JP2007295004A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高度に微細化が進んでもコンタクト抵抗、バリア性及び金属埋め込み特性の三者を同様に満足のいくものとする高信頼性のコンタクトプラグ構造を有した半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】下層と上層の電気的接続をするため絶縁膜41にコンタクトホール42を形成し、コンタクトホール42内に第1の高融点金属膜43を堆積し、第1の高融点金属膜43の表面を窒化し、第1の高融点金属膜の窒化表面44上に第2の高融点金属膜45を堆積し、第2の高融点金属膜45を熱処理により窒化物46に変化させる。
【選択図】 図8
【解決手段】下層と上層の電気的接続をするため絶縁膜41にコンタクトホール42を形成し、コンタクトホール42内に第1の高融点金属膜43を堆積し、第1の高融点金属膜43の表面を窒化し、第1の高融点金属膜の窒化表面44上に第2の高融点金属膜45を堆積し、第2の高融点金属膜45を熱処理により窒化物46に変化させる。
【選択図】 図8
Description
この発明は、特に微細なコンタクト構造を有する高集積化された半導体装置及びその製造方法に関する。
半導体装置において、コンタクトホールによる素子領域や配線間のコンタクト構造はますます微細化され、高信頼をもたらす精度、低抵抗性が要求されている。
図12(a)〜(f)は、第1の従来例を説明するための、コンタクト配線構造の製造方法を工程順に示す断面図である。この技術は、例えば特許文献1等を参考にして表わしたものであり、配線溝とコンタクトホールを自己整合的に形成する技術である。
図12(a)に示すように、絶縁膜700上に、例えばダマシン法等周知の技術を用いて配線層701を形成しておき、上部に例えばシリコン酸化膜等の絶縁膜702を堆積する。次いで、図12(b)に示すように、さらに絶縁膜702とはエッチングレートの異なる例えばシリコン窒化膜等の絶縁膜703を薄く堆積する。
次に、図12(c)に示すように、リソグラフィ技術とエッチング技術を用いて絶縁膜703に対して開孔部704を形成する。次いで、図12(d)に示すように、さらに絶縁膜703とはエッチングレートの異なる、例えば絶縁膜702と同じシリコン酸化膜等の絶縁膜705を堆積する。
次に、図12(e)に示すように、リソグラフィ技術と異方性選択エッチング技術を用いて、絶縁膜705に対して配線溝706を開孔する。このとき、配線溝パターンと開孔部704の重なる部分については絶縁膜702もエッチングされる。これにより、配線溝706と同時にコンタクトホール707も開孔される。すなわち、配線溝706とコンタクトホール707を自己整合的に形成することが可能である。
次に、図12(f)に示すように、導電物質708を埋め込み、例えばCMP法(Chemical Mechanical Polishing )を用いて上部の導電物質708を除去し平坦化する。これにより、コンタクトプラグ710と配線層709を形成する。
上記構成によれば、開孔部704と配線溝706の重なり部分でコンタクトホール位置が決められる。配線溝706はコンタクトホール位置近傍で広めに形成し、配線溝706の形成時に開孔部704が確実に入るように構成すれば、配線溝706とコンタクトホール707との位置合わせずれに対処することができる。
また、最下層のコンタクト領域にある程度余裕があれば、コンタクトホール位置近傍で開孔部704を少なくとも配線溝706に交差する方向で広めに形成するとよい。配線溝706の形成時に開孔部704が確実に入るように構成でき、配線溝706とコンタクトホール707との位置合わせずれに対処することができる。
しかしながら、上記第1の従来例に示す方法によれば、配線溝706及びコンタクトホール707は、異方性の選択エッチング技術を用いて開孔される。このため、コンタクトホール707の側壁は、半導体基板面に対してほぼ垂直に形成される。
図13、図14(a),(b)、図15及び図16(a),(b)は、上記第1の従来例のような製造方法に関する問題点を示す図である。図13は、配線溝とコンタクトホールを示す平面図、図14(a),(b)は、それぞれ図13の14A−14A断面図、14B−14B断面図、図15は、図14(a)の断面図において、コンタクトホールに導電物質を埋め込んだ様子を示す断面図である。また、図16(a),(b)は、それぞれ図14(a),(b)に対応した変形例を示す断面図である。前記図12の第1の従来例と同様の個所には同一符号を付している。
図13、図14(a),(b)において、配線溝の底部を定める絶縁膜703において、開孔部704は、コンタクトホール位置近傍で少なくとも配線溝706に交差する方向で広めに形成されている。コンタクトホール707は、底面に対してほぼ垂直にエッチングされる。このようなコンタクトホール707に、バリアメタルや導電物質708を良好に埋め込むことは困難である。
例えば、図15に示すように、導電物質708にシーム711やボイド712が発生する恐れがある。シーム711は、その後の研磨工程における平坦化の妨げになる。ボイド212は、その後の熱工程でボイド中に入っているガスがどのような悪影響を及ぼすか計り知れない。
そこで、コンタクトホール707に、導電物質808を良好に埋め込む方法としてテーパーエッチング技術を採用することを考える。すなわち、エッチング条件を制御して、コンタクトホール707の側壁にテーパー角を持たせるのである。これにより、コンタクトホール707に埋め込む導電物質708の埋め込み特性を向上させる。
図16(a),(b)は、それぞれ図14(a),(b)に対応した断面にテーパーエッチング技術を採用した場合の断面図である。すなわち、配線溝706とコンタクトホール707を同時に開孔する際に、テーパーエッチング技術を用いた構成である。
図16(a)に示すように、配線溝706に沿った方向の断面では、テーパーエッチング技術を用いた方法によりコンタクトホール側壁にテーパー角が付き、埋め込み特性の改善が期待されている。ここで、コンタクトホール底面715における面積(導電物質との接触面積)をある程度確保しようとする場合、テーパーエッチングでは、コンタクトホール上部(コンタクトホールの間口)は底面より大きくなることに注意する。
図16(b)に示すように、配線溝706と直交方向の断面では、テーパーエッチング技術を用いたことによる弊害が明らかになっている。コンタクトホール底面715における面積(導電物質との接触面積)をある程度確保しようとする場合、テーパーエッチングでは、コンタクトホール707の上部の間口面積は底面より大きくなる。
前述のように、コンタクトホール707と配線溝706とは同時に形成されるため、全ての配線溝706にテーパーが付与される。このため、配線溝706上部において配線間隔が狭くなり、配線層間のショートを引き起こす可能性が高くなる。
すなわち、配線溝706自体はコンタクトホール部に比べてアスペクト比が小さく、溝側壁にテーパー角はあまり必要としない。にもかかわらず、配線溝706とコンタクトホール707とを同時に形成する方法を用いると、配線溝706の側壁にテーパー角が付いてしまう。図16(b)図中Dbに示すように、配線溝どうしが不必要に接近する構成は、配線領域の更なる微細化の妨げになる。
一方、コンタクトホールにおけるコンタクトプラグ構造自体に注目してみる。微細化が進むにつれ、コンタクト抵抗、反応バリア性及び埋め込みプラグとしての被覆特性が重要になってくる。以下、従来例を説明する。
半導体装置において、例えばW(タングステン)やAl(アルミニウム)といった金属が配線層あるいはコンタクトプラグとしてよく利用されている。このようなコンタクトプラグ用の金属は、下層の配線層(シリコン基板、ポリプラグを含む)と反応し、ジャンクション不良を起こす恐れがある。
従って、コンタクトプラグにはバリアメタルが併用されることが多い。代表的なバリアメタルとしてTiN(窒化チタン)が挙げられる。Si基板に対するコンタクトプラグを想定すると、良好なコンタクト抵抗を得るために、バリアメタルTiNとSi基板との間にTiSi2 (チタンシリサイド)を形成するのが一般的である。
