JP2007292057A - 燃料噴射弁、燃料噴射弁の製造方法 - Google Patents

燃料噴射弁、燃料噴射弁の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007292057A
JP2007292057A JP2007069223A JP2007069223A JP2007292057A JP 2007292057 A JP2007292057 A JP 2007292057A JP 2007069223 A JP2007069223 A JP 2007069223A JP 2007069223 A JP2007069223 A JP 2007069223A JP 2007292057 A JP2007292057 A JP 2007292057A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
fuel injection
base material
valve seat
fuel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007069223A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Kato
浩二 加藤
Koji Kawazoe
浩司 川添
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisan Industry Co Ltd
Original Assignee
Aisan Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisan Industry Co Ltd filed Critical Aisan Industry Co Ltd
Priority to JP2007069223A priority Critical patent/JP2007292057A/ja
Publication of JP2007292057A publication Critical patent/JP2007292057A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Abstract

【課題】 流体の流れを制御する流体制御弁において、シール性及び耐久性の向上を図るのに有効な技術を提供する。
【解決手段】 本発明に係る燃料噴射弁では、閉弁時にバルブ30のボール弁32が当接するバルブシート40は、ステンレス製の基材を覆う該基材よりも軟質のSnめっき被膜を有するとともに、これら基材及びSnめっき被膜によって平滑状の平滑面42を形成する構成とされる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、流体の流れを制御する流体制御弁に係り、例えば内燃機関において燃料を噴射する制御を行う燃料噴射弁に関する。
この種の燃料噴射弁は、燃料噴射孔を有するバルブシートとバルブとが当接して燃料噴射が停止される閉弁状態と、その当接が解除されて燃料噴射がなされる開弁状態に制御される構成を有するが、特にバルブシートとバルブとの間における燃料のシール性を高める要請がある。
そこで、下記特許文献1には、バルブボディ側にバルブよりもヤング率の低い低ヤング率部材を設けた流体制御弁が開示されている。この流体制御弁では、閉弁時にバルブが着座したバルブボディ側の低ヤング率部材が弾性変形することによって、バルブの磨耗を抑制し、これによって流体のシール性を確保する可能性が提示されている。しかしながら、低ヤング率部材は、変形能が高いため高精度の加工を行うのが難しいうえ、軟質であるがゆえに閉弁時における硬質のバルブとの当接によってそれ自体が磨耗し易いため、開閉動作が繰り返される場合の耐久性が懸念される。
特開2003−65189号公報
そこで、本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、流体の流れを制御する流体制御弁において、シール性及び耐久性の向上を図るのに有効な技術を提供することを課題とする。
(本発明の第1発明)
前記課題を解決する本発明の第1発明は、請求項1に記載の燃料噴射弁である。
請求項1に記載のこの燃料噴射弁は、燃料噴射を行う噴射弁であって、燃料噴射孔、バルブシート及びバルブを少なくとも備える構成とされる。
本発明の燃料噴射孔は、燃料を噴射可能な噴射孔として構成される。ここでいう燃料には、ガソリン、液化石油ガス(LPG)、液化天然ガス(LNG)等の液体燃料、それ以外の種々の燃料が包含される。
本発明のバルブシートは、前記の燃料噴射孔を有するバルブシートとして構成される。
本発明のバルブは、前記のバルブシートに対向して配置されるバルブとして構成される。
本発明の燃料噴射弁は、バルブのバルブ側当接部とバルブシートのバルブシート側当接部とが当接して燃料噴射孔からの燃料噴射が停止される閉弁状態と、この当接が解除されて燃料噴射孔から燃料噴射がなされる開弁状態に設定される構成とされる。本構成に関しては、バルブ側当接部がバルブの一部または全部を構成し、またバルブシート側当接部がバルブシートの一部または全部を構成することができる。
特に、本発明の燃料噴射弁は、バルブシート側当接部とバルブ側当接部の少なくとも一方が、基材(「母材」ともいう)を覆う当該基材よりも軟質の被膜を有するとともに、これら基材及び被膜によって平滑面を形成する構成とされる。すなわち、本発明では、バルブシート側当接部とバルブ側当接部のいずれか一方が被膜及び平滑面を有してもよいし、或いはバルブシート側当接部及びバルブ側当接部の両方が被膜及び平滑面を有してもよい。
このとき、本発明の被膜は、基材よりも軟質であるため、成形時において当該当接部の基材の凹部に、この基材よりも軟質の材料が入り込み易く、表面が平滑状とされた平滑面を容易に形成させることが可能となる。なお、この平滑面の形成に際しては、被膜によって被覆された基材を所定条件下に置くエージング処理が施されるのが好ましい。このエージング処理によって、平滑面の面粗度(平滑度合い)が向上することとなる。
また、本発明の燃料噴射弁において、基材及び被膜によって形成される平滑面は、換言すれば、被膜とこの被膜表面に露出した基材部分とによって平滑状に形成される面とされる。従って、閉弁状態において、例えばバルブシート側当接部の平滑面の各部位のうち、被膜の露出した基材部分が、バルブ側当接部の基材部分と当接することとなるため、少なくとも基材部分同士の当接構造が実現される。
なお、本発明の燃料噴射弁において、基材に対し被膜を施す方法に関しては、めっき処理、PVD処理、CVD処理、溶射などの処理方法を適宜用いることができる。
(本発明の第2発明)
前記課題を解決する本発明の第2発明は、請求項2に記載の燃料噴射弁である。
