JP2007290947A - 炭素繊維シートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
高い面内厚さ均一性を有する燃料電池用電極の素材とその製造方法を提供すること。
【解決手段】
炭素繊維紙(a)100重量部に対し熱硬化性樹脂成分(b)が115〜200重量部 を含浸させてなる炭素繊維シート前駆体を連続的に加熱加圧して炭素繊維シートを成形する方法であって、熱硬化性樹脂(c)と加熱加圧物との離型性を有する液体成分を炭素繊維シート前駆体に含有させることを特徴とする炭素繊維シートの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、炭素繊維紙及びそれを用いた燃料電池用電極基材、特に固体高分子型燃料電池用電極基材およびその製造方法に関するものである。
固体高分子型燃料電池の電極には、電極積層時の省スペース性、シート厚さ均一性、表面平滑性、導電性、排水性等が要求される。このような要求特性を満足する材料としては、炭素短繊維を抄紙して熱硬化性樹脂を含浸させ、硬化後、焼成することにより製造されるものが好適とされているが、更に電極積層時の省スペース性を向上させるには熱硬化性樹脂含浸後のシートを加熱加圧して薄肉化しながら硬化させる方法が有効である。
プレス方法としては間欠的にシートを引き取りながらプレスする間欠プレス方式や、ベルトプレス方式、カレンダーロール方式等が一般的であるが、いずれのプレス方式でも熱硬化性樹脂がプレス金型に強固に付着するので、特許文献1のように熱硬化性樹脂含浸後のシートとプレス金型との間に離型剤をコーティングした基材を介在させ付着を防ぐ方法が主流である。ところがこの方式では、離型剤をコーティングした基材自体が持つ面内厚さの不均一性が炭素繊維に転写する為、プレス後シートの厚さ分布がプレス面内で不均一になるという問題があった。厚さが不均一になると燃料電池単セル内の出力特性にバラツキが生じ、セルを多層積層してなる燃料電池の性能が著しく低下する。
特開2004−259711号公報
本発明は上記問題点を克服し、高い面内厚さ均一性を有する燃料電池用電極の素材とその製造方法を提供することを目的とする。
本発明において、炭素繊維を抄紙したものを炭素繊維紙、炭素短繊紙に熱硬化性樹脂を含浸させたものを炭素繊維シート前駆体という。また、炭素繊維シート前駆体を加熱プレスして樹脂硬化したものを炭素繊維シート、炭素繊維シートを焼成したものを炭化シートという。
本発明は、上記の目的を達成するため、以下のいずれかの構成を採用する。すなわち、
(1) 炭素繊維紙(a)100重量部に対し熱硬化性樹脂成分(b)を115〜200重量部 含浸させてなる炭素繊維シート前駆体を連続的に加熱加圧して炭素繊維シートを成形する方法であって、熱硬化性樹脂と加熱加圧物との離型性を有する液体成分(c)を炭素繊維シート前駆体に含有させることを特徴とする炭素繊維シートの製造方法。
(2) 熱硬化性樹脂成分(b)100重量部に対し、熱硬化性樹脂と加熱加圧物との離型性を有する液体成分(c)が0.1〜10重量部である前記(1)に記載の炭素繊維シートの製造方法。
(3) 熱硬化性樹脂成分(b)を構成する成分のうち少なくとも1つがフェノール樹脂である前記(1)または(2)に記載の炭素繊維シートの製造方法。
(4) 熱硬化性樹脂と加熱加圧物との離型性を有する液体成分(c)を構成する成分のうち少なくとも1つがリン酸エステルである前記(1)〜(3)のいずれかに記載の炭素繊維シートの製造方法。
(5) 前記(1)〜(4)のいずれかに記載の方法で製造した炭素繊維シートであって、幅200mm以上、長さ5m以上の炭素繊維シートにおける任意の30点(ただし点同士の間隔は50mm以上)の厚さを測定したときの厚さバラツキCv値が0.1〜8.0%の範囲であることを特徴とする炭素繊維シート。