図17(a)〜(c)は、それぞれ第2の従来例を説明するための、Si基板に対するコンタクトプラグの製造方法を工程順に示した断面図である。この例は、スパッタ法を用いてTiNのバリアメタルを形成する工程を含んでいる。
まず、基板800上の絶縁膜801に対しリソグラフィ技術とエッチング技術を用いてコンタクトホール802を開孔する。その後、スパッタ法を用いてTiを、さらにTiNを順次堆積する(図17(a))。次に、窒素雰囲気中でアニールすることにより、下部TiをTiSi2 に変化させる(図17(b))。その後、コンタクトホール内にWを埋め込み、上部を平坦化する(図17(c))。
この方法では、バリア性を高めるためにTiNを任意の厚さに堆積できる。しかし、スパッタ法によるTiNの堆積形状は、図17(b),(c)に示すように、コンタクト底部のエッジにおいて被覆性が悪くなる(803)。被覆性が悪い部分803ではバリア性が低下する。この結果、歩留まりや信頼性上の問題が生じてくる。
図18(a)〜(c)は、それぞれ第3の従来例を説明するための、Si基板に対するコンタクトプラグの製造方法を工程順に示した断面図である。この例は、スパッタ法で堆積したTiを熱窒化して、TiNのバリアメタルを形成する工程を含んでいる。前記第2の従来例と同様の個所は同一の符号を付す。
まず、基板800上の絶縁膜801に対しリソグラフィ技術とエッチング技術を用いてコンタクトホール802を開孔する。その後、スパッタ法を用いてTiを堆積する(図18(a))。この状態で窒素雰囲気でアニールする。これにより、コンタクトホール下部をTiSi2 にし、それ以外の上部は熱窒化してTiNに変化させる(図18(b))。その後、コンタクトホール内にWを埋め込み、上部を平坦化する(図18(c))。
この方法では、TiNよりエッジ被覆性に優れたTi膜を熱窒化する。このため、コンタクト底部のエッジにもほぼ均一にTiNを形成することができる。しかし、コンタクトホール802底部において、TiN膜と下部TiSi2 膜を同時に形成するため、それぞれの膜厚の比は各々の反応速度により決定されてしまう。すなわち、Ti→TiNと、Ti→TiSi2 この2つの反応速度の差によってTiN膜とTiSi2 膜の厚さの配分が必然的に決まる(804)。従って、両者の膜厚を独立に最適化することができなかった。
図19(a)〜(c)は、それぞれ第4の従来例を説明するための、Si基板に対するコンタクトプラグの製造方法を工程順に示した断面図である。この例は、CVD法によるTiNの堆積工程を含んでいる。前記第2の従来例と同様の個所は同一の符号を付す。
まず、基板800上の絶縁膜801に対しリソグラフィ技術とエッチング技術を用いてコンタクトホール802を開孔する。次に、CVD法によりTiおよびTiNを堆積する(図19(a))。この状態で窒素雰囲気でアニールする。これにより、コンタクトホール下部のTiをTiSi2 に変化させる(図19(b))。その後、コンタクトホール内にWを埋め込み、上部を平坦化する(図19(c))。
この方法では、エッジ被覆性の良いCVD−TiNを用いている。よって、コンタクトホール底部エッジでも良好なバリア性能が得られる。しかし、CVD法ではコンタクホール側壁にも底部とほぼ同じ膜厚のTi及びTiNが堆積されてしまう。このため、微細化が進みコンタクトホール径が小さくなると問題である。
すなわち、TiNが反応バリアとなり得る最小限必要な膜厚に比べて十分に大きく取れなくなると、コンタクトホールはバリアメタルによってほとんど埋め込まれることになる(805)。よって、この後でバリアメタルより低抵抗の金属、例えばW、Al、Cu等を埋め込むことは困難となる。結局、コンタクトプラグ抵抗を十分に下げられないという問題が生じてくる。
このように、コンタクトプラグ構造に注目してみても、微細化が進むにつれ、従来の技術では、コンタクト抵抗、バリア性及び金属埋め込み特性の三者を満足することができなくなる。
従来、テーパーエッチング技術を用いたコンタクトホールの形成は、その後の導電物質の埋め込み形状を良好にする利点を有する。その反面、コンタクトホール底部より上部(間口)が一様に大きくなるので問題である。
すなわち、コンタクトホール底部の接触面積をある程度確保しようとすると、コンタクトホールの上部では、隣り合う配線溝等の導電部分との間隔が狭くなる。これにより、上記コンタクトホール及び配線溝に導電物質を埋め込んだときに本来、絶縁しなければならない配線層間をショートさせる恐れがある。微細なピッチで配列する配線溝とコンタクトホールの関係は特に深刻な問題となる。
また、コンタクトホールのコンタクトプラグ構造に注目してみると、微細化に伴い、従来の技術では、コンタクト抵抗、反応バリア性及び金属埋め込み特性をすべて良好なものとする構造を形成することは困難になってきており、工夫が必要である。
特開平9−172067
本発明は、高度に微細化が進んでもコンタクト抵抗、バリア性及び金属埋め込み特性の三者を同様に満足のいくものとする高信頼性のコンタクトプラグ構造を有した半導体装置の製造方法を提供しようとするものである。
本発明の半導体装置の製造方法の第1の態様は、下層と上層の電気的接続をするため絶縁膜にコンタクトホールを形成する工程と、前記コンタクトホール内に第1の高融点金属膜を堆積する工程と、前記第1の高融点金属膜の表面を窒化する工程と、前記第1の高融点金属膜の窒化表面上に第2の高融点金属膜を堆積する工程と、前記第2の高融点金属膜を熱処理により窒化物に変化させる工程と具備することを特徴とする。
本発明の半導体装置の製造方法の第2の態様は、下層と上層の電気的接続をするため絶縁膜にコンタクトホールを形成する工程と、前記コンタクトホール内に第1の高融点金属膜を堆積する工程と、前記第1の高融点金属膜の表面に極薄の高融点金属窒化膜を堆積する工程と、前記極薄の高融点金属窒化膜表面上に第2の高融点金属膜を堆積する工程と、前記第2の高融点金属膜を熱処理により窒化物に変化させる工程とを具備することを特徴とする。
本発明によれば、高度に微細化が進んでもコンタクト抵抗、バリア性及び金属埋め込み特性の三者を同様に満足のいくものとする高信頼性のコンタクトプラグ構造を有した半導体装置の製造方法を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、この発明の半導体装置の第1の参考例に係る配線溝とコンタクトホールを示す平面図、図2(a),(b)は、それぞれ図1の2A−2A断面図、2B−2B断面図である。
図1、図2において、導電領域12を含む半導体基板11上に第1の絶縁膜13が形成されている。導電領域12は拡散層または金属配線層等である。第1の絶縁膜13上にこの絶縁膜13とはエッチングレートの異なる第2の絶縁膜14が薄く堆積されている。この絶縁膜14には、開孔部15が設けられている。
開孔部15で露出した第1の絶縁膜13上及び第2の絶縁膜14上にこの絶縁膜14とはエッチングレートの異なる第3の絶縁膜16が形成されている。この第3の絶縁膜16は、上記第1の絶縁膜13と同様のエッチングレートを持つ同じ物質でもかまわない。
第3の絶縁膜16の所定領域が除去され配線溝17が設けられている。配線溝17の底部には第2の絶縁膜14の表面が露出されている。配線溝17のエッチング領域と絶縁膜14に設けられた開孔部15の重なった領域には、下層の導電領域12の所定領域が露出するコンタクトホール18が形成されている。上記第1の絶縁膜13の厚さは、コンタクトホール18の深さに実質的に相当する。第2の絶縁膜14表面は、配線溝17の底面になる。
この発明では、上記コンタクトホール18に関し、配線溝17の方向と交差する側壁部分181のみ実質的なテーパー角を有する。すなわち、プラグ用導電物質の埋め込み特性向上に寄与するテーパー角を有するものである。さらに、配線溝17の側壁にはテーパー角は付与されない。