請求項2に記載のこの燃料噴射弁では、請求項1に記載の被膜は、基材に対し当該基材よりも軟質のめっき材がめっき処理されることによって形成されている。
(本発明の第3発明)
前記課題を解決する本発明の第3発明は、請求項3に記載の燃料噴射弁である。
請求項3に記載のこの燃料噴射弁は、請求項2に記載の構成のように、基材に対し当該基材よりも軟質のめっき材がめっき処理されており、更に基材と被膜との間に、これら基材及び被膜の金属結合により形成された拡散層を備える構成とされる。この拡散層は、所定の拡散処理条件での処理によって、基材及び被膜を金属結合させて互いの密着性を高めるのに寄与する部位とされる。この拡散処理条件としては、拡散に要する時間、温度、雰囲気などのうちの少なくとも1つによって規定される条件を用いることができる。
(本発明の第4発明)
前記課題を解決する本発明の第4発明は、請求項4に記載の流体制御弁である。
請求項4に記載のこの流体制御弁は、流体の流れを制御する制御弁であって、流体吐出孔、バルブシート及びバルブを少なくとも備える構成とされる。ここでいう流体制御弁には、インジェクタ以外に、レギュレーター、リリーフバルブ、遮断弁、チェック弁等が広く包含される。
本発明の流体吐出孔は、流体を吐出可能な吐出孔として構成される。ここでいう流体には、ガソリン、液化石油ガス(LPG)、液化天然ガス(LNG)等の液体燃料をはじめ、水素等の気体が広く包含される。
本発明のバルブシートは、前記の流体吐出孔を有するバルブシートとして構成される。
本発明のバルブは、前記のバルブシートに対向して配置されるバルブとして構成される。
本発明の流体制御弁は、バルブのバルブ側当接部とバルブシートのバルブシート側当接部とが当接して流体吐出孔からの流体吐出が停止される閉弁状態と、この当接が解除されて流体吐出孔から流体吐出がなされる開弁状態に設定される構成とされる。本構成に関しては、バルブ側当接部がバルブの一部または全部を構成し、またバルブシート側当接部がバルブシートの一部または全部を構成することができる。
特に、本発明の流体制御弁は、バルブシート側当接部とバルブ側当接部の少なくとも一方が、基材を覆う当該基材よりも軟質の被膜を有するとともに、これら基材及び被膜によって平滑面を形成する構成とされる。すなわち、本発明では、バルブシート側当接部とバルブ側当接部のいずれか一方が被膜及び平滑面を有してもよいし、或いはバルブシート側当接部及びバルブ側当接部の両方が被膜及び平滑面を有してもよい。
このとき、本発明の被膜は、基材よりも軟質であるため、成形時において当該当接部の基材の凹部に、この基材よりも軟質の材料が入り込み易く、表面が平滑状とされた平滑面を容易に形成させることが可能となる。
また、本発明の流体制御弁において、基材及び被膜によって形成される平滑面は、換言すれば、被膜とこの被膜表面に露出した基材部分とによって平滑状に形成される面とされる。従って、閉弁状態において、例えばバルブシート側当接部の平滑面の各部位のうち、被膜の露出した基材部分が、バルブ側当接部の基材部分と当接することとなるため、少なくとも基材部分同士の当接構造が実現される。
なお、本発明の流体制御弁において、基材に対し被膜を施す方法に関しては、めっき処理、PVD処理、CVD処理、溶射などの処理方法を適宜用いることができる。
(本発明の第5発明)
前記課題を解決する本発明の第5発明は、請求項5に記載の流体制御弁である。
請求項5に記載のこの流体制御弁では、請求項4に記載の被膜は、基材に対し当該基材よりも軟質のめっき材がめっき処理されることによって形成されている。
(本発明の第6発明)
前記課題を解決する本発明の第6発明は、請求項6に記載の流体制御弁である。
請求項6に記載のこの流体制御弁は、請求項5に記載の構成のように、基材に対し当該基材よりも軟質のめっき材がめっき処理されており、更に基材と被膜との間に、これら基材及び被膜の金属結合により形成された拡散層を備える構成とされる。この拡散層は、所定の拡散処理条件での処理によって、基材及び被膜を金属結合させて互いの密着性を高めるのに寄与する部位とされる。この拡散処理条件としては、拡散に要する時間、温度、雰囲気などのうちの少なくとも1つによって規定される条件を用いることができる。
(本発明の第7発明)
前記課題を解決する本発明の第7発明は、請求項7に記載の燃料噴射弁の製造方法である。
この製造方法は、請求項1に記載の燃料噴射弁と実質的に同様の燃料噴射弁に対し適用される。この製造方法では、少なくとも第1の処理工程及び第2の処理工程が行われる。第1の処理工程は、バルブシート側当接部とバルブ側当接部の少なくとも一方に、基材を覆う当該基材よりも軟質の被膜を形成させる処理工程とされる。典型的には、基材に対し当該基材よりも軟質のめっき材をめっき処理する方法をこの第1の処理工程に用いることができる。第2の処理工程は、第1の処理工程において形成された被膜の表面にエージング処理を施すことによって、基材及び被膜による平滑面を形成させる処理工程とされる。ここでいうエージング処理とは、バルブを仮組した状態で作動させて、バルブシートに数千回程度の当りづけを行う処理とされる。
(本発明の第8発明)
前記課題を解決する本発明の第8発明は、請求項8に記載の燃料噴射弁の製造方法である。
この製造方法では、請求項7に記載の製造方法において、第2の処理工程の前に、第1の処理工程において形成された被膜の表面に熱拡散処理を施すのが好ましい。ここでいう熱拡散処理とは、典型的には所定条件下(例えば、温度180℃、60min)において、被膜及び基材の金属結合による密着性(耐久性)の高い熱拡散層を形成させる処理とされる。
(本発明の第9発明)
前記課題を解決する本発明の第9発明は、請求項9に記載の燃料噴射弁の製造方法である。
この製造方法は、請求項1に記載の燃料噴射弁と実質的に同様の燃料噴射弁に対し適用される。この製造方法では、少なくとも第1の処理工程及び第2の処理工程が行われる。第1の処理工程は、バルブシート側当接部とバルブ側当接部の少なくとも一方に、基材を覆う当該基材よりも軟質の被膜を形成させる処理工程とされる。第2の処理工程は、第1の処理工程において形成された被膜の表面にバニシング加工を施すことによって、基材及び被膜による平滑面を形成させる処理工程とされる。ここでいうバニシング加工とは、液圧で保持された高硬度ボール等の加工ツールを被膜の表面に転がり接触(圧縮回転接触)させて、被膜の表面を押しならす塑性加工とされる。なお、必要に応じては、第2の処理工程の前に、第1の処理工程において形成された被膜の表面に、前述の熱拡散処理を施すこともできる。
請求項1に記載の発明によれば、シール性及び耐久性の向上を図ることが可能な燃料噴射弁が提供される。
