JP2007292301A - ゲル状免震部材およびゲル状免震部材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】免震部材の製造効率を向上させること、免震部材の品質を向上させること。
【解決手段】ゲル状免震部材20(ゲル状樹脂材21)は、離型剤が塗布された保形容器10の収容部11に収容されており、その露出面は片面離型紙30によって覆われている。ゲル状免震部材20は、任意の硬度を有しており、その表面は強い粘着性を有している。
【選択図】図3

Description

本発明は、粘着性を伴うゲル状樹脂材によって形成される免震部材および免震部材の製造方法に関する。
粘着性を有するゲル状樹脂材、例えば、ゲル状のウレタン樹脂を用いた免震部材が普及している。免震部材は、免震マット、免震シートとも呼ばれ、様々な形状の免震部材が提供されている。一般的に、個々の免震部材製品は、離型処理された金型に樹脂材を注入し、樹脂材を加熱硬化させてゲル状の樹脂材とし、加熱硬化させたシート状のゲル状樹脂材の表裏面を離型紙によって覆い、プレス裁断することによって製造される。
特開2000−41770号公報
しかしながら、免震部材は、粘着性を有することが要求されるため、ゲル状樹脂材は加熱硬化後も高い粘着性を示す。この結果、ゲル状樹脂材を高価な離型紙によって包まなければ後工程における取扱性が極端に悪くなってしまうという問題がある。
また、プレス裁断には、一般的に、トムソン刃が用いられるが、切断対象となるゲル状樹脂材の粘度が高いため、ゲル状樹脂材がトムソン刃に付着し、除去しなければ次の裁断を実行できないという問題があった。例えば、通常の対象物を切断する際には1ショット1〜5秒程度で完了するところ、ゲル状樹脂材を裁断する場合には1ショット5分〜20分を要する。ゲル状樹脂材がトムソン刃に付着したまま裁断を継続した場合には、ゲル状樹脂材の切断面が荒れ、製品価値が著しく低下するという問題がある。
さらに、トムソン刃には離型剤を塗布する必要があると共に、付着したゲル状樹脂材を完全には除去できないため、トムソン刃の使用寿命が短くなるという問題がある。例えば、通常の対象物を裁断する場合には5,000〜20,000ショット可能であるところ、ゲル状樹脂材を裁断する場合には200ショット程度で切断性能が低下する。
裁断処理には、トムソン刃を用いた裁断処理以外に、例えば、超音波カッター、高水圧切断機を用いた裁断処理も知られているが、前者の場合には切断面が荒れ、後者の場合にはゲル状樹脂材の高い接着性に起因して切断後直ちに再接着してしまうため、実用には不向きであった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、免震部材の製造効率を向上させること、免震部材の品質を向上させることを目的とする。
上記課題を解決するために本発明の第1の態様は、粘着性を有するゲル状免震部材の製造方法を提供する。本発明の第1の態様に係るゲル状免震部材の製造方法は、複数の保形容器が連なる保形容器集合体に含まれる各保形容器に対して離型処理を施し、前記各保形容器内に第1の樹脂材を注入し、前記各保形容器に注入された前記第1の樹脂材に対して加熱硬化処理を施し、前記保形容器集合体を前記保形容器単位にて切断し、前記各保形容器において露出している第1の樹脂材面に離型シートを貼り合わせることを備える。
本発明の第1の態様に係るゲル状免震部材の製造方法によれば、保形容器集合体を構成する離型処理を施した各保形容器内に第1の樹脂材を注入し、加熱硬化後に保形容器単位にて切断してゲル状免震部材を製造するので、免震部材の製造効率を向上させることができると共に、免震部材の品質を向上させることができる。
本発明の第1の態様に係るゲル状免震部材の製造方法はさらに、前記各保形容器内の第1の樹脂材の上に前記第1の樹脂材とは異なる硬度を有する第2の樹脂材を注入し、前記各保形容器に注入された前記第2の樹脂材に対して加熱硬化処理を施し、前記離型シートの貼り合わせは、前記第1の樹脂材面に代えて、前記各保形容器において露出している第2の樹脂材面に対して行われても良い。
