JP2015033818A - 三次元繊維強化複合材 - Google Patents

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Abstract

【課題】厚さ方向糸の周辺でのクラックの発生を抑制すること。【解決手段】厚さ方向糸12と、当該厚さ方向糸12に隣り合う各強化繊維束層11a,11b,11c,11dとの間、及び厚さ方向糸12が相反する方向に延びる部位の間に形成される隙間21,22に含浸されるマトリックス樹脂32に、マトリックス樹脂32よりも線膨張係数の小さいカーボンナノチューブ33を充填した。そして、マトリックス樹脂32中のカーボンナノチューブ33の体積分率の上限を、樹脂が未硬化状態において74%?(1−樹脂の体積収縮率)に設定した。【選択図】図1

Description

本発明は、三次元繊維強化複合材に関する。
軽量、高強度の材料として三次元繊維強化複合材が使用されている。図7に示すように、例えば特許文献1の三次元繊維強化複合材100は、基準面内に積層された複数の強化繊維束層101と、各強化繊維束層101をその積層方向に結合する厚さ方向糸102とから形成された三次元繊維構造体103を有する。そして、三次元繊維構造体103にマトリックス樹脂104を含浸させて複合化することで三次元繊維強化複合材100が形成されている。このため、三次元繊維強化複合材100は、厚さ方向糸102を有さない二次元繊維強化複合材に比べて、厚さ方向糸102によって各強化繊維束層101の積層方向への強度が向上している。
特開2007−152672号公報
一般的に、繊維強化樹脂の樹脂溜まり(強化繊維が存在せず樹脂がリッチとなる部分)には、樹脂の硬化収縮や強化繊維と樹脂との線膨張係数の差による内部応力からクラックを生じ易い。特に、三次元繊維強化複合材100は、樹脂溜まりを形成し易い織り構造である。厚さ方向糸102によって各強化繊維束層101を積層方向に結合していく際に、各強化繊維束層101に加わる張力によって、厚さ方向糸102と、当該厚さ方向糸102に隣り合う各強化繊維束層101との間や、厚さ方向糸102が相反する方向に延びる部位の間には隙間が形成される。そして、隙間が形成された状態の三次元繊維構造体103にマトリックス樹脂104が含浸されると、これら隙間がマトリックス樹脂104の樹脂溜まりとなる。そして、マトリックス樹脂104の硬化収縮等によって隙間内に内部応力が発生し、三次元繊維強化複合材100において、厚さ方向糸102の周辺にクラックが生じる虞がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、厚さ方向糸の周辺でのクラックの発生を抑制することができる三次元繊維強化複合材を提供することにある。
上記課題を解決する三次元繊維強化複合材は、複数の強化繊維束層が積層されるとともに、各強化繊維束層を厚さ方向糸によって積層方向に結合して形成された三次元繊維構造体にマトリックス樹脂を含浸させてなる三次元繊維強化複合材であって、
前記厚さ方向糸と、当該厚さ方向糸に隣り合う各強化繊維束層との間、及び前記厚さ方向糸が相反する方向に延びる部位の間に形成される隙間に含浸される前記マトリックス樹脂には、前記マトリックス樹脂よりも線膨張係数の小さい無機粒子が充填されており、前記マトリックス樹脂中の前記無機粒子の体積分率の上限を、樹脂が未硬化状態において74%×(1−樹脂の体積収縮率)に設定した。
これによれば、隙間に含浸されるマトリックス樹脂に、マトリックス樹脂よりも線膨張係数の小さい無機粒子が充填されているため、隙間に含浸されるマトリックス樹脂に無機粒子が充填されていない場合に比べると、線膨張係数が小さくなり、マトリックス樹脂の硬化収縮等によって隙間内に発生する内部応力を低減させることができる。また、マトリックス樹脂中の無機粒子の体積分率の上限を、樹脂が未硬化状態において74%×(1−樹脂の体積収縮率)に設定することで、無機粒子をマトリックス樹脂に充填したことにより、マトリックス樹脂の硬化収縮等によって隙間内に発生する内部応力が却って高くなってしまうといった不具合を回避することができる。その結果、厚さ方向糸の周辺でのクラックの発生を抑制することができる。