具体的には、バルブシート側当接部及びバルブ側当接部の少なくとも一方が基材よりも軟質の被膜を有するため、表面が平滑状とされた平滑面を容易に形成させることが可能となり、これによって閉弁状態におけるシール性を高めることができる。
また、閉弁状態において、例えばバルブシート側当接部の平滑面の各部位のうち、被膜の露出した基材部分が、バルブ側当接部の基材部分と当接し、同様の硬さの基材部分同士の当接構造が少なくとも実現されるため、開閉動作が繰り返される場合であっても、耐久性(耐摩耗性)を高めることができる。
また、本発明のように、基材に対し被膜を被着させる構造の場合には、基材に対し別部材を設ける構成に比して成形精度が高いという作用効果を奏する。
また、請求項2に記載の発明によれば、基材に対し当該基材よりも軟質のめっき材をめっき処理することによって被膜及び平滑面が形成された燃料噴射弁が提供される。
また、請求項3に記載の発明によれば、基材と被膜との間に拡散層を備えることによって、これら基材と被膜との密着性を高め、被膜が剥離し難い構成とされるため、これによって耐久性の高い燃料噴射弁が提供される。本構成は、とりわけバルブの作動回数(摺動回数)が比較的多いことが予想されるバルブ製品に対し特に効果的である。
また、請求項4に記載の発明によれば、シール性及び耐久性の向上を図ることが可能な流体制御弁が提供される。
具体的には、バルブシート側当接部とバルブ側当接部のいずれか一方が基材よりも軟質の被膜を有するため、表面が平滑状とされた平滑面を容易に形成させることが可能となり、これによって閉弁状態におけるシール性を高めることができる。
また、閉弁状態において、例えばバルブシート側当接部の平滑面の各部位のうち、被膜の露出した基材部分が、バルブ側当接部の基材部分と当接し、同様の硬さの基材部分同士の当接構造が少なくとも実現されるため、開閉動作が繰り返される場合であっても、耐久性(耐摩耗性)を高めることができる。
また、本発明のように、基材に対し被膜を被着させる構造の場合には、基材に対し別部材を設ける構成に比して成形精度が高いという作用効果を奏する。
また、請求項5に記載の発明によれば、基材に対し当該基材よりも軟質のめっき材をめっき処理することによって被膜及び平滑面が形成された流体制御弁が提供される。
また、請求項6に記載の発明によれば、基材と被膜との間に拡散層を備えることによって、これら基材と被膜との密着性を高め、被膜が剥離し難い構成とされるため、これによって耐久性の高い流体制御弁が提供される。本構成は、とりわけバルブの作動回数(摺動回数)が比較的多いことが予想されるバルブ製品に対し特に効果的である。
請求項7に記載の発明によれば、バルブシート側当接部及びバルブ側当接部の少なくとも一方が基材よりも軟質の被膜を有するため、表面が平滑状とされた平滑面を容易に形成させることが可能となり、これによって閉弁状態におけるシール性を高めることができる。特に第2の処理工程としてエージング処理を用いることによって、平滑面の面粗度(平滑度合い)を向上させることが可能となる。
また、閉弁状態において、例えばバルブシート側当接部の平滑面の各部位のうち、被膜の露出した基材部分が、バルブ側当接部の基材部分と当接し、同様の硬さの基材部分同士の当接構造が少なくとも実現されるため、開閉動作が繰り返される場合であっても、耐久性(耐摩耗性)を高めることができる。
また、請求項8に記載の発明によれば、基材と被膜との間に熱拡散層を形成させることで、これら基材と被膜との密着性を高め、被膜が剥離し難い構成とされるため、これによって耐久性の高い燃料噴射弁が提供される。
また、請求項9に記載の発明によれば、バルブシート側当接部及びバルブ側当接部の少なくとも一方が基材よりも軟質の被膜を有するため、表面が平滑状とされた平滑面を容易に形成させることが可能となり、これによって閉弁状態におけるシール性を高めることができる。特に第2の処理工程としてバニシング加工を用いることによって、基材表面が加工硬化された加工硬化層が形成させることができる。この加工硬化層は、基材表面から数μmの範囲に形成される耐摩耗性の高い高硬度の被覆層とされるため、平滑面の耐摩耗性向上を図ることが可能となり、またこれによってインジェクタ流量変化を減少させることが可能となる。更には基材凹部の開口部(幅)が狭まり、耐異物噛み込み性が向上する。
また、閉弁状態において、例えばバルブシート側当接部の平滑面の各部位のうち、被膜の露出した基材部分が、バルブ側当接部の基材部分と当接し、同様の硬さの基材部分同士の当接構造が少なくとも実現されるため、開閉動作が繰り返される場合であっても、耐久性(耐摩耗性)を高めることができる。
以下に、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。本発明の「燃料噴射弁」の一実施の形態である燃料噴射弁10の縦断面図が図1に示される。この燃料噴射弁10は、燃料である流体を、燃料噴射孔である吐出孔を通じて吐出制御する「流体制御弁」或いは「インジェクタ」とも称呼される。
図1に示す燃料噴射弁10は、燃料タンクから供給される液体状態のガソリン燃料を噴射する機能を有する燃料噴射弁である。この燃料噴射弁10は、本体部20、バルブ(弁体)30、バルブシート40、駆動部50に大別される。
本体部20は、筒状に形成されており、その中心側(内周側)に形成された孔は、燃料通路21aとして用いられる。図1において、ガソリン燃料はこの燃料通路21aを図中上方から図中下方へと流れる。また、この本体部20は、ガソリン燃料が流れる方向に対して上流側(図1の上側)(以下、単に「上流側」という)に配置される固定コア21と、燃料が流れる方向に対して下流側(図1の下側)(以下、単に「下流側」という)に配置されるボディ22、コネクタ24を有している。固定コア21とボディ22は、磁性材料である金属により形成されている。固定コア21の外周面の所定位置には、外周方向に突出しているフランジ21bが形成されている。
また、燃料通路21aの上流側には、燃料通路21aへと供給されるガソリン燃料をフィルタ処理するための燃料フィルタ23が取り付けられている。
バルブ30は、可動コア31と、可動コア31の下流側に取り付けられたボール弁(弁体)32を有している。このバルブ30は、バルブシート40に対向して配置され、本発明における「バルブ」を構成している。可動コア31は、磁性材料である金属によって筒状に形成されており、中心側(内周側)の孔は燃料通路31aとして用いられる。また、この可動コア31の側壁には、燃料通路31aと、バルブシートボディ41の内周側に形成された燃料通路41aとを連通する連通孔31bが形成されている。ボール弁32は、球状に形成されている。バルブ30は、本体部20及びバルブシート40に対し、燃料噴射弁10の軸方向(図1の上下方向)に相対移動可能に配設されている。本実施の形態では、バルブ30の可動コア31が、ボディ22の内周面に摺動可能に配設されている。
