JP2007291593A - 炭素質微小繊維の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】微細な炭素質繊維を効率よく製造できる方法を提供する。
【解決手段】本発明の炭素質微小繊維の製造方法は、セルロースを除く有機繊維を溶媒に分散させ、機械的剪断力によりミクロフィブリル化した後、炭化又は黒鉛化する。前記製造方法では、有機繊維をホモジナイズ処理によりミクロフィブリル化してもよい。前記方法では、平均繊維長が0.1〜5mmである有機繊維を溶媒に分散させ、この分散液を均質化装置に供し、この均質化装置内において、オリフィスを通過させることにより、3×10〜10×10N/cmの圧力を前記分散液に負荷し、前記装置内の壁面に衝突させ、前記オリフィスの通過と壁面への衝突とを繰り返して行うことにより、ミクロフィブリル化し、得られるスラリー状懸濁液を脱水して炭化又は黒鉛化処理に供してもよい。
【選択図】なし

Description

本発明は、炭素質微小繊維を製造する方法、並びにこの方法により得られる炭素質微小繊維に関する。
炭素繊維は、レジャー用品をはじめ、航空又は宇宙関連分野などで構造材料として幅広く使用されている。炭素繊維は、通常、ポリアクリロニトリルなどを原料として高温で焼成することにより製造される。この炭素繊維では、黒鉛構造が繊維方向に並んでいるため、強度が高く、高弾性である。また、炭素繊維は、繊維中に微細孔を有するため軽量である。さらに、ナノテクノロジーの進展により、炭素繊維の微細化がさらに進み、カーボンナノ繊維、カーボンナノチューブなどの炭素質微小繊維が製造されている。炭素質微小繊維は、表面積が大きく、結晶度が高いため、さまざまな利用が期待されている。
一方、従来の炭素質微小繊維の製造方法としては、気相法が知られている。しかし、気相法では、大量生産が困難で、多大な製造コストがかかり、汎用性に欠ける。また、ポリアクリロニトリルなどの高分子を炭化した後、微細化して炭素質微小繊維を製造する方法も知られているが、このような方法では、繊維の形状を維持することが困難である。
例えば、特開2003−82535号公報(特許文献1)では、セルロース原料のミクロフィブリルを保存した状態で乾燥させた後、炭化又は黒鉛化する微小繊維状炭素材料の製造方法が開示されている。この方法では、例えば、セルロース原料を有機溶媒に膨潤又は分散させた状態で、ミクロフィブリルを保存している。しかし、ミクロフィブリル構造を保存する処理を行う必要があり、工程が煩雑になる。また、この文献にはミクロフィブリルを形成する方法は記載されていない。
特開2003−82535号公報(請求項1及び2)
従って、本発明の目的は、少ない工程で微細な炭素質繊維を効率よく製造できる方法、及びその製造方法により得られる炭素質微小繊維を提供することにある。
本発明の他の目的は、平均繊維径がナノメーターサイズの微細な繊維形状を維持した表面積が大きな炭素質微小繊維を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、簡便な方法により、高結晶化度を有する炭素質微小繊維を提供することにある。
本発明者は、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、有機繊維を溶媒中で機械的剪断力によりミクロフィブリル化した後、湿潤状態で炭化又は黒鉛化処理すると、平均繊維径がナノメーターサイズの微細な繊維形状を維持しつつ、少ない工程で炭素質微小繊維を製造できること、及びこの炭素質微小繊維は、表面積が大きいことを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の炭素質微小繊維を製造する方法は、セルロースを除く有機繊維を溶媒に分散させ、機械的剪断力によりミクロフィブリル化した後、炭化又は黒鉛化する。前記製造方法では、有機繊維をホモジナイズ処理によりミクロフィブリル化してもよい。また、前記製造方法では、平均繊維長が0.1〜5mmである有機繊維を溶媒に分散させ、この分散液を均質化装置に供し、この均質化装置内において、オリフィスを通過させることにより、3×10〜10×10N/cmの圧力を前記分散液に負荷し、前記装置内の壁面に衝突させ、前記オリフィスの通過と壁面への衝突とを繰り返して行うことにより、ミクロフィブリル化し、得られるスラリー状懸濁液を脱水して炭化又は黒鉛化処理に供してもよい。さらに、前記製造方法では、機械的剪断力によりミクロフィブリル化された微小有機繊維が、平均繊維長0.01〜1mm程度、及び平均繊維径2〜500nm程度を有してもよい。前記製造方法では、ミクロフィブリル化した微小有機繊維を乾燥処理して、炭化又は黒鉛化処理に供してもよく、また、前記微小有機繊維を、乾燥処理することなく湿潤状態で炭化又は黒鉛化処理に供してもよい。