上記三次元繊維強化複合材において、前記隙間に含浸された前記マトリックス樹脂の体積分率が、前記三次元繊維構造体における前記隙間以外の部位に含浸された前記マトリックス樹脂の体積分率と等しくなるように、前記無機粒子の体積分率を設定したことが好ましい。
これによれば、三次元繊維構造体における隙間と隙間以外の部位との間で物性が変動することが抑制される。
上記三次元繊維強化複合材において、前記隙間に含浸された前記マトリックス樹脂によって前記隙間内に発生する内部応力と、前記三次元繊維構造体における前記隙間以外の部位に含浸された前記マトリックス樹脂によって前記隙間以外の部位に発生する内部応力との差に応じて前記無機粒子の体積分率を設定したことが好ましい。
これによれば、三次元繊維構造体における隙間と隙間以外の部位との間で物性が変動することが抑制される。
上記三次元繊維強化複合材において、前記無機粒子はカーボンナノチューブであることが好ましい。
これによれば、例えば、無機粒子がシリカである場合に比べると、少量のマトリックス樹脂への充填量で、マトリックス樹脂の硬化収縮等によって隙間内に発生する内部応力を低減することができる。また、例えば、無機粒子がシリカである場合に比べると、三次元繊維強化複合材の靱性を向上させることができる。
この発明によれば、厚さ方向糸の周辺でのクラックの発生を抑制することができる。
実施形態における三次元繊維強化複合材の断面図。 三次元繊維構造体の斜視図。 厚さ方向糸を形成する複数の繊維の間にカーボンナノチューブが混在した溶融樹脂が含浸された状態を示す模式図。 三次元繊維構造体の断面図。 成形金型内に溶融樹脂を注入した状態を模式的に示す断面図。 (a)は別の実施形態における三次元繊維強化複合材の製造方法を説明するための断面図、(b)は成形金型内に溶融樹脂を注入した状態を模式的に示す断面図。 従来例における三次元繊維強化複合材の断面図。
以下、三次元繊維強化複合材を具体化した一実施形態を図1〜図5にしたがって説明する。
図1に示すように、三次元繊維強化複合材10は、複数の繊維(炭素繊維)が束ねられることで形成される繊維束が複数積層されてなる強化繊維束層11a,11b,11c,11dを有する。そして、各強化繊維束層11a,11b,11c,11dが積層されるとともに、各強化繊維束層11a,11b,11c,11dを厚さ方向糸12によって積層方向に結合することで三次元繊維構造体13が形成されている。三次元繊維構造体13は、配列角度0度の連続繊維からなる強化繊維束層11aと、配列角度90度の連続繊維からなる強化繊維束層11bと、配列角度45度の連続繊維からなる強化繊維束層11cと、配列角度−45度の連続繊維からなる強化繊維束層11dとが積層されて疑似等方性に構成されている。
図2に示すように、厚さ方向糸12は、三次元繊維構造体13の厚さ方向(各強化繊維束層11a,11b,11c,11dの積層方向)の一方の面(以下、単に「三次元繊維構造体13の一端面」とする)において、三次元繊維構造体13の外側に配列された抜け止め糸14と係合している。そして、厚さ方向糸12は、三次元繊維構造体13の厚さ方向に配列される部分のピッチが一定間隔で折り返されるように配列されている。抜け止め糸14は、厚さ方向糸12の配列面Pと交差する方向(本実施形態では直交方向)に配列されている。
