JP2007297699A - 表面処理装置、光学素子成形用型及び光学素子 - Google Patents

表面処理装置、光学素子成形用型及び光学素子 Download PDF

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Abstract

【課題】発生するプラズマを広範囲に低濃度に分布した状態で輸送して被処理体の均一な処理を行うことができる表面処理装置及びそれによって表面処理される光学素子成形用型を提供すること。
【解決手段】表面処理装置1は、真空チャンバ2と、筒状の絶縁物を介してトリガー電極と接続されたターゲットと、ターゲットの周囲にアーク放電を誘起させるアーク電極とを有し、アーク放電によって生じるプラズマ8を放出する蒸着源10と、光学素子成形用型母材11を載置する支持台12と、磁石13を有して、蒸着源10から放出されるプラズマ8の進行方向が、支持台12の近傍において中心軸線C方向となるように偏向させる偏向部15とを備えている。磁石13は周方向断面が略矩形でリング状に一体に形成された多面体とされている。
【選択図】図1

Description

本発明は、表面処理装置、光学素子成形用型及び光学素子に関する。
ターゲットを含む固体アークプラズマ源を有する表面処理装置において被処理体の表面処理を行う表面処理装置として、プラズマとともに放出されるドロップレット等の飛散粒子の被処理体への到達を規制するために、真空容器中にリング状又はコイル状の磁石を配して固体アークプラズマ源と被処理体との間に偏向磁場をかけるものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この表面処理装置によれば、偏向磁場によりプラズマの輸送経路のみを偏向させることができ、この方向に被処理体を配することによってドロップレット等の被処理体への飛来を規制するものが開示されている。
特開2004−225107号公報
しかしながら、上記従来の表面処理装置にて処理を行う際、発生したプラズマは、磁石の角部を目指すようにして被処理体に到達する。従って、上記従来の表面処理装置のように、被処理体のほうが磁石よりも大きい場合には、磁石の角部が被処理体の径方向内方に配されるので、被処理体の内側にプラズマが収束してしまい、表面の均一な処理を行うことが困難となる。また、被処理体にバイアス電圧を印加して、被処理体の表面のみならずその内部にまでプラズマイオンを注入する場合、プラズマ密度が高いとバイアス電圧を印加したときに被処理体とプラズマとの間にアーク放電が発生してしまう。
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、発生するプラズマを広範囲に低濃度に分布した状態で輸送して被処理体の均一な処理を行うことができる表面処理装置、及びそれによって表面処理された光学素子成形用型、さらにこの光学素子成形用型から製造された光学素子を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明に係る表面処理装置は、絶縁物を介してトリガー電極と接続されたターゲットと、該ターゲットの周囲にアーク放電を誘起させるアーク電極とを有し、前記アーク放電によって生じるターゲットイオンを含むプラズマを前記ターゲットの先端方向に放出する蒸着源と、前記ターゲットイオンが到達する被処理体を載置する表面の法線が、前記蒸着源近傍における前記プラズマの放出方向に対して傾いて配された支持台と、磁石又は電磁石を有して、前記蒸着源から放出された前記プラズマの進行方向が、前記支持台近傍にて該支持台表面の略法線方向となるように偏向させる偏向部とを備え、前記磁石又は前記電磁石が多面体とされ、前記被処理体の外周縁部よりも径方向外方となる領域に相当する位置に、多面体の角部が配されるように形成されていることを特徴とする。この発明は、蒸着源から放出されたプラズマの分布を偏向部により被処理体の外周縁部よりも径方向外側まで広げることができる。
また、本発明に係る表面処理装置は、前記表面処理装置であって、前記被処理体が複数配されていることを特徴とする。この発明は、複数の被処理体に対して、それぞれ好適な条件下で連続して表面処理を行うことができる。