この場合には、異なる硬度を有する複層のゲル状免震部材を製造することができる。
本発明の第1の態様に係るゲル状免震部材の製造方法はさらに、前記第2の樹脂材を注入する前に、前記第1の樹脂材面に装飾ラベルを配置しても良い。あるいは、前記第2の樹脂材を注入する前に、前記第1の樹脂材面に印刷処理を施しても良い。この場合には、ゲル状免震部材の装飾性を向上させることができる。
本発明の第1の態様に係るゲル状免震部材の製造方法はさらに、前記保形容器内の第1の樹脂材の上に装飾ラベルを配置し、前記第1の樹脂材および前記装飾ラベルの上に第2の樹脂材を注入し、前記保形容器に注入された前記第2の樹脂材に対して加熱硬化処理を施し、前記離型シートの貼り合わせは、前記第1の樹脂材面に代えて、前記保形容器において露出している第2の樹脂材面に対して行われても良い。この場合には、ゲル状免震部材の装飾性を向上させることができる。
本発明の第1の態様に係るゲル状免震部材の製造方法において、前記装飾ラベルは少なくとも1つの孔を有しても良い。この場合には、貫通孔を介して、第1の樹脂材と第2の樹脂材との接着性を向上させることができる。
本発明の第2の態様に係るゲル状免震部材の製造方法はさらに、本発明の第1の態様に係るゲル状免震部材の製造方法と同様にして種々の態様にて実現され得る。
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様に係るゲル状免震部材の製造方法によって製造されたゲル状免震部材を提供する。本発明の第2の態様に係るゲル状免震部材によれば、免震部材の品質を向上させることができる。
本発明の第3の態様は粘着性を有するゲル状免震部材を提供する。本発明の第3の態様に係るゲル状免震部材は、第1の硬度を有する第1のゲル状樹脂層と、第1の硬度とは異なる第2の硬度を有する第2のゲル状樹脂層とを備える。
本発明の第3の態様に係るゲル状免震部材によれば、免震対象物および接地面に応じて各樹脂層の硬度を変更することができる。
本発明の第3の態様に係るゲル状免震部材はさらに、前記第1のゲル状樹脂層と前記第2のゲル状樹脂層との間に装飾ラベルを備えても良い。また、前記第1のゲル状樹脂層の表面には印刷によって装飾が施されていてもよい。この場合には、ゲル状免震部材の装飾性を向上させることができる。また、前記装飾ラベルは、1以上の貫通孔を有しても良い。この場合には、貫通孔を介して、第1の樹脂材と第2の樹脂材との接着性を向上させることができる。
以下、本発明に係るゲル状免震部材およびゲル状免震部材の製造方法について図面を参照しつつ、実施例に基づいて説明する。
・第1の実施例:
第1の実施例に係るゲル状免震部材およびその製造方法について図1〜図6を参照して説明する。図1は各実施例において共通して用いられる保形容器集合体を示す説明図である。図2は本実施例に係るゲル状免震部材の製造方法によって製造された保形容器に収容されているゲル状免震部材を示す説明図である。図3は保形容器に収容されている第1の実施例に係るゲル状免震部材の側断面図である。図4は第1の実施例に係るゲル状免震部材の側面図である。図5は第1の実施例に係るゲル状免震部材の製造工程を示す工程図である。図6は従来の製造方法において製造されたゲル状免震部材の側面図である。
本実施例では、製品出荷時に包装容器の一部をなす保形容器10、例えば、50mm×50mm×6mm(幅、奥行き、厚み)が複数連なってなる保形容器集合体100が用いられる。各保形容器10はゲル状樹脂材を注入し、ゲル状免震部材を形作るための収容部11を備えている。保形容器集合体100は、樹脂材、例えば、耐熱性ポリプロピレン樹脂を用いて、収容部11を真空成型によって形成することによって得られる。なお、図1においては保形容器集合体100は、4つの保形容器10から形成されているが、製品サイズ等のニーズに応じて、2つ、5つ等の様々な数の保形容器10から形成されていても良い。さらに、保形容器集合体100ではなく、1つの保形容器を用いても良い。
