づいて、パルス光P2(参照光)の到着を知ることができ、位相変調器7におけるパルス光P2(参照光)に対する位相変調の処理開始タイミングを制御する。これにより、位相変調器7においては、パルス光P2(参照光)を構成する各パルスに対して正しいタイミングで位相変調の処理が行われる。
この位相変調器7は、コントローラ17の制御により、量子暗号通信時および付加情報送信時には、パルス光P2に、パルス毎に上述した2つの基底を構成する0度、90度の位相から選択された所定の位相となるランダムな位相変調を加える。なお、この位相変調器7をパルス光P1(信号光)の経路に配置して、パルス光P2の代わりに、パルス光P1に同様のランダムな位相変調を加えるようにしてもよい。
往路、すなわち受信者側端末2から送信者側端末1へ向かう際には、長い経路(ビームスプリッタ6→位相変調器7→遅延器8→ビームスプリッタ9→偏光ビームスプリッタ10)を通ったパルス光P1は、復路では短い経路(偏光ビームスプリッタ10→ビームスプリッタ6)を通る。一方、往路では短い経路(ビームスプリッタ6→偏光ビームスプリッタ10)を通ったパルス光P2は、復路では長い経路(偏光ビームスプリッタ10→ビームスプリッタ9→遅延器8→位相変調器7→ビームスプリッタ6)を通る。このように、パルス光P1,P2は、受信者側端末2と送信者側端末1との間の往復において全く等距離の経路を経由することになり、パルス光P1(信号光)とパルス光P2(参照光)は同時にビームスプリッタ6に到着する。
ビームスプリッタ6の2つの出力は、片方は直接、もう片方はサーキュレータ5を通って、ホモダイン検波器15へ入力されて、ホモダイン検波が行われる。そして、ホモダイン検波出力はレベル判別器16に供給される。このレベル判別器16は、ホモダイン検波出力をレベル判別して、量子暗号通信時に送られてくる通信情報Scmおよび付加情報送信時に遅れてくるフレーム同期信号FDを区別して出力する。
量子暗号通信時には、上述したように送信者側端末1から通信路3に送出されるパルス光P1(信号光)の強度が小さくされると共に、通信情報に対応してパルス毎にランダムな位相変調が加えられているので、ホモダイン検波出力として、小さなレベルで通信情報Scmが得られ、これがレベル判別器16から出力される。
一方、付加情報送信時には、上述したように送信者側端末1から通信路3に送出されるパルス光P1(信号光)の強度が大きくされると共に、このパルス光P1の位相がランダムな位相変調に係る複数の基底を構成する位相のいずれにも直交しない位相とされているので、ホモダイン検波出力として、受信者側端末2で上述したようにパルス光P2(参照光)にランダムな位相変調が加えられているとしても、常に大きなレベルでフレーム同期信号FDが得られ、これがレベル判別器16から出力される。
図16に示す量子暗号通信装置100Bにおける送信者側端末1と受信者側端末2との間の通信による秘密情報の共有シーケンスは、上述の図12に示す量子暗号通信装置100Bにおけるものと同様であるので(図13〜図15参照)、その説明は省略する。
図16に示す量子暗号通信装置100Bによれば、上述した図12に示す量子暗号通信装置100Aと同様に、付加情報送信時には、送信者側端末1から通信路3に送出されるパルス光P1(信号光)の強度が大きくされると共に、このパルス光P1の位相がランダムな位相変調に係る複数の基底を構成する位相のいずれにも直交しない位相とされているので(図7、図9参照)、受信者側端末2のホモダイン検波出力として、受信者側端末2側の位相変調器7でランダムな位相変調がされたとしても、常に大きなレベルでフレーム同期信号FDを得ることができ、フレーム同期信号FDを受信側に確実に認知させることができる。
なお、上述実施の形態においては、付加情報送信時に、送信者側端末30,1側で、パルス光P1(信号光)の位相が、上述した複数の基底を構成する位相のいずれにも直交しない位相となる位相変調を加えて通信路に送出し、受信者側端末31,2側で、ホモダイン検波出力としてフレーム同期信号を得るものを示したが、以下のようにしてフレーム同期信号を送信するようにしてもよい。
すなわち、付加情報送信時に、送信者側端末30,1側で、パルス光P1(信号光)に、上述した複数の基底のうち特定の基底を構成する位相となる位相変調を加えて通信路に送出し、受信者側端末31,2側で、パルス光P1(信号光)またはパルス光P2(参照光)に、上述した特定の基底を構成する位相となる位相変調を加えて、ホモダイン検波出力として付加情報を得るものである。