また、本発明に係る表面処理装置は、前記表面処理装置であって、前記磁石又は前記電磁石が、前記被処理体の形状又は配置に沿って設けられていることを特徴とする。この発明は、被処理体の数や形状にかかわらず、好適な表面処理を行うことができる。
また、本発明に係る表面処理装置は、前記表面処理装置であって、前記磁石又は前記電磁石が一体となって、リング状又は多角形状に形成されていることを特徴とする。この発明は、磁石又は電磁石の周方向に連続して角部が形成されるので、角部の何れの場所にもプラズマを収束させることができ、より均一にプラズマを分散させることができる。
また、本発明に係る表面処理装置は、前記表面処理装置であって、前記磁石又は前記電磁石が、リング状又は多角形状に並んで配された複数の磁石片を備えていることを特徴とする。この発明は、磁石又は電磁石の角部が、周方向のみならず径方向にも形成されるので、プラズマの収束箇所を増加させることができ、より均一にプラズマを分散させることができる。
また、本発明に係る表面処理装置は、前記表面処理装置であって、前記角部が、内径側角部と、該内径側角部よりも径方向外方に設けられた外径側角部とを備えていることを特徴とする。
この発明は、磁石又は電磁石の内径よりも径方向内方に被処理体を配することができ、プラズマを被処理体の外周縁部よりも径方向外方に収束させて、より均一にプラズマを分散させることができる。また、被処理体を内径側角部に挿通させることができ、長尺な被処理体の端面も処理することができる。
また、本発明に係る表面処理装置は、前記表面処理装置であって、前記磁石又は前記電磁石が前記蒸着源近傍に配されていることを特徴とする。この発明は、プラズマが蒸着源から放出されるときから、均一に分散したプラズマを放出させることができ、磁場から離脱するプラズマ量を減らしてプラズマの輸送効率を向上させることができる。
また、本発明に係る表面処理装置は、前記表面処理装置であって、前記偏向部が、前記蒸着源が配された一方の側部と、前記支持台が配された他方の側部とを有するL字状ヨークを備え、前記磁石又は前記電磁石が、前記L字状ヨークに配されていることを特徴とする。
この発明は、磁石又は電磁石がL字状ヨークに配されているので、磁石又は電磁石により形成される磁場をより安定化することができ、プラズマの分布をより好適に制御することができる。
また、本発明に係る表面処理装置は、前記表面処理装置であって、前記L字状ヨークの前記他方の側部に、前記被処理体よりも大きい口径のヨーク開口部が設けられていることを特徴とする。
この発明は、プラズマを被処理体の径方向外方のヨーク開口部に収束させることができ、磁石又は電磁石の角部と合わせて、より均一にプラズマを分散させることができる。
また、本発明に係る表面処理装置は、前記表面処理装置であって、前記支持台を前記法線に直交する二軸方向に揺動させる移動部を備えていることを特徴とする。この発明は、プラズマの分布が被処理体上で固定しないようにして、被処理体に対してより均一な分布にすることができる。
また、本発明に係る表面処理装置は、前記表面処理装置であって、前記被処理体にバイアス電圧を付加するバイアス電源部を備えていることを特徴とする。この発明は、被処理体にバイアス電圧を付加することにより、ターゲットイオンを加速して被処理体に衝突させることができる。この際、バイアス電圧の大きさを制御することにより、ターゲットイオンを被処理体に注入したり、高密度又はアモルファス状の成膜を行ったりすることができる。
本発明に係る光学素子成形用型は、本発明に係る表面処理装置によって表面処理された被処理体から製造されることを特徴とする。また、本発明に係る光学素子は、本発明に係る光学素子成形用型により製造されたことを特徴とする。この発明は、光学素子成形用型及び光学素子の光学鏡面を高品質に維持させることができる。
本発明によれば、発生するプラズマを広範囲に低濃度に分布した状態で輸送して被処理体の均一な処理を行うことができる。
本発明に係る第1の実施形態について、図1から図4を参照して説明する。