上記構成によれば、コンタクトホール18の上部(間口)は配線溝方向に長い長方形であり、コンタクトホール底部の面積より大きい。従って、後に形成されるコンタクトプラグのための導電物質の埋め込み特性を向上させると共に、埋め込む量が多くなるので、コンタクトプラグの抵抗やコンタクトプラグ底面での接触抵抗を下げるのに有利である。すなわち、この発明により、コンタクトプラグの抵抗軽減と信頼性向上が期待できる。
しかも、配線溝17には実質的にテーパー角は付与されていないので、従来技術で述べた図15(b)のような配線領域の集積化を妨げる構成にはならない。よって、コンタクトホール18底面182における面積(導電物質との接触面積)を十分確保しつつ、微細な配線間隔D1を保つことができる(図1)。この結果、配線間のショートを引き起こす可能性が低減され、歩留まり低下を抑止できる。また、より一層の配線領域の集積化が期待できる。
上記コンタクトホール18のみにテーパーを付与する製造方法について説明する。少なくとも上記第1の絶縁膜13は、あるエッチング条件にさらされエッチングされることになるが、このときの第1の絶縁膜13のエッチングレートと上記第2の絶縁膜14のエッチングレートに大きな差を持たせないようにする。
ここで、配線溝17のエッチングに際し、第3の絶縁膜16と第1の絶縁膜13は同じエッチングレートを有するものとし、配線溝17と同時に配線溝17と重なる開孔部15を介してコンタクトホール18がエッチングされる。この結果、図1、図2(a),(b)に表わすようなコンタクトホール18の形態が実現される。以下、詳細に説明する。
図2(a)に示すように、配線溝17と重なる開孔部15を介して第1の絶縁膜13がエッチングされる時、第2の絶縁膜14はエッチング選択比が保たれている。しかし、第2の絶縁膜14はほとんどエッチングされない条件となってはいるが、配線溝17底部に露出した第2の絶縁膜14の穴縁部分151は、他の、開孔部15のない配線溝17底面(すなわち第2の絶縁膜14表面)よりエッチングされ易くなる。
すなわち、第2の絶縁膜14と第1の絶縁膜13のエッチング選択比をやや低めに設定し、第2の絶縁膜14における開孔部15の穴縁が出ている部分は若干エッチングされる条件とする。
この結果、図2(a)に示すように、開孔部15を介した第1の絶縁膜13のエッチング中に、始めは点線の形状であった開孔部15の穴縁は徐々に後退していく。これにより、配線溝17からはみ出さない範囲内でコンタクトホール18の側壁部分181にテーパー角を付けることができる。
すなわち、図2(a)と(b)のコンタクトホール18の断面を比べてみれば分かるように、開孔部15の穴縁が露出する配線溝17の方向と交差する側壁部分181にのみ実質的にテーパー角を有するコンタクトホール18が形成される。
従って、開孔部15の穴縁が露出しない方向の断面では、配線溝17のエッチング形態と同様に、基板に対しほぼ垂直方向にエッチングされる(図2(b))。これにより、コンタクトホール18の側壁の少なくとも一部(側壁181)に付けられたテーパー角は、配線溝17の側壁のテーパー角より大きい構成になることが分かる。
上記参考例の方法では、従来技術におけるいわゆるテーパーエッチング技術を適用した場合と異なり、テーパー角の付与を、エッチング選択比を下げることにより実現している。
このため、配線溝17の側壁には実質的なテーパー角を付けずに、配線溝17とコンタクトホール18の自己整合性に矛盾しない範囲内でコンタクトホール18側壁部分181のみに実質的なテーパー角を付けることが可能になる。
コンタクトホール18の底面182、すなわち、導電領域12との接触面積は、予め形成する開孔部15の配線溝17に沿った方向の大きさと、エッチング選択比との組み合わせにより、いかようにも調整可能である。
ちなみに、図1(a)に示すように、第2の絶縁膜14に予め配線溝17に交差する方向が広い長方形の開孔部15を形成した場合、コンタクトホール18の開孔後には、第2の絶縁膜14には十文字に近い形状の開孔部15が形成されることになる。
この参考例の方法を適用すれば、コンタクトホール18における実質的なテーパー角の付与は、配線溝17の形成時に開孔部15の穴縁が露出した部分に沿った側壁181に限られる。コンタクトホール18の間口は配線溝方向に長い長方形になり、コンタクトホール底部の面積もなるべく広くすることが可能である。
一般に微細化が進むと、コンタクトプラグは、上から見て丸型になることが多い。しかし、上記参考例のような方法で実質的なテーパー角を付与したコンタクトホール18は、上から見て間口の広い四角形(長方形)となり、後にコンタクトホールに埋め込まれる導電物質の埋め込み特性を向上させる。
この結果、後に形成されるコンタクトプラグの抵抗やコンタクトプラグ底面での接触抵抗を下げるのに有利である。すなわち、この発明により、コンタクトプラグの抵抗軽減と信頼性向上が期待できる。
図3は、この発明の半導体装置の第2の参考例に係る、配線溝に埋め込まれた導電層と自己整合的コンタクト構造を示す平面図である。図1と同様の個所には同一の符号を付してその説明は省略する。
複数の配線溝17により定められる上層の配線211と、配線211と下層の導電領域とがそれぞれ接続される複数のコンタクトプラグ212が形成されている。コンタクトプラグ212は複数の配線211に沿ってそれぞれ互い違いに設けられている。コンタクトプラグ212の位置に対応するように予め第2の絶縁膜14に設ける開孔部15は、それぞれ配線溝17に交差する方向が広い長方形である。この開孔部15それぞれは、コンタクトホール18の形成後ではそれぞれ十文字に近い形状となる。
上記構成によれば、配線溝17にはテーパー角は付与されていないので、コンタクトプラグ212の導電領域12との接触面積を十分確保しつつ、微細な配線間隔を保つことができる。この結果、配線間のショートを引き起こす可能性が低減され、歩留まり低下を抑止できる。また、より一層の配線領域の集積化が期待できる。
上記構成においても、第1の参考例と同様な製造方法が実施される。配線溝17及びコンタクトホール18の同時形成時、第2の絶縁膜14と第1の絶縁膜13のエッチング選択比をやや低めに設定したエッチングをする。すなわち、第2の絶縁膜14表面に対してはほとんどエッチングされず、第2の絶縁膜14の開孔部15の穴縁部分に対して若干エッチングされる条件とする。
上記エッチング条件でそれぞれの配線溝17とコンタクトホール18を同時に形成することによって、配線溝17によって露出した開孔部15の穴縁は徐々に後退する。これにより、配線溝17からはみ出さない範囲内でコンタクトホール18の側壁部分181に実質的なテーパー角を付けることができる。
このようにして形成された、底面に対しほぼ垂直な側壁を有する配線溝17及び配線溝17の方向に交差する側壁部分181のみ実質的なテーパー角を有するコンタクトホール18において、導電物質21が埋め込まれ、平坦化される(配線211)。
上記参考例のような方法で側壁部分181のみに実質的なテーパー角が付与されたコンタクトホール18は、コンタクトホール18に埋め込まれる導電物質21の埋め込み特性を向上させる。従って、コンタクトプラグ212の抵抗軽減と信頼性向上が期待できる。
また、コンタクトホール18の側壁部分181におけるテーパー角の付与は、第2の絶縁膜14と第1の絶縁膜13のエッチング選択比を、やや低めに設定する、すなわち下げることにより実現している。このため、配線溝17の側壁にはテーパー角を付けずに、配線溝17とコンタクトホール18の自己整合性に矛盾しない範囲内でコンタクトホール側壁の一部のみ(側壁部分181)にテーパー角を付けることが可能になる。
コンタクトプラグ212の底面と導電領域12との接触面積は、予め形成する開孔部15の配線溝17に沿った方向の大きさと、第2の絶縁膜14と第1の絶縁膜13のエッチング選択比との組み合わせにより、いかようにも調整可能である。
上述したように、それぞれのコンタクトホール18は、配線溝17と自己整合的に形成されるから、配線溝17からはみ出すことはない。従って、この図3のようにコンタクトホール18が複数密集するような場合でも、予め第2の絶縁膜14に設ける開孔部15は、それぞれ配線溝17に交差する方向において広め(長方形)に形成することができる(ただし、配線間隔の許容範囲内)。
