JP2007294944A - 封止体の製造方法、これを用いた発光装置の製造方法、封止体、発光装置、露光装置およびこれを用いた画像形成装置 - Google Patents

封止体の製造方法、これを用いた発光装置の製造方法、封止体、発光装置、露光装置およびこれを用いた画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ガラスなどの封止部材を用いて封止のなされた発光装置などの封止体におけるクラックの発生を抑制し、高精度で信頼性の高い封止体を提供する。
【解決手段】基板母材(マザーガラスG)上の複数領域に、複数の発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子110)で構成される発光素子列と、薄膜トランジスタ130とを形成する工程と、複数領域の各領域に対し、少なくとも薄膜トランジスタ130の一部を覆うように接着剤63を供給する工程と、各領域にそれぞれ所定の封止部材(封止ガラス64)を接着する工程と、接着剤63の供給された領域で基板母材を、おのおのが発光素子列および薄膜トランジスタ130を含む複数の基板に分割する工程とを含む。
【選択図】図18

Description

本発明は、封止体の製造方法、これを用いた発光装置の製造方法、封止体、発光装置、露光装置およびこれを用いた画像形成装置に係り、特に封止体の形成に関する。
電子写真プロセスを応用した画像形成装置に用いられる露光装置として、レーザダイオードを光源とした光ビームをポリゴンミラーと呼称される回転多面鏡を介して感光体上を走査して静電潜像を形成する方式と、発光ダイオード(以降LEDと呼称する)や有機エレクトロルミネッセンス材料を用いて構成した発光素子をライン状に配置した発光素子列を用いて各発光部を個別に点灯(ON/OFF)制御して感光体上に静電潜像を形成する方式が知られている。
特に発光素子として有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した露光装置は、ガラスなどの基板上に薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;以降TFTと呼称する)から成るスイッチング素子で構成される駆動回路と有機エレクトロルミネッセンス素子を一体として形成できるため、構造、製造工程がシンプルであり、発光素子としてLEDを搭載した露光装置と比較して更なる小型化、低コスト化を実現できる可能性がある。
しかしその一方で有機エレクトロルミネッセンス素子はその駆動に伴って発光輝度が徐々に低下する、いわゆる光量劣化が発生することが知られている。また、個々の有機エレクトロルミネッセンス素子間において、発光輝度のばらつき発生を防止することは困難であるため、素子間における光量のばらつきを防ぐ光量補正も必要となる。
このように様々な要因により、個々の有機エレクトロルミネッセンス素子から出射される光量を補正する光量補正が必要となる。
さて光量補正に関して、従来の有機エレクトロルミネッセンス素子を応用した露光装置を搭載した画像形成装置では、例えば特許文献1に開示される構成が知られている。特許文献1における露光装置は有機エレクトロルミネッセンス素子を形成したガラス基板上に光検出素子を配置し、各有機エレクトロルミネッセンス素子の発光光量をこの光検出素子で検出するという構成を有している。
特開2004−082330号公報
上述のような構成を有する画像形成装置の光ヘッド(発光装置)においては、空気中の水分の浸入防止と素子の保護のために、水分やガスなどに対してバリア性の高い、たとえばガラスなどの封止部材を用いて素子の形成されたガラス基板を封止するという方法がとられている。しかしながら、ガラス基板上に種々の素子を形成したり、チップ部品を搭載した上で封止部材を用いて封止を行った場合、ダイシングによりマザーガラスから個々の基板に分割する際、ガラスなどの硬度が高い材料で構成された封止部材あるいは基板のいずれの側にもクラックが生じ易いという問題がある。
また、使用時においても、使用環境の温度変化により、基板にクラックが発生し易いという問題があるが、素子部にクラックが生じると、クラックから水分が浸入したりあるいは、素子部を構成する薄膜あるいは厚膜の剥離が生じたり、素子特性の低下の原因になることがある。
本発明は前記実情に鑑みてなされたもので、ガラスなどの封止部材を用いて封止のなされた発光装置などの封止体におけるクラックの発生を抑制し、高精度で信頼性の高い封止体を提供することを目的とする。
そこで本発明の封止体の製造方法は、基板母材上の複数領域に回路パターンを形成する工程と、前記複数領域の各領域に対し、少なくとも前記回路パターンの一部を覆うように接着剤を供給する工程と、前記各領域にそれぞれ所定の封止部材を接着する工程と、前記接着剤の供給された領域で前記基板母材を、複数の基板に分割する工程とを含むことを特徴とする。
本発明の方法によれば、少なくとも回路パターンの一部を覆うように接着剤を供給し、各領域にそれぞれ所定の封止部材を接着したのち、接着剤の供給された領域で基板母材を、複数の基板に分割するようにしているため、接着剤の存在により、クラックの進行は、抑制され、回路部の保護を図ることが可能となる。
また本発明の発光装置では、光検出回路を構成する薄膜トランジスタが接着剤で被覆さ
れ、封止部材で保護されているため、高精度で信頼性の高い光量検出が可能となる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る露光装置を構成する有機エレクトロルミネッセンス素子およびその周辺の平面図、図2(a)は本発明の実施の形態1における光検出素子120の近傍の構成を示す断面図、(b)は本発明の実施の形態1における容量素子140の近傍の構成を示す断面図、(c)は本発明の実施の形態1における選択トランジスタ130の近傍の構成を示す断面図である。
なお、図2(a)および図2(c)は図1のA−A断面を示し、図2(b)は図1のB−B断面を示している。また、図2(a)の部位Pの延長線上に図2(c)の部位Qが設けられている。
詳細は実施の形態5において説明するが、図17は図1のA-A断面説明図、図18はこの光ヘッドの製造工程を示す図、図19はこの光ヘッド本体の製造工程におけるダイシング前を示す図である。
この光ヘッド本体部の製造に際しては、マザーガラスGMと呼ばれるガラス母材(ガラス基板100)上に、長辺上にスイッチング用の薄膜トランジスタを含む光量検出回路を配置し、この薄膜トランジスタを被覆するとともに、ガラス基板の端縁を覆うように接着剤層63を形成し、カバーガラス64を固着した後、この接着剤層に当接するようにダイシングラインDLに沿ってダイシングを行うことによって、複数の長尺の光ヘッド本体を形成することを特徴とするものである。
ダイシング工程において、ガラス基板100にクラックが生じると、薄膜トランジスタを構成する多結晶シリコンからなる半導体層の剥離や劣化が生じ、素子特性の低下を招き易いが、この構成により、接着剤層が、下層の半導体層を確実に保護し、ダイシング時におけるクラックの発生を阻止するため、信頼性の向上をはかることができる。
このようにして得られた光ヘッド本体部は、図1および2に示すように、ガラス基板100と、このガラス基板100上に、光検出素子120を含む光検出回路(ピクセル回路)Cと、発光素子としてのエレクトロルミネッセンス素子110とを集積化して形成されており、光検出回路の一部であるスイッチング用の薄膜トランジスタ130が発光素子列よりも、ガラス基板100の端面側に形成され、上層を接着剤層63で被覆され、この接着剤層63を介して封止ガラス64が固着されている。
製造に際しては、実施の形態5で詳述する。
以降上述の工程で形成された、図1、図2(a),(b),(c)を用いて実施の形態1の露光装置を構成する有機エレクトロルミネッセンス素子およびその近傍の構成について詳細に説明する。
露光装置には露光光源が形成されたガラス基板100が設けられている。
露光装置を構成するガラス基板100上には、複数の発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子110)から構成される発光素子列が形成されている。この発光素子列に沿って(図1では有機エレクトロルミネッセンス素子110と光検出素子120を重畳して形成した状態を示している)、有機エレクトロルミネッセンス素子110から出力される光を検出する光検出素子120が設けられている。更にガラス基板100には、後述するように光検出素子120を選択して、その出力を取り出すスイッチング素子としての選択トランジスタ130が設けられ、このスイッチング素子としての選択トランジスタ130と光検出素子120の間には、遮光部を構成する容量素子140が設けられている。
遮光部を構成する容量素子140は、有機エレクトロルミネッセンス素子110と選択トランジスタ130との間に位置し、有機エレクトロルミネッセンス素子110から出射された光が選択トランジスタ130に入射することを防ぎ、選択トランジスタ130の誤動作や、動作が不安定になるのを有効に防止する。
図示するように、遮光部である容量素子140、およびスイッチング素子である選択トランジスタ130は、発光素子である有機エレクトロルミネッセンス素子110の発光領域(光出射領域として、後に詳細に説明する)の外に、かつ発光素子列に沿って設けられており、容量素子140と選択トランジスタ130が占める面積は、有機エレクトロルミネッセンス素子110よりも大きく構成される。
露光装置の場合は、表示装置などと比較して発光素子列の数が少なくて済むため、このように発光素子列の配列方向と直交する領域には空きスペースが存在し、ここに容量素子140や選択トランジスタ130を、余裕をもって配置することができる。このため、即ち、例えば静電容量の生成を回避することもでき、電気的特性を犠牲にすることなく配置することができる。
以降、上述の構成を、より詳細に説明する。
露光装置を構成するガラス基板100上には、発光素子として複数の有機エレクトロルミネッセンス素子110からなる素子列(以降、「発光素子列」と呼称する)を主走査方向に配列するとともに、この有機エレクトロルミネッセンス素子110から出力される光を検出するフォトダイオードで構成された光検出素子120と、この光検出素子120の出力に接続され、有機エレクトロルミネッセンス素子110の出力を処理する光量検出部(以降、光量検出回路Cと呼称する)と、光量検出回路Cの出力に基づいて光量を算出する光量演算回路150と、有機エレクトロルミネッセンス素子110の駆動制御を行う駆動回路(駆動部)160とが設けられている。
なお、実施の形態1において、光量検出回路CにはTFTからなる選択トランジスタ130が含まれ、TFT回路62aを構成する。また駆動回路160もTFTで形成され、TFT回路62を構成する。更に光検出素子120もTFTによって形成されている。
光量検出回路Cは、少なくとも光検出素子120に並列接続された容量素子140と、容量素子140に接続され容量素子140の読み出しを制御するスイッチング用の選択トランジスタ130とで構成されている。ここで、選択トランジスタ130と光検出素子120は、容量素子140を挟んで離間して配置されている。また、選択トランジスタ130と容量素子140と光検出素子120は、発光素子列とは直交する方向(副走査方向)に順次配列されている。この選択トランジスタ130は光量演算回路150(以降、チャージアンプ150と呼称する)を含む処理回路部59に接続される。
選択トランジスタ130によって選択された光量検出回路Cの出力は、チャージアンプ150を含む処理回路部59に入力され、ここで光量計測データに変換される。
また有機エレクトロルミネッセンス素子110の駆動部を構成する駆動回路160は、多結晶シリコン層からなるスイッチング用のTFTで構成され、図示しない駆動用ICチップ(後に説明するソースドライバ61)によって設定された駆動電流値に基づいて有機エレクトロルミネッセンス素子110を駆動する。
また図2(a)に示すように、光検出素子120は、発光素子である有機エレクトロルミネッセンス素子110の、光検出素子120側に位置する第1の電極(陽極111)をゲート電極としたTFTを構成している。また、光検出素子120は、光量検出回路Cの光量読み出しを選択するタイミングを選択するスイッチング用の選択トランジスタ130(図2(c)参照)と同一工程で形成される多結晶シリコン層で構成される。このように同一層で形成され、光量を検出するためのTFT(光検出素子120)と、信号選択を行うためのスイッチング用のTFT(選択トランジスタ130)とが、同時に作業性よく形成されるが、選択トランジスタ130は容量素子140の配置スペース分だけ光検出素子120と離間して配置されており、スイッチング用のTFT(選択トランジスタ130)への光の入射による閾値の変動に起因するよる誤動作を防止することが可能となる。また容量素子140は、図2(b)に示すように、第1乃至第3の電極141,142,143からなる3層の電極を層間絶縁膜である第1及び第2の絶縁膜122,123を介して2層ずつ向かい合うように形成してなるものであるため、遮光性が高く確実に迷光を防止可能であることから、誤動作を防ぐことができ、微小な電流である光電流を効率よく検出し高精度で信頼性の高い光量検出が可能となる。
よりマクロな視点において、図1に示す構成は、有機エレクトロルミネッセンス素子110からなる発光素子列を挟んで、光量検出回路Cと駆動回路160とを異なる領域に分離して配置したものということができる。この構成を用いることにより、微小電流を扱う光量検出回路Cが、比較的大電流をあつかう駆動回路160と分離して配置されることになり、ノイズの影響を回避し、高精度の光量検出を行うことが可能となる。
即ち、一般に集積化の程度があがるに従い、有機エレクトロルミネッセンス素子110を駆動する駆動回路160における電位の変動により、光検出素子120の出力電流にばらつきが生じ、光量の検出精度を上げることが困難となるが、上述の構成とすることで、光量検出の際のS/N比を十分確保することが可能となる。
上述のように光量検出回路Cは、有機エレクトロルミネッセンス素子110が構成する発光素子列を挟んで、駆動回路160と分離して形成するのが望ましく、この際に有機エレクトロルミネッセンス素子110を駆動する駆動信号線と、光検出素子120の出力を引出す出力信号線を、発光素子列を挟んで互いに異なる側に引き出すことが望ましい。ここで耐ノイズの観点では、駆動信号線と出力信号線を、発光素子列から離れる方向に引出すようにするのが更に望ましい。
また、有機エレクトロルミネッセンス素子110の具体構成を考慮すると、上述の構成は、第1の電極(陽極111)と第2の電極(陰極113)とで発光層112を挟むように形成された発光素子としての有機エレクトロルミネッセンス素子110と、有機エレクトロルミネッセンス素子110から出力される光を検出する光電変換層を備えた光検出素子120とが重畳して配置され、有機エレクトロルミネッセンス素子110の第1または第2の電極に接続される駆動トランジスタを含む駆動部(駆動回路160)と、光検出素子120の出力に接続された光量検出部(光量検出回路C)とを、発光素子列を挟んで互いに異なる側に配置したものということができる。
なお、本実施の形態1の露光装置は、図2(a)、(b)および(c)に断面図を示すしたように、表面に平坦化のためのベースコート層101を形成したガラス基板100上に形成されており、このベースコート層101上に、光検出素子120と、有機エレクトロルミネッセンス素子110とを順次積層するとともに、光検出素子120の出力に応じて、駆動電流または駆動時間を補正しつつ有機エレクトロルミネッセンス素子110を駆動するための駆動回路160としてのTFT(スイッチングトランジスタ)を備える。更にガラス基板100上には、この駆動回路160に接続されたチップICとして図示しないソースドライバ61(図9参照)が搭載されている。
光検出素子120はベースコート層101表面に形成された多結晶シリコン層からなる島領域ARを帯状のi層からなるチャネル領域121iを隔てて所望の濃度にドープすることによりソース領域121S、ドレイン領域121Dを形成し、この上層に形成される酸化シリコン膜からなる第1の絶縁膜122、第2の絶縁膜123を貫通するようにスルーホールを介して形成されたソースおよびドレイン電極125S,125Dで構成される。また、この上層に保護膜124としての窒化シリコン膜を介して、有機エレクトロルミネッセンス素子110が形成されており、保護膜124、第1の電極としての陽極となるITO(インジウム錫酸化物)111、光出射領域ALEを規制する画素規制部114、発光層112、第2の電極としての陰極113の順に各層が積層形成されている。
また容量素子140は、図2(b)および図2(c)に示すように、多結晶シリコン層で構成された第1層電極141と、選択トランジスタ130のゲート電極133と同一工程で形成される第2層電極142とで前述した第1の絶縁膜122を挟むとともに、第2層電極と第3層電極とによって第2の絶縁膜123を挟むことによって形成されたコンデンサで構成される。
容量素子140は、この第1層電極141、第2層電極142、第3層電極143の3層の導電性材料と絶縁膜とで構成される。これら3層の電極は重なった状態で形成されるため、金属などの遮光材料で形成すれば、3重構造の遮光膜として作用する。またこれらの各層は、選択トランジスタ130を構成するTFTのソース・ドレイン領域、ゲート電極のいずれかと同一工程で形成することができるため、工程も簡略化可能である。また、所望の遮光性を有する導電性材料を用い、選択トランジスタとは別の工程で形成するようにしてもよい。
更に、選択トランジスタ130と光検出素子120を構成する各層も同一の製造工程で形成される。すなわちチャネル領域132Cを挟んでソース領域132S、ドレイン領域132Dが、光検出素子120の半導体島と同一工程で形成され、これにコンタクトするソース・ドレイン電極134S,134Dが積層され、ゲート電極133とで選択トランジスタ130としてのTFTを構成している。
これら各層は、CVD法による半導体薄膜の形成、フォトリソグラフィによるパターニング、不純物イオンの注入、絶縁膜の形成、など通例の半導体プロセスを経て形成される。
ここで、ガラス基板100は無色透明なガラスの一枚板である。ガラス基板100としては、例えば透明または半透明のソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英ガラス等の無機酸化物ガラス、無機フッ化物ガラス等の無機ガラスを用いることができる。
その他の材料をガラス基板100の代用品として採用することも可能であり、例えば透明または半透明のポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリフッ化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリレート、非晶質ポリオレフィン、フッ素系樹脂ポリシロキサン、ポリシラン等のポリマー材料を用いた高分子フィルム等、あるいは透明または半透明のAs23、As4010、S40Ge10等のカルコゲノイドガラス、ZnO、Nb2O、Ta25、SiO、Si34、HfO2、TiO2等の金属酸化物および窒化物等の材料、或いは発光領域から出射される光を基板を介さずに取り出す場合には、不透明のシリコン、ゲルマニウム、炭化シリコン、ガリウム砒素、窒化ガリウム等の半導体材料、或いは顔料等を含んだ前述の透明基板材料、表面に絶縁処理を施した金属材料等から適宜選択して用いることができ、複数の基板材料を積層した積層基板を用いることもできる。あるいは、Fe、Al、Cu、Ni、Crあるいはこれらの合金などの金属からなる導電性基板の表面にSiO、SiN、などの無機絶縁材料や樹脂コーティングなどの有機絶縁材料による絶縁膜を形成するなど表面を絶縁化処理して形成された基板を用いることもできる。
またガラス基板100などの基板の表面あるいは基板内部には、後述するように有機エレクトロルミネッセンス素子110を駆動するための抵抗・コンデンサ・インダクタ・ダイオード・トランジスタ等からなる回路を集積化して形成しても良い。
さらに用途によっては特定波長のみを透過する材料、光−光変換機能をもった特定の波長の光へ変換する材料などであってもよい。また基板は絶縁性であることが望ましいが、特に限定されるものではなく、有機エレクトロルミネッセンス素子110の駆動を妨げない範囲或いは用途によって導電性を有していても良い。