保形容器集合体100は、製造工程終了時に、図1中に示す一点破線X−XおよびY−Yに沿って切断されることによって、複数の保形容器10に分離される。図2に示すように、分離された各保形容器10の収容部11には、ゲル状免震部材20が収容されている。
本実施例に係る製造方法によって製造されたゲル状免震部材20(ゲル状樹脂材21)は、図3に示すように、保形容器10の収容部11に収容されており、収容部11と接していない露出面は片面離型紙30によって覆われている。保形容器10から取り出されたゲル状免震部材20は、図4に示す形態を有している。ゲル状免震部材20は、任意の硬度を有しており、その表面は強い粘着性を有している。
図4を参照して第1の実施例に係るゲル状免震部材の製造方法について説明する。先ず、保形容器集合体100の各保形容器10に注入するための液体樹脂材料を用意する(ステップS100)。本実施例では、2液タイプの低硬度ウレタンエラストマー(ウレタン技研工業製、セフタックH−30)を樹脂材料、具体的には、樹脂混合液として、用いた。2液タイプのウレタン系樹脂材料は、一般的に、主剤と硬化剤とを所定の混合比にて混合することによって硬化反応が開始する樹脂材料である。本実施例において用られる樹脂材料は、重量比で、主剤:硬化剤=3:2の割合で混合される。
さらに、本実施例において用いられる主剤および硬化剤は共に無色透明であり、着色剤を混合することによって所望の色のゲル状免震部材を得ることができる。混合に当たっては、硬化不良等を避けるため十分な撹拌混合が要求される。
主剤と硬化剤とを混合した後、混合時に樹脂混合液内に混入した空気を除去するため、真空脱泡を実行する(ステップS110)。真空脱泡は、例えば、真空脱泡機を用いて、10〜20mmHgの圧力下で、1分〜2分かけて実行される。真空脱泡された樹脂混合液の使用可能時間、20,000CPに到達するまでの時間は、約20分である。
各保形容器10の収容部11の内壁にシリコン系離型剤を塗布し(ステップS120)、用意した未硬化樹脂混合液を注入する(ステップS130)。
未硬化樹脂混合液が注入された保形容器集合体100を循環式乾燥機に入れ、加熱硬化処理を実行する(ステップS140)。加熱硬化処理は、例えば、100℃の温度条件下で、70分間実行される。加熱硬化処理が終了すると、循環式乾燥機から保形容器集合体100を取り出し、室温まで自然冷却する(ステップS150)。
冷却が完了した後、保形容器10単位にて保形容器集合体100を切断する(ステップS160)。切断によって得られた各保形容器10の硬化樹脂、ゲル状樹脂の露出面(表面)に、片面離型紙を貼り合わせて(ステップS170)、ゲル状免震部材が得られる。片面離型紙としては、例えば、ポリエチレンフィルム、シリコン処理が施されたポリエチレンフィルムが用いられる。
上記製造工程を経て得られたゲル状免震部材は、アスカー硬度27〜33で、強い粘着性を有するゲル状樹脂である。
以上説明した第1の実施例に係るゲル状免震部材の製造方法、およびゲル状免震部材によれば、ゲル状免震部材20の製造効率を向上させることができる。すなわち、上記実施例においては、ゲル状免震部材20は、製造工程を通して最終製品時に包装容器となる保形容器10に保持されている。したがって、粘着性の高いゲル状免震部材20を単独で取り扱う必要がなくなり、製造工程におけるゲル状免震部材20の取扱性を向上させることができる。また、従来の製造方法において時間を浪費していた、硬化後のゲル状樹脂を所望の大きさに裁断するための工程が不要となる。この結果、従来、例えば、1ショットにつき5分〜20分要していた裁断工程を省略することが可能となり、ゲル状免震部材10の製造時間を大幅に短縮することができる。
また、従来、ゲル状樹脂の裁断処理に要していた高いコスト、例えば、1ショット200円を削減することが可能となり、ゲル状免震部材の価格を低減することができる。
さらに、ゲル状樹脂の裁断処理を行う必要がないので、ゲル状免震部材20の側面は滑らかであり、製品品質を向上させることができる。すなわち、ゲル状樹脂の裁断処理を伴う場合には、ショット数が増加すると共に、図6に示すようにゲル状免震部材200の裁断面にやせ210が発生し、製品価値が損われていた。これに対して、本実施例においては、裁断処理が不要となるので、製品の歩留まり率を向上させることが可能となり、また、品質が均一な製品を容易に製造することができる。