本実施形態に係る表面処理装置1は、図1から図3に示すように、真空チャンバ(真空容器)2と、筒状の絶縁物3を介してトリガー電極5と接続されたターゲット6と、ターゲット6の周囲にアーク放電を誘起させるアーク電極7とを有し、アーク放電によって生じるターゲットイオンを含むプラズマ8をターゲット6の先端6a方向に放出する蒸着源10と、光学素子成形用型母材(被処理体)11を載置する支持台12と、磁石13を有して、蒸着源10から放出されるプラズマ8の進行方向が、支持台12の近傍において中心軸線C方向となるように偏向させる偏向部15とを備えている。
真空チャンバ2の外部には、内部を大気圧から所定の圧力まで調整する図示しない真空排気系、トリガー電源16、アーク電源17、及び後述するバイアス電源部25がそれぞれ接続されている。
ターゲット6は、例えば、棒状のイリジウムから構成されている。
トリガー電極5及びアーク電極7はそれぞれトリガー電源16及びアーク電源17の陽極側に接続されており、ターゲット6がトリガー電源16及びアーク電源17の陰極側に接続されている。また、アーク電源17には、図示しないコンデンサが、電気が貯められた状態で配線されている。なお、アーク電極7とターゲット6とは電気的に接続されていない。
アーク電極7は、円筒形状のステンレス部材とされ、内部にターゲット6が挿通されている。アーク電極7は、支持台12に載置した光学素子成形用型母材11に対してターゲット6を遮蔽可能な長さに形成されている。アーク電極7の先端7a側は、ターゲット6の先端6aよりも突出する一方、支持台12の遠位側が半円筒状に切り欠かれて開口している。
偏向部15は、磁石13から生じる磁力線の方向を調整する鉄製のL字状ヨーク18をさらに備えている。磁石13は周方向断面が略矩形でリング状に一体に形成された多面体とされ、光学素子成形用型母材11の外周縁部11aよりも径方向外方となる領域に相当する位置に、多面体の角部20が配されるように形成されている。角部20は、光学素子成形用型母材11の外周縁部11aよりも径方向外方に設けられた内径側角部20Aと、内径側角部20Aよりも径方向外方に設けられた外径側角部20Bとを備えている。
L字状ヨーク18は、ターゲット6の軸線方向に対して直交する方向に延びる一方の側部18Aと、一方の側部18Aと直交する方向に延びる他方の側部18Bとを備えている。一方の側部18Aには、L字状ヨーク18によって形成される磁力線の経路上となる位置に蒸着源10が配されている。他方の側部18Bには、後述する軸21が貫通するヨーク開口部18aが設けられている。そして、支持台12は、他方の側部18Bの蒸着源10側に配され、磁石13は、内径側角部20Aよりも内側に後述する軸21が貫通された状態で、支持台12との間にヨーク開口部18aを挟むようにして他方の側部18Bに配されている。
支持台12は、略円板状に形成され、蒸着源10近傍におけるプラズマ8の放出方向Pに対して中心軸線Cが傾くように、L字状ヨーク18の他方の側部18Bに配されている。本実施形態においては、プラズマ8の蒸着源10からの放出方向Pと中心軸線Cとは略直交している。光学素子成形用型母材11は、支持台12の中心部に装着されている。
支持台12には、中心軸線C方向に延びる軸21を介して中心軸線C回りに支持台12を回転するとともに、支持台12をターゲット6に対して支持台12の中心軸線Cに直交する二軸方向に揺動させる移動部22が接続されている。移動部22は、図示しない支持台揺動用駆動系及び支持台回転用のステッピングモータ等を備えている。
支持台12には、フィードスルー23を介して光学素子成形用型母材11に負のバイアス電圧を印加するバイアス電源部25が接続されている。バイアス電源部25は、図示しないコンピュータによってターゲット6とアーク電極7との間にアーク放電が起こったことを検知して光学素子成形用型母材11にバイアス電圧を印加するように制御されている。このバイアス電圧はパルス状とされている。
次に、本実施形態に係る表面処理装置1の作用について説明する。
まず、支持台12に表面処理を行う光学素子成形用型母材11を装着する。真空チャンバ2内を真空排気系にて真空引きした後、移動部22のステッピングモータ等を駆動して軸21とともに支持台12を回転する。なお、真空引きと支持台12の回転とを行う順番は逆でも構わない。
この状態で、トリガー電源16によりトリガー電極5とターゲット6との間に高圧パルス電圧を印加する。このとき、絶縁物3の先端に瞬間的に沿面放電が発生し、トリガー電極5と絶縁物3から突出したターゲット6との間に電流が流れて、ターゲット6の表面にアークスポットAが発生する。
