JP2007291383A - 溶液または分散液型接着剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 熱可塑性樹脂、特にポリオレフィン樹脂からなるプラスチック基材と他の極性樹脂または金属との接着特性に優れ、溶液もしくは分散液安定性に優れる溶液または分散液型接着剤を提供する。
【解決手段】 炭素数4〜12のα−オレフィン(a)15〜70モル%、プロピレン30〜85モル%およびエチレン0〜1モル%を構成単位とするポリオレフィン(A)を酸変性してなり、50〜120℃の融点を有する酸変性ポリオレフィン(B)からなる溶液または分散液型接着剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は溶液または分散液型接着剤に関する。さらに詳しくは熱可塑性樹脂、とくにポリオレフィン樹脂からなるプラスチック基材と他の極性樹脂(例えばポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂)または金属との接着特性に優れた溶液または分散液型接着剤に関する。
従来、ポリオレフィンは食品、医療品、工業用品等の包装材として、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ナイロン等のプラスチックフィルム、金属蒸着フィルム、紙、金属箔等の材料と積層して使用されている。該積層に際して、ポリオレフィンは無極性であることから、他の樹脂や金属との接着にはクロロプレンゴム系接着剤、塩素化ポリオレフィン系接着剤等の塩素含有接着剤が使用されているが、環境問題への関心の高まりから、その使用が懸念されている。
また、塩素を含まない接着剤としては、ポリオレフィンにアクリル酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸をグラフト重合させた後、さらにポリエステルまたはアルコールなどを反応させた変性重合体を含む接着剤が開示されている(例えば、特許文献1参照)。さらに、ポリオレフィンに不飽和カルボン酸および特定の(メタ)アクリレートをグラフト重合させた酸変性ポリオレフィンも該接着剤として開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−217537号公報 特開2002−173514号公報
しかしながら、上記の接着剤は、いずれも溶液安定性が悪い、室温でのタック発生で塗膜が汚染され外観を損ねる、あるいは接着特性、特に低温での接着特性にバラツキが生じる等の問題があった。
本発明の目的は、塩素を含有せず、かつ極性の異なる素材間で優れた接着特性を示す溶液または分散液型接着剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、炭素数4〜12のα−オレフィン(a)15〜70モル%、プロピレン30〜85モル%およびエチレン0〜1モル%を構成単位とするポリオレフィン(A)を酸変性してなり、50〜120℃の融点を有する酸変性ポリオレフィンからなる溶液または分散液型接着剤である。
本発明の溶液または分散液型接着剤は下記の効果を奏する。
(1)溶液もしくは分散液安定性に優れる。
(2)該接着剤の塗膜は、室温でのタックがなく塗膜が汚染されることがない。
(3)該接着剤は、各種素材への密着性に優れ、極性の異なる素材間で優れた接着特性を示す。
本発明の接着剤は、炭素数4〜12のα−オレフィン(a)15〜70モル%、プロピ
レン30〜85モル%およびエチレン0〜1モル%を構成単位とするポリオレフィン(A)を酸変性してなり、50〜120℃の融点を有する酸変性ポリオレフィンから構成される。
(a)は、炭素数(以下Cと略記)4〜12のα−オレフィンであり、Cが12を超えると接着特性が悪化する。
(a)としては、例えば1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンおよび1−ドデセンが挙げられる。
これらのうち、接着特性の観点から好ましいのは1−ヘキセンおよび1−オクテン、およびさらに好ましいのは1−ブテン、1−ペンテンおよび4−メチル−1−ペンテン、特に好ましいのは1−ブテンである。
(A)を構成する(a)の割合は15〜70モル%、好ましくは17〜60モル%、さらに好ましくは20〜50モル%である。(a)の割合が15モル%未満では、低温での接着特性が悪化し、70モル%を超えると室温でタックが発生しやすくなる。
(A)を構成するプロピレンの割合は30〜85モル%、好ましくは40〜80モル%、さらに好ましくは50〜75モル%である。プロピレンの割合が30モル%未満もしくは85モル%を超えると室温でのタックが発生しやすくなり、接着特性も悪化する。
(A)中のエチレンの割合は0〜1モル%、好ましくは0〜0.5モル%、さらに好ましくは0〜0.1モル%である。1モル%を超えると、接着特性と室温でのタックの発生とのバランスを取ることが困難となる。
(A)の数平均分子量[以下、Mnと略記、測定はゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法による]は、接着特性、工業上の観点および溶液安定性の観点から好ましくは500〜40,000、さらに好ましくは1,000〜35,000、特に好ましくは1,500〜30,000である。GPCの測定条件は次のとおりで、以下同様である。
(GPC測定条件)
[1]装置 :Waters150−CV[Waters(株)製]