この場合、受信者側端末31,2側では、パルス光P1(信号光)またはパルス光P2(参照光)にランダムな位相変調を加えている状態で、付加情報送信時となってホモダイン検波出力として大きなレベルの信号が出力され始めるとき、位相変調器46,7で上述した特定の基底を構成する位相となる位相変調を加える状態とし、さらに付加情報の送信が終了したとき再びランダムな位相変調を加える状態に戻せばよい。
この発明は、連続変量の量子暗号通信を行う際に、送信者側端末から受信者側端末にフレーム同期信号等の付加情報を良好に送信できるものであり、秘密鍵暗号方式における秘密鍵等の秘密情報を交換する量子暗号通信装置等に適用できる。
信号光の位相状態に情報を載せた連続変量の量子暗号における平均光子数1の信号光を、直交位相振幅座標x、p上で表した図である。 参照光と信号光をホモダイン検波することで信号光の位相状態を抽出した場合に、受信基底が送信基底と合っていた場合における、信号のヒストグラムを示す図である。 参照光と信号光をホモダイン検波することで信号光の位相状態を抽出した場合に、送信側と受信側の基底が異なっていた場合における、信号のヒストグラムを示す図である。 送信側から送られるフレーム同期信号の信号レベルおよび位相状態の一例を示す図である。 フレーム同期信号の位相がx軸上にある場合における、受信側のホモダイン検波で得られる信号のヒストグラムを示す図である。 フレーム同期信号の位相がx軸上にある場合、受信側の基底がpである場合における、受信側のホモダイン検波で得られる信号のヒストグラムを示す図である。 フレーム同期信号の位相を、x,Pのいずれの基底にも一致させない状態を示す図である。 フレーム同期信号の信号光のレベルを大きくすると共に、その位相を、x,pのいずれの基底にも一致させない状態とした場合における、受信側のホモダイン検波で得られる信号のヒストグラムを示す図である。 フレーム同期信号に情報を載せるために、互いに直交するx軸およびp軸で囲まれた、隣り合わない象限、例えば第1象限および第3象限にフレーム同期信号をおいた状態を示す図である。 第1象限および第3象限にフレーム同期信号をおいた状態における、受信側のホモダイン検波で得られる信号のヒストグラムを示す図である。 フレーム同期信号を隣り合った象限においた状態を示す図である。 この発明の第1の実施の形態としての量子暗号通信装置の構成を示すブロック図である。 情報通信処理の説明を行うための図(1/3)である。 情報通信処理の説明を行うための図(2/3)である。 情報通信処理の説明を行うための図(3/3)である。 この発明の第2の実施の形態としての量子暗号通信装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1,30・・・送信者側端末、2,31・・・受信者側端末、3,32・・・通信路、4,33・・・レーザ光源、5・・・サーキュレータ、6,9,19,34,43,49・・・ビームスプリッタ、7,21,39,46・・・位相変調器、8,20・・・遅延器、10,41,42・・・偏光ビームスプリッタ、12,26,44・・・検出器、15・・・ホモダイン検出器、16,54・・・レベル判別器、17,28,38,45・・・コントローラ、22,37・・・可変減衰器、24・・・ファラデーミラー、35,40,48・・・反射鏡、36,47・・・半波長板、51,52・・・フォトダイオード、53・・・減算器、100A,100B・・・量子暗号通信装置

Claims (18)

  1. 量子暗号に基づく通信処理を実行する量子暗号通信装置であって、
    第1の通信端末と、第2の通信端末と、上記第1の通信端末および上記第2の通信端末を結ぶ通信路とを備え、
    上記第1の通信端末は、
    パルス光を発生する光源と、
    上記光源から発生されるパルス光を信号光および参照光に分離する第1の光分離部と、
    上記第1の光分離部で分離される上記信号光の光量を調整する可変減衰器と、
    上記第1の光分離部で分離される上記信号光の位相を調整する第1の位相変調器と、
    上記可変減衰器および上記第1の位相変調器の動作を制御する第1のコントローラと、