バルブシート40は、バルブシートボディ41を有している。このバルブシートボディ41は、圧入等によってボディ22の内周面に取り付けられる。バルブシートボディ41は、底部を有する有底筒状の部材として構成される。バルブシートボディ41の底部には、シート面(当接面)41bと燃料噴射孔41cが形成されている。バルブシートボディ41の内周側の孔は、燃料通路41aとして用いられる。また、バルブシートボディ41の、ボール弁32と対向する内周面には、軸方向(図1の上下方向)に溝41dが形成されている。これにより、ガソリン燃料は、燃料通路41aから溝41dを介して燃料噴射孔41cに流出可能である。ボール弁32がシート面41bに当接すると燃料噴射孔41cが閉じられて燃料噴射停止状態(閉弁状態)とされる一方、ボール弁32がシート面41bから離れる(当接解除がなされる)と燃料噴射孔41cが開いて燃料噴射状態(開弁状態)とされる。
このときのバルブ30のボール弁32が、本発明における「バルブ側当接部」を構成しており、バルブシートボディ41のシート面41bが、本発明における「バルブシート側当接部」を構成している。また、ここでいう燃料噴射孔41cは、バルブ30がボディ22内を移動することによって開閉されて燃料が噴射可能とされる燃料噴射孔であり、この燃料噴射孔41cが本発明における「燃料噴射孔」に相当する。また、この燃料噴射孔41cを有するバルブシート40が、本発明における「バルブシート」に相当する。
また、本実施の形態では、バルブ30をバルブシート40方向(燃料噴射孔41cを閉じる方向)に付勢するスプリング34が設けられている。このスプリング34は、スプリングアジャスタ33とバルブ30(可動コア31)との間に設けられている。
スプリングアジャスタ33は、固定コア21の内周面の所定位置に、圧入等によって固定される。固定コア21に対するスプリングアジャスタ33の固定位置を調整することによって、バルブ30をバルブシート40方向に付勢するスプリング34の付勢力を調整することができる。スプリングアジャスタ33の内周側の孔は、燃料通路33aとして用いられる。これにより、ガソリン燃料は、燃料フィルタ23、燃料通路21a,33a,31a,41a及び溝41dを介して燃料噴射孔41cへと供給可能とされる。
なお、バルブ30のボール弁32がバルブシートボディ41のシート面41bに当接した状態では、固定コア21と可動コア31の間に微小間隙が形成されるように構成されている。
駆動部50は、バルブ30を駆動する機能を有し、固定コア21と、電磁コイル52と、ボディ22により構成される。
電磁コイル52は、コイル巻き線に電流が付与されることで電磁力を発生する電磁式のコイルとして構成される。この電磁コイル52のコイル巻き線は、固定コア21の外周側に配置されるボビン51に巻かれている。通常、電磁コイル52のコイル巻き線が巻かれたこの固定コア21は、樹脂によって被覆される。この時、一端側が電磁コイル52に接続された接続線25の一部がインサート成形等によって内装される。
ボディ22は、筒状に形成され、ボビン51の外周側に、固定コア21のフランジ21bの外周面がボディ22の内周面の当接するように配置されている。例えば、ボディ22の固定コア21を、圧入等によって取り付ける。このとき、ボディ22は、その軸方向の上流側の端部(図1の上方側の端部)が、フランジ21bより上流側に位置するように配置される。
また、固定コア21の外周側には、樹脂によって形成されたコネクタ24が設けられている。このコネクタ24には、外部電源に接続された接続端子が挿入可能なソケット部24aが形成され、このソケット部24aには、一端側が電磁コイル52に接続されている接続線25の他端側が配置されている。これにより、電磁コイル52は、接続線25を介して外部電源と接続可能である。
なお、電磁コイル52と外部電源を接続する接続線25としては、1本の接続線を用いてもよいし、直接接続される複数の接続線を用いてもよい。例えば、ボビン51から突出している接続線と、コネクタ24に内装されている接続線を用いることもできる。
図1中の燃料噴射弁10の更なる詳細な構成を、図2及び図3を参照しつつ説明する。図2には、図1中の燃料噴射弁10のA部分の拡大図が示され、図3には、図2中のB部分の構成が示されている。
図2に示すボール弁32及びバルブシート40の材質に関しては、いずれもステンレス材が用いられている。また、バルブシート40の各部位のうち、少なくともボール弁32が当接するシート面41bは、ステンレス材(硬度HV:750)による基材(「母材」ともいう)と、ステンレス製の基材よりも軟質のSnめっき材(硬度HV:10〜50)からなるめっき被膜とによる平滑状(「平坦状」ともいう)の平滑面42を有する。すなわち、本実施の形態では、ステンレス製のボール弁32と、ステンレス製のバルブシート40との間に平滑面42が介在している。
また、図3に示すように、この平滑面42では、基材表面がSnめっき材によってめっき処理されることでSnめっき被膜が形成されており、更にこのSnめっき被膜表面には、基材の一部が露出した基材露出部43が形成されている。なお、平滑面42の平滑度合いを示す面粗度は、めっき処理前の基材の最大表面粗さ以下となるように構成される。
なお、ここでいう平滑面42が、本発明における「平滑面」に相当する。またステンレス材が本発明における「基材」に相当し、Snめっき被膜が、本発明における「被膜」に相当する。
このような構成の平滑面42は、めっき処理によるめっき被膜(被膜層)にて成形されるため、例えば別部材を溶接や勘合などの手法によって成形させる場合に比して、成形精度が良いという作用効果を奏する。
また、この平滑面42は、ボール弁32とバルブシート40との間のシール部分の微小隙間をSnめっき材で埋めることで漏れ量を低減させ、これによって燃料噴射弁10の閉弁時における燃料シール性を向上させるのに効果的である。特に本実施の形態では、ステンレス製の基材よりも軟質のSnめっき材をめっき材として用いるため、成形時においてバルブシート40の基材の凹部に、この基材よりも軟質のSnめっき材が入り込み易く、バルブシート40側の平滑面42を容易に形成させることが可能となる。
更に、閉弁時におけるボール弁32とバルブシート40との当接は、実質的にボール弁32とバルブシート40の基材露出部43との間にて同様の硬さのステンレス材同士で行われるため、開閉動作が繰り返される場合であっても、耐久性(耐摩耗性)が良いという作用効果を奏する。
ここで、上記構成の平滑面42に関する成形方法を、図4及び図5を参照しながら説明する。図4には、本実施の形態の平滑面42に関する成形方法の第1実施の形態が示され、図5には、本実施の形態の平滑面42に関する成形方法の第2実施の形態が示される。