また、本実施例に係るゲル状免震部材の製造方法によれば、粘着性を有し、取扱が容易でない硬化後のゲル状樹脂の搬送、移動が不要であるから、この点においても製造効率を向上させることができる。またさらに、本実施例に係るゲル状免震部材の製造方法によれば、高価な離型紙の使用頻度を大幅に低減することができるので、この点においても製造コストを低減することができる。
・第2の実施例:
図7〜図10を参照して、第2の実施例に係るゲル状免震部材およびその製造方法について説明する。図7は保形容器に収容されている第2の実施例に係るゲル状免震部材の側断面図である。図8は第2の実施例に係るゲル状免震部材の側面図である。図9は第2の実施例に係るゲル状免震部材の平面図である。図10は第2の実施例に係るゲル状免震部材の製造工程を示す工程図である。
第1の実施例では、単層のゲル状免震部材およびその製造方法について説明したが、第2の実施例では複層のゲル状免震部材およびその製造方法について説明する。なお、保形容器集合体100、保形容器10については、第1の実施例において用いたものと同様であるからその説明を省略する。
第2の実施例に係る製造方法によって製造されたゲル状免震部材20aは、図7に示すように、保形容器10と片面離型紙30によって覆われている。ゲル状免震部材20aは、図7および図8に示すように、第1のゲル状樹脂層21と第2のゲル状樹脂層22から形成されている。なお、ゲル状樹脂層は単にゲル状樹脂とも呼ぶ。保形容器10から取り出されたゲル状免震部材20aは、図8に示す形態を有している。ゲル状免震部材20aは、第1のゲル状樹脂層21と第2のゲル状樹脂層22とで、それぞれ異なるアスカー硬度を有しており、その表面は強い粘着性を有している。
第1のゲル状樹脂層21と第2のゲル状樹脂層材22との間には、装飾用のラベル40が配置されている。装飾用ラベル40は、図7および図9に示すように、第1のゲル状樹脂層21と第2のゲル状樹脂層22とが接触可能となるための貫通孔41を複数個備えている。装飾用ラベル40が貫通孔41を備えることによって、装飾用ラベル40が配置される場合であっても、第1のゲル状樹脂層21と第2のゲル状樹脂層22との接合、接着強度を向上させることが可能となり、第1のゲル状樹脂層21と第2のゲル状樹脂層22との剥離を抑制または防止することができる。
図10を参照して第2の実施例に係るゲル状免震部材の製造方法について説明する。先ず、保形容器集合体100の各保形容器10に注入するための第1の液体樹脂材料および第2の液体樹脂材料を用意する(ステップS200)。本実施例では、第1の樹脂材料として、2液タイプの低硬度ウレタンエラストマー(ウレタン技研工業製、セフタックH−30)を用いた。また、第2の樹脂材料として、同じく2液タイプの低硬度ウレタンエラストマー(ウレタン技研工業製、セフタックH−20)を用いた。両樹脂材の違いは、第1の樹脂材料の硬化後の硬度は30近傍(アスカー硬度)であり、第2の樹脂材料の硬化後の硬度は20近傍(アスカー硬度)である点である。なお、各樹脂材料における主剤と硬化剤との混合比は、第1の実施例において説明したとおりである。
主剤と硬化剤とを混合した後、混合時に第1および第2の樹脂混合液内に混入した空気を除去するため、真空脱泡を実行する(ステップS210)。真空脱泡は、例えば、真空脱泡機を用いて、10〜20mmHgの圧力下で、1分〜2分かけて実行される。真空脱泡された各樹脂混合液の使用可能時間、20,000CPに到達するまでの時間は、約20分である。
各保形容器10の収容部11の内壁にシリコン系離型剤を塗布し(ステップS220)、用意した第1の未硬化樹脂混合液を注入する(ステップS230)。注入は、例えば、5mmの深さの保形容器10に対して、2mmの厚さとなるよう実行される。注入にあたっては、例えば、自動計量混合塗布機を用いる。
