JP2007291926A - 蒸発燃料処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】絞りによる空気および混合気の圧力変化量に基づいて、キャニスタから吸気管に導く混合気の流量を制御する形式の内燃機関の蒸発燃料処理装置において、圧力変化量を計測する圧力計測系の異常を判定できるようにする。
【解決手段】装置に最初に電源が供給されたときに、ポンプを駆動させて絞りに空気を流通させる(S22)。そして、そのときの絞りによる圧力降下量(差圧ΔP1)を検出して(S23)、それを初期値ΔP1(0)としてEEPROMに記憶しておく。そして、流量制御用のために、絞りに空気を流通させたときに計測される差圧ΔP1を初期値ΔP1(0)と比較する。圧力計測系に異常がなければ、差圧ΔP1は初期値ΔP1(0)とそれほど変わらないはずであるから、両者を比較することにより、圧力計測系の異常を判定できる。
【選択図】図2
【解決手段】装置に最初に電源が供給されたときに、ポンプを駆動させて絞りに空気を流通させる(S22)。そして、そのときの絞りによる圧力降下量(差圧ΔP1)を検出して(S23)、それを初期値ΔP1(0)としてEEPROMに記憶しておく。そして、流量制御用のために、絞りに空気を流通させたときに計測される差圧ΔP1を初期値ΔP1(0)と比較する。圧力計測系に異常がなければ、差圧ΔP1は初期値ΔP1(0)とそれほど変わらないはずであるから、両者を比較することにより、圧力計測系の異常を判定できる。
【選択図】図2
Description
本発明は、内燃機関の蒸発燃料処理装置に関する。
蒸発燃料処理装置は、燃料タンクで発生した蒸発燃料の大気への放散を防止するためのもので、燃料タンク内の蒸発燃料を、吸着材を収納したキャニスタ内に導入して、一時的に吸着材に吸着させる。吸着材に吸着された蒸気燃料は、内燃機関の運転時に、吸気管に発生する負圧により吸着材から離脱し、パージ通路を介して内燃機関の吸気管に放出(パージ)される。このようにして、吸着材から蒸気燃料が離脱すると、吸着材の吸着能力が回復する。
蒸発燃料をパージする際には、パージ通路に設けられたパージ制御弁により、蒸発燃料を含む混合気の流量が調節される。ただし、実際に吸気管にパージされる蒸発燃料量を、適正な空燃比となるようにパージ制御弁で調節するためには、パージ通路を流れる混合気中の蒸発燃料の濃度を高精度に計測することが重要となる。
このため、従来は、例えば特許文献1に示されるように、パージ通路及びパージ通路から分岐する大気通路に質量流量計を設置し、2つの質量流量計の出力値に基づいて、パージ通路から内燃機関の吸気管に供給される混合気中の蒸発燃料の濃度を検出するようにしている。
しかしながら、特許文献1に記載の装置では、流量計がパージ通路に設置されているので、蒸発燃料を含む混合気のパージが実施されて、パージ通路内を混合気が流れないと蒸発燃料の濃度が検出できない。このため、検出した蒸発燃料濃度を空燃比制御に反映するためには、パージした蒸発燃料がインジェクタ位置に到達するに先立って蒸発燃料濃度の検出を完了し、これを用いてインジェクタから噴射される燃料の噴射量の指令値を補正する必要がある。
しかしながら、吸気管容積の小さなエンジンの場合や、吸入空気の流速の速い運転領域では、パージした蒸発燃料がインジェクタ位置に到達するまでの所要時間が、蒸発燃料の濃度の測定を完了するのに要する時間よりも短い場合が生じ、パージの開始初期から、測定した蒸発燃料濃度を空燃比制御に反映することができない場合がある。このため、配管のレイアウトなどのエンジン構造や、パージを開始する運転領域が制限されることになる。
特開平5−18326号公報
上記問題を解決する手段として、絞りに空気および蒸発燃料を含む混合気を流通させ、絞りによる空気の圧力変化量と、絞りによる混合気の圧力変化量とを検出し、その2つの圧力変化量に基づいてキャニスタから内燃機関の吸気管に導く混合気の流量を制御することが考えられる。
絞りによる圧力変化量は、ベルヌーイの法則として知られているように、その絞りを流通する流体の密度によって変化する。そのため、絞りに基準となる蒸発燃料0%の気体(すなわち空気)を流通させたときの圧力変化量と、絞りに蒸発燃料を含む混合気を流通させたときの圧力変化量を比較すれば、両気体の密度差を検出することができる。そして、密度差は混合気の蒸発燃料濃度に対応する。従って、2つの圧力変化量に基づいて、混合気の蒸発燃料濃度を知ることができるのである。なお、本出願人は、この考えに基づいた内燃機関の蒸発燃料処理装置に係る発明をすでに出願した(特願2004−377452号)。
絞りによる圧力変化量に基づいて蒸発燃料濃度を演算する場合、絞りによる圧力変化量が、混合気の蒸発燃料濃度のみによって変動し、他の要因によっては変動しないことが望ましい。
しかし、実際の混合気の蒸発燃料濃度が同じであっても、絞りの径がゴミの詰まり等によって変化してしまうと、圧力変化量は変化してしまう。また、絞りが形成されている計測通路に漏れ孔が生じている場合や、ポンプが発生させるガス流の流量が変化した場合にも圧力変化量は変化してしまう。このように、圧力変化量を計測する圧力計測系の一部に異常が生じている場合には、その異常に起因して圧力変化量が変動してしまう。圧力計測系の異常に起因して圧力変化量が変動してしまうと、圧力変化量に基づいて制御される混合気の流量制御精度が低下してしまい、その結果、内燃機関に導入する気体の理論空燃比からのずれが大きくなってしまう。
