JP2007292448A - 冷凍機システムおよび冷却水槽 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷凍機システムの凝縮器側の冷却水系において、冷凍機と冷却塔とを冷却水槽を介して機器毎に分割独立させる。
【解決手段】低温水槽と中温水槽とを仕切る隔壁に、低温水槽から中温水槽へ冷却水を落下する開口を設け、低温水槽と中温水槽とを仕切る隔壁と、中温水槽と高温水槽とを仕切る隔壁との間に、低温水槽の開口から流出する冷却水を導く棚を設け、低温水槽と中温水槽との水位差で低温水槽から冷却水を中温水槽へ落下する滝を形成する堰を棚の先端部に設け、中温水槽と高温水槽とを仕切る隔壁に、高温水槽から冷却水を中温水槽へ落下する開口を設け、低温水槽と中温水槽とを仕切る隔壁と、中温水槽と高温水槽とを仕切る隔壁との間に、高温水槽の開口から流出する冷却水を導く棚を設け、高温水槽と中温水槽との水位差で高温水槽から冷却水を中温水槽へ落下する滝を形成する堰を棚の先端部に設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、空気調和装置などに用いる冷凍機システムおよび冷却水槽に関する。
従来、この種の冷凍機システムは、例えば、オフィスビルの中央式空気調和装置や半導体工場など比較的大容量の空気調和装置などで用いる冷水を製造している(例えば、特許文献1参照)。
その一例を図9に基づいて説明する。
例えば、オフィスビルの中央式空気調和装置や半導体工場など比較的大容量の空気調和装置などの空気調和装置7の冷却コイル8に用いる冷水は、冷凍機1の蒸発器で冷却され、循環ポンプ2から矢印で示すように往きヘッダ5を経て冷水往き路で搬送される。空気調和装置7の冷却コイル8で暖められた冷水は、矢印で示すように冷水還り路から還りヘッダ6を経て冷凍機1に戻る。冷凍機1はその機内に、蒸発器〜圧縮機〜凝縮器〜膨張弁〜蒸発器という冷媒ガスの蒸発潜熱を利用する冷凍サイクルを構成するが、屋外に設置された冷却塔3から冷却水ポンプ4を介して矢印で示すように冷却水往き路で搬送される冷却水は、冷凍機1の凝縮器に導入されて冷凍サイクルの冷媒と熱交換されて加熱され、冷却水還り路により冷却塔3へ搬送される。そして、冷却塔3で大気と熱交換され冷却された冷却水は、矢印で示すように冷却水ポンプ4を介して冷却水往き路で搬送される。また、複数の冷凍機1と冷却塔3とを併用する場合には、各冷凍機1が往きヘッダ5と還りヘッダ6とに接続され、それぞれの冷凍機1の凝縮器に接続される冷却水往き路および冷却水還り路がそれぞれ複数の冷却塔に接続されたり、大型の集合冷却塔にまとめて接続されたりする。
特開平10−9796号公報の図3
しかし、従来の冷凍機システムの凝縮器側の冷却水系では、冷凍機1の凝縮器と冷却塔3と冷却水ポンプ4とを一本の配管で結びつけて独立した1ヶの閉回路を形成するので、その回路のどの機器に不調が生じても、その独立した系が断の状態に陥り、複数の系統を並列させていても、大きな出力不足となる虞がある。また、機器の不調でなくとも系の中の1機器を定期メンテナンスするだけでも、その系全体を停止しなければならない。
本発明は斯かる従来の問題点を解決するために為されたもので、その目的は、冷凍機システムの凝縮器側の冷却水系において、冷凍機と冷却塔とを冷却水槽を介することで、機器毎に分割独立させることによって、複数の冷凍機の中の1台、複数の冷却塔の中の1台、もしくは複数の冷却水ポンプの1台何れかの機器に不調が生じても、その他の同種の正常機器と他の機器とを組み換えてバックアップすることにより大きな出力不足には陥らず、かつメンテナンスを自由に行える冷凍機システムおよび冷却水槽を提供することにある。
請求項1に係る発明は、冷凍機システムの凝縮器側の冷却水系において、冷凍機と冷却水ポンプとを有する冷凍機回路と、冷却塔と冷却塔ポンプとを有する冷却塔回路と、低温水用水槽、中温水用水槽および高温水用水槽に仕切った冷却水槽とを備え、冷凍機回路は、中温水用水槽と高温水用水槽との間に配され、冷却塔回路は、低温水用水槽と高温水用水槽との間に配され、低温水用水槽と中温水用水槽とを仕切る槽間隔壁は、低温水用水槽から中温水用水槽へ冷却水を落下する開口を設け、低温水用水槽と中温水用水槽とを仕切る槽間隔壁と、中温水用水槽と高温水用水槽とを仕切る槽間隔壁との間に、低温水用水槽の開口から流出する冷却水を導く棚を設けるとともに、低温水用水槽と中温水用水槽との水位差を利用して低温水用水槽から冷却水を中温水用水槽へ落下する滝を形成する堰を棚の先端部に設け、中温水用水槽と高温水用水槽とを仕切る槽間隔壁は、高温水用水槽から冷却水を中温水用水槽へ落下する開口を設け、低温水用水槽と中温水用水槽とを仕切る槽間隔壁と、中温水用水槽と高温水用水槽とを仕切る槽間隔壁との間に、高温水用水槽の開口から流出する冷却水を導く棚を設けるとともに、高温水用水槽と中温水用水槽との水位差を利用して高温水用水槽から冷却水を中温水用水槽へ落下する滝を形成する堰を棚の先端部に設けていることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の冷凍機システムにおいて、低温水用水槽と中温水用水槽とを仕切る槽間隔壁に設けた開口は、高温水用水槽と中温水用水槽とを仕切る槽間隔壁に設けた開口より高所に位置することを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2記載の冷凍機システムにおいて、低温水用水槽と中温水用水槽とを仕切る槽間隔壁と、中温水用水槽と高温水用水槽とを仕切る槽間隔壁との間に設けた2つの棚