厚さ方向糸12は、三次元繊維構造体13の厚さ方向の他方の面(以下、単に「三次元繊維構造体13の他端面とする)から三次元繊維構造体13内に挿入されるとともに三次元繊維構造体13を厚さ方向に貫通した後、三次元繊維構造体13の一端面よりも外側において、抜け止め糸14を囲繞してループ状に折り返されている。さらに、抜け止め糸14は、三次元繊維構造体13の一端面から三次元繊維構造体13内に挿入されるとともに三次元繊維構造体13を厚さ方向に貫通した後、三次元繊維構造体13の他端面よりも外側に引き出されている。三次元繊維構造体13の他端面よりも外側に引き出された厚さ方向糸12は、既に三次元繊維構造体13の他端面よりも外側に存在する厚さ方向糸12とは相反する方向に向けて三次元繊維構造体13の他端面に沿って延びた後、再度、三次元繊維構造体13内に挿入される。これが繰り返し行われることにより、各強化繊維束層11a,11b,11c,11dが厚さ方向糸12によって積層方向に結合される。
図1において拡大して示すように、三次元繊維構造体13には、厚さ方向糸12によって各強化繊維束層11a,11b,11c,11dを積層方向に結合していく際に、各強化繊維束層11a,11b,11c,11dに張力が加わる。そして、この各強化繊維束層11a,11b,11c,11dに加わる張力によって、厚さ方向糸12と、当該厚さ方向糸12に隣り合う各強化繊維束層11a,11b,11c,11dとの間に隙間21が形成されるとともに、厚さ方向糸12が相反する方向に延びる部位の間に隙間22が形成される。
図1に示すように、三次元繊維構造体13における隙間21,22以外の部位には、マトリックス樹脂31が含浸硬化されている。また、図1において拡大して示すように、隙間21,22には、無機粒子としてのカーボンナノチューブ33が充填されたマトリックス樹脂32が含浸硬化されている。このように、三次元繊維構造体13にマトリックス樹脂31,32が含浸硬化されることにより三次元繊維強化複合材10が形成される。
本実施形態では、マトリックス樹脂31,32としてエポキシ樹脂が用いられている。また、カーボンナノチューブ33は、マトリックス樹脂31,32よりも線膨張係数が小さい。
マトリックス樹脂32中のカーボンナノチューブ33の体積分率の上限は、マトリックス樹脂32が未硬化状態において74%×(1−樹脂の体積収縮率)に設定されている。なお、無機粒子としてカーボンナノチューブ33を用いる場合、カーボンナノチューブ33の繊維径を粒子径として計算する。本実施形態のカーボンナノチューブ33は、繊維径=0.4〜50nm、線膨張係数はほぼ0である。また、本実施形態のマトリックス樹脂31,32は、硬化温度=180℃である。そして、本実施形態でのマトリックス樹脂32中のカーボンナノチューブ33の体積分率の下限は0.5%である。
本実施形態では、隙間21,22に含浸されるマトリックス樹脂32の体積分率が、三次元繊維構造体13における隙間21,22以外の部位に含浸されるマトリックス樹脂31の体積分率と等しくなるように、カーボンナノチューブ33の体積分率が設定されている。
次に、三次元繊維強化複合材10の製造方法について説明する。
図3に示すように、厚さ方向糸12は、複数の繊維12aが束ねられることで形成される繊維束である。なお、繊維12aとしては炭素繊維が用いられる。そして、カーボンナノチューブ33が混在した状態の溶融樹脂J1に厚さ方向糸12を浸すことで、厚さ方向糸12を形成する複数の繊維12aの間に、カーボンナノチューブ33が混在した溶融樹脂J1が含浸される。これにより、厚さ方向糸12にはカーボンナノチューブ33が付着している。なお、溶融樹脂J1は、硬化する前のエポキシ樹脂である。
また、カーボンナノチューブ33の繊維径が繊維12aの繊維径以上であると、複数の繊維12aの間にカーボンナノチューブ33が分散され難くなってしまうため、カーボンナノチューブ33の繊維径は、繊維12aの繊維径よりも小さいことが好ましい。具体的には、カーボンナノチューブ33の繊維径は8μm以下であることが好ましい。
図4に示すように、続いて、厚さ方向糸12を用いて、各強化繊維束層11a,11b,11c,11dを積層方向に結合する。これにより、三次元繊維構造体13が形成される。