図4に示す第1実施の形態では、第1工程としてのSnめっき処理、及びSnめっき処理の後処理である第2工程としてのエージング処理を行うことによって平滑面42を形成する。ここでいう第1工程としてのSnめっき処理が、本発明における「第1の処理工程」に相当し、第2工程としてのエージング処理が、本発明における「エージング処理」及び「第2の処理工程」に相当する。
第1工程としてのSnめっき処理では、ステンレス製の基材に対し、Sn(すず)めっき材によるめっき処理を施す(図4中の(a)参照)。このSnめっき処理の具体的な条件等は公知であるため、ここではその詳細な説明についての記載は省略するが、典型的には、SnイオンやSn錯イオンを含む電解質に直流又はパルス電流を流して、陰極上に金属Snを析出させる処理を用いる。この場合に形成されるSnめっき被膜に関しては、その厚みの設定値を例えば0.5〜1[μm]程度とすることができる。このSnめっき処理にかえて、Snめっき液に、他の金属イオン又は錯イオンを添加して通電し、陰極上にSnと添加金属を析出させる処理(Sn合金めっき処理)を用いることもできる。
第2工程としてのエージング処理では、第1工程のSnめっき処理にて得られた部材に対し、数千回程度の当りづけを行う。このエージング処理によって、基材の凸部のめっき材が除去されることとなり、表面が平滑状とされた平滑面42(Snめっき被膜及び基材露出部43からなる平滑面)が形成される(図4中の(b)参照)。特に、このエージング処理は、平滑面42の面粗度(平滑度合い)を向上させて、閉弁時における燃料シール性を高めるのに効果的である。
図5に示す第2実施の形態では、第1工程としてのSnめっき処理、第2工程としての熱拡散処理、及び後処理である第3工程としてのエージング処理を行うことによって平滑面42を形成する。ここでいう第1工程としてのSnめっき処理が、本発明における「第1の処理工程」に相当し、第2工程としての熱拡散処理が、本発明における「熱拡散処理」に相当し、第3工程としてのエージング処理が、本発明における「エージング処理」及び「第2の処理工程」に相当する。
第1工程としてのSnめっき処理は、第1実施の形態におけるSnめっき処理と同様の処理条件にて遂行される。
第2工程としての熱拡散処理では、第1工程のSnめっき処理にて得られた部材を、所定条件下(例えば、温度180℃、60min)に置く操作を行う。この熱拡散処理によって、これらSnめっき被膜及び基材の金属結合による密着性(耐久性)の高い熱拡散層が形成される(図5中の(a)参照)。この熱拡散層が形成されることによって、基材に対しSnめっき被膜が剥離し難い状態が形成されることとなる。この熱拡散層が、本発明における「拡散層」に相当する。なお、本発明において、この熱拡散層のような拡散層を形成させる拡散処理条件としては、拡散に要する時間、温度、雰囲気などのうちの少なくとも1つによって規定される条件を用いることができる。
第3工程としてのエージング処理は、第1実施の形態におけるエージング処理と同様の処理条件にて遂行される。このエージング処理によって、基材の残る微小隙間にのみSnめっき材が残り、表面が平滑状とされた平滑面42(Snめっき被膜及び基材露出部43からなる平滑面)が形成される(図5中の(b)参照)。
上記第1実施の形態及び第2実施の形態の処理方法を用いた場合の、作動耐久性能に関し、図6を参照しながら説明する。図6には、本実施の形態の燃料噴射弁10の閉弁時における油密(mm/min)と、処理後の作動回数との相関が示される。なお、図6において、Snめっき処理なしの場合が△プロットで示され、第1実施の形態(Snめっき処理+エージング処理)の場合が□プロットで示され、第2実施の形態(Snめっき処理+熱拡散処理+エージング処理)の場合が●プロットで示される。図6中の油密に関しては、この油密の値が低いほどに燃料シール性が高いと判断される。
図6に示すように、第1実施の形態及び第2実施の形態の処理方法を用いることによって、処理前よりも燃料シール性を向上させる(油密の値を低くする)ことが可能となることが確認された。これは、前述のようなSnめっき処理及びエージング処理によって、平滑面42の面粗度(平滑度合い)を向上させたことによる作用効果とされる。特に、第2実施の形態の処理方法を用いることによって、作動回数がn1→n2→n3と増えた場合でも燃料シール性を高いレベルで維持(油密の値を低く維持)することができることが確認された。これは、前述のような熱拡散処理によって、基材とSnめっき被膜との間に、基材からSnめっき被膜が剥離し難い密着性の高い熱拡散層を形成させたことによる作用効果とされる。従って、燃料噴射弁10の高燃料シール性を長い間維持することができ、高耐久性が実現されることとなる。
第2実施の形態の処理方法にて得られた、耐久性が相対的に高い流体制御バルブは、バルブの作動回数(摺動回数)が比較的多いことが予想されるバルブ製品、例えばインジェクタやレギュレーターなどに好適に用いられる。これに対し、第1実施の形態の処理方法にて得られた、耐久性が相対的に低い流体制御バルブは、作動回数(摺動回数)が比較的少ないことが予想されるバルブ製品、例えば遮断弁やチェック弁などに好適に用いられる。
上記構成の燃料噴射弁10の動作に関しては、外部電源から接続線25を通じて電磁コイル52に電流が供給されると、固定コア21から可動コア31を通ってボディ22へと磁束が流れ、バルブ30(可動コア31とボール弁32)を固定コア21方向に移動させる駆動力が発生する。これにより、バルブ30は、スプリング34の付勢力に抗して、バルブシート40から離れる方向(図1の上方向)に移動する。そして、バルブ30は、可動コア31が固定コア21に当接した位置で停止する。この場合、ボール弁32がバルブシートボディ41のシート面41bから離れる。これにより、燃料噴射孔41cが開き、燃料噴射孔41cからガソリン燃料が噴射されることとなる(開弁状態)。
一方、この状態で電磁コイル52への電流供給を停止すると、バルブ30は、スプリング34の付勢力によって、バルブシート40に近づく方向(図1の下方向)に移動する。そして、バルブ30は、ボール弁32がバルブシートボディ41のシート面41bに当接した位置で停止する。この場合、燃料噴射孔41cが閉じ、燃料噴射孔41cからの燃料の噴射が停止されることとなる(閉弁状態)。
なお、上記構成の平滑面42に関する成形方法に関しては、上記第1実施の形態や第2実施の形態以外に、図7に示すような別実施の形態を採用することもできる。図7には、本実施の形態の平滑面42に関する成形方法の第3実施の形態が示される。
図7に示す第3実施の形態では、第1工程としてのSnめっき処理、及びSnめっき処理の後処理である第2工程としてのバニシング加工を行うことによって平滑面42を形成する。ここでいう第1工程としてのSnめっき処理が、本発明における「第1の処理工程」に相当し、第2工程としてのバニシング加工が、本発明における「バニシング加工」及び「第2の処理工程」に相当する。