は、それぞれ開口の下端部と面一となるように設けられていることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし請求項3の何れか記載の冷凍機システムにおいて、熱交換器と循環ポンプとを有する熱交換器回路を、高温水用水槽と低温水用水槽との間に配してなることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、冷凍機システムの凝縮器側の冷却水系に用いられる冷却水槽において、低温水用水槽と、中温水用水槽と、高温水用水槽とを備え、低温水用水槽と中温水用水槽とを仕切る槽間隔壁は、低温水用水槽から冷却水を中温水用水槽へ落下する開口を設け、低温水用水槽と中温水用水槽とを仕切る槽間隔壁と中温水用水槽と高温水用水槽とを仕切る槽間隔壁との間に、低温水用水槽の開口から流出する冷却水を導く棚を設けるとともに、低温水用水槽と中温水用水槽との水位差を利用して低温水用水槽から冷却水を中温水用水槽へ落下する滝を形成する堰を棚の先端部に設け、中温水用水槽と高温水用水槽とを仕切る槽間隔壁は、高温水用水槽から冷却水を中温水用水槽へ落下する開口を設け、低温水用水槽と中温水用水槽とを仕切る槽間隔壁と中温水用水槽と高温水用水槽とを仕切る槽間隔壁との間に、高温水用水槽の開口から流出する冷却水を導く棚を設けるとともに、高温水用水槽と中温水用水槽との水位差を利用して高温水用水槽から冷却水を中温水用水槽へ落下する滝を形成する堰を棚の先端部に設けていることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項5記載の冷却水槽において、低温水用水槽と中温水用水槽とを仕切る槽間隔壁に設けた開口は、高温水用水槽と中温水用水槽とを仕切る槽間隔壁に設けた開口より高所に位置することを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項5または請求項6記載の冷却水槽において、低温水用水槽と中温水用水槽とを仕切る槽間隔壁と中温水用水槽と高温水用水槽とを仕切る槽間隔壁との間に設けた2つの棚は、それぞれ開口の下端部と面一となるように設けられていることを特徴とする。
冷凍機システムの凝縮器側の冷却水系において、外気温の季節による変動に伴い、冷却塔能力が大きく変化し、冷却水温に大きな変動が生じる。冷凍機システムの冷凍機、冷却水ポンプ、冷却塔とも機器の容量は、夏の最も建屋負荷や外気負荷の多い時期の総冷房負荷により選定されている。よって、夏以外の季節での外気温が低下すると、外気を熱源とする冷却塔の能力が大きくなるにもかかわらず、建屋負荷や外気負荷が低下し、機器の容量が余ってくることとなる。よって、中間期や冬期は冷却塔の一部を停止し、かつ冷却水ポンプの総流量も少なくできることとなる。
冷凍機は、夏期以外の時期では、冷却塔の能力アップや外気温の低下による凝縮器へ導入される冷却水温の低下に対して、圧縮機の能力を絞れることにより効率が上昇し、つまり、成績係数(COP)=蒸発器で奪う熱量(kcal)/(圧縮機に要する電力量(KW)×860(kcal/KW))が向上し、消費電力の削減がはかれる。
よって、本発明においては、夏期のピーク負荷時期以外の冷凍機負荷に対して高効率で冷凍機を稼動させるべく、冷却水系を密閉系ではなく冷却水槽を設置して冷却水を一旦集め、その水槽の冷却水温を管理するように冷却塔のファン停止と冷却水ポンプ停止とを含めた運転台数制御を行い、総合的に冷熱源機器の効率的運転が行え、エネルギーセービングが行える。
また、冷熱源システムにおいて、通常は冷凍機〜冷却塔〜ポンプの独立した1ヶの閉回路を形成するので、その回路のどの機器に不調が生じてもその独立した系が断の状態に陥る。また、系の中の1機器をメンテナンスするケースにおいてもその系全体が停止となる。
これに対し、本発明は、冷凍機システムの凝縮器側の冷却水系において、冷凍機と冷却塔とを冷却水槽を介することで、機器毎に分割独立させることによって、複数の冷凍機の中の1台、複数の冷却塔の中の1台、もしくは複数の冷却水ポンプの1台何れかの機器に不調が生じても、その他の同種の正常機器と他の機器とを組み換えてバックアップすることにより大きな出力不足には陥らず、かつメンテナンスを自由に行える冷凍機システムおよび冷却水槽を提供することにある。このため、冷却水ポンプを含んだ冷凍機群、冷却水ポンプを含んだ冷却塔群として扱えるため、各々の群に予備機が1台あれば、最大負荷時においても定期メンテナンスを仮に行っても、トータルで最大負荷容量分の機器を動作させることできちんと対応でき、出力不足にはならない。
本発明によれば、冬期や中間期における、外気調和機における外気への水加湿のための前段加熱負荷や、温水の利用などが発生したケースにおいては、冷凍機の凝縮器側の排熱を冷却水槽の高温水用水槽に一度集めるので、ここから別な循環路を負荷と冷却水槽低温水用水槽とを連絡しポンプで循環することで、これを加熱熱源として利用でき、ボイラーの稼働台数の削減と冷却塔稼動台数の削減が合わせて行え、エネルギー消費を抑えることができる。冷凍機の凝縮器側の排熱は37℃程度あるので、外気調和機における外気への水加湿を行い、半導体製造工場などで要求される11℃露点までの水加湿が可能な前段加熱が十分賄える。
本発明によれば、冷凍機と冷却塔とが配管で閉回路を形成して固定された対とならず、冷凍機群と冷却塔群とを別な配管系として形成できるので、型式・方式の異なる特性の違う冷却塔を組み合わせた冷却塔群を形成し、気象状況に応じて白煙防止や路面凍結防止対策を効率的に行うことができる。