このような広めの開孔部15は、コンタクトホールのパターンを転写するリソグラフィ工程の困難性を緩和することができる。また、このような広めの開孔部15によって配線溝17の形成の合わせ余裕も、下層の導電領域12の面積の許容する範囲内である程度確保することができる。
図4は、この発明の半導体装置の第3の参考例に係る配線溝に埋め込まれた導電層と自己整合的コンタクト構造を示す平面図である。図1と同様の個所には同一の符号を付してその説明は省略する。
複数の配線溝17により定められる上層の配線211と、配線211と下層の導電領域とがそれぞれ接続される複数のコンタクトプラグ212が形成されている。コンタクトプラグ212は複数の配線211に沿ってそれぞれ同じ位置に設けられている。コンタクトプラグ212の位置に対応するように予め第2の絶縁膜14に設ける開孔部15aは、複数の配線溝17に交差したスリット状の形態である。スリット状の開孔部15aそれぞれは、各コンタクトホール18の形成後では配線溝17に沿ってそのスリットに交差するエッチング後退部が現れたものとなる。
上記構成によれば、配線溝17にはテーパー角は付与されていないので、コンタクトプラグ212の導電領域12との接触面積を十分確保しつつ、微細な配線間隔を保つことができる。この結果、配線間のショートを引き起こす可能性が低減され、歩留まり低下を抑止できる。また、より一層の配線領域の集積化が期待できる。
各コンタクトホール18が各配線溝17において同じ位置で形成される場合、各配線溝17の隣接相互の間隔を図3の構成よりも狭くできる可能性が高い。すなわち、前記図3の千鳥配置の開孔部15と違い、この参考例におけるスリット状の開孔部15aは、各配線溝17の隣接相互の独立性が無いからである。
上記構成においても、第1の参考例と同様な製造方法が実施される。配線溝17及びコンタクトホール18の同時形成時、第2の絶縁膜14と第1の絶縁膜13のエッチング選択比をやや低めに設定したエッチングをする。すなわち、第2の絶縁膜14表面に対してはほとんどエッチングされず、第2の絶縁膜14の開孔部15aの穴縁部分に対して若干エッチングされる条件とする。
上記エッチング条件でそれぞれの配線溝17とコンタクトホール18を同時に形成することによって、配線溝17によって露出した開孔部15aの穴縁は徐々に後退する。これにより、配線溝17からはみ出さない範囲内でコンタクトホール18の側壁部分181に実質的なテーパー角を付けることができる。
このようにして形成された、底面に対しほぼ垂直な側壁を有する配線溝17及び配線溝17の方向に交差する側壁部分181のみ実質的なテーパー角を有するコンタクトホール18において、導電物質21が埋め込まれ、平坦化されている(配線211)。
上記参考例のような方法で側壁部分181のみに実質的なテーパー角が付与されたコンタクトホール18は、コンタクトホール18に埋め込まれる導電物質21の埋め込み特性を向上させる。従って、コンタクトプラグ212の抵抗軽減と信頼性向上が期待できる。
また、コンタクトホール18の側壁部分181におけるテーパー角の付与は、第2の絶縁膜14と第1の絶縁膜13のエッチング選択比を、やや低めに設定する、すなわち下げることにより実現している。このため、配線溝17の側壁にはテーパー角を付けずに、配線溝17とコンタクトホール18の自己整合性に矛盾しない範囲内でコンタクトホール側壁の一部のみ(側壁部分181)にテーパー角を付けることが可能になる。
コンタクトプラグ212の底面と導電領域12との接触面積は、予め形成する開孔部15aの配線溝17に沿った方向の大きさと、第2の絶縁膜14と第1の絶縁膜13のエッチング選択比との組み合わせにより、いかようにも調整可能である。
上述したように、それぞれのコンタクトホール18は、配線溝17と自己整合的に形成されるから、配線溝17からはみ出すことはない。従って、この図4のように各コンタクトホール18が各配線溝17に同じ位置で形成される場合、予め第2の絶縁膜14に設ける開孔部15aは、各配線溝17と交差するスリット状に形成することができる。
このようなスリット状の開孔部15aは、コンタクトホールのパターンを転写するリソグラフィ工程の困難性を緩和することができる。また、このようなスリット状の開孔部15aによって配線溝17の形成の合わせ余裕も、下層の導電領域12の面積の許容する範囲内である程度確保することができる。
さらに、この図4のように各コンタクトホール18が各配線溝17において同じ位置で形成される場合、このようなスリット状の開孔部15aは、各配線溝17隣接相互の間隔を図3の構成よりも狭く形成することができる。
つまり、前記図3のそれぞれ独立した開孔部15では、所定の配線溝17が、隣接する他の配線溝17の開孔部15の領域に至らないように、配線溝17隣接相互の間隔と開孔部15の広さの関係を配慮する必要があった。これに対し、この図4のスリット状の開孔部15aでは、各配線溝17隣接相互の間隔を決める上で上記配慮は不要である。従って、第3の参考例では、より微細な配線溝17隣接相互の間隔を有する半導体装置が構成できる。
図5(a)〜(f)は、それぞれこの発明の第4の参考例に係る半導体装置の製造工程を順次示す断面図である。
図5(a)に示すように、半導体基板上の絶縁層100に導電層101を形成する。次いで、図5(b)に示すように、導電層を含む基板上に例えばシリコン酸化膜等の絶縁膜102を堆積する。さらに絶縁膜102とはエッチングレートの異なる例えばシリコン窒化膜等の絶縁膜103を薄く堆積する。
図5(a)に示すように、半導体基板上の絶縁層100に導電層101を形成する。次いで、図5(b)に示すように、導電層を含む基板上に例えばシリコン酸化膜等の絶縁膜102を堆積する。さらに絶縁膜102とはエッチングレートの異なる例えばシリコン窒化膜等の絶縁膜103を薄く堆積する。
次に、図5(c)に示すように、周知のリソグラフィ技術とエッチング技術を用いて絶縁膜103に対して開孔部104を形成する。この開孔部104は、コンタクトホールの形成予定部分を含む領域である。
次に、図5(d)に示すように、さらに絶縁膜103とはエッチングレートの異なる絶縁膜105を堆積する。この絶縁膜105は、例えば絶縁膜102と同じシリコン酸化膜でもよい。次に、レジスト膜106を塗布しリソグラフィ技術を用いて、配線溝の形成予定部分のレジスト膜106を除去する。
次に、図5(e)に示すように、レジスト膜106の除去部分に対し、選択的エッチング技術を用い、絶縁膜103がほとんどエッチングされない条件で絶縁膜105及び102を除去する。これにより、絶縁膜105の堆積部分に配線溝107が形成される。
この際、配線溝107の底面は絶縁膜103の露出によって定められる。また、同時に、半導体基板の上方から見て配線溝107と開孔部104の重なりあった部分で絶縁膜102がエッチングされ、コンタクトホール108が形成される。
上記エッチングにおいて、この発明では、上記絶縁膜103と102のエッチング条件をやや選択性の低いものとしている。これにより、上述したように絶縁膜103表面だけが出ている領域はほとんどエッチングされないが、配線溝底部に露出した絶縁膜103の穴縁部分121においては、開孔部104のない配線溝107底面(絶縁膜103表面)よりエッチングされ易くなる。
このように上記絶縁膜103と102のエッチング選択比をやや低めに設定し、絶縁膜103表面に対してはほとんどエッチングされず、絶縁膜103の開孔部104の穴縁部分121に対して若干エッチングされる条件とする。
上記エッチング条件でそれぞれの配線溝107とコンタクトホール108を同時に形成する。すなわち、エッチングにおいて、配線溝107の側壁はほぼ垂直に形成され、その底部は絶縁膜103で定められ、かつ、配線溝107によって露出した開孔部104の穴縁部分121は徐々に後退しながら絶縁膜102にコンタクトホール108を形成していく。
これにより、コンタクトホール108は、配線溝107底部において開孔部104の穴縁部分121を露出させた形態に関し、配線溝107からはみ出さない範囲内で開孔部104の穴縁部分121に沿う側壁121に実質的なテーパー角を付けることができる。