ガラス基板100の上には、ベースコート層101が形成される。ベースコート層101は、例えばSiNから成る第1の層と、SiOから成る第2の層の2つから構成される。SiN、SiOの各層は蒸着法等によっても形成できるが、スパッタ法により形成することが望ましい。
ベースコート層101の上には、同一工程で形成される多結晶シリコン層を用いて上述の選択トランジスタ130、及び光検出素子120が形成される。有機エレクトロルミネッセンス素子110の駆動回路160は、抵抗・コンデンサ・インダクタ・ダイオード・トランジスタ等の回路素子から構成されるが、露光装置の小型化を考慮するとTFTを用いることが望ましい。実施の形態1において光検出素子120は、図2(b)から明らかなように発光層112を含む有機エレクトロルミネッセンス素子110と、光の出力面となるガラス基板100の中間に位置しており、且つ光検出素子120の島状に構成された素子領域A(以降半導体島領域Aと呼称する)は光出射領域ALEよりも大きい。また光出射領域ALEは、光検出素子120の内側に存在するため、光を透過しない材料を光検出素子120に用いることはできない。したがって、発光層112から出力された光を妨げないようにするため、光検出素子120には透光性を有した材料を用いなければならない。透光性を有した光検出素子120の材料としては、例えば多結晶シリコンを選択することが望ましい。
実施の形態1では、ベースコート層101の上に一様な半導体層を形成した後、半導体層に対してエッチング加工を施すことにより、選択トランジスタ130及び光検出素子120を同一工程で形成した半導体層から形成している。電極を構成する金属層などの導体層も同様であり、同一の金属層から島状に独立した選択トランジスタ130及び光検出素子120の金属層を一括で形成する加工は、製造工数の削減と製造コストの抑制に有利である。なお光検出素子120において、光出射領域ALEから出力される光を受光する半導体島領域Aは光検出素子120となる島状に構成された多結晶シリコンまたは非晶質シリコンの表面である。
有機エレクトロルミネッセンス素子110の発光層112に電界をかけるための駆動回路(駆動トランジスタ)160及び光検出素子120の上には、例えば酸化シリコン膜からなる第1の絶縁膜122、第2の絶縁膜123と保護膜124とが設けられているが、光検出素子120にとっては、これらの絶縁膜や保護膜124は、陽極111をゲート電極とみなしたときのゲート絶縁膜として作用し、この膜厚による電圧降下によって陽極111の電位からの降下幅が決定される。このゲート絶縁膜を構成する第1の絶縁膜122、第2の絶縁膜123と保護膜124は、例えばSiO等から成り、蒸着法、スパッタ法等により形成される。
また、選択トランジスタ130の真上にあるゲート絶縁膜としての第1の絶縁膜122の表面にはゲート電極133が形成される。ゲート電極133の材料としては、例えばCr、Al等の金属材料が用いられる。あるいは、ゲート電極133に透明性が必要な場合は、ITOや薄膜金属とITOの積層構造が用いられる。ゲート電極133は、蒸着法、スパッタ法等により形成される。
ゲート電極133が形成された基板表面に、第2の絶縁膜123が形成される。第2の絶縁膜123は、これまで形成してきた積層体の全表面に渡って形成される。第2の絶縁膜123は、例えばSiN等から成り、蒸着法、スパッタ法等により形成される。
第2の絶縁膜123の上には、光検出素子出力電極としてのドレイン電極125D、光検出素子接地電極としてのソース電極125S、および選択トランジスタ130のソース電極134S及びドレイン電極134Dが形成される。ドレイン電極125D及びソース電極125Sは、それぞれ光検出素子120のソース・ドレイン領域121S,121Dに接続されており、光検出素子120から出力される電気信号の伝達と光検出素子120の接地を行う。
一方、ソース電極134S及びドレイン電極134Dは、選択トランジスタ130のソース・ドレイン領域132S,132Dに接続されており、ソース電極134Sとドレイン電極134Dの間に所定の電位差を付与した状態で先述したゲート電極133に所定の電位を付与することで、チャネル領域132Cに電界が印加され、選択トランジスタ130はスイッチング素子としての機能を有するようになる。
ドレイン電極125D、ソース電極125S、ソース電極134S及びドレイン電極134Dの材料としては、例えばCr等の金属が用いられる。図2(a)に示すように、光検出素子出力電極としてのドレイン電極125D及び光検出素子接地電極としてのソース電極125Sは第1の絶縁膜122及び第2の絶縁膜123を貫通して光検出素子120の端部と接続されており、一方、図2(c)に示すように、選択トランジスタ130のソース電極134S及びドレイン電極134Dも同様に第1の絶縁膜122及び第2の絶縁膜123を貫通して選択トランジスタ130の端部に接続されている。したがって、ドレイン電極125D、ソース電極125S、ソース電極134S及びドレイン電極134Dの形成に先立ち、第1の絶縁膜122及び第2の絶縁膜123に対して、ドレイン電極125D及びソース電極125Sと光検出素子120を接続するためのスルーホール、ソース電極134S及びドレイン電極134Dと選択トランジスタ130を接続するためのスルーホールを設ける必要がある。このスルーホールは光検出素子120の表面と選択トランジスタ130の表面、即ち光検出素子120とドレイン電極125D及びソース電極125Sの接触面と、選択トランジスタ130とソース電極134S及びドレイン電極134Dの接触面が露出するまでの深さを持ったものであり、光検出素子120及び選択トランジスタ130の端部の真上にエッチング加工等により設けられる。エッチングにはハロゲン系のエッチングガスを用いる。フォトリソグラフィにより、開口を形成したレジストパターンで表面を被覆した状態でエッチングガスを導入し、パターニングすることにより、第1の絶縁膜122及び第2の絶縁膜123のスルーホールを開口する。このとき、エッチングガスには光検出素子120及び選択トランジスタ130を構成する材料と化学反応を生じないものを選択する。ドレイン電極125D及びソース電極125Sと光検出素子120の接触面、ソース電極134S及びドレイン電極134Dと選択トランジスタ130の接触面を露出させる加工が終了した後、ドレイン電極125D、ソース電極125S、ソース電極134S及びドレイン電極134Dを形成する。ソース電極134S及びドレイン電極134Dは、センサ電極となる金属層を第2の絶縁膜123の表面、先述したスルーホールの表面及び両センサ電極、光検出素子120の表面及び選択トランジスタ130の接触面の表面に一様に形成した後、この金属層に対してエッチングを施し、一様の金属層をドレイン電極125D、ソース電極125S、ソース電極134S及びドレイン電極134Dに分割することにより得られる。
光検出素子出力電極としてのドレイン電極125D、光検出素子接地電極としてのソース電極125S、ソース電極134S及びドレイン電極134Dが形成された後に、保護膜124が形成される。保護膜124は、例えばSiN等から成り、蒸着法、スパッタ法等により形成される。
保護膜124の上には、陽極111が形成される。陽極111は、例えばITO(インジウム錫酸化物)から成る。陽極111の構成材料としてはITOの他にIZO(亜鉛ドープ酸化インジウム)、ATO(SbをドープしたSnO2)、AZO(AlをドープしたZnO)、ZnO、SnO、In等を用いることができる。陽極111は図2(a)のように、光検出素子120に対して真上にあたる保護膜124の表面に形成される。陽極111は保護膜124を貫通して駆動回路160(より正しくは符号を付与していない駆動回路160のドレイン電極)と接続されている。したがって陽極111の形成の前には、保護膜124にスルーホールを設ける必要がある。このスルーホールはエッチング加工等により設けられる。このエッチング加工が施された後、陽極111の層が形成される。陽極111は蒸着法等によっても形成できるがスパッタ法により形成することが望ましい。
陽極111が形成された後、窒化シリコン膜あるいは酸化シリコン膜、酸窒化シリコン、酸化チタン、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム等の無機絶縁材料あるいはポリイミドやポリエチレン等の有機絶縁材料を用いて画素規制部114が形成される。画素規制部114の材料としては上述のように絶縁性が高く、絶縁破壊に対して強く、かつ製膜性が良くパターニング性が高いものが望ましい。画素規制部114とは、光出射領域を規制する部材であり、第1の電極または第2の電極と発光層との間に介在せしめられた絶縁膜に形成された開口で規定するようにしたものである。
実施の形態1では画素規制部114としての窒化シリコン膜を構成する材料として、窒化シリコン、窒化アルミニウムを用いている。画素規制部114は、後述する発光層112と陽極111との間に設けられ、光出射領域ALEの領域外にある発光層112を陽極111から絶縁し、発光層112の発光する箇所を規制している。したがって、画素規制部114に重なる発光層112の領域は非発光領域となり、画素規制部114に重ならない領域が光出射領域ALEとなる。画素規制部114は、発光層112の光出射領域ALEが光検出素子120の半導体島領域Aよりも面積的に小さくなるように規制し、且つ光出射領域ALEを光検出素子120の半導体島領域Aの内側に配置するように構成される。
画素規制部114が形成された後、発光層112が形成される。発光層112は無機発光材料、若しくは以降詳細に説明する高分子系、あるいは低分子系の有機発光材料から形成される。
発光層112を形成する無機発光材料としては、チタン・リン酸カリウム、バリウム・ホウ素酸化物、リチウム・ホウ素酸化物等を用いることができる。
発光層112を無機発光材料で構成した無機エレクトロルミネッセンス素子は、スクリーン印刷で製造が可能であるため生産時の欠陥が少なく、且つクリーンルーム等の設備も必要としないので、高い量産性を持つ。したがって製造コスト的に優れた露光装置を提供することが可能となる。
発光層112を構成する高分子系の有機発光材料としては、可視領域で蛍光または燐光特性を有しかつ製膜性の良いものが望ましく、例えばポリパラフェニレンビニレン(PPV)、ポリフルオレン等のポリマー発光材料等を用いることができる。
高分子系の発光層112として、例えばデンドリマ等の樹木状多分岐構造をもつ有機化合物を用いてもよい。この有機化合物は、発光性の構造単位を3次元的に複数の外部構造単位が取り巻いた樹木状多分岐高分子構造または樹木状多分岐低分子構造を有するため、発光性の構造単位が3次元的に孤立した状態となり、有機化合物自体が微粒子状の形態をとる。このため、薄膜状に形成したとき、この有機化合物の集合体は、外部構造単位の存在によって、隣り合う発光性の構造単位が近接することが阻害され、その結果、発光性の構造単位が薄膜内に均一に分布し、高強度で、長寿命の発光を維持することができる。
発光層112を構成する低分子系の有機発光材料としては、Alq3やBe−ベンゾキノリノール(BeBq)の他に、2,5−ビス(5,7−ジ−t−ペンチル−2−ベンゾオキサゾリル)−1,3,4−チアジアゾール、4,4'−ビス(5,7−ベンチル−2−ベンゾオキサゾリル)スチルベン、4,4'−ビス〔5,7−ジ−(2−メチル−2−ブチル)−2−ベンゾオキサゾリル〕スチルベン、2,5−ビス(5,7−ジ−t−ベンチル−2−ベンゾオキサゾリル)チオフィン、2,5−ビス(〔5−α,α−ジメチルベンジル〕−2−ベンゾオキサゾリル)チオフェン、2,5−ビス〔5,7−ジ−(2−メチル−2−ブチル)−2−ベンゾオキサゾリル〕−3,4−ジフェニルチオフェン、2,5−ビス(5−メチル−2−ベンゾオキサゾリル)チオフェン、4,4'−ビス(2−ベンゾオキサイゾリル)ビフェニル、5−メチル−2−〔2−〔4−(5−メチル−2−ベンゾオキサイゾリル)フェニル〕ビニル〕ベンゾオキサイゾリル、2−〔2−(4−クロロフェニル)ビニル〕ナフト〔1,2−d〕オキサゾール等のベンゾオキサゾール系、2,2'−(p−フェニレンジビニレン)−ビスベンゾチアゾール等のベンゾチアゾール系、2−〔2−〔4−(2−ベンゾイミダゾリル)フェニル〕ビニル〕ベンゾイミダゾール、2−〔2−(4−カルボキシフェニル)ビニル〕ベンゾイミダゾール等のベンゾイミダゾール系等の蛍光増白剤や、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)マグネシウム、ビス(ベンゾ〔f〕−8−キノリノール)亜鉛、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)アルミニウムオキシド、トリス(8−キノリノール)インジウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、8−キノリノールリチウム、トリス(5−クロロ−8−キノリノール)ガリウム、ビス(5−クロロ−8−キノリノール)カルシウム、ポリ〔亜鉛−ビス(8−ヒドロキシ−5−キノリノニル)メタン〕等の8−ヒドロキシキノリン系金属錯体やジリチウムエピンドリジオン等の金属キレート化オキシノイド化合物や、1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン、1,4−(3−メチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(4−メチルスチリル)ベンゼン、ジスチリルベンゼン、1,4−ビス(2−エチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(3−エチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(2−メチルスチリル)2−メチルベンゼン等のスチリルベンゼン系化合物や、2,5−ビス(4−メチルスチリル)ピラジン、2,5−ビス(4−エチルスチリル)ピラジン、2,5−ビス〔2−(1−ナフチル)ビニル〕ピラジン、2,5−ビス(4−メトキシスチリル)ピラジン、2,5−ビス〔2−(4−ビフェニル)ビニル〕ピラジン、2,5−ビス〔2−(1−ピレニル)ビニル〕ピラジン等のジスチルピラジン誘導体や、ナフタルイミド誘導体や、ペリレン誘導体や、オキサジアゾール誘導体や、アルダジン誘導体や、シクロペンタジエン誘導体や、スチリルアミン誘導体や、クマリン系誘導体や、芳香族ジメチリディン誘導体等が用いられる。さらに、アントラセン、サリチル酸塩、ピレン、コロネン等も用いられる。あるいは、ファク−トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム等の燐光発光材料を用いることもできる。
高分子系材料、低分子系材料から成る発光層112は、材料をトルエン、キシレン等の溶媒に溶解したものをスピンコート法やインクジェット法、あるいはギャップコーティング法、印刷工法に代表される湿式成膜法で層状に成形し、溶解液中の溶媒を揮発させることで得られ、低分子系材料から成る発光層112は、材料を真空蒸着法、あるいは、蒸着重合法やCVD法などにより積層することで得られることが一般的であるが、発光材料の特性に合わせていずれかの工法を取ることで形成することができる。
また実施の形態1では、発光層112を便宜上単一の層として記述しているが、発光層112を陽極111の側から順に正孔輸送層/電子ブロック層/上述した有機発光材料層(ともに図示せず)の三層構造としてもよいし、発光層112を陰極113の側から順に電子輸送層/有機発光材料層(ともに図示せず)の二層構造、あるいは陽極111の側から順に正孔輸送層/有機発光材料層の2層構造(ともに図示せず)、あるいは陰極113の側から順に正孔注入層/正孔輸送層/電子ブロック層/有機発光材料層/正孔ブロック層/電子輸送層/電子注入層のごとく7層構造(ともに図示せず)としてもよい。またはより単純に発光層112が上述した有機発光材料のみからなる単層構造であってもよい。このように実施の形態1において発光層112と呼称する場合は、発光層112が正孔輸送層、電子ブロック層、電子輸送層などの機能層を有する多層構造である場合も含んでいる。後に説明する他の実施の形態についても同様である。
上述した機能層における正孔輸送層としては、正孔移動度が高く、透明で製膜性の良いものが望ましくTPDの他に、ポルフィン、テトラフェニルポルフィン銅、フタロシアニン、銅フタロシアニン、チタニウムフタロシアニンオキサイド等のポリフィリン化合物や、1,1−ビス{4−(ジ−P−トリルアミノ)フェニル}シクロヘキサン、4,4',4''−トリメチルトリフェニルアミン、N,N,N',N'−テトラキス(P−トリル)−P−フェニレンジアミン、1−(N,N−ジ−P−トリルアミノ)ナフタレン、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)−2−2'−ジメチルトリフェニルメタン、N,N,N',N'−テトラフェニル−4,4'−ジアミノビフェニル、N、N'−ジフェニル−N、N'−ジ−m−トリル−4、4'−ジアミノビフェニル、N−フェニルカルバゾ−ル等の芳香族第三級アミンや、4−ジ−P−トリルアミノスチルベン、4−(ジ−P−トリルアミノ)−4'−〔4−(ジ−P−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン等のスチルベン化合物や、トリアゾール誘導体や、オキサジザゾール誘導体や、イミダゾール誘導体や、ポリアリールアルカン誘導体や、ピラゾリン誘導体や、ピラゾロン誘導体や、フェニレンジアミン誘導体や、アニールアミン誘導体や、アミノ置換カルコン誘導体や、オキサゾール誘導体や、スチリルアントラセン誘導体や、フルオレノン誘導体や、ヒドラゾン誘導体や、シラザン誘導体や、ポリシラン系アニリン系共重合体や、高分子オリゴマーや、スチリルアミン化合物や、芳香族ジメチリディン系化合物や、ポリ−3,4エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、テトラジヘクシルフルオレニルビフェニル(TFB)あるいはポリ3−メチルチオフェン(PMeT)といったポリチオフェン誘導体等の有機材料が用いられる。また、ポリカーボネート等の高分子中に低分子の正孔輸送層用の有機材料を分散させた、高分子分散系の正孔輸送層も用いられる。
またMoO、V、WO、TiO、SiO、MgO等の無機酸化物を用いてもよい。正孔輸送層として、特にMoO、V等の遷移金属酸化物を用いると、非常に高効率で長寿命の有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することが可能となる。またこれらの正孔輸送材料は電子ブロック材料として用いることもできる。
上述した機能層における電子輸送層としては、1,3−ビス(4−tert−ブチルフェニル−1,3,4−オキサジアゾリル)フェニレン(OXD−7)等のオキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、シロール誘導体からなるポリマー材料等、あるいは、ビス(2−メチル−8−キノリノレート)−(パラ−フェニルフェノレート)アルミニウム(BAlq)、バソフプロイン(BCP)等が用いられる。またこれらの電子輸送層を構成可能な材料は正孔ブロック材料として用いることもできる。
発光層112が形成された後、陰極113が形成される。陰極113は、例えばAl等の金属を蒸着法等によって層状に形成することにより得られる。有機エレクトロルミネッセンス素子110の陰極113としては仕事関数の低い金属もしくは合金、例えばAg、Al、In、Mg、Ti等の金属や、Mg−Ag合金、Mg−In合金等のMg合金や、Al−Li合金、Al−Sr合金、Al−Ba合金等のAl合金等が用いられる。あるいは、Ba、Ca、Mg、Li、Cs等の金属、あるいは、LiF、CaOといったこれら金属のフッ化物や酸化物からなる有機物層に当接する第1の電極層と、その上に形成されるAg、Al、In等の金属材料からなる第2の電極とからなる金属の積層構造を用いることもできる。
実施の形態1の露光装置は、有機エレクトロルミネッセンス素子110から出射され、ガラス基板100を透過した光を利用する方式を採用しており、このような有機エレクトロルミネッセンス素子の構造をボトムエミッションという。