本発明は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、絞りによる空気および混合気の圧力変化量に基づいて、キャニスタから吸気管に導く混合気の流量を制御する形式の内燃機関の蒸発燃料処理装置において、圧力変化量を計測する圧力計測系の異常を判定できるようにすることにある。
その目的を達成するための請求項1記載の発明は、燃料タンク内の蒸発燃料を蒸発燃料通路を介してキャニスタに導入して、キャニスタ内の吸着材に一時的に吸着させ、内燃機関の運転時に、前記吸着材に吸着した蒸発燃料を前記内燃機関の吸気管に放出する内燃機関の蒸発燃料処理装置であって、
途中に絞りを有する計測通路と、その計測通路の絞りを通過するガス流を発生させるポンプと、そのポンプがガス流を発生させたときに、前記絞りによって生じる圧力低下量を計測する圧力計測手段と、前記計測通路を大気に開放して、その計測通路に流れるガスを空気とする第1の計測状態と、その計測通路を前記キャニスタに連通することによって、計測通路に流れるガスをキャニスタからの蒸発燃料を含む混合気とする第2の計測状態とに切り替える計測通路切替手段と、前記第1の計測状態において前記圧力計測手段によって計測される第1の圧力と、前記第2の計測状態において前記圧力計測手段によって計測される第2の圧力とに基づいて、前記キャニスタから前記吸気管に導く混合気の流量を制御する流量制御手段とを備え、
さらに、最初に前記第1の計測状態とされたときに前記圧力計測手段によって計測された第1の圧力の初期値を、所定の記憶装置に記憶させる初期値記憶制御手段と、前記記憶装置に記憶されている前記第1の圧力の初期値と、その初期値計測後に前記第1の計測状態において前記圧力計測手段によって計測された第1の圧力とを比較した比較値が、所定の異常判定基準値を超えているか否かに基づいて、前記計測通路、ポンプ、圧力計測手段、および計測通路切替手段を含む圧力計測系の異常を判定する異常判定手段とを含むことを特徴とする。
途中に絞りを有する計測通路と、その計測通路の絞りを通過するガス流を発生させるポンプと、そのポンプがガス流を発生させたときに、前記絞りによって生じる圧力低下量を計測する圧力計測手段と、前記計測通路を大気に開放して、その計測通路に流れるガスを空気とする第1の計測状態と、その計測通路を前記キャニスタに連通することによって、計測通路に流れるガスをキャニスタからの蒸発燃料を含む混合気とする第2の計測状態とに切り替える計測通路切替手段と、前記第1の計測状態において前記圧力計測手段によって計測される第1の圧力と、前記第2の計測状態において前記圧力計測手段によって計測される第2の圧力とに基づいて、前記キャニスタから前記吸気管に導く混合気の流量を制御する流量制御手段とを備え、
さらに、最初に前記第1の計測状態とされたときに前記圧力計測手段によって計測された第1の圧力の初期値を、所定の記憶装置に記憶させる初期値記憶制御手段と、前記記憶装置に記憶されている前記第1の圧力の初期値と、その初期値計測後に前記第1の計測状態において前記圧力計測手段によって計測された第1の圧力とを比較した比較値が、所定の異常判定基準値を超えているか否かに基づいて、前記計測通路、ポンプ、圧力計測手段、および計測通路切替手段を含む圧力計測系の異常を判定する異常判定手段とを含むことを特徴とする。
このように、請求項1記載の発明では、初期値記憶制御手段を備えており、最初に第1の計測状態とされたときの第1の圧力(すなわち絞りによる空気の圧力低下量)の初期値が記憶装置に記憶される。そして、初期値計測後に第1の圧力を計測したときには、記憶装置に記憶されている第1の圧力の初期値と今回測定した第1の圧力との比較値を算出して、その比較値が所定の異常判定基準値を超えているか否かに基づいて、圧力計測系の異常を判定する。すなわち、圧力変化量を計測する圧力計測系の異常を判定することができるようになっている。
請求項2記載の発明は、前記蒸発燃料処理装置に最初に電源が投入されたときに、前記ポンプ、計測通路切替手段を制御して前記第1の計測状態として、前記圧力計測手段によって前記第1の圧力の初期値を計測させる初期値計測制御手段をさらに備えていることを特徴とする。
このようにすれば、第1の圧力の初期値として、装置の最も初期の状態における圧力を記憶装置に記憶させることができる。
ここで、圧力計測系が初期状態と同じ正常状態に維持されていたとしても、初期値計測時と大気圧、気温、および湿度のうちのいずれかが異なる場合には、絞りによる空気の圧力低下量は、それら大気圧等の違いに基づいて変化する。そこで、請求項3乃至5記載のようにして、大気圧等の違いを補正して異常判定することが好ましい。
すなわち、請求項3記載の発明は、大気圧を計測する大気圧センサと、前記比較値の算出に用いる2つの第1の圧力を計測した時点において前記大気圧センサによってそれぞれ検出された2つの大気圧に基づいて、前記比較値の算出に用いる2つの第1の圧力のうちの一方または前記異常判定基準値を補正する大気圧補正手段とをさらに含むことを特徴とする。