また、絶縁膜103の穴縁が露出しないコンタクトホール断面について表示している(125)。絶縁膜103の穴縁が露出しないコンタクトホール断面は、絶縁層100に対しほぼ垂直方向にエッチングされる形態となる。
なお、この図5(e)に示すコンタクトホール断面に垂直な断面(図示せず)では、125で示すコンタクトホール108も、配線溝107底部において開孔部104の穴縁部分が露出しており、配線溝107からはみ出さない範囲内で上記穴縁部分に沿うコンタクトホール側壁に実質的なテーパー角が付けられる。
次に、図5(f)に示すように、レジスト106を除去し、導電物質109を埋め込むように堆積する。次いで、絶縁膜105の上部の導電物質109を例えばCMP法(Chemical Mechanical Polishing )を用いて除去し平坦化する。これにより、コンタクトプラグ110と導電層111を形成する。
上記構成は、開孔部104と配線溝107の重なり部分でコンタクトホール位置がだいたい決められる。配線溝107はコンタクトホール位置近傍で広めに形成し、配線溝107の形成時に開孔部104の穴縁部分121が確実に入るように構成すれば、配線溝107とコンタクトホール108との位置合わせずれに対処することができると共に、導電物質109の埋め込み特性も改善される。
上記参考例によれば、導電層101と、導電層111とを接続するテーパー角を持ったコンタクトプラグ110が形成されている。ここで注目すべきは、配線溝107にはテーパーが付与されず、コンタクトホール108のみにテーパー角が付与される構成であることである。しかも、実質的にテーパー角が付与されるのは、配線溝107の形成時に絶縁膜104の穴縁部分121が露出した部分に沿うコンタクトホール側壁に限られる。
コンタクトプラグ110の底面と導電層101との接触面積は、予め形成する開孔部104の配線溝107に沿った方向の大きさと、絶縁膜103と102のエッチング選択比との組み合わせにより、いかようにも調整可能である。
この発明の参考例によれば、コンタクトプラグ110底面の面積(導電層101との接触面積)を確保しつつ導電物質109の埋め込み特性が改善された形態が得られる。かつ、配線溝107にはテーパー角は付与されないので、微細な配線間隔を保つことができる。この結果、配線間のショートを引き起こす可能性が低減され、歩留まり低下を抑止できる。また、より一層の配線領域の集積化が期待できる。
また、従来技術においては、配線溝107のエッチングの際に配線溝の底部を平坦に加工することは困難であったため、すべての配線の深さを同一になるよう形成することは困難であった。
これに対し、この発明の参考例方法によれば、配線溝107は選択的エッチング技術が用いられ、配線溝底部は絶縁膜103により決定される。このため、あらゆる線幅の配線溝107の底部を平坦かつ所望の深さに仕上げることが容易になる。よって、導電層111のシート抵抗のばらつきを小さく抑えることができる。
図6(a)〜(g)は、それぞれこの発明の第5の参考例に係る半導体装置の製造工程を順次示す断面図であり、例えばDRAMの製造工程の一部を表わしている。図中MCはメモリセル領域を、PCは周辺回路領域を示したものである。
図6(a)に示すように、一般的な技術を用いて、半導体基板200上に素子分離領域201を形成し、所定の領域に絶縁ゲート型のゲート電極202とソース,ドレインを含む拡散層203を形成する。素子分離領域201は、例えば選択酸化法(LOCOS)による素子分離、または、トレンチ素子分離法(STI)によって形成される。
ゲート電極202は、異なる部材を積層する構造で例えばポリシリコンとシリサイドを含むポリサイド構造、または、ポリシリコンとメタルを含むポリメタル構造、または、バリアメタルとメタルを含む構造等が考えられる。なお、ゲート電極202は保護部材204により覆われる。
次に、図6(b)に示すように、一般的なリソグラフィ技術とエッチング技術を用いて、ゲート電極202上の保護部材204の一部に開孔部205を形成する。
次に、図6(c)に示すように、例えばシリコン酸化膜等の層間の絶縁膜206を堆積する。絶縁膜206上にさらに例えばシリコン窒化膜等の絶縁膜207を薄く堆積する。
次に、図6(d)に示すように、リソグラフィ技術とエッチング技術を用いて、コンタクトホールを形成したい部分の絶縁膜207を除去し、開孔部208を形成する。
次に、図6(e)に示すように、絶縁膜207及び206上に例えばシリコン酸化膜等の層間の絶縁膜209を堆積する。その後、レジスト膜210を塗布し、リソグラフィ技術を用いて、配線溝を形成したい部分のレジスト膜210を除去する。レジスト膜210の除去はメモリ領域MCのビット線溝の形成予定領域も含まれる。
次に、図6(f)に示すように、選択的エッチング技術を用い、絶縁膜207がほとんどエッチングされない条件で絶縁膜209及び206を除去する。これにより絶縁膜209部分に配線溝211が形成される。この際、配線溝211の底面は絶縁膜207によって決定される。
また上記エッチング工程において、半導体基板201の上方から見て配線溝211と開孔部208の重なりあった部分で絶縁膜206がエッチングされ、コンタクトホール212が形成される。ここで、この発明では、上記選択的エッチング技術におけるエッチング選択比をやや低いものとしている。
すなわち、絶縁膜207表面はほとんどエッチングされず、それに比べて絶縁膜207における開孔部208の穴縁部分281が若干エッチングされ易い条件とする。
このように絶縁膜207と206のエッチング選択比をやや低めに設定することで、エッチング中に露出している開孔部208の穴縁部分281は徐々に後退していく。この結果、配線溝211からはみ出さない範囲内でコンタクトホール212の側壁部分213に実質的なテーパー角を付けることができる。
次に、図6(g)に示すように、レジスト膜210を除去し、コンタクトホール212及び配線溝211を埋める導電物質214を堆積する。さらに絶縁膜209の上部の導電物質214を例えばCMP技術により除去する。
以上により、ビット線の配線層215及び、配線層215と各拡散層203またはゲート電極202とを接続するコンタクトプラグ216が同時に形成される。なお、保護部材204は絶縁膜207と同じ例えばシリコン窒化膜でもかまわない。保護部材204は絶縁膜207に比べて厚く、保護部材204の上縁部が若干エッチングされたとしても信頼性に支障を来たすことはない。
上記参考例において、DRAMのキャパシタは、例えば、ビット線の配線層215の上層に形成される。また、キャパシタコンタクトは別の断面に存在するが、これらの図示は省略する。もちろん、キャパシタコンタクトや上層のコンタクトに対しても、この発明における、所定の側壁部分にテーパーを付けるコンタクトホールを適用してもよい。
上記第5の参考例によれば、前記した各参考例に示す作用効果を有する。すなわち、各コンタクトプラグ216底面の面積(各拡散層203との接触面積)を確保しつつ導電物質214の埋め込み特性が改善された形態が得られる。かつ、配線溝211にはテーパー角は付与されないので、微細な配線間隔を保つことができる。この結果、配線間のショートを引き起こす可能性が低減され、歩留まり低下を抑止できる。また、より一層の配線領域の集積化が期待できる。
この発明の参考例方法によれば、配線溝211は選択的エッチング技術が用いられ、配線溝底部は絶縁膜207により決定される。このため、あらゆる線幅の配線溝211の底部を平坦かつ所望の深さに仕上げることが容易になる。よって、配線層214のシート抵抗のばらつきを小さく抑えることができる。
さらに、上記参考例の方法によれば、以下のような利点がある。メモリセル領域MCや周辺回路領域PCの各素子領域(各拡散層203)へのコンタクトホールと、ゲート電極205上へのコンタクトホールを全て同時に形成することができる。
このため、メモリデバイス製造のリソグラフィ工程数の削減をはかることができる。また各々のコンタクトホール間の位置ずれが生じないため、この後の工程で考慮すべき位置ずれを減少させることができる。