アークスポットAからターゲット6のプラズマが僅かに発生することによって、ターゲット6とアーク電極7との間に電気回路が形成され、アーク電極7とターゲット6との間でアーク放電が生じる。そして、アーク電源17に配線されている図示しないコンデンサに貯められた電気が一瞬でアーク電極7からターゲット6へ放電されてターゲット6の軸方向にアーク電流が流れ、プラズマ8が発生する。この際、アーク電極7がターゲット6の略全周面を覆っているので、アーク放電がターゲット6の全周面から均等に生じやすい。従って、ターゲット6から均一にプラズマ8が発生する。そして、プラズマ8が発生する度にパルス状のバイアス電圧をバイアス電源部25から印加する。
発生したプラズマ8は、ターゲット6を流れる電流によって生じる磁場によってターゲット6の先端6a側に電磁力を受け、プラズマ8が速度を持って移動して蒸着源10からP方向に放出され、偏向部15の磁場によってプラズマ8の輸送経路が、放出方向Pから支持台12の中心軸線C方向に偏向され、光学素子成形用型母材11へと誘導される。
一方、アーク放電によって、ドロップレットもターゲット6から直線運動的に飛散する。このうち、支持台12方向に飛散するものはアーク電極7に遮られてこれに付着又はアーク電極7の開口方向に反射してしまう。これらは電気的に中性であるので、偏向部15による磁場の影響を受けない。従って、プラズマ8の輸送経路から外れて真空チャンバ2の内壁面等に衝突して付着し、又は反射して最終的に重力によって落下する。
こうして、清浄なプラズマ8が光学素子成形用型母材11に到達する。この際、例えば、光学素子成形用型母材11を直径20mmとしたとき、光学素子成形用型母材11上のプラズマ8が直径10mm程度と光学素子成形用型母材11の直径の半分程度となるように調整されている。ただし、プラズマ8が、磁石13の内径側角部20A及び外径側角部20Bの任意の位置に向かって収束しようとするので、プラズマ8が光学素子成形用型母材11の表面に到達する頃には、収束密度が緩和され、プラズマ8の分布も光学素子成形用型母材11の表面全体に広がった状態となる。さらに、プラズマ8が到達している間、移動部22の支持台揺動用駆動系を駆動して支持台12を平面方向に二軸揺動させ、プラズマ8が光学素子成形用型母材11の表面に均一に到達するように調整する。
また、このとき、プラズマイオンが正に帯電しているので、プラズマ8からイリジウムイオンが容易に取り出され、光学素子成形用型母材11内に注入される。この際、バイアス電圧を漸次変化させることにより、イリジウム濃度が漸次変化する傾斜組成とする。
光学素子成形用型母材11の処理が終了した後は、真空チャンバ2を大気開放して支持台12から処理後の光学素子成形用型母材11を取り出す。こうして、図4に示すように、イリジウムよりなる傾斜層26の上にイリジウム合金よりなる保護膜27が形成された光学素子成形用型28を得る。
こうして得られた光学素子成形用型28によって、図示しない光学素子を製造する。
この表面処理装置1によれば、磁石13の内径側角部20Aよりも径方向内方に光学素子成形用型母材11が配されるので、プラズマ8を光学素子成形用型母材11の径方向外方となる磁石13の内径側角部20A及び外径側角部20Bの任意の位置に収束させることができる。そして、プラズマ8の分布を光学素子成形用型母材11の外周縁部11aよりも径方向外側まで広げることができる。従って、発生するプラズマ8を広範囲に低濃度に分布した状態で輸送することができ、バイアス電圧によるアーキングを抑えて光学素子成形用型母材11の均一な処理を行うことができる。
また、長尺な光学素子成形用型母材の場合、光学素子成形用型母材11を磁石13の内径側角部20A内に貫通させることができ、長尺な光学素子成形用型母材の端面も処理することができる。さらに、移動部22により支持台12を平面方向に二軸揺動させることができ、プラズマ8の分布が光学素子成形用型母材11上で固定しないようにして、光学素子成形用型母材11に対してより均一なプラズマ分布にすることができる。
また、この結果得られた光学素子成形用型28によれば、光学鏡面が高品質に維持されるので、高密度、高密着強度の保護膜を有する型により、高精度の成形を行うことができる。