    上記第1の光分離部で分離される参照光、および上記第1の光分離部で分離され、上記可変減衰器および上記第1の位相変調器を介された上記信号光を上記通信路に送出する光送出部とを有し、
    上記第1のコントローラは、
    量子暗号通信時には、上記信号光の光量が第1の光量となるように上記可変減衰器を制御すると共に、上記信号光に、パルス毎に複数の基底を構成する位相から選択された所定の位相となるランダムな位相変調を加えるように上記第1の位相変調器を制御し、
    付加情報送信時には、上記信号光の光量が上記第1の光量より大きな第2の光量となるように上記可変減衰器を制御すると共に、上記信号光の位相が、上記複数の基底を構成する位相のいずれにも直交しない位相となるように上記第1の位相変調器を制御し、
    上記第2の通信端末は、
    上記通信路を介して上記第1の通信端末から送られてくる上記参照光を分離して取り出す第2の光分離部と、
    上記第2の光分離部で分離される上記信号光および上記参照光に基づいてホモダイン検波を行うホモダイン検波器と、
    上記第2の光分離部で分離されて上記ホモダイン検波器に供給される上記信号光または上記参照光の位相を調整する第2の位相変調器と、
    上記第2の位相変調器の動作を制御する第2のコントローラと、
    上記ホモダイン検波器の出力信号をレベル判別して、上記量子暗号通信時に送られてくる通信情報および上記付加情報送信時に送られてくる付加情報を区別して出力するレベル判別器とを有し、
    上記第2のコントローラは、
    上記量子暗号通信時および上記付加情報送信時には、上記信号光または上記参照光に、パルス毎に上記複数の基底を構成する位相から選択された所定の位相となるランダムな位相変調を加えるように上記第2の位相変調器を制御する
    ことを特徴とする量子暗号通信装置。
  2. 上記量子暗号通信で送信される通信情報の単位をフレームとし、上記付加情報は、各フレームの送信に関連して送信される
    ことを特徴とする請求項1に記載の量子暗号通信装置。
  3. 上記複数の基底を構成する位相のいずれにも直交しない位相として、該複数の基底を構成する位相が互いに直交する第1および第2の座標軸にあるとき、該第1および第2の座標軸で囲まれた第1象限および第3象限、あるいは第2象限および第4象限に存在する位相を用いる
    ことを特徴とする請求項1に記載の量子暗号通信装置。
  4. 上記第1のコントローラは、上記付加情報送信時に、上記信号光の光量が、付加情報に応じて振幅変調されるように上記可変減衰器を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の量子暗号通信装置。
  5. 量子暗号に基づく通信処理を実行する量子暗号通信装置で使用される通信端末であって、
    パルス光を発生する光源と、
    上記光源から発生されるパルス光を信号光および参照光に分離する光分離部と、
    上記光分離部で分離される上記信号光の光量を調整する可変減衰器と、
    上記光分離部で分離される上記信号光の位相を調整する位相変調器と、
    上記可変減衰器および上記位相変調器の動作を制御するコントローラと、
    上記光分離部で分離される参照光、および上記光分離部で分離され、上記可変減衰器および上記第1の位相変調器を介された上記信号光を上記通信路に送出する光送出部とを有し、
    上記コントローラは、
    量子暗号通信時には、上記信号光の光量が第1の光量となるように上記可変減衰器を制御すると共に、上記信号光に、パルス毎に複数の基底を構成する位相から選択された所定の位相となるランダムな位相変調を加えるように上記位相変調器を制御し、
    付加情報送信時には、上記信号光の光量が上記第1の光量より大きな第2の光量となるように上記可変減衰器を制御すると共に、上記信号光の位相が、上記複数の位相のいずれにも直交しない位相となるように上記位相変調器を制御する
    ことを特徴とする通信端末。
  6. 量子暗号に基づく通信処理を実行する量子暗号通信装置で使用される通信端末であって、
    通信路を介して他の端末装置から送られてくる信号光および参照光を分離して取り出す光分離部と、
    上記光分離部で分離される上記信号光および上記参照光に基づいてホモダイン検波を行うホモダイン検波器と、
    上記光分離部で分離されて上記ホモダイン検波器に供給される上記信号光または上記参照光の位相を調整する位相変調器と、