[2]カラム :PLgel 10.MIXED−B[ポリマーラボラトリーズ(株)
製]
[3]溶離液 :o−ジクロロベンゼン
[4]基準物質:ポリスチレン
[5]注入条件:サンプル濃度3mg/ml、カラム温度135℃
(A)の分子末端および/または分子内の炭素1,000個当たりの二重結合量は、(A)の変性のしやすさおよび工業上の観点から、好ましくは0.2〜10個、さらに好ましくは0.3〜6個、とくに好ましくは0.5〜5個である。ここにおける二重結合量は、1H−NMR(核磁気共鳴)分光法から得られるスペクトル中の4.5〜6.0ppm
間における二重結合由来のピークから算出できる。
(A)の製造方法には、種々の製造方法、例えば熱減成法(例えば特公昭43−9368号公報、特公昭44−29742号公報および特公平6−70094号公報に記載のもの)および重合法(例えば特開昭59−206409号公報および特開昭55−135102号公報に記載のもの)が含まれる。これらのうち後述する(A)の酸変性のしやすさの観点から好ましいのは熱減成法である。
熱減成法には、Mnが通常8,000〜500,000[(A)の変性のしやすさおよび工業上の観点から好ましくは10,000〜300,000、さらに好ましくは15,000〜150,000]の高分子量ポリオレフィン(A0)を、不活性ガス(窒素等)通気下、(1)有機過酸化物不存在下で、通常300〜450℃で0.5〜10時間、連続的に熱減成する方法、および(2)有機過酸化物存在下で、通常180〜300℃で0
.5〜10時間、連続的に熱減成する方法が含まれる。これらのうち接着特性の観点から好ましいのは(1)の方法である。
本発明における酸変性ポリオレフィン(B)は、ポリオレフィン(A)と不飽和ポリカルボン酸またはその誘導体(b)を、ラジカル開始剤(c)の存在下もしくは非存在下で反応させて得られる。
(b)のうち、不飽和ポリカルボン酸としては、ジカルボン酸[例えば脂肪族(C4〜24、例えばマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸およびメサコン酸)、および脂環式(C8〜24、例えばシクロヘキセンジカルボン酸およびシクロヘプテンジカルボン酸)];3価〜4価またはそれ以上のポリカルボン酸[例えば脂肪族ポリカルボン酸(C5〜24、例えばアコニット酸)];およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
(b)のうち、不飽和ポリカルボン酸の誘導体としては、例えば上記不飽和ポリカルボン酸の無水物[C4〜24、例えば無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸および無水アコニット酸]、アルキル(C1〜18)エステル[C5〜60、例えばマレイン酸モノ−およびジメチルエステル、フマル酸モノ−およびジエチルエステル、イタコン酸モノ−およびジ−t−ブチルエステル、メサコン酸モノデシルエステルおよびシクロヘプテンジカルボン酸ジドデシルエステル]、アミド[C4〜60、例えばマレイン酸モノアミド、マレイン酸モノメチルアミド、マレイン酸ジアミド、マレイン酸ジメチルアミド、フマル酸モノエチルアミド、イタコン酸ジ−t−ブチルアミド、メサコン酸モノデシルアミドおよびシクロヘプテンジカルボン酸ジドデシルアミド]およびイミド[C4〜24、例えばマレイン酸イミド、イタコン酸イミド、シトラコン酸イミドおよびシクロヘプテンジカルボン酸イミド]、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
これらのうち接着特性および工業上の観点から好ましいのは、不飽和ジカルボン酸およびその無水物、さらに好ましいのは無水マレイン酸である。
(A)と(b)の反応モル比は、ポリオレフィン樹脂と極性樹脂との接着特性の観点から好ましくは99/1〜2/98、さらに好ましくは95/5〜3/97、特に好ましくは80/20〜4/96である。
(B)中の未反応の(b)は、接着特性の観点から好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは0〜1重量%、特に好ましくは0〜0.1重量%である。
(A)と(b)とは、ラジカル開始剤(c)の存在下または非存在下のいずれにおいても反応させることができるが、接着特性の観点から(c)の存在下で行わせるのが好ましい。
(c)としては、例えばアゾ化合物(例えばアゾビスイソブチロニトリルおよびアゾビスイソバレロニトリル)および過酸化物〔単官能(分子内にパーオキシド基を1個有するもの)[例えばベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシドおよびジクミルパーオキシド]および多官能(分子内にパーオキシド基を2個以上有するもの)[例えば2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジアリルパーオキシジカーボネートおよびt−ブチルパーオキシアリルカーボネート]〕が挙げられる。
これらのうち、(A)と(b)の反応性の観点から好ましいのは過酸化物、さらに好ましいのは単官能過酸化物、とくに好ましいのはジ−t−ブチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシドおよびジクミルパーオキシドである。
(c)の使用量は、(b)の重量に基づいて、(A)と(b)の反応率、接着特性および工業上の観点から好ましくは0.001〜100%、さらに好ましくは0.01〜50
%、特に好ましくは0.1〜30%である。
酸変性ポリオレフィン(B)の具体的な製造方法には、[1](A)および(b)を加熱溶融、あるいは適当な有機溶媒[C3〜18、例えば炭化水素(例えばヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、ベンゼン、トルエンおよびキシレン)、ハロゲン化炭化水素(例えばジ−、トリ−およびテトラクロロエタンおよびジクロロブタン)、ケトン(例えばアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトンおよびジ−t−ブチルケトン)およびエーテル(例えばエチル−n−プロピルエーテル、ジ−i−プロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジ−t−ブチルエーテルおよびジオキサン)]に懸濁あるいは溶解させ、必要により後述の連鎖移動剤(t)または重合禁止剤(f)を加え、これに必要により(c)[もしくは(c)を適当な有機溶媒(上記に同じ)に溶解させた溶液]を加えて加熱撹拌する方法(溶融法、懸濁法および溶液法)、および[2](A)、(b)および必要により(c)、(t)を予め混合し、押出機、バンバリーミキサーまたはニーダー等を用いて溶融混練する方法(溶融混練法)が含まれる。
(A)と(b)との反応性および接着特性の観点から好ましいのは[1]の方法、さらに好ましいのは溶融法および溶液法である。
溶融法での反応温度は、(A)が溶融する温度であればよく、(A)と(b)との反応性および(B)の分解温度の観点から好ましくは120〜260℃、さらに好ましくは130〜240℃である。
溶液法での反応温度は、(A)が溶媒に溶解する温度であればよく、(A)と(b)との反応性、および(B)の分解温度および工業上の観点から好ましくは50〜220℃、さらに好ましくは110〜210℃、とくに好ましくは120〜180℃である。
上記連鎖移動剤(t)としては、例えば炭化水素[C6〜24、例えば芳香族炭化水素(例えばトルエン、キシレン、エチルベンゼンおよびイソプロピルベンゼン)および不飽和脂肪族炭化水素(例えば1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、1−ヘプテン、2−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセンおよび1−テトラデセン)];ハロゲン化炭化水素(C1〜24、例えばジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、ジブロモメタン、トリブロモメタン、四臭化炭素、塩化ベンジルおよび臭化ベンジル);アルコール(C1〜24、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール1−ブタノール、2−ブタノールおよびアリルアルコール);チオール(C1〜24、例えばエチルチオール、プロピルチオール、1−および2−ブチルチオール、1−および2−ペンチルチオール、1−オクチルチオールおよび1−ドデシルチオール);ケトン(C3〜24、例えばアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、エチルプロピルケトンおよびエチルブチルケトン);アルデヒド(C2〜18、例えば2−メチル−2−プロピルアルデヒド、1−および2−ブチルアルデヒド、1−ペンチルアルデヒド、1−ヘキシルアルデヒドおよび1−オクチルアルデヒド);フェノール(C6〜36、例えばフェノール、m−クレゾール、p−クレゾールおよびo−クレゾールなど);キノン(C6〜24、例えばヒドロキノン);アミン(C3〜24、例えばジエチルメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−1−ブチルアミンおよびジフェニルアミン);およびジスルフィド(C2〜24、例えばジエチルジスルフィド、ジ−1−プロピルジスルフィド、ジ−2−メチル−2−プロピルジスルフィド、ジ−1−ブチルジスルフィド、エチル−1−プロピルジスルフィドおよびジ−1−オクチルジスルフィド)が挙げられる。
これらのうち、接着特性の観点から好ましいのは炭化水素、ハロゲン化炭化水素、さらに好ましいのは炭化水素、とくに好ましいのは不飽和脂肪族炭化水素である。)
(t)の使用量は、(A)の重量に基づいて通常40%以下、(A)と(b)との反応性および接着特性の観点から好ましくは0〜20%である。
上記重合禁止剤(f)としては、無機系[例えば酸素、硫黄および金属塩(例えば塩化第二鉄)]および有機系〔カテコール(C6〜36、例えば2−メチル−2−プロピルカテコール)、キノン(C6〜24、例えばp−ベンゾキノンおよびデュロキノン)、ヒドラジン(C2〜36、例えば1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジン)、フェルダジン(C5〜36、例えば1,3,5−トリフェニルフェルダジン)、ニトロ化合物(C3〜24、例えばニトロベンゼン)および安定ラジカル[C5〜36、例えば1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル(DPPH)、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ(TEMPO)および1,3,5−トリフェニルフェルダジル]〕が挙げられる。
