JP2006187937A - 樹脂成形品の製造方法および樹脂成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】量産される樹脂成形品個々の外観を、各種多様な凹凸模様を付しつつ様々に異なるデザインで加飾することが可能であって、かつ無駄が出ないように少量ずつ、しかも単一の金型設備で製造することが可能な樹脂成形品の製造方法および樹脂成形品を提供する。
【解決手段】第1の可撓性フィルム基材1にインクジェットプリンタを用いた印刷等で凹凸部2を形成することにより凹凸模様成形用フィルム3を作成するとともに、第2の可撓性フィルム基材4に転写用加飾層5を形成した転写用フィルム6を作成し、キャビティ7の一方の面7aに沿わせて凹凸模様成形用フィルムを配設するとともに、キャビティの反対側の面7bに沿わせて転写用フィルムを配設し、次いで、キャビティ内のこれらフィルムで挟んだ空間へ光透過性樹脂を充填して成形を行い、その後、凹凸模様成形用フィルムおよび第2の可撓性フィルム基材を剥離して樹脂成形品8を製造する。
【選択図】図4
【解決手段】第1の可撓性フィルム基材1にインクジェットプリンタを用いた印刷等で凹凸部2を形成することにより凹凸模様成形用フィルム3を作成するとともに、第2の可撓性フィルム基材4に転写用加飾層5を形成した転写用フィルム6を作成し、キャビティ7の一方の面7aに沿わせて凹凸模様成形用フィルムを配設するとともに、キャビティの反対側の面7bに沿わせて転写用フィルムを配設し、次いで、キャビティ内のこれらフィルムで挟んだ空間へ光透過性樹脂を充填して成形を行い、その後、凹凸模様成形用フィルムおよび第2の可撓性フィルム基材を剥離して樹脂成形品8を製造する。
【選択図】図4
Description
本発明は、量産される樹脂成形品個々の外観を、各種多様な凹凸模様を付しつつ様々に異なるデザインで加飾することが可能であって、かつ無駄が出ないように少量ずつ、しかも単一の金型設備で製造することが可能な樹脂成形品の製造方法およびこれを用いて製造される樹脂成形品に関する。
コンパクト容器など、装飾性が高くかつ量産される合成樹脂製容器に凹凸模様を付するのに用いて便利なフィルムが知られている(例えば、特許文献1参照)。そしてこの種フィルムを用いて量産される樹脂製成形品も知られている(特許文献2参照)。
特許文献2では、表面に凹凸模様が形成されている凹凸模様付きフィルムを準備し、上下に分かれる金型の下型の内面にフィルムを配置する。凹凸模様付きフィルムは、合成樹脂フィルム上に接着層が形成され、当該接着層上に、凸部形成位置に対応させて順次、紫外線硬化型樹脂層、剥離層、インク層、接着層が形成されて構成されている。つぎに、金型を閉じてABS樹脂を充填し、凹凸模様付きフィルムの凹凸模様で横側面に立体模様が転写された成形品を形成する。そののち、成形品にフィルムを密着させた状態で金型を開き、この金型を開きながら、もしくは開いたのちに成形品からフィルムを離脱させることで、凹凸模様の凹部のみにインクからなる表面仕上げ材層を形成した立体模様形成成形品を製造するようにしている。
特開平6−72013号公報
特開平6−106840号公報
ところで、上記背景技術で量産されるような樹脂製成形品個々の外観を、様々な購買者のニーズに応えることができるように各種多様な凹凸模様を付しつつ様々に異なるデザインで加飾することができるとともに、かつ無駄が出ないように少量ずつ、しかも単一の金型設備で製造できる樹脂製成形品の製造方法、そしてそれを用いて製造される樹脂製成形品の案出が望まれていた。
本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、量産される樹脂成形品個々の外観を、各種多様な凹凸模様を付しつつ様々に異なるデザインで加飾することが可能であって、かつ無駄が出ないように少量ずつ、しかも単一の金型設備で製造することが可能な樹脂成形品の製造方法およびこれを用いて製造される樹脂成形品を提供することを目的とする。