ボトムエミッション構造は、ガラス基板100の側から光を取り出すため、既に述べたように光検出素子120は透明度の高い材料、例えば多結晶シリコン(ポリシリコン)で構成される必要がある。多結晶シリコンで構成された光検出素子120は非晶質シリコン(アモルファスシリコン)で構成したものと比較して光電流の生起能力が低いという問題があるが、例えばコンデンサ(図示せず)を有機エレクトロルミネッセンス素子110の近傍に設け、光検出素子120から出力された電流に基づく電荷をコンデンサに所定期間蓄積するか、あるいは、逆に所定の電荷を蓄積しておき、この電荷をディスチャージし、その後に電圧変換を行なうような処理回路を設けることで解決することができる。ボトムエミッション構造の場合は、光を取り出す側の電極(陽極)の透明化が容易なため、製造が簡単になる利点がある。
図1に示すように実施の形態1の露光装置は、複数の有機エレクトロルミネッセンス素子110を主走査方向(発光素子列の方向)に配置して構成されており、1つの発光領域(光出射領域)に対して、1つの光検出素子120を対応させて配置している。このような構造とすることで、光検出素子120によって各有機エレクトロルミネッセンス素子110の発光光量を独立して計測できる。また光検出素子120と有機エレクトロルミネッセンス素子110は薄膜(第1の絶縁膜122、第2の絶縁膜123および保護膜124)で隔てられており、平面方向の光の漏れは極めて小さいため、光学的なクロストークの影響も殆ど無視できる。これによって同時に複数の有機エレクトロルミネッセンス素子110の光量を計測することが可能となり、計測時間を大幅に短縮できる。
図2(a)では、光検出素子120、光検出素子出力電極としてのドレイン電極125D、光検出素子接地電極としてのソース電極125S、光出射領域ALE、光検出素子120の素子領域としての半導体島領域A、発光層112の陽極となるITO(インジウム錫酸化物)111、コンタクトホールH及び駆動回路160のドレイン電極の相互関係が示されている。光検出素子120は、ドレイン電極125D及びソース電極125Sと接続されている。光検出素子出力電極としてのドレイン電極125Dは、光検出素子120が出力する電気信号を図2(c)に示す選択トランジスタ130を介して処理回路部59に伝達する電極である。
この光検出素子120から出力される電気信号を基に、処理回路部59では光量計測データが生成され、図示しない光量補正部によってフィードバック信号が決定される。このフィードバック信号を基に光量の補正に必要な処理が行われる。
実施の形態1ではこのフィードバック信号に基づいて各有機エレクトロルミネッセンス素子110の発光光量を補正するようにしており、図示しないソースドライバ61(図9参照)によって各有機エレクトロルミネッセンス素子110を駆動する電流値を制御している。このように実施の形態1では光検出素子120の出力に基づいて発光光量を制御しているが、フィードバック信号に基づいて各有機エレクトロルミネッセンス素子110の駆動時間を制御する、いわゆるPWM制御を行なうように構成してもよい。PWM制御を採用した場合は、制御をフルディジタルの回路構成で実現できるというメリットがある。
光検出素子接地電極としてのソース電極125Sは、光検出素子120の接地を行う電極である。発光素子としての有機エレクトロルミネッセンス素子110の陽極111であるITO(インジウム錫酸化物)は、駆動回路(駆動トランジスタ)160のドレイン電極と接続されており、有機エレクトロルミネッセンス素子110は、このドレイン電極を介して駆動回路160で制御されている。
図1に示したように、実施の形態1の露光装置は、島状に形成された多結晶シリコン(ポリシリコン)から構成される光検出素子120を主走査方向に列状に配置し、各有機エレクトロルミネッセンス素子110においては画素規制部114としての窒化シリコン膜により光出射領域ALEが制限された発光層112の下部に光出射領域ALEよりも大きな半導体島領域Aを有した光検出素子120を配置して構成される。光出射領域ALEよりも光検出素子120の半導体島領域A(島状に形成された多結晶シリコンの島状部分)を大きくすることで、光出射領域ALEが形成される部位から、ソース電極125S、ドレイン電極125Dといった段差を有する構造物を排除している。従って、少なくとも光出射領域ALEは光検出素子120の平坦部上に形成されることとなる。これによって特に発光層112を上述した湿式法によって形成した場合であっても発光層112の局所的な層厚の変化を抑えることができ、発光層112を流れる電流の偏りを抑えることができる。したがって、均一な発光分布と寿命の向上を実現した露光装置を製造することができる。
さらに、実施の形態1の露光装置に搭載される島状に構成された光検出素子120の半導体島領域Aは発光領域すなわち光出射領域ALEに比べて大きいため、発光層112からの出力光を光の補正に用いる電気信号へと効率的に変換することができる。
図3は本発明の実施の形態1に係る露光装置に搭載された光量検出回路C、処理回路部59の回路図である。
以降図3を用いて本発明の露光装置で用いられる光量検出回路C及びその出力を処理する処理回路部59について詳細に説明する。なお、以降の説明において、光量検出回路C及びその出力を処理する処理回路部59を一括して光量計測部241と呼称する。
光量計測部241は、図3に示すように、オペアンプ151等から構成されたチャージアンプ等を備えた駆動用ICである処理回路部59と、この処理回路部59の入力端子に接続されるように前述したガラス基板100に集積化して形成された光量検出回路Cとで構成され、この光量検出回路Cは前述した選択トランジスタ130と、光検出素子120に並列接続され、光検出素子120の出力電流(光電流)によってディスチャージされる容量素子(コンデンサ)140とで構成される。
以降図1および図2(a),(b)を併用して説明する。
この容量素子140は図1および図2(b)から把握されるように、光検出素子120のソース電極125S、ドレイン電極125Dにそれぞれ接続されるようにこれらと同一工程で形成された導電性膜で、第1の絶縁膜122を挟むことによって形成されている。
ここで光検出素子120は、有機エレクトロルミネッセンス素子110からの光によって多結晶シリコンによって構成されるチャネル領域121iで光電変換が行われ、ソース領域121Sからドレイン領域121Dに流れる電流を光電流として取り出すことにより、光量を検出するものである。
しかしながら、容量素子140に蓄積されている電荷を計測する際に有機エレクトロルミネッセンス素子110が点灯している場合は、前述したように、有機エレクトロルミネッセンス素子110の陽極111には所定の電圧が印加されている。このため光検出素子120にとっては、陽極111がゲート電極として機能することになる。
このゲート電極(陽極111)の電位によって光検出素子120のチャネル領域121iである多結晶シリコン層に電界がかかり、これにより、ドレイン電流Iが流れることになる。このドレイン電流Iが光電変換電流に付加されることになるため、ドレイン電極125Dからセンサ出力として光量検出回路Cに出力される光電変換電流は実際の光電変換電流にドレイン電流Iを加えたものとなる。このため光量検出精度が低下するという問題がある。
図4は本発明の実施の形態1における光検出素子120のゲート電圧Vgとドレイン電流Iの関係を示す説明図である。
ゲート電圧Vgとドレイン電流Iとの関係を測定した結果を図4に実線で示す。高い光量検出精度を確保するためには、ゲート電圧Vgの変化によるドレイン電流Iの変化が小さいことが望ましいため、この図から明らかなように、このTFTのドレイン電流Iが0である領域すなわち、トランジスタの動作がオフとなる領域(OFF領域)で使用するのが望ましい。
ゲート電圧Vgとドレイン電流Iの関係において、Vg>0の領域において電流Iが流れる領域があり、ゲート電圧Vgの変化に伴ったドレイン電流Iの変化が生じるため、望ましくは、図4に破線で示すように、ゲート電位をマイナス方向にシフトさせるようにすることにより、TFTをOFF領域で使用することができ、暗電流をほとんど皆無とすることができる。本発明では、光検出素子120の出力を高精度に検出することは極めて重要であるため、光検出素子120を構成するTFTをOFF領域で光を検出することが重要である。
光検出素子120は、これを構成するTFTのチャネル領域121iとなる多結晶シリコン層に印加される電界により、ドレイン電流Iおよび光電変換電流の電流量が決定される構成であるため、例えば、TFTのチャネル領域121iの一部が陽極111に覆われていない場合、陽極111に覆われていない部分の電界を制御することは難しく、表面電位や外部電界などにより生じる不定の電界が印加され、即ち外乱によって光量検出精度が低下するという問題がある。したがって、TFTのチャネル領域121iとなる多結晶シリコン層全体が有機エレクトロルミネッセンス素子110の陽極111で完全に覆われている構成が、ゲート電界によってチャネルを制御するのにより有効である。
図5は本発明の実施の形態1における光量検出のタイミングを示すタイミングチャートである。
以降図5に図3を併用して説明する。
図5(a)は、チャージアンプ150におけるスイッチングトランジスタ153のON/OFF状態を示すものである。スイッチングトランジスタ153は、容量素子152の蓄積電荷をリセットする機能を有しており、スイッチングトランジスタ153のON/OFFによって、光量検出回路Cにおける容量素子140のチャージ期間(より正確には、後に説明するようにディスチャージ期間である)が規定される。
図5(b)は、選択トランジスタ130の動作タイミングを示すものである。なお選択トランジスタ130は、信号SELxに基づいてON/OFF制御され、信号SELxがハイレベルのときに選択トランジスタ130はONとなる。
図5(c)は、有機エレクトロルミネッセンス素子110の点灯タイミングを示すものである。なお図5(c)において、信号ELONがハイレベルのときに有機エレクトロルミネッセンス素子110は発光する。
図5(d)は、光量検出回路Cにおける容量素子140の両端(即ち図2(a)に示すソース電極125Sとドレイン電極125D間)の電位変化を示すものである。
図5(e)は、オペアンプ151の出力電圧を示している。
図5(f)はオペアンプ151の出力Vr0をサンプルホールドするタイミングを示すものである。
図5(g)はサンプルホールドされたアナログ信号がADコンバータ240(図3参照)によってAD変換(アナログ信号からディジタル信号に変換)され、ディジタル化されたデータを出力するタイミングを示すものである。
光検出素子120の出力は図5(a)乃至(e)にタイミングチャートを示すように選択トランジスタ130のスイッチングにより、容量素子140に有機エレクトロルミネッセンス素子110の所望の回数の点灯時間分チャージされた電流を取り出すことにより、高精度の光量検出が可能となる。
以降、光量検出動作における動作タイミングを詳細に説明する。
まず、選択トランジスタ130が信号SELxに基づきONとなり、チャージアンプ150によって、容量素子140に初期電圧Vrefがチャージされる(S1:リセットステップ)。
そして、この選択トランジスタ130を信号SELxに基づきOFFにし、信号ELONを制御して有機エレクトロルミネッセンス素子110を点灯すると、これを受光した光検出素子120のチャネル領域121i(図2(a)参照)は光量に比例した導電性を発現する。この際に光検出素子120を流れる光電流により、リセットステップS1で容量素子140にチャージされた電荷は減少する。即ち容量素子140は有機エレクトロルミネッセンス素子110の発光光量の強弱に応じてディスチャージされていく。(S2:点灯ステップ)。
次にチャージアンプ150を構成するスイッチングトランジスタ153を信号CHGに基づいてOFFし、チャージアンプ150を容量素子140に蓄積されている電荷を測定可能な状態とする(S3:測定開始ステップ)。
そして、選択トランジスタ130を信号SELxに基づいてONとすると、この時点で光量検出回路Cに設けられた容量素子140に蓄積されている電荷は、チャージアンプ150を構成する容量素子152に受け渡される。その結果チャージアンプ150を構成するオペアンプ151の出力電圧Vr0は上昇する。この期間も光検出素子120の光電流は流れVr0は上昇するが、短期間の微小電流であるため影響はほとんど無視できる(S4:電荷転送ステップ)。
最後に選択トランジスタ130を信号SELxに基づいてOFFとしVr0が確定する。このときのオペアンプ151の出力電圧Vr0をADコンバータ240に取り込み、光量検出動作が終了し、ADコンバータ240の出力D0が確定する(S5:リードステップ)。
このようにして得られた光量計測部241の出力D0(既に述べたようにディジタル化されている)は、例えばマイクロコンピュータ等の演算部、処理プログラムを格納したROM等の不揮発性メモリ、演算に使用するワーク領域等を提供するRAM等の書き換え可能メモリ、更にこれらを相互に接続するバス等で構成された公知の組み込みコンピュータシステム(以降、光量補正部と呼称する)によって処理され、有機エレクトロルミネッセンス素子110の駆動条件である発光光量や、発光時間が決定される。
有機エレクトロルミネッセンス素子110の駆動条件のうち発光光量を補正する場合には、光量補正部は、露光装置を構成する個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110に対して、新たな駆動電流(あるいは駆動電圧、あるいは駆動時間)を算出し、この算出結果に基づく駆動パラメータを、図示しない駆動条件設定部に設定する。これによって駆動回路160(図2(a)参照)をONにした場合の有機エレクトロルミネッセンス素子110の駆動条件が制御される。
このようにして得られた光量検出回路Cの出力電圧に基づいて、光量演算回路としてのチャージアンプ150で補正電圧を算出し、駆動回路160を介して発光素子の陽極111と陰極113とに印加する電圧が制御され、これらの間に形成された発光層112に電圧が印加され、発光素子の光量のばらつきや経時変化に伴う光量の変動を補償し、均一な露光が維持されるように構成される。
なお、実施の形態1では、有機エレクトロルミネッセンス素子110と、光検出素子120とは重畳するように形成したが、重ね合わせることなく配置されていてもよい。この構造は、即ち、光検出素子120が形成される層と、発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子110)が形成される層が異なっており、かつ、光検出素子120と有機エレクトロルミネッセンス素子110が平面図(トップビュー)として見た時に十分離間して配置され、かつ、光検出素子120の下層が平坦になっているような場合に該当する。
また、ドーピング等によって1つの半導体領域を絶縁領域と活性領域に分割し、この活性領域に複数の光検出素子120を形成するようにした場合は、光検出素子120を構成する半導体領域は島状にはならないため、上面から見た場合に光検出素子120と有機エレクトロルミネッセンス素子110を部分的に重畳するように構成することも可能である。
(実施の形態2)
次に実施の形態2として上記実施の形態1で説明した露光装置を用いた画像形成装置について説明する。
図6は、本発明の実施の形態2の画像形成装置の構成図である。
図6には、上記露光装置をイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色用として形成した露光装置13Y〜13Kとを用いた画像形成装置1が示されている。
この画像形成装置1は、図6に示すように、装置内にイエロー現像ステーション2Y、マゼンタ現像ステーション2M、シアン現像ステーション2C、ブラック現像ステーション2Kの4色分の現像ステーションを縦方向に階段状に配列し、その上方には記録紙3が収容される給紙トレイ4を配設すると共に、各現像ステーション2Y〜2Kに対応した箇所には給紙トレイ4から供給された記録紙3の搬送路となる記録紙搬送路5を上方から下方の縦方向に構成したものである。
現像ステーション2Y〜2Kは記録紙搬送路5の上流側から順に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を形成するものであり、イエロー現像ステーション2Yは感光体8Y、マゼンタ現像ステーション2Mには感光体8M、シアン現像ステーション2Cには感光体8C、ブラック現像ステーション2Kには感光体8Kが含まれ、更に各現像ステーション2Y〜2Kには後に説明する現像スリーブ、帯電器など、一連の電子写真方式における現像プロセスを実現する部材が含まれている。
更に各現像ステーション2Y〜2Kの下部には感光体8Y〜8Kの表面を露光して静電潜像を形成するための露光装置13Y、13M、13C、13Kが配置されている。
現像ステーション2Y〜2Kは充填された現像剤の色が異なっているが、構成は現像色に関わらず同一であるため、以降の説明を簡単にするため特に明示する必要がある場合を除いて現像ステーション2、感光体8、露光装置13のごとく特定の色を明示せずに説明する。
図7は本発明の実施の形態2の画像形成装置1における現像ステーション2の周辺を示す構成図である。
図7において、現像ステーション2の内部にはキャリアとトナーの混合物である現像剤6が充填されている。7a、7bは現像剤6を攪拌する攪拌パドルであり、攪拌パドル7aと7bの回転によって現像剤6中のトナーはキャリアとの摩擦によって所定の電位に帯電されると共に、トナーとキャリアは現像ステーション2の内部を巡回することで十分に攪拌混合される。感光体8は図示しない駆動源によって方向D3に回転する。9は帯電器であり感光体8の表面を所定の電位に帯電する。10は現像スリーブ、11は薄層化ブレードである。現像スリーブ10は内部に複数の磁極が形成されたマグネットロール12を有している。薄層化ブレード11によって現像スリーブ10の表面に供給される現像剤6の層厚が規制されると共に、現像スリーブ10は図示しない駆動源によって方向D4に回転し、この回転およびマグネットロール12の磁極の作用によって現像剤6は現像スリーブ10の表面に供給され、後述する露光装置13によって感光体8に形成された静電潜像を現像するとともに、感光体8に転写されなかった現像剤6は現像ステーション2の内部に回収される。
13は露光装置である。露光装置13は露光光源としての有機エレクトロルミネッセンス素子を600dpi(dot/inch)の解像度で列状に配置した発光素子列を有しており
、帯電器9によって所定の電位に帯電した感光体8に対し、画像データに応じて選択的に有機エレクトロルミネッセンス素子をON/OFFすることで、最大A4サイズの静電潜像を形成する。現像スリーブ10に所定の電位(現像バイアス)を印加すると、この静電潜像部分と現像スリーブ10の間に電位勾配が生じる。そして、現像スリーブ10の表面に供給され、所定の電位に帯電している現像剤6中のトナーにクーロン力が作用し、感光体8には現像剤6のうちトナーのみが付着し、静電潜像が顕画化される。
後に詳細に説明するように露光装置13には、有機エレクトロルミネッセンス素子の光量を計測する光量計測手段として、実施の形態1で詳細に説明した光検出素子120が設けられている。
16は転写ローラである。転写ローラ16は感光体8に対し記録紙搬送路5と対向する位置に設けられており、図示しない駆動源により方向D5に回転する。転写ローラ16には所定の転写バイアスが印加されており、感光体8上に形成されたトナー像を、記録紙搬送路5を搬送されてきた記録紙3に転写する。
以降図6に戻って説明を続ける。
17はトナーボトルであり、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーが格納されている。トナーボトル17から各現像ステーション2Y〜2Kには図示しないトナー搬送用のパイプが配設され、各現像ステーション2Y〜2Kにトナーを供給している。
18は給紙ローラであり、図示しない電磁クラッチを制御することで方向D1に回転し、給紙トレイ4に装填された記録紙3を記録紙搬送路5に送り出す。
給紙ローラ18と最上流のイエロー現像ステーション2Yの転写部位との間に位置する記録紙搬送路5には、入口側のニップ搬送手段としてレジストローラ19、ピンチローラ20対が設けられている。レジストローラ19、ピンチローラ20対は、給紙ローラ18により搬送された記録紙3を一時的に停止させ、所定のタイミングでイエロー現像ステーション2Yの方向に搬送する。この一時停止によって記録紙3の先端がレジストローラ19、ピンチローラ20対の軸方向と平行に規制され、記録紙3の斜行を防止する。