また、請求項4記載の発明は、気温を計測する気温センサと、前記比較値の算出に用いる2つの第1の圧力を計測した時点において前記気温センサによってそれぞれ検出された2つの気温に基づいて、前記比較値の算出に用いる2つの第1の圧力のうちの一方または前記異常判定基準値を補正する気温補正手段とをさらに含むことを特徴とする。
また、請求項5記載の発明は、大気の湿度を計測する湿度センサと、前記比較値の算出に用いる2つの第1の圧力を計測した時点において前記湿度センサによってそれぞれ検出された2つの湿度に基づいて、前記比較値の算出に用いる2つの第1の圧力のうちの一方または前記異常判定基準値を補正する湿度補正手段とをさらに含むことを特徴とする。
また、絞りによる空気の圧力低下量は、絞りを流れる流量にも影響を受ける。そこで、請求項6記載のように、流量に基づいて補正することが好ましい。
その請求項6記載の発明は、前記比較値の算出に用いる第1の圧力の初期値を計測したときの前記ポンプの流量と、前記比較値の算出に用いる他方の第1の圧力を計測したときの前記ポンプの流量とに基づいて、前記比較値の算出に用いる2つの第1の圧力のうちの一方または前記異常判定基準値を補正する流量補正手段をさらに含むことを特徴とする。
上記請求項3乃至6のように補正手段を備え、比較値の算出に用いる2つの第1の圧力のうちの一方または異常判定基準値を補正するようにすれば、より精度よく圧力計測系の異常を判定することができるようになる。
請求項7記載の発明は、前記内燃機関が搭載される車両に設けられる不揮発性記憶装置をさらに含み、前記初期値記憶制御手段は、その不揮発性記憶装置に前記第1の圧力の初期値を記憶させることを特徴とする。
このように、内燃機関が搭載される車両に不揮発性記憶装置を備え、その不揮発性記憶装置に第1の圧力の初期値を記憶させるようにすれば、初期値の記憶処理が簡単になる。また、記憶装置が不揮発性であるため、常時電源が供給される必要もない。
なお、請求項7記載発明とは異なり、初期値記憶制御手段は、内燃機関が搭載される車両から離れた場所に設置されている記憶装置に初期値を記憶させてもよい。この場合には、その記憶装置との間で通信するための無線通信装置が必要となる。ただし、初期値を記憶した不揮発性記憶装置の場合には、異常判定手段等を実現するコンピュータとともにその不揮発性記憶装置が交換されてしまい、それによって最初に第1の計測状態とされたときの初期値を利用できなくなる可能性もある。それに対して、車両から離れた場所の記憶装置に初期値を記憶しておく場合には、車両に搭載されたコンピュータを交換したとしても、その初期値を利用することができる。
上記請求項7記載のように、車両に不揮発性記憶装置を備えて、その不揮発性記憶装置に計測した初期値を記憶させる場合、前述のように、コンピュータの交換によって当初の初期値が利用できないことも生じる。この場合、コンピュータの交換後に初期値を再計測してもよいが、請求項8のように、予め設定された標準初期値を用いてもよい。
その請求項8記載の発明は、請求項7に記載の内燃機関の蒸発燃料処理装置において、ユーザによって操作される初期値設定スイッチをさらに備え、前記異常判定手段は、その初期値設定スイッチが操作された場合には、第1の圧力の初期値として、標準的な前記第1の圧力として予め設定された標準初期値を用いることを特徴とする。
コンピュータの交換後に初期値を再計測する場合には、その再計測の時点ですでに圧力計測系が異常となっている場合、または、異常にまで至っていなくても、それに近い状態となっていると、以後の異常判定手段における異常判定精度が大きく低下してしまうことになる。しかし、請求項8記載の発明では、ユーザの判断によって、異常判定手段において用いる第1の圧力の初期値を標準初期値に変更することができるので、異常判定精度が大きく低下してしまうことを防止することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態による蒸発燃料処理装置の構成を示す構成図である。本実施形態による蒸発燃料処理装置は、例えば自動車のエンジンに適用され、内燃機関であるエンジン1の燃料タンク11は、蒸気導入通路であるエバポライン12を介してキャニスタ13と常時連通されている。
キャニスタ13内には吸着材14が充填されており、燃料タンク11内で発生した蒸発燃料を吸着材14で一時的に吸着する。キャニスタ13は、パージ管であるパージライン15を介してエンジン1の吸気管2と接続されている。パージライン15には、パージ制御弁であるパージバルブ16が設けられ、その開き時にはキャニスタ13と吸気管2とが連通するようになっている。
キャニスタ13の内部には、仕切板14aおよび14bが設けられている。仕切板14aは、エバポライン12の接続位置とパージライン15の接続位置との間に設けられており、エバポライン12から導入された蒸発燃料が、吸着材14に吸着されることなくパージライン15から放出されることを防止している。
キャニスタ13には後述するように大気ライン17も接続されており、他方の仕切板14bは、その大気ライン17の接続位置とパージライン15の接続位置との間において、吸着材14の充填深さとほぼ同じ深さで設けられている。これにより、エバポライン12から導入された燃料蒸気が大気ライン17から放出されることを防止するようにしている。