(f)の使用量は、(A)の重量に基づいて通常5%以下、(A)と(b)との反応性および接着特性の観点から好ましくは0〜0.5%である。
変性ポリオレフィン(B)のMnは、接着特性と工業上の観点から好ましくは500〜50,000、さらに好ましくは1,000〜40,000、とくに好ましくは1,500〜30,000である。
(B)の酸価は、接着特性と工業上の観点から好ましくは0.5〜300、さらに好ましくは1〜200;カルボキシル基当量は、接着特性と工業上の観点から好ましくは200〜20,000、さらに好ましくは400〜10,000である。ここにおける酸価の測定法はJIS K 0070に準ずる。
(B)の融点は50〜120℃、好ましくは55〜115℃、さらに好ましくは60〜110℃である。融点が50℃未満では室温でのタックが発生し、120℃を超えると低温での接着特性が悪くなる。
すなわち、(B)を、水性分散体、溶媒分散体または溶液型の接着剤として使用するに際しては、基材の表面に塗布し、被着材を塗布面に合せた後に、室温で、もしくは加熱(例えば50〜120℃で20秒〜120分)して基材と被着材を圧着させるか、あるいは接着剤を基材の表面に塗布し、室温で、もしくは加熱(例えば50〜120℃で10秒〜120分)して造膜させた後、被着材を塗膜面に合せ、室温で、もしくは加熱(例えば50〜120℃で20秒〜120分)して基材と被着材を圧着させる。
なお、上記融点とは示差走査熱量測定(DSC)法で測定される融解ピーク温度である。
本発明の接着剤には、さらに必要により粘着付与樹脂(C)を含有させてもよい。(C)としては、種々の樹脂、例えば、接着の技術20,(2),13(2000)に記載のものが使用できる。
(C)の具体例としては、ロジン、ロジン誘導体樹脂(Mn200〜1,000、例えば重合ロジン、ロジンエステル、これらのフェノール変性物および不飽和酸変性物)、テルペン樹脂[Mn300〜1200、例えばα−ピネン、β−ピネンおよびリモネン等の(共)重合体およびこれらのフェノール変性物]、クマロン樹脂、石油樹脂[Mn300〜1,200、例えばC5留分、C9留分、C5/C9留分およびジシクロペンタジエン等の(共)重合体]、キシレン樹脂(Mn300〜3,000、例えばキシレンホルムアルデヒド樹脂)、フェノール樹脂(Mn300〜3,000、例えばフェノールホルムアルデヒド樹脂)、ケトン樹脂(Mn300〜3,000、メチルシクロヘキサノン−ホルムアルデヒド縮合物)、これらの樹脂の水素化物およびこれらの混合物が挙げられる。
上記(C)のうち、熱安定性、臭気および色相の観点から好ましいのは、ロジン、ロジン誘導体樹脂、テルペン樹脂、石油樹脂、これらの水素化物およびこれらの混合物である
(C)の使用量は、(B)の重量に基づいて通常150%以下、接着特性と耐ブロッキング性の観点から好ましくは1〜100%、さらに好ましくは2〜80%、とくに好ましくは2〜50%である。
本発明の接着剤には、さらに必要に応じて本発明の効果を阻害しない範囲で、酸化防止剤(D1)、紫外線吸収剤(D2)、光安定剤(D3)、顔料(D4)、染料(D5)、香料(D6)、帯電防止剤(D7)、抗菌剤(D8)、防かび剤(D9)、難燃剤(D10)、分散剤(D11)、湿潤剤(D12)および可塑剤(D13)からなる群から選ばれる少なくとも1種のその他の添加剤(D)を含有させてもよい。
(D1)としては、ヒンダードフェノール化合物〔ペンタエリスチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等〕、リン化合物[トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等]、イオウ化合物[ペンタエリスチル−テトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート等]等;(D2)としては、ベンゾトリアゾール化合物[2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等]等;(D3)としては、ヒンダードアミン化合物[ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等]等;
(D4)としては、無機顔料(酸化チタン、亜鉛華、ベンガラ等)、有機顔料(アゾ顔料、多環式顔料等)等;(D5)としては、アゾ、ピラゾロン、スチルベン、アリザリン、アニリン染料等;(D6)としては、天然香料(バラ油、ジャスミン油等)、合成香料
(リモネン、ファルネソール、シトラール等)等;(D7)としては、界面活性剤(後述の、アニオン性、カチオン性、ノニオン性および両性界面活性剤等)等;(D8)としては、4級アンモニウム塩、ピリジン化合物、有機酸(エステル)、ハロゲン化フェノール、有機ヨウ素等;(D9)としては、銅剤(8−オキシキノリン銅等)、ベンツイミダゾール、ベンゾチアゾール、トリハロアリル、トリアゾールおよび有機窒素硫黄化合物等;(D10)としては、リン系難燃剤、ハロゲン含有難燃剤、金属(水)酸化物(三酸化アンチモン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等)、ホウ酸塩難燃剤等;(D11)としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリスチレンスルホン酸塩、セルロース誘導体(カルボキシメチルセルロース等)等;(D12)としては、多価アルコール(プロピレングリコール、グリセリン等)、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等、が挙げられる。