21は記録紙通過検出センサである。記録紙通過検出センサ21は反射型センサ(フォトリフレクタ)によって構成され、反射光の有無で記録紙3の先端および後端を検出する。
さて図示しない電磁クラッチによって動力伝達を制御しレジストローラ19の回転を開始すると記録紙3は記録紙搬送路5に沿ってイエロー現像ステーション2Yの方向に搬送されるが、レジストローラ19の回転開始のタイミングを起点として、各現像ステーション2Y〜2Kの近傍に配置された露光装置13Y〜13Kによる静電潜像の書込みタイミング、現像バイアスのON/OFF、転写バイアスのON/OFFなどがそれぞれ独立して制御される。
以降図7を用いて説明を続ける。
図7に示す露光装置13から現像領域(感光体8と現像スリーブ10の間隔が最も狭い部位の近傍)までの距離は設計事項であるから、例えば露光装置13による露光を開始して感光体8上に形成された潜像が現像領域に到達する時間も設計事項である。
実施の形態2ではレジストローラ19の回転開始のタイミングを起点として、後に説明するように複数ページを連続して印字する際に、記録紙搬送路5を搬送される記録紙と記録紙の間(即ち紙間)において露光装置13を構成する有機エレクトロルミネッセンス素子の光量を設定して点灯させるとともに、感光体8上に形成された潜像位置に対して現像バイアスをOFFにするような制御を行なっている。
以降図6に戻って説明を続ける。
最下流のブラック現像ステーション2Kの更に下流側に位置する記録紙搬送路5には出口側のニップ搬送手段として定着器23が設けられている。定着器23は加熱ローラ24と加圧ローラ25から構成されている。
27は加熱ローラ24の温度を検出するための温度センサである。温度センサ27は金属酸化物を主原料とし、高温で焼結して得られるセラミック半導体であり、温度に応じて負荷抵抗が変化することを応用して接触した対象物の温度を計測することができる。温度センサ27の出力は後述するエンジン制御部42に入力され、エンジン制御部42は温度センサ27の出力に基づいて加熱ローラ24に内蔵された熱源(図示せず)に供給する電力を制御し、加熱ローラ24の表面温度が約170℃となるように制御する。
この温度制御がなされた加熱ローラ24と加圧ローラ25によって形成されるニップ部にトナー像が形成された記録紙3が通紙されると、記録紙3上のトナー像は加熱ローラ24と加圧ローラ25によって加熱および加圧され、トナー像が記録紙3上に定着される。
28は記録紙後端検出センサであり、記録紙3の排出状況を監視するものである。32はトナー像検出センサである。トナー像検出センサ32は発光スペクトルの異なる複数の発光素子(共に可視光)と単一の受光素子を用いた反射型センサユニットであり、記録紙3の地肌と画像形成部分とで、画像色に応じて吸収スペクトルが異なることを利用して画像濃度を検出するものである。またトナー像検出センサ32は画像濃度のみならず画像形成位置も検出できるため、実施の形態2における画像形成装置1ではトナー像検出センサ32を画像形成装置1の幅方向に2ヶ所設け、記録紙3上に形成した画像位置ずれ量検出パターンの検出位置に基づき画像形成タイミングを制御している。
33は記録紙搬送ドラムである。記録紙搬送ドラム33は表面を200μm程度の厚さのゴムで被覆した金属製ローラであり、定着後の記録紙3は記録紙搬送ドラム33に沿って方向D2に搬送される。このとき記録紙3は記録紙搬送ドラム33によって冷却されると共に、画像形成面と逆方向に曲げられて搬送される。これによって記録紙全面に高濃度の画像を形成した場合などに発生するカールを大幅に軽減することができる。その後、記録紙3は蹴り出しローラ35によって方向D6に搬送され、排紙トレイ39に排出される。
34はフェイスダウン排紙部である。フェイスダウン排紙部34は支持部材36を中心に回動可能に構成され、フェイスダウン排紙部34を開放状態にすると、記録紙3は方向D7に排紙される。このフェイスダウン排紙部34は閉状態では記録紙搬送ドラム33と共に記録紙3の搬送をガイドするように、背面に搬送経路に沿ったリブ37が形成されている。
38は駆動源であり、実施の形態2ではステッピングモータを採用している。駆動源38によって給紙ローラ18、レジストローラ19、ピンチローラ20、感光体8Y〜8K、および転写ローラ16(図7参照)を含む各現像ステーション2Y〜2Kの周辺部、定着器23、記録紙搬送ドラム33、蹴り出しローラ35の駆動を行っている。
41はコントローラであり外部のネットワークを介して図示しないコンピュータなどからの画像データを受信し、プリント可能な画像データを展開、生成する。後に詳細に説明するように、コントローラ41に搭載されたコントローラCPU(図示せず)は露光装置13Y〜13Kから発光素子である有機エレクトロルミネッセンス素子の光量の計測データを受け取り光量補正データの生成を行なう光量補正手段であるとともに、この光量補正データに基づき有機エレクトロルミネッセンス素子の光量を設定する光量設定手段でもある。
42はエンジン制御部である。エンジン制御部42は画像形成装置1のハードウェアやメカニズムを制御し、コントローラ41から転送された画像データおよび光量補正データに基づいて記録紙3にカラー画像を形成すると共に、上述した定着器23の加熱ローラ24の温度制御を含む画像形成装置1の制御全般を行っている。
43は電源部である。電源部43は、露光装置13Y〜13K、駆動源38、コントローラ41、エンジン制御部42へ所定電圧の電力供給を行なうと共に、定着器23の加熱ローラ24への電力供給を行っている。また感光体8の表面を帯電するための帯電電位、現像スリーブ(図7参照)に印加する現像バイアス、転写ローラ16に印加する転写バイアスなどのいわゆる高圧電源系もこの電源部に含まれている。エンジン制御部42は電源部43を制御することで、高圧電源のON/OFFのみならず出力電圧値や出力電流値を調整している。
また電源部43には電源監視部44が含まれ、少なくともエンジン制御部42に供給される電源電圧、および電源部43の出力電圧をモニタできるようになっている。このモニタ信号はエンジン制御部42において検出され、電源スイッチのオフや停電などの際に発生する電源電圧の低下や、特に高圧電源の出力異常を検出している。
以上のように構成された画像形成装置1について、図6と図7を用いてその動作について説明する。
なお以降の説明において、画像形成装置1の構成および動作全般に関わる説明については主に図6を用い、現像ステーション2Y〜2K、感光体8Y〜8K、露光装置13Y〜13Kのように色を区別して説明するが、露光や現像過程など単色に関わる説明については主に図7を用い、簡単のために現像ステーション2、感光体8、露光装置13のように色を区別せずに説明する。
<初期化動作>
まず画像形成装置1に電源が投入された際の初期化動作について説明する。
電源が投入されるとエンジン制御部42に搭載されたエンジン制御CPU(図示せず)は画像形成装置1を構成する電気的リソース、即ち書込み/読出しが可能なレジスタ、メモリなどのエラーチェックを実行する。このエラーチェックが完了するとエンジン制御CPU(図示せず)は駆動源38の回転を開始する。上述したように駆動源38によって給紙ローラ18、レジストローラ19、ピンチローラ20、感光体8Y〜8K、および転写ローラ16を含む各現像ステーション2Y〜2Kの周辺部、定着器23、記録紙搬送ドラム33、蹴り出しローラ35が駆動される。ただし電源投入直後は記録紙3の搬送にかかわる給紙ローラ18およびレジストローラ19は、これらに駆動力を伝達する電磁クラッチ(図示せず)は直ちにOFFに設定され、記録紙3を搬送することがないように制御されている。
以降図7を中心に説明を続ける。
駆動源38(図6参照)の回転に伴って現像ステーション2の攪拌パドル7a、7bおよび現像スリーブ10も回転を始め、これによって現像ステーション2に充填されたトナーとキャリアからなる現像剤6は現像ステーション2内を周回するとともに、トナーとキャリアの相互の摩擦によってトナーはマイナス電荷を付与される。
エンジン制御CPU(図示せず)は駆動源38(図6参照)の回転を開始して所定時間経過後に、電源部43(図6参照)を制御して帯電器9をONにする。帯電器9によって感光体8の表面は例えば−700Vの電位に帯電される。感光体8は方向D3に回転しており、エンジン制御CPU(図示せず)は帯電領域が現像領域、即ち感光体8と現像スリーブ10の最近接位置に到達した後に、電源部43(図6参照)を制御して現像スリーブ10に例えば−400Vの現像バイアスを印加する。このとき感光体8の表面電位は−700Vであり、現像スリーブ10に印加された現像バイアスは−400Vであるから、電気力線は現像スリーブ10から感光体8の方向を向き、マイナス電荷を有するトナーに作用するクーロン力は感光体8から現像スリーブ10の方向となる。よってトナーは感光体8に付着することはない。
既に述べたように電源部43(図6参照)には高圧電源の出力異常(例えばリークなど)をモニタする機能があり、エンジン制御CPU(図示せず)は帯電器9や現像スリーブ10に高電圧を印加した際の異常をチェックすることができる。
これら一連の初期化動作の最後にエンジン制御CPU(図示せず)は、露光装置13の光量補正を実行する。エンジン制御部42(図6参照)に搭載されたエンジン制御CPU(図示せず)はコントローラ41(図6参照)に対して光量補正用のダミーイメージ情報の作成要求を出力する。この作成要求に基づきコントローラ41(図6参照)は光量補正用のダミーイメージ情報を生成し、これに基づいて露光装置13を構成する有機エレクトロルミネッセンス素子は初期化の時点で実際に点灯制御される。実施の形態2では、このときに上述した露光装置13に設けられた光検出素子120で有機エレクトロルミネッセンス素子110(いずれも、図9(a)等を参照)の光量を計測し、この光量の検出結果に基づいて個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110の光量が略等しくなるように光量の補正を行なっている。光量の計測は上述したように画像形成装置1の感光体8や現像ステーション2Y〜2Kなどの作像に係るユニットが駆動している状態で実行される。これは感光体8の回転を停止した状態で光量を計測すると感光体8の同一部分が継続的に露光され、いわゆる光暴露の状態となって感光体8の特性が局所的に劣化するためである。よって光量の計測は少なくとも感光体8を回転駆動させると共に、感光体8へのトナー付着を防止するために帯電器9で感光体8を帯電させた状態で行なう。
<画像形成動作>
次に画像形成装置1の画像形成時の動作について引き続き図6および図7を参照して説明する。
コントローラ41に外部からイメージ情報が転送されると、コントローラ41はイメージ情報を印字可能な例えば2値画像データとしてイメージメモリ(図示せず)に展開する。イメージ情報の展開が完了するとコントローラ41に搭載されたコントローラCPU(図示せず)はエンジン制御部42に対して起動要求を発する。この起動要求はエンジン制御部42に搭載されたエンジン制御CPU(図示せず)によって受信され、起動要求を受信したエンジン制御CPU(図示せず)は直ちに駆動源38を回転させて画像形成の準備を開始する。
この過程は電気的リソースに関するエラーチェックを除き、既に説明した<初期化動作>と同様であり、エンジン制御CPU(図示せず)はこの時点でも上述の光量を計測することが可能である。ただし後述するように光量の計測には10秒程度の時間を要することからファーストプリント時間(最初の一枚目を印字するのに要する時間)に影響を与える。従ってこの起動時の光量補正は、図示しない操作パネルあるいは画像形成装置1の外部(例えばコンピュータ)からの指示によってユーザが実行の有無を選択可能としている。
上述した過程を経て画像形成の準備が完了すると、エンジン制御部42に搭載されたエンジン制御CPU(図示せず)は、電磁クラッチ(図示せず)を制御して給紙ローラ18を回転させ記録紙3の搬送を開始する。給紙ローラ18は例えば全周の一部を欠いた半月ローラであって、記録紙3をレジストローラ19の方向に搬送するとともに、一回転するとその回転を停止する。エンジン制御CPU(図示せず)は搬送された記録紙3の先端が記録紙通過検出センサ21で検出すると、所定のディレイ期間を設けた上で電磁クラッチ(図示せず)を制御してレジストローラ19を回転させる。このレジストローラ19の回転に伴って記録紙3は記録紙搬送路5に供給される。
エンジン制御CPU(図示せず)は、このレジストローラ19の回転を開始のタイミングを起点として、各露光装置13Y〜13Kによる静電潜像の書込みタイミングをそれぞれ独立に制御する。静電潜像の書込みタイミングは画像形成装置1における色ずれなどに直接的に影響するため、この書込みタイミングはエンジン制御CPU(図示せず)が直接発生させることはない。具体的にはエンジン制御CPU(図示せず)は、図示しないハードウェアであるタイマなどに各露光装置13による静電潜像の書込みタイミングを予め設定しておき、上述したレジストローラ19の回転を起点として各露光装置13Y〜13Kに対応するタイマの動作を同時に開始する。各タイマは予め設定された時間が経過すると、コントローラ41に対して画像データ転送要求を出力する。
画像データ転送要求を受信したコントローラ41のコントローラCPU(図示せず)は、コントローラ41のタイミング生成部(図示せず)で生成されたタイミング信号(クロック信号、ライン同期信号など)に同期して2値画像データを各露光装置13Y〜13Kに独立して転送する。このようにして2値画像データが露光装置13Y〜13Kに送られ、この2値画像データに基づき露光装置13Y〜13Kを構成する有機エレクトロルミネッセンス素子の点灯/消灯が制御され各色に対応した感光体8Y〜8Kが露光される。
露光によって形成された潜像は、図7に示すように現像スリーブ10上に供給された現像剤6に含まれるトナーによって顕画化される。顕画化された各色のトナー像は記録紙搬送路5を搬送されてきた記録紙3に順次転写される。4色のトナー像の転写を完了した記録紙3は定着器23に搬送され、定着器23を構成する過熱ローラ24と加圧ローラ25によって挟持搬送され、この熱と圧力によってトナー像は記録紙3に定着される。
形成されるべき画像が複数ページの場合は、エンジン制御CPU(図示せず)は1ページ目の記録紙3の後端を記録紙通過検出センサ21で検出した後、レジストローラ19の回転を一旦停止し、所定の時間経過後に給紙ローラ18を回転させて次の記録紙3の搬送を開始し、更に所定時間経過後に再度レジストローラ19の回転を開始して、次のページの記録紙3を記録紙搬送路5に供給する。このようにレジストローラ19の回転ON/OFFのタイミング制御によって、複数のページにわたって画像を形成する場合に記録紙3の間の紙間を設定することができる。この紙間による時間(以降紙間時間と呼称する)は画像形成装置1の仕様によっても異なるが、一般に500ms程度を設定することが多い。もちろんこの紙間の期間には通常の画像形成動作(即ち露光装置13による感光体8に対する露光動作)が行われることはない。
本発明に係る画像形成装置1は、このように複数ページの画像形成を行なう際に、各ページ間に相当する期間(紙間時間)に露光装置13を構成する発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子)を発光させ、その光量を計測するようにしている。この際の光量は<初期化動作>で説明したように、通常の画像形成時よりも低く制御され、現像に寄与しない光量が設定される。
さて上述したように実施の形態2における紙間時間は500ms程度である。後に詳細に説明するが<初期化動作>の説明でも触れたように、実施の形態2では全ての有機エレクトロルミネッセンス素子に対して光量を計測するのに必要な時間は約10秒程度であり、一回の紙間時間の中で全ての有機エレクトロルミネッセンス素子の光量を計測することはできない。よって実施の形態2では各ページ間に相当する期間に有機エレクトロルミネッセンス素子の光量を計測するに際し、露光装置13を構成する有機エレクトロルミネッセンス素子のうち一部の有機エレクトロルミネッセンス素子の光量を計測するようにしている。
紙間時間は500msであり、光量の計測期間は10秒程度であることから、単純計算によれば、紙間が約20回発生すれば露光装置13を構成する全ての有機エレクトロルミネッセンス素子の光量を計測できることになる。もちろん一連の印刷ジョブにおけるページ数はそれ以下であることも多いが、このような場合は印刷ジョブが完了した後に(画像形成装置1が印字指令待ちの待機状態に移行する際に)光量を計測するようにしてもよい。
図8は本発明の実施の形態2の画像形成装置1における露光装置13の構成図である。
以降露光装置13の構造について図8を用いて詳細に説明する。図8において100は無色透明なガラス基板である。
ガラス基板100の面Aには発光素子として有機エレクトロルミネッセンス素子が図面と垂直な方向(主走査方向)に600dpi(dot/inch)の解像度で形成されている。
51はプラスティックまたはガラスで構成される棒レンズ(図示せず)を列状に配置したレンズアレイであり、ガラス基板100の面Aに形成された有機エレクトロルミネッセンス素子の出射光を正立等倍の像として感光体8の表面に導く。
52は例えばガラスエポキシ基板の上に電子回路を構成した中継基板である。53aはコネクタA、53bはコネクタBであり、中継基板52には少なくともコネクタA53aおよびコネクタB53bが実装されている。中継基板52は例えばフレキシブルフラットケーブルなどのケーブル56によって露光装置13に外部から供給される画像データや光量補正データ、およびその他の制御信号をコネクタB53bを介して一旦中継し、これらの信号をガラス基板100に渡す。
ガラス基板100の表面にコネクタを直接実装することは接合強度や多様な環境における信頼性を考慮すると困難であるため、実施の形態2では中継基板52のコネクタA53aとガラス基板100との接続手段としてFPC(Flexible Printed Circuit;フレキシブルプリント回路)を採用し(図示せず)、ガラス基板100とFPCの接合は例えばACF(Anisotropic Conductive Film;異方性導電フィルム)を用いて、予めガラス基板100上に形成された回路パターン例えばITO(Indium Tin Oxide;錫ドープ酸化インジウム)などの電極に形成された電極パッドに直接接続する構成としている。
一方コネクタB53bは、露光装置13を外部と接続するためのコネクタである。一般的にACFなどによる接続は接合強度が問題となる場合が多いが、このように中継基板52上にユーザが露光装置13を接続するためのコネクタB53bを設けることで、ユーザが直接アクセスするインタフェースに十分な強度を確保することができる。
54aは筐体Aであり金属板を例えば折り曲げ加工により成型したものである。筐体A54aの感光体8に対向する側にはL字状部位55が形成されており、L字状部位55に沿ってガラス基板100およびレンズアレイ51が配設されている。筐体A54aの感光体8側の端面とレンズアレイ51の端面を同一面に合わせ、更に筐体A54aによってガラス基板100の一端部を支持する構造とすることで、L字状部位55の成型精度を確保すれば、ガラス基板100とレンズアレイ51の成す位置関係を精度よく合わせ込むことが可能となる。このように筐体A54aは寸法精度を要求されるため、金属にて構成することが望ましい。また筐体A54aを金属製とすることで、ガラス基板100上に形成される制御回路およびガラス基板100上に表面実装されるICチップなどの電子部品へのノイズの影響を抑制することが可能である。
54bは樹脂を成型して得られる筐体Bである。筐体B54bのコネクタB53bの近傍には切欠き部(図示せず)が設けられており、ユーザはこの切欠き部からコネクタB53bにアクセスが可能となっている。コネクタB53bに接続されたケーブル56を介して既に説明したコントローラ41(図6参照)から露光装置13に画像データ、光量補正データ、クロック信号やライン同期信号などの制御信号、制御回路の駆動電源、発光素子である有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動電源などが供給される。
図9(a)は本発明の実施の形態2の画像形成装置1における露光装置13に係るガラス基板100の上面図であり、図9(b)は同要部拡大図である。
以降図9に図8を併用して実施の形態2におけるガラス基板100の構成について詳細に説明する。