(6) 前記(1)〜(4)のいずれかに記載の方法で製造した炭素繊維シートを800〜2400℃で焼成してなる炭化シート。
(7) 幅200mm以上、長さ5m以上の炭化シートにおける任意の30点(ただし点同士の間隔は50mm以上)の厚さを測定したときの厚さバラツキCv値が0.1〜8.0%の範囲である前記(6)に記載の炭化シート。
本発明によれば、以下に説明するとおり、高い面内厚さ均一性を有する燃料電池用電極の素材を製造することができる。
以下、本発明における最良の実施形態の例を詳細に説明する。
本発明の炭素繊維シートは炭素繊維紙(a)100重量部に対し熱硬化性樹脂成分(b)を115〜200重量部 含浸させてなる炭素繊維シート前駆体を連続的に加熱加圧して炭素繊維シートを成形する際に、熱硬化性樹脂と加熱加圧物との離型性を有する液体成分(c)を炭素繊維シート前駆体に含有させることで得られる。炭素繊維紙(a)100重量部に対し熱硬化性樹脂成分(b)が200重量部を越えると炭化シートが脆くなり電極基材としての耐久性が損なわれる。炭素繊維紙(a)100重量部に対し熱硬化性樹脂成分(b)が115重量部未満では加熱プレス時の厚さ保持力が低下しプレス後も炭素繊維シートが厚さ方向にスプリングバックするため厚さ均一性が損なわれる。好ましくは炭素繊維紙(a)100重量部に対し熱硬化性樹脂成分(b)が120〜190重量部、更に好ましくは130〜170重量部である。
炭素繊維紙の製法には、炭素繊維にバインダーを付着させながら抄紙して得る方法を適用することができる。バインダーの成分としては、焼成時に炭化率が少ない澱粉やポリビニルアルコール(PVAと略すこともある)などを用いることができ、バインダーの付着量は炭素繊維100重量部に対し10〜40重量部が好適である。
熱硬化性樹脂と加熱加圧物との離型性を有する液体成分(c)を炭素繊維シート前駆体に含有させなかった場合、加熱プレス時に熱硬化性樹脂と加熱加圧物とが強固に付着し、生産性が著しく低下するため好ましくない。炭素繊維シート前駆体への含有方法としては、炭素繊維シート表面に均一量塗布できる方法であればどのような方法を用いても良い。好ましくは熱硬化性樹脂成分(b)にあらかじめ混合し炭素繊維紙に含浸する方法や、加熱プレス前に炭素繊維シート前駆体へ両面から噴霧する方法などが好適である。
熱硬化性樹脂と加熱加圧物との離型性を有する液体成分(c)が10重量部を越えると炭化シートにおける炭素分が減少するため導電性が低下し電極基材としての性能が損なわれることが多い。0.1重量部未満であると加熱プレス時の離型性を確保できないことが多く生産性が著しく低下することがある。好ましくは0.1〜9重量部、更に好ましくは0.5〜7重量部である。
熱硬化性樹脂成分(b)を構成する成分のうち少なくとも1つがフェノール樹脂であることが望ましい。フェノール樹脂としては、アルカリ触媒存在下においてフェノール類とアルデヒド類の反応によって得られるレゾールタイプフェノール樹脂と、レゾールタイプの流動性フェノール樹脂に酸性触媒下においてフェノール類とアルデヒド類の反応によって生成する固体の熱融着性を示すノボラックタイプのフェノール樹脂とを溶解混合して使用することが好ましい。また、黒鉛やカーボンブラックなどの炭素質粉末を含むことが好ましい。炭素質粉末を含むことで炭化シートの導電性が改善され、電極としての性能が向上する。
炭素繊維シートを焼成する際に、連続式の炉やバッチ式の炉で急速な昇温速度で焼成を行う場合、熱硬化性樹脂成分(b)が急激な収縮を起こし熱硬化性樹脂成分内部や熱硬化性樹脂と炭素繊維の接着界面でクラックが発生し炭化シートの導電性を低下させてしまう場合がある。熱硬化性樹脂成分(b)に炭素質粉末(d)を含むことで、熱硬化性樹脂成分(b)の急激な収縮を抑制しクラックを発生させにくくなる。また、炭素質粉末自身の導電性が高いことから炭化シートの導電性を向上させるため好ましい。