可塑剤(D13)としては、種々のもの、例えば接着の技術20,(2),21(2000)に記載の可塑剤等が使用できる。
具体的には、プロセスオイル[重量平均分子量(以下、Mwと略記。測定はポリスチレンを標準としたGPC法による。)300〜10,000、例えばパラフィン、ナフテンおよび芳香環含有プロセスオイル)]、常温(20〜25℃)で液状を呈する樹脂(Mw300〜10,000、例えば液状ポリブテン、液状ポリブタジエン、液状ポリイソプレン)、該液状を呈する樹脂の水素化体、天然もしくは合成ワックス[Mw300〜30,000、例えばパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、低分子量ポリオレフィンワックス(Mw1,000〜30,000)]、およびこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。これらのうち熱安定性および耐候性の観点から好ましいのはプロセスオイル、さらに好ましいのはパラフィンプロセスオイル、ナフテンプロセスオイルおよびこれらの併用である。
(D)全体の使用量は、接着剤の全重量に基づいて耐ブロッキング性と接着力の観点から好ましくは0.005〜5%、さらに好ましくは0.01〜3%であり、(D)のうち、(D1)〜(D3)および(D7)〜(D13)はそれぞれ好ましくは0.01〜5%、さらに好ましくは0.1〜3%、(D4)〜(D6)はそれぞれ好ましくは0.005〜2%、さらに好ましくは0.01〜1%である。
本発明の接着剤の形態としては、酸変性ポリオレフィン(B)、および必要により(C)〜(D)を水に分散もしくは溶解させてなる水性分散体もしくは水溶液[I]、および(B)、および必要により(C)〜(D)を有機溶媒に分散もしくは溶解させてなる溶媒分散体もしくは溶液[II]が挙げられ、これらのうち、安全性、環境適応性、作業性等の観点から好ましいのは[I]である。
[I]の製造方法としては、(1)(B)、および必要により加える(C)〜(D)をトルエン等の溶媒に溶解し、これを撹拌下水に滴下または一定速度で投入しながら、ディスパーサー等で撹拌分散または溶解させた後、加熱減圧下で溶媒を留去する方法、および(2)(B)、および必要により加える(C)〜(D)の融点以上に加熱した後、水に撹拌下滴下または一定速度で投入しながら、ディスパーサー等で撹拌分散または溶解させる方法、が含まれる。また分散または溶解方法としては、例えば界面活性剤等の乳化剤および/または分散剤[使用量は(B)、および必要により加える(C)〜(D)の合計重量に基づいて通常0.1〜80%、(B)の機能発現の観点から好ましくは0.2〜40%]を使用する方法、および(B)のカルボキシル基および/または無水カルボキシル基(カルボキシル基2当量に換算)のうち、通常0.1〜90当量%、造膜性の観点から好ましくは1〜60当量%を水酸化ナトリウム等のアルカリによって部分中和する方法が挙げられる。ここにおいて、[I]中の(B)の濃度は通常5重量%以上、好ましくは10〜80重量%である。
上記界面活性剤としては、非イオン性、カチオン性、アニオン性および両性の界面活性剤が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、アルキレンオキシド(以下、AOと略記)[C2〜4、例えばエチレンオキシド(以下、EOと略記)、プロピレンオキシド(以下、POと略記)、ブチレンオキシドおよびこれらの2種以上の併用。以下同じ。]付加型非イオン界面活性剤〔高級アルコール(C8〜18)、高級脂肪酸(C12〜24)または高級アルキルアミン(C8〜24)等[例えばドデシル、ステアリル、オレイルアルコールおよびアミン、およびラウリン、ステアリンおよびオレイン酸]に直接AOを付加させたもの[分子量174以上かつMn20,000以下]、およびポリアルキレングリコール[例えばポリエチレングリコール(分子量106以上かつMn80,000以下)に高級脂肪酸等を反応させたもの、多価アルコール(C2〜24の2価〜8価またはそれ以上、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトールおよびソルビタン)に高級脂肪酸を反応させて得られたエステル化物にAOを付加させたもの(分子量286以上かつMn20,000以下)、高級脂肪酸アミドにAOを付加させたもの(分子量241以上かつMn35,000以下)、多価アルコール(上記に同じ)アルキル(C3〜60)エーテルにAOを付加させたもの(分子量120以上かつMn80,000以下)、ポリプロピレングリコール(Mn500〜5,000)にEOを付加させたもの(Mn1,000〜50,000、例えばプルロニック型非イオン界面活性剤など〕;および多価アルコ−ル型非イオン界面活性剤〔例えば多価アルコール脂肪酸エステル(C3〜60)、多価アルコールアルキルエーテル(C3〜60)および脂肪酸アルカノールアミド(C3〜60)〕が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩型[テトラアルキル(C4〜1