図9においてガラス基板100は厚みが約0.7mmの、少なくとも長辺と短辺を有する長方形形状の基板であり、その長辺方向(主走査方向)には発光素子である複数の有機エレクトロルミネッセンス素子110が列状に形成されている。実施の形態2ではガラス基板100の長辺方向には少なくともA4サイズ(210mm)の露光に必要な有機エレクトロルミネッセンス素子110が配置され、ガラス基板100の長辺方向は後述する駆動制御部58の配置スペースを含め250mmとしている。また実施の形態2では簡単のためにガラス基板100を長方形として説明するが、ガラス基板100を筐体A54aに取り付ける際の位置決め用などのために、ガラス基板100の一部に切り欠きを設けるような変形を伴っていてもよい。
58はガラス基板100の外部から供給される2値画像データ、光量補正データおよびクロック信号やライン同期信号などの制御信号を受け取り、これらの信号に基づいて有機エレクトロルミネッセンス素子110の駆動を制御する駆動制御部であり、これらの信号をガラス基板100の外部から受け取るインタフェース手段とインタフェース手段を介して受け取った制御信号に基づき有機エレクトロルミネッセンス素子110の駆動を制御するICチップ(ソースドライバ61)を含んでいる。
60は中継基板52のコネクタA53aとガラス基板100とを接続するインタフェース手段としてのFPC(フレキシブルプリント回路)であり、コネクタなどを介さずガラス基板100に設けられた図示しない回路パターンに直接接続されている。既に説明したように露光装置13に外部から供給された、2値画像データ、光量補正データおよびクロック信号やライン同期信号などの制御信号、制御回路の駆動電源、発光素子である有機エレクトロルミネッセンス素子110の駆動電源は、図8に示す中継基板52を一旦経由した後にFPC60を介してガラス基板100に供給される。
110は有機エレクトロルミネッセンス素子であり、露光装置13における露光光源である。実施の形態2では有機エレクトロルミネッセンス素子110は主走査方向に600dpiの解像度で5120個が列状に形成されており、個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110はそれぞれ独立に後述のTFT回路によって点灯/消灯を制御される。
61は有機エレクトロルミネッセンス素子110の駆動を制御するICチップとして供給されるソースドライバであり、ガラス基板100上にフリップチップ実装されている。ガラス面へ表面実装を行なうことを考慮しソースドライバ61はベアチップ品を採用している。ソースドライバ61には露光装置13の外部からFPC60を介して電源、クロック信号、ライン同期信号などの制御関連信号および8bitの光量補正データが供給される。ソースドライバ61は有機エレクトロルミネッセンス素子110に対する駆動電流設定手段である。より具体的には、有機エレクトロルミネッセンス素子110の光量補正手段であり光量設定手段でもある、コントローラ41(図6参照)に搭載されたコントローラCPU(図示せず)によって生成された光量補正データに基づいて、ソースドライバ61は個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110を駆動するための駆動電流を設定する。光量補正データに基づくソースドライバ61の動作については後に詳細に説明する。
ガラス基板100においてFPC60の接合部とソースドライバ61は、例えば表面にメタルを形成したITOの回路パターン(図示せず)を介して接続されており、駆動電流設定手段たるソースドライバ61にはFPC60を介して光量補正データ、クロック信号、ライン同期信号などの制御信号が入力される。このようにインタフェース手段としてのFPC60および駆動パラメータ設定手段としてのソースドライバ61は駆動制御部58を構成している。
62はガラス基板100上に形成されたTFT(Thin Film Transistor)回路である。TFT回路62はシフトレジスタ、データラッチ部など、有機エレクトロルミネッセンス素子110の点灯/消灯のタイミングを制御するゲートコントローラ(図示せず)、および個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110に駆動電流を供給する駆動回路160を含んでいる(図1参照)。なお、この駆動回路160はピクセル回路69(図13参照。後述する)に含まれている。ピクセル回路は各有機エレクトロルミネッセンス素子110に対して1つずつ設けられ、有機エレクトロルミネッセンス素子110が形成する発光素子列と並列に設けられている。駆動パラメータ設定手段であるソースドライバ61によって、個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110を駆動するための駆動電流値がこのピクセル回路に設定される。
TFT回路62を構成するゲートコントローラ(図示せず)には露光装置13の外部からFPC60を介して電源、クロック信号、ライン同期信号などの制御信号および2値画像データが供給され、ゲートコントローラ(図示せず)はこれらの電源および信号に基づいて個々の発光素子の点灯/消灯タイミングを制御する。ゲートコントローラおよびピクセル回路(ともに図示せず)の動作については後に図面を用いて詳細に説明する。
62aもまた、ガラス基板100に形成されたTFT(Thin Film Transistor)回路である。TFT回路62aは、実施の形態1で詳細に説明した選択トランジスタ130(図1参照)の集合を含んでいる。
64は封止ガラスである。有機エレクトロルミネッセンス素子110は水分の影響を受けると発光領域の経時的な収縮(シュリンキング)や、発光領域内に非発光部位(ダークスポット)が生じるなどして発光特性が極端に劣化するため、水分を遮断するための封止が必要である。実施の形態2ではガラス基板100に接着剤を介して封止ガラス64を貼り付けるベタ封止法を採用しているが、封止領域は一般に有機エレクトロルミネッセンス素子110が構成する発光素子列から副走査方向に2000μm程度が必要とされており、実施の形態2でも封止しろとして2000μmを確保している。
図9に示すように、封止ガラス64は接着剤63によってガラス基板100に接着されている。封止ガラス64は選択トランジスタ130の集合を含むTFT回路62aを完全に被覆し、有機エレクトロルミネッセンス素子110の駆動回路の集合を含むTFT回路62の一部を被覆する。もちろん封止ガラス64によってTFT回路62の全てを被覆するようにしても構わない。接着剤63および封止ガラス64によってTFT回路62aを完全に被覆することで、露光装置の量産工程において、ガラス基板100をマザーガラスから切り出す(ダイシング)際に、TFT回路62aにクラック等が入ることが防止され、歩留まりの向上を図ることができる。なお封止およびダイシングについては後述する。
ガラス基板100には実施の形態1で詳細に説明した光検出素子120が、ガラス基板100の長辺に沿って主走査方向に配置されている。59は少なくともチャージアンプ150およびADコンバータ240(共に図3参照)を含む処理回路部である。この光検出素子120によって個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110の光量が計測される。計測に際しては原則的には有機エレクトロルミネッセンス素子110を一つ一つ個別に点灯して光量を計測する必要があるが、計測の対象となる有機エレクトロルミネッセンス素子110から離間した光検出素子120には、その発光の影響が殆どないことから、実施の形態2では光検出素子120を個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110に対応して設け、有機エレクトロルミネッセンス素子110の光量を同時に計測することを可能としている。
複数の光検出素子120の出力は図示しない配線によって処理回路部59に入力される。処理回路部59はアナログ/ディジタル混載のICチップである。光検出素子120の出力は、処理回路部59において電荷蓄積法による電圧変換を施され、更に所定の増幅率で増幅された後にアナログ−ディジタル変換され、このディジタル変換後のディジタルデータ(以降、光量計測データと呼称する)が、FPC60、中継基板52、ケーブル56(ともに図8参照)を介して露光装置13の外部に出力される。後に詳細に説明するように光量計測データはコントローラ41(図6参照)に搭載されたコントローラCPU(図示せず)にて受信、処理されて8bitの光量補正データが生成される。
図10は本発明の実施の形態2の画像形成装置1におけるコントローラ41の構成を示すブロック構成図である。
以降図10を用いてコントローラ41の動作を説明するとともに、光量補正について更に詳細に説明する。
図10において80はコンピュータである。コンピュータ80はネットワーク81に接続され、ネットワーク81を経由してコントローラ41にイメージ情報や印字枚数や印字モード(例えばカラー/モノクロ)などのプリントジョブ情報を転送する。82はネットワークインタフェースである。コントローラ41はネットワークインタフェース82を介してコンピュータ80から転送されたイメージ情報やプリントジョブ情報を受信し、イメージ情報を印字可能な2値画像データに展開するとともに、逆に画像形成装置側で検出されたエラー情報などをいわゆるステータス情報としてネットワーク81経由でコンピュータ80に送信する。
83はコントローラCPUであり、ROM84に格納されたプログラムに基づきコントローラ41の動作を制御する。85はRAMでありコントローラCPU83のワークエリアとして使用されるとともに、ネットワークインタフェース82を介して受信したイメージ情報やプリントジョブ情報などが一時的に記憶される。
86は画像処理部である。画像処理部86ではコンピュータ80から転送されたイメージ情報とプリントジョブ情報に基づき、ページ単位に画像処理(例えばプリンタ言語に基づくイメージ展開処理、色補正、エッジ補正、スクリーン生成など)を行って印字可能な2値画像データを生成し、これをページ単位にイメージメモリ65に格納する。
66は例えばEEPROMなど書き換え可能な不揮発性メモリによって構成された光量補正データメモリである。
図11は本発明の実施の形態2の画像形成装置1における光量補正データメモリの内容を示す説明図である。
以降図11を用いて光量補正データメモリにおけるデータ構造およびデータの内容について説明する。
図11に示すように光量補正データメモリ66は第1エリアから第3エリアの三つの領域を有している。それぞれの領域は露光装置13(図8参照)を構成する有機エレクトロルミネッセンス素子110(図9参照)の個数と等しい5120個の8bitのデータを含み、合計15360バイトを占有している。
まず第1エリアに格納されているデータDD[0]〜DD[5119]について図11に図8と図9を併用して説明する。
既に説明した露光装置13(図8参照)は、その製造工程において露光装置13を構成する個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110(図9参照)の光量を調整する工程を含んでいる。この工程において露光装置13は所定の治具(図示せず)に取り付けられ、露光装置13の外部から供給される制御信号に基づいて、有機エレクトロルミネッセンス素子110が個別に点灯制御される。
更に治具(図示せず)に設けられたCCDカメラによって、感光体8(図8参照)の像面位置における個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110の二次元の光量分布が計測される。治具(図示せず)はこの光量分布に基づき感光体8上に形成される潜像の電位分布を計算し、更に実際の現像条件(現像バイアス値)に基づいてトナー付着量との相関が高い潜像断面積を計算する。治具(図示せず)では有機エレクトロルミネッセンス素子110を駆動するための駆動電流値を変化させ{既に説明したようにソースドライバ61(図9参照)を介してTFT回路62(図9参照)を構成するピクセル回路にアナログ値をプログラムすることで有機エレクトロルミネッセンス素子110を駆動する電流値を設定することができる。}個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110によって形成される潜像断面積のどれもが略等しくなるような駆動電流値、即ちピクセル回路への設定値(制御する観点からはソースドライバ61への設定データ)を抽出する。
さて有機エレクトロルミネッセンス素子110の発光面積および発光面内における発光光量分布が等しく、かつ通常の現像条件を想定した場合、上述の潜像断面積は光量とほぼ比例する。更に「露光時間を一定としたときの発光光量」と「露光量」は同義であり、また一般的に有機エレクトロルミネッセンス素子110の発光光量と駆動電流値(即ちピクセル回路への設定値)は比例するから、全てのピクセル回路への駆動電流設定を同一とした上で個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110の発光光量を一度計測することで、各有機エレクトロルミネッセンス素子110による潜像断面積を一定にするピクセル回路への設定値(前述のごとくソースドライバ61への設定データ)を計算によって求めることも可能である。
光量補正データメモリ66の第1エリアには、このようにして求めたソースドライバ61への設定データが格納されている。その個数は前述のごとく露光装置13を構成する有機エレクトロルミネッセンス素子110の個数と等しい(即ちピクセル回路の個数とも等しい)5120個である。このように光量補正データメモリ66の第1エリアには「初期状態において個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110によって形成される潜像断面積を等しくするためのソースドライバ61の設定値」が格納されている。
次に第2エリアに格納されているデータID[0]〜ID[5119]について図11に図8と図9を併用して説明する。
治具は第1エリアに格納されるデータを取得するのと同時に、露光装置13の処理回路部59(図9参照)を介して光検出素子120(図9参照)の出力に基づく8bitの光量計測データを取得する。これによって「初期状態において個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110によって形成される潜像断面積を等しくした際の光量計測データ」を取得できる。第2エリアにはこの8bitの光量計測データID[n]が格納されている。
さて治具によってID[n]を取得する際の有機エレクトロルミネッセンス素子110の駆動条件は、光量計測時と同等にしておく必要があり、実施の形態2では後述するように画像形成装置1の1ライン期間(ラスタ期間)である350μsを複数回適用して総計約30msの点灯期間を付与している。
このようにして露光装置13の製造工程において第1エリアおよび第2エリアに格納されるデータが取得され、これらのデータは図示しない電気的な通信手段によって治具から光量補正データメモリ66に書き込まれる。
次に第3エリアに格納されているデータND[0]〜ND[5119]について図11に図8と図9および図10を併用して説明する。
本発明の実施の形態2に係る画像形成装置1は、光量計測手段としての光検出素子120による計測結果に基づき、有機エレクトロルミネッセンス素子110の各々の光量を略等しく補正する光量補正手段{コントローラCPU83(図10参照)}を有し、この光量補正手段の出力に基づいて、光量設定手段(同じくコントローラCPU83)は画像形成を行なう際の各有機エレクトロルミネッセンス素子110の光量を設定する。第3エリアには光量補正手段たるコントローラCPU83によって画像形成を行なう際の各有機エレクトロルミネッセンス素子110の光量の設定値、即ち光量補正データが書き込まれる。
実施の形態2の画像形成装置1では、画像形成装置1の初期化動作、画像形成動作の起動時、紙間、画像形成動作の完了時などにおいて、露光装置13を構成する有機エレクトロルミネッセンス素子110の光量を計測することは既に述べたとおりである。コントローラCPU83はこれらの時点で計測された光量計測データと、露光装置13の製造工程において第1エリアに格納された「初期状態において個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110によって形成される潜像断面積を等しくするためのソースドライバ61の設定値」と、同じく露光装置13の製造工程において第2エリアに格納された「初期状態において個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110によって形成される潜像断面積を等しくした際の光量計測データ」とに基づいて光量補正データを生成する。
以降コントローラCPU83による光量補正データの計算内容について説明するが、本発明のポイントを明確にするため、まず光量計測時の光量を画像形成時と等しくしたと想定して説明する。
第1エリアに格納された「初期状態において個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110によって形成される潜像断面積を等しくするためのソースドライバ61の設定値」をDD[n](nは主走査方向における個々の有機エレクトロルミネッセンス素子番号、以下同じ)、第2エリアに格納された「初期状態において個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110によって形成される潜像断面積を等しくした際の光量計測データ」をID[n]、初期化動作などにおいて新たに計測された光量計測データをPD[n]とするとき、第3のエリアに書き込まれる新たな光量補正データND[n]は(数1)に基づきコントローラCPU83によって生成される。
(数1)
ND[n]=DD[n]×ID[n]/PD[n]
(ただしnは主走査方向における個々の有機エレクトロルミネッセンス素子番号)
さて(数1)に示す計算式は光量補正データ算出にあたっての原則的な計算式であり、上述のごとく画像形成時と光量計測時の光量が等しい場合に適用されるべきものである。実施の形態2では光量補正に係る光量計測の際の有機エレクトロルミネッセンス素子110の光量を画像形成の際の光量よりも小さく設定する。これを実現するためには光量の計測をする際は、露光装置13に送出する光量補正データとしてDD[n]に1より小さい定数kを乗じ、これに基づいて有機エレクトロルミネッセンス素子110を点灯させればよい。例えばkを0.5し、これを乗じた光量補正データDD[n]を前述したようにソースドライバ61(図9参照)を介して図示しないピクセル回路にプログラムすることで、有機エレクトロルミネッセンス素子110を、画像形成時と比較して0.5倍の光量(単位はcd/m)で発光させることができる。そしてこのときの新たな光量補正データND[n]は(数2)に基づいて生成すればよい。
(数2)
ND[n]=DD[n]×(ID[n]/k)/PD[n]
(ただしnは主走査方向における個々の有機エレクトロルミネッセンス素子番号、kは1より小さい定数)
このようにして生成された光量補正データND[n]は一旦光量補正データメモリ66(図10参照)のエリア3に書き込まれる。以降画像形成に先立って光量補正データND[n]は光量補正データメモリ66からイメージメモリ65(図10参照)の所定の領域にコピーされる。画像を形成するにあたってイメージメモリ65にコピーされた光量補正データND[n]は、2値画像データとともに後述するバッファメモリ88(図10参照)に一時的に蓄積され、プリンタインタフェース87(図10参照)を介してエンジン制御部42(図10参照)に出力される。
光量計測データは前述した処理回路部59(図9参照)において電荷蓄積法による電圧変換を施される。電荷蓄積法はSN比を向上させるために有効であるが、光検出素子120(図9参照)の出力(電流値)は微小であるため、電荷蓄積にはある程度の蓄積時間を必要とする。実施の形態2では蓄積時間を30ms程度とすることで光量計測におけるSN比=48dBを確保している。しかし蓄積時間を30msとすると光量の計測には長時間を要する。5120個の有機エレクトロルミネッセンス素子110(図9参照)に対して一つずつ光量を計測すると5120×30ms=154秒となってしまい、実用に耐えられるものではない。よって実施の形態2では光検出素子120をガラス基板100上に集積化して形成した多結晶シリコンセンサとし、これを16群に分け群単位で同時に電荷蓄積を行ない、電荷蓄積後の光検出素子120の端子電圧を計測することで、隣接する光検出素子120間のクロストークを抑えた上で処理の高速化を実現している。これによって光量の計測は154/16=9.6秒で行なうことが可能となった。