本発明にかかる樹脂成形品の製造方法は、第1の可撓性フィルム基材にインクジェットプリンタを用いた印刷やシルク印刷で凹凸部を形成することにより凹凸模様成形用フィルムを作成するとともに、第2の可撓性フィルム基材に転写用加飾層を形成した転写用フィルムを作成し、キャビティの一方の面に沿わせて上記凹凸模様成形用フィルムを配設するとともに、該キャビティの反対側の面に沿わせて上記転写用フィルムを配設し、次いで、上記キャビティ内のこれらフィルムで挟んだ空間へ光透過性樹脂を充填してダブルインモールド成形を行い、その後、上記凹凸模様成形用フィルムおよび上記第2の可撓性フィルム基材を剥離して樹脂成形品を製造することを特徴とする。
また、本発明にかかる樹脂成形品は、請求項1記載の樹脂成形品の製造方法を用いて、前記光透過性樹脂で形成された樹脂成形体の一面に凹凸模様が形成され、他面に加飾層が形成されたことを特徴とする。
本発明にかかる樹脂成形品の製造方法にあっては、量産される樹脂成形品個々の外観を、各種多様な凹凸模様を付しつつ様々に異なるデザインで加飾することができ、かつ無駄が出ないように少量ずつ、しかも単一の金型設備で製造することができる。
また、本発明にかかる樹脂成形品にあっては、その個々の外観を、凹凸模様の凹部のみに対応した表面仕上げ材層に止まることなく、各種様々なデザインの転写用加飾層を適用して形成することができ、その見栄えは凹凸模様の奥に加飾層が透けて見える深みがあって、新奇で斬新な装飾性を備えたものとなる。
以下に、本発明にかかる樹脂成形品の製造方法およびこれを用いて製造される樹脂成形品の好適な一実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。本実施形態にかかる樹脂成形品の製造方法は基本的には、図1〜図6に示すように、第1の可撓性フィルム基材1にインクジェットプリンタを用いた印刷やシルク印刷で凹凸部2を形成することにより凹凸模様成形用フィルム3を作成するとともに、第2の可撓性フィルム基材4に転写用加飾層5を形成した転写用フィルム6を作成し、キャビティ7の一方の面7aに沿わせて凹凸模様成形用フィルム3を配設するとともに、キャビティ7の反対側の面7bに沿わせて転写用フィルム6を配設し、次いで、キャビティ7内のこれらフィルム3,6で挟んだ空間へ光透過性樹脂を充填してダブルインモールド成形を行い、その後、凹凸模様成形用フィルム3および第2の可撓性フィルム基材4を剥離して樹脂成形品8を製造するようになっている。
まず、凹凸模様成形用フィルム3と転写用フィルム6とを作成する。凹凸模様成形用フィルム3の第1の可撓性フィルム基材1は、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂を素材として形成され、フィルム面に直接印刷が行われる。印刷方法としては、厚みをもった印刷面を得ることができるシルク印刷やインクジェットプリンタを用いた印刷が採用される。特に、インクジェットプリンタの場合には、紫外線硬化型樹脂による印刷が行われる。これら印刷により、第1の可撓性フィルム基材1のフィルム面には、凹凸模様を形成する凹凸部2が形成される。特に、シルク印刷やインクジェットプリンタによる印刷によれば、第1の可撓性フィルム基材1の長さ方向に順次、様々に異なる多種類の凹凸模様を形成する凹凸部2を連続的に少量ずつ印刷することができる。このような印刷操作を行うことにより、凹凸模様成形用フィルム3が形成される。本実施形態にあっては、凹凸模様成形用フィルム3は、量産化のためにロール形態で巻き取られて準備される。
他方、転写用フィルム6は、既によく知られているように、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂を素材として形成された第2の可撓性フィルム基材4上に剥離層9が形成され、その上に各種様々なデザインがインクで描かれた転写用加飾層5が形成され、さらにその上に接着層10が形成されて構成される。この転写用フィルム6にあっても、各種印刷方法により、第2の可撓性フィルム基材4の長さ方向に順次、各種様々なデザインの転写用加飾層5を連続的に少量ずつ印刷することができる。本実施形態にあっては、転写用フィルム4も、量産化のためにロール形態で巻き取られて準備される。