第1の未硬化樹脂混合液が注入された保形容器集合体100を循環式乾燥機に入れ、加熱硬化処理を実行する(ステップS240)。加熱硬化処理は、例えば、100℃の温度条件下で、30分間実行される、半硬化処理である。加熱硬化処理が終了すると、循環式乾燥機から保形容器集合体100を取り出し、室温まで自然冷却する(ステップS250)。加熱硬化処理の結果、第1の樹脂混合液は、半硬化状態の第1のゲル状樹脂層21となる。
冷却が完了した後、装飾ラベル40を第1のゲル状樹脂層21の上に配置する(ステップS260)。装飾ラベル40としては、例えば、厚さ20ミクロン程度のポリプロピレン樹脂フィルムに対して所望の印刷処理がほどこされたものが用いられる。装飾ラベル40は、既述の通り、複数の貫通孔41を備えている。装飾ラベル40が備える複数の貫通孔41は、半硬化状態の第1のゲル状樹脂層21と、続いて注入される第2の樹脂混合液との接着性を向上させる。
装飾ラベル40が配置された第1のゲル状樹脂層21の上に、用意した第2の未硬化樹脂混合液を追加注入する(ステップS270)。注入は、例えば、3mmの厚さとなるよう実行される。
第2の未硬化樹脂混合液が注入された保形容器集合体100を循環式乾燥機に入れ、加熱硬化処理を実行する(ステップS280)。加熱硬化処理は、例えば、100℃の温度条件下で、60分間実行される。加熱硬化処理が終了すると、循環式乾燥機から保形容器集合体100を取り出し、室温まで自然冷却する(ステップS290)。加熱硬化処理の結果、半硬化状態の第1のゲル状樹脂層21は完全硬化し、第2の樹脂混合液は、完全硬化状態の第2のゲル状樹脂層22となる。
冷却が完了した後、保形容器10単位にて保形容器集合体100を切断する(ステップS300)。切断によって得られた各保形容器10の硬化樹脂、ゲル状樹脂層の露出面(表面)に、片面離型紙を貼り合わせて(ステップS310)、ゲル状免震部材が得られる。
上記製造工程を経て得られたゲル状免震部材は、第1のゲル状樹脂層21がアスカー硬度30程度、第2のゲル状樹脂層22がアスカー硬度20程度の硬度を有する、強い粘着性を有する2層ゲル状樹脂層である。
以上説明した第2の実施例に係るゲル状免震部材の製造方法、およびゲル状免震部材によれば、複層構造のゲル状免震部材20aを製造することができる。硬化後のゲル状樹脂を所望の大きさに裁断する必要がある従来の製法では、複層化によって厚みを増した場合、トムソン刃に対するゲル状樹脂の付着がより顕著となり、実質的に複層化は困難であった。これに対して、第2の実施例では、裁断処理が不要となるので、複層化にあたって従来問題となっていた問題点を解決することができる。さらに、第1の実施例において述べた利点を享受することができる。
また、第2の実施例によれば、異なる硬度の第1のゲル状樹脂層21と第2のゲル状樹脂層22とを備えるゲル状免震部材20aを得ることができるので、ゲル状免震部材20aの適用対象物を拡大することができる。例えば、花瓶のように円弧状の接地部を有し、接地面に対する接地面積が少ない免震対象物の場合、従来のゲル状免震部材では、所望の免震性能を提供することができなかった。これは、免震部材の硬度を下げれば免震部材としての機能が低下し、免震部材の硬度を維持すれば接触面積の不足によって免震対象物を十分に支持することができないからである。これに対して、第2の実施例に係るゲル状免震部材20aでは、例えば、免震対象物と接触する面には硬度の低い第2のゲル状樹脂層22を対向させることによって、免震対象物の底部を包み込み、接地面に対しては硬度の高い第1のゲル状樹脂層21を対向させることによって十分な免震性能を発揮することができる。
さらに、第2の実施例に係るゲル状免震部材20aは、第1のゲル状樹脂層21と第2のゲル状樹脂層22との間に装飾ラベル40を有している。したがって、ゲル状免震部材20aの装飾性を向上させることができる。これに対して従来の単層ゲル状免震部材では、ラベルを所望の位置に配置することが極めて困難であり、装飾ラベルを用いてゲル状免震部材に装飾性を持たせることが事実上不可能であった。
・その他の実施例:
上記第2の実施例では、異なる硬度を有するゲル状樹脂層によって形成される二層ゲル状免震部材20aについて説明しているが、同一硬度のゲル状樹脂層を用いて二層ゲル状免震部材を製造しても良い。この場合には、主に、装飾ラベル40を用いて装飾性に優れるゲル状免震部材を製造することができる。
また、上記第2の実施例では、装飾ラベル40として、ポリプロピレン樹脂フィルム製の装飾ラベルを用いているが、この他にも、例えば、刺繍を施した布片を用いても良い。この場合には、装飾ラベル40に立体感、より一層の高品質感を与えることができる。
さらに、上記第2の実施例では、2層の例を取って説明したが、この他にも、3層、4層のゲル状免震部材としても良いことは勿論である。何層とするかは、免震対象物によって適宜、変更されれば良い。
また、上記第2の実施例において、装飾ラベル40を備えなくても良い。この場合には、例えば、第1のゲル状樹脂層21と第2のゲル状樹脂層22とに異なる着色処理を施すことにより、二面のうちいずれの面を接地面に対向させ、いずれの面を免震対象物に対向させるべきかを容易に判別可能とすることができる。
上記実施例におけるゲル状免震部材20、20aの大きさは例示であり、要求に応じて種々の大きさのゲル状免震部材20、20aを製造することができる。また、厚みにおいては、一般的に5mm〜20mm程度であり、複層化時には、例えば、免震対象物と接する層を5〜6mm、接地面に接する層を2〜3mmとしても良い。
上記実施例において用いられた樹脂材は一例であり、この他にも高い粘着性、硬度の条件を満たす様々な樹脂材を用いることができる。すなわち、本実施例に係るゲル状免震部材の製造方法は、硬化後にゲル化し、離型剤を用いなければ取り扱いが困難となる高い粘着性を示すゲル状の樹脂材全般に対して有用である。
上記実施例においては、複数の保形容器が連なる保形容器集合体を用いる例に基づいて説明したが、単一の保形容器を用いてゲル状免震部材が製造されても良い。この場合には、粘着性を有するゲル状免震部材の製造方法であって、包装容器の一部をなす保形容器に離型処理を施し、前記保形容器内に第1の樹脂材を注入し、前記保形容器に注入された前記第1の樹脂材に対して加熱硬化処理を施し、前記保形容器において露出している第1の樹脂材面に離型シートを貼り合わせることを構成要件として備えればよい。単一の保形容器を用いる場合であっても、複数の保形容器が連なる保形容器集合体と同様にして、ゲル状樹脂材の複層化、ラベルシートによる装飾性の向上を図る得ることは言うまでもない。
上記第2の実施例においては、装飾ラベル40を用いてゲル状免震部材に装飾性を持たせているが、印刷処理によってゲル状免震部材に装飾性を持たせても良い。具体的には、保形容器集合体100を取り出し、室温まで自然冷却した後(ステップS250)、ステップS260に代えて、第1のゲル状樹脂層21の上に装飾模様を印刷処理によって形成する。第1のゲル状樹脂材層21の表面は高い粘着性を備えているため、また、第1のゲル状樹脂材層21は保形容器内に配置されているため、接触式の印刷方式では印刷処理が困難である。したがって、本変形例では、印刷対象面に対して被接触での印刷が可能な印刷装置、例えば、インクジェット式の印刷装置を用いて印刷処理を実行する。
印刷処理によって、第1のゲル状樹脂層21の上に装飾模様を形成すると、装飾模様が形成された配置された第1のゲル状樹脂層21の上に、用意した第2の未硬化樹脂混合液を追加注入する(ステップS270)。残りのステップは第2の実施例において説明したように実行される。
印刷処理によって装飾模様を形成すれば、多様な装飾処理を実現することができる。すなわち、印刷処理の場合には、印刷処理実行時に、適宜、所望の装飾模様を選択することができるので、予め、装飾処理に用いる材料を用意する必要がない。また、印刷処理を用いる場合には、第1のゲル状樹脂層21の上に、装飾用の部材を物理的に配置する工程を省略できるので、装飾用部材の位置ずれ等が発生し難い。したがって、ゲル状免震部材に対して簡便に装飾性を持たせることができる。
以上、実施例に基づき本発明を説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