第1工程としてのSnめっき処理は、第1実施の形態におけるSnめっき処理と同様の処理条件にて遂行される(図7中の(a)参照)。
第2工程としてのバニシング加工は、スパロール加工とも称呼され、第1工程のSnめっき処理にて得られた部材のSnめっき処理面を押しならす塑性加工とされる。典型的には、液圧で保持された高硬度ボール等の加工ツールを、所定条件下(例えば、ワーク周速100m/min、送り0.1mm/rev、圧力35MPa)においてSnめっき処理面に転がり接触(圧縮回転接触)させる塑性加工法とされる。このバニシング加工を施すことによって、凸部のSnめっき除去ができると同時に、ステンレス製の基材表面が加工硬化された加工硬化層が形成される(図7中の(b)参照)。この加工硬化層は、基材表面から数μmの範囲に形成される耐摩耗性の高い高硬度の被覆層とされる。従って、基材表面に加工硬化層を形成させることによって、平滑面42の耐摩耗性向上を図ることが可能となる。更には基材凹部の開口部(幅)が狭まり、耐異物噛み込み性が向上する。
また、この第3実施の形態の成形方法を用いた場合、平滑面42の耐摩耗性向上を図ることによってインジェクタ流量変化を減少させることが可能となる。このインジェクタ流量変化の具体的な減少効果に関しては図8が参照される。図8は、図7中の第3実施の形態の処理方法を用いた場合のインジェクタの作動回数と流量の関係を示すグラフである。図8に示すように、第3実施の形態の処理方法のようなバニシング加工を用いることによって、前記の第1実施や第2実施の形態のようにエージング処理を施す場合の流量変化(ΔQ2)よりも低い流量変化(ΔQ1)に抑えることができ、インジェクタ流量変化を減少させることが可能となる。また、バニシング加工を用いる場合には、バルブを仮組した状態で作動させて、バルブシートに数千回程度の当りづけを行うエージング処理を必要しないため合理的である。
なお、必要に応じては、バニシング加工の前に、第2実施の形態の熱拡散処理、すなわち第1工程のSnめっき処理にて得られた部材を、所定条件下(例えば、温度180℃、60min)に置く操作を行うこともできる。
以上のように、本実施の形態によれば、シール性及び耐久性の向上を図ることが可能な燃料噴射弁10が提供される。具体的には、バルブシート40がステンレス製の基材よりも軟質のSnめっき被膜を有するため、基材の凹部にSnめっき被膜が容易に入り込んで表面が平滑状とされた平滑面42を容易に形成させることが可能となり、これによって閉弁状態におけるシール性を高めることができる。また、閉弁時におけるボール弁32とバルブシート40との当接は、実質的にボール弁32とバルブシート40の基材露出部43との間にて同様の硬さのステンレス材同士で行われるため、開閉動作が繰り返される場合の耐久性(耐摩耗性)を高めることができる。また、本実施の形態のように、基材に対し被膜を被着させる構造の場合には、基材に対し別部材を設ける構成に比して成形精度を高めることが可能となる。
また、本実施の形態によれば、ステンレス製の基材とSnめっき被膜との間に熱拡散層を備えることによって、これらステンレス製の基材とSnめっき被膜との密着性を高め、このSnめっき被膜が剥離し難い構成とされるため、これによって耐久性の高い燃料噴射弁10が提供される。本構成は、とりわけバルブの作動回数(摺動回数)が比較的多いことが予想されるバルブ製品に対し特に効果的である。
(他の実施形態)
本発明は、上記実施の形態で説明した構成に限定されるものではなく、燃料噴射弁の仕様、燃料の種類等に応じて、種々の変更、追加、削除が可能である。
上記実施の形態では、閉弁時に互いに当接するボール弁32及びバルブシート40のうち、バルブシート40側のシート面41bにSnめっき処理を施す場合について記載したが、本発明では、ボール弁32とバルブシート40のうちの少なくとも一方にSnめっき処理を施すことができる。また、本発明では、各種の方法を用いることによって、基材に対しこの基材よりも軟質の被膜を形成させることができ、めっき処理以外に、PVD処理、CVD処理、溶射などの処理方法を用いることもできる。
また、上記実施の形態では、バルブシート40側のシート面41bにおいて、ステンレス製の基材(硬度HV:750)に対しSn(硬度HV:10〜50)をめっき処理する場合について記載したが、本発明では、被膜が基材よりも軟質であればよく、基材と被膜の組み合わせは適宜選択可能である。例えば、基材に対し、当該基材よりも軟質の金属、樹脂、セラミックなどの被膜を被着させることができる。また、ステンレス製の基材に対し、Ni(硬度HV:200〜300)、Au(硬度HV:50〜150)、Cu(硬度HV:50〜200)、Ag(硬度HV:50〜150)、Zn(硬度HV:50〜100)などのめっき処理を施してもよい。また、黄銅製の基材(硬度HV:200〜300)を用いることもできる。なお、燃料に対する耐腐食性や材料コストを勘案した場合には、燃料に対する耐腐食性が高く、且つ相対的に材料コストの安価なSnをめっき材として選択するのが好ましい。
また、上記実施の形態では、流体としてガソリン燃料を噴射する燃料噴射弁について説明したが、本発明は、流体として各種の液体や気体の流れを制御する流体制御弁に適用可能である。この場合の流体としては、ガソリン燃料以外に、液化石油ガス(LPG)、液化天然ガス(LNG)、水素等が挙げられる。また、流体制御弁の種類に関しては、インジェクタ以外に、レギュレーター、リリーフバルブ、遮断弁、チェック弁等が挙げられる。
本発明の「燃料噴射弁」の一実施の形態である燃料噴射弁10の縦断面図である。 図1中の燃料噴射弁10のA部分の拡大図である。 図2中のB部分の構成を示す図である。 本実施の形態の平滑面42に関する成形方法の第1実施の形態を示す図である。 本実施の形態の平滑面42に関する成形方法の第2実施の形態を示す図である。 本実施の形態の燃料噴射弁10の閉弁時における油密(mm/min)と、処理後の作動回数との相関を示す図である。 本実施の形態の平滑面42に関する成形方法の第3実施の形態を示す図である。 図7中の第3実施の形態の成形方法を用いた場合のインジェクタの作動回数と流量の関係を示すグラフである。
符号の説明
10 燃料噴射弁
20 本体部
21 固定コア
21a 燃料通路
21b フランジ
22 ボディ
23 燃料フィルタ
24 コネクタ
24a ソケット部
25 接続線
30 バルブ(弁体)
31 可動コア
31a 燃料通路
31b 連通孔
32 ボール弁
33 スプリングアジャスタ
33a 燃料通路
34 スプリング
40 バルブシート
41 バルブシートボディ
41a 燃料通路
41b シート面
41c 燃料噴射孔
41d 溝
42 平滑面
43 基材露出部
50 駆動部
51 ボビン
52 電磁コイル