次いで、凹凸模様成形用フィルム3と転写用フィルム6とをキャビティ7に配設する。キャビティ7を形成する金型設備11としては、固定金型12と可動金型13とから構成され、可動金型13を固定金型12に接離可能に当接させて型締めすることで、これら金型12,13間にキャビティ7が形成される。従って、固定金型12がキャビティ7の一方の面7aを形成し、可動金型13がキャビティ7の反対側の面7bを形成する。キャビティ7内には、固定金型12に形成されたポート12aから樹脂が射出される。
固定金型12の両端には、繰り出し機構12bと巻き取り機構12cとが設けられ、これら繰り出し機構12bおよび巻き取り機構12cに掛け回してロール形態の凹凸模様成形用フィルム3が担持され、これら繰り出し機構12bおよび巻き取り機構12cの作動により、凹凸模様成形用フィルム3はキャビティ7に向かって順次連続的に送り出される。同様に、可動金型13の両端には、繰り出し機構13aと巻き取り機構13bとが設けられ、これら繰り出し機構13aおよび巻き取り機構13bに掛け回してロール形態の転写用フィルム6が担持され、これら繰り出し機構13aおよび巻き取り機構13bの作動により、転写用フィルム6もキャビティ7に向かって順次連続的に送り出される。
このように凹凸模様成形用フィルム3を固定金型12に担持させることにより、凹凸模様成形用フィルム3は、キャビティ7の一方の面7aとなる固定金型12に沿わせて配設される。また、転写用フィルム6を可動金型13に担持させることにより、転写用フィルム6は、キャビティ7の反対側の面7bとなる可動金型13に沿わせて配設される。
次いで、離型された状態の可動金型13を固定金型12に対して型締めし、固定金型12のポート12aからキャビティ7内のこれらフィルム3,6で挟んだ空間へ、光透過性樹脂を充填し、これによりダブルインモールド成形を行って樹脂成形体14を成形する。光透過性樹脂としては、目的とする樹脂成形品8の質感などに応じて、透明であっても、半透明であっても良い。樹脂をキャビティ7内に充填すると、固定金型12側で凹凸模様成形用フィルム3の凹凸部2に樹脂が回り込み、これと同時に可動金型13側で転写用フィルム6に沿って樹脂が行き渡り、一回の樹脂の充填操作で、金型設備11で成形される板状の樹脂成形体14の両面に凹凸模様成形用フィルム3と転写用フィルム6とで一挙に、凹凸模様15と加飾層16とが形成される。これによりダブルインモールド成形が達成される。
その後、成形操作が完了したら、可動金型13を固定金型12から離型する。この際、凹凸模様成形用フィルム3は凹凸部2とともに直接、また転写用フィルム6の第2の可撓性フィルム基材4は剥離層9を介して樹脂成形体14から剥離される。この剥離操作により、図7に示すように、光透過性樹脂で形成された樹脂成形体14の一面に、凹凸模様成形用フィルム3によって形成された凹凸模様15が現れるとともに、他面に、転写用フィルム6によって形成された加飾層16が現れて、目的とする樹脂成形品8が形成される。このような樹脂成形品8は、両フィルム3,6を順次キャビティ7へ送り出しつつ、金型設備11で射出成形することにより量産される。
以上説明したように本実施形態にかかる樹脂成形品の製造方法にあっては、第1の可撓性フィルム基材1にインクジェットプリンタを用いた印刷やシルク印刷で凹凸部2を形成することにより凹凸模様成形用フィルム3を作成するとともに、第2の可撓性フィルム基材4に転写用加飾層5を形成した転写用フィルム6を作成し、キャビティ7の一方の面7aに沿わせて凹凸模様成形用フィルム3を配設するとともに、キャビティ7の反対側の面7bに沿わせて転写用フィルム6を配設し、次いで、キャビティ7内のこれらフィルム3,6で挟んだ空間へ光透過性樹脂を充填してダブルインモールド成形を行い、その後、凹凸模様成形用フィルム3および第2の可撓性フィルム基材4を剥離して樹脂成形品8を製造するようにしたので、様々な購買者のニーズに応えることができるように、量産される樹脂成形品8個々の外観を、各種多様な凹凸模様15を付しつつ様々に異なるデザインの加飾層16で加飾することができるとともに、かつこのような樹脂成形品8を、無駄が出ないように少量ずつ、しかも単一の金型設備11で合理的に製造することができる。
また、本実施形態にかかる樹脂成形品8にあっては、その個々の外観を、背景技術のように凹凸模様の凹部のみに対応した表面仕上げ材層に止まることなく、各種様々なデザインの転写用加飾層5を適用して形成することができ、その見栄えは凹凸模様15の奥に加飾層16が透けて見える深みがあって、新奇で斬新な装飾性を備えたものとなる。
