JP2007291871A - 圧縮機および圧縮機の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、高圧水を噴射し、摺動部最表面のアルミニウムを微少量剥離させ、硬質粒子であるシリコンを露出させるとともに最表面層に油溜りを形成させて、圧縮機の摺動部材の耐焼付き性を著しく向上せしめ、無害化を図ると共に高性能で、かつ安価な構成により製造可能な圧縮機を提供するものである。
【選択図】図4
Description
ニウム合金の粉末焼結体で形成されているが、この表層部103、108、109が、上述したようにインサート成形により基材部106、107を被覆するように形成されたのちにバインダを除去して焼結する工程を経て構成されることから、この表層部103、108、109の最表面に部分的に薄いアルミニウムリッチ層が形成されており、この薄いアルミニウムリッチ層の存在によって以下のような課題がある。すなわち、スクロール圧縮機では、過度運転時、特に除霜運転の開始時に液戻りが激しいために、旋回スクロール101の回りにおいて一時的に潤滑油が不足する事態が発生する。また、除霜が進行するに従って吐出圧力が上昇するが、その吐出圧力の上昇によって旋回スクロール101のスラスト面が固定スクロールに強く押し付けられるために、スラスト面で油膜切れが起こり易い。さらに、除霜運転に際しては、短時間で除霜を完了させることを目的として高速運転されるために、摩擦熱によってスラスト面の温度が高くなる。また、上記除霜などの過度運転時では、吸入温度と吐出温度との温度差が拡がることから、旋回スクロール101の中央部の羽根が大きく熱膨張して伸び、この羽根の先端部が固定スクロールと接触して潤滑油が切れ、これに伴う摩擦熱によって摺動温度が高くなって熱膨張が更に促進され、潤滑状態が一層厳しくなる。
図1は本発明を旋回スクロール201に適用して構成したスクロール圧縮機を示す一部破断した正面図である。このスクロール圧縮機は、これの外体をなす密閉容器202内に圧縮機構部203とこれの駆動源のモータ部(図示せず)が内装されている。圧縮機構部203は、フレーム204に固定された固定スクロール205と、この固定スクロール205に対向配置された旋回スクロール201と、フレーム204と旋回スクロール201
との間に設けられたオルダムリング206と、旋回スクロール201をモータ部に連結するクランク軸207とを備えて構成されている。固定スクロール205は、鏡板208、ラップ部209、底面210および吸入ポート211を備えて構成されており、吸入ポート211には吸入管212が接続されている。旋回スクロール201は、これの縦断面図である図2に示すように、鏡板(スラスト面)213、(フレーム側)214、ラップ部215、ラップ先端部216、軸受217およびキー溝218を備えて構成されている。この旋回スクロール201のラップ部215と固定スクロール205のラップ部209とは齟齬状に対向配置されて互いに噛み合っているが、旋回スクロール201のラップ部215の高さは固定スクロール205のラップ部209の高さよりも若干低く設定されている。
クロール205の各摺動部(鏡板208、ラップ部209、底面210等)と摺動し、この共晶シリコン222の非凝着性によって、上記の潤滑油不足に伴う旋回スクロール201の焼付きや、異常摩耗の発生が極めて効果的に防止される。
ーに、50MPa以上の高圧水を噴射して当てる処理を施すことにより、上述したと同様の効果が得られるのに加えて、回転の偏心量が大きいロータリ式圧縮機や直線運動を回転運動に変換するレシプロ式圧縮機に比較して、アンバランス量が小さくなって極めて低振動なスクロール圧縮機となる利点がある。さらに、旋回スクロール201に代えて、あるいは旋回スクロール201に加えて、フレーム204を、軟質基材のアルミニウム221に硬質粒子である微細な共晶シリコン222を分散させた軟質材料223としてのアルミニウム−シリコン系合金による鋳造品、または鍛造品で構成し、且つ共晶シリコン222を平均粒子径2〜10μmに、その面積率を4.7%以上に設定するとともに、摺動部である軸受に50MPa以上の高圧水を噴射して当てる処理を施すことにより、上述したと同様の効果を得られるのに加えて、特に、旋回スクロール201を受けるスラスト軸受をフレーム204に設置している低圧型スクロール圧縮機においては、フレーム204の一部形状を変更することによってスラスト軸受をフレーム204に一体形成することが可能となるため、部品点数を削減できる利点がある。
102 従来の旋回スクロールの鏡板
103 従来の旋回スクロールの鏡板上面部
104 従来の旋回スクロールのラップ部
105 従来の旋回スクロールの軸受部
106 従来の旋回スクロールのラップ基材部
107 従来の旋回スクロールのラップ基材部
108 従来の旋回スクロールの鏡板側面部
109 従来の旋回スクロールのラップ表層部
201 旋回スクロール
202 密閉容器
203 圧縮機構部
204 フレーム
205 本発明の1実施例に於ける固定スクロール
206 オルダムリング
207 クランク軸
208 固定スクロールの鏡板
209 固定スクロールのラップ部
210 固定スクロールの底面
211 吸入ポート
212 吸入管
213 旋回スクロールの鏡板(スラスト面)
214 旋回スクロールの鏡板(フレーム側)
215 旋回スクロールのラップ部
216 旋回スクロールのラップ先端部
217 旋回スクロールの軸受
218 旋回スクロールのキー溝
219 フレームの環状溝
220 シール部材
221 アルミニウム
222 共晶シリコン
223 軟質材料(アルミニウム−シリコン系合金)
224 油溜り
225 吐出ポート
226 リード弁
227 吐出管
228 固定スクロールのラップ先端部
Claims (9)
- 軟質材料よりなる基材に硬質粒子を分散させた母材の表面から軟質材料を微少量剥離させ、前記母材表面における硬質粒子の露出率を増加させると共に、前記母材表面に微小くぼみを形成した摺動部材を有する圧縮機。
- 摺動材料が、硬質粒子としてのシリコンを基材としてのアルミニウムに分散させた、アルミニウム−シリコン系合金である、請求項1に記載の圧縮機。
- シリコンは共晶シリコンまたは微細化された初晶シリコンであり、平均粒子径が2〜10μmであり、最表面での析出面積率が4.7%以上であることを特徴とする、請求項2に記載の圧縮機。
- 容器内に軸受により支承されたクランク軸を介して圧縮動作を行う圧縮機構部と、これを駆動する電動機とから成る冷凍空調用圧縮機で、圧縮機構部が固定枠体上に形成した固定スクロールと、この固定スクロールと互いに噛み合わせて複数個の圧縮空間を形成するように配設した旋回スクロールと、この旋回スクロールの自転を防止する自転防止機構(オルダムリング)とから成るスクロール圧縮機であって、摺動部材が旋回スクロールであることを特徴とする、請求項1〜3いずれかに記載の圧縮機。
- 容器内に軸受により支承されたクランク軸を介して圧縮動作を行う圧縮機構部と、これを駆動する電動機とから成る冷凍空調用圧縮機で、圧縮機構部が固定枠体上に形成した固定スクロールと、この固定スクロールと互いに噛み合わせて複数個の圧縮空間を形成するように配設した旋回スクロールと、この旋回スクロールの自転を防止する自転防止機構(オルダムリング)とから成るスクロール圧縮機であって、摺動部材が固定スクロールであることを特徴とする、請求項1〜3いずれかに記載の圧縮機。
- 容器内に軸受により支承されたクランク軸を介して圧縮動作を行う圧縮機構部と、これを駆動する電動機とから成る冷凍空調用圧縮機で、圧縮機構部が固定枠体上に形成した固定スクロールと、この固定スクロールと互いに噛み合わせて複数個の圧縮空間を形成するように配設した旋回スクロールと、この旋回スクロールの自転を防止する自転防止機構(オルダムリング)とから成るスクロール圧縮機であって、摺動部材がオルダムリングである請求項1〜3いずれかに記載の圧縮機。
- 容器内に軸受により支承されたクランク軸を介して圧縮動作を行う圧縮機構部と、これを駆動する電動機とから成る冷凍空調用圧縮機で、圧縮機構部が固定枠体上に形成した固定スクロールと、この固定スクロールと互いに噛み合わせて複数個の圧縮空間を形成するように配設した旋回スクロールと、この旋回スクロールの自転を防止する自転防止機構(オルダムリング)とから成るスクロール圧縮機であって、摺動部材が軸受を一体に備えたフレームである請求項1〜3いずれかに記載の圧縮機。
- 圧縮機は二酸化炭素を冷媒とし、PAG、エーテル、エステル、PAO、アルキルベンゼンまたは鉱油を潤滑油である請求項1〜7いずれかに記載の圧縮機。
- 軟質材料よりなる基材に硬質粒子を分散させた母材の表面に高圧水を噴射することにより軟質材料を微少量剥離させ、摺動部材としての母材表面における硬質粒子の露出率を増加させると共に、微小くぼみを形成する圧縮機の製造方法。
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JP2006117600A JP2007291871A (ja) | 2006-04-21 | 2006-04-21 | 圧縮機および圧縮機の製造方法 |
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JP (1) | JP2007291871A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109796937A (zh) * | 2019-01-04 | 2019-05-24 | 武汉科技大学 | 一种大直径相变蓄热颗粒及其制备方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001032352A1 (fr) * | 1999-11-04 | 2001-05-10 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Procede de formation de depressions de surface et element avec depression de surface |
JP2005214012A (ja) * | 2004-01-27 | 2005-08-11 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 圧縮機の摺動部材 |
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2006
- 2006-04-21 JP JP2006117600A patent/JP2007291871A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2001032352A1 (fr) * | 1999-11-04 | 2001-05-10 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Procede de formation de depressions de surface et element avec depression de surface |
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