有機繊維は、熱硬化性樹脂繊維、及び熱可塑性樹脂繊維から選択された少なくとも一種であってもよい。また、前記有機繊維は、芳香族ポリアミド系繊維、及びポリイミド系繊維から選択された少なくとも一種であってもよい。
また、本発明には、セルロースを除く有機繊維を溶媒に分散させ、機械的剪断力によりミクロフィブリル化した後、炭化又は黒鉛化して得られる炭素質微小繊維も含まれる。前記炭素質微小繊維は、平均繊維長が0.01〜1mm程度であり、平均繊維径が2〜500nm程度であってもよい。
本発明では、特定の有機繊維を溶媒中で機械的剪断力によりミクロフィブリル化した後に、炭化又は黒鉛化するので、少ない工程で炭素質微小繊維を製造できる。また、ミクロフィブリル化後に乾燥処理することなく、炭化又は黒鉛化処理に供することにより、平均繊維径がナノメーターサイズの微細な繊維形状を維持できる。しかも、得られた炭素質微小繊維は、繊維中に微細孔を有し、高度にミクロフィブリル化されているため、表面積が大きい(従来の人造黒鉛を原料とした黒鉛パウダー(例えば、(株)エスイーシー製、SGO−3、比表面積22.0m/g)と比較して、比表面積の大きな炭化又は黒鉛化物を容易に得ることができる)。さらに、本発明の炭素質微小繊維は、高結晶化度を有している。
本発明の炭素質微小繊維の製造方法では、有機繊維を溶媒に分散させ、機械的剪断力によりミクロフィブリル化した後、炭化又は黒鉛化する。
原料の有機繊維としては、セルロースを除く各種有機繊維、例えば、天然繊維(例えば、シルク、羊毛繊維など)、再生繊維(例えば、タンパク質又はポリペプチド繊維、アルギン酸繊維など)、合成繊維、瀝青炭質繊維(ピッチ系繊維など)などが挙げられ、合成繊維(熱硬化性樹脂繊維、熱可塑性樹脂繊維など)を用いる場合が多い。これらの有機繊維は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。
熱硬化性樹脂繊維としては、例えば、エポキシ系繊維、フェノール系繊維、不飽和ポリエステル系繊維、ポリイミド系繊維、ポリアミドイミド系繊維、マレイミド系繊維、ポリベンゾイミダゾール(PBI)系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリイソシアネート系繊維などが挙げられる。前記熱硬化性樹脂繊維のうち、ポリイミド系繊維、フェノール系繊維などが好ましい。これらの熱硬化性樹脂繊維は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。
熱可塑性樹脂繊維としては、例えば、ポリアミド系繊維(ポリアミド5、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド612、ポリアミド6/66、ポリアミド6/11などの脂肪族ポリアミド系繊維;ポリアミド6T、ポリアミド9T、ポリアミドMXDなどの芳香族ポリアミド系繊維;脂環族ポリアミド系繊維など)、ポリエステル系繊維(ポリC2−4アルキレンテレフタレート、ポリC2−4アルキレンナフタレート、これらのコポリエステルなどの芳香族ポリエステル、ポリアリレート、液晶性ポリエステルなど)、ポリカーボネート系繊維(ビスフェノールA型ポリカーボネートなどのビスフェノール型ポリカーボネート、水添ビスフェノール型ポリカーボネートなど)、オレフィン系繊維[ポリエチレン(低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなど)、ポリプロピレンなど]、アクリル系繊維(ポリメタクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ポリアクリロニトリル又はその共重合体など)、ビニル系繊維(塩化ビニル系繊維、酢酸ビニル系繊維など)、ポリフェニレンオキシド系繊維[ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド(ポリスチレンとのブレンドなど)など]などが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂繊維は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。