パージバルブ16は電磁弁であり、エンジン1の各部を制御する電子制御ユニット(ECU)30によって開度が調整される。パージライン15を流れる蒸発燃料を含む混合気の流量は、パージバルブ16の開度によって制御され、その流量が制御された混合気が、スロットルバルブ3によって発生される吸気管2内の負圧により吸気管2内にパージされ、インジェクタ4からの噴射燃料とともに燃焼される(以下、適宜、パージされる蒸発燃料を含む混合気をパージガスという)。
キャニスタ13には、先端がフィルタを介して大気に開放する大気ライン17が接続されている。この大気ライン17には、キャニスタ13を大気ライン17とポンプ26の吸入側のいずれかに連通させる切替弁18が設けられている。なお、切替弁18は、ECU30による非駆動時には、キャニスタ13を大気ライン17に連通させる第1位置にあり、駆動時に、キャニスタ13をポンプ26の吸入側に連通させる第2位置に切り替えられる。
パージライン15から分岐する分岐ライン19は、3位置弁21の一方の入力ポートに接続されている。また、3位置弁21の他方の入力ポートには、フィルタを介して大気に開放されるポンプ26の吐出ライン27から分岐する空気供給ライン20が接続されている。3位置弁21の出力ポートには、計測通路である計測ライン22が接続されている。
3位置弁21は計測通路切替手段であり、上述したECU30によって、空気供給ライン20を計測ライン22に接続する第1位置、計測ライン22に対して空気供給ライン20および分岐ライン19のいずれとの連通も遮断する第2位置、および分岐ライン19を計測ライン22に接続する第3位置のいずれかに切り替えられる。なお、非駆動時、3位置弁21は第1位置となるように構成されている。
計測ライン22には、オリフィスによって構成された絞り23およびポンプ26が設けられている。ガス流発生手段であるポンプ26は電動ポンプであり、駆動時に絞り23側を吸入側として計測ライン22にガスを流動させるもので、その駆動のオンオフおよび回転数がECU30により制御される。ECU30は、ポンプ26を駆動する際、その回転数が予め設定した所定値で一定となるように制御する。
切替弁18は第1位置のまま、3位置弁21を第1位置とした状態で、ECU30がポンプ26を駆動すると、計測ライン22を空気が流動する「第1の計測状態」となる。また、3位置弁21を第3の位置とした状態でポンプ26を駆動すると、大気ライン17、キャニスタ13、分岐ライン19までのパージライン15の一部、および分岐ライン19を介して供給される蒸発燃料を含む混合気が計測ライン22を流動する「第2の計測状態」となる。
また、計測ライン22には、絞り23の下流側、すなわち、絞り23とポンプ26との間に、圧力計測手段である圧力センサ24の一方の端が接続されている。この圧力センサ24の他方の端は大気に開放しており、圧力センサ24によって、大気圧と計測ライン22の絞り23よりも下流側の圧力との差圧ΔPが検出される。この圧力センサ24によって計測された差圧ΔPは、ECU30に出力される。
また、本実施形態の蒸発燃料処理装置は、大気圧センサ31、気温センサ32、湿度センサ33、および流量センサ34を備えている。大気圧センサ31、気温センサ32、湿度センサ33は、計測ライン22の近傍またはそれと同等の雰囲気環境の場所に設置され、検出した大気圧、気温、湿度をECU30に出力する。また、流量センサ34は、吐出ライン27に設けられ、吐出ライン27を流通する気体の流量を検出して、検出した流量を示す信号をECU30に出力する。この流量は、吐出ライン27に接続されているポンプ26の流量に相当する。
また、本実施形態の蒸発燃料処理装置は、初期値設定スイッチ35および不揮発性記憶装置であるEEPROM36も備えている。初期値設定スイッチ35は、絞り23による空気の圧力低下量を意味する第1の圧力の初期値ΔP1(0)を、予め設定された標準初期値ΔP1(0)stとする場合にユーザによって押圧操作されるものであり、押圧操作されたことを示す信号がECU30に出力される。EEPROM36は、ECU30と同一の基板に設置され、ECU30と一体となって、取り付け、取り外しされる。このEEPROM36には、実測された第1の圧力の初期値ΔP1(0)等が記憶される。
ECU30は、吸気管2に設けられて吸入空気量を調整するスロットルバルブ3の開度、インジェクタ4からの燃料噴射量、パージバルブ16の開度等を、種々のセンサによって検出された検出値に基づいて制御する。例えば、吸気管2に設けたエアフローセンサ(図示せず)により検出される吸入空気量および吸気圧センサ(図示せず)により検出される吸気圧、排気管5に設けた空燃比センサ6により検出される空燃比の他、イグニッション信号、エンジン回転数、エンジン冷却水温、アクセル開度等に基づいて、スロットル開度、燃料噴射量、パージバルブ16の開度等を制御する。
パージバルブ16の開度を制御するに際しては、絞り23に空気およびパージガスを流通させて、絞り23による両気体の圧力降下量から蒸発燃料濃度を算出する。また、ECU30は、その圧力降下量を計測する圧力計測系の異常を判定する機能も備えている。
図2は、ECU30の処理を示すものであって、上記圧力計測系の異常を判定するために必要となる初期値を計測し、記憶する初期値計測記憶制御ルーチンである。上記初期値とは、本装置に最初に電源が供給されたときに、前述の第1の計測状態で計測される第1の圧力の初期値である。本装置に最初に電源が供給されるのは、車両へ本装置を組み込んだとき、または、車両の工場出荷時である。