00)アンモニウム塩、例えばラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムブロマイド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロマイド;トリアルキル(C3〜80)ベンジルアンモニウム塩、例えばラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(塩化ベンザルコニウム);アルキル(C2〜60)ピリジニウム塩、例えばセチルピリジニウムクロライド;ポリ(n=1〜100)オキシアルキレン(C2〜4)トリアルキル(C3〜80)アンモニウム塩、例えばポリオキシエチレントリメチルアンモニウムクロライド;サパミン型第4級アンモニウム塩、例えばステアラミドエチルジエチルメチルアンモニウムメトサルフェート]およびアミン塩型〔脂肪族高級アミン(C8〜24、例えばラウリルアミン、ステアリルアミン、セチルアミン、硬化牛脂アミンおよびロジンアミン)の無機酸(例えば塩酸、硫酸、硝酸およびリン酸)塩または有機酸[C2〜22、例えば酢酸、プロピオン酸、ラウリル酸、オレイン酸、安息香酸、コハク酸、アジピン酸およびアゼライン酸]塩;脂肪族アミン(C1〜30)のEO付加物等の無機酸(前記のもの)塩または有機酸(前記のもの)塩;3級アミン(トリエタノールアミンモノステアレート、ステアラミドエチルジエチルメチルエタノールアミンなど)の無機酸(前記のもの)塩または有機酸(前記のもの)塩など〕が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、カルボン酸(C8〜22の飽和または不飽和脂肪酸)またはその塩、カルボキシメチル化物の塩[例えばC8〜18の脂肪族アルコールおよび/またはそのEO(1〜10モル)付加物などのカルボキシメチル化物の塩]、硫酸エステル塩[例えば高級アルコール(C8〜18)硫酸エステル塩]、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩[例えば高級アルコール(C8〜18)のEO(1〜10モル)付加物の硫酸エステル塩]、硫酸化油(天然の不飽和油脂または不飽和のロウをそのまま硫酸化して中和した塩)、硫酸化脂肪酸エステル(不飽和脂肪酸の低級アルコールエステルを硫酸化して中和した塩)、硫酸化オレフィン(C12〜18のオレフィンを硫酸化して中和した塩)、スルホン酸塩[例えばアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、スルホコハク酸ジエステル型、α−オレフィン(C12〜18)スルホン酸塩およびイゲポンT型]およびリン酸エステル塩[例えば高級アルコール(C8〜60)リン酸エステル塩、高級アルコール(C8〜60)EO付加物リン酸エステル塩およびアルキル(C4〜60)フェノールEO付加物リン酸エステル塩]が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アミノ酸型両性界面活性剤[例えば高級アルキルアミン(C12〜18)のプロピオン酸(塩)]、ベタイン型両性界面活性剤[例えばアルキル(C12〜18)ジメチルベタインおよびアルキル(C12〜18)ジヒドロキシエチルベタイン]、硫酸エステル(塩)型両性界面活性剤[例えば高級アルキル(C8〜18)アミンの硫酸エステル(塩)およびヒドロキシエチルイミダゾリン硫酸エステル(塩)]、スルホン酸(塩)型両性界面活性剤[例えばペンタデシルスルホタウリンおよびイミダゾリンスルホン酸(塩)]およびリン酸エステル(塩)型両性界面活性剤[例えばグリセリン高級脂肪酸(C8〜22)エステル化物のリン酸エステル(塩)]が挙げられる。
上記の両性界面活性剤およびアニオン界面活性剤における塩としては、アルカリ金属(例えばナトリウムおよびカリウム)塩、アルカリ土類金属(例えばカルシウムおよびマグネシウム)塩、アンモニウム塩、アルキルアミン(C1〜20)塩およびアルカノールアミン(C2〜12、例えばモノ−、ジ−およびトリエタノールアミン)塩等が挙げられる。
[II]の製造法としては、(1)(B)、および必要により加える(C)〜(D)をトルエン等の有機溶媒に溶解し、これを撹拌下有機溶媒に滴下または一定速度で投入しながら、ディスパーサー等で撹拌分散または溶解させる方法、および(2)(B)の融点以上に加熱した後、撹拌下有機溶媒に滴下または一定速度で投入しながら、ディスパーサー
等で撹拌分散または溶解させる方法が含まれる。
上記有機溶媒としては、例えば炭化水素、セロソルブ、ケトン、アルコール、エステルおよびアミドが挙げられる。
炭化水素としては、芳香族(C6〜24、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリエチルベンゼン、アミルベンゼン、ジアミルベンゼン、アミルトルエン、ジフェニルエタンおよびテトラリン)、脂肪族(C6〜24、例えばヘキサン、ヘプタンオクタンおよびデカン)および脂環式(C6〜24、例えばシクロヘキサン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキサンおよびデカリン)炭化水素が挙げられる。