以降図10に戻って説明を続ける。
88はバッファメモリであり、イメージメモリ65に格納された2値画像データおよび前述の光量補正データは、エンジン制御部42への転送にあたって一旦バッファメモリ88に蓄積される。バッファメモリ88はイメージメモリ65からバッファメモリ88への転送速度と、バッファメモリ88からエンジン制御部42へのデータ転送速度の差を吸収するため、いわゆるデュアルポートRAMによって構成されている。
87はプリンタインタフェースである。イメージメモリ65に格納されたページ単位の2値画像データおよび光量補正データは、タイミング生成部67が生成するクロック信号やライン同期信号と同期してプリンタインタフェース87を介してエンジン制御部42に転送される。
図12は本発明の実施の形態2の画像形成装置1におけるエンジン制御部42の構成を示すブロック構成図である。
以降図12に図6を併用してエンジン制御部42の動作を詳細に説明する。
図12において90はコントローラインタフェースである。コントローラインタフェース90は、コントローラ41から転送される光量補正データ、ページ単位の2値画像データなどを受信する。
91はエンジン制御CPUであり、ROM92に格納されたプログラムに基づき画像形成装置1における画像形成動作を制御している。93はRAMでありエンジン制御CPU91が動作する際のワークエリアとして使用される。94はEEPROMなどのいわゆる書き換え可能な不揮発性メモリである。不揮発性メモリ94には例えば画像形成装置1の感光体8の回転時間、定着器23(図6参照)の動作時間など、構成要素の寿命に関する情報が格納されている。
95はシリアルインタフェースである。記録紙通過検出センサ21(図6参照)や記録紙後端検出センサ28(図6参照)などのセンサ群からの情報や電源監視部44(図6参照)の出力は、図示しないシリアル変換手段によって所定の周期のシリアル信号に変換され、シリアルインタフェース95で受信される。シリアルインタフェース95で受信されたシリアル信号はパラレル信号に変換された後にバス99を介してエンジン制御CPU91に読取られる。
一方給紙ローラ18や駆動源38(ともに図6参照)の起動・停止、給紙ローラ18(図6参照)に対する駆動力伝達を制御する電磁クラッチ(図示せず)などのアクチュエータ群96に対する制御信号や、現像バイアス、転写バイアス、帯電電位などの電位設定を管理する高圧電源制御部97に対する制御信号などは、パラレル信号としてシリアルインタフェース95に送られる。シリアルインタフェース95ではパラレル信号をシリアル信号に変換してアクチュエータ群96、高圧電源制御部97に出力する。このように実施の形態2では高速に検出する必要のないセンサ入力やアクチュエータ制御信号の出力は全てシリアルインタフェース95を介して行っている。一方ある程度の高速性が要求される例えばレジストローラ19を駆動/停止させるための制御信号はエンジン制御CPU91の出力端子に直接接続されている。
98はシリアルインタフェース95に接続された操作パネルである。ユーザが操作パネル98に対して行なった指示はシリアルインタフェース95を介してエンジン制御CPU91によって認識される。実施の形態2ではユーザの指示を入力する指示入力手段としての操作パネル98を有し、この操作パネル98への入力に基づいて、露光装置13を構成する有機エレクトロルミネッセンス素子110の光量を計測し、光量を補正するようにしている。この指示は外部のコンピュータなどからコントローラ41を経由して与えることももちろん可能である。具体的な使用態様としては、例えば大量の印字を行なった際にユーザが印字面に濃度ムラを発見したような場合に、ユーザが光量の補正を強制的に行なって画質確保を図るような場合が想定される。画像形成装置1が待機中であればユーザはいつでも強制的な光量補正の実行を指示することが可能であるし、画像形成時であっても画像形成装置1をオフラインに遷移させ画像形成を一時的に保留することで、ユーザは光量補正の実行を指示することができる。
いずれにしても指示手段としての操作パネル98などから光量の補正要求が入力されると、エンジン制御CPU91は<初期化動作>で説明したように、画像形成装置1の構成要素の駆動を開始し、コントローラ41に対して光量補正用のダミーイメージ情報の作成要求を出力する。この要求に基づきコントローラ41に搭載されたコントローラCPU83は光量補正用のダミーイメージ情報を生成し、これに基づいて露光装置13を構成する有機エレクトロルミネッセンス素子110は点灯制御される。このときに上述した露光装置13に設けられた光検出素子120で、個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110の光量を検出し、この光量の検出結果に基づいて個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110の光量が略等しくなるように光量の補正を行なう。
次に有機エレクトロルミネッセンス素子110の光量を計測する際の動作について、図12に図6、図10および図11を併用して詳細に説明する。
既に述べたように光量の補正は画像形成装置1の起動直後の初期化動作、印字開始前、紙間、印字開始後、操作パネル98などによるユーザ指定時のタイミングで行なわれるが、簡単のために画像形成装置1の初期化動作時点で光量の計測を実行する場合について説明する。また実施の形態2の画像形成装置1はフルカラー画像を形成可能に構成されたものであり、既に説明したように4色に対応した露光装置13Y〜13K(図6参照)を有しているが、これも簡単のために1色に対する動作のみを説明し、露光装置13のように記載する。また以下に示す状況において例えば駆動源38(図6参照)や現像ステーション2(図7参照)などは、<初期化動作>にて既に詳細を示したように既に起動されているものとする。
画像形成装置1において画像形成動作を管理しているのはエンジン制御部42であるため、光量の補正シーケンスはエンジン制御部42のエンジン制御CPU91によって起動される。まずエンジン制御CPU91はコントローラ41に対して、画像形成に係る正規の2値画像データとは異なるダミーイメージ情報の作成要求を出力する。
エンジン制御部42とコントローラ41は双方向のシリアルインタフェース(図示せず)で接続されており、リクエストコマンド(要求)およびこれに対するアクノリッジ(応答情報)を相互にやり取りすることができる。エンジン制御CPU91が発するダミーイメージ情報の作成要求は、この双方向のシリアルインタフェース(図示せず)を用いてバス99を経由しコントローラインタフェース90からコントローラ41に出力される。
この要求に基づいてコントローラ41に搭載されたコントローラCPU83はダミーイメージ情報、即ち光量の計測に用いる2値画像データをイメージメモリ65に直接的に作成する。更にコントローラCPU83は光量補正データメモリ66の第1エリア(図6参照)に格納された「初期状態において個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110によって形成される潜像断面積を等しくするためのソースドライバ61の設定値」DD[n](n:0〜5119)を読出し、これに1より小さい定数k(例えば0.5)を乗じて、有機エレクトロルミネッセンス素子110の光量を通常の画像形成時よりも低く設定する。そしてこの値をイメージメモリ65の所定領域に書き込む。これらの処理を完了するとコントローラCPU83はプリンタインタフェース87を介して応答情報をエンジン制御部42に出力する。
さて上述の応答情報を受信したエンジン制御部42のエンジン制御CPU91は、直ちに露光装置13に対して書込みタイミングを設定する。即ちエンジン制御CPU91は図示しないハードウェアであるタイマなどに露光装置13による静電潜像の書込みタイミングを設定し、応答情報を受信したら直ちにタイマの動作を開始する(この機能はもともと複数の露光装置13の色毎の起動タイミングを定めるためのものである。光量の計測においてはこのような厳密なタイミング設定は不要であり、例えばタイマに0を設定してもよい)。各タイマは予め設定された時間が経過すると、コントローラ41に対して画像データ転送要求を出力する。画像データ転送要求を受信したコントローラ41はコントローラインタフェース90を介してタイミング生成部67で生成されたタイミング信号(クロック信号、ライン同期信号など)に同期して2値画像データを露光装置13に転送する。これと同時に既にイメージメモリ65に書き込まれた「通常の画像形成時よりも低く設定された光量の設定値」も上述のタイミング信号に同期して露光装置13に転送される。なお光量計測時ではなく通常の画像形成時は、「通常の画像形成時よりも低く設定された光量の設定値」の代わりに光量補正データ(既に説明したND[n])が同じ転送経路によって露光装置13に供給されることになる。
このようにタイミング信号に同期して転送された2値画像データは露光装置13のTFT回路62に入力され、同時に光量の設定値は露光装置13のソースドライバ61に入力される。露光装置13では入力された2値画像データ、即ちON/OFF情報に基づいて該当する有機エレクトロルミネッセンス素子110の点灯と消灯が制御される。そしてこのときの有機エレクトロルミネッセンス素子110の光量は、光量の設定値に基づくものとなり通常の画像形成時に対する光量より低い光量で発光する。そしてこのときの個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110の光量は光検出素子120で計測される。
計測に際しては、有機エレクトロルミネッセンス素子110の点灯がクロストークを防止するように制御され、その光量が光検出素子120によって計測される。光検出素子120の出力(アナログ電流値)は処理回路部59において電荷蓄積法によって電圧に変換され、所定の増幅率で増幅された後、アナログ−ディジタル変換を施されて8bitの光量計測データ(ディジタルデータ)として処理回路部59から出力される。
処理回路部59から出力された光量計測データはコントローラインタフェース90を経由してエンジン制御部42からコントローラ41に転送され、コントローラ41のコントローラCPU83によって受信される。コントローラCPU83では、図10、図11を用いて説明したように、これを(数2)のPD[n]として光量補正データND[n]を生成する。
図13は本発明の実施の形態2の画像形成装置1における露光装置13の回路図である。
以降図13を用いてTFT回路62およびソースドライバ61による点灯制御についてより詳細に説明する。
TFT回路62はピクセル回路69とゲートコントローラ68とに大別されている。ピクセル回路69は個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110に対して一つずつ設けられており、有機エレクトロルミネッセンス素子110のM画素分を一つのグループとしてガラス基板100上にNグループ設けられている。
実施の形態2においては一つのグループを8画素(即ちM=8)とし、このグループを640個としている。従って全画素数は8×640=5120画素となる。各ピクセル回路69は有機エレクトロルミネッセンス素子110に電流を供給して駆動するドライバ部70と、有機エレクトロルミネッセンス素子110を点灯制御するにあたってドライバが供給する電流値(即ち有機エレクトロルミネッセンス素子110の駆動電流値)を内部に含むコンデンサに記憶させる、いわゆる電流プログラム部71を有しており、予め所定のタイミングでプログラムされた駆動電流値に従って有機エレクトロルミネッセンス素子110を定電流駆動することができる。
ゲートコントローラ68は入力された2値画像データを順次シフトするシフトレジスタと、シフトレジスタと並列に設けられシフトレジスタに所定の画素数の入力が完了した後にこれらを一括して保持するラッチ部と、これらの動作タイミングを制御する制御部からなる(共に図示せず)。ゲートコントローラ68はコントローラ41から2値画像データ(画像形成時はコントローラ41によって変換されたイメージ情報、光量計測時はコントローラ41によって変換されたダミーイメージ情報)を渡され、この2値画像データ即ちON/OFF情報に基づいてSCAN_AおよびSCAN_B信号を出力し、これによってピクセル回路69に接続された有機エレクトロルミネッセンス素子110の点灯/消灯を行なう期間および、駆動電流を設定する電流プログラム期間のタイミングを制御する。
一方ソースドライバ61は内部に有機エレクトロルミネッセンス素子110のグループ数Nに相当する数(実施の形態2では640個)のD/Aコンバータ72を有している。ソースドライバ61はFPC60を介して供給された8bitの光量補正データ(画像形成時は図11に示すND[n]、光量計測時は図11に示すDD[n]に1より小さい定数kを乗じた値)に基づいて、個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110に対する駆動電流を設定する。この構成によって画像形成時においては既に述べた光量補正データND[n]によって個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110の光量が均一に制御され、光量計測時においては通常の画像形成時の光量よりも低い光量で有機エレクトロルミネッセンス素子110の光量が制御される。
図14は本発明の実施の形態2の画像形成装置1における露光装置13に係る電流プログラム期間と有機エレクトロルミネッセンス素子110の点灯期間を示す説明図である。
以降図14に図13を併用して実施の形態2の点灯制御について更に詳細に説明する。以降説明を簡単にするために8画素から成る一つの画素グループ(例えば図14の「主走査方向における画素番号」=1〜8)について説明を行なう。
実施の形態2では露光装置13の1ライン期間(ラスタ期間)は350μsに設定されており、この1ライン期間のうち1/8(43.75μs)を電流プログラム部71に形成されたコンデンサに対し駆動電流値を設定するプログラム期間として当てている。
まずゲートコントローラ68(図13参照)は画素番号=1の画素に対してSCAN_A信号をONに、SCAN_B信号をOFFにしてプログラム期間を設定する。プログラム期間にソースドライバ61(図13参照)に内蔵されたD/Aコンバータ72には8bitの光量補正データが供給されており、この供給された光量補正データをD/A変換したアナログレベル信号によって電流プログラム部71(図13参照)のコンデンサが充電される。このプログラム期間はゲートコントローラ68に入力される2値画像データのON/OFFに係らず実行される。これによって電流プログラム部71に形成されたコンデンサには、8bitの光量補正データ(画像形成時は図11に示すND[n]、光量計測時は図11に示すDD[n]に1より小さい定数kを乗じた値)に基づくアナログ値が1ライン期間の都度、毎回書き込まれる。即ち電流プログラム部71に形成されたコンデンサの蓄積電荷は常にリフレッシュされ、これに基づき決定される有機エレクトロルミネッセンス素子110の駆動電流は常に一定に保たれるのである。
プログラム期間が完了するとゲートコントローラ68(図13参照)は直ちにSCAN_A信号をOFFに、SCAN_B信号をONに切り替えて点灯期間を設定する。既に説明したようにゲートコントローラ68(図13参照)には画像形成時、光量計測時に応じて2値画像データが供給されており、点灯期間であっても画像データがOFFの場合、有機エレクトロルミネッセンス素子110は点灯しない。一方画像データがONの場合、有機エレクトロルミネッセンス素子110は残りの306.25μs(350μs−43.75μs)の期間、点灯を継続する(実際は制御信号の切り替わり時間が存在するため発光時間は若干短くなる)。既に述べたように実施の形態2では有機エレクトロルミネッセンス素子110の光量を計測する際は30msの計測期間を想定しているため、光量計測時の点灯回数は例えば100回(即ち100ライン)となるように、コントローラ41でダミーイメージ情報が生成されることとなる。
一方、図14に示す画素番号=1のピクセル回路69(図13参照)に対するプログラム期間が終了すると、ゲートコントローラ68(図13参照)は直ちに画素番号=8のピクセル回路69(図13参照)に対する電流プログラム期間を設定する。以降、画素番号1のピクセル回路に対する手順と同様に、画素番号8のピクセル回路に対するプログラム期間が完了すると直ちに当該画素番号の有機エレクトロルミネッセンス素子110(図13参照)の点灯期間に移行する。
このようにしてゲートコントローラ68(図13参照)は主走査方向における画素番号=「1→8→2→7→3→6→4→5→1....」の順にプログラム期間と点灯期間を設定していく。このような点灯順序とすることで、隣接する画素グループ間において最も近い画素の点灯タイミングが時間的に近接するため、1ライン形成時の画像段差を目立たなくすることができる。
さて実施の形態2においては露光装置13を構成する有機エレクトロルミネッセンス素子110の点灯時間を一定とし、電流値を変化させることで、有機エレクトロルミネッセンス素子110の光量を制御する構成を前提として説明してきたが、本発明は有機エレクトロルミネッセンス素子110などの発光素子の駆動電流値を固定的に設定し、点灯時間を変化させて発光素子の光量を制御する、いわゆるPWM方式においても容易に適用できる。この場合は図11を用いて説明した第1エリアの内容を「潜像断面積を等しくするための駆動時間の設定値」と置き換えればよい。
また露光装置によっては有機エレクトロルミネッセンス素子などによって構成された発光素子列を複数列有し、感光体の回転方向に対して略同じ位置に複数回の露光を行なうことで、潜像を形成するものも知られている。このような露光装置であっても複数回の露光によって形成される潜像が現像に寄与しないように光量やPWM時間を設定することで、本発明の技術的思想を適用することが可能となる。このような露光装置では単一の発光素子列では現像に寄与する潜像は形成されないから、例えば紙間において列単位で光量を計測するようなシーケンスが考えられる。
また実施の形態2では露光装置13のガラス基板100に配置した光検出素子120を用いて有機エレクトロルミネッセンス素子110の光量を計測しているが、本発明の技術的思想はこれに限定されるものではない。TFT回路62を構成可能な例えば低温ポリシリコンの光透過率は比較的高いため、実施の形態2で説明したガラス基板100側から露光光を取り出すいわゆるボトムエミッション構成であっても、個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110の内部に各有機エレクトロルミネッセンス素子110に対応する光検出素子120を埋設することができる。この場合の光検出素子120は例えば個々の有機エレクトロルミネッセンス素子110の発光面の直下全面に形成してもよいし、その一部に対応して形成してもよい。
また、露光装置13のガラス基板100の端面に、例えばアモルファスシリコンから構成された複数のセンサ部をフィルム状に配列したセンサユニット(図示せず)を貼り付け、このセンサユニットによってガラス基板100内部を伝播する反射光を計測するようにしてもよい。このような構成においても、本発明の技術思想をそのまま適用することが可能である。
以上述べてきたように、実施の形態2では電子写真法を応用した画像形成装置について説明したが、本発明は電子写真法に限られるものではない。有機エレクトロルミネッセンス素子によってRGB光源は容易に実現できるため、例えば露光光源としてR光源、G光源、B光源をそれぞれ有する複数の露光装置を配置し、RGB各色の画像データに基づいて印画紙を直接的に露光する画像形成装置に対しても容易に応用が可能であることは言うまでもない。
(実施の形態3)
図15(a)、(b)は本発明の実施の形態3に係る露光装置における素子配列の例を説明する説明図である。
以降、本発明の実施の形態3として、素子配列の変形例について説明する。
