JP2015033819A - 三次元繊維強化複合材 - Google Patents
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Abstract
【課題】厚さ方向糸の周辺でのクラックの発生を抑制すること。【解決手段】厚さ方向糸12は、ガラス転移温度Tgが使用環境温度Tx以下である第1樹脂繊維41を少なくとも含んでいる。これによれば、三次元繊維強化複合材の使用環境温度Txに応じて厚さ方向糸12が軟化することで、マトリックス樹脂の収縮に厚さ方向糸12が追従する。このため、マトリックス樹脂の収縮に厚さ方向糸12が追従しない場合に比べると、マトリックス樹脂の収縮によって隙間内に発生する内部応力が低減する。【選択図】図3
Description
本発明は、三次元繊維強化複合材に関する。
軽量、高強度の材料として三次元繊維強化複合材が使用されている。図5に示すように、例えば特許文献1の三次元繊維強化複合材100は、基準面内に積層された複数の強化繊維束層101と、各強化繊維束層101をその積層方向に結合する厚さ方向糸102とから形成された三次元繊維構造体103を有する。そして、三次元繊維構造体103にマトリックス樹脂104を含浸させて複合化することで三次元繊維強化複合材100が形成されている。このため、三次元繊維強化複合材100は、厚さ方向糸102を有さない二次元繊維強化複合材に比べて、厚さ方向糸102によって各強化繊維束層101の積層方向への強度が向上している。
一般的に、繊維強化樹脂の樹脂溜まり(強化繊維が存在せず樹脂がリッチとなる部分)には、樹脂の硬化収縮や強化繊維と樹脂との線膨張係数の差による内部応力からクラックを生じ易い。特に、三次元繊維強化複合材100は、樹脂溜まりを形成し易い織り構造である。厚さ方向糸102によって各強化繊維束層101を積層方向に結合していく際に、各強化繊維束層101に加わる張力によって、厚さ方向糸102と、当該厚さ方向糸102に隣り合う各強化繊維束層101との間や、厚さ方向糸102が相反する方向に延びる部位の間には隙間が形成される。そして、隙間が形成された状態の三次元繊維構造体103にマトリックス樹脂104が含浸されると、これら隙間がマトリックス樹脂104の樹脂溜まりとなる。そして、三次元繊維強化複合材100の使用環境温度が、厚さ方向糸102のガラス転移温度Tg以下であると、マトリックス樹脂104が収縮したときに、厚さ方向糸102がマトリックス樹脂104の収縮に追従しないため、隙間内に内部応力が発生し、三次元繊維強化複合材100において、厚さ方向糸102の周辺にクラックが生じる虞がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、厚さ方向糸の周辺でのクラックの発生を抑制することができる三次元繊維強化複合材を提供することにある。
上記課題を解決する三次元繊維強化複合材は、複数の強化繊維束層が積層されるとともに、各強化繊維束層を厚さ方向糸によって積層方向に結合して形成された三次元繊維構造体にマトリックス樹脂を含浸させてなる三次元繊維強化複合材であって、前記厚さ方向糸は、ガラス転移温度が使用環境温度以下である樹脂繊維を少なくとも含んでいる。
これによれば、三次元繊維強化複合材の使用環境温度に応じて厚さ方向糸が軟化することで、マトリックス樹脂の収縮に厚さ方向糸が追従するため、マトリックス樹脂の収縮に厚さ方向糸が追従しない場合に比べると、マトリックス樹脂の収縮によって隙間内に発生する内部応力を低減させることができる。その結果、厚さ方向糸の周辺でのクラックの発生を抑制することができる。
上記三次元繊維強化複合材において、前記厚さ方向糸は、前記ガラス転移温度が使用環境温度以下である樹脂繊維と、無機繊維との合繊糸であることが好ましい。
これによれば、厚さ方向糸が、ガラス転移温度が使用環境温度以下である樹脂繊維のみで形成されている場合に比べると、無機繊維を含んでいる分だけ、厚さ方向糸における各強化繊維束層の積層方向への強度を向上させることができる。よって、厚さ方向糸における各強化繊維束層の積層方向への強度を維持しつつも、厚さ方向糸の周辺でのクラックの発生を抑制することができる。
これによれば、厚さ方向糸が、ガラス転移温度が使用環境温度以下である樹脂繊維のみで形成されている場合に比べると、無機繊維を含んでいる分だけ、厚さ方向糸における各強化繊維束層の積層方向への強度を向上させることができる。よって、厚さ方向糸における各強化繊維束層の積層方向への強度を維持しつつも、厚さ方向糸の周辺でのクラックの発生を抑制することができる。