前記熱可塑性樹脂繊維のうち、実質的に融点を有しない樹脂(特に、結晶性樹脂など)の繊維が好ましい。このような樹脂を用いると、炭化又は黒鉛化に伴って、繊維同士が融着するのを防止できる。なお、融点を有する樹脂の繊維であっても、後述のように不融化処理を行うことにより使用してもよい。なお、熱可塑性樹脂繊維のうち、具体的には、ポリアミド系繊維、特に芳香族ポリアミド系繊維などが好ましい。
有機繊維の平均繊維長は、例えば、0.1〜5mm、好ましくは0.2〜4.5mm、さらに好ましくは0.3〜4mm程度であってもよい。また、平均繊維径は、例えば、0.001〜100μm、好ましくは0.1〜50μm、さらに好ましくは0.5〜30μm程度であってもよい。
有機繊維を分散させる溶媒としては、有機繊維に化学的又は物理的損傷を与えず、有機繊維が溶媒中に分散できる限り特に制限されず、例えば、水、有機溶媒[アルコール類(メタノール、エタノール、2−プロパノールなどのC1−4アルカノールなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトンなどのジC1−5アルキルケトン、シクロヘキサノンなど)、エーテル類(テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどの環状又は鎖状C4−6エーテルなど)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレンなど)、ハロゲン化炭化水素類などが使用できる。これらの溶媒は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。これらの溶媒のうち、生産性、コストの点から、水が好適であり、必要により、水と水性有機溶媒(C1−4アルカノール、アセトンなど)との混合溶媒を用いてもよい。
また、有機繊維の分散は、慣用の手段、例えば、機械的攪拌手段(攪拌棒、攪拌子など)、超音波分散機などにより行ってもよい。
分散液中の有機繊維の濃度(固形分濃度)は、0.001〜20重量%、好ましくは0.003〜10重量%、さらに好ましくは0.005〜5重量%程度であってもよい。
本発明では、有機繊維を溶媒に分散させ、機械的剪断力によりミクロフィブリル化する。機械的剪断力としては、例えば、ホモジナイズ処理、叩解処理、超音波処理などが挙げられ、特に、ホモジナイズ処理によりミクロフィブリル化することが多い。これらの処理は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。なお、必要により、有機繊維を叩解処理(予備叩解処理)した後、ホモジナイズ処理してもよい。ホモジナイズ処理では、前記分散液を、慣用の均質化装置(ホモジナイザー、特に高圧ホモジナイザー)に供することにより、繊維をミクロフィブリル化する。
なお、高圧ホモジナイザーは、内部に狭まった流路(例えば、オリフィス(小径オリフィスなど)など)を備え、前記分散液を狭まった流路を通過させることにより、圧力を負荷し、容器内壁などの壁面に衝突させることにより、剪断応力又は切断作用を付与するタイプの装置であってもよい。このような高圧ホモジナイザーにおいて、狭まった流路の通過により負荷される圧力は、3×10〜10×10N/cm、好ましくは3.5×10〜8×10N/cm、さらに好ましくは4×10〜6×10N/cm程度であってもよい。また、狭まった流路の通過と壁面への衝突とを繰り返して行うことにより、有機微小繊維のフィブリル化と分散液の均質化の程度を適宜調整することができ、上記工程の繰り返し数は、例えば、5〜30回、好ましくは7〜25回、特に10〜20回程度であってもよい。なお、このような高圧ホモジナイザーによるフィブリル化の詳細は、例えば、特公昭60−19921号公報などを参照できる。
上記の方法により、有機繊維をミクロフィブリル化し、安定な懸濁液(水懸濁液)の状態で得ることができる。このような水懸濁液(スラリー状懸濁液)を、慣用の脱水方法、例えば、濾過、圧搾、遠心分離などにより脱水してもよい。
得られた微小有機繊維は、平均繊維長0.01〜1mm、好ましくは0.02〜0.9mm、さらに好ましくは0.03〜0.8mm程度、及び平均繊維径2〜500nm、好ましくは5〜300nm、さらに好ましくは8〜200nm程度を有してもよい。