さらに、図6(f)中各々のコンタクトホール212は、ビット線の配線溝211からはみ出さないように、配線溝に対して自己整合的に形成されるので、後工程で考慮すべき位置ずれは、さらに減少する。
図7(a)〜(f)は、それぞれこの発明の第6の参考例に係る半導体装置の製造工程を順次示す断面図であり、例えばDRAMの製造工程の一部を表わしている。図中MCはメモリセル領域を、PCは周辺回路領域を示したものである。
図7(a)に示すように、一般的な技術を用いて、半導体基板300上に素子分離領域301を形成する。素子分離領域201は、ここでは、例えばトレンチ素子分離法(STI)によって形成される。
次に、図7(b)に示すように、基板上にゲート酸化膜302を形成し、一般的なリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて所定の領域にゲート電極303を形成する。ゲート電極303は、ゲート酸化膜302上に異なる部材を積層する構造で、ここでは例えばポリシリコンとタングステンの積層膜のような、ポリメタル構造である。
次に、図7(c)に示すように、例えばシリコン窒化膜等の絶縁膜をゲート電極202を覆うように薄く堆積し、異方性エッチング技術を用いてその絶縁膜を一部除去する。これにより、ゲート電極側壁304を形成する。基板上にソース,ドレインを含む拡散層305を形成した後、さらに基板上及びゲート電極202上に、例えばシリコン酸化膜等の絶縁膜306を堆積する。その後、例えばCMP法を用いて絶縁膜306を除去し、ゲート電極303の高さで絶縁膜306を平坦化する。
次に、図7(d)に示すように、リソグラフィ技術を用いて周辺回路領域PC側をレジスト膜310で被覆し、メモリセル領域MC側に対して選択的エッチング技術を用い、ゲート電極303の上部導電膜を一部除去する。
次に、図7(e)に示すように、レジスト膜310を剥離した後、ゲート電極303の上部の除去された部分が埋まるように例えばシリコン窒化膜等の絶縁膜307を堆積する。その後、例えばCMP法を用いて絶縁膜306上の絶縁膜307を除去し、平坦化する。
次に、図7(e)に示すように、図7(e)で平坦化された表面に例えばシリコン酸化膜等の層間の絶縁膜308を堆積する。絶縁膜308上にさらに例えばシリコン窒化膜等の絶縁膜309を薄く堆積する。
その後は、前記第5の参考例で示した図6(d)〜(g)と同様な工程を経ることにより、図7(e)に示す構成が実現される。すなわち、絶縁膜311を選択的にエッチングする配線溝313と共に、絶縁膜309の穴縁部分391が徐々にエッチング後退していく側の所定の側壁部分にテーパー角が付与されたコンタクトホール314が形成される。さらに、コンタクトホール314内及び配線溝313内を満たす導電物質316によりコンタクトプラグ318及び配線層317が形成される。
上記第6の参考例における作用効果は、第5の参考例と同様であるが、さらに次のような利点を有する。前記第5の参考例では、コンタクトプラグ216を形成する箇所に関し、ゲート電極202上には予め開孔部205を形成しておく工程が必要であったが、この第6の参考例では不要である。
この第6の参考例では、メモリセル領域MCと周辺回路領域PCを分ける簡単なリソグラフィ工程を追加することで、ゲート電極間距離の小さいメモリセル領域MC側のみに絶縁膜307のキャップを形成し、ゲート電極間距離の大きい周辺回路領域PCは、導電膜厚を十分に確保する。これにより、メモリセル領域MCの微細化と周辺回路領域PCの回路動作速度向上を同時に達成することができる。
上記各参考例によれば、配線溝とコンタクトホールのリソグラフィ工程時の表面には、ほとんど段差ができず、精度のよいリソグラフィ工程を得ることができる。また、コンタクトホールは、配線溝に対して自己整合的に形成される。さらに、配線溝で定められる配線幅からはみ出さない範囲内でコンタクトホールの側壁部分に実質的なテーパー角を付けることができ、導電物質の埋め込み特性が良好になる。
このような作用効果が、従来技術に比べて工程数を増加させることなく得られるものであり、上述した発明の技術は、半導体装置の高度な微細化と歩留まりの向上、工程簡略化に適している。
本発明はさらに、コンタクトホールを導電物質により埋め込むコンタクトプラグ構造自体について注目した。微細化に伴い、従来の技術では、コンタクト抵抗、反応バリア性及び金属埋め込み特性をすべて良好なものとする構造を形成することは困難になってきており、工夫が必要である。
よって、以下、この発明は、高度に微細化が進んでもコンタクト抵抗、バリア性及び金属埋め込み特性の三者を同様に満足のいくものとする高信頼性のコンタクトプラグ構造を詳細に説明する。
図8(a)〜(f)は、それぞれこの発明の半導体装置の第1の実施形態に係る、コンタクトプラグの製造を工程順に示す断面図である。この実施形態は、コンタクトプラグの導電膜としてW(タングステン)を、またシリコン基板とタングステンが反応するのを防ぐバリアメタルとして、TiN(窒化チタン)を用いる。
図8(a)に示すように、拡散層等を含む基板40上に絶縁膜41が形成され、この絶縁膜41に対しリソグラフィ技術とエッチング技術を用いてコンタクトホール42を開孔する。このコンタクトホール42は、もちろん前述した各参考例における配線溝と同時に形成されるコンタクトホールであってもよい。
次に、図8(b)に示すように、IMP−スパッタ法(Ion-Metal-Plasmaスパッタ)等に代表される異方性スパッタ法により、主表面に第1のTi(チタン)膜43を堆積する。
次に、図8(c)に示すように、例えば熱窒化法等、窒素雰囲気中でのアニールにより、Ti膜43の表面をTiN(窒化チタン)に変化させる(TiN膜44)。このとき、コンタクトホール底部基板と接触するTiと基板の界面はTiSi2 (チタンシリサイド)が形成される。
次に、図8(d)に示すように、例えばIMPスパッタ等の異方性スパッタ法を繰り返し、TiN膜44上にさらに第2のTi膜45を堆積する。次に、図8(e)に示すように、窒素雰囲気中でアニールすることにより、第2のTi膜45をTiN膜46に変化させる。この時、コンタクトホール底部において図8(c)の工程で未反応のまま残っていたTiがあれば、TiSi2 に変化する。
なお、第1のTi膜43形成の厚みはコンタクトホール底部の低抵抗化を、第2のTi膜45(またはTiN膜46)形成の厚みはコンタクトホール底部のバリア性をそれぞれどの程度にするかで任意に決められる。
次に、図8(f)に示すように、コンタクトホール42にW(タングステン)等の導電物質47を埋め込み、絶縁膜41上部のWとバリアメタル部材(46,43)を例えばCMP法を用いて除去する。これにより、コンタクトプラグ48を形成する。
上記第1の実施形態によれば、バリアメタルとしてTiNが用いられたが、TiN以外のバリアメタルにもこの発明は適用可能である。上記第1の実施形態によれば、次のような利点が得られる。
まず第1に、図8(b),(d)に示すように、バリアメタル部材の基礎となるTi膜43や45は、異方性の堆積方法を繰り返しているため、コンタクトホール側壁にはほとんど堆積しない。このため将来微細化が高度に進んだ場合にも、コンタクトホール内における低抵抗の導電膜(ここではW)の容積を確保し易い方法といえる。
第2に、コンタクトプラグ48において、コンタクト抵抗は第1のTi膜43の膜厚で、バリア性は第2のTi膜45(あるいはTiN膜46)の膜厚で、それぞれ独立に最適化可能である。
第3に、コンタクトホール底部において、TiNよりエッジ被覆性の良いTiをスパッタしていることで(図8(b))、コンタクト底部エッジでも十分なバリア性を発揮することが可能である。
第4に、図8(c),(e)によれば、TiN膜44および46は、熱窒化チタンを用いている。熱窒化チタンは、スパッタ法による窒化チタンより膜質に優れる。これにより、バリア性の向上が期待できる。