本発明によれば、冷房を目的とする冷凍機の冷凍サイクル凝縮器で発生する副産物の排熱を加熱熱源として利用する時、利用仕切れずに残った排熱を冷却塔にて大気に放熱させる等の場合、水温の急激な変化を吸収するバッファとしての冷却水槽が介在することで、冷凍機、冷却塔、冷却コイル、加熱熱交換器、加熱コイル、配管類の熱容量やそれらを制御する自動制御系の特性から熱源システムに乱れが生じる危険を回避できる。また、同様に水温の急激な変化を吸収するバッファとしての冷却水槽が介在することで、負荷量や気象条件などの変動に対してシステムを高効率に維持させるための切り替えや、定期メンテナンスや機器トラブルによる稼働機器の切り替えなどによる冷凍機システムの冷却水系全体に対する乱れの発生を抑制できる。
以下、本発明を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
図1〜図5は、本発明の一実施形態に係る冷凍機システム10および冷却水槽50を示す。
本実施形態に係る冷凍機システム10は、3つの冷凍機回路20a,20b,20cと、3つの冷却塔回路30a,30b,30cと、2つの熱交換器回路40a,40bと、低温水用水槽51、中温水用水槽52および高温水用水槽53に仕切った冷却水槽50とを備えている。
3つの冷凍機回路20a,20b,20cは、それぞれ冷凍機21,23,25と冷却水ポンプ22,24,26と有し、中温水用水槽52と高温水用水槽53との間に配されている。冷却水ポンプ22,24,26は、その流量を調整するために回転数制御可能であるインバータによる周波数制御モータによって駆動されていても良い。
3つの冷却塔回路30a,30b,30cは、それぞれ冷却塔31,33,35と冷却塔ポンプ32,34,36とを有し、低温水用水槽51と高温水用水槽53との間に配されている。冷却塔ポンプ32,34,36はその流量を調整するために回転数制御可能であるインバータによる周波数制御モータによって駆動されていても良い。
2つの熱交換器回路40a,40bは、熱交換器41,43と循環ポンプ42,44とを有し、高温水用水槽53と低温水用水槽51との間に配されている。ここで、熱交換器41,43は、一般に30℃位まで熱交換器2次側の熱媒(空気又は水など)を加熱する加熱熱源として高温水用水槽から汲み上げた高温冷却水を使用するために用いられる。高温冷却水は、通常の冷凍機の凝縮器側の定格の出口水温である、最大37℃位まで水温を上げられる。また、特殊な冷凍機においては、高温水用水槽へ供給する凝縮器出口水温を40℃以上に上げるものもあり、これを利用すれば高温冷却水も40℃ぐらいまで水温を上げられる。熱交換器41,43は、この高温冷却水を温熱源として、熱交換器2次側に純水を流せば、純水の加熱に使用でき、熱交換器2次側に取り入れ外気を流せば、冬期などにおける外気調和機での外気への水加湿を行って半導体製造工場などで要求される11℃露点まで外気を断熱加湿できるような外気の前段加熱の熱源としても使用できる。
冷却水槽50は、図2〜図5に示すように、槽間隔壁54と槽間隔壁56とによって、低温水用水槽51と中温水用水槽52と高温水用水槽53とに仕切られている。低温水用水槽51と中温水用水槽52とを仕切る槽間隔壁54には、低温水用水槽51から冷却水を中温水用水槽52へ流出するための開口55が設けてある。中温水用水槽52と高温水用水槽53とを仕切る槽間隔壁56には、高温水用水槽53から冷却水を中温水用水槽52へ流出するための開口57が設けてある。さらに、槽間隔壁54と槽間隔壁56との間には、開口55の下端部と面一となるように棚58を設けるとともに、開口57の下端部と面一となるように棚59を設けている。2つの棚58,59は、中温水用水槽52の上部を横断するように設けられ、各開口55,57から流出する冷却水の助走路となる。2つの棚58,59は、それぞれの先端部に堰60,61が設けてある。堰60は、低温水用水槽51と中温水用水槽52との水位差を利用して低温水用水槽51から冷却水を中温水用水槽52へ落下する滝を形成する。堰61は、高温水用水槽53と中温水用水槽52との水位差を利用して高温水用水槽53から中温水用水槽52へ冷却水を落下する滝を形成する。ここで、堰60と堰61との滝口落差ΔH、堰60の下端と堰61の上端の差Δh、堰60と堰61との間隔ΔW、堰61の上端と中温水用水槽52の液面との高さΔHa、中温水用水槽52の冷却水の深さΔDは、滝状の落下流れによる合流混合や、落水水塊の位置エネルギによる溜められた水中への速度を伴う突入とそれによる対流発生や、滝状落下水による気泡発生により生じる攪拌混合を効率的に起こさせるために必要な条件を設ける。例えば、下記の条件を満足することが望ましい。堰60と堰61との滝口落差ΔHは0.5m程度、堰60の下端と堰61の上端の差Δhは0.1〜0.2m程度、堰60と堰61との間隔ΔWは0.1〜0.2m程度、堰61の上端と中温水用水槽52の液面との高さΔHaは0.5〜1.0m程度、中温水用水槽52の冷却水の深さΔDは1.0〜1.5m程度とする。なお、これらの値は、その系にて種々の条件により定める。
冷却水槽50の低温水用水槽51と中温水用水槽52と高温水用水槽53とは、蓄熱を目的としたものではなく、外気条件の変動や負荷変動に伴う系の運転状況の変化に伴う各水槽内水温のばらつき抑えることを目的とするため、系の全長などにより多少変わるが、最大負荷時循環水量の数分(2〜3分)程度のものとする。