そして、この光学素子成形用型28によって得られた図示しない光学素子によれば、光学鏡面の精度を高品質に維持することができる。
次に、第2の実施形態について図5を参照しながら説明する。
なお、上述した第1の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第2の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、本実施形態に係る表面処理装置30の偏向部31が有する磁石32が、光学素子成形用型母材11の径方向外方に六角形(多角形)状に並んで配された複数の磁石片32Aを備えているとした点である。
各磁石片32Aは、直方体状に形成されている。従って、磁石32の角部33である内径側角部33A及び外径側角部33Bは、何れも光学素子成形用型母材11を不連続に取り囲むように設けられる。さらに、磁石32の角部33は、磁石片32Aが隣接する面に形成された径方向角部33Cも備えている。なお、磁石片32Aの配列は六角形に限らず、五角形以上の多角形であればよい。
次に、本実施形態に係る表面処理装置30の作用について説明する。
第1の実施形態と同様の操作によって、第1の実施形態と同様のプラズマを発生させ、プラズマを光学素子成形用型母材に到達させる。この際、プラズマは、磁石32の内径側角部33A、外径側角部33Bだけでなく、径方向角部33Cの配された位置に向かっても収束しようとするので、プラズマが光学素子成形用型母材の表面に到達する頃には、収束密度がより緩和され、プラズマの分布も光学素子成形用型母材の表面全体に広がった状態となる。この際、プラズマが到達している間、支持台を平面方向に二軸揺動させ、プラズマが光学素子成形用型母材の表面に均一に到達するように調整する。こうして、第1の実施形態と同様の光学素子成形用型が製造される。
この表面処理装置30によれば、磁石32がリング状に一体に形成されたものでなくても、多角形状に複数の磁石片32Aを配列することにより、角部33を光学素子成形用型母材の周囲に配置することができる。従って、プラズマを第1の実施形態と同様に均一に分布させることができる。
次に、第3の実施形態について図6から図8を参照しながら説明する。
なお、上述した他の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第3の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、本実施形態に係る表面処理装置35の偏向部36が有する磁石37が、図6に示すように、支持台12上に直線状に一列に並んで配された複数の光学素子成形用型母材38A,38B,38C,38Dに沿って、これら全体を取り囲むように形成されているとした点である。
即ち、磁石37は、図7に示すように、平面視略楕円形の略リング状に形成されており、磁石37の内径側角部37Aの長径が、光学素子成形用型母材38A,38B,38C,38Dの両端間の距離よりも大きくなっている。一方、磁石37の内径側角部37Aの短径は、光学素子成形用型母材38A,38B,38C,38Dの外径に近い大きさとなっている。この磁石37は、内径側角部37Aよりも内側に軸21が貫通された状態で、支持台12との間にヨーク開口部18aを挟むようにしてL字状ヨーク18の他方の側部18Bに配されている。
なお、図8に示すように、光学素子成形用型母材38A,38B,38C,38Dの代わりに、光学素子成形用型母材38A,38B,38C,38Dが直線状に連接されて略直方体状の母材として一体に形成された光学素子成形用型母材39が装着されたものとしても構わない。
次に、本実施形態に係る表面処理装置35の作用について説明する。
まず、支持台12に、光学素子成形用型母材38A,38B,38C,38Dを装着する。そして、プラズマ8が到達する領域の中心に、例えば、光学素子成形用型母材38Bが配されるように位置決めする。続いて、第1の実施形態と同様の操作によって、第1の実施形態と同様のプラズマ8を発生させ、プラズマ8を光学素子成形用型母材38Bに到達させる。