上記三次元繊維強化複合材において、前記厚さ方向糸は、前記ガラス転移温度が使用環境温度以下である樹脂繊維と、前記ガラス転移温度が使用環境温度以上である樹脂繊維との合繊糸であることが好ましい。
これによれば、厚さ方向糸が、ガラス転移温度が使用環境温度以下である樹脂繊維のみで形成されている場合に比べると、ガラス転移温度が使用環境温度以上である樹脂繊維を含んでいる分だけ、厚さ方向糸における各強化繊維束層の積層方向への強度を向上させることができる。よって、厚さ方向糸における各強化繊維束層の積層方向への強度を維持しつつも、厚さ方向糸の周辺でのクラックの発生を抑制することができる。
この発明によれば、厚さ方向糸の周辺でのクラックの発生を抑制することができる。
以下、三次元繊維強化複合材を具体化した一実施形態を図1〜図3にしたがって説明する。
図1に示すように、三次元繊維強化複合材10は、複数の繊維(炭素繊維)が束ねられることで形成される繊維束が複数積層されてなる強化繊維束層11a,11b,11c,11dを有する。そして、各強化繊維束層11a,11b,11c,11dが積層されるとともに、各強化繊維束層11a,11b,11c,11dを厚さ方向糸12によって積層方向に結合することで三次元繊維構造体13が形成されている。三次元繊維構造体13は、配列角度0度の連続繊維からなる強化繊維束層11aと、配列角度90度の連続繊維からなる強化繊維束層11bと、配列角度45度の連続繊維からなる強化繊維束層11cと、配列角度−45度の連続繊維からなる強化繊維束層11dとが積層されて疑似等方性に構成されている。
図1に示すように、三次元繊維強化複合材10は、複数の繊維(炭素繊維)が束ねられることで形成される繊維束が複数積層されてなる強化繊維束層11a,11b,11c,11dを有する。そして、各強化繊維束層11a,11b,11c,11dが積層されるとともに、各強化繊維束層11a,11b,11c,11dを厚さ方向糸12によって積層方向に結合することで三次元繊維構造体13が形成されている。三次元繊維構造体13は、配列角度0度の連続繊維からなる強化繊維束層11aと、配列角度90度の連続繊維からなる強化繊維束層11bと、配列角度45度の連続繊維からなる強化繊維束層11cと、配列角度−45度の連続繊維からなる強化繊維束層11dとが積層されて疑似等方性に構成されている。
図2に示すように、厚さ方向糸12は、三次元繊維構造体13の厚さ方向(各強化繊維束層11a,11b,11c,11dの積層方向)の一方の面(以下、単に「三次元繊維構造体13の一端面」とする)において、三次元繊維構造体13の外側に配列された抜け止め糸14と係合している。そして、厚さ方向糸12は、三次元繊維構造体13の厚さ方向に配列される部分のピッチが一定間隔で折り返されるように配列されている。抜け止め糸14は、厚さ方向糸12の配列面Pと交差する方向(本実施形態では直交方向)に配列されている。
厚さ方向糸12は、三次元繊維構造体13の厚さ方向の他方の面(以下、単に「三次元繊維構造体13の他端面とする)から三次元繊維構造体13内に挿入されるとともに三次元繊維構造体13を厚さ方向に貫通した後、三次元繊維構造体13の一端面よりも外側において、抜け止め糸14を囲繞してループ状に折り返されている。さらに、抜け止め糸14は、三次元繊維構造体13の一端面から三次元繊維構造体13内に挿入されるとともに三次元繊維構造体13を厚さ方向に貫通した後、三次元繊維構造体13の他端面よりも外側に引き出されている。三次元繊維構造体13の他端面よりも外側に引き出された厚さ方向糸12は、既に三次元繊維構造体13の他端面よりも外側に存在する厚さ方向糸12とは相反する方向に向けて三次元繊維構造体13の他端面に沿って延びた後、再度、三次元繊維構造体13内に挿入される。これが繰り返し行われることにより、各強化繊維束層11a,11b,11c,11dが厚さ方向糸12によって積層方向に結合される。
図1において拡大して示すように、三次元繊維構造体13には、厚さ方向糸12によって各強化繊維束層11a,11b,11c,11dを積層方向に結合していく際に、各強化繊維束層11a,11b,11c,11dに張力が加わる。そして、この各強化繊維束層11a,11b,11c,11dに加わる張力によって、厚さ方向糸12と、当該厚さ方向糸12に隣り合う各強化繊維束層11a,11b,11c,11dとの間に隙間21が形成されるとともに、厚さ方向糸12が相反する方向に延びる部位の間に隙間22が形成される。