炭素質粉末としては、黒鉛、カーボンブラック、炭素質ミルド繊維、膨張黒鉛、カーボンナノチューブ等を用いることができるが、炭素質粉末を導入する際に良好な加工性を得るためと、導電性向上のために、黒鉛、CBを用いることが好ましく、黒鉛を用いることがより好ましい。
炭素繊維(a)100重量部に対し炭素質粉末(d)は1〜200重量部の範囲内にあることが好ましい。炭素質粉末が1重量部より少なくなると炭化シートの導電性向上の効果が得られないことがある。炭素質粉末が200重量部より大きくなると炭化シートの密度が高くなりすぎてしまい、燃料電池として用いたときの水の排出、ガスの拡散を抑制してしまい性能が著しく低下してしまうことがある。より好ましくは炭素繊維紙(a)100重量部に対し炭素質粉末(d)は10〜160重量部、更に好ましくは20〜120重量部である。
炭素質粉末(d)の粒径としては、0.01〜10μm程度であることが好ましく、0.1〜7μmとすることがより好ましく、1〜5μmとすることが、炭化シートの曲げ強度向上、高い導電性を得るためにさらに好ましい。
熱硬化性樹脂と加熱加圧物との離型性を有する液体成分(c)は熱硬化性樹脂成分(b)と加熱加圧物との間に剥離性有する層を形成できる液体成分であればどのようなものでも良い。構成する成分のうち少なくとも1つがシリコーン系、フッ素系、ワックス系、および界面活性剤系の中から選ばれた離型剤を含む剥離層が表面に設けられていることが好ましい。具体的には、シリコーンオイル等のシリコーン系離型剤、フッ素系離型剤、水系エマルションワックス等のワックス系離型剤、リン酸エステル系活性剤等の界面活性剤系離型剤等が挙げられる。これらは単独で、または、2種以上を組み合わせて用いることができる。好ましくは炭素繊維シート焼成後の炭化シートに金属塩を生成しない成分が良い。炭化シートに金属塩を生成すると電極として使用した場合プロトン交換膜との反応を阻害するため燃料電池としての性能に劣る。好ましくは構成する成分のうち少なくとも1つがリン酸エステルであり、シリコーン、ワックス等の成分を含まないことが好ましい。最も好ましくはグリセリド類および/または有機リン酸エステルと脂肪酸コポリマーとの混合物が好適である。
本発明によれば、製造された炭素繊維シートの厚さを均一にすることができ、幅200mm以上、長さ5m以上の炭化シートにおける任意の測定点30箇所(ただし測定点同士の間隔は50mm以上)の厚さを測定したときの厚さバラツキCv値が0.1〜8.0%の範囲となる炭素繊維シートを得ることができる。炭素繊維シートの厚さは、測定子の断面が直径5mmの円形であるマイクロメータを用いて炭素繊維シートの厚さ方向に0.15MPaの面圧を付与して測定する。
次いで、このようにして得られた炭素繊維シートを、800〜2400℃で焼成して炭化シートを得る。樹脂硬化の後に続く焼成は、炭素繊維シートの全長にわたり連続で行うことが好ましい。好ましくは不活性処理雰囲気下にて800〜2400℃の温度範囲で、炭素繊維紙の全長にわたって連続して焼成処理する方法が良い。また、上記焼成の前に不活性雰囲気下において300〜800℃の温度範囲で前処理を行っても良い。前処理を行うことで炭化初期段階において発生する分解ガスを十分に出し切ることができ、焼成炉内壁への分解物の付着堆積を抑制することができるため好ましい。