低温水用水槽51は、冷却塔31,33,35で冷やされた冷却水(夏期の最大負荷時には冷却塔ポンプ32,34,36は定格水量で流し、冷却塔入口温37℃であれば冷却塔出口温度32℃にまで冷やされた冷却水であり、冬期には冷却塔ポンプの合計流量を絞りかつ外気温が低下するため、例えば冷却塔入口温度を37℃であれば冷却塔出口温度を27℃にまで冷やした冷却水である。)を受け入れ、かつ低温水用水槽内の水が混合されるので低温冷却水として低い温度に平均化され、中温水用水槽52との間の槽間隔壁54に設けられた開口55より二槽間の水位差を利用した滝状の落水にして中温水用水槽52に冷やされた冷却水を送水する。夏期や中間期の一部においては、低温水用水槽51内の冷却水温は冷却塔31,33,35の運転状態にて管理される。また、冬期等においては、高温水用水槽53から熱交換器回路40a,40bを通過した加熱源として利用され冷却されて還ってくる冷却水の受け入れ水槽でもある。この場合は、この熱交換器回路40a,40bからの還り水の温度や流量の状態も、低温水用水槽51内の冷却水温の管理用信号として利用される。
中温水用水槽52は、通常は冷凍機21,23,25への低温水用水槽51で調整された冷却水の供給水槽であり、冬期、中間期においては低温水用水槽51から開口55を通って落下流入する滝状の低温冷却水と高温水用水槽53から堰61を通って落下流入する滝状の高温冷却水との攪拌混合、温度調整機能とを有する。
この冬期や中間期における開口55から棚58および堰60を介して落下する低温冷却水と、開口57から棚59および堰61を介して落下する高温冷却水とが発生するのは、冷凍機側の冷却水量は冷凍機の凝縮器の入口出口での温度差を5℃に保ったまま運転するのに対し、冷却塔31,33,35の入口出口の水温差は、外気温低下による冷却塔の能力アップおよび外気温低下による冷房負荷の低減から、定格の5℃差ではなく、例えば10℃差が取れることによる冷却塔ポンプ32,34,36の定格比半分以下の流量となることにより引き起こされる。冷凍機21,23,25の凝縮器を流れる冷却水は冷房負荷の減により定格よりは少なくても温度差が5℃であり、このときの冷凍機回路20a+20b+20cの合計流量を1とすると、冷却塔31,33,35の入口出口水温差が10℃で熱交換器回路40a,40bの流量がゼロならば、冷却塔回路30a+30b+30cの合計流量は0.5である。よって、冷凍機回路20a,20b,20cで中温水用水槽52から1の流量で汲みだして、高温水用水槽53へ移したところが、冷却塔回路30a,30b,30cで高温水用水槽53から0.5の流量で低温水用水槽51へ移すこととなり、残り0.5が高温水用水槽53に余剰となり、開口57から棚59および堰61を介して中温水用水槽52へ注ぎ落ちることとなる。中温水用水槽52には、低温水用水槽からも冷却塔回路30a,30b,30cを搬送された0.5の流量の冷却水が開口55から棚58および堰6051を介して注ぎ落ちて供給される。
高温水用水槽53は、冷凍機21,23,25の各凝縮器による冷凍サイクルの冷媒からの排熱を熱交換された高温冷却水を受け入れ、冷却塔回路30a,30b,30cの冷却塔ポンプ32,34,36により汲み上げられて冷却塔31,33,35に送水する高温冷却水の供給源となり、また、熱交換器回路40a,40bの循環ポンプ42,44により汲み上げられる冷凍機排熱を運ぶ高温冷却水を、温熱源として加熱負荷へ送水供給するための供給源となるものである。さらにまた、中間期や冬期に冷却塔31,33,35の能力が外気温低下と共に増加し、大きな冷却水温度差が生じ冷却塔31,33,35の運転台数が冷凍機運転台数に比して減じられた場合、中温水用水槽52との間の槽間隔壁56に設けられた開口57から二槽間の水位差を利用した滝状の落水にして中温水用水槽52に温かい冷却水を供給し、中温水用水槽52の水温調整と冷凍機21,23,25への送水量確保とを司る。
そして、低温水用水槽51と中温水用水槽52とを仕切る槽間隔壁54に設けた開口55は、高温水用水槽53と中温水用水槽52とを仕切る槽間隔壁56に設けた開口57より高所に位置するように形成されている。これにより、低温水用水槽51と、中温水用水槽52および高温水用水槽53とは、水位を必ず低温水用水槽51が高くなるように保持でき、冷凍機群および冷却塔群の動作により、中温水用水槽52が高温水用水槽53より必ず水位が低くなるよう保持可能となる。そのため、低温水用水槽51から中温水用水槽52へ、高温水用水槽53から中温水用水槽52へ、と常に流れ方向を定めることができ、不用意に流れ方向が逆に変化することによる予期しない水温の混合を避けることができる。よって各槽の機能目的の明確化が図られている。
開口55,57および堰60,61と滝について説明する。開口55,57および堰60,61を設けることにより、低温水用水槽51と中温水用水槽52と高温水用水槽53とは各々所定の水位を保ち、滝状の落水を発生させ、落水による衝突攪拌と同時に発生する気泡の浮上による攪拌作用による二者(中温水用水槽52内の水と落水)または三者(低温落水と高温落水と中温水用水槽52内の水)を速やかに混合し、中温水用水槽52内部の温度差を少なくすることを可能としている。
なお、冷凍機21,23,25は、図9に示す従来装置と同様に、冷水を空気調和装置の冷水コイルに供給できるように、冷凍機の蒸発器の入口出口に各々接続され、往きヘッダと還りヘッダとを連絡する配管路を備えている。
次に、斯くして構成された本実施形態に係る冷凍機システム10の作用を説明する。
図6は、夏期の冷房ピーク負荷での通常運転を示す。