図5に示すように、続いて、三次元繊維構造体13を成形金型40内に載置する。そして、成形金型40内に溶融樹脂J2を注入して、三次元繊維構造体13における隙間21,22以外の部位、及び隙間21,22に溶融樹脂J2を含浸させる。なお、溶融樹脂J2は、硬化する前のエポキシ樹脂である。その後、溶融樹脂J2を図示しない加熱装置によって加熱して硬化させる。これにより、図1に示すように、三次元繊維構造体13における隙間21,22以外の部位にマトリックス樹脂31が形成されるとともに、隙間21,22にマトリックス樹脂32が形成され、三次元繊維強化複合材10が得られる。マトリックス樹脂32は、厚さ方向糸12に付着していたカーボンナノチューブ33が混在した状態になる。すなわち、マトリックス樹脂32にはカーボンナノチューブ33が充填されている。
次に、本実施形態の作用について説明する。
隙間21,22に含浸されるマトリックス樹脂32に、マトリックス樹脂31,32よりも線膨張係数の小さいカーボンナノチューブ33が充填されている。このため、隙間21,22に含浸されるマトリックス樹脂32にカーボンナノチューブ33が充填されていない場合に比べると、線膨張係数が小さくなり、マトリックス樹脂32の硬化収縮等によって隙間21,22内に発生する内部応力が低減される。
また、マトリックス樹脂32中のカーボンナノチューブ33の体積分率の上限を、マトリックス樹脂32が未硬化状態において74%×(1−樹脂の体積収縮率)に設定した。マトリックス樹脂32に充填されるカーボンナノチューブ33の体積分率が、マトリックス樹脂32が未硬化状態において74%×(1−樹脂の体積収縮率)に設定される上限を越えると、硬化収縮によってカーボンナノチューブ33の体積分率が六方最密充填率である74%に達し、カーボンナノチューブ33同士が接触する。すると、カーボンナノチューブ33自体がマトリックス樹脂32の硬化収縮等によって隙間21,22内に発生する内部応力を上昇させる。しかし、本実施形態によれば、マトリックス樹脂32の硬化収縮等によって隙間21,22内に発生する内部応力が却って高くなってしまうといった不具合が回避される。その結果、厚さ方向糸12の周辺でのクラックの発生が抑制される。
なお、マトリックス樹脂32として主剤にXNR6811(ナガセケムテックス)、硬化剤にXNH6811(ナガセケムテックス)を用いた場合、その体積収縮率は3.5%なので、カーボンナノチューブ33の体積分率の上限は71.4%となる。
また、三次元繊維構造体13における隙間21,22以外の部位に含浸されるマトリックス樹脂31の硬化収縮等によって、三次元繊維構造体13における隙間21,22以外の部位にも内部応力は発生する。しかし、三次元繊維強化複合材10において、三次元繊維構造体13における隙間21,22以外の部位の周辺ではクラックが生じ難い。
そこで、本実施形態では、隙間21,22に含浸されたマトリックス樹脂32の体積分率が、三次元繊維構造体13における隙間21,22以外の部位に含浸されたマトリックス樹脂31の体積分率と等しくなるように、カーボンナノチューブ33の体積分率を設定した。具体的には、隙間21,22以外の部位におけるマトリックス樹脂31の体積分率が45%、隙間21,22の部位における厚さ方向糸12の体積分率が10%であることを考慮し、カーボンナノチューブ33の体積分率を45%に設定した。そうすることで、三次元繊維構造体13における隙間21,22と隙間21,22以外の部位との間で物性が変動することが抑制される。
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)厚さ方向糸12と、当該厚さ方向糸12に隣り合う各強化繊維束層11a,11b,11c,11dとの間、及び厚さ方向糸12が相反する方向に延びる部位の間に形成される隙間21,22に含浸されるマトリックス樹脂32に、マトリックス樹脂32よりも線膨張係数の小さいカーボンナノチューブ33を充填した。これによれば、隙間21,22に含浸されるマトリックス樹脂32にカーボンナノチューブ33が充填されていない場合に比べると、線膨張係数が小さくなり、マトリックス樹脂32の硬化収縮等によって隙間21,22内に発生する内部応力を低減させることができる。そして、マトリックス樹脂32中のカーボンナノチューブ33の体積分率の上限を、樹脂が未硬化状態において74%×(1−樹脂の体積収縮率)に設定した。これによれば、カーボンナノチューブ33をマトリックス樹脂32に充填したことにより、マトリックス樹脂32の硬化収縮等によって隙間21,22内に発生する内部応力が却って高くなってしまうといった不具合を回避することができる。その結果、厚さ方向糸12の周辺でのクラックの発生を抑制することができる。