Claims (9)

  1. 燃料を噴射可能な燃料噴射孔と、
    前記燃料噴射孔を有するバルブシートと、
    前記バルブシートに対向して配置されるバルブと、
    を備え、
    前記バルブのバルブ側当接部と前記バルブシートのバルブシート側当接部とが当接して前記燃料噴射孔からの燃料噴射が停止される閉弁状態と、前記当接が解除されて前記燃料噴射孔から燃料噴射がなされる開弁状態に設定される燃料噴射弁であって、
    前記バルブシート側当接部と前記バルブ側当接部の少なくとも一方は、基材を覆う当該基材よりも軟質の被膜を有するとともに、これら基材及び被膜によって平滑面を形成する構成であることを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 請求項1に記載の燃料噴射弁であって、
    前記被膜は、前記基材に対し当該基材よりも軟質のめっき材がめっき処理されることによって形成されていることを特徴とする燃料噴射弁。
  3. 請求項2に記載の燃料噴射弁であって、
    前記基材と前記被膜との間に、これら基材及び被膜の金属結合により形成された拡散層を備えることを特徴とする燃料噴射弁。
  4. 流体を吐出可能な流体吐出孔と、
    前記流体吐出孔を有するバルブシートと、
    前記バルブシートに対向して配置されるバルブと、
    を備え、
    前記バルブのバルブ側当接部と前記バルブシートのバルブシート側当接部とが当接して前記流体吐出孔からの流体吐出が停止される閉弁状態と、前記当接が解除されて前記流体吐出孔から流体吐出がなされる開弁状態に設定される流体制御弁であって、
    前記バルブシート側当接部と前記バルブ側当接部の少なくとも一方は、基材を覆う当該基材よりも軟質の被膜を有するとともに、これら基材及び被膜によって平滑面を形成する構成であることを特徴とする流体制御弁。
  5. 請求項4に記載の流体制御弁であって、
    前記被膜は、前記基材に対し当該基材よりも軟質のめっき材がめっき処理されることによって形成されていることを特徴とする流体制御弁。
  6. 請求項5に記載の流体制御弁であって、
    前記基材と前記被膜との間に、これら基材及び被膜の金属結合により形成された拡散層を備えることを特徴とする流体制御弁。
  7. 燃料を噴射可能な燃料噴射孔と、
    前記燃料噴射孔を有するバルブシートと、
    前記バルブシートに対向して配置されるバルブと、
    を備え、
    前記バルブのバルブ側当接部と前記バルブシートのバルブシート側当接部とが当接して前記燃料噴射孔からの燃料噴射が停止される閉弁状態と、前記当接が解除されて前記燃料噴射孔から燃料噴射がなされる開弁状態に設定される燃料噴射弁の製造方法であって、
    前記バルブシート側当接部と前記バルブ側当接部の少なくとも一方に、基材を覆う当該基材よりも軟質の被膜を形成させる第1の処理工程と、
    前記第1の処理工程において形成された前記被膜の表面にエージング処理を施すことによって、前記基材及び被膜による平滑面を形成させる第2の処理工程と、
    を有することを特徴とする、燃料噴射弁の製造方法。
  8. 請求項7に記載の燃料噴射弁の製造方法であって、
    前記第2の処理工程の前に、前記第1の処理工程において形成された前記被膜の表面に熱拡散処理を施すことを特徴とする、燃料噴射弁の製造方法。
  9. 燃料を噴射可能な燃料噴射孔と、
    前記燃料噴射孔を有するバルブシートと、
    前記バルブシートに対向して配置されるバルブと、
    を備え、
    前記バルブのバルブ側当接部と前記バルブシートのバルブシート側当接部とが当接して前記燃料噴射孔からの燃料噴射が停止される閉弁状態と、前記当接が解除されて前記燃料噴射孔から燃料噴射がなされる開弁状態に設定される燃料噴射弁の製造方法であって、
    前記バルブシート側当接部と前記バルブ側当接部の少なくとも一方に、基材を覆う当該基材よりも軟質の被膜を形成させる第1の処理工程と、
    前記第1の処理工程において形成された前記被膜の表面にバニシング加工を施すことによって、前記基材及び被膜による平滑面を形成させる第2の処理工程と、
    を有することを特徴とする、燃料噴射弁の製造方法。
JP2007069223A 2006-03-31 2007-03-16 燃料噴射弁、燃料噴射弁の製造方法 Pending JP2007292057A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007069223A JP2007292057A (ja) 2006-03-31 2007-03-16 燃料噴射弁、燃料噴射弁の製造方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006098784 2006-03-31
JP2007069223A JP2007292057A (ja) 2006-03-31 2007-03-16 燃料噴射弁、燃料噴射弁の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007292057A true JP2007292057A (ja) 2007-11-08