この際、プラズマ8は、磁石37の内径側角部37A及び外径側角部37Bの位置に向かって収束しようとする。そのため、プラズマ8が光学素子成形用型母材38Bの表面に到達する頃には、第1の実施形態と同様に、収束密度がより緩和され、プラズマ8の分布が、磁石37の形状に合わせて光学素子成形用型母材38A,38B,38C,38Dの表面全体に広がった状態となる。なお、プラズマ8が到達している間、支持台12を平面方向に二軸揺動させ、プラズマ8が光学素子成形用型母材38Bの表面により均一に到達するように調整する。こうして、第1の実施形態と同様にして光学素子成形用型が製造される。
これを他の光学素子成形用型母材38A,38C,38Dについても順番に実施して、光学素子成形用型母材38A,38C,38Dのそれぞれについて処理を行う。
この表面処理装置35によれば、光学素子成形用型母材の数や形状に合わせた磁石37が配されているので、磁石37の形状に合わせてプラズマ8を到達させることができる。従って、光学素子成形用型母材の数や形状にかかわらず、二軸揺動の移動範囲を抑えて、より簡略化した制御条件下で連続した処理をすることができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、磁石が支持台12の近傍に配置されているが、図9に示すように、磁石13が、L字状ヨーク18の一方の側部18Aの蒸着源10の近傍に配された表面処理装置40としても構わない。この場合、支持台12がL字状ヨーク18によって形成される磁力線の経路上となる位置の他方の側部18Bに設けられることにより、より均等、かつ、強い磁場を形成することができ、プラズマ8を光学素子成形用型母材11の表面上に均一に分布させることができる。
また、第1の実施形態に係る磁石13の代わりに、図10及び図11に示すように、第2の実施形態に係る磁石32と同様、円弧状の複数の磁石片41A又は半円磁石片42Aが並んで構成された磁石41,42としても構わない。さらに、図12に示すように、光学素子成形用型母材43が平面視略L字状のように多角形状の場合には、磁石32が有する複数の磁石片32Aの内径側角部33Aが、光学素子成形用型母材43の外周に沿って並ぶように配置されたものでもよい。この場合、第2の実施形態と同様の作用・効果を奏することができる。
また、第3の実施形態のように、光学素子成形用型母材38A,38B,38C,38Dが配された場合であっても、平面視略楕円状の磁石37ではなく、図13に示すように、第1の実施形態における磁石13を使用しても構わない。この場合、例えば、磁石13の位置に対応した光学素子成形用型母材38Aのみに対して確実な表面処理を行うことができる。
また、上記実施形態では、磁極を発生させるために磁石を使用しているが、電磁石であっても構わない。この場合、電磁石の形状を上記実施形態に係る磁石と同様の形状とすることにより、同様の作用・効果を奏することができる。
また、上記実施形態では、磁石がL字状ヨーク18の一方の側部18A及び他方の側部18Bに設けられたときに、それぞれ真空チャンバ2と対向する側の面に設けられているものとしている。しかし、これに限らず、これとは反対側の、支持台12に対向する側の面に設けられたものとしてもよい。
また、上記実施形態の表面処理装置によって表面処理された光学素子成形用型母材に対し、上記表面処理に用いたターゲットと同種の金属、同種の元素を含む合金、貴金属、又はその合金を、スパッタリング、イオンプレーティング、CVD等の手段でさらに成膜することにより、厚膜かつ高機能な光学素子成形用型を容易に得ることができる。
本発明の第1の実施形態に係る表面処理装置を示す概略構成図である。 本発明の第1の実施形態に係る表面処理装置の蒸着源を示す概略構成図である。 本発明の第1の実施形態に係る表面処理装置の磁石近傍を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る表面処理装置により得られる光学素子成形用型を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る表面処理装置の磁石を示す平面図である。 本発明の第3の実施形態に係る表面処理装置を示す概略構成図である。 本発明の第3の実施形態に係る表面処理装置の磁石を示す平面図である。 