図1に示すように、三次元繊維構造体13における隙間21,22以外の部位には、マトリックス樹脂31が含浸硬化されている。また、図1において拡大して示すように、隙間21,22には、マトリックス樹脂32が含浸硬化されている。本実施形態では、マトリックス樹脂31,32としてエポキシ樹脂が用いられている。このように、三次元繊維構造体13にマトリックス樹脂31,32が含浸硬化されることにより三次元繊維強化複合材10が形成される。
図3に示すように、厚さ方向糸12は、ガラス転移温度Tgが三次元繊維強化複合材10の使用環境温度Tx以下である樹脂繊維としての第1樹脂繊維41と、ガラス転移温度Tgが使用環境温度Tx以上である樹脂繊維としての第2樹脂繊維42との合繊糸である繊維束である。すなわち、厚さ方向糸12は、ガラス転移温度Tgが三次元繊維強化複合材10の使用環境温度Tx以下である第1樹脂繊維41を少なくとも含んでいる。
第1樹脂繊維41としてはアセタール繊維が用いられる。本実施形態では、アセタール繊維として、ポリアセタールが用いられる。ポリアセタールのガラス転移温度Tgは−50℃である。また、第2樹脂繊維42としてはポリアリレートが用いられる。ポリアリレートのガラス転移温度Tgは190℃である。なお、本実施形態の三次元繊維強化複合材10は、−50℃〜70℃の温度域で使用される。厚さ方向糸12中の第1樹脂繊維41の割合は第2樹脂繊維42に対して5〜540%であり、本実施形態では190%である。
次に、本実施形態の作用について説明する。
厚さ方向糸12は、三次元繊維強化複合材10の使用環境温度Txに応じて軟化する。よって、隙間21,22に含浸硬化したマトリックス樹脂32が収縮しても、マトリックス樹脂32の収縮に厚さ方向糸12が追従する。このため、マトリックス樹脂32の収縮に厚さ方向糸12が追従しない場合に比べると、マトリックス樹脂32の収縮によって隙間21,22に発生する内部応力が低減される。その結果、厚さ方向糸12の周辺でのクラックの発生が抑制される。
厚さ方向糸12は、三次元繊維強化複合材10の使用環境温度Txに応じて軟化する。よって、隙間21,22に含浸硬化したマトリックス樹脂32が収縮しても、マトリックス樹脂32の収縮に厚さ方向糸12が追従する。このため、マトリックス樹脂32の収縮に厚さ方向糸12が追従しない場合に比べると、マトリックス樹脂32の収縮によって隙間21,22に発生する内部応力が低減される。その結果、厚さ方向糸12の周辺でのクラックの発生が抑制される。
また、厚さ方向糸12は、第1樹脂繊維41と第2樹脂繊維42との合繊糸である。よって、厚さ方向糸12が、第1樹脂繊維41のみで形成されている場合に比べると、ガラス転移温度Tgが使用環境温度Tx以上である第2樹脂繊維42を含んでいる分だけ、厚さ方向糸12における各強化繊維束層11a,11b,11c,11dの積層方向への強度が向上する。したがって、厚さ方向糸12における各強化繊維束層11a,11b,11c,11dの積層方向への強度を維持しつつも、厚さ方向糸12の周辺でのクラックの発生が抑制される。
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)厚さ方向糸12は、ガラス転移温度Tgが三次元繊維強化複合材10の使用環境温度Tx以下である第1樹脂繊維41を少なくとも含んでいる。これによれば、三次元繊維強化複合材10の使用環境温度Txに応じて厚さ方向糸12が軟化することで、マトリックス樹脂32の収縮に厚さ方向糸12が追従する。このため、マトリックス樹脂32の収縮に厚さ方向糸12が追従しない場合に比べると、マトリックス樹脂32の収縮によって隙間21,22内に発生する内部応力を低減させることができる。その結果、厚さ方向糸12の周辺でのクラックの発生を抑制することができる。
(1)厚さ方向糸12は、ガラス転移温度Tgが三次元繊維強化複合材10の使用環境温度Tx以下である第1樹脂繊維41を少なくとも含んでいる。これによれば、三次元繊維強化複合材10の使用環境温度Txに応じて厚さ方向糸12が軟化することで、マトリックス樹脂32の収縮に厚さ方向糸12が追従する。このため、マトリックス樹脂32の収縮に厚さ方向糸12が追従しない場合に比べると、マトリックス樹脂32の収縮によって隙間21,22内に発生する内部応力を低減させることができる。その結果、厚さ方向糸12の周辺でのクラックの発生を抑制することができる。