    上記位相変調器の動作を制御するコントローラと、
    上記ホモダイン検波器の出力信号をレベル判別して、量子暗号通信時に送られてくる通信情報および付加情報送信時に送られてくる付加情報を区別して出力するレベル判別器とを有し、
    上記コントローラは、
    上記量子暗号通信時および上記付加情報送信時には、上記信号光または上記参照光に、パルス毎に複数の基底を構成する位相から選択された所定の位相となるランダムな位相変調を加えるように上記位相変調器を制御する
    ことを特徴とする通信端末。
  7. 第1の通信端末側で、光源から発生されるパルス光を信号光および参照光に分離し、該参照光を通信路に送出し、該信号光を、第1の光量に減衰させると共にパルス毎に複数の基底を構成する位相から選択された所定の位相となるランダムな位相変調を加えた後に上記通信路に送出し、第2の通信端末側で、上記通信路から上記信号光および上記参照光を分離して取り出し、該信号光または該参照光にパルス毎に上記複数の基底を構成する位相から選択された所定の位相となるランダムな位相変調を加えた後に該信号光および該参照光に基づいてホモダイン検波を行って通信情報を得る量子暗号通信装置における付加情報送信方法であって、
    上記第1の通信端末側で、上記信号光を、上記第1の光量より大きな第2の光量とすると共に上記複数の基底を構成する位相のいずれにも直交しない位相として上記通信路に送出し、上記第2の通信端末側で、上記ホモダイン検波の出力として付加情報を得る
    ことを特徴とする量子暗号通信装置における付加情報送信方法。
  8. 量子暗号に基づく通信処理を実行する量子暗号通信装置であって、
    第1の通信端末と、第2の通信端末と、上記第1の通信端末および上記第2の通信端末を結ぶ通信路とを備え、
    上記第1の通信端末は、
    パルス光を発生する光源と、
    上記光源から発生されるパルス光を信号光および参照光に分離する第1の光分離部と、
    上記第1の光分離部で分離される上記信号光の光量を調整する可変減衰器と、
    上記第1の光分離部で分離される上記信号光の位相を調整する第1の位相変調器と、
    上記可変減衰器および上記第1の位相変調器の動作を制御する第1のコントローラと、
    上記第1の光分離部で分離される参照光、および上記第1の光分離部で分離され、上記可変減衰器および上記第1の位相変調器を介された上記信号光を上記通信路に送出する光送出部とを有し、
    上記第1のコントローラは、
    量子暗号通信時には、上記信号光の光量が第1の光量となるように上記可変減衰器を制御すると共に、上記信号光に、パルス毎に複数の基底を構成する位相から選択された所定の位相となるランダムな位相変調を加えるように上記第1の位相変調器を制御し、
    付加情報送信時には、上記信号光の光量が上記第1の光量より大きな第2の光量となるように上記可変減衰器を制御すると共に、上記信号光に上記複数の基底のうち特定の基底を構成する位相となる位相変調を加えるように上記第1の位相変調器を制御し、
    上記第2の通信端末は、
    上記通信路を介して上記第1の通信端末から送られてくる上記参照光を分離して取り出す第2の光分離部と、
    上記第2の光分離部で分離される上記信号光および上記参照光に基づいてホモダイン検波を行うホモダイン検波器と、
    上記第2の光分離部で分離されて上記ホモダイン検波器に供給される上記信号光または上記参照光の位相を調整する第2の位相変調器と、
    上記第2の位相変調器の動作を制御する第2のコントローラと、
    上記ホモダイン検波器の出力信号をレベル判別して、上記量子暗号通信時に送られてくる通信情報および上記付加情報送信時に送られてくる付加情報を区別して出力するレベル判別器とを有し、
    上記第2のコントローラは、
    上記量子暗号通信時には、上記信号光または上記参照光に、パルス毎に上記複数の基底を構成する位相から選択された所定の位相となるランダムな位相変調を加えるように上記第2の位相変調器を制御し、
    上記付加情報送信時には、上記信号光または上記参照光に、上記特定の基底を構成する位相となる位相変調を加えるように上記第2の位相変調器を制御する
    ことを特徴とする量子暗号通信装置。