Family

ID=38762883

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007069223A Pending JP2007292057A (ja) 2006-03-31 2007-03-16 燃料噴射弁、燃料噴射弁の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007292057A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6444685A (en) * 1987-08-12 1989-02-17 Canon Kk Still video reproducing device
JP2016509162A (ja) * 2013-03-11 2016-03-24 ローベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 高いシール性を有する、流体を制御するための弁
CN113939678A (zh) * 2019-06-05 2022-01-14 株式会社佐竹 压电致动器、压电式阀以及压电致动器的制造方法
KR20220027962A (ko) * 2019-06-28 2022-03-08 가부시끼가이샤 사따께 압전식 밸브 및 그 압전식 밸브의 제조 방법

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0839432A (ja) * 1994-05-25 1996-02-13 Kobe Steel Ltd 耐摩耗性に優れた表面処理金属部材およびその製法
JP2001012330A (ja) * 1999-06-28 2001-01-16 Denso Corp 電磁式燃料噴射弁の製造方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0839432A (ja) * 1994-05-25 1996-02-13 Kobe Steel Ltd 耐摩耗性に優れた表面処理金属部材およびその製法
JP2001012330A (ja) * 1999-06-28 2001-01-16 Denso Corp 電磁式燃料噴射弁の製造方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6444685A (en) * 1987-08-12 1989-02-17 Canon Kk Still video reproducing device
JP2016509162A (ja) * 2013-03-11 2016-03-24 ローベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 高いシール性を有する、流体を制御するための弁
US10125735B2 (en) 2013-03-11 2018-11-13 Robert Bosch Gmbh Valve for controlling a fluid with increased sealing action
CN113939678A (zh) * 2019-06-05 2022-01-14 株式会社佐竹 压电致动器、压电式阀以及压电致动器的制造方法
KR20220016870A (ko) * 2019-06-05 2022-02-10 가부시끼가이샤 사따께 압전 액추에이터, 압전식 밸브, 및 압전 액추에이터의 제조 방법
EP3982022A4 (en) * 2019-06-05 2023-09-06 Satake Corporation PIEZOELECTRIC ACTUATOR, PIEZOELECTRIC VALVE AND METHOD FOR PRODUCING A PIEZOELECTRIC ACTUATOR
KR102616954B1 (ko) 2019-06-05 2023-12-21 가부시끼가이샤 사따께 압전 액추에이터, 압전식 밸브, 및 압전 액추에이터의 제조 방법
US11982368B2 (en) 2019-06-05 2024-05-14 Satake Corporation Piezoelectric actuator, piezoelectric valve, and method of manufacturing piezoelectric actuator
KR20220027962A (ko) * 2019-06-28 2022-03-08 가부시끼가이샤 사따께 압전식 밸브 및 그 압전식 밸브의 제조 방법
KR102650263B1 (ko) 2019-06-28 2024-03-21 가부시끼가이샤 사따께 압전식 밸브 및 그 압전식 밸브의 제조 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20070228193A1 (en) Fuel injector
US7735757B2 (en) Gaseous fuel injection valve
US8006715B2 (en) Valve with thin-film coating
EP2492488B1 (en) Electromagnetic fuel injection valve
US11060494B2 (en) Valve and method for producing a valve
JP6426556B2 (ja) 燃料噴射装置
JP4011547B2 (ja) 燃料噴射弁
EP2067983B1 (en) Valve assembly for an injection valve and injection valve
JP2007292057A (ja) 燃料噴射弁、燃料噴射弁の製造方法
Matsumoto et al. Concepts and evolution of injector for common rail system
CN107429650B (zh) 电磁操纵的量控制阀,尤其用于控制燃料高压泵的输送量
JP2011174569A (ja) 電磁弁
US10788003B2 (en) High-pressure fuel supply pump
EP1284358A2 (en) Internal combustion engine fuel injector and its manufacturing method
US9261060B2 (en) Fuel injector with variable area poppet nozzle
US20120318893A1 (en) Needle for needle valve
US6916048B2 (en) Device for fluid-tight connection of a fitting to an internal combustion engine fuel injector
JP4400638B2 (ja) 電磁弁およびそれを用いた燃料噴射装置
JP2007182903A (ja) 燃料噴射弁
JP7110994B2 (ja) 耐食性装置
JP4672610B2 (ja) 電磁弁及びその製造方法
US11131400B2 (en) High-pressure fuel supply pump and method of manufacturing the same
JP2020514639A (ja) 電磁弁、電磁弁を備えた内燃機関および電磁弁を製造するための方法
EP2439400A1 (en) Valve assembly for an injection valve and injection valve
WO2009141839A1 (en) Valve assembly for an injection valve and injection valve

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070831

A521 Written amendment

Effective date: 20070831

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090626

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101201

A02 Decision of refusal

Effective date: 20110406

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02