前記実施の形態1では図15(a)に模式図を示すように、選択トランジスタ130と容量素子140と光検出素子120とは、発光素子列とはほぼ直交する方向に直線上に並ぶように配列した(図1参照)が、図15(b)に模式図を示すように、容量素子140が、選択トランジスタ130および光検出素子120からずれて、千鳥状をなすように配列されていてもよい。ここで110は有機エレクトロルミネッセンス素子を示す。
なお、前記実施の形態では、TFTからなる光検出素子120を用いた例について説明したが、光検出素子120としてはTFTに限定されることなく、アモルファスシリコンや多結晶シリコンなどを一対の電極で挟んだいわゆるサンドイッチ構造のイメージセンサなど、他の構造の光検出素子にもて起用可能である。
(実施の形態4)
図16(a)、(b)、(c)は本発明の実施の形態4に係る露光装置における素子配列の例を説明する説明図である。
これまで説明した実施の形態では、図16(a)に構成を模式的に示すように、光検出素子120は有機エレクトロルミネッセンス素子110に対して1対1に対応するように形成しており、個々の素子のデータを的確に把握することができるという特徴を有するが、これに代えて、2対1対応のものあるいはn対1対応のものも有効である。
変形例として、図16(b)に構成を模式的に示すように、光検出素子120は有機エレクトロルミネッセンス素子110に対して2対1に対応するように形成してもよい。この構成によれば、2つの光出射領域に対して、1つの光検出素子を対応させて配置することで、光検出回路数を半分にすることができる。ただ、この場合は光検出素子と有機エレクトロルミネッセンス素子との切り替えの同期に十分に注意を払う必要がある。
さらにまた他の変形例として、図16(c)に構成を模式的に示すように、光検出素子120は有機エレクトロルミネッセンス素子110に対してn対1(nは3個以上)対応するように形成してもよい。この構成では、n個の光出射領域に対して、1つの光検出素子を対応させて配置することで、光検出回路数を大幅に少なくすることができる。ただ、この場合は光検出素子に不良が生じた場合、n個分の有機エレクトロルミネッセンス素子の光量補正が不適切なものとなり、光量のばらつきが拡大されることに十分に注意を払う必要がある。
なお、以上の実施の形態において、光検出素子120は露光装置において発光素子が出射する光を検出するものとして説明したが、本発明に係る技術思想は、例えばスキャナなどに用いられるイメージセンサにも適用することができる。即ち、複数の光検出素子からなる光検出素子列と、光検出素子の各々に並列接続された容量素子と、この容量素子に接続され容量素子に蓄積された電荷の読み出しを制御するスイッチング用の選択トランジスタとを備え、選択トランジスタと光検出素子を、容量素子を挟んで離間して配置する構成とすればよい。イメージセンサとしての実施態様においても、容量素子分だけ光検出素子と選択トランジスタが離間することになり、また容量素子は電極を2層以上、層間絶縁膜を介して向かい合うように形成してなるものであるため、遮光性が高く、確実に迷光を防止可能であることから、誤動作を防ぐことが可能である。
(実施の形態5)
図17は本発明の実施の形態5に係る露光装置の要部断面図である。
なお図17は図9におけるF−F断面を示している。
以降図17に図9を併用して封止ガラス64によって封止される部分の構成について詳細に説明する。
なお、以降の説明において、露光装置を構成するガラス基板100上に、露光に必要な様々な機能要素を形成したものを、便宜的に「光ヘッド本体部」と呼称する。
この光ヘッド本体部は、図9および図17に示すように、ガラス基板100と、このガラス基板100上に、光検出素子120、光量検出回路C(平面図として図1参照)と、発光素子としての有機エレクトロルミネッセンス素子110、その駆動回路160とを集積化して形成したもので、光量検出回路Cの一部であるスイッチング用の選択トランジスタ130が発光素子列よりも、ガラス基板100の端面側に形成されている。なお、実施の形態5では、有機エレクトロルミネッセンス素子110と光検出素子120は重畳して形成されている。
そして、少なくとも、最もガラス基板100の端部に形成された選択トランジスタ130が接着剤63で被覆され、この接着剤63を介して封止ガラス64が固着されている。もちろん、図示するように光量検出回路Cも含めて接着剤63で被覆するようにしてもよい。
上述した光ヘッド本体部(露光装置)の製造に際しては、多数の露光装置を大判のマザーガラスG(後述する)に集積して複数形成し、実装後個々の光ヘッド本体部を切り出すダイシング工程において、ガラス基板100にクラックが生じると、TFTを構成する多結晶シリコンからなる半導体層の剥離や劣化が生じ、素子特性の低下を招き易いが、この構成により、接着剤63が、下層の半導体層を確実に保護し、信頼性の向上をはかることができる。
図18(a)、(b)、(c)は本発明の実施の形態5に係る露光装置の製造工程を説明する説明図である。
以降図9、図17、および図18(a)、(b)、(c)を用いて露光装置の製造工程、特にガラス基板100をマザーガラスGから個々に切り出す(ダイシング)過程について説明する。
製造に際しては、図18(a)に示すように、マザーガラスGと呼ばれるガラス母材上に、多結晶シリコン層を成膜し、パターニング工程および必要に応じてドーピング工程を経て、さらに絶縁膜、金属膜などの導電性膜を形成し、選択トランジスタ130を含む光量検出回路Cおよび、光検出素子120、有機エレクトロルミネッセンス素子110、駆動回路160などの素子部を形成する。
この後、図18(b)に示すように、選択トランジスタ130を含む光量検出回路Cの領域に接着剤63を塗布する。なお、この接着剤63の塗布領域は、ダイシング時にダイシングソーの歯と触れないようダイシング用の溝部としてのダイシングラインDLから0.5mm程度離間させて塗布するのが望ましい。更に図9に示すように、光ヘッド本体部の周囲を囲うように接着剤63が塗布される。そして、図18(c)に示すように、この上に封止ガラス64を装着する。
封止ガラス64を装着した後、マザーガラスGはダイシングラインDLの位置で複数の光ヘッド本体部に分割される。
図19は本発明の実施の形態5におけるマザーガラスの平面図である。
マザーガラスは、例えば320mm×400mmのサイズを有する一枚ガラスである。
図19に示すように、ダイシングラインDLに沿ってダイシングを行い、図9に示した個々の光ヘッド本体部に分割する。なお図19では、図面が複雑になるのを避けるためにダイシングラインDLを一本のみ描いているが、実際の工程では図示する全ての光ヘッド本体部が分割される。また当然に光ヘッド本体部の長手方向(図19において250mmと記載した方向。図9における主走査方向と同じ。)は、例えば250mmの幅となるように副走査方向(図9参照)に図示しないダイシングラインDLが設けられる。
ダイシング時にかかる応力によってダイシングラインDLの部分にはクラックが入り易いが、選択トランジスタ130を含む光量検出回路Cは接着剤63で被覆されているため、仮にクラックが発生したとしても、接着剤63が塗布された領域でクラックの進行を抑制することができると共に、光量検出回路Cそのものも接着剤層で保護され、信頼性の向上を図ることが可能となる。また、封止ガラス64の装着に際しても、光量検出回路Cは接着剤63で覆われているため、封止ガラス64装着時の応力も緩和され、クラックの発生は防止される。
なお、ダイシングを行う段階で、接着剤63は完全に固化している必要はない。むしろ封止ガラス64がマザーガラス上に完全に固着する前にダイシングする方が、応力を分散させるのに有効であり、特に電極等の配線部分にクラックが発生するのを防止することができる。
図20は本発明の実施の形態5におけるマザーガラスの平面図である。
また前記実施の形態では、封止ガラス64を装着した後、ダイシングを行うことにより、個々の光ヘッド本体部に分割したが、図20に示すように、ダイシング時点では封止ガラス64を装着せず、分割後に封止ガラスを装着するようにしてもよい。この場合は、熱溶融性の樹脂材料を接着剤63として使用し、接着剤63を塗布した後、ダイシングを行い、接着剤63上に封止ガラス64を載せた状態で熱圧着するようにしてもよい。
ダイシングの時点において、接着剤63が完全に液状であると、クラック防止の機能を十分果たすことはできない。よって図20に示す状態でマザーガラスを分割する場合は、予め接着剤63を半硬化状態(即ち、マザーガラスに加わる応力に対してある程度対抗でき、かつ後の封止ガラス64の接着を可能とする粘度)まで固化させ、この状態でダイシングすればよい。
また、接着剤63を二度塗りするようにしてもよい。即ちこの場合は、ダイシングに際して第1の接着剤を塗布して、これを半固化あるいは完全に固化させた後にダイシングを行い、その後に再度接着剤を塗布して封止ガラス64を接着すればよい。このようにすれば、ダイシング時と封止ガラス64の接着のそれぞれに最適な特性を有する接着剤を利用できるので、結果的に製造歩留まりが向上する。
また、異なる特性を有する複数の種類の接着剤(例えば一方がUV硬化型、他方が熱硬化型)を同時に塗布し(例えば図9に示す接着剤63の塗布領域において、外側をUV硬化型とし、内側を熱硬化型とする。工程の上で、最初に硬化させる接着剤が、接着剤63の塗布領域の外側に塗布されていればよい)、UV照射を行ってUV硬化型の接着剤63を固化させて回路部分を保護した後にダイシングを行い、次に封止ガラス64を重ねて熱を加えて完全に硬化させるようにしてもよい。
いずれにせよ、ガラス基板100の端部、即ち光量検出回路Cの配置領域は接着剤63で覆われているため、ダイシング時のクラックの進行は抑制される。また、この場合も封止ガラス64の装着に際しても選択トランジスタ130を含む光量検出回路Cは接着剤63で覆われているため、封止ガラス64装着時の応力も緩和され、クラックの発生は防止される。
また上述の説明では、接着剤63はライン状に形成したが、接着剤63を封止ガラス64の全領域に対応するように塗布してもよいし(ベタ封止)、封止ガラス64を用いずに、例えば金属、樹脂の積層体で構成されるラミネートフィルムによって封止してもよい(薄膜封止)。
また、ダイシング時の応力緩和のためには、接着剤63はガラス基板100の端面から0.5mm以上離間してなるのが望ましく、これにより、接着剤63で被覆されていない端部の領域が、応力緩和領域となり、ダイシング時の応力発生を抑制することができる。また、この領域にクラックが入ったとしても、接着剤63でクラックの進行が阻止され、信頼性の向上を図ることが可能となる。
なお、本発明においては以下のような態様も有効である。
本発明の封止体は、基板と、前記基板上に半導体素子を形成してなる素子部と、前記基板上の前記素子部の少なくとも一部を封止部材で封止した封止体であって、前記素子部の少なくとも一部が、前記基板の端部の辺に沿って供給された接着剤で被覆され、前記接着剤を介して前記封止部材が固着される。
この構成によれば、使用環境に温度変化がある場合にも、接着剤の存在により、クラックの進行は、抑制され、素子部の保護を図ることが可能となる。
また、本発明は、上記封止体において、前記基板および封止部材がガラスで構成され、前記素子部が、半導体薄膜に形成された半導体素子を含み、前記半導体素子の少なくとも一部が前記接着剤で覆われたものを含む。
この構成により、クラックの進行により、破壊されると極めて深刻なダメージとなる半導体素子が接着剤で被覆され、接着剤がクラックの進行を抑制するという効果をもつ。すなわち、接着剤が半導体素子の保護層として作用する。また、接着剤に、固着される封止部材がさらに補強効果をもち、使用時のみならず、製造時においても補強効果を有する。また製造時においては封止部材を固着する封止工程だけでなく、マザーガラスから個々に分割するダイシング工程においても半導体素子を保護し、信頼性の高い封止体を形成することが可能となる。
また、本発明の発光装置は、基板と、前記基板上に形成された発光素子と、前記発光素子から出力される光を検出する光量検出回路とを具備し、前記光量検出回路が、光検出素子と、前記光検出素子に並列接続された容量素子と、前記容量素子に接続され、前記容量素子の読み出しを制御するスイッチング用の薄膜トランジスタとを備え、前記発光素子の光量を検出するように構成されており、前記光検出回路の一部が前記素子列よりも、前記基板の端面側に形成され、前記素子列よりも前記基板の端面側に位置する光検出回路が、接着剤で被覆され、前記接着剤を介して前記封止部材が固着されたことを特徴とする。
この構成により、光検出回路の、例えばスイッチング素子として用いられる薄膜トランジスタ列上に接着剤を形成することにより、薄膜トランジスタはこの接着剤で保護される。
また、本発明は、上記発光装置において、前記基板および封止部がガラスで構成された
ものを含む。
この構成により、基板および封止部がクラックを生じやすいガラスで構成されている場
合にも、接着剤の存在により、素子が保護され、信頼性が向上する。
また、本発明は、上記発光装置において、前記素子列よりも前記基板の端面側に、前記
スイッチング用の薄膜トランジスタが配列されており、前記選択トランジスタの列は前記
接着剤で被覆されたものを含む。
基板にクラックが生じると、選択トランジスタを構成するアモルファスシリコンあるい
は多結晶シリコンなどの半導体層の剥離や劣化が生じ、素子特性の低下を招き易いが、こ
の構成により、接着剤が、下層の半導体層を確実に保護し、信頼性の向上をはかることが
できる。
また、本発明は、上記発光装置において、前記接着剤は前記基板の端面から所定の間隔
を隔てた位置にライン状に形成されたものを含む。
この構成により、ライン状の接着剤が下地であるガラス基板上の半導体素子を保護し、
微細な領域で確実にガラス基板上の半導体素子をクラックから保護することが可能となる
また、本発明は、上記発光装置において、前記接着剤は前記基板の端面から所定の間隔
を隔てた位置を含むようにコの字状に形成されたものを含む。
この構成により、より確実に基板を保護すると共にガラス封止を確実にすることが可能
となる。なお、基板端面以外の領域では、適宜接着剤を形成し、必要な領域が封止領域と
なるように構成する。
また、本発明は、上記発光装置において、前記接着剤は前記基板の端面から1mm以上
離間してなるものを含む。
この構成により、ダイシング時の応力緩和のためには、接着剤は前記基板の端面から1
mm以上離間してなるのが望ましく、これにより、接着剤で被覆されていない端部の領域
が、応力緩和領域となり、ダイシング時の応力発生を抑制している。また、この領域にク
ラックが入ったとしても、接着剤でクラックの進行が阻止され、信頼性の向上を図ること
が可能となる。このように、極めて微細な領域を残して接着剤を形成することにより、ダ
イシング時にガラス基板にわずかなクラックが入った場合にも接着剤でクラックの進行を
阻止することが可能となる。
また、本発明は、上記発光装置において、前記接着剤は前記基板の端面と一致するよう
に形成されたものを含む。
この構成により、ダイシング箇所に接着剤が形成されているため、クラックの発生を阻
止することが可能となる。
また、本発明は、上記発光装置において、前記基板は前記素子列の両端に、前記封止部
材から露呈する領域を具備し、前記領域に検査用端子が配設されたものを含む。
この構成により、封止後に検査用端子を介して簡単に検査を行うことが可能となる。
また、本発明は、上記発光装置において、前記素子列は前記素子列の両端側からジャン
パー線を介して給電されるように構成されたものを含む。
この構成により、長尺基板である場合にも、電圧降下をなくし信頼性の良好な光ヘッド
を形成することが可能となる。
また、本発明は、上記発光装置において、前記封止部材は前記基板の前記一辺側に偏在
するように配されたものを含む。
この構成により、封止領域が基板上に偏在している場合、クラックの発生は生じやすい
が、本発明によれば、クラックの進行を抑制し、信頼性の向上をはかることが可能となる
また、本発明は、上記発光装置において、前記一辺に相対向する一辺側の前記封止部材
から露呈する領域に、前記発光素子を駆動するための駆動用ICチップが搭載されたもの
を含む。
また、本発明は、上記発光装置において、前記基板上に第1の電極と第2の電極とで発
光層を挟むように形成された光源としてのエレクトロルミネッセンス素子と、前記エレク
トロルミネッセンス素子から出力される光を検出する光電変換層を備えた光検出素子とが
積層配置され、前記エレクトロルミネッセンス素子の第1または第2の電極に接続される
駆動トランジスタを含む駆動回路と、前記光検出素子の出力に接続された光量検出回路と
を備え、前記エレクトロルミネッセンス素子および光検出素子が前記封止部材で封止され
たものを含む。
この構成により、光検出素子とエレクトロルミネッセンス素子とが積層構造で構成され
ているため、エレクトロルミネッセンス素子の発光を光検出素子で直接検出することがで
き、小型化を図ることが可能となる。
また、本発明は、上記発光装置において、前記光検出素子、前記発光素子、前記光検出
回路の容量素子、スイッチング用の薄膜トランジスタ、前記駆動回路の駆動トランジスタ
は、同一基板上に集積化された回路素子であり、これらが封止部材で封止され、前記スイ
ッチング用の薄膜トランジスタが、前記接着剤下に配置されたものを含む。
また本発明は、上記発光装置において、前記光検出素子、前記発光素子、前記光検出回
路の容量素子、スイッチング用の薄膜トランジスタ、前記駆動回路の駆動トランジスタは
、同一基板上に集積化された回路素子であるものを含む。
そこで本発明は、上記発光装置において、前記光検出素子が、前記エレクトロルミネッ
センス素子の光出射領域ごとに1個配置されたものを含む。
この構成では、発光装置は複数の光出射領域を列状に配置して構成される。1つの光出
射領域に対して、1つの光検出素子を対応させて配置することで、複数の光出射領域から
出力される光を同時に計測することが可能となり、発光装置全体の光量の測定を高速に行
うことが可能となる。
また本発明は前記発光装置において、光源として有機エレクトロルミネッセンス素子を
用いたものを含む。有機エレクトロルミネッセンス素子は、低電力で高い輝度を得ること
ができるため消費電力の点で優れた発光装置を提供することが可能となる。
また本発明は前記発光装置において、光源として無機エレクトロルミネッセンス素子を
用いたものを含む。無機エレクトロルミネッセンス素子は、スクリーン印刷で製造が可能
であるため生産時の欠陥が少なく、且つクリーンルーム等の設備も必要としないので、高
い量産性を持つ。したがって製造コスト的に優れた発光装置を提供することが可能となる
また本発明は前記発光装置において、光量補正用の検出素子を配置したものを含む。光
量の補正を目的とした光検出素子を配置すれば、前記光検出素子から光量の補正に適格な
電気信号をエレクトロルミネッセンス素子にフィードバックすることができるため、光量
の制御を適切に行うことが可能となる。
また本発明は前記発光装置において、光の発光時間の補正を目的とした光検出素子を配
置したものを含む。光の発光時間の補正を目的とした光検出素子を配置すれば、前記光検
出素子から光の発光時間の補正に適格な電気信号をエレクトロルミネッセンス素子にフィ
ードバックすることができるため、発光時間の制御を適切に行うことが可能となる。
また本発明は前記発光装置において、光検出素子が、エレクトロルミネッセンス素子の
駆動回路となる薄膜トランジスタと同じ層から形成されたものを含む。薄膜トランジスタ
と光検出素子をエッチング等の加工方法を用いて同じ層から形成することで、発光装置の
製造工程が簡素化し、製造に要するコストを低減させることが可能になる。特にガラス基
板上への多結晶シリコン層の形成工程は、高温プロセスを経ることになるが、1回の調整
で極めて制御性よく信頼性の高い特性を得ることが可能となる。
また本発明は、上述した発光装置を備えたことを特徴とする画像形成装置である。発光
分布が均一な発光装置を搭載することで、耐久性、画質の点で優れた画像形成装置が得ら
れる。
ここでエレクトロルミネッセンス素子の光検出素子側に形成される第1の電極は通常陽
極であり、透光性を有する電極材料で構成される。
また本発明の封止体は、基板と、この基板上に半導体素子を形成してなる素子部と、こ
の素子部に塗布された接着剤と、この接着剤を介して前記基板上の前記素子部の少なくと
も一部を封止する封止部材とを備える。
この構成によれば、封止部材と素子部の間に接着剤があると外部応力に対して強いため
、ダイシング時および使用時におけるクラックの発生を抑制することが可能となる。
そこで本発明は、回路パターンの形成された基板の、少なくとも1つの辺に沿って、接