  9. 第1の通信端末側で、光源から発生されるパルス光を信号光および参照光に分離し、該参照光を通信路に送出し、該信号光を、第1の光量に減衰させると共にパルス毎に複数の基底を構成する位相から選択された所定の位相となるランダムな位相変調を加えて上記通信路に送出し、第2の通信端末側で、上記通信路から上記信号光および上記参照光を分離して取り出し、該信号光または該参照光にパルス毎に上記複数の基底を構成する位相から選択された所定の位相となるランダムな位相変調を加えた後に該信号光および該参照光に基づいてホモダイン検波を行って通信情報を得る量子暗号通信装置における付加情報送信方法であって、
    上記第1の通信端末側で、上記信号光を、上記第1の光量より大きな第2の光量とすると共に上記複数の基底のうち特定の基底を構成する位相となる位相変調を加えて上記通信路に送出し、上記第2の通信端末側で、上記信号光または上記参照光に、上記特定の基底を構成する位相となる位相変調を加え、上記ホモダイン検波の出力として付加情報を得る
    ことを特徴とする量子暗号通信装置における付加情報送信方法。
  10. 量子暗号に基づく通信処理を実行する量子暗号通信装置であって、
    第1の通信端末と、第2の通信端末と、上記第1の通信端末および上記第2の通信端末を結ぶ通信路とを備え、
    上記第1の通信端末は、
    上記通信路を介して上記第2の通信端末から送られてくる上記信号光および上記参照光を所定の光路を介して上記通信路に送出する第1の光送出部と、
    上記所定の光路を通る上記信号光の光量を調整する可変減衰器と、
    上記所定の光路を通る上記信号光の位相を調整する第1の位相変調器と、
    上記可変減衰器および上記第1の位相変調器の動作を制御する第1のコントローラとを有し、
    上記第1のコントローラは、
    量子暗号通信時には、上記信号光の光量が第1の光量となるように上記可変減衰器を制御すると共に、上記信号光に、パルス毎に複数の基底を構成する位相から選択された所定の位相となるランダムな位相変調を加えるように上記第1の位相変調器を制御し、
    付加情報送信時には、上記信号光の光量が上記第1の光量より大きな第2の光量となるように上記可変減衰器を制御すると共に、上記信号光の位相が、上記複数の基底を構成する位相のいずれにも直交しない位相となるように上記第1の位相変調器を制御し、
    上記第2の通信端末は、
    パルス光を発生する光源と、
    上記光源から発生されるパルス光を信号光および参照光に分離する第1の光分離部と、
    遅延器が挿入されている第1の光路と、
    遅延器が挿入されていない第2の光路と、
    上記第1の光分離部で分離され、上記第1の光路を通過した上記信号光、および上記第1の光分離部で分離され、上記第2の光路を通過した上記参照光を合成して、上記通信路に送出する第2の光送出部と、
    上記通信路を介して上記第1の通信端末から送られてくる上記信号光および上記参照光を分離して取り出する第2の光分離部と、
    上記第2の光分離部で分離される上記信号光および上記参照光に基づいてホモダイン検出を行うホモダイン検波器と、
    上記第2の光分離部で分離されて上記ホモダイン検波器に供給される上記信号光または上記参照光の位相を調整する第2の位相変調器と、
    上記第2の位相変調器の動作を制御する第2のコントローラと、
    上記ホモダイン検波器の出力信号をレベル判別して、上記量子暗号通信時に送られてくる通信情報および上記付加情報送信時に送られてくる付加情報を区別して出力するレベル判別器とを有し、
    上記第2のコントローラは、
    上記量子暗号通信時および上記付加情報送信時には、上記信号光または上記参照光に、パルス毎に複数の基底を構成する位相から選択された所定の位相となるランダムな位相変調を加えるように上記第2の位相変調器を制御する
    ことを特徴とする量子暗号通信装置。
  11. 上記量子暗号通信で送信される情報の単位をフレームとし、上記付加情報は、各フレームの送信に関連して送信される
    ことを特徴とする請求項10に記載の量子暗号通信装置。
  12. 上記複数の基底を構成する位相のいずれにも直交しない位相として、該複数の基底を構成する位相が互いに直交する第1および第2の座標軸にあるとき、該第1および第2の座標軸で囲まれた第1象限および第3象限、あるいは第2象限および第4象限に存在する位相を用いる