本発明によれば、製造された炭化シートの厚さを均一にすることができ、幅200mm以上、長さ5m以上の炭化シートにおける任意の測定点30箇所(ただし測定点同士の間隔は50mm以上)の厚さを測定したときの厚さバラツキCv値が0.1〜8.0%の範囲となる炭化シートを得ることができる。炭化シートの厚さは炭素繊維シートと同様に、測定子の断面が直径5mmの円形であるマイクロメータを用いて炭化シートの厚さ方向に0.15MPaの面圧を付与して測定する。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。なお、本実施例中、炭化シートの電気抵抗は次のようにして測定した。
[炭化シートの電気抵抗の測定方法]
金メッキしたステンレスブロックに電流用と電圧用の端子を設けたものを2個用意する。金メッキステンレスブロック2個の間に20mm×25mmに切った炭化シートを挟みサンプルに1MPaの圧力がかかるよう加圧する。このとき電圧用端子はサンプルを挟んだ面の近くに、電流用端子はサンプルを挟んだ面の反対側の面の近くに来るようにする。電流用端子間に1Aを流し、電圧用端子間で電圧V(V)を測定して次の(1)式により抵抗値を算出する。
電気抵抗(mΩ・cm)=V×2×2.5×1000…………(1)
(実施例1)
炭素繊維(東レ株式会社製ポリアクリロニトリル系炭素繊維“トレカ(登録商標)”T300−6K、平均単繊維径7μm、単繊維数6000本)を12mm長にカットして水槽に分散させて連続的に抄紙し、PVAをバインダー(PVA付着量は、炭素繊維80wt%に対し20wt%)として用いた炭素繊維紙ロールを作製した。得られた炭素繊維紙にフェノール樹脂および離型成分(グリセリド類と有機リン酸エステルと脂肪酸コポリマーとの混合物、AXEL PLASTICS RESEARCH LABORATORIES社製 MOLD WIZ 液状タイプINT−11A)を連続的に含浸させ、炭素繊維シート前駆体を作製した。このときのフェノール樹脂付着量は炭素繊維100重量部に対し160重量部、離型成分付着量はフェノール樹脂100重量部に対し1重量部であった。その後、上記炭素繊維シート前駆体を2層連続的に重ねながら一定のタイミングで上下するプレス機に挿入し間欠的に引き取るプレス(間欠プレス)を行い硬化させながら薄膜化し、幅500mm、長さ100m、平均厚さ155μmの炭素繊維シートを作製した。炭素繊維シートの任意の測定点30箇所をマイクロメータにより測定したところ、厚さバラツキCv値は3.7%であった。
上記炭素繊維シートに対し、加熱部の長さが3mの炭化処理炉(最高温度2000℃、窒素雰囲気)中を連続的に引き摺り走行させ、炭化シートを得た。このときの炭化シートの任意の測定点30箇所をマイクロメータにより測定したところ平均厚さは141μm、厚さバラツキCv値は3.6%であった。
(実施例2)
実施例1で作製した上記炭素繊維シートを、加熱部の長さが2mである前処理炉(最高温度650℃、窒素雰囲気)、および加熱部の長さが3mの炭化処理炉(最高温度2000℃、窒素雰囲気)中を連続的に引き摺り走行させ、炭化シートを得た。このときの炭化シートの任意の測定点30箇所をマイクロメータにより測定したところ平均厚さは140μm、厚さバラツキCv値は3.4%であった。
(実施例3)
実施例1で作製した炭素繊維シート前駆体を2層連続的に重ねながら、一対のエンドレスベルトを備えた連続式加熱プレス装置(ダブルベルトプレス)にて連続的に加熱プレスすることで硬化させながら薄膜化し、幅500mm、長さ100mの炭素繊維シートを作製した。炭素繊維シートの任意の測定点30箇所をマイクロメータにより測定したところ、平均厚さ156μm、厚さバラツキCv値は5.7%であった。
上記炭素繊維シートに対し、加熱部の長さが2mである前処理炉(最高温度650℃、窒素雰囲気)、および加熱部の長さが3mの炭化処理炉(最高温度2000℃、窒素雰囲気)中を連続的に引き摺り走行させ、炭化シートを得た。このときの炭化シートの任意の測定点30箇所をマイクロメータにより測定したところ平均厚さは142μm、厚さバラツキCv値は5.2%であった。