ミクロフィブリル化した微小有機繊維は、炭化又は黒鉛化処理に先立って、乾燥処理に供してもよく、また、乾燥処理することなく湿潤状態で炭化又は黒鉛化処理に供してもよい。なお、乾燥処理を行うことなく、湿潤状態で炭化又は黒鉛化処理に供すると、繊維同士の密着を有効に防止することができ、得られる炭素質微小繊維の比表面積を大きくすることもできる。本発明では、有機繊維を溶媒中でミクロフィブリル化した後に炭化又は黒鉛化を行うことにより、炭化又は黒鉛化を効率よく行うことができる。なお、有機繊維を炭化又は黒鉛化した後にミクロフィブリル化を行うと、炭化又は黒鉛化された繊維は機械的剪断力により粉々に粉砕してしまう虞がある。
また、必要に応じて、炭化又は黒鉛化による繊維の融着を防止、又は炭素原子の過度の逸出を抑制するために、炭化又は黒鉛化処理の前に、微小有機繊維に不融化処理を行ってもよい。不融化処理は、部分脱水、酸素付加、分子間架橋などによって、繊維に耐熱性を与えることができ、例えば、200〜350℃程度で加熱する酸化処理などが挙げられる。なお、有機繊維をミクロフィブリル化する前に不融化処理を行うと、不融化処理された有機繊維は、ミクロフィブリル化により粉々に粉砕してしまう虞がある。
炭化又は黒鉛化は、非酸化性雰囲気下であれば特に制限されず、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオンなどの不活性雰囲気下、真空下などで行うことができる。
炭化処理する場合、炭化温度は、例えば、450〜1500℃、好ましくは500〜1200℃、さらに好ましくは500〜1100℃程度であってもよい。なお、炭化処理は、慣用の炭素化炉(リードハンマー炉、トンネル炉、単独炉など)で行うことができ、所定の温度まで昇温できる炉であれば、炭化炉の加熱方式や種類は特に限定されない。
また、黒鉛化処理する場合、黒鉛化温度は、例えば、1800℃以上(例えば、1800〜3200℃)、好ましくは1900〜3100℃、さらに好ましくは2000℃程度であってもよい。黒鉛化処理は、必要に応じて、還元剤(例えば、コークス、黒鉛、炭など)の存在下で行ってもよい。なお、黒鉛化処理は、慣用の黒鉛化炉(アチソン炉、直接通電黒鉛化炉、真空炉など)で行うことができ、所定の温度まで昇温できる炉であれば、黒鉛化炉の加熱方式や種類は特に限定されない。
なお、得られた炭素質微小繊維の平均繊維長、及び/又は平均繊維径のサイズを調整するために、公知の粉砕器(例えば、ハンマーミル、カッターミルなど)で粉砕処理を行ってもよい。
本発明の炭素質微小繊維は、有機繊維を溶媒に分散させ、機械的剪断力によりミクロフィブリル化した後、炭化又は黒鉛化することにより得ることができる。
前記炭素質微小繊維の平均繊維長は、例えば、0.01〜1mm、好ましくは0.02〜0.9mm、さらに好ましくは0.03〜0.8mm程度であってもよい。また、平均繊維径は、例えば、2〜500nm、好ましくは5〜300nm、さらに好ましくは8〜200nm程度であってもよい。また、炭素質微小繊維の比表面積は、例えば、30〜1000m/g、好ましくは40〜700m/g、さらに好ましくは50〜500m/g程度であってもよい。前記炭素質微小繊維の形状は、棒状、網目状などであってもよい。
本発明の炭素質微小繊維は、繊維単独で種々の用途に用いてもよく、また、必要に応じて、炭素質微小繊維と、炭素、金属、セラミックなどのマトリックスとの複合材料として用いてもよい。
本発明の炭素質微小繊維は、繊維サイズが小さく、繊維内部に微細孔を有するため、表面積が大きい。また、結晶度も高い。そのため、補強材料として、各種用途、例えば、宇宙関連品[人工衛星(本体、パラボラアンテナ、太陽電池用フレームなど)、スペースシャトル(機体、翼、遠隔操作棒、荷物室ドアなど)など]、航空機部品(機体、主翼、尾翼、方向舵など)、自動車部品(ボディ、フード、ドア、ドライブシャフトなど)、スポーツ用品(ゴルフクラブシャフト、テニスラケットフレームなど)、レジャー用品(釣り竿など)などに利用でき、また、吸着材、触媒担体、電子又は電気材料(電解放射用材料、電極材料、導電材料など)などにも利用できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1