本フローチャートは、イグニッションスイッチがオンされると、所定周期で繰り返し実行される。なお、イグニッションスイッチがオフからオンにされたときには、3位置弁21および切替弁18は非駆動状態にある。
図2において、まず、ステップS21では、初期値計測済みフラグが1であるか否かを判断する。初期状態では初期値計測済みフラグは0となっている。また、前述のように、この図2のフローチャートは、イグニッションスイッチがオンされることによって実行されるようになっている。従って、工場出荷時など最初に本発明の蒸発燃料処理装置に電源が投入されたときには、ステップS21が否定判断となって、ステップS22以降を実行する。一方、ステップS21の判断が肯定判断である場合には、本ルーチンを終了する。
ステップS21が否定判断となった場合には、ステップS22においてポンプ26を一定の回転数で駆動させる。このときは3位置弁21が第1位置となっているので、第1の計測状態となり、絞り23を空気が流通する。
ステップS23では、絞り23を空気が流通している状態での絞り23の前後の差圧ΔPを、圧力センサ24によって検出する。絞り23を空気が流通しているときの差圧を、以下、ΔP1とする。この差圧ΔP1は第1の圧力に相当する。なお、この差圧ΔP1の検出は、ポンプ26の駆動後、過渡的な差圧の変化期間が終了した後に行う。
続くステップS24では、大気圧センサ31、気温センサ32、湿度センサ33、流量センサ34によって、大気圧、気温、湿度、吐出ライン27の流量(それぞれp0、t0、h0、Q0とする)を検出する。
そして、ステップS25では、ステップS23で検出した差圧ΔP1を、第1の圧力の初期値ΔP1(0)としてEEPROM36の所定の記憶領域に記憶する。また、それとともに、ステップS24で検出した大気圧p0、気温t0、湿度h0、流量Q0も、それぞれEEPROM36の所定の記憶領域に記憶する。このステップS25が初期値記憶制御手段に相当する。また、ステップS21乃至S24によって、本装置に最初に電源が投入されたときに第1の圧力の初期値ΔP1(0)が計測されることになるので、ステップS21乃至S24の処理が初期値計測制御手段に相当する。
ステップS25の実行後は、ステップS26において、初期値計測済みフラグを1に更新して本ルーチンを終了する。初期値計測済みフラグが1とされることにより、以後は、ステップS22以下が実行されることはなくなる。
図3にECU30で実行される蒸発燃料のパージのフローチャートを示す。本フローチャートはエンジン1が運転を開始すると実行される。ステップS31では濃度検出条件が成立しているか否かを判定する。濃度検出条件は、エンジン水温、油温、エンジン回転数などの運転状態を表す状態量が所定の領域にあるときに成立し、後述する蒸発燃料のパージの実施を許容する否かのパージ実施条件が成立するよりも先に成立するように設定してある。
そのパージ実施条件は、例えばエンジン冷却水温が所定値Temp1以上となってエンジン暖機完了と判断されることである。濃度検出条件はエンジン暖機中に成立するが、例えば冷却水温が前記所定値Temp1よりも低めに設定した所定値Temp2以上であることを条件とする。また、エンジン運転中で蒸発燃料のパージが停止されている期間(主に減速中)も濃度検出条件成立とする。なお、本蒸発燃料処理装置をハイブリッド車に適用する場合は、エンジンを一時停止してモータにより走行しているときも濃度検出条件成立となる。
ステップS31が肯定判断されると、ステップS32に進み、後述する濃度検出ルーチンを実行する。否定判断されるとステップS37に進む。ステップS37ではイグニッションキーがオフしたか否かを判定し、否定判断されると、ステップS31に戻る。イグニッションキーがオフされていれば本フローを終了する。
図4に濃度検出ルーチンの内容を示す。濃度検出ルーチンの実行において、初期状態は、パージバルブ16が「閉」、3位置弁21が「第1位置」、切替弁18が「閉」、ポンプ26が「停止」である。
この状態から、ステップS401において、ポンプ26を駆動する。このときの気体の流通状態を図5に矢印で示す。図5に示す状態は、第1の計測状態であり、空気供給ライン20から取り込まれた空気が、3位置弁21を通って計測ライン22の絞り23を流通して、吐出ライン27から大気へと抜ける。また、空気が絞り23を流通する際には、その絞り23によって圧力損失が生じる。
ステップS402では、第1の計測状態とした後、さらに、過渡的な圧力変化期間が経過した後に差圧ΔP1を検出する。そして、ステップS403では、流量センサ34によって、差圧ΔP1を検出したときのポンプ26の流量(Q1とする)を検出する。
ステップS404では3位置弁21を第3位置とする。このときの気体の流通状態を図6に示す。図6に示す状態は第2の計測状態であり、空気が大気ライン17からキャニスタ13に導入され、それによって生成する蒸発燃料を含む混合気がパージライン15から分岐ライン19、3位置弁21を経由して、計測ライン22の絞り23を流通する。
ステップS405では、第2の計測状態に切り替えた後(ステップS404の実行後)、さらに過渡的な圧力安定化時間が経過した後に、差圧ΔP(以下、絞り23に混合気が流通したときのの差圧をΔP2とする)を検出する。この差圧ΔP2は、絞り23による混合気の圧力低下量を示すものである。