(2)厚さ方向糸12は、ガラス転移温度Tgが使用環境温度Tx以下である第1樹脂繊維41と、ガラス転移温度Tgが使用環境温度Tx以上である第2樹脂繊維42との合繊糸である。これによれば、厚さ方向糸12が、第1樹脂繊維41のみで形成されている場合に比べると、ガラス転移温度Tgが使用環境温度Tx以上である第2樹脂繊維42を含んでいる分だけ、厚さ方向糸12における各強化繊維束層11a,11b,11c,11dの積層方向への強度を向上させることができる。よって、厚さ方向糸12における各強化繊維束層11a,11b,11c,11dの積層方向への強度を維持しつつも、厚さ方向糸12の周辺でのクラックの発生を抑制することができる。
(3)本実施形態の厚さ方向糸12を用いれば、三次元繊維強化複合材10を製造する過程において、マトリックス樹脂32が硬化収縮する際に、厚さ方向糸12がマトリックス樹脂32の硬化収縮に追従する。よって、マトリックス樹脂32の硬化収縮によって隙間21,22内に発生する内部応力を低減させることができ、厚さ方向糸12の周辺でのクラックの発生を抑制することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 図4に示すように、厚さ方向糸12が、複数の第2樹脂繊維42が第1樹脂繊維41によってカバーリングされてもよい。この場合、複数の第2樹脂繊維42をカバーリングする第1樹脂繊維41は、厚さ方向糸12を形成する繊維の一部である。
○ 図4に示すように、厚さ方向糸12が、複数の第2樹脂繊維42が第1樹脂繊維41によってカバーリングされてもよい。この場合、複数の第2樹脂繊維42をカバーリングする第1樹脂繊維41は、厚さ方向糸12を形成する繊維の一部である。
○ 実施形態において、第1樹脂繊維41として、ポリアセタール以外のアセタール繊維を用いてもよい。
○ 実施形態において、第1樹脂繊維41として、アセタール繊維以外の繊維を用いてもよい。例えば、第1樹脂繊維41として、ポリエチレンを用いてもよい。ポリエチレンのガラス転移温度Tgは−110℃である。この場合、三次元繊維強化複合材10を、−55℃〜70℃の温度域で使用してもよい。また、第1樹脂繊維41として、超高分子量ポリエチレンを用いてもよい。超高分子量ポリエチレンのガラス転移温度Tgは−120℃である。また、第1樹脂繊維41として、ナイロン繊維(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12等)を用いてもよい。また、第1樹脂繊維41として、エステル繊維(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)を用いてもよい。さらに、第1樹脂繊維41として、フッ素繊維(ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等)を用いてもよい。また、第1樹脂繊維41として、ポリメタクリル酸エステル繊維又はポリアクリル酸エステル繊維(ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸n−プロピル、ポリメタクリル酸n−ブチル等)を用いてもよい。さらに、第1樹脂繊維41として、ウレタン繊維(ポリウレタン等)を用いてもよい。要は、第1樹脂繊維41は、ガラス転移温度Tgが三次元繊維強化複合材10の使用環境温度Tx以下である樹脂繊維であればよい。
○ 実施形態において、第1樹脂繊維41として、アセタール繊維以外の繊維を用いてもよい。例えば、第1樹脂繊維41として、ポリエチレンを用いてもよい。ポリエチレンのガラス転移温度Tgは−110℃である。この場合、三次元繊維強化複合材10を、−55℃〜70℃の温度域で使用してもよい。また、第1樹脂繊維41として、超高分子量ポリエチレンを用いてもよい。超高分子量ポリエチレンのガラス転移温度Tgは−120℃である。また、第1樹脂繊維41として、ナイロン繊維(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12等)を用いてもよい。また、第1樹脂繊維41として、エステル繊維(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)を用いてもよい。さらに、第1樹脂繊維41として、フッ素繊維(ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等)を用いてもよい。また、第1樹脂繊維41として、ポリメタクリル酸エステル繊維又はポリアクリル酸エステル繊維(ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸n−プロピル、ポリメタクリル酸n−ブチル等)を用いてもよい。さらに、第1樹脂繊維41として、ウレタン繊維(ポリウレタン等)を用いてもよい。要は、第1樹脂繊維41は、ガラス転移温度Tgが三次元繊維強化複合材10の使用環境温度Tx以下である樹脂繊維であればよい。