(実施例4)
炭素繊維シート前駆体を、実施例1で作製した炭素繊維紙にフェノール樹脂および離型成分(グリセリド類と有機リン酸エステルと脂肪酸コポリマーとの混合物、AXEL PLASTICS RESEARCH LABORATORIES社製 MOLD WIZ 液状タイプINT−11A)中に中越黒鉛工業所社製鱗片状黒鉛BF−5A(平均粒径5μm)が均一に分散した液を連続的に含浸させ、フェノール樹脂付着量が炭素繊維100重量部に対し160重量部、離型成分付着量がフェノール樹脂100重量部に対し1重量部、鱗片状黒鉛の付着量が炭素繊維100重量部に対し32重量部である炭素繊維シート前駆体に変更した以外は、実施例2と同様にして炭化シートを得た。炭素繊維シートの平均厚さは235μmであり、炭素繊維シートの任意の測定点30箇所をマイクロメータにより測定したところ、厚さバラツキCv値は4.0%であった。
また、得られた炭化シートは、平均厚さが204μmであり、炭化シートの任意の測定点30箇所をマイクロメータにより測定したところ厚さバラツキCv値は3.7%であった。
さらに、得られた炭化シートの電気抵抗を測定したところ、6mΩ・cmと、炭素質粉末を用いない炭化シートの電気抵抗が10〜13mΩ・cmであるのに比較して優れた電気伝導性を持っていた。
(実施例5)
炭素繊維シート前駆体を、実施例1で作製した炭素繊維紙にフェノール樹脂および離型成分(グリセリド類と有機リン酸エステルと脂肪酸コポリマーとの混合物、AXEL PLASTICS RESEARCH LABORATORIES社製 MOLD WIZ 液状タイプINT−11A)中に中越黒鉛工業所社製鱗片状黒鉛BF−5A(平均粒径5μm)が均一に分散した液を連続的に含浸させ、フェノール樹脂付着量が炭素繊維100重量部に対し192重量部、離型成分付着量がフェノール樹脂100重量部に対し1重量部、鱗片状黒鉛の付着量が炭素繊維100重量部に対し192重量部である炭素繊維シート前駆体に変更し、炭素繊維シート前駆体を炭素繊維シートに変換する際の間欠プレスを1層のみで行った以外は実施例2と同様にして炭化シートを得た。炭素繊維シートの平均厚さは220μmであり、炭素繊維シートの任意の測定点30箇所をマイクロメータにより測定したところ、厚さバラツキCv値は3.4%であった。
また、得られた炭化シートの任意の測定点30箇所をマイクロメータにより測定したところ平均厚さは200μm、厚さバラツキCv値は3.2%であった。
さらに、得られた炭化シートの電気抵抗を測定したところ、5mΩ・cmであった。
(比較例1)
炭素繊維(東レ株式会社製ポリアクリロニトリル系炭素繊維“トレカ(登録商標)”T300−6K、平均単繊維径7μm、単繊維数6000本)を12mm長にカットして水槽に分散させて連続的に抄紙し、PVAをバインダー(PVA付着量は、炭素繊維80wt%に対し20wt%)として用いた炭素繊維紙ロールを作製した。得られた炭素繊維紙にフェノール樹脂を連続的に含浸させ、炭素繊維シート前駆体を作製した。このときのフェノール樹脂付着量は炭素繊維100重量部に対し160重量部であった。その後、上記炭素繊維シート前駆体を2層連続的に重ねながら一定のタイミングで上下するプレス機に挿入し間欠的に引き取るプレス(間欠プレス)を行い硬化させながら薄膜化したが、炭素繊維シート前駆体とプレス金型とが強固に付着し、連続的な生産が不可能であった。
(比較例2)
比較例1で作製した炭素繊維シート前駆体を2層連続的に重ねながら一定のタイミングで上下するプレス機に挿入し間欠的に引き取るプレス(間欠プレス)を行い硬化させながら薄膜化した。このときプレス金型と炭素繊維シートとの間に付着防止用離型剤コーティング基材を挟み込んだ。その結果連続的な生産が可能となったが、面内厚さムラが大きく、炭素繊維シートの任意の測定点30箇所をマイクロメータにより測定したところ、平均厚さは154μmであったが、厚さバラツキCv値は8.5%であった。