本発明の第3の実施形態に係る表面処理装置の変形例を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る表面処理装置の変形例を示す概略構成図である。 本発明の各実施形態に係る表面処理装置の磁石の変形例を示す平面図である。 本発明の各実施形態に係る表面処理装置の磁石の他の変形例を示す平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る表面処理装置の変形例を示す概略構成図である。 本発明の第3の実施形態に係る表面処理装置の他の変形例を示す概略構成図である。
符号の説明
1,30,35,40 表面処理装置
2 真空チャンバ(真空容器)
3 絶縁物
5 トリガー電極
6 ターゲット
7 アーク電極
8 プラズマ
10 蒸着源
11,38A,38B,38C,38D,39,43 光学素子成形用型母材(被処理体)
12 支持台
13,32,37,41,42 磁石
15,31,36 偏向部
18 L字状ヨーク
20,33 角部
20A,33A,37A 内径側角部
20B,33B,37B 外径側角部
22 移動部
28 光学素子成形用型
32A,41A,42A 磁石片

Claims (13)

  1. 絶縁物を介してトリガー電極と接続されたターゲットと、該ターゲットの周囲にアーク放電を誘起させるアーク電極とを有し、前記アーク放電によって生じるターゲットイオンを含むプラズマを前記ターゲットの先端方向に放出する蒸着源と、
    前記ターゲットイオンが到達する被処理体を載置する表面の法線が、前記蒸着源近傍における前記プラズマの放出方向に対して傾いて配された支持台と、
    磁石又は電磁石を有して、前記蒸着源から放出された前記プラズマの進行方向が、前記支持台近傍にて該支持台表面の略法線方向となるように偏向させる偏向部とを備え、
    前記磁石又は前記電磁石が多面体とされ、前記被処理体の外周縁部よりも径方向外方となる領域に相当する位置に、多面体の角部が配されるように形成されていることを特徴とする表面処理装置。
  2. 前記被処理体が複数配されていることを特徴とする請求項1に記載の表面処理装置。
  3. 前記磁石又は前記電磁石が、前記被処理体の形状又は配置に沿って設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の表面処理装置。
  4. 前記磁石又は前記電磁石が一体となって、リング状又は多角形状に形成されていることを特徴とする請求項1から3の何れか一つに記載の表面処理装置。
  5. 前記磁石又は前記電磁石が、リング状又は多角形状に並んで配された複数の磁石片を備えていることを特徴とする請求項1から3の何れか一つに記載の表面処理装置。
  6. 前記角部が、内径側角部と、該内径側角部よりも径方向外方に設けられた外径側角部とを備えていることを特徴とする請求項4又は5に記載の表面処理装置。
  7. 前記磁石又は前記電磁石が前記蒸着源近傍に配されていることを特徴とする請求項1から6の何れか一つに記載の表面処理装置。
  8. 前記偏向部が、前記蒸着源が配された一方の側部と、前記支持台が配された他方の側部とを有するL字状ヨークを備え、
    前記磁石又は前記電磁石が、前記L字状ヨークに配されていることを特徴とする請求項1から7の何れか一つに記載の表面処理装置。
  9. 前記L字状ヨークの前記他方の側部に、前記被処理体よりも大きい口径のヨーク開口部が設けられていることを特徴とする請求項8に記載の表面処理装置。
  10. 前記支持台を前記法線に直交する二軸方向に揺動させる移動部を備えていることを特徴とする請求項1から9の何れか一つに記載の表面処理装置。
  11. 前記被処理体にバイアス電圧を付加するバイアス電源部を備えていることを特徴とする請求項1から10の何れか一つに記載の表面処理装置。
  12. 請求項1から11の何れか一つに記載の表面処理装置によって表面処理された被処理体から製造されることを特徴とする光学素子成形用型。
  13. 請求項12に記載の光学素子成形用型により製造されたことを特徴とする光学素子。
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