図9(a)〜(f)は、それぞれこの発明の半導体装置の第2の実施形態に係る、コンタクトプラグの製造を工程順に示す断面図である。この実施形態は、コンタクトプラグの導電膜としてW(タングステン)を、またシリコン基板とタングステンが反応するのを防ぐバリアメタルとして、TiN(窒化チタン)を用いる。
図9(a)に示すように、拡散層等を含む基板400上に絶縁膜401が形成され、この絶縁膜401に対しリソグラフィ技術とエッチング技術を用いてコンタクトホール402を開孔する。このコンタクトホール402は、もちろん前述した各参考例や実施形態における配線溝と同時に形成されるコンタクトホールであってもよい。
次に、図9(b)に示すように、IMP−スパッタ法(Ion-Metal-Plasmaスパッタ)等に代表される異方性スパッタ法により、主表面に第1のTi(チタン)膜403を堆積する。
次に、図9(c)に示すように、例えばスパッタ法、CVD法等の技術を用いて、Ti膜403の表面上に極薄のTiN膜404を堆積する。次に、図9(d)に示すように、例えばIMPスパッタ等の異方性スパッタ法を繰り返し、TiN膜404上にさらに第2のTi膜405を堆積する。
次に、図9(e)に示すように、窒素雰囲気中でアニールすることにより、第2のTi膜405をTiN膜406に変化させる。この時、コンタクトホール底部におけるTi膜403は、TiSi2 に変化する。
なお、第1のTi膜403形成の厚みはコンタクトホール底部の低抵抗化を、第2のTi膜405(またはTiN膜406)形成の厚みはコンタクトホール底部のバリア性をそれぞれどの程度にするかで任意に決められる。
次に、図9(f)に示すように、コンタクトホール402にW(タングステン)等の導電物質407を埋め込み、絶縁膜401上部のWとバリアメタル部材(406,403)を例えばCMP法を用いて除去する。これにより、コンタクトプラグ408を形成する。
上記第2の実施形態によれば、バリアメタルとしてTiNが用いられたが、TiN以外のバリアメタルにもこの発明は適用可能である。上記第2の実施形態によれば、次のような利点が得られる。
まず第1に、図9(b),(d)に示すように、バリアメタル部材の基礎となるTi膜403や405は、異方性の堆積方法を繰り返しているため、コンタクトホール側壁にはほとんど堆積しない。このため将来微細化が高度に進んだ場合にも、コンタクトホール内における低抵抗の導電膜(ここではW)の容積を確保し易い方法といえる。
第2に、コンタクトプラグ408において、コンタクト抵抗は第1のTi膜403の膜厚で、バリア性は第2のTi膜405(あるいはTiN膜406)の膜厚で、それぞれ独立に最適化可能である。
第3に、コンタクトホール底部において、TiNよりエッジ被覆性の良いTiをスパッタしていることで(図9(b))、コンタクト底部エッジでも十分なバリア性を発揮することが可能である。
第4に、極薄のTiN膜404の堆積(図9(c))は、スパッタ法、CVD法等を用いるので、前記第1の実施形態に比べて低温で達成できる。これにより、熱工程削減と工程短期化に寄与する。
第5に、図9(e)によれば、TiN膜406は、熱窒化チタンを用いている。熱窒化チタンは、スパッタ法による窒化チタンより膜質に優れる。これにより、バリア性の向上が期待できる。
図10(a)〜(g)は、それぞれこの発明の半導体装置の第3の実施形態に係る、コンタクトプラグの製造を工程順に示す断面図である。この実施形態は、下層ポリサイド配線層と上層金属配線層を接続するコンタクトプラグの構造である。コンタクトプラグ及び金属配線の導電膜としてW(タングステン)を、また、ポリサイド配線層とタングステンが反応するのを防ぐバリアメタルとして、TiN(窒化チタン)を用いる。
図10(a)に示すように、図示しない半導体基板上の、第n層(nは自然数)としてポリシリコンとTiSi2 (チタンシリサイド)の積層からなるポリサイド配線層501a、501bが形成されている。また、この配線層501a、501bを覆う絶縁膜502が堆積されている。この絶縁膜502に対してリソグラフィ技術とエッチング技術を用い、それぞれ配線層501a、501bの上部に到達するコンタクトホール503a,503bを開孔する。
次に、図10(b)に示すように、ダマシン配線層となる配線溝504a,504bを、リソグラフィ技術とエッチング技術を用いて形成する。なお、このような配線溝504a,504bとコンタクトホール503a,503bは、第1〜第6の参考例に示すような技術を用いれば、同時に形成できる。
次に、図10(c)に示すように、IMP−スパッタ法(Ion-Metal-Plasmaスパッタ)等に代表される異方性スパッタ法により、主表面に第1のTi(チタン)膜505を堆積する。
次に、図10(d)に示すように、例えば窒素プラズマ処理することにより、Ti膜505の表面に薄いTiN(窒化チタン)膜506を形成する。なお、TiN膜506は、「新たな薄いTi膜を堆積→窒素プラズマ処理」を繰り返して、より厚く形成することも可能である。
次に、図10(e)に示すように、例えばIMPスパッタ等の異方性スパッタ法を繰り返し、TiN膜506上にさらに第2のTi膜507を堆積する。次に、図10(f)に示すように、窒素雰囲気中でアニールすることにより、第2のTi膜507をTiN膜508に変化させる。この時、コンタクトホール底部における第1のTi膜505の未反応部分は、TiSi2 に変化していく。
なお、第1のTi膜505形成の厚みはコンタクトホール底部の低抵抗化を、第2のTi膜507(またはTiN膜508)形成の厚みはコンタクトホール底部のバリア性をそれぞれどの程度にするかで任意に決められる。
次に、図10(g)に示すように、コンタクトホール503a,503b及び配線溝504a,504bにW(タングステン)等の導電物質509を埋め込み、絶縁膜502上部のWとバリアメタル部材(508,505)を例えばCMP法を用いて除去する。これにより、コンタクトプラグ510とダマシン配線層511を同時に形成する。
上記第3の実施形態によれば、バリアメタルとしてTiNが用いられたが、TiN以外のバリアメタルにもこの発明は適用可能である。上記第3の実施形態によれば、次のような利点が得られる。
まず第1に、図10(c),(e)に示すように、バリアメタル部材の基礎となるTi膜505や507は、異方性の堆積方法を繰り返しているため、コンタクトホール側壁にはほとんど堆積しない。このため将来微細化が高度に進んだ場合にも、コンタクトホール内における低抵抗の導電膜(ここではW)の容積を確保し易い方法といえる。
第2に、コンタクトプラグ510において、コンタクト抵抗は第1のTi膜505の膜厚で、バリア性は第2のTi膜507(またはTiN膜508)の膜厚で、それぞれ独立に最適化可能である。
第3に、コンタクトホール底部において、TiNよりエッジ被覆性の良いTiをスパッタしていることで(図10(c))、コンタクト底部エッジでも十分なバリア性を発揮することが可能である。
第4に、第1のTi膜505は、窒素プラズマ処理により表面を窒化している(図10(d))。これにより、第1の実施形態に比べて熱工程削減と工程短期化を実現することができる。
また、TiN膜506に関し、前記図9(c)に示すような形成方法をとってもよい。すなわち、Ti膜505の表面上にスパッタ法あるいはCVD法等の技術を用いて極薄のTiN膜506を堆積する。この場合も、前記第1の実施形態に比べて低温でTiN膜506が形成でき、熱工程削減と工程短期化に寄与する。
図11(a)〜(g)は、それぞれこの発明の半導体装置の第4の実施形態に係る、コンタクトプラグの製造を工程順に示す断面図である。この実施形態は、下層ポリサイド配線層と上層金属配線層を接続するコンタクトプラグの構造である。前記した第1〜第6の参考例に示すような技術を適用して配線溝とコンタクトホールとを同時に形成する。配線溝とコンタクトプラグ及び金属配線の導電膜としてW(タングステン)を、また、ポリサイド配線層とタングステンが反応するのを防ぐバリアメタルとして、TiN(窒化チタン)を用いる。
図11(a)に示すように、図示しない半導体基板上の、第n層(nは自然数)としてポリシリコンとTiSi2 (チタンシリサイド)の積層からなるポリサイド配線層601a、601bが形成されている。この配線層601a、601b上に例えばシリコン酸化膜からなる第1の絶縁膜602を形成する。