続いて、蒸発燃料濃度演算手段としての処理であるステップS406、S407を実行する。ステップS406では、ステップS402、S405で得られた2つの差圧ΔP1、ΔP2に基づいて差圧比Pを式(1)に従って算出する。
P=ΔP2/ΔP1・・・(1)
P=ΔP2/ΔP1・・・(1)
ステップS407では、差圧比Pに基づいて蒸発燃料濃度Cを式(2)に従って算出する。式(2)中、k1は定数であり、予め制御プログラムなどとともにECU30のROMに記憶される。
C=k1×(P−1)(=(ΔP2−ΔP1)/ΔP1)・・・(2)
C=k1×(P−1)(=(ΔP2−ΔP1)/ΔP1)・・・(2)
蒸発燃料は空気よりも重いため、パージガスに蒸発燃料が含まれていると、密度が大きくなる。ポンプ26の回転数が同じで計測ライン22の流速(流量)が同じであれば、エネルギー保存の法則により、密度が大きいほど絞り23の差圧が大きくなる。蒸発燃料濃度が高いほど密度が大きくなるので、蒸発燃料濃度Cが大きくなるほど、差圧比Pが大きくなる。その結果、蒸発燃料濃度Cおよび差圧比Pが従う特性線は直線となる。式(2)はかかる特性線を表現したものであり、定数k1は予め実験などにより適合される。
次のステップS408では、得られた蒸発燃料濃度Cを一時、記憶する。そして、ステップS409で3位置弁21を第1位置に戻し、ステップS410でポンプ26を停止する。
図2に戻って、濃度検出ルーチン(ステップS32)を実行したら、ステップS33において、異常判定手段に相当する異常判定ルーチンを実行する。図7に異常判定ルーチンの内容を示す。
まず、ステップS71では、大気圧センサ31、気温センサ32、および湿度センサ33によって、大気圧、気温、および湿度(p1、t1、h1とする)をそれぞれ検出する。
続くステップS72は、大気圧補正手段、気温補正手段、湿度補正手段および流量補正手段に相当する処理である。このステップS72では、図4のステップS402で検出した差圧ΔP1を、その差圧ΔP1計測時に検出した大気圧p1、気温t1、湿度h1、流量Q1と、初期値ΔP1(0)計測時の大気圧p0、気温t0、湿度h0、流量Q0とに基づいて、大気圧、気温、湿度、流量の変動による差圧変動分を補正する(この補正後の値を補正差圧ΔP1cとする)。
具体的には、絞り特性が式(3)で表せ、その式(3)を変形すると、差圧ΔPが式(4)と表せる。式4に示すように、密度ρは一乗項であり、大気圧、温度、および湿度はこの密度に影響する。また、流量Qは二乗項である。従って、補正差圧ΔP1cは式(5)から算出することができる。
Q=K(ΔP/ρ)1/2・・・(3)
式(3)において、ρは絞り23を流通する流体の密度、Qは絞り23の流量、Kは定数であり、絞り23の穴径をdとすると、K=α×π×d2/4×21/2である。ここでαは絞り23の流量係数である。
式(3)において、ρは絞り23を流通する流体の密度、Qは絞り23の流量、Kは定数であり、絞り23の穴径をdとすると、K=α×π×d2/4×21/2である。ここでαは絞り23の流量係数である。
ΔP=(8×Q2×ρ)/(α2π2d4)・・・(4)
ΔP1c=ΔP1×a(t1/t0)×b(h1/h0)×c(p1/p0)×e(Q1/Q0)2・・・(5)
式(5)において、a、b、c、eは予め実験に基づいて決定された定数である。
ΔP1c=ΔP1×a(t1/t0)×b(h1/h0)×c(p1/p0)×e(Q1/Q0)2・・・(5)
式(5)において、a、b、c、eは予め実験に基づいて決定された定数である。
続くステップS73では、上記ステップS72で算出した補正差圧ΔP1cと、第1の圧力の初期値ΔP1(0)との差を比較した比較値Cを式(6)から算出する。
C=|ΔP1(0)−ΔP1c|・・・(6)
なお、上記第1の圧力の初期値ΔP1(0)としては、初期値設定スイッチ35が押されていない場合には、図2のステップS23で実測した値を用いる。一方、初期値設定スイッチ35が押された場合には、初期値ΔP1(0)としてECU30のROM内に予め記憶されている標準初期値ΔP1(0)stを用いる。
C=|ΔP1(0)−ΔP1c|・・・(6)
なお、上記第1の圧力の初期値ΔP1(0)としては、初期値設定スイッチ35が押されていない場合には、図2のステップS23で実測した値を用いる。一方、初期値設定スイッチ35が押された場合には、初期値ΔP1(0)としてECU30のROM内に予め記憶されている標準初期値ΔP1(0)stを用いる。
このように、初期値設定スイッチ35を設けて、ユーザの判断に基づいて初期値に標準初期値ΔP1(0)stを用いることができるようになっていると、ECU30およびEEPROM36を交換した場合に、初期値設定スイッチ35を押圧操作すれば、標準初期値ΔP1(0)stを用いることができる。
このようにしない場合には、EUC30およびEEPROM36を交換した場合に、再度、初期値ΔP1(0)を計測することになる。ただし、この場合には、ECU30およびEEPROM36の交換時の状態を基準として圧力計測系の異常を判断することになるので、交換時に既に圧力計測系が異常に近い状態となっている場合には、圧力計測系の異常判定精度が低下する。
これに対して、初期値設定スイッチ35を押圧操作して、標準初期値ΔP1(0)stを用いるようにすれば、圧力計測系の異常判定精度が大きく低下してしまうことを防止することができる。
続くステップS74では、上記ステップS73で算出した比較値Cが、予め設定した異常判定基準値THを越えているか否かを判断する。このステップS74が否定判断であった場合には、直接、本ルーチンを終了する。一方、肯定判断であった場合、すなわち、補正差圧ΔP1cと初期値ΔP1(0)との差である比較値Cが異常判定基準値THよりも大きい場合には、差圧ΔP1を検出する圧力検出系に異常が生じている可能性が高い。そこで、ステップS75に進んで、所定の異常表示器やスピーカなどの報知装置から、圧力検出系が異常であることを報知させた後、本ルーチンを終了する。
再び図3に戻って、ステップS33の異常判定ルーチン実行後は、ステップS34において、パージ実施条件が成立しているか否かを判定する。パージ実施条件は一般的な蒸発燃料処理装置のごとく、エンジン水温、油温、エンジン回転数などの運転状態に基づいて判断される。
ステップS34が肯定判断である場合、ステップS35でパージ実施ルーチンを実行する。パージ実施ルーチンでは、エンジン運転状態を検出し、検出されたエンジン運転状態に基づいて、吸気管2に導入するパージガス流量を算出する。従って、このステップS35が流量制御手段に相当する。
具体的には、このパージガス流量は、現在のスロットル開度などのエンジン運転状態のもとで要求される燃料噴射量、インジェクタ4で制御可能な燃料噴射量の下限値、吸気管2の圧力などに基づいて算出される。そして、このパージガス流量を実現するためのパージバルブ16の開度を、図4で記憶した蒸発燃料濃度Cに基づいて演算する。このようにして演算された開度に従って、パージ停止条件が成立するまで、パージバルブ16の開度を制御する。
また、このパージ実施ルーチンによるパージの実施期間は、3位置弁21は第1位置に切替えられる。これにより、キャニスタ13から蒸発燃料が離脱して、その蒸発燃料を含む混合気がパージライン15から吸気管2へパージされる。
上記パージ実施ルーチンが終了したら、ステップS36へ進む。また、ステップS34が否定判断である場合には、直接、ステップS36へ進む。ステップS36では、図4の濃度検出ルーチン実行から所定時間経過したか否かを判断する。否定判断である場合、ステップS34を繰り返す。ステップS36が肯定判断である場合には、ステップS31に戻り、あらためて蒸発燃料濃度Cを得るための処理を実行し、蒸発燃料濃度Cを最新値に更新する(ステップS31、S32)。ステップS36における前記所定時間は、蒸発燃料濃度Cの時間変化を考慮して要求される濃度値の精度に基づいて設定される。
以上、説明した本実施形態によれば、最初に第1の計測状態とされたときの第1の圧力の初期値ΔP1(0)がEEPROM36に記憶される。そして、その初期値ΔP1(0)を計測した後に差圧ΔP1を計測したときには、EEPROM36に記憶されている第1の圧力の初期値ΔP1(0)と今回測定した差圧ΔP1との比較値Cを算出して、その比較値Cが異常判定基準値THを超えているか否かに基づいて、圧力計測系の異常を判定している。このようにして、差圧ΔPを計測する圧力計測系の異常を判定することができるようになっている。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、次の実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
たとえば、前述の実施形態では、大気圧、気温、湿度、およびポンプ流量に基づいて、比較値Cの算出に用いる差圧ΔP1を補正していたが、必ずしもそれら全てに基づいて差圧ΔP1を補正する必要はない。異常判定精度が十分であれば、いずれか1つ乃至3つのみに基づいて差圧ΔP1を補正してもよいし、差圧ΔP1を全く補正しなくてもよい。
また、差圧ΔP1を補正することに代えて、初期値ΔP1(0)を補正してもよいし、異常判定基準値THを補正してもよい。さらに、初期値ΔP1(0)、差圧ΔP1、異常判定基準値THのうちの2つまたは3つを大気圧等に基づいて補正してもよい。
また、前述の実施形態では、比較値Cは初期値ΔP1(0)と差圧ΔP1との差であったが両者の比であってもよい。
1:エンジン(内燃機関)、 2:吸気管、 11:燃料タンク、 12:エバポライン(蒸発燃料通路)、 13:キャニスタ、 21:3位置弁(計測通路切替手段)、22:計測ライン(計測通路)、 23:絞り、 24:圧力センサ(圧力計測手段)、 26:ポンプ、 31:大気圧センサ、 32:気温センサ、 33:湿度センサ、 34:流量センサ、 35:初期値設定スイッチ、 36:EEPROM(不揮発性記憶装置)、 S21乃至S24:初期値計測制御手段、 S25:初期値記憶制御手段、 S33:異常判定ルーチン(異常判定手段)、 S35:パージ実施ルーチン(流量制御手段)、 S72:大気圧補正手段、気温補正手段、湿度補正手段、流量補正手段
Claims (8)
- 燃料タンク内の蒸発燃料を蒸発燃料通路を介してキャニスタに導入して、キャニスタ内の吸着材に一時的に吸着させ、内燃機関の運転時に、前記吸着材に吸着した蒸発燃料を前記内燃機関の吸気管に放出する内燃機関の蒸発燃料処理装置であって、
途中に絞りを有する計測通路と、
その計測通路の絞りを通過するガス流を発生させるポンプと、
そのポンプがガス流を発生させたときに、前記絞りによって生じる圧力低下量を計測する圧力計測手段と、
前記計測通路を大気に開放して、その計測通路に流れるガスを空気とする第1の計測状態と、その計測通路を前記キャニスタに連通することによって、計測通路に流れるガスをキャニスタからの蒸発燃料を含む混合気とする第2の計測状態とに切り替える計測通路切替手段と、
前記第1の計測状態において前記圧力計測手段によって計測される第1の圧力と、前記第2の計測状態において前記圧力計測手段によって計測される第2の圧力とに基づいて、前記キャニスタから前記吸気管に導く混合気の流量を制御する流量制御手段とを備え、
さらに、
最初に前記第1の計測状態とされたときに前記圧力計測手段によって計測された第1の圧力の初期値を、所定の記憶装置に記憶させる初期値記憶制御手段と、
前記記憶装置に記憶されている前記第1の圧力の初期値と、その初期値計測後に前記第1の計測状態において前記圧力計測手段によって計測された第1の圧力とを比較した比較値が、所定の異常判定基準値を超えているか否かに基づいて、前記計測通路、ポンプ、圧力計測手段、および計測通路切替手段を含む圧力計測系の異常を判定する異常判定手段と
を含むことを特徴とする内燃機関の蒸発燃料処理装置。 - 前記蒸発燃料処理装置に最初に電源が投入されたときに、前記ポンプ、計測通路切替手段を制御して前記第1の計測状態として、前記圧力計測手段によって前記第1の圧力の初期値を計測させる初期値計測制御手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の蒸発燃料処理装置。
- 大気圧を計測する大気圧センサと、
前記比較値の算出に用いる2つの第1の圧力を計測した時点において前記大気圧センサによってそれぞれ検出された2つの大気圧に基づいて、前記比較値の算出に用いる2つの第1の圧力のうちの一方または前記異常判定基準値を補正する大気圧補正手段と
をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の蒸発燃料処理装置。 - 気温を計測する気温センサと、
前記比較値の算出に用いる2つの第1の圧力を計測した時点において前記気温センサによってそれぞれ検出された2つの気温に基づいて、前記比較値の算出に用いる2つの第1の圧力のうちの一方または前記異常判定基準値を補正する気温補正手段と
をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関の蒸発燃料処理装置。 - 大気の湿度を計測する湿度センサと、
前記比較値の算出に用いる2つの第1の圧力を計測した時点において前記湿度センサによってそれぞれ検出された2つの湿度に基づいて、前記比較値の算出に用いる2つの第1の圧力のうちの一方または前記異常判定基準値を補正する湿度補正手段と
をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の内燃機関の蒸発燃料処理装置。 - 前記比較値の算出に用いる第1の圧力の初期値を計測したときの前記ポンプの流量と、前記比較値の算出に用いる他方の第1の圧力を計測したときの前記ポンプの流量とに基づいて、前記比較値の算出に用いる2つの第1の圧力のうちの一方または前記異常判定基準値を補正する流量補正手段をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の内燃機関の蒸発燃料処理装置。
- 前記内燃機関が搭載される車両に設けられる不揮発性記憶装置をさらに含み、
前記初期値記憶制御手段は、その不揮発性記憶装置に前記第1の圧力の初期値を記憶させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の内燃機関の蒸発燃料処理装置。 - ユーザによって操作される初期値設定スイッチをさらに備え、
前記異常判定手段は、その初期値設定スイッチが操作された場合には、第1の圧力の初期値として、標準的な前記第1の圧力として予め設定された標準初期値を用いることを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の蒸発燃料処理装置。
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JP2006119779A JP2007291926A (ja) | 2006-04-24 | 2006-04-24 | 蒸発燃料処理装置 |
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JP2006119779A Pending JP2007291926A (ja) | 2006-04-24 | 2006-04-24 | 蒸発燃料処理装置 |
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CN111637496A (zh) * | 2020-04-28 | 2020-09-08 | 华帝股份有限公司 | 一种自动提醒空气供应不足的燃气灶系统及其控制方法 |
-
2006
- 2006-04-24 JP JP2006119779A patent/JP2007291926A/ja active Pending
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