セロソルブとしては、C3〜18、例えばメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、n−およびi−プロピルセロソルブおよびn−、sec−、i−およびt−ブチルセロソルブ;ケトンとしては、C3〜17、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトンおよびメチルイソブチルケトン;アルコールとしては、C1〜18、例えばメタノール、エタノールおよびn−およびi−プロパノール;エステルとしては、C3〜18、例えば酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチルおよびプロピオン酸エチル;アミドとしては、C1〜18、例えばジメチルホルムアミドが挙げられる。
これらのうち[II]の分散もしくは溶液安定性の観点から好ましいのは炭化水素、セロソルブおよびケトン、さらに好ましいのは炭化水素およびセロソルブである。
[II]中の(B)の濃度は通常1重量%以上、好ましくは3〜95重量%である。
以下実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例中の部は重量部、衝撃強度における保持率およびモル%以外の%は重量%を表す。
製造例1
プロピレン/1−ブテン共重合体である高分子量ポリオレフィン(Mn100,000)を熱減成(窒素ガス通気下、常圧、360℃×80分にて実施)して得られた、プロピレン75モル%、1−ブテン25モル%を構成単位とする、Mn4,500、炭素1,000個当たりの二重結合量3.1の低分子量ポリオレフィン80部を冷却管付き三ツ口フラスコに入れ、窒素置換した後、窒素通気下に180℃まで加熱昇温し溶融させた。
ここに無水マレイン酸10部を加え、均一に混合した後、キシレン10部に溶解したジクミルパーオキサイド0.5部を滴下し、180℃で3時間撹拌を続けた。その後、減圧下でキシレンを留去し、融点82℃、Mn5,000の酸変性ポリオレフィン(B−1)を得た。
製造例2
製造例1において、無水マレイン酸10部に代えて、無水マレイン酸10部および1−ドデセン10部を用いたこと以外は製造例1と同様に行い、その後、減圧下でキシレンおよび未反応の1−ドデセンを留去して、融点80℃、Mn5,000の酸変性ポリオレフィン(B−2)を得た。
製造例3
製造例1において、熱減成で得られた低分子量ポリオレフィンがプロピレン80モル%、1−ブテン20モル%を構成単位とし、Mn4,500、炭素1,000個当たりの二重結合量が3.2であること以外は製造例1と同様に行い、融点90℃、Mn5,000の酸変性ポリオレフィン(B−3)を得た。
製造例4
製造例1において、熱減成で得られた低分子量ポリオレフィンが、プロピレン/1−ブテン共重合体である高分子量ポリオレフィンを熱減成して得られた、プロピレン75モル%、1−ブテン25モル%を構成単位とし、Mn15,000、炭素1,000個当たりの二重結合量が0.9であり、無水マレイン酸10部に代えて、無水マレイン酸5部および1−ドデセン5部を用いたこと以外は製造例1と同様に行い、融点93℃、Mn15,500の酸変性ポリオレフィン(B−4)を得た。
製造例5
製造例1において、熱減成で得られた低分子量ポリオレフィンが、プロピレン/1−ブテン共重合体である高分子量ポリオレフィンを熱減成して得られた、プロピレン80モル%、1−ブテン20モル%を構成単位とし、Mn28,000、炭素1,000個当たりの二重結合量が0.5であり、無水マレイン酸10部に代えて、無水マレイン酸3部および1−ドデセン3部を用いたこと以外は製造例1と同様に行い、融点110℃、Mn29,000の酸変性ポリオレフィン(B−5)を得た。
製造例6
製造例1において、熱減成で得られた低分子量ポリオレフィンが、プロピレン/1−ブテン/エチレン共重合体である高分子量ポリオレフィンを熱減成して得られた、プロピレン60モル%、1−ブテン39モル%、エチレン1モル%を構成単位とし、Mn3,000、炭素1,000個当たりの二重結合量が4.8であること以外は製造例1と同様に行い、融点58℃、Mn3,200の酸変性ポリオレフィン(B−6)を得た。
製造例7
製造例1において、熱減成で得られた低分子量ポリオレフィンが、プロピレン/4−メチルペンテン−1共重合体である高分子量ポリオレフィンを熱減成して得られた、プロピレンを82モル%、4−メチルペンテン−1を18モル%を構成単位とし、Mn12,000、炭素1,000個当たりの二重結合量が1.1であり、無水マレイン酸10部に代えて、無水マレイン酸7部および1−ドデセン7部を用いたこと以外は製造例1と同様に行い、融点66℃、Mn13,000の酸変性ポリオレフィン(B−7)を得た。
製造例8
製造例1において、熱減成で得られた低分子量ポリオレフィンが、プロピレン/1−ブテン共重合体である高分子量ポリオレフィンを熱減成して得られた、プロピレン32モル%、1−ブテン68モル%を構成単位とし、Mn5,000、炭素1,000個当たりの二重結合量が2.8であること以外は製造例1と同様に行い、融点71℃、Mn5,500の酸変性ポリオレフィン(B−8)を得た。
比較製造例1
製造例1において、熱減成で得られた低分子量ポリオレフィンが、プロピレン/エチレン/1−ブテン共重合体である高分子量ポリオレフィン(Mn80,000)を熱減成して得られた、プロピレン70モル%、エチレン5モル%、1−ブテン25モル%を構成単位とし、Mn4,500、炭素1,000個当たりの二重結合量が2.9であること以外は製造例1と同様に行い、融点80℃、Mn5,000の酸変性ポリオレフィン(B−9)を得た。
比較製造例2
製造例1において、熱減成で得られた低分子量ポリオレフィンが、プロピレン/エチレン共重合体である高分子量ポリオレフィンを熱減成して得られた、プロピレン98モル%、エチレン2モル%を構成単位とし、Mn4,500、炭素1,000個当たりの二重結合量が3.1であること以外は製造例1と同様に行い、融点150℃、Mn5,000の酸変性ポリオレフィン(B−10)を得た。