この第1の絶縁膜602の上にはこの絶縁膜602とはエッチングレートの異なる例えばシリコン窒化膜からなる第2の絶縁膜621を薄く堆積する。この絶縁膜621には、リソグラフィ技術、選択エッチング技術を用いることにより、下層にある配線層601a、601bの上面を含む所定の領域から基板に対し垂直方向に伸ばした領域を含んだそれぞれの開孔部622a,622bを設ける。
第1の絶縁膜602及び第2の絶縁膜621上にこの絶縁膜621とはエッチングレートの異なる、例えば絶縁膜602と同じシリコン酸化膜からなる第3の絶縁膜623を堆積する。
次に、図11(b)に示すように、絶縁膜623に対し、リソグラフィ技術と選択的エッチング技術を用いて、ダマシン配線層となる配線溝603a,603b及びコンタクトホール604a,604bを形成する。
この配線溝603a,603bの深さは絶縁膜621の位置によりで定められる。また、配線溝603a,603bのエッチングと重なる絶縁膜621の開孔部622の領域は、さらに第1の絶縁膜602へのエッチングが進み、それぞれ配線層601a、601bの上部が露出するに至る(コンタクトホール604a,604b)。
しかも、上記選択的エッチング技術におけるエッチング選択比をやや低いものとし、絶縁膜621表面はほとんどエッチングされず、それに比べて絶縁膜621における開孔部622aの穴縁部分620が若干エッチングされ易い条件とする。
このように第2の絶縁膜621と第1の絶縁膜602のエッチング選択比をやや低めに設定することで、エッチング中に露出している開孔部622aの穴縁部分620は徐々に後退していく。この結果、配線溝603aからはみ出さない範囲内でコンタクトホール604aの側壁部分624に実質的なテーパー角を付けることができる。
なお、配線溝603bは、この図11で表示している断面に対して直交する方向に形成されるものとしている。従って、配線溝603bにおいて、第2の絶縁膜621における開孔部622bの穴縁部分は、表示している断面と直交する断面(図示せず)にて露出し、コンタクトホール604bの側壁部分にテーパー角を付与するものである。よって、この断面では、コンタクトホール604bは実質的に配線溝603bのエッチングに沿った形状となる。
次に、図11(c)に示すように、IMP−スパッタ法(Ion-Metal-Plasmaスパッタ)等に代表される異方性スパッタ法により、主表面に第1のTi(チタン)膜605を堆積する。
次に、図11(d)に示すように、例えば窒素プラズマ処理することにより、Ti膜605の表面に薄いTiN(窒化チタン)膜606を形成する。なお、TiN膜606は、「新たな薄いTi膜を堆積→窒素プラズマ処理」を繰り返して、より厚く形成することも可能である。その他、TiN膜606の形成方法としては、Ti膜605の表面上に極薄のTiN膜をスパッタ法、あるいはCVD法等により堆積してもよい(図9(c)参照)。
次に、図11(e)に示すように、例えばIMPスパッタ等の異方性スパッタ法を繰り返し、TiN膜606上にさらに第2のTi膜607を堆積する。なお、第1のTi膜605形成の厚みはコンタクトホール底部の低抵抗化を、第2のTi膜607(またはTiN膜608)形成の厚みはコンタクトホール底部のバリア性をそれぞれどの程度にするかで任意に決められる。
次に、図11(f)に示すように、窒素雰囲気中でアニールすることにより、第2のTi膜607をTiN膜608に変化させる。この時、コンタクトホール底部における第1のTi膜605の未反応部分は、TiSi2 に変化していく。
次に、図11(g)に示すように、コンタクトホール604a,604b及び配線溝603a,603bにW(タングステン)等の導電物質609を埋め込み、絶縁膜623上部のWとバリアメタル部材(608,605)を例えばCMP法を用いて除去する。これにより、コンタクトプラグ610とダマシン配線層611を同時に形成する。
上記第4の実施形態によれば、バリアメタルとしてTiNが用いられたが、TiN以外のバリアメタルにもこの発明は適用可能である。上記第4の実施形態によれば、第1の参考例及び第3の実施形態で述べたのと同様な効果、利点を有する。
すなわち、配線溝に対して自己整合的に、合わせずれの問題のない側壁にのみ実質的なテーパー角が付与されたコンタクトホールを形成する。よって、配線間隔が縮小してもショートの危険性を防ぎつつ、導電物質の埋め込み特性の良い配線構造を得ることができ、かつ、高度に微細化が進んでもコンタクト抵抗、バリア性及び金属埋め込み特性の三者を同様に満足のいくものとする高信頼性のコンタクトプラグ構造を得ることができる。
また、第1〜第6の各参考例に第1または第2または第3の実施形態で示したようなコンタクトプラグ構造を適用すれば、上記と同様に、配線溝に対して自己整合的にコンタクトホールを形成し、配線間隔が縮小してもショートの危険性を防ぎつつ、導電物質の埋め込み特性の良い配線構造を得ることができ、かつ、高度に微細化が進んでもコンタクト抵抗、バリア性及び金属埋め込み特性の三者を同様に満足のいくものとする高信頼性のコンタクトプラグ構造を得ることができる。
11…半導体基板
12…導電領域
13…第1の絶縁膜
14…第2の絶縁膜
15…開孔部
16…第3の絶縁膜
17…配線溝
18…コンタクトホール
181…テーパー角が付与されるコンタクトホールの所定の側壁部分
12…導電領域
13…第1の絶縁膜
14…第2の絶縁膜
15…開孔部
16…第3の絶縁膜
17…配線溝
18…コンタクトホール
181…テーパー角が付与されるコンタクトホールの所定の側壁部分
Claims (6)
- 下層と上層の電気的接続をするため絶縁膜にコンタクトホールを形成する工程と、
前記コンタクトホール内に第1の高融点金属膜を堆積する工程と、
前記第1の高融点金属膜の表面を窒化する工程と、
前記第1の高融点金属膜の窒化表面上に第2の高融点金属膜を堆積する工程と、
前記第2の高融点金属膜を熱処理により窒化物に変化させる工程と
を具備することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記第1の高融点金属膜の表面を窒化する工程が、熱処理によることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第1の高融点金属膜の表面を窒化する工程が、プラズマ処理によることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
- 下層と上層の電気的接続をするため絶縁膜にコンタクトホールを形成する工程と、
前記コンタクトホール内に第1の高融点金属膜を堆積する工程と、
前記第1の高融点金属膜の表面に極薄の高融点金属窒化膜を堆積する工程と、
前記極薄の高融点金属窒化膜表面上に第2の高融点金属膜を堆積する工程と、
前記第2の高融点金属膜を熱処理により窒化物に変化させる工程と
を具備することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記コンタクトホール内への前記第1の高融点金属と前記第2の高融点金属の堆積方法が、前記コンタクトホール底面に比べて前記コンタクトホール側壁には僅かしか堆積しない、異方性の強い成膜手法であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記異方性の強い成膜手法が、IMP(Ion-Metal-Plasma)プロセスであることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
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- 2007-07-27 JP JP2007196320A patent/JP2007295004A/ja active Pending
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