1 第1の可撓性フィルム基材
2 凹凸部
3 凹凸模様成形用フィルム
4 第2の可撓性フィルム基材
5 転写用加飾層
6 転写用フィルム
7 キャビティ
7a キャビティの一方の面
7b キャビティの反対側の面
8 樹脂成形品
14 樹脂成形体
15 凹凸模様
16 加飾層
2 凹凸部
3 凹凸模様成形用フィルム
4 第2の可撓性フィルム基材
5 転写用加飾層
6 転写用フィルム
7 キャビティ
7a キャビティの一方の面
7b キャビティの反対側の面
8 樹脂成形品
14 樹脂成形体
15 凹凸模様
16 加飾層
Claims (2)
- 第1の可撓性フィルム基材にインクジェットプリンタを用いた印刷やシルク印刷で凹凸部を形成することにより凹凸模様成形用フィルムを作成するとともに、第2の可撓性フィルム基材に転写用加飾層を形成した転写用フィルムを作成し、キャビティの一方の面に沿わせて上記凹凸模様成形用フィルムを配設するとともに、該キャビティの反対側の面に沿わせて上記転写用フィルムを配設し、次いで、上記キャビティ内のこれらフィルムで挟んだ空間へ光透過性樹脂を充填してダブルインモールド成形を行い、その後、上記凹凸模様成形用フィルムおよび上記第2の可撓性フィルム基材を剥離して樹脂成形品を製造することを特徴とする樹脂成形品の製造方法。
- 請求項1記載の樹脂成形品の製造方法を用いて、前記光透過性樹脂で形成された樹脂成形体の一面に凹凸模様が形成され、他面に加飾層が形成されたことを特徴とする樹脂成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005001268A JP2006187937A (ja) | 2005-01-06 | 2005-01-06 | 樹脂成形品の製造方法および樹脂成形品 |
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JP2005001268A JP2006187937A (ja) | 2005-01-06 | 2005-01-06 | 樹脂成形品の製造方法および樹脂成形品 |
Publications (1)
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JP2006187937A true JP2006187937A (ja) | 2006-07-20 |
Family
ID=36795559
Family Applications (1)
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JP2005001268A Pending JP2006187937A (ja) | 2005-01-06 | 2005-01-06 | 樹脂成形品の製造方法および樹脂成形品 |
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JP (1) | JP2006187937A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103358460A (zh) * | 2012-04-05 | 2013-10-23 | 仁宝电脑工业股份有限公司 | 薄膜转印方法与使用薄膜转印方法制作的外观件 |
JP2020069750A (ja) * | 2018-11-01 | 2020-05-07 | 大日本印刷株式会社 | 樹脂成形体の製造方法及び表示装置 |
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2005
- 2005-01-06 JP JP2005001268A patent/JP2006187937A/ja active Pending
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JP7187990B2 (ja) | 2018-11-01 | 2022-12-13 | 大日本印刷株式会社 | 樹脂成形体の製造方法 |
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