(2)隙間21,22に含浸されたマトリックス樹脂32の体積分率を、三次元繊維構造体13における隙間21,22以外の部位に含浸されたマトリックス樹脂31の体積分率と等しくなるように、カーボンナノチューブ33の体積分率を設定した。これによれば、三次元繊維構造体13における隙間21,22と隙間21,22以外の部位との間で物性が変動することが抑制される。
(3)無機粒子としてカーボンナノチューブ33を用いた。これによれば、例えば、無機粒子がシリカである場合に比べると、少量のマトリックス樹脂32への充填量で、マトリックス樹脂32の硬化収縮等によって隙間21,22内に発生する内部応力を低減することができる。また、例えば、無機粒子がシリカである場合に比べると、三次元繊維強化複合材10の靱性を向上させることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 図6(a)及び(b)に示すように、厚さ方向糸12を用いて、各強化繊維束層11a,11b,11c,11dを積層方向に結合してから、カーボンナノチューブ33を隙間21,22に添加してもよい。図6(a)に示すように、カーボンナノチューブ33は、添加装置41によって隙間22に向けて添加される。そして、図示しない加振装置によって三次元繊維構造体13を振動させる。すると、隙間22に添加されたカーボンナノチューブ33の一部が、厚さ方向糸12を形成する複数の繊維12a(図3参照)を通過して隙間21に到達する。続いて、図6(b)に示すように、三次元繊維構造体13を成形金型40内に載置する。そして、成形金型40内に溶融樹脂J2を注入して、三次元繊維構造体13における隙間21,22以外の部位、及び隙間21,22に溶融樹脂J2を含浸させる。その後、溶融樹脂J2を図示しない加熱装置によって加熱して硬化させる。これにより、三次元繊維構造体13における隙間21,22以外の部位にマトリックス樹脂31が形成されるとともに、隙間21,22にカーボンナノチューブ33が充填されたマトリックス樹脂32が形成され、三次元繊維強化複合材10が得られる。このようにして三次元繊維強化複合材10を形成してもよい。これによれば、隙間21,22にカーボンナノチューブ33を添加してから、マトリックス樹脂31,32を形成することで、図6(b)において拡大して示すように、隙間21,22全体にカーボンナノチューブ33を拡散させることができる。
○ 実施形態において、隙間21,22に含浸されたマトリックス樹脂32によって隙間21,22内に発生する内部応力と、三次元繊維構造体13における隙間21,22以外の部位に含浸されたマトリックス樹脂31によって隙間21,22以外の部位に発生する内部応力との差に応じてカーボンナノチューブ33の体積分率を設定してもよい。例えば、カーボンナノチューブ33を充填する前のマトリックス樹脂32の硬化収縮等によって隙間21,22内に発生する内部応力が、三次元繊維構造体13における隙間21,22以外の部位に含浸されるマトリックス樹脂31の硬化収縮等によって、三次元繊維構造体13における隙間21,22以外の部位に発生する内部応力の3倍だとする。この場合、マトリックス樹脂32の硬化収縮等によって隙間21,22内に発生する内部応力が1/3になるように、カーボンナノチューブ33の体積分率を設定する。なお、この場合、マトリックス樹脂32中のカーボンナノチューブ33の体積分率は65%である。これによれば、カーボンナノチューブ33の体積分率を必要最小限とし、三次元繊維構造体13における隙間21,22と隙間21,22以外の部位との間で物性が変動することが抑制される。