○ 実施形態において、第2樹脂繊維42として、ガラス転移温度Tgが使用環境温度Tx以上であるポリアリレート以外の樹脂繊維を用いてもよい。
○ 実施形態において、厚さ方向糸12は、ガラス転移温度が使用環境温度以下である第1樹脂繊維41と、無機繊維との合繊糸であってもよい。例えば、厚さ方向糸12は、第1樹脂繊維41と炭素繊維又はガラス繊維との合繊糸であってもよい。
○ 実施形態において、厚さ方向糸12は、ガラス転移温度が使用環境温度以下である第1樹脂繊維41と、無機繊維との合繊糸であってもよい。例えば、厚さ方向糸12は、第1樹脂繊維41と炭素繊維又はガラス繊維との合繊糸であってもよい。
○ 実施形態において、厚さ方向糸12を第1樹脂繊維41のみで形成してもよい。この場合、使用環境温度Txにおいて、厚さ方向糸12によって各強化繊維束層11a,11b,11c,11dの積層方向への強度が確保されている必要がある。
○ 実施形態において、マトリックス樹脂31,32としてエポキシ樹脂以外の熱硬化性樹脂を用いてもよい。
○ 実施形態において、マトリックス樹脂31,32として熱硬化性樹脂以外の樹脂を用いてもよい。
○ 実施形態において、マトリックス樹脂31,32として熱硬化性樹脂以外の樹脂を用いてもよい。
○ 実施形態において、各強化繊維束層11a,11b,11c,11dの積層順序は特に限定されるものではない。
○ 実施形態において、厚さ方向糸12が並縫いで各強化繊維束層11a,11b,11c,11dを積層方向に結合する構成としてもよい。要は、各強化繊維束層11a,11b,11c,11dを積層方向に結合する構成としては、厚さ方向糸12と抜け止め糸14とからなる構成に限らない。
○ 実施形態において、厚さ方向糸12が並縫いで各強化繊維束層11a,11b,11c,11dを積層方向に結合する構成としてもよい。要は、各強化繊維束層11a,11b,11c,11dを積層方向に結合する構成としては、厚さ方向糸12と抜け止め糸14とからなる構成に限らない。
○ 実施形態において、繊維束は炭素繊維に限らず、例えば、ガラス繊維やセラミック繊維等の無機繊維、あるいは、アラミド繊維、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ポリアリレート繊維、超高分子量ポリエチレン繊維等の高強度の有機繊維であってもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記ガラス転移温度が使用環境温度以下である樹脂繊維として、ポリアセタールを用いる。
(イ)前記ガラス転移温度が使用環境温度以下である樹脂繊維として、ポリアセタールを用いる。
(ロ)前記ガラス転移温度が使用環境温度以下である樹脂繊維として、ポリエチレンを用いる。
(ハ)前記ガラス転移温度が使用環境温度以下である樹脂繊維として、超高分子量ポリエチレンを用いる。
(ハ)前記ガラス転移温度が使用環境温度以下である樹脂繊維として、超高分子量ポリエチレンを用いる。
10…三次元繊維強化複合材、11a,11b,11c,11d…強化繊維束層、12…厚さ方向糸、13…三次元繊維構造体、31,32…マトリックス樹脂、41…樹脂繊維としての第1樹脂繊維、42…樹脂繊維としての第2樹脂繊維。
Claims (3)
- 複数の強化繊維束層が積層されるとともに、各強化繊維束層を厚さ方向糸によって積層方向に結合して形成された三次元繊維構造体にマトリックス樹脂を含浸させてなる三次元繊維強化複合材であって、
前記厚さ方向糸は、ガラス転移温度が使用環境温度以下である樹脂繊維を少なくとも含んでいることを特徴とする三次元繊維強化複合材。 - 前記厚さ方向糸は、前記ガラス転移温度が使用環境温度以下である樹脂繊維と、無機繊維との合繊糸であることを特徴とする請求項1に記載の三次元繊維強化複合材。
- 前記厚さ方向糸は、前記ガラス転移温度が使用環境温度以下である樹脂繊維と、前記ガラス転移温度が使用環境温度以上である樹脂繊維との合繊糸であることを特徴とする請求項1に記載の三次元繊維強化複合材。
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