上記炭素繊維シートに対し、加熱部の長さが3mの炭化処理炉(最高温度2000℃、窒素雰囲気)中を連続的に引き摺り走行させ、炭化シートを得た。このときの炭化シートの任意の測定点30箇所をマイクロメータにより測定したところ、平均厚さは141μmであったが、厚さバラツキCv値は8.3%であった。
(比較例3)
比較例1で作製した炭素繊維シート前駆体に対し、一対のエンドレスベルトを備えた連続式加熱プレス装置(ダブルベルトプレス)にて連続的に加熱プレスすることで硬化させながら薄膜化し、幅500mm、長さ100m、厚さ140μmの炭素繊維シートを作製した。このときプレス金型と炭素繊維シートとの間に付着防止用離型剤コーティング基材を挟み込んだ。その結果連続的な生産が可能であったが面内厚さムラが大きく、炭素繊維シートの任意の測定点30箇所をマイクロメータにより測定したところ、平均厚さは155μmであったが、厚さバラツキCv値は8.7%であった。
上記炭素繊維シートに対し、加熱部の長さが2mである前処理炉(最高温度650℃、窒素雰囲気)、および加熱部の長さが3mの炭化処理炉(最高温度2000℃、窒素雰囲気)中を連続的に引き摺り走行させ、炭化シートを得た。このときの炭化シートの任意の測定点30箇所をマイクロメータにより測定したところ、平均厚さは140μm厚さバラツキCv値は8.4%であった。
Figure 2007290947
本発明は燃料電池電極という用途に限らず、薄膜シート化が必要で、かつ高度な面内厚さ均一性が求められる用途に対して応用することができるが、その応用範囲がこれらに限られるものではない。

Claims (7)

  1. 炭素繊維紙(a)100重量部に対し熱硬化性樹脂成分(b)を115〜200重量部含浸させてなる炭素繊維シート前駆体を連続的に加熱加圧して炭素繊維シートを成形する方法であって、熱硬化性樹脂と加熱加圧物との離型性を有する液体成分(c)を炭素繊維シート前駆体に含有させることを特徴とする炭素繊維シートの製造方法。
  2. 熱硬化性樹脂成分(b)100重量部に対し、熱硬化性樹脂と加熱加圧物との離型性を有する液体成分(c)が0.1〜10重量部である請求項1に記載の炭素繊維シートの製造方法。
  3. 熱硬化性樹脂成分(b)を構成する成分のうち少なくとも1つがフェノール樹脂である請求項1または2に記載の炭素繊維シートの製造方法。
  4. 熱硬化性樹脂と加熱加圧物との離型性を有する液体成分(c)を構成する成分のうち少なくとも1つがリン酸エステルである請求項1〜3のいずれかに記載の炭素繊維シートの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の方法で製造した炭素繊維シートであって、幅200mm以上、長さ5m以上の炭素繊維シートにおける任意の30点(ただし点同士の間隔は50mm以上)の厚さを測定したときの厚さバラツキCv値が0.1〜8.0%の範囲であることを特徴とする炭素繊維シート。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の方法で製造した炭素繊維シートを800〜2400℃で焼成してなる炭化シート。
  7. 幅200mm以上、長さ5m以上の炭化シートにおける任意の30点(ただし点同士の間隔は50mm以上)の厚さを測定したときの厚さバラツキCv値が0.1〜8.0%の範囲である請求項6に記載の炭化シート。
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