    ことを特徴とする請求項10に記載の量子暗号通信装置。
  13. 上記第1のコントローラは、上記付加情報送信時に、上記信号光の光量が、付加情報に応じて振幅変調されるように上記可変減衰器を制御する
    ことを特徴とする請求項10に記載の量子暗号通信装置。
  14. 量子暗号に基づく通信処理を実行する量子暗号通信装置で使用される通信端末であって、
    通信路を介して他の通信端末から送られてくる信号光および参照光を所定の光路を介して上記通信路に送出する光送出部と、
    上記所定の光路を通る上記信号光の光量を調整する可変減衰器と、
    上記所定の光路を通る上記信号光の位相を調整する位相変調器と、
    上記可変減衰器および上記位相変調器の動作を制御するコントローラとを有し、
    上記コントローラは、
    量子暗号通信時には、上記信号光の光量が第1の光量となるように上記可変減衰器を制御すると共に、上記信号光に、パルス毎に複数の基底を構成する位相から選択された所定の位相となるランダムな位相変調を加えるように上記位相変調器を制御し、
    付加情報送信時には、上記信号光の光量が上記第1の光量より大きな第2の光量となるように上記可変減衰器を制御すると共に、上記信号光の位相が、上記複数の基底を構成する位相のいずれにも直交しない位相となるように上記位相変調器を制御する
    ことを特徴とする通信端末。
  15. 量子暗号に基づく通信処理を実行する量子暗号通信装置で使用される通信端末であって、
    パルス光を発生する光源と、
    上記光源から発生されるパルス光を信号光および参照光に分離する第1の光分離部と、
    遅延器が挿入されている第1の光路と、
    遅延器が挿入されていない第2の光路と、
    上記第1の光分離部で分離され、上記第1の光路を通過した上記信号光、および上記第1の光分離部で分離され、上記第2の光路を通過した上記参照光を合成して、上記通信路に送出する光送出部と、
    上記通信路を介して他の通信端末から送られてくる上記信号光および上記参照光を分離して取り出する第2の光分離部と、
    上記第2の光分離部で分離される上記信号光および上記参照光に基づいてホモダイン検出を行うホモダイン検波器と、
    上記第2の光分離部で分離されて上記ホモダイン検波器に供給される上記信号光または上記参照光の位相を調整する位相変調器と、
    上記第2の位相変調器の動作を制御するコントローラと、
    上記ホモダイン検波器の出力信号をレベル判別して、上記量子暗号通信時に送られてくる通信情報および上記付加情報送信時に送られてくる付加情報を区別して出力するレベル判別器とを有し、
    上記コントローラは、
    上記量子暗号通信時および上記付加情報送信時には、上記信号光または上記参照光に、パルス毎に複数の基底を構成する位相から選択された所定の位相となるランダムな位相変調を加えるように上記位相変調器を制御する
    ことを特徴とする通信端末。
  16. 第2の通信端末側で、光源から発生されるパルス光を信号光および参照光に分離し、該参照光を遅延器が挿入されていない第2の光路を通して通信路に送出し、該信号光を遅延器が挿入されている第1の光路を通して上記通信路に送出し、第1の通信端末側で、通信路を介して送られてくる上記信号光および上記参照光を所定の光路を通して上記通信路に送出する際、該信号光の光量を第1の光量に減衰させると共に該信号光にパルス毎に複数の基底を構成する位相から選択された所定の位相となるランダムな位相変調を加え、上記第2の通信端末側で、上記通信路を介して送られてくる上記信号光および上記参照光を分離して取り出し、該信号光または該参照光にパルス毎に上記複数の基底を構成する位相から選択された所定の位相となるランダムな位相変調を加えた後に該信号光および該参照光に基づいてホモダイン検波を行って通信情報を得る量子暗号通信装置における付加情報送信方法であって、
    上記第1の通信端末側で、上記信号光を、上記第1の光量より大きな第2の光量とすると共に上記複数の基底を構成する位相のいずれにも直交しない位相として上記通信路に送出し、上記第2の通信端末側で、上記ホモダイン検波の出力として付加情報を得る
    ことを特徴とする量子暗号通信装置における付加情報送信方法。
  17. 量子暗号に基づく通信処理を実行する量子暗号通信装置であって、