着剤が供給され、この接着剤を介して封止部材で前記基板の少なくとも一部を封止してな
る封止体の製造方法であって、基板母材上に所望の回路パターンを形成し、素子部を形成
する工程と、所望の回路パターンの形成された基板母材上に、接着剤を供給する工程と、
前記接着剤上に外端が来るように複数の封止部材を固着する工程と、前記接着剤の供給さ
れた領域で前記基板母材を、複数に分割するダイシング工程とを含む。
この構成により、基板母材上に接着剤を供給し、ガラス封止を行った後に、接着剤にダ
イシングラインが当接するように、ダイシングを行うため、この接着剤が、基板母材に入
ろうとするクラックを阻止するとともに、ダイシング時にかかる応力を接着剤が緩和する
ことが可能となる。また、接着剤に固着される封止部材がさらに補強効果をもち、封止部
材を固着する封止工程だけでなく、マザーガラスから個々に分割するダイシング工程にお
いても半導体素子を保護し、信頼性の高い封止体を形成することが可能となる。
また本発明は、上記封止体の製造方法において、前記素子部を形成する工程が、基板上
に、配列形成された複数の発光素子からなる素子列と、前記発光素子から出力される光を
検出する光検出素子と、前記光検出素子に並列接続された容量素子とを具備し、前記発光
素子の光量を検出する光量検出回路と、これらに接続される配線パターンとを形成する光
ヘッド部を形成する工程であり、前記接着剤を供給する工程は、前記辺上の前記回路パタ
ーンの外方の端縁を覆うように接着剤を供給する工程であるものを含む。
この構成により、接着剤が回路パターンを保護すると共に、クラックの発生および進行
を阻止するため、製造歩留まりの向上を図ることが可能となる。なおここでは回路パター
ンを接着剤が覆うようにしたが、接着剤が素子部を覆うようにしてもよい。
また本発明は、上記封止体の製造方法において、前記ダイシング工程は、ダイシングに
先立ち、前記基板母材にあらかじめ形成されたダイシング用の溝部を形成する工程を含む

この構成により、溝部に沿ってダイシングを行えばよく、位置決めが容易となる上、溝
部が接着剤の液溜の役割を果たすことになる。
また本発明は、上記封止体の製造方法において、前記接着剤を供給する工程は、前記溝
部に沿って接着剤を供給する工程であるものを含む。
この構成により、接着剤の形成における位置決めが容易となる。
また本発明は、上記封止体の製造方法において、前記接着剤を供給する工程は、前記溝
部に一部が接するように接着剤を供給する工程であるものを含む。
この構成により、接着剤の外端は、ダイシングによって切除されるため、接着剤を高精
度に位置規制することなく、外観の優れた封止体を形成することが可能となる。
また本発明は、上記封止体の製造方法において、前記封止部材を固着する工程は、前記
封止体の長辺に沿って封止部材の1辺が当接するように、前記封止部材を固着する工程で
ある含む。
切断線が長い部分ではクラックが生じやすいが、この構成により、接着剤で保護した状
態で切断することができ、歩留まりが向上する。
また本発明は、上記封止体の製造方法で形成された封止体を含む。
この構成により、使用時においても、外端が接着剤で保護されているため、クラックの
発生はなく、長寿命で信頼性の高い封止体を形成することが可能となる。
また本発明は、上記封止体において、基板上に、配列形成された複数の発光素子からな
る素子列と、前記発光素子から出力される光を検出する光検出素子と、前記光検出素子に
並列接続された容量素子とを具備し、前記発光素子の光量を検出する光量検出回路と、こ
れらに接続される配線パターンとを備え、前記回路パターンは、前記基板の一辺上では、
前記接着剤で完全に被覆されたものを含む。
この構成により、確実に回路パターンが保護され被覆されるため、保護性が向上する。
また、クラックの進行により、破壊されると極めて深刻なダメージとなる回路パターンあ
るいは半導体素子が接着剤で被覆され、接着剤がクラックの進行を抑制するという効果を
もつ。
また本発明は、上記封止体において、前記封止部材は前記基板の前記一辺側に偏在する
ように配されたものを含む。
封止部材が基板の一辺側に偏在するように配された場合、ダイシング時にクラックが発
生し易いが、この構成により、端部が接着剤で覆われているため、信頼性の向上をはかる
ことができる。
また本発明は、上記封止体において、前記一辺に相対向する一辺側に、前記発光素子を
駆動するための駆動用ICチップが搭載されたものを含む。
また本発明は、上記封止体の製造方法において、前記基板上に第1の電極と第2の電極
とで発光層を挟むように形成された光源としてのエレクトロルミネッセンス素子と、前記
エレクトロルミネッセンス素子から出力される光を検出する光電変換層を備えた光検出素
子とが積層配置され、前記エレクトロルミネッセンス素子の第1または第2の電極に接続
される駆動トランジスタを含む駆動回路と、前記光検出素子の出力に接続された光量検出
回路とを備え、前記エレクトロルミネッセンス素子および光検出素子が前記封止部材で封
止されたものを含む。
また本発明は、上記封止体の製造方法において、前記光検出素子、前記発光素子、前記
光検出回路の容量素子、スイッチング用の選択トランジスタ、前記駆動回路の駆動トラン
ジスタは、同一基板上に集積化された回路素子であり、これらが封止部材で封止され、前
記スイッチング用の選択トランジスタが、前記接着剤下に配置されたものを含む。
基板にクラックが生じると、選択トランジスタを構成するアモルファスシリコンあるい
は多結晶シリコンなどの半導体層の剥離や劣化が生じ、素子特性の低下を招き易いが、こ
の構成により、接着剤が、下層の半導体層を確実に保護し、信頼性の向上をはかることが
できる。
また、本発明は、上記発光装置において、前記基板上に第1の電極と第2の電極とで発
光層を挟むように形成された光源としてのエレクトロルミネッセンス素子と、前記エレク
トロルミネッセンス素子から出力される光を検出する光電変換層を備えた光検出素子とが
積層配置され、前記エレクトロルミネッセンス素子の第1または第2の電極に接続される
駆動トランジスタを含む駆動回路と、前記光検出素子の出力に接続された光量検出回路と
を備え、前記エレクトロルミネッセンス素子および光検出素子が前記封止部材で封止され
たものを含む。
この構成により、光検出素子とエレクトロルミネッセンス素子とが積層構造で構成され
ているため、エレクトロルミネッセンス素子の発光を光検出素子で直接検出することがで
き、小型化を図ることが可能となる。
また、本発明は、上記発光装置において、前記光検出素子、前記発光素子、前記光検出
回路の容量素子、スイッチング用の薄膜トランジスタ、前記駆動回路の駆動トランジスタ
は、同一基板上に集積化された回路素子であり、これらが封止部材で封止され、前記スイ
ッチング用の薄膜トランジスタが、前記接着剤下に配置されたものを含む。
また本発明は、上記発光装置において、前記光検出素子、前記発光素子、前記光検出回
路の容量素子、スイッチング用の薄膜トランジスタ、前記駆動回路の駆動トランジスタは
、同一基板上に集積化された回路素子であるものを含む。
そこで本発明は、上記発光装置において、前記光検出素子が、前記エレクトロルミネッ
センス素子の光出射領域ごとに1個配置されたものを含む。
この構成では、発光装置は複数の光出射領域を列状に配置して構成される。1つの光出
射領域に対して、1つの光検出素子を対応させて配置することで、複数の光出射領域から
出力される光を同時に計測することが可能となり、発光装置全体の光量の測定を高速に行
うことが可能となる。
また本発明は前記発光装置において、光源として有機エレクトロルミネッセンス素子を
用いたものを含む。有機エレクトロルミネッセンス素子は、低電力で高い輝度を得ること
ができるため消費電力の点で優れた発光装置を提供することが可能となる。
また本発明は前記発光装置において、光源として無機エレクトロルミネッセンス素子を
用いたものを含む。無機エレクトロルミネッセンス素子は、スクリーン印刷で製造が可能
であるため生産時の欠陥が少なく、且つクリーンルーム等の設備も必要としないので、高
い量産性を持つ。したがって製造コスト的に優れた発光装置を提供することが可能となる
また本発明は前記発光装置において、光量補正用の検出素子を配置したものを含む。光
量の補正を目的とした光検出素子を配置すれば、前記光検出素子から光量の補正に適格な
電気信号をエレクトロルミネッセンス素子にフィードバックすることができるため、光量
の制御を適切に行うことが可能となる。
また本発明は前記発光装置において、光の発光時間の補正を目的とした光検出素子を配
置したものを含む。光の発光時間の補正を目的とした光検出素子を配置すれば、前記光検
出素子から光の発光時間の補正に適格な電気信号をエレクトロルミネッセンス素子にフィ
ードバックすることができるため、発光時間の制御を適切に行うことが可能となる。
また本発明は前記発光装置において、光検出素子が、エレクトロルミネッセンス素子の
駆動回路となる薄膜トランジスタと同じ層から形成されたものを含む。薄膜トランジスタ
と光検出素子をエッチング等の加工方法を用いて同じ層から形成することで、発光装置の
製造工程が簡素化し、製造に要するコストを低減させることが可能になる。特にガラス基
板上への多結晶シリコン層の形成工程は、高温プロセスを経ることになるが、1回の調整
で極めて制御性よく信頼性の高い特性を得ることが可能となる。
また本発明は、上述した発光装置を備えたことを特徴とする画像形成装置である。発光
分布が均一な発光装置を搭載することで、耐久性、画質の点で優れた画像形成装置が得ら
れる。
ここでエレクトロルミネッセンス素子の光検出素子側に形成される第1の電極は通常陽
極であり、透光性を有する電極材料で構成される。
以上、本発明の各種実施の形態を説明したが、本発明は前記実施の形態において示された事項に限定されず、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者がその変更・応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
以上のように本発明にかかる露光装置およびこれを用いた画像形成装置は、例えばプリンタ、複写機、ファクシミリ装置、フォトプリンタなどへの利用が可能である。
本発明の実施の形態1に係る露光装置を構成する有機エレクトロルミネッセンス素子およびその周辺の平面図 (a)は本発明の実施の形態1における光検出素子の近傍の構成を示す断面図、(b)は本発明の実施の形態1における容量素子の近傍の構成を示す断面図、(c)は本発明の実施の形態1における選択トランジスタの近傍の構成を示す断面図 本発明の実施の形態1に係る露光装置に搭載された光量検出回路、処理回路部の回路図 本発明の実施の形態1における光検出素子のゲート電圧とドレイン電流の関係を示す説明図 本発明の実施の形態1における光量検出のタイミングを示すタイミングチャート 本発明の実施の形態2の画像形成装置の構成図 本発明の実施の形態2の画像形成装置における現像ステーションの周辺を示す構成図 本発明の実施の形態2の画像形成装置における露光装置の構成図 (a)は本発明の実施の形態2の画像形成装置における露光装置に係るガラス基板の上面図、(b)は同要部拡大図 本発明の実施の形態2の画像形成装置におけるコントローラの構成を示すブロック構成図 本発明の実施の形態2の画像形成装置における光量補正データメモリの内容を示す説明図 本発明の実施の形態2の画像形成装置におけるエンジン制御部の構成を示すブロック構成図 本発明の実施の形態2の画像形成装置における露光装置の回路図 本発明の実施の形態2の画像形成装置における露光装置に係る電流プログラム期間と有機エレクトロルミネッセンス素子の点灯期間を示す説明図 (a)、(b)は本発明の実施の形態3に係る露光装置における素子配列の例を説明する説明図 (a)、(b)、(c)は本発明の実施の形態4に係る露光装置における素子配列の例を説明する説明図 本発明の実施の形態5に係る露光装置の要部断面図 (a)、(b)、(c)は本発明の実施の形態5に係る露光装置の製造工程を説明する説明図 本発明の実施の形態5におけるマザーガラスの平面図 本発明の実施の形態5におけるマザーガラスの平面図
符号の説明
1 画像形成装置
2,2Y,2M,2C,2K 現像ステーション
3 記録紙
4 給紙トレイ
5 記録紙搬送路
6 現像剤
8,8Y,8M,8C,8K 感光体
10 現像スリーブ
13,13Y,13M,13C,13K 露光装置
19 レジストローラ
20 ピンチローラ
21 記録紙通過検出センサ
41 コントローラ
42 エンジン制御部
43 電源部
51 レンズアレイ
59 処理回路部
61 ソースドライバ
62,62a TFT回路
63 接着剤
64 封止ガラス
65 イメージメモリ
66 光量補正データメモリ
67 タイミング生成部
68 ゲートコントローラ
69 ピクセル回路
70 ドライバ部
71 電流プログラム部
72 D/Aコンバータ
80 コンピュータ
83 コントローラCPU
87 プリンタインタフェース
90 コントローラインタフェース
91 エンジン制御CPU
98 操作パネル
100 ガラス基板
101 ベースコート層
110 有機エレクトロルミネッセンス素子
111 陽極
112 発光層
113 陰極
114 画素規制部
120 光検出素子
121D ドレイン領域
121i チャネル領域
121S ソース領域
122 第1の絶縁膜
123 第2の絶縁膜
124 保護膜
130 選択トランジスタ
132C チャネル領域
132D ドレイン領域
132S ソース領域
133 ゲート電極
134D ドレイン電極
134S ソース電極
140 容量素子
141 第1層電極
142 第2層電極
143 第3層電極
150 光量演算回路(チャージアンプ)
151 オペアンプ
152 容量素子
153 スイッチングトランジスタ
160 駆動回路
240 ADコンバータ
241 光量計測部
C 光量検出回路
マザーガラス
コンタクトホール

Claims (22)

  1. 基板母材上の複数領域に回路パターンを形成する工程と、
    前記複数領域の各領域に対し、少なくとも前記回路パターンの一部を覆うように接着剤を供給する工程と、
    前記各領域にそれぞれ所定の封止部材を接着する工程と、
    前記接着剤の供給された領域で前記基板母材を、複数の基板に分割する工程と、
    を含む封止体の製造方法。
  2. 請求項1に記載の封止体の製造方法であって、
    前記接着剤を前記回路パターンの外縁に沿った前記各領域に供給する封止体の製造方法。
  3. 請求項2に記載の封止体の製造方法であって、
    前記封止部材の外縁が前記接着剤の供給された領域の外縁に一致するように接着するようにした封止体の製造方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の封止体の製造方法であって、
    前記分割する工程は、分割に先立ち、前記基板母材にあらかじめ形成されたダイシング用の溝部を形成する工程を含む封止体の製造方法。
  5. 請求項4に記載の封止体の製造方法であって、
    前記接着剤を供給する工程は、前記溝部に沿って接着剤を供給する工程である封止体の製造方法。
  6. 請求項5に記載の封止体の製造方法であって、
    前記接着剤を供給する工程は、前記溝部に一部が接するように接着剤を供給する工程である封止体の製造方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の封止体の製造方法であって、
    前記基板母材および前記封止部材はガラスである封止体の製造方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の封止体の製造方法であって、
    前記回路パターンは薄膜トランジスタ回路を構成するものである封止体の製造方法。
  9. 基板母材上の複数領域に、複数の発光素子で構成される発光素子列と、各発光素子を駆動する駆動回路とを形成する工程と、
    前記複数領域の各領域に対し、少なくとも前記駆動回路の一部を覆うように接着剤を供給する工程と、
    前記各領域にそれぞれ所定の封止部材を接着する工程と、
    前記接着剤の供給された領域で前記基板母材を、おのおのが前記発光素子列および回路を含む複数の基板に分割する工程と、
    を含む発光装置の製造方法。
  10. 請求項9記載の発光装置の製造方法であって、
    前記駆動回路は、前記発光素子列に沿って設けられ個々の発光素子のON/OFFを行うピクセル回路と、このピクセル回路に沿って設けられ、前記ピクセル回路を制御する周辺回路から構成され、前記接着剤を少なくとも前記周辺回路の一部を覆うように供給する発光装置の製造方法。
  11. 請求項10に記載の発光装置の製造方法であって、
    前記接着剤を、前記周辺回路の外縁に沿って供給するようにした発光装置の製造方法。
  12. 請求項8に記載の発光装置の製造方法であって、
    前記発光素子を有機エレクトロルミネッセンス素子とした発光装置の製造方法。
  13. 請求項9に記載の発光装置の製造方法であって、
    前記接着剤として熱硬化樹脂を用いるようにした発光装置の製造方法。
  14. 基板母材上の複数領域に、複数の発光素子で構成される発光素子列と、前記発光素子の出射する光の光量を検出する光検出素子と、この光検出素子の出力を処理する処理回路を形成する工程と、
    前記複数領域の各領域に対し、少なくとも前記処理回路の一部を覆うように接着剤を供給する工程と、
    前記各領域にそれぞれ所定の封止部材を接着する工程と、
    前記接着剤の供給された領域で、前記基板母材を、おのおのが前記発光素子列および処理回路を含む複数の基板に分離する工程と、
    を含む発光装置の製造方法。
  15. 請求項14に記載の発光装置の製造方法であって、
    前記処理回路を形成する工程は、前記光検出素子で構成されるセンサ列に沿って設けられた、個々の光検出素子の出力を選択する選択回路を形成する工程を含み、
    前記接着剤を供給する工程は、少なくとも前記選択回路の一部を覆うように前記接着剤を供給する工程を含む発光装置の製造方法。
  16. 請求項15に記載の発光装置の製造方法であって、
    前記処理回路を形成する工程は、光検出素子を、前記個々の発光素子に対応して形成する工程を含む発光装置の製造方法。
  17. 請求項15に記載の発光装置の製造方法であって、
    前記処理回路を形成する工程は、薄膜トランジスタで形成する工程を含む発光装置の製造方法。
  18. 請求項1乃至8のいずれかに記載の封止体の製造方法で製造され、
    基板と、
    前記基板上に回路パターンを形成してなる回路部と、
    前記基板上の前記回路部の少なくとも一部を封止部材で封止した封止体であって、
    前記回路部の少なくとも一部が、前記基板の端部の辺に沿って供給された接着剤で被覆
    され、
    前記接着剤を介して前記封止部材が固着された封止体。
  19. 請求項18に記載の封止体であって、
    前記基板および封止部材がガラスで構成され、
    前記回路部が、半導体薄膜に形成された半導体素子を含み、
    前記半導体素子の少なくとも一部が前記接着剤で覆われた封止体。
  20. 基板と、
    前記基板上に、
    発光素子と、
    前記発光素子から出力される光を検出する光量検出回路とを具備し、
    前記光量検出回路が、光検出素子と、前記光検出素子に並列接続された容量素子と、前記容量素子に接続され、前記容量素子の読み出しを制御するスイッチング用の薄膜トランジスタとを備え、前記発光素子の光量を検出するように構成されており、
    前記光検出回路の一部が前記素子列よりも、前記基板の端面側に形成され、前記素子列よりも前記基板の端面側に位置する光検出回路が、接着剤で被覆され、
    前記接着剤を介して前記封止部材が固着された発光装置。
  21. 請求項9乃至17のいずれかに記載の発光装置の製造方法で製造された発光装置を具備した露光装置。
  22. 請求項21に記載の露光装置を搭載した画像形成装置。
JP2007095157A 2006-03-31 2007-03-30 封止体の製造方法、これを用いた発光装置の製造方法、封止体、発光装置、露光装置およびこれを用いた画像形成装置 Pending JP2007294944A (ja)

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