○ 実施形態において、三次元繊維構造体13における各強化繊維束層11a,11b,11c,11dと厚さ方向糸12とを合わせた繊維の体積分率と等しくなるように、カーボンナノチューブ33の体積分率を設定してもよい。なお、繊維の体積分率は、三次元繊維強化複合材10中の55%であると好ましい。よって、この場合、マトリックス樹脂32中のカーボンナノチューブ33の体積分率は55%になる。
○ 実施形態において、マトリックス樹脂31,32としてエポキシ樹脂以外の熱硬化性樹脂を用いてもよい。
○ 実施形態において、マトリックス樹脂31,32として熱硬化性樹脂以外の樹脂を用いてもよい。
○ 実施形態において、各強化繊維束層11a,11b,11c,11dの積層順序は特に限定されるものではない。
○ 実施形態において、厚さ方向糸12が並縫いで各強化繊維束層11a,11b,11c,11dを積層方向に結合する構成としてもよい。要は、各強化繊維束層11a,11b,11c,11dを積層方向に結合する構成としては、厚さ方向糸12と抜け止め糸14とからなる構成に限らない。
○ 実施形態において、繊維束は炭素繊維に限らず、例えば、ガラス繊維やセラミック繊維等の無機繊維、あるいは、アラミド繊維、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ポリアリレート繊維、超高分子量ポリエチレン繊維等の高強度の有機繊維であってもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記三次元繊維強化複合材における各強化繊維束層と前記厚さ方向糸とを合わせた繊維の体積分率と等しくなるように、前記無機粒子の体積分率を設定する。
(ロ)前記無機粒子の粒子径は、前記厚さ方向糸を形成する繊維の繊維径よりも小さい。
10…三次元繊維強化複合材、11a,11b,11c,11d…強化繊維束層、12…厚さ方向糸、13…三次元繊維構造体、21,22…隙間、31,32…マトリックス樹脂、33…無機粒子としてのカーボンナノチューブ。

Claims (4)

  1. 複数の強化繊維束層が積層されるとともに、各強化繊維束層を厚さ方向糸によって積層方向に結合して形成された三次元繊維構造体にマトリックス樹脂を含浸させてなる三次元繊維強化複合材であって、
    前記厚さ方向糸と、当該厚さ方向糸に隣り合う各強化繊維束層との間、及び前記厚さ方向糸が相反する方向に延びる部位の間に形成される隙間に含浸される前記マトリックス樹脂には、前記マトリックス樹脂よりも線膨張係数の小さい無機粒子が充填されており、
    前記マトリックス樹脂中の前記無機粒子の体積分率の上限を、
    樹脂が未硬化状態において74%×(1−樹脂の体積収縮率)に設定したことを特徴とする三次元繊維強化複合材。
  2. 前記隙間に含浸された前記マトリックス樹脂の体積分率が、前記三次元繊維構造体における前記隙間以外の部位に含浸された前記マトリックス樹脂の体積分率と等しくなるように、前記無機粒子の体積分率を設定したことを特徴とする請求項1に記載の三次元繊維強化複合材。
  3. 前記隙間に含浸された前記マトリックス樹脂によって前記隙間内に発生する内部応力と、前記三次元繊維構造体における前記隙間以外の部位に含浸された前記マトリックス樹脂によって前記隙間以外の部位に発生する内部応力との差に応じて前記無機粒子の体積分率を設定したことを特徴とする請求項1に記載の三次元繊維強化複合材。
  4. 前記無機粒子はカーボンナノチューブであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の三次元繊維強化複合材。
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