実施例1〜8、比較例1、2
(B−1)〜(B−10)の各10部およびキシレン90部をそれぞれ120℃で均一に混合して溶液型接着剤(X−1)〜(X−10)を得た。
実施例9〜16、比較例3、4
酸変性ポリオレフィン(B−1)〜(B−10)の各100部を三ツ口フラスコに入れ120℃に加熱して融解し、別に作成した0.4%の水酸化ナトリウム水溶液300部中に90℃を保つように保温しながら滴下して乳化し、固形分25%の水性接着剤(水性分散体)(X−11)〜(X−20)を得た。
実施例17、比較例5
(B−1)、(B−9)の各9.5部、粘着付与樹脂[商品名「アルコンP−100」、荒川化学(株)製、石油樹脂系粘着付与樹脂、以下同じ。]0.5部およびキシレン90部をそれぞれ120℃で均一に混合して溶液型接着剤(X−21)、(X−22)を得た。
実施例18、比較例6
(B−1)、(B−9)の各95部と粘着付与樹脂5部をそれぞれ三ツ口フラスコに入れ120℃に加熱して融解、混合し、別に作成した0.4%の水酸化ナトリウム水溶液300部中に90℃を保つように保温しながら滴下して乳化し、固形分25%の水性接着剤(水性分散体)(X−23)、(X−24)を得た。
(X−1)〜(X−24)について、下記の1.〜4.の試験を行った。結果を表1に示す。
1.表面タック性試験
(X−1)〜(X−24)をそれぞれ90℃に加熱し、試験板〔ポリプロピレン[商品名:サンアロマーPM771M、サンアロマー(株)製]標準板(150×70×3mm)、以下同じ。〕にスプレー機[アネスト岩田(株)製EBG−115EXB、以下同じ。]を用いてスプレー塗布した後、100℃の温風で30分間乾燥し、23℃、湿度50%の雰囲気下で4時間静置した後、指触により塗膜表面のタック性を判定した。
<判定基準>
◎:タックなし
○:タックあるがわずか
×:タックあり
2.乾燥塗膜表面の耐汚染性試験
上記1.で得られた塗布板を24時間室温にて静置後、大気中の塵、埃等の乾燥塗膜表面への付着の有無を肉眼で判定した。乾燥後の接着剤塗布量は各5g/m2であった。
<判定基準>
◎:乾燥塗膜表面にちり、ほこり等の付着が認められない。
○:乾燥塗膜表面にちり、ほこり等の付着あるがわずか。
×:乾燥塗膜表面にちり、ほこり等の付着が顕著に認められる。
3.樹脂または金属接着特性試験
上記1.で得られた塗布板の上に、いずれも長方形(100×25×2mm)で(株)エンジニアリングテストサービス製の、ポリカーボネート(以下PCと略記)、ポリエチレンテレフタレート(以下PETと略記)、ABS、アルミニウム(以下Alと略す)また鉄の各標準板を荷重1kgf/m2 で貼り合わせながら、90℃または105℃で2分間加熱処理した後、室温まで冷却した。得られた試験片について、JIS K6850に準拠して、接着強度測定装置[オートグラフAG−100KNG、(株)島津製作所製]で引張せん断接着強度試験(引張速度1.0mm/分、25℃)を行った。
4.溶液または分散液安定性試験
(X−1)〜(X−10)、(X−21)、(X−22)それぞれをキシレンで希釈して濃度5%の樹脂溶液になるように調製したもの、および(X−11)〜(X−20)、(X−23)、(X−24)を密閉容器(内径40mm×高さ70mmの円筒形容器、溶液の深さ50mm)に入れて、20℃で1週間静置したときの溶液または分散液状態を判定した。
<判定基準>
◎:分離または沈殿が認められない。
○:分離および/または沈殿が認められるが、振り混ぜると容易に元の状態に戻る。
×:分離および/または沈殿が認められ、振り混ぜても元の状態に戻らない。
Figure 2007291383
(*)強度8.0はポリプロピレン標準板の破断値、強度0.1は測定限界値を示す。
本発明の溶液または分散液型接着剤は、環境に有害な塩素を含有せず、接着特性、溶液または分散液安定性に優れ、室温でのタックがないことから、熱可塑性樹脂、特にポリオレフィン樹脂からなるプラスチック基材と他の極性樹脂[例えばABS樹脂、ポリカーボネート樹脂]または金属との接着剤として、各産業分野、食品、医療品、工業用品等の包装材分野において幅広く用いられる。

Claims (5)

  1. 炭素数4〜12のα−オレフィン(a)15〜70モル%、プロピレン30〜85モル%およびエチレン0〜1モル%を構成単位とするポリオレフィン(A)を酸変性してなり、50〜120℃の融点を有する酸変性ポリオレフィン(B)からなる溶液または分散液型接着剤。
  2. (A)が、分子末端および/または分子内に炭素1,000個当たり0.2〜10個の二重結合を有する請求項1記載の接着剤。
  3. (A)が、高分子量ポリオレフィン(A0)を熱減成して得られる数平均分子量500〜40,000のポリオレフィンである請求項1または2記載の接着剤。
  4. さらに、粘着付与樹脂を含有させてなる請求項1〜3のいずれか記載の接着剤。
  5. さらに、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、染料、香料、帯電防止剤、抗菌剤、防かび剤、難燃剤、分散剤、湿潤剤および可塑剤からなる群から選ばれる1種または2種以上のその他の添加剤を含有させてなる請求項1〜4のいずれか記載の接着剤。
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