予備機のない図1および図6の冷凍機システムでは、3台の冷凍機21,23,25と3台の冷却塔31,33,35とが全てフルに稼働され、3つの冷凍機回路20a,20b,20cおよび3つの冷却塔回路30a,30b,30cとも、それぞれの冷却水ポンプ22,24,26と冷却塔ポンプ32,34,36は定格の流量で運転される。図6では、運転される回路は太線で示す。それによって、3つの冷凍機回路20a,20b,20cの冷却水ポンプ22,24,26により中温水用水槽52から汲み上げられた冷却水は、それぞれ冷凍機21,23,25の凝縮器を通って冷凍サイクルの冷媒と熱交換されて高温となり、高温水用水槽53に送り出される。この高温水用水槽53から3つの冷却塔回路30a,30b,30cの冷却塔ポンプ32,34,36により汲み上げられた冷却水は、それぞれ冷却塔31,33,35によって冷やされて低温水用水槽51に送り出される。ここで、夏のピーク負荷時には、外気の湿球温度が最高27℃程度まで上昇するため、冷凍機21,23,25の凝縮器にて熱交換されて出てきた37℃の高温冷却水を冷却塔に導入して冷却するのだが、冷却塔31,33,35では定格容量フルで外気と熱交換させても32℃までしか冷却できず、冷却塔31,33,35の入口出口温度差は5℃となる。この冷却塔31,33,35の出入口冷却水は、冷凍機21,23,25の凝縮器の入口出口冷却水温差5℃とその絶対値32℃および37℃とほぼ等しくなる。よって、中温水用水槽52から冷凍機回路20a,20b,20cが汲み上げる冷却水量と、高温水用水槽53から冷却塔回路20a,20b,20cが汲み上げる冷却水量とが等しくなる。よって、高温水用水槽53の開口57から中温水用水槽52に向かう水流は発生せず、低温水用水槽51の開口55から棚58および堰60を介して中温水用水槽52に向かって滝となって落下する。
冷凍機21,23,25は、負荷に追従して容量制御され、冷却塔31,33,35は低温水用水槽51を32℃に保つように台数またはファンが制御される。
図7は、冬期の通常運転を示す。
外気が低温となり、外気負荷や建屋負荷が減少し、冷却塔31,33,35で熱交換する相手の外気が低温となることから冷却塔31,33,35の能力が増大することで、例えば2台の冷凍機21,23と1台の冷却塔31とが稼働される。それによって、2つの冷凍機回路20a,20bの冷却水ポンプ22,24により中温水用水槽52の冷却水が汲み上げられ、それぞれ冷凍機21,23の凝縮器で冷凍サイクルの冷媒と熱交換されることによって加熱され37℃の高温冷却水となって高温水用水槽53に送り出される。この場合、冷凍機側の冷却水量は冷凍機21,23の凝縮器の入口出口での温度差を5℃に保ったまま運転される。これに対し、冷却塔31の入口出口の水温差は、外気温低下による冷却塔の能力アップにより、定格の5℃差ではなく、10℃差が取れるようになり、同じ冷却塔で倍の能力が発揮できるようになる。よって1つの冷却塔回路30aの冷却塔ポンプ32により高温水用水槽53の冷却水が汲み上げられ、冷却塔31によって冷やされて低温水用水槽51に送り出されることとなる。この低温水用水槽51に送られた冷却塔回路30aにより送られた冷却水は、図5に示すように、低温水用水槽51の開口55から棚58を助走水路として矢印方向に流れ、堰60から中温水用水槽52に向かって滝となって落下する。ここで、冷却塔31が夏のピーク負荷時の倍の冷却能力を発揮して、冷却塔ポンプ32の定格流量で温度差を5℃ではなく10℃で送れるようになるため、冷凍機回路20a,20bで中温水用水槽52から高温水用水槽に汲み上げた冷却水の内、冷却塔回路30aに汲み上げられなかった冷凍機回路1系統分の流量が、図5に示すように、高温水用水槽53の開口57から棚59を助走水路として矢印方向に流れ、堰61から中温水用水槽52に向かって滝となって落下する。そして、図5に示すように、堰60を介して中温水用水槽52に向かって滝となって落下する冷却水と、高温水用水槽53の開口57から中温水用水槽52に向かって滝となって落下する冷却水とは、相互に衝突し混合しながら空気を巻き込んで落下し、中温水用水槽53の水面と衝突してさらに混合し、中温水用水槽53の中で混入空気による泡発生と気泡浮上により攪拌される。そして、矢印で示すように中温水用水槽52を汲上側に向かって移動する。
本実施形態では、冷凍機21,23の凝縮器で冷凍サイクルの冷媒と熱交換され冷却水に伝えられた排熱を、2つの熱交換器回路40a,40bによって高温水用水槽53内の高温冷却水を温熱源として循環ポンプ42,44で汲み上げ、熱交換器2次側に純水を流して純水の加熱に使用していたり、熱交換器2次側に取り入れ外気を流して、冬期などにおける外気調和機での外気への水加湿を行って半導体製造工場などで要求される11℃露点まで外気を断熱加湿できるような外気の前段加熱の熱源としても使用している。
本実施形態によれば、外気温の低下とともに冷却塔の冷却能力が増大するため、冷凍機21,23,25の凝縮器における排出熱量より冷却塔処理熱量が過大となるので、低温水用水槽51の計測温度による制御信号により、冷却塔31,33,35がそれぞれ備えるファンや、冷却塔ポンプ32,34,36の台数制御もしくは回転数制御が行われる(ファン、ポンプ動力セービングのため)。
低温水用水槽51の計測温度制御信号により、冷却塔ポンプ32,34,36の運転台数制御が行われる際は、2台の冷凍機21,23が稼働し、つまり冷凍機回路20a,20bともその冷却水ポンプが稼働し、1つの冷却塔回路30aが稼働するだけで冷凍機システムが成立する場合がある。このとき、2台の冷却水ポンプ22,24が動作し、1台の冷却塔ポンプ32が働くときには、もし冷却水ポンプ22,24と冷却塔ポンプ32,34,36の流量が同じ場合は、高温水用水槽53において冷却塔ポンプ1台分の冷却水量が余剰となるので、高温水用水槽53から中温水用水槽52へ開口57から棚59および堰61を介して水の落下流入が生じ、また、低温水用水槽51から開口55から棚58および堰60を介した低温冷却水の供給もあるので、中温水用水槽52において、すでに満たされている中温水用水槽52の水に低温水用水槽51と高温水用水槽53とからの流入が生じ、これら三者が速やかに混合均一化することが必要となる。混合均一化しないと冷凍機回路20a,20bに汲み上げる冷却水温度に変動が生じ、冷凍機21,23による適切な冷水の冷凍に支障をきたすこととなる。これらの混合や攪拌のしくみは、堰60,61からの落水として供給される冷却水と中温水用水槽52中の溜められた水との衝突による波立ちや、落水水塊の位置エネルギによる溜められた水中への速度を伴う突入とそれによる対流発生や、その落下水塊の流入時発生する渦や水面の乱れにより同伴される空気により中温水用水槽52中の溜められた水中で発生する気泡による水の対流との速度差による攪拌など利用するものであり、非常に均一に混合されるのである。
図8は、中間期の通常運転を示す。
外気が低温となり、外気負荷や建屋負荷が減少し、冷却塔で熱交換する相手の外気が低温となることから冷却塔の能力が増大することで、例えば3台の冷凍機21,23,25と2台の冷却塔31,33とが稼働される。それによって、3つの冷凍機回路20a,20b,20Cの冷却水ポンプ22,24,26により中温水用水槽52の冷却水が汲み上げられ、それぞれ冷凍機21,23,25の凝縮器で冷凍サイクルの冷媒と熱交換されることによって加熱され37℃の高温冷却水となって高温水用水槽53に送り出される。この場合、冷凍機側の冷却水量は冷凍機21,23,25の凝縮器の入口出口での温度差を5℃に保ったまま運転される。これに対し、冷却塔31,33の入口出口の水温差は、外気温低下による冷却塔の能力アップにより、定格の5℃差ではなく、大きな温度差が取れるようになり、同じ冷却塔31,33で夏のピーク負荷時より能力が発揮できるようになる。よって、2つの冷却塔回路30a,30bの冷却塔ポンプ32,34により高温水用水槽53の冷却水が汲み上げられ、冷却塔31,33によって冷やされて低温水用水槽51に送り出されることとなる。この低温水用水槽51に送られた冷却塔回路30a、30bにより送られた冷却水は、低温水用水槽51の開口55から棚58および堰60を介して中温水用水槽52に向かって滝となって落下する。ここで、冷却塔31が夏のピーク負荷時よりも大きい冷却能力を発揮して、冷却塔ポンプ32の定格流量で温度差を5℃ではなく大温度差で送れるようになるため、冷凍機回路20a,20b,20cで中温水用水槽52から高温水用水槽に汲み上げた冷却水の内、冷却水ポンプ22,24と冷却塔ポンプ32,34,36の流量が同じならば、冷却塔回路30a,30b,30cに汲み上げられなかった冷凍機回路1系統分の流量が、高温水用水槽53の開口57から棚59および堰61を介して中温水用水槽52に向かって滝となって落下する。
中間期は外気湿球温度が低いため、冷却塔の能力が夏のピーク負荷時より大きくなる。そのため、3台の冷凍機21,23,25の凝縮器により熱交換された排熱を冷却するのに2台の冷却塔31,33とでまかなうことができる。この場合、冷却塔31,33の冷却水出入口温度差は、7℃〜9℃のように5℃よりも大きくなる。
本実施形態によれば、外気温の低下とともに冷却塔の冷却能力が増大するため、冷凍機21,23,25の凝縮器における排出熱量より冷却塔処理熱量が過大となるので、低温水用水槽51の計測温度による制御信号により、冷却塔31,33,35がそれぞれ備えるファンや、冷却塔ポンプ32,34,36の台数制御もしくは回転数制御が行われる(ファン、ポンプ動力セービングのため)。
低温水用水槽51の計測温度制御信号により、冷却塔ポンプ32,34,36の運転台数制御が行われる際は、3台の冷凍機21,23,25が稼働し、つまり冷凍機回路20a,20b,20cともその冷却水ポンプが稼働し、2つの冷却塔回路30aと30bとが稼働するだけで冷凍機システムが成立する上記のような場合がある。このとき、3台の冷却水ポンプ22,24,26が動作し、2台の冷却塔ポンプ32,34が働くときには、冷却水ポンプ22,24と冷却塔ポンプ32,34,36の流量が同じならば、高温水用水槽53において冷却塔ポンプ1台分の冷却水量が余剰となるので、高温水用水槽53から中温水用水槽52へ開口57から棚59および堰61を介して水の落下流入が生じ、また、低温水用水槽51から開口55から棚58および堰60を介した低温冷却水の供給もあるので、中温水用水槽52において、すでに満たされている中温水用水槽52の水に低温水用水槽51と高温水用水槽53とからの流入が生じ、これら三者が速やかに混合均一化することが必要となる。混合均一化しないと冷凍機回路20a,20b,20cに汲み上げる冷却水温度に変動が生じ、冷凍機21,23,25による適切な冷水の冷凍に支障をきたすこととなる。これらの混合や攪拌のしくみは、堰60,61からの落水として供給される冷却水と中温水用水槽52中の溜められた水との衝突による波立ちや、落水水塊の位置エネルギによる溜められた水中への速度を伴う突入とそれによる対流発生や、その落下水塊の流入時発生する渦や水面の乱れにより同伴される空気により中温水用水槽52中の溜められた水中で発生する気泡による水の対流との速度差による攪拌など利用するものであり、非常に均一に混合されるのである。
次に、冷凍機21,23,25の凝縮器で熱交換された排熱を利用する場合(ただし、常に冷凍機排熱量>利用排熱量)について説明する。
夏期、中間期、冬期ともに冷凍機21,23,25の凝縮器で熱交換された排熱を利用する場合、冷却塔31,33,35における外気への熱排出の一部を排熱利用部、つまり熱交換器回路40a,40bで消化するため、その分の冷却塔が停止し、冷却塔回路30a,30b,30c系の水量減となり、排熱利用系、つまり熱交換器回路40a,40bの水量が増大することとなるが、排熱利用系の利用温度差が定格の冷却塔出入口冷却水温度差5℃より大幅に大きな時、排熱利用系を流れる水量は減少することから、高温水用水槽53において冷却水量が余剰となるので、高温水用水槽53から中温水用水槽52への開口57を通じた流れが生じる(熱量は別)。この時、中温水用水槽52へは低温水用水槽51と高温水用水槽53との両方からの滝状の流れができる。大きく異なる水温の流れを短時間、小スペースで混合させることが必要となる。このため、堰60から落水する冷却塔ポンプ32,34の2台分の流量による落水の放物線が、安定した中温水用水槽52の水位と交わる点と、堰61から落水する冷却水ポンプ22の1台分の流量による落水の放物線が、安定した中温水用水槽52の水位と交わる点とがほぼ一致するか、或いは空中で2つの放物線が交錯するように、槽間隔壁54と槽間隔壁56との距離を設定すれば、落下する異なる温度の落水水塊がうまく混合できて、混合や攪拌のしくみ、つまり堰60,61からの落水として供給される冷却水と中温水用水槽52中の溜められた水との衝突による波立ちや、落水水塊の位置エネルギによる溜められた水中への速度を伴う突入とそれによる対流発生や、その落下水塊の流入時発生する渦や水面の乱れにより同伴される空気により中温水用水槽52中の溜められた水中で発生する気泡による水の対流との速度差による攪拌効果が最大限発揮できる。
以上のように、冷却塔にて大気に冷凍機の冷凍サイクル凝縮器で発生する排熱を放熱する際に、夏のピーク負荷時以外では、冷却水槽に設けた堰から落下する滝により異なった温度の冷却水をうまく混合することで、冷凍機の負荷に応じた運転を行いつつ、冷凍機の冷凍サイクル凝縮器で発生する排熱を加熱熱源として利用したり、排熱を冷却塔にて大気に放熱させたりして運転できる。また、冬期や中間期における、外気調和機における外気への水加湿のための前段加熱負荷などが発生する場合は、冷凍機の凝縮器側の排熱を冷却水槽の高温水用水槽に一度集めるので、ここから別な循環路を負荷と高温水用水槽とを連絡しポンプで循環することで、これを加熱熱源として利用でき、ボイラーの稼働台数の削減と冷却塔稼動台数の削減を行える。また、冷房を目的とする冷凍機の冷凍サイクル凝縮器で発生する副産物の排熱を加熱熱源として利用する時、利用仕切れずに残った排熱を冷却塔にて大気に放熱させる場合、水温の急激な変化を吸収するバッファとしての冷却水槽が介在することで、冷凍機、冷却塔、冷却コイル、加熱熱交換器、加熱コイル、配管類の熱容量やそれらを制御する自動制御系の特性から熱源システムに乱れが生じる危険を回避できる。また、同様に水温の急激な変化を吸収するバッファとしての冷却水槽が介在することで、負荷量や気象条件などの変動に対してシステムを高効率に維持させるための切り替えや、定期メンテナンスや機器トラブルによる稼働機器の切り替えなどによる冷凍機システムの冷却水系全体に対する乱れの発生を抑制できる。
さらに、本実施形態によれば、冷凍機21,23,25について、夏のピーク負荷時以外における高効率運転、つまり凝縮器へ導入される冷却水温の低下に対して、圧縮機の能力を絞れることにより効率が上昇し、つまり、成績係数(COP)=蒸発器で奪う熱量(kcal)/(圧縮機に要する電力量(KW)×860(kcal/KW))が向上し、消費電力の削減がはかれるように外気温度に応じて冷却水温を下げるべく冷却塔31,33,35の運転管理ができる。
夏のピーク負荷時以外において、外気湿球温度が低いとき冷却水温を低く設定でき、冷凍機21,23,25のCOPを高めての使用が可能となる。
中間期、冬期において、外気湿球温度が低い期間には冷却塔能力が増大するが、冷凍機と冷却塔とが配管で閉回路を形成して固定された対とならず、冷凍機群と冷却塔群とを別な配管系として形成できるので、低温水用水槽51の計測温度による制御信号により、冷却塔31,33,35がそれぞれ備えるファンや、冷却塔ポンプ32,34,36の台数制御もしくは回転数制御が行われ、台数制御であれば一部停止が可能となる。
冷凍機21,23,25、冷却塔31,33,35、ポンプ類、機器のトラブル発生時、各機器の組合せに融通性が大きくなる。また、メンテナンス時にも同様に融通性が出る。
冷凍機排熱(冷凍機出口冷却水)を、温熱源として利用でき、併せて冷却塔の動力削減が行える。
冷凍機入口冷却水温の変動が小さくでき、冷凍機安定運転ができる。
また、冷凍機と冷却塔とが配管で閉回路を形成して固定された対とならず、冷凍機群と冷却塔群とを別な配管系として形成できるので、各機器の(冷凍機、冷却塔)方式、形式、特性などの色々のものの組合せが可能で、負荷状況、外気条件、環境対応(白煙防止)などにより適切な方法がとりやすい。
なお、上記実施形態では、3つの冷凍機回路20a,20b,20cと、3つの冷却塔回路30a,30b,30cと、2つの熱交換器回路40a,40bとを備えた場合について説明したが、本発明はこれに限らず、使用目的に応じて各機器の(冷凍機、冷却塔)方式、形式、特性、台数、能力などを任意に変更することが可能である。例えば、冷凍機については、圧縮式冷凍機を例に述べてきたが、吸収式冷凍機の吸収器および凝縮器に対して熱の授受を行う冷却水についても、当然「冷凍機システムの凝縮器側の冷却水系」であることはいうまでもない。
本発明の一実施形態に係る冷凍機システムを示す説明図である。 図1の冷凍機システムに用いる冷却水槽を示す斜視図である。 図1の冷凍機システムに用いる冷却水槽を示す平面図である。 図1の冷凍機システムに用いる冷却水槽を示す断面図である。 図1の冷凍機システムに用いる冷却水槽の作用を示す説明図である。 図1の冷凍機システムの夏期の運転状態を示す説明図である。 図1の冷凍機システムの冬期の運転状態を示す説明図である。 図1の冷凍機システムの中間期の運転状態を示す説明図である。 従来の冷凍機システムを示す説明図である。
符号の説明
10 冷凍機システム
20a,20b,20c 冷凍機回路
21,23,25 冷凍機
22,24,26 冷却水ポンプ
30a,30b,30c 冷却塔回路
31,33,35 冷却塔
31,33,35 冷却塔ポンプ
40a,40b 熱交換器回路
41,43 熱交換器
42,44 循環ポンプ
50 冷却水槽
51 低温水用水槽
52 中温水用水槽
53 高温水用水槽
54,56 槽間隔壁
55,57 開口
58,59 棚
60,61 堰

Claims (7)

  1. 冷凍機システムの凝縮器側の冷却水系において、
    冷凍機と冷却水ポンプとを有する冷凍機回路と、
    冷却塔と冷却塔ポンプとを有する冷却塔回路と、
    低温水用水槽、中温水用水槽および高温水用水槽に仕切った冷却水槽とを備え、
    前記冷凍機回路は、前記中温水用水槽と前記高温水用水槽との間に配され、
    前記冷却塔回路は、前記低温水用水槽と前記高温水用水槽との間に配され、
    前記低温水用水槽と前記中温水用水槽とを仕切る槽間隔壁は、前記低温水用水槽から前記中温水用水槽へ冷却水を落下する開口を設け、
    前記低温水用水槽と前記中温水用水槽とを仕切る槽間隔壁と前記中温水用水槽と前記高温水用水槽とを仕切る槽間隔壁との間に、前記低温水用水槽の開口から流出する冷却水を導く棚を設けるとともに、前記低温水用水槽と前記中温水用水槽との水位差を利用して前記低温水用水槽から前記中温水用水槽へ冷却水を落下する滝を形成する堰を前記棚の先端部に設け、
    前記中温水用水槽と前記高温水用水槽とを仕切る槽間隔壁は、前記高温水用水槽から前記中温水用水槽へ冷却水を落下する開口を設け、
    前記低温水用水槽と前記中温水用水槽とを仕切る槽間隔壁と前記中温水用水槽と前記高温水用水槽とを仕切る槽間隔壁との間に、前記高温水用水槽の開口から流出する冷却水を導く棚を設けるとともに、前記高温水用水槽と前記中温水用水槽との水位差を利用して前記高温水用水槽から前記中温水用水槽へ冷却水を落下する滝を形成する堰を前記棚の先端部に設けている
    ことを特徴とする冷凍機システム。
  2. 請求項1記載の冷凍機システムにおいて、
    前記低温水用水槽と前記中温水用水槽とを仕切る槽間隔壁に設けた開口は、前記高温水用水槽と前記中温水用水槽とを仕切る槽間隔壁に設けた開口より高所に位置する
    ことを特徴とする冷凍機システム。
  3. 請求項1または請求項2記載の冷凍機システムにおいて、
    前記低温水用水槽と前記中温水用水槽とを仕切る槽間隔壁と、前記中温水用水槽と前記高温水用水槽とを仕切る槽間隔壁との間に設けた2つの棚は、それぞれ前記開口の下端部と面一となるように設けられている
    ことを特徴とする冷凍機システム。
  4. 請求項1ないし請求項3の何れか記載の冷凍機システムにおいて、
    熱交換器と循環ポンプとを有する熱交換器回路を、前記高温水用水槽と前記低温水用水槽との間に配してなる
    ことを特徴とする冷凍機システム。
  5. 冷凍機システムの凝縮器側の冷却水系に用いられる冷却水槽において、
    低温水用水槽と、中温水用水槽と、高温水用水槽とを備え、
    前記低温水用水槽と前記中温水用水槽とを仕切る槽間隔壁は、前記低温水用水槽から前記中温水用水槽へ冷却水を落下する開口を設け、
    前記低温水用水槽と前記中温水用水槽とを仕切る槽間隔壁と前記中温水用水槽と前記高温水用水槽とを仕切る槽間隔壁との間に、前記低温水用水槽の開口から流出する冷却水を導く棚を設けるとともに、前記低温水用水槽と前記中温水用水槽との水位差を利用して前記低温水用水槽から前記中温水用水槽へ冷却水を落下する滝を形成する堰を前記棚の先端部に設け、
    前記中温水用水槽と前記高温水用水槽とを仕切る槽間隔壁は、前記高温水用水槽から前記中温水用水槽へ冷却水を落下する開口を設け、
    前記低温水用水槽と前記中温水用水槽とを仕切る槽間隔壁と前記中温水用水槽と前記高温水用水槽とを仕切る槽間隔壁との間に、前記高温水用水槽の開口から流出する冷却水を導く棚を設けるとともに、前記高温水用水槽と前記中温水用水槽との水位差を利用して前記高温水用水槽から前記中温水用水槽へ冷却水を落下する滝を形成する堰を前記棚の先端部に設けている
    ことを特徴とする冷却水槽。
  6. 請求項5記載の冷却水槽において、
    前記低温水用水槽と前記中温水用水槽とを仕切る槽間隔壁に設けた開口は、前記高温水用水槽と前記中温水用水槽とを仕切る槽間隔壁に設けた開口より高所に位置する
    ことを特徴とする冷却水槽。
  7. 請求項5または請求項6記載の冷却水槽において、
    前記低温水用水槽と前記中温水用水槽とを仕切る槽間隔壁と、前記中温水用水槽と前記高温水用水槽とを仕切る槽間隔壁との間に設けた2つの棚は、それぞれ前記開口の下端部と面一となるように設けられている
    ことを特徴とする冷却水槽。
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