各実施例において共通して用いられる保形容器集合体を示す説明図である。 本実施例に係るゲル状免震部材の製造方法によって製造された保形容器に収容されているゲル状免震部材を示す説明図である。 保形容器に収容されている第1の実施例に係るゲル状免震部材の側断面図である。 第1の実施例に係るゲル状免震部材の側面図である。 第1の実施例に係るゲル状免震部材の製造工程を示す工程図である。 従来の製造方法において製造されたゲル状免震部材の側面図である。 保形容器に収容されている第2の実施例に係るゲル状免震部材の側断面図である。 第2の実施例に係るゲル状免震部材の側面図である。 第2の実施例に係るゲル状免震部材の平面図である。 第2の実施例に係るゲル状免震部材の製造工程を示す工程図である。
符号の説明
10...保形容器
11...収容部
100...保形容器集合体
20、20a...ゲル状免震部材
21...ゲル状樹脂(第1のゲル状樹脂層)
22...第2のゲル状樹脂層
30...片面離型紙
40...装飾ラベル
41...貫通孔

Claims (11)

  1. 粘着性を有するゲル状免震部材の製造方法であって、
    複数の保形容器が連なる保形容器集合体に含まれる各保形容器に対して離型処理を施し、
    前記各保形容器内に第1の樹脂材を注入し、
    前記各保形容器に注入された前記第1の樹脂材に対して加熱硬化処理を施し、
    前記保形容器集合体を前記保形容器単位にて切断し、
    前記各保形容器において露出している第1の樹脂材面に離型シートを貼り合わせるゲル状免震部材の製造方法。
  2. 請求項1に記載のゲル状免震部材の製造方法はさらに、
    前記各保形容器内の第1の樹脂材の上に前記第1の樹脂材とは異なる硬度を有する第2の樹脂材を注入し、
    前記各保形容器に注入された前記第2の樹脂材に対して加熱硬化処理を施し、
    前記離型シートの貼り合わせは、前記第1の樹脂材面に代えて、前記各保形容器において露出している第2の樹脂材面に対して行われるゲル状免震部材の製造方法。
  3. 請求項2に記載のゲル状免震部材の製造方法はさらに、
    前記第2の樹脂材を注入する前に、前記第1の樹脂材面に装飾ラベルを配置するゲル状免震部材の製造方法。
  4. 請求項2に記載のゲル状免震部材の製造方法はさらに、
    前記第2の樹脂材を注入する前に、前記第1の樹脂材面に印刷処理を施すゲル状免震部材の製造方法。
  5. 請求項1に記載のゲル状免震部材の製造方法はさらに、
    前記保形容器内の第1の樹脂材の上に装飾ラベルを配置し、
    前記第1の樹脂材および前記装飾ラベルの上に第2の樹脂材を注入し、
    前記保形容器に注入された前記第2の樹脂材に対して加熱硬化処理を施し、
    前記離型シートの貼り合わせは、前記第1の樹脂材面に代えて、前記保形容器において露出している第2の樹脂材面に対して行われるゲル状免震部材の製造方法。
  6. 請求項3または請求項5に記載のゲル状免震部材の製造方法において、
    前記装飾ラベルは少なくとも1つの孔を有するゲル状免震部材の製造方法。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載のゲル状免震部材の製造方法によって製造されたゲル状免震部材。
  8. 粘着性を有するゲル状免震部材であって、
    第1の硬度を有する第1のゲル状樹脂層と、
    第1の硬度とは異なる第2の硬度を有する第2のゲル状樹脂層とを備えるゲル状免震部材。
  9. 請求項8に記載のゲル状免震部材はさらに、
    前記第1のゲル状樹脂層と前記第2のゲル状樹脂層との間に装飾ラベルを備えるゲル状免震部材。
  10. 請求項8に記載のゲル状免震部材において、
    前記第1のゲル状樹脂層の表面には印刷によって装飾が施されているゲル状免震部材。
  11. 請求項9に記載のゲル状免震部材において、
    前記装飾ラベルは、1以上の貫通孔を有するゲル状免震部材。
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