    第1の通信端末と、第2の通信端末と、上記第1の通信端末および上記第2の通信端末を結ぶ通信路とを備え、
    上記第1の通信端末は、
    上記通信路を介して上記第2の通信端末から送られてくる上記信号光および上記参照光を所定の光路を介して上記通信路に送出する第1の光送出部と、
    上記所定の光路を通る上記信号光の光量を調整する可変減衰器と、
    上記所定の光路を通る上記信号光の位相を調整する第1の位相変調器と、
    上記可変減衰器および上記第1の位相変調器の動作を制御する第1のコントローラとを有し、
    上記第1のコントローラは、
    量子暗号通信時には、上記信号光の光量が第1の光量となるように上記可変減衰器を制御すると共に、上記信号光に、パルス毎に複数の基底を構成する位相から選択された所定の位相となるランダムな位相変調を加えるように上記第1の位相変調器を制御し、
    付加情報送信時には、上記信号光の光量が上記第1の光量より大きな第2の光量となるように上記可変減衰器を制御すると共に、上記信号光に上記複数の基底のうち特定の基底を構成する位相となる位相変調を加えるように上記第1の位相変調器を制御し、
    上記第2の通信端末は、
    パルス光を発生する光源と、
    上記光源から発生されるパルス光を信号光および参照光に分離する第1の光分離部と、
    遅延器が挿入されている第1の光路と、
    遅延器が挿入されていない第2の光路と、
    上記第1の光分離部で分離され、上記第1の光路を通過した上記信号光、および上記第1の光分離部で分離され、上記第2の光路を通過した上記参照光を合成して、上記通信路に送出する第2の光送出部と、
    上記通信路を介して上記第1の通信端末から送られてくる上記信号光および上記参照光を分離して取り出する第2の光分離部と、
    上記第2の光分離部で分離される上記信号光および上記参照光に基づいてホモダイン検出を行うホモダイン検波器と、
    上記第2の光分離部で分離されて上記ホモダイン検波器に供給される上記信号光または上記参照光の位相を調整する第2の位相変調器と、
    上記第2の位相変調器の動作を制御する第2のコントローラと、
    上記ホモダイン検波器の出力信号をレベル判別して、上記量子暗号通信時に送られてくる通信情報および上記付加情報送信時に送られてくる付加情報を区別して出力するレベル判別器とを有し、
    上記第2のコントローラは、
    上記量子暗号通信時には、上記信号光または上記参照光に、パルス毎に複数の基底を構成する位相から選択された所定の位相となるランダムな位相変調を加えるように上記第2の位相変調器を制御し、
    上記付加情報送信時には、上記信号光または上記参照光に、上記特定の基底を構成する位相となる位相変調を加えるように上記第2の位相変調器を制御する
    ことを特徴とする量子暗号通信装置。
  18. 第2の通信端末側で、光源から発生されるパルス光を信号光および参照光に分離し、該参照光を遅延器が挿入されていない第2の光路を通して通信路に送出し、該信号光を遅延器が挿入されている第1の光路を通して上記通信路に送出し、第1の通信端末側で、通信路を介して送られてくる上記信号光および上記参照光を所定の光路を通して上記通信路に送出する際、該信号光の光量を第1の光量に減衰させると共に該信号光にパルス毎に複数の基底を構成する位相から選択された所定の位相となるランダムな位相変調を加え、上記第2の通信端末側で、上記通信路を介して送られてくる上記信号光および上記参照光を分離して取り出し、該信号光または該参照光にパルス毎に上記複数の基底を構成する位相から選択された所定の位相となるランダムな位相変調を加えた後に該信号光および該参照光に基づいてホモダイン検波を行って通信情報を得る量子暗号通信装置における付加情報送信方法であって、
    上記第1の通信端末側で、上記信号光を、上記第1の光量より大きな第2の光量とすると共に上記複数の基底のうち特定の基底を構成する位相となる位相変調を加えて上記通信路に送出し、上記第2の通信端末側で、信号光または参照光に、上記特定の基底を構成する位相となる位相変調を加え、ホモダイン検波の出力として付加情報を得る
    ことを特徴とする量子暗号通信装置における付加情報送信方法。
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