芳香族ポリアミド繊維(東レ・デュポン(株)製、ケブラー、平均繊維長3mm、平均繊維径12μm)100gに水20Lを加えてよく攪拌した。得られた分散液を均質化装置(GAULIN社製、15M−8TA)に常温で仕込み、5.0×10N/cmの圧力をかけて小径オリフィスを通過させ、装置内壁に被処理液を衝突させた。オリフィスの通過と内壁への衝突とを25回繰り返し、スラリー状懸濁液を得た。この懸濁液を脱液し、固形分20重量%の含水状態の微小繊維状を得た。得られた繊維は平均繊維長0.6mm、平均繊維径100nm、比表面積22.1m/gの微小繊維状であった。次いでこの含水状態の微小繊維5gを加熱炉(アルバック理工(株)製、RHL−P)に入れ、窒素雰囲気下、800℃の温度で10分間加熱した。得られた炭化物は、微小繊維状であり、平均繊維長0.6mm、平均繊維径80nm、比表面積358m/gであった。
繊維長は、カヤーニ繊維長分布測定器(FS−200)を用いて、平均繊維長ピークを測定することにより算出した。平均繊維径は、顕微鏡観察により算出した数平均繊維径である。また、繊維の比表面積は、BET法により、繊維1gあたりの表面積を算出した。
実施例2
芳香族ポリアミド繊維に代えて、ポリイミド繊維(東洋紡績(株)製、P84、平均繊維長3mmにカットしたもの、平均繊維径15μm)を用いる以外は実施例1と同様にして、炭化物を得た。得られた炭化物は、微小繊維状であった。
比較例1
芳香族ポリアミド繊維に代えて、市販の粉砕パルプを用いる以外は実施例1と同様にして、炭化物を得た。得られた炭化物は、繊維の形状が維持できず、平均繊維長、平均繊維径が測定不能であった。
比較例2
芳香族ポリアミド繊維(東レ・デュポン(株)製、ケブラー、平均繊維長3mm、平均繊維径12μm)を小型乾式粉砕機(マイクロバンタムミルAP-B、1mmφメッシュ使用、ホソカワミクロン(株)製)で粉砕させた。次いでこの芳香族ポリアミド繊維の粉砕物5gを加熱炉(アルバック理工(株)製、RHL−P)に入れ、窒素雰囲気下、800℃の温度で10分間加熱した。
微細化した後の繊維の物性を表1に、炭化後の炭化物の物性を表2に示す。
Figure 2007291593
Figure 2007291593
表から明らかなように、比較例に比べ、実施例では、特殊な保存処理を行うことなく炭化処理に供しても、得られる繊維は比表面積が大きく、実用に優れていることがわかる。また、比較例に比べて、実施例の炭素質繊維では、炭化処理を行っても、平均繊維径が小さく、微細な繊維形状を維持していることが明らかである。また、表から明らかなように、原料繊維の粉砕を溶媒中で行わない比較例2では、繊維がミクロフィブリル化されていない。

Claims (9)

  1. セルロースを除く有機繊維を溶媒に分散させ、機械的剪断力によりミクロフィブリル化した後、炭化又は黒鉛化して炭素質微小繊維を製造する方法。
  2. 有機繊維をホモジナイズ処理によりミクロフィブリル化する請求項1記載の製造方法。
  3. 平均繊維長が0.1〜5mmである有機繊維を溶媒に分散させ、この分散液を均質化装置に供し、この均質化装置内において、オリフィスを通過させることにより、3×10〜10×10N/cmの圧力を前記分散液に負荷し、前記装置内の壁面に衝突させ、前記オリフィスの通過と壁面への衝突とを繰り返して行うことにより、ミクロフィブリル化し、得られるスラリー状懸濁液を脱水して炭化又は黒鉛化処理に供する請求項1記載の製造方法。
  4. 機械的剪断力によりミクロフィブリル化された微小有機繊維が、平均繊維長0.01〜1mm、及び平均繊維径2〜500nmを有する請求項1記載の製造方法。
  5. ミクロフィブリル化した微小有機繊維を乾燥処理することなく、湿潤状態で炭化又は黒鉛化処理に供する請求項1記載の製造方法。
  6. 有機繊維が、熱硬化性樹脂繊維、及び熱可塑性樹脂繊維から選択された少なくとも一種である請求項1記載の製造方法。
  7. 有機繊維が、芳香族ポリアミド系繊維、及びポリイミド系繊維から選択された少なくとも一種である請求項1記載の製造方法。
  8. セルロースを除く有機繊維を溶媒に分散させ、機械的剪断力によりミクロフィブリル化した後、炭化又は黒鉛化して得られる炭素質微小繊維。
  9. 平均繊維長が0.01〜1mmであり、平均繊維径が2〜500nmである請求項